結論から言うと、相続対策は「①現状把握(財産リストと税額試算)→②分割対策(遺言等)→③納税資金対策→④節税対策」の順で進めるのが基本です。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、これに収まれば相続税はかかりません。まず自家の財産が基礎控除を超えるかを確認し、超える場合に生前贈与や保険の活用を検討しましょう。本記事で全体像を整理します。
まず基礎控除と財産の棚卸しから
国税庁タックスアンサーNo.4102によると、相続税は正味の遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合にかかります。例えば相続人が配偶者と子2人なら4,800万円まで非課税です。不動産は路線価・固定資産税評価額をもとに評価するため、時価より低くなるのが一般的です。財産リストを作り、概算でよいので税額試算までやっておくと、対策の要否がはっきりします。
生前贈与:7年加算時代の使い方
暑年贈与(年110万円の基礎控除)は、令和6年以後、相続開始前の加算期間が3年から7年に段階的に延長されました。「早く始めて長く続ける」こと、そして相続人以外(孫など)への贈与を組み合わせることがより重要になっています。まとまった財産を移すなら相続時精算課税(2,500万円+年110万円)も選択肢です。詳しくは「生前贈与の解説」「相続時精算課税の解説」をご覧ください。
生命保険の非課税枠を使う
死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。預金の一部を一時払い終身保険に変えるだけで課税価格を圧縮でき、納税資金や代償分割の原資にもなります。詳細は「保険を活用した相続対策」で解説しています。
小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減
自宅の敷地は、要件を満たせば小規模宅地等の特例で330㎡まで8割減で評価できます。また、配偶者には「1億6,000万円または法定相続分のどちらか多い金額」までの税額軽減があります。ただし二次相続まで見据えると配偶者に寄せすぎない方が有利なケースも多く、シミュレーションが欠かせません。特例の要件は「小規模宅地等の特例の解説」を参照ください。
分割対策:遺言が最大の節税になることも
小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は、申告期限までに遗産分割がまとまっていることが適用の前提になる場面が多くあります。分割で揉めると特例が使えず税負担が重くなる、という意味で、遺言書の準備はそれ自体が節税対策でもあります。公正証書遺言の活用や、生前の家族会議をおすすめします。
まとめ
- 基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人。まず試算から
- 生前贈与は7年加算を踏まえて早め・長く・幅広く
- 生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人)を活用
- 小規模宅地等の特例・配偶者軽減は分割が前提。遺言で備える
- 二次相続まで含めたシミュレーションを
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※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
