相続時精算課税制度とはメリットデメリットを解説します

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結論から言うと、相続時精算課税制度は「累計2,500万円までの贈与に贈与税がかからず、その代わり相続時に相続財産へ加算して精算する」制度です。

2024年(令和6年)の改正で年110万円の基礎控除が新設され、この110万円以下の部分は相続時の加算も不要になり、使い勝手が大きく改善しました。一方、一度選択すると暦年課税には戻れません。

本記事で仕組みとメリット・デメリットを整理します。

この記事は、こんな方に役立ちます

  • 相続・贈与の対策を早めに考えたい方
  • 事業承継の進め方を知りたい経営者
  • 何から手をつければよいか整理したい方
①財産の把握②評価③遺産分割の検討④申告書作成⑤申告・納税
相続税の申告期限は相続開始から10か月以内
図:相続の手続きの流れ
この記事のポイント
  • 累計2,500万円まで贈与税なし、超過分は20%
  • 令和6年から年110万円の基礎控除(申告不要・加算不要)
  • 暦年贈与の相続前加算は3年→7年に延長された
  • 選択後は暦年課税に戻れないため、財産の種類と規模で事前検討を
  • 届出期限(贈与の翌年3月15日)を忘れずに

具体例:相続時精算課税制度の活用イメージ(令和6年改正後)

具体例:令和6年以降の制度を使った贈与イメージ(親→子1名)

令和6年(2024年)1月1日以降の相続時精算課税では、特別控除(累計2,500万円)に加え、年110万円の基礎控除が新設されました。基礎控除内の贈与は贈与税が非課税で、相続財産への持ち戻しも不要です。

区分取扱い
年110万円の基礎控除(令和6年〜)贈与税非課税・相続財産への持ち戻し不要
特別控除(累計2,500万円まで)贈与税非課税。ただし相続時に相続財産へ持ち戻して精算
特別控除を超えた部分一律20%の贈与税
例)年600万円を5年贈与毎年110万円は非課税枠、残490万円×5年=2,450万円が特別控除内(贈与税0円)

※試算例・概算です。年110万円の基礎控除・特別控除2,500万円・超過分20%は2026年(令和8年)時点の制度です。相続時精算課税は一度選択すると撤回できません。実際の有利不利は財産総額・相続税率により異なります。

令和6年の改正で、相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設されました。この範囲内であれば贈与税は非課税で、相続発生時の財産への持ち戻しも不要です。これは暦年贈与(持ち戻しの対象になりうる)と異なる大きなメリットです。

一方、相続時精算課税は一度選択すると撤回できません。特別控除(累計2,500万円)を超えた贈与には一律20%の贈与税がかかり、相続発生時には特別控除を利用した部分の贈与財産を相続財産に持ち戻して精算します。

将来の財産総額や相続税率の見込みを踏まえ、暦年贈与との比較検討を行ったうえで選択することが重要です。

目次

相続時精算課税の仕組み

国税庁タックスアンサーNo.4103によると、原則、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について選択できます。

特別控除額は累計2,500万円で、超えた部分には一律20%の贈与税がかかります(支払った贈与税は相続税から控除)。

選択するには、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間に「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要です。

令和6年改正:年110万円の基礎控除が新設

令和6年1月以後の贈与からは、2,500万円の特別控除とは別に、毎年110万円の基礎控除が使えます。この基礎控除分は贈与税申告が不要で、相続時の加算対象にもなりません。

例えば母から毎年110万円ずつ4年間贈与を受けた場合、合計440万円について贈与税も相続時の加算もありません。この点で、後述する暦年贈与の7年加算との比較が重要になります。

暦年課税との違い:7年加算に注意

暦年課税(通常の贈与)にも年110万円の基礎控除がありますが、相続等で財産を取得した人への相続開始前の贈与は、令和6年以後順次、加算期間が3年から7年に延長されました(延長された4年分は合計100万円まで加算対象外)。

つまり直前の駆け込み贈与は効果が薄れています。早めに計画するほど暦年贈与の効果は大きく、高齢になってからの対策は精算課税の110万円基礎控除が有利になるケースが多い、というのが大まかな目安です。

メリットとデメリット

  • メリット:値上がりが見込まれる財産(自社株・不動産等)を贈与時点の価額で固定できる
  • メリット:収益物件を早めに移せば、以後の賃料収入は受贈者に帰属
  • メリット:令和6年以後は年110万円まで申告不要・加算不要
  • デメリット:一度選択すると同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻れない
  • デメリット:小規模宅地等の特例が使えない・値下がり財産は不利になる

小規模宅地等の特例については「小規模宅地等の特例の解説」をご覧ください。

どう使い分けるか:判断の目安

相続財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)に収まる見込みのご家庭なら、精算課税で早めに財産を移しても相続税の心配は小さいです。

一方、相続税が確実にかかる資産規模で長期間贈与できるなら、暦年贈与の継続も有力です。詳しくは「生前贈与の解説」「相続対策の全体像」もあわせてどうぞ。

まとめ

この記事のまとめ
累計2,500万円まで贈与税なし、超過分は20%
令和6年から年110万円の基礎控除(申告不要・加算不要)
暦年贈与の相続前加算は3年→7年に延長された
選択後は暦年課税に戻れないため、財産の種類と規模で事前検討を
届出期限(贈与の翌年3月15日)を忘れずに

どちらの制度が有利かは財産構成で変わります。個別のご相談はジェイスタート会計事務所へどうぞ。

相続で早めに確認しておくこと

  • 財産の一覧(不動産・預貯金・有価証券・保険)
  • 借入金・未払金などの債務
  • 法定相続人の確認
  • 遺言の有無
  • 自社株がある場合の評価と承継方針
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関連ページ:会計・税務顧問業務内容・対応事例対応事例

※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。

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