不動産管理業の経理・仕訳では、集金した家賃を売上にせず「預り金」で処理し、自社の売上は管理料などの手数料部分だけにするのが基本です。サブリース方式なら受取家賃の総額が売上になります。月次は精算書単位の一括仕訳と預り金残高の照合で、少人数でも正確な帳簿を保てます。
この記事の結論
管理受託方式では管理料などの手数料だけが売上で、集金した家賃・礼金・敷金は預り金(預り敷金)で処理します。サブリース方式では受取家賃が売上、オーナーへの借上げ賃料が費用です。
- 方式の判定は「入居者との賃貸借契約の貸主が誰か」で行う
- 月次は精算書単位の一括仕訳と、預り金残高と精算書の照合で回す
- 住宅家賃は非課税、管理料・仲介手数料・事業用の家賃は課税。簡易課税なら不動産業は第6種(みなし仕入率40%)
- 精算書(送金明細書)を、管理料のインボイスとして使える形に整える
- 修繕費の形式基準と、非居住者オーナーへの支払の20.42%の源泉徴収に注意する
管理受託方式とサブリース方式で、仕訳はどう変わる?
不動産管理業の経理には、他の業種にない大きな特徴があります。通帳を通るお金の大部分が、自社の売上ではなく「オーナーへ渡すお金」だという点です。ここを混同すると売上規模が実態の何倍にも見え、消費税の判定や融資審査の場面で支障が出る場合があります。
経理の処理は、契約形態が管理受託方式かサブリース方式かで根本から変わります。最初に自社の業態を確認することが、正しい記帳の出発点です。
管理受託方式(集金代行)
- 賃貸借契約はオーナーと入居者の間で結ばれる
- 自社の売上は管理料・仲介手数料などの手数料部分だけ
- 集金した家賃は負債の「預り金」で処理する
- 空室の損失はオーナーが負う
サブリース方式(一括借上げ・転貸)
- 自社がオーナーから借り上げ、貸主として入居者に転貸する
- 入居者からの受取家賃の全額が売上になる
- オーナーへの借上げ賃料は「支払家賃」(費用)
- 空室でも借上げ賃料が発生し、自社の損益に直結する
管理受託方式の売上は手数料部分だけ
集金した家賃はオーナーに引き渡す義務があるお金なので、売上ではなく預り金で処理します。例えば管理戸数50戸・家賃合計が月300万円でも、管理料率5%なら売上は月15万円(税抜)です。
サブリース方式は総額で計上する
例えば入居者から月300万円を受け取り、オーナーへ270万円を支払うなら、売上300万円・支払家賃270万円と総額で計上します。差額の30万円だけを売上にする処理は、原則として認められません。借上げ期間中は空室でもオーナーへの支払賃料が発生するため、空室損が自社の損益に直結する点も、管理受託方式との大きな違いです。
迷ったら賃貸借契約書で判定する
判定の軸は「入居者との賃貸借契約の貸主が誰か」です。貸主がオーナーなら管理受託、自社ならサブリースです。物件ごとに方式が混在する会社は、物件単位で区分して記帳します。
管理受託方式の基本仕訳は?【数値例つき】
前提条件は、管理戸数50戸、月額家賃合計300万円、管理料は家賃の5%+消費税、経理方式は税込経理とします。
| 取引 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 家賃の集金時 | 普通預金 | 3,000,000円 | 預り金 | 3,000,000円 |
| オーナーへ送金時 | 預り金 | 3,000,000円 | 普通預金 | 2,835,000円 |
| (同上・管理料の受取) | 売上高(管理料収入) | 165,000円 | ||
| 敷金の預り時 | 普通預金 | 120,000円 | 預り敷金 | 120,000円 |
| 礼金の受領時(オーナー帰属分) | 普通預金 | 60,000円 | 預り金 | 60,000円 |
| 更新事務手数料(自社帰属分) | 普通預金 | 11,000円 | 売上高(更新事務手数料) | 11,000円 |
送金額283万5,000円は、集金額300万円から管理料16万5,000円(15万円+消費税1万5,000円)を差し引いた金額です。損益計算書に載る売上は、この16万5,000円(税込)だけです。礼金や更新料も、オーナーに帰属する分は預り金として通過させ、契約で自社の取り分と定めた部分だけを売上にします。より多くの取引パターンは「不動産管理業の仕訳事例集で設例を確認する」にまとめています。
入居付け・その他の収入の仕訳
管理料以外の収入も、性質ごとに売上か預り金かを分けます。宅建業の免許を持つ会社であれば、入居付けの際の仲介手数料や広告料(AD)が代表例です。
| 取引 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 仲介手数料の受領(宅建業法の報酬規制の範囲内) | 普通預金 | 110,000円 | 売上高(仲介手数料) | 110,000円 |
| 広告料(AD)の受領(オーナー負担分) | 普通預金 | 55,000円 | 売上高(広告料収入) | 55,000円 |
| 鍵交換代を借主から預かった時(実費を業者へ渡すだけの場合) | 普通預金 | 16,500円 | 預り金 | 16,500円 |
| 鍵交換代を業者へ支払った時 | 預り金 | 16,500円 | 普通預金 | 16,500円 |
鍵交換や清掃を自社の役務として請け負い、利益を乗せて借主に請求する場合は扱いが変わります。受取額を売上、業者への支払を外注費として総額で計上します。
家賃滞納があるときの処理
純粋な集金代行であれば、滞納時は入金がないため仕訳は生じません。精算書に未収として記載し、オーナーへの送金額が減るだけです。一方、契約で滞納保証(送金保証)をしている場合は、自社が立て替えてオーナーへ送金します。立替分は費用ではなく、資産勘定の「立替金」で処理します。
| 取引 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 滞納分を立替送金した時(1戸・家賃6万円) | 立替金 | 60,000円 | 普通預金 | 60,000円 |
| 滞納家賃を回収した時 | 普通預金 | 60,000円 | 立替金 | 60,000円 |
立替金が長期化した場合は、決算で回収の可能性を検討します。貸倒れとして損失に計上するには税務上の要件があるため、回収の経過(督促の記録や相手の状況)を残したうえで判断します。
北海道の物件の除排雪費は、負担者で処理が変わる
北海道の物件では、冬季に共用部や駐車場の除排雪費が発生します。管理契約でオーナー負担としている費用は、預り金から業者に支払い、精算書に明細を載せます。管理料の範囲で自社が負担する契約なら、自社の経費(外注費など)として計上します。どちらの負担かを契約書で確認し、業者の請求書の宛名もそれに合わせておくと、オーナーの申告資料としても使いやすくなります。
仕訳の手間を減らすには?精算書単位の月次一括仕訳と純額方式
入居者ごとの入金を1件ずつ起票すると、50戸で毎月50仕訳以上になります。実務では、オーナー別の月次精算書(集金代行報告書)を単位にまとめる簡便処理が広く使われています。
月次一括仕訳のやり方(精算書ベース)
- 口座を分ける家賃の集金口座は自社の運転資金口座と分け、専用口座にします。
- 月末に1本で起票する精算書の合計額で「普通預金/預り金」を1本起票します。
- 送金時に管理料を振り替えるオーナーへの送金時に、管理料部分だけを売上に振り替えます。
- 残高を照合する月末の預り金残高が、精算書の未送金残高・敷金残高と一致するかを確認します。
| タイミング | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 月末(当月入金合計) | 普通預金 | 3,000,000円 | 預り金 | 3,000,000円 |
| 翌月初(差引送金) | 預り金 | 3,000,000円 | 普通預金 | 2,835,000円 |
| (同上) | 売上高(管理料収入) | 165,000円 |
この方法なら、オーナー10人でも月の仕訳は20本程度に収まります。会計ソフトの摘要欄に「〇年〇月分・精算書No.」を残しておくと、後から精算書と突き合わせできます。
集金口座の分離は、法令とオーナーとの約束を守る土台
賃貸住宅管理業法では、登録を受けた賃貸住宅管理業者に、受け取った家賃や敷金を自社の財産や他のオーナーの分と分けて管理すること(分別管理)が求められています。集金専用口座を設け、預り金の残高をオーナー別に毎月照合することは、帳簿の正確さだけでなく、この分別管理を説明できる状態を保つことにもつながります。
さらに簡便な「純額方式」の仕訳例
小規模な管理会社では、集金額と送金額の差額(管理料相当額)だけを売上に計上する純額方式の採用例もあります。月中の集金・送金のズレや敷金がなければ、月1本の仕訳で済みます。前提は先ほどと同じ、集金300万円・送金283万5,000円・差額16万5,000円のケースです。
| タイミング | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 月末(集金と送金の差額のみ計上) | 普通預金 | 165,000円 | 売上高(管理料収入) | 165,000円 |
| 敷金を預かった月(純額に含めず別建て) | 普通預金 | 120,000円 | 預り敷金 | 120,000円 |
| 決算時(期末に未送金がある場合の補正) | 普通預金 | 3,000,000円 | 預り金 | 3,000,000円 |
| 翌期首(補正の反対仕訳・洗替) | 預り金 | 3,000,000円 | 普通預金 | 3,000,000円 |
ポイントは3つです。第一に、売上(管理料収入)の金額は総額処理と同じ16万5,000円で、損益や納税額は変わりません。第二に、敷金は入居者へ返す義務があるお金なので、純額に紛れ込ませず「預り敷金」で別建てにします。第三に、期末時点で未送金の家賃があると帳簿の預金残高が実際の通帳と合わなくなるため、決算時に「普通預金/預り金」で補正し、翌期首に反対仕訳で戻します。
なお、期末に集金済みで未送金の家賃に、当期の管理業務に対応する管理料が含まれている場合は、その管理料を当期の売上(または未収入金)として計上します。管理料がどの月の業務の対価なのかを契約で確認しておくと、期をまたぐ処理で迷いません。
純額方式が向くケース
- オーナー数が少ない
- 敷金はオーナーが直接保管している
- 当月集金・当月送金で月ズレがない
純額方式が向かないケース
- 敷金を自社口座で保管している
- 送金が翌月にずれる
- 融資審査などで貸借対照表の説明が必要
- 管理戸数が拡大している
純額方式はあくまで入口の簡便法です。規模が大きくなったら、預り金勘定を使う総額処理(月次一括仕訳)へ移行するのが一般的です。勘定科目の設計や月次決算の進め方は「中小企業の経理・会計処理ガイドで月次の流れを確認する」も参考になります。
会計ソフトでの実務のコツ
- 預り金・預り敷金に、オーナー別(または物件別)の補助科目を設定する
- 摘要は「〇年〇月分・精算書No.・オーナー名」の形式で統一する
- 口座は「集金専用」「敷金保管」「自社運転資金」の3つに分けると照合が楽になる
- 毎月、預り金の補助元帳の残高と精算書の未送金残高を突き合わせる
消費税の区分は?住宅家賃は非課税、管理料は課税
不動産管理業は、課税・非課税・不課税の取引が混在する典型的な業種です。契約期間1か月以上の住宅の貸付けは、消費税が非課税とされています。
| 取引 | 消費税の区分 | ポイント |
|---|---|---|
| 管理料・仲介手数料・広告料・更新事務手数料 | 課税(10%) | 自社の売上の中心。すべて課税売上 |
| 住宅家賃(サブリースの転貸家賃を含む) | 非課税 | 契約期間1か月以上の住宅の貸付け |
| 事務所・店舗の家賃 | 課税 | 事業用の貸付けは課税 |
| 駐車場収入 | 課税 | アスファルト舗装などの施設の貸付けは課税。住宅と一体で貸す場合は非課税となるケースがある |
| 敷金・保証金(返還義務あり) | 課税対象外 | 預り金のため、損益・消費税とも影響しない |
| 礼金・更新料(住宅・返還不要) | 非課税 | 住宅家賃と同様に扱う。事業用の物件は課税 |
サブリース方式で住宅を転貸する会社は、非課税売上の割合が大きくなります。課税売上割合が下がると、支払った消費税の控除が制限される場合があるため、方式が混在する会社は特に注意が必要です。
管理受託方式で預り家賃を売上に含めてしまうと、事業用物件の家賃(課税)が自社の課税売上高に入り、免税事業者の判定(基準期間の課税売上高1,000万円以下)や簡易課税の判定(同5,000万円以下)を誤るおそれがあります。売上と預り金の区分は、消費税の判定の前提でもあります。
簡易課税を選ぶ場合:不動産業は第6種(みなし仕入率40%)
簡易課税制度では、不動産業は第6種事業で、みなし仕入率は40%です。基準期間の課税売上高が5,000万円以下であれば、事前の届出により選択できます。管理料などの課税売上が中心で、経費に課税仕入れが少ない会社では、簡易課税の方が有利になる場合があります。ただし2年間の継続適用が必要なため、原則課税との比較が前提です。
無料ツール簡易課税の納付税額を計算する事業区分を選んで、簡易課税で計算した消費税の納付税額の目安を確認できます。計算する
インボイス:精算書を管理料のインボイスにする
管理料は、オーナーにとって課税仕入れです。事務所・店舗など課税の物件を持つオーナーや法人のオーナーは、管理料について控除を受けるためにインボイスを必要とします。毎月の精算書(送金明細書)に、自社の登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した管理料の額と適用税率、消費税額等、オーナーの氏名または名称を記載しておけば、精算書をそのままインボイスとして使えます。
事務所・店舗の家賃(課税)を管理会社が代理で受け取る場合、オーナーと管理会社の双方が登録事業者であれば、管理会社が自社の名称と登録番号でインボイスを交付する「媒介者交付特例」を使える場合があります。どの書類を誰の名義で交付するかは、管理委託契約の段階でオーナーと取り決めておきます。
免税事業者の修繕業者などに支払う費用のうち、自社の課税仕入れになるものは、経過措置により2026年10月1日〜2028年9月30日は消費税相当額の70%を控除でき(2026年9月30日までは80%)、2028年10月1日以後は50%に下がります。管理受託方式でオーナーの預り金から支払う修繕費は、オーナー側の仕入れです。請求書の宛名と精算書への記載をそろえておきます。記載事項の全体は「インボイス制度の実務ガイドで記載事項を確認する」で整理しています。
修繕費・敷金精算・源泉徴収で、間違えやすいポイントは?
修繕費か資本的支出かの形式基準
1件20万円未満の修理や、おおむね3年以内の周期で行う修理は、修繕費として処理できます。修繕費か資本的支出か明らかでない支出は、60万円未満、または対象資産の前期末取得価額のおおむね10%以下であれば、修繕費とする処理が認められています。自社物件やサブリースで自社が修繕費を負担する場合に、特に関係します。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 修繕費 | 退去後のクロス張替え、給湯器の同等品への取替え、定期的な外壁補修 |
| 資本的支出 | 避難階段の取付けなど物理的な付加、事務所用から居住用への用途変更のための模様替え、通常より高性能な部品へのグレードアップ部分 |
退去時の敷金精算の仕訳例
敷金12万円を預かった入居者が退去し、借主負担の原状回復費3万3,000円を差し引いて8万7,000円を返還、差引額は修繕業者へ支払うケースです。
| タイミング | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 退去精算時 | 預り敷金 | 120,000円 | 普通預金(借主へ返還) | 87,000円 |
| (同上) | 預り金(業者支払充当分) | 33,000円 | ||
| 業者への支払時 | 預り金 | 33,000円 | 普通預金 | 33,000円 |
オーナーと借主の間の精算を仲介しているだけなら、管理会社の損益は通りません。自社物件やサブリースで自社が原状回復義務を負う場合は、内容に応じて修繕費や収益に計上します。また、自社が貸主となる契約に敷引き(償却)特約がある場合、返還しないことが確定した部分はその時点で収益に計上し、住宅に係るものであれば非課税売上として扱います。
非居住者オーナーへの支払は源泉徴収に注意
非居住者や外国法人へ国内の不動産の賃借料を支払う場合、支払者は原則として20.42%の源泉徴収が必要です(個人が自己や親族の居住用に借りる場合を除く)。徴収した税額は、支払った月の翌月10日までに納付します。サブリース方式で自社が非居住者オーナーから借り上げている場合は、自社が源泉徴収義務者になります。借上げ賃料270万円を支払う場合の仕訳は次のとおりです。
| タイミング | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 借上げ賃料の支払時 | 支払家賃 | 2,700,000円 | 普通預金 | 2,148,660円 |
| (同上・源泉分の預り) | 預り金(源泉所得税) | 551,340円 | ||
| 源泉所得税の納付時(翌月10日まで) | 預り金(源泉所得税) | 551,340円 | 普通預金 | 551,340円 |
管理受託方式でも、借主が法人や事業者の場合には、借主側に源泉徴収義務が生じることがあります。誰が源泉徴収義務者になるかは契約の形と支払の流れで変わり、精算を誤ると関係者全員に影響するため、オーナーの居住地は契約時に確認しておきます。
非居住者オーナーの源泉徴収や、サブリースと管理受託が混在する場合の消費税は、契約内容で扱いが変わります。初回無料で確認できます。
無料で相談する自社の備品は「40万円未満」の特例が使える場合も
自社で使うパソコンや事務機器には、中小企業者等の少額減価償却資産の特例があります。令和8年度税制改正で、2026年4月1日以後に取得したものは取得価額40万円未満が対象になり(2026年3月31日までの取得は30万円未満)、適用期限は2029年3月31日までです。年間の合計300万円までという上限があり、従業員400人超の法人は対象外です。
決算で確認したいポイントは?
不動産管理業の決算では、損益よりも先に、預り金と預金の残高が説明できるかを確認します。次の項目を決算前に点検しておくと、修正が少なくて済みます。
- 預り金残高の内訳(未送金家賃+預り敷金)が管理台帳と一致しているか
- 決算月分の管理料で未入金のものを、未収入金として計上したか
- 翌期分の家賃・管理料を前受けしていれば、前受金に振り替えたか
- 純額方式の場合、期末未送金分の預り金の補正を入れたか
- 滞納立替金の回収状況を確認し、長期化分の扱いを検討したか
- 非居住者オーナーへの支払がある場合、源泉徴収と納付が漏れていないか
- 精算書(インボイス)の記載事項と、修繕業者の請求書の宛名がそろっているか
金融機関に決算書を説明する場面では、預り金と預金残高のバランスや、売上の中身を聞かれることがあります。預り家賃を売上に含めた決算書は、売上規模が実態より大きく利益率が低く見えるため、管理料収入と預り金を正しく区分しておくことが、融資の説明のしやすさにもつながります。資金調達の準備は「融資・資金調達ガイドで金融機関が見るポイントを確認する」も参考にしてください。
よくある質問
オーナーへ送金する前の家賃を、一時的に運転資金に使ってもよいですか?
預り金はオーナーのお金で、流用は管理委託契約に反するおそれがあり、オーナーからの信頼も損ないます。登録を受けた賃貸住宅管理業者には分別管理が求められているため、集金専用口座を分け、自社の資金繰りは自社の資金で行います。
預り金の残高が精算書と合わないときは、どこから確認しますか?
よくある原因は、集金と送金の月ズレ、敷金の入出金の計上漏れ、管理料の差引き漏れ、立替金の処理の誤りです。オーナー別の補助元帳と精算書を月ごとに突き合わせ、差額が生じた月の取引から順に確認します。
サブリースの借上げ賃料(住宅)を払うとき、消費税はかかりますか?
住宅として転貸することが契約で明らかな場合(契約で明らかでなくても、貸付けの状況から居住用であることが明らかな場合を含む)は、オーナーからの借上げも住宅の貸付けとして非課税です。事務所・店舗として転貸する物件の借上げは課税になります。
個人オーナーの確定申告のために、管理会社は何を渡せばよいですか?
年間の精算書(月次精算書の合計)、預り敷金の残高、修繕費の明細と請求書、管理料のインボイスをそろえると、オーナーが不動産所得を計算しやすくなります。年明けに早めに渡せるよう、年間の集計を月次の延長で作っておきます。
まとめ
不動産管理業の経理・仕訳は、管理受託方式なら手数料だけを売上にして家賃・敷金を預り金で処理し、サブリース方式なら受取家賃と借上げ賃料を総額で計上するのが基本です。月次は精算書単位の一括仕訳と預り金残高の照合で回し、純額方式を使うなら敷金の別建てと決算時の補正を忘れないようにします。消費税は住宅家賃が非課税・管理料が課税で、精算書を管理料のインボイスとして整えておくと、オーナーとのやり取りもスムーズになります。
札幌の公認会計士・税理士事務所
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- その場でご契約を迫ることはありません
対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り
出典・参考(公的機関)
本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
更新履歴:2026年10月 全面改訂(令和8年度税制改正を反映)
