贈与税申告の代行|依頼から完了までの流れ・必要書類・日数の目安

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贈与税申告の代行を税理士に頼むと、相談・資料収集・財産評価・申告書の作成・e-Taxでの提出の5段階で進みます。日数の目安は、現金だけなら資料がそろってから1〜2週間、土地や非上場株式が絡むと1か月以上です。期限は贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日で、住宅資金の非課税などの特例は期限内の申告が条件です。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

現金だけの単純な贈与なら、自分でも申告できます。一方、土地や非上場株式の評価、住宅取得等資金の非課税・相続時精算課税などの特例が絡む場合は、専門家に任せる価値があります。これらの特例は、正しい評価と添付書類をそろえた期限内の申告が条件だからです。

  • 申告・納税の期限は翌年2月1日〜3月15日(2026年分は2027年2月1日〜3月15日)
  • 暦年課税は、1年間にもらった財産の合計が基礎控除110万円を超えると申告が必要
  • 住宅取得等資金の非課税と相続時精算課税は、税額がゼロでも期限内に申告(届出)しないと使えない
  • 日数の目安は現金のみ1〜2週間、土地・建物は3週間〜1か月、非上場株式は1〜2か月以上
  • 申告が集中する2〜3月を避け、贈与を受けた年のうちに相談すると余裕をもって進められる
目次

贈与税の申告が必要になるのはどんなとき?期限は?

暦年課税では、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が、基礎控除の110万円を超えると申告が必要です。贈与者が複数いる場合も、もらった人ごとに合計して判定します。

申告と納税の期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。2026年中に受けた贈与(2026年分)は、2027年2月1日から3月15日までに申告・納税します。

ケース申告押さえておきたい点
暦年課税で年110万円を超える贈与を受けた必要現金・不動産・株式など、もらった財産すべての合計で判定する
父母や祖父母から住宅取得等資金の贈与を受け、非課税の特例を使う必要(税額ゼロでも)省エネ等住宅は1,000万円、その他の住宅は500万円まで非課税(2024年1月1日〜2026年12月31日の贈与。もらった人の合計所得金額2,000万円以下などの要件あり)
相続時精算課税を初めて選ぶ選択の届出書が必要60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与が対象。年110万円の基礎控除以下なら申告書は不要だが、届出書は期限内に出す
相続時精算課税で年110万円を超える贈与を受けた必要特別控除2,500万円の範囲内でも申告し、超える部分は20%で課税される
婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産などを贈与した(配偶者控除)必要(税額ゼロでも)控除を受けるための書類を申告書に添付する
贈与税の申告が必要になる主なケース(2026年10月時点)

住宅取得等資金の非課税は、2026年12月31日までの贈与が対象で、期限の延長は決まっていません(令和9年度の税制改正の議論待ち)。援助を受ける時期が年をまたぎそうな場合は、早めに確認しておきます。

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住宅取得等資金の贈与の非課税を計算する親や祖父母から住宅資金の援助を受けるとき、非課税枠を使った後の課税額の目安を確認できます。計算する

期限を過ぎると特例が使えなくなることがある

住宅取得等資金の非課税と相続時精算課税は、期限内の申告(届出)が適用の条件です。期限を過ぎてから申告しても特例は受けられず、通常の暦年課税で税額を計算することになります。

申告が必要なのに期限までに申告しなかった場合は、本来の税額に加えて延滞税と無申告加算税がかかります。無申告加算税は原則15%で、50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%です。

依頼から完了までの流れは?5つのステップ

税理士に贈与税申告の代行を依頼した場合、一般的には次の5つのステップで進みます。各ステップで何を準備すればよいかを知っておくと、やり取りの回数が減り、完了までの日数も短くなります。

  1. 初回相談・見積もり贈与の内容(誰から、いつ、何を、いくら)と財産の種類を伝え、申告の要否、使える特例、報酬と納期を確認します。贈与の時期と金額のメモ、通帳の該当ページがあると話が早く進みます。
  2. 資料収集贈与契約書、通帳の写し、不動産なら登記事項証明書や固定資産税の課税明細書などをそろえます。路線価図など、税理士の側で取得できる資料もあります。
  3. 財産の評価土地は路線価方式か倍率方式、建物は固定資産税評価額をもとに評価します。非上場株式は、会社の決算書をもとに株価を算定します。
  4. 申告書の作成・確認税額と特例の適用について説明を受け、内容を確認します。暦年課税と相続時精算課税のどちらを選ぶかも、この段階で比べます。
  5. 電子申告・納税税理士がe-Taxで申告書を提出し、納付の方法と期限の案内を受けます。申告書の控えと添付書類は、将来の相続に備えて保管します。

相続時精算課税は一度選ぶと撤回できず、その贈与者からの以後の贈与はすべて精算課税の対象になります。将来の相続税まで含めた損得は、暦年贈与と相続時精算課税の比較計算で目安をつかめます。

所要日数の目安は?財産の種類で変わる

2/1〜3/15申告・納税の期間(贈与を受けた年の翌年)
110万円暦年課税の基礎控除(1年間の合計)
1〜2週間現金のみの場合の所要日数の目安
財産の種類日数の目安日数を左右するもの
現金・預金のみ資料がそろってから1〜2週間程度特例を使わなければ最短で完了
上場株式・投資信託2〜3週間程度残高証明書などの取り寄せ
土地・建物3週間〜1か月程度登記・評価の資料と現況の確認
非上場株式1〜2か月以上会社の決算資料の入手と株価の算定
所要日数の目安(資料がそろってからの一般的な目安)

あくまで一般的な目安で、申告が集中する2〜3月は前後します。期限の直前は新しい依頼の受付を締め切る事務所もあるため、贈与を受けた年のうちに相談しておくと安心です。

日数が延びやすいのは、必要な資料が後から見つかる場合です。例えば住宅取得等資金の特例では、住宅の新築・取得の時期によって添付する書類が変わります。建物の完成や引渡しの予定は、最初の相談の時点で伝えておくと段取りがスムーズです。

必要書類は?財産の種類別チェックリスト

必要な書類は、もらった財産の種類と使う特例で変わります。すべての申告で使う書類に加えて、該当するものをそろえます。

すべての申告で用意するもの

  • もらった人のマイナンバーがわかる書類と本人確認書類
  • 贈与契約書(作成している場合)
  • 贈与の事実がわかる通帳の写しや振込の記録
  • 過去に受けた贈与の内容(相続時精算課税を選んでいる贈与者がいるか)

不動産をもらった場合

  • 登記事項証明書
  • 固定資産税の課税明細書または評価証明書
  • 公図や地積測量図、人に貸している場合は賃貸借契約書

住宅取得等資金の非課税を使う場合

  • 住宅の売買契約書または工事請負契約書の写し
  • 新築・取得した住宅の登記事項証明書
  • もらった人の合計所得金額がわかる書類(源泉徴収票など)
  • 贈与者との関係がわかる戸籍の謄本など
  • 省エネ等住宅の非課税枠を使う場合は、基準を満たすことを証明する書類

非上場株式をもらった場合

  • 会社の直前期以前の決算書と法人税の申告書(勘定科目内訳明細書を含む)
  • 株主名簿と、会社が所有する土地・建物の資料

自分で申告するか、税理士に頼むかの判断基準は?

現金の贈与だけで特例を使わないなら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で自分で作成して提出することも現実的です。一方、評価や選択の誤りが数十万円単位の差になることがあるケースは、専門家に任せる価値があります。

自分で申告しやすいケース

  • 現金・預金の暦年贈与だけ
  • 特例を使わない
  • 贈与者が少なく、金額と日付がはっきりしている

税理士に頼みたいケース

  • 土地・建物をもらった(形状や利用状況による減額の検討が必要)
  • 非上場株式をもらった
  • 住宅取得等資金の非課税、相続時精算課税、配偶者控除を使う
  • 複数年にわたる贈与の計画がある

暦年課税の税率は10〜55%の累進税率です。父母や祖父母から、その年の1月1日に18歳以上の子や孫への贈与には、一般の税率より低い特例税率が使えます。

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暦年課税の贈与税額を自動計算するもらった金額から、暦年課税の贈与税額の目安を確認できます。計算する

「名義預金」は贈与と認められないことがある

親が子や孫の名義で口座を作って積み立てていても、本人が口座の存在を知らず、通帳や印鑑を親が管理している場合は、贈与が成立していないと判断されることがあります。その場合、預金は親の財産のまま扱われ、相続のときに相続財産に含まれます。

贈与は、あげる人ともらう人の双方の合意と、もらった人が自由に使える状態にあることが前提です。

依頼するときに確認したいことは?報酬の決まり方と当事務所の対応

代行の報酬は、もらった財産の種類と評価の手間によって決まるのが一般的です。主な要素は、評価する財産の数と種類、土地の形状や利用状況の複雑さ、非上場株式の株価算定の有無、使う特例の数、資料の整理の状況です。金額だけで比べず、何が含まれているかを見積もりの段階で確認します。

  • 報酬の総額と内訳(財産の評価の手数料が別になっていないか)
  • 含まれる作業の範囲(評価、申告書の作成、e-Taxでの提出、税務署からの問合せへの対応)
  • 納期と、資料が遅れた場合の扱い
  • 登記事項証明書などの取得を代行してもらえるか、その実費
  • 翌年以降も贈与を続ける場合の進め方

当事務所の対応について

当事務所は、申告書の作成だけを単発でお受けするスポットのご依頼は行っていません。贈与税の申告は、贈与の進め方や将来の相続まで含めたご相談の中で、対応の範囲と進め方をご提案しています。料金の考え方は料金・契約の流れでご確認いただけます。

どの特例が使えるか、自分で申告できる内容かは、もらった財産と贈与の時期で変わります。初回無料で確認できます。

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申告書はどこに出す?住所地の税務署と郵送先

贈与税の申告書は、財産をもらった人の住所地を所轄する税務署に提出します。あげた人の住所地ではない点に注意します。e-Taxで提出すれば、窓口に行かずに済みます。

札幌市内に住んでいる場合

市内の5つの税務署は、北区・東区が「北」、白石区・厚別区が「東」、豊平区・南区・清田区が「南」、西区・手稲区が「西」の管轄です(正式名称は札幌北税務署など)。中央区は、おおむね西10丁目より東が「中」、大通西11丁目より西や円山・宮の森などが「西」の管轄で、個別の住所は国税庁の管轄区域表で確認できます。

2026年7月10日から、5つの税務署の内部事務は札幌業務センターに集約されています。書面の申告書を郵送する場合は、同センター(〒060-8510 中央区大通西10丁目)が送付先です。窓口に持参する場合とe-Taxで提出する場合は、所轄の税務署が提出先です。

よくある質問

贈与を受けた年の途中でも相談できますか?

できます。年の途中で相談すると、暦年課税と相続時精算課税のどちらを選ぶかや、住宅取得等資金の特例の要件を前もって確認できます。住宅資金の特例は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を新築・取得し、原則として同日までに住むことなどが要件です。

申告期限を過ぎてしまったら、どうすればよいですか?

できるだけ早く期限後申告をします。税務署の調査の通知を受ける前に自主的に申告すれば、無申告加算税が軽くなる取扱いがあります。ただし、住宅取得等資金の非課税や相続時精算課税は使えなくなります。手続きの流れは期限後申告の流れと所要日数で整理しています。

贈与税を申告した財産は、相続のときにどう扱われますか?

暦年課税の贈与でも、相続開始前の一定期間の贈与は相続財産に加算されます。相続開始が2026年12月31日までは3年、2027年1月1日から2030年12月31日までは2024年1月1日以後の贈与、2031年1月1日以後は7年が対象です。延長された期間の贈与は、総額100万円まで加算しません。相続時精算課税の贈与は、年110万円の基礎控除を除いた金額が加算されます。加算額の目安は生前贈与加算の計算で確認できます。

税務署から購入資金についての「お尋ね」が届いたら、どうすればよいですか?

不動産を購入した人などに、購入資金の出どころを確認する文書が届くことがあります。親からの援助があった場合は、贈与税の申告の要否と特例の適用を確認したうえで回答します。回答と申告の内容が食い違わないよう、資金の流れを通帳で整理しておきます。

贈与契約書は作ったほうがよいですか?

贈与は口頭でも成立しますが、贈与の事実を示す証拠として契約書を作っておくと安心です。毎年贈与する場合でも、最初から「毎年いくらを何年間」と約束すると、約束した総額を一度に贈与したとみなされるおそれがあるため、贈与のたびに契約書を作ります。

まとめ

贈与税申告の代行は、相談・資料収集・評価・作成・電子申告の5段階で進み、現金だけなら1〜2週間、土地や非上場株式が絡むと1か月以上が目安です。住宅取得等資金の非課税や相続時精算課税は、期限内の申告が条件です。贈与を受けた年のうちに相談し、2月1日〜3月15日の期限に余裕をもって準備することが大切です。

札幌の公認会計士・税理士事務所

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対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り

出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂

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