結論から言うと、融資審査で見られているのは「貸したお金が約束どおり返ってくるか」の一点です。具体的には利益(返済原資)、資金繰り、自己資本、経営者の信頼性、資金使途の5項目に整理できます。
この5つを審査前に自分で点検しておけば、面談での説明は見違えるほどスムーズになります。本記事では項目ごとの見られ方と準備を解説します。読み終えるころには、自社で次に何をすべきかが具体的に見えるはずです。
まずは全体像からひとつずつ確認していきましょう。
この記事は、こんな方に役立ちます
- 追加融資・借換えを検討中で、入金までの日数を知りたい札幌・北海道の経営者
- 何を準備すれば審査がスムーズか、つまずきを避けたい方
- 融資の段取りを税理士に任せるか迷っている方
- 見られるのは利益・資金繰り・自己資本・経営者・使途の5項目
- 返済原資=税引後利益+減価償却費が基本式
- 公私混同(役員貸付金等)は大きなマイナス
- 使途は数字で語る。準備資料は5点セット
具体例:債務償還年数と自己資金比率の試算
具体例:借入残高3,000万円の企業の債務償還年数
債務償還年数は「有利子負債 ÷(経常利益+減価償却費)」で求める代表的な計算式があります(金融機関により算式が異なる場合があります)。
| ケース | 経常利益+減価償却費 | 債務償還年数(概算) | 評価イメージ |
|---|---|---|---|
| A社(借入3,000万円) | 500万円/年 | 6年 | 10年以内で良好 |
| B社(借入3,000万円) | 200万円/年 | 15年 | 要注意先リスク |
※一般的な目安の概算イメージです。金融機関により算式や判断基準が異なります。2026年(令和8年)時点の参考値です。
金融機関の審査では、債務償還年数が「10年以内」かどうかが一つの分水嶺とされています。10年を超えると要注意先と判断されるリスクが高まり、追加担保の要求や融資条件の厳格化につながる場合があります。利益水準を上げるか、借入残高を計画的に圧縮するかが対策の二本柱です。
自己資金比率についても、申請総額の2〜3割を自己資金で用意できているかどうかが実務上の目安になります。特に新規融資・増額申請時は、試算表・資金繰り表と合わせて数値の根拠を説明できる状態で臨むことが、審査をスムーズに進めるうえで重要です。
利益と資金繰り:返済原資の証明
金融機関は「税引後利益+減価償却費」を返済原資と見ます。例えば年間返済額300万円の借入を希望するなら、それを上回る返済原資が継続的に出ているかが第一関です。赤字決算でも、原因と改善策を数字で説明できれば評価は変わります。
自己資本と経営者信用
債務超過でないか、役員貸付金のような「会社と個人の財布の混同」がないかは、金融機関が必ず見るポイントです(「役員貸付金のリスクと解消法」参照)。納税状況や他行借入の返済履歴も信用情報として見られます。
資金使途:前向きな物語を数字で
設備資金は見積書と投資効果の試算、運転資金は資金繰り表で「なぜ必要か・いつ返せるか」を示します。創業期・新規事業なら日本政策金融公庫(日本政策金融公庫)の制度も有力です(「公庫の創業融資の流れ」参照)。面談対策は「融資面談のコツと準備」でも解説しています。
審査前の準備チェック
直近の決算書・試算表・資金繰り表・借入一覧・事業計画の5点を整え、説明のストーリーを一貫させます。弊事務所では融資用資料のたたき台作成にAIを活用し、税理士が数字の整合性を最終確認する運用で、準備期間の短縮を支援しています。
まとめ
- 見られるのは利益・資金繰り・自己資本・経営者・使途の5項目
- 返済原資=税引後利益+減価償却費が基本式
- 公私混同(役員貸付金等)は大きなマイナス
- 使途は数字で語る。準備資料は5点セット
融資戦略と資料準備は、弊事務所(ジェイスタート会計事務所)へお気軽にご相談ください。
具体例:借換えで総返済額はどれだけ変わる?(試算例・概算)
借入残高1,000万円・残り5年(60回)を、金利2.5%→1.5%へ借換えた場合の試算です。
| 区分 | 毎月返済 | 総返済額 | 利息合計 |
|---|---|---|---|
| 金利2.5% | 約177,500円 | 約1,065万円 | 約65万円 |
| 金利1.5% | 約173,100円 | 約1,039万円 | 約39万円 |
| 差額 | 約4,400円/月 | 約26万円減 | 約26万円減 |
※元利均等返済での概算。実際は借換え時の手数料・保証料・印紙代等で実質メリットは変わります。自社の条件での試算はお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
