記帳代行の費用はどう決まる?仕訳件数・範囲で変わる料金の内訳

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記帳代行の費用は、毎月の仕訳件数、領収書など証憑の整理状況、試算表や申告まで含めるかという依頼の範囲、記帳の頻度で決まります。金額だけで比べると範囲の違いを見落としやすいため、同じ条件で見積りを取り、含まれる作業を確かめることが大切です。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

記帳代行の費用は「仕訳件数」「証憑の状態」「依頼の範囲」「頻度」で決まります。見積りは同じ条件で比べ、税務相談や申告まで頼めるかも確認します。

  • 仕訳件数が多い業種や、領収書がまとまっていない場合は費用が上がりやすい
  • 銀行・カードを会計ソフトに連携すると、入力の手間が減り費用を抑えやすい
  • 税務相談や申告書の作成は税理士の業務で、記帳だけの業者には頼めない
  • 税務顧問と記帳代行をあわせて頼むと、数字の確認から申告まで一貫して任せられる
  • 記帳を任せても、帳簿や電子取引データの保存は事業者自身の義務として残る
目次

記帳代行とは?どこまで頼める?

記帳代行とは、領収書・請求書・通帳コピーなどの原始証憑(げんしけいひょう:取引の証拠となる書類)をもとに、会計ソフトへの入力や帳簿作成を税理士事務所や専門業者が代行するサービスです。経営者が自ら帳簿をつける時間を節約でき、正確な財務情報を把握しやすくなります。

  • 対象:個人事業主、中小企業(法人)のいずれも利用できます。
  • 範囲:仕訳入力・帳簿作成が中心で、月次試算表の作成を含む場合もあります。
  • 税理士による記帳代行は、税務相談・確定申告のサポートと組み合わせやすい点が特徴です。

依頼先によって、頼める範囲が違う点に注意が必要です。帳簿の作成そのものは税理士でなくても行えますが、税務相談や申告書の作成、税務調査の立会いは、税理士法で税理士(税理士法人)に限られた業務です。

作業記帳だけの業者税理士事務所
仕訳入力・帳簿の作成頼める頼める
月次試算表の作成頼める場合がある頼める
「この支出は経費になるか」などの税務相談頼めない頼める
確定申告書・法人税申告書の作成頼めない頼める
税務調査の立会い頼めない頼める
依頼先による範囲の違い(税理士法に基づく一般的な整理)

記帳だけを外部に頼み、申告は別の税理士に頼む形もありますが、記帳の方針と申告の判断が分かれると、決算で修正が増えることがあります。見積りを比べるときは、記帳と申告の関係も含めて検討します。

記帳代行の料金は何で決まる?内訳の考え方

記帳代行の費用は、主に次の要素で構成されます。料金表の形は事務所によって異なりますが、何に対していくら払うのかを分解すると、見積りを比べやすくなります。当事務所の料金は「料金・契約の流れ」でご確認いただけます。

費用の要素何で決まるか見積りで確認すること
月額の基本料毎月の仕訳件数の目安や事業規模何件までが基本料に含まれるか
仕訳件数の追加料金基本の件数を超えた分の件数件数の数え方(通帳1行を1件と数えるかなど)
月次試算表の作成基本料に含む場合と、別に加算する場合がある試算表がいつ届くか、説明の面談があるか
消費税の区分・インボイスの確認課税事業者か、免税事業者からの仕入れが多いか登録番号の確認や経過措置の区分まで含むか
給与計算・年末調整・確定申告記帳代行とは別に見積りが必要な場合があるどこまでが今回の見積りに含まれるか
記帳代行の料金の内訳(金額は事務所と依頼範囲によって異なる)

例えば月の仕訳件数が20〜30件程度の個人事業主と、毎日現金売上がある飲食店では、同じ「記帳代行」でも作業量が大きく違います。建設業や飲食業のように業種特有の処理が多い場合や、入力データの整理状況によっては割増になることがあります。

具体例:見積りの前に1か月の仕訳件数を数える

例えば、ある月の取引が次のとおりだったとします。

  • 事業用口座の入出金の明細:40件
  • 事業用カードの利用明細:25件
  • 現金で払った領収書:15件
  • 1か月の仕訳件数の目安:40件+25件+15件=80件

繁忙期と閑散期で件数が変わる業種は、多い月と少ない月の両方を数えて伝えると、見積りと実際の作業量のずれを防げます。

料金に影響する主な要因は?

記帳代行の費用が高くなりやすい要因と、費用を抑えやすい条件を整理します。

  • 仕訳件数の多さ:取引が多い業種(小売・飲食など)は仕訳数が増えるため、基本料に追加料金が生じやすくなります。
  • 書類の整理状況:領収書がばらばらだったり、何か月分もまとめて持ち込んだりすると、作業のコストが上がります。
  • 会計ソフトの利用状況:クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード等)で銀行・カードを自動連携している場合は、手入力の手間が減り費用を抑えやすくなります。
  • 顧問契約との組み合わせ:税務顧問と記帳代行をあわせて依頼すると、記帳の段階から申告を見据えた処理ができ、決算時の修正が減ります。
  • インボイスへの対応:仕入先の登録番号の確認や、免税事業者からの仕入れの区分が必要な事業者は、記帳の手間が増えます。

インボイスの区分は、2026年10月1日を境に変わっています。免税事業者からの課税仕入れは、2026年9月30日までは消費税相当額の80%、2026年10月1日〜2028年9月30日は70%を控除できるため、取引の日付で区分して記帳します。税込1万円未満の仕入れはインボイスがなくても帳簿の記載で控除できる少額特例(基準期間の課税売上高1億円以下などが対象、2029年9月30日まで)も、記帳の方法に関わります。

  • 事業用の口座とカードを1つずつにまとめ、私用の支払いと混ぜない
  • 口座とカードを会計ソフトに連携し、明細を自動で取り込む
  • 現金払いを減らし、残る領収書は月ごとに封筒やフォルダで分ける
  • 証憑は毎月決まった日に渡し、何か月分もためない

自社対応と外注はどう使い分ける?

記帳を自社で行うか外注するかは、経営者の時間コストと記帳の精度のバランスで判断します。日常の入力は自社で行い、月次のチェックや修正だけ専門家に依頼する方法もあります。

方法向いている事業者注意点
自社で対応経理担当者がいる、取引が少なく単純会計ソフトの習得に時間がかかり、ミスがあると税務リスクが高まる
外注(記帳代行)本業に集中したい、取引が多い証憑を毎月渡す運用を決めないと、数字が遅れる
ハイブリッド型入力はできるが、処理の正しさに不安がある入力のルール(勘定科目・税区分)を最初にそろえる
自社対応・外注・ハイブリッド型の比較

外注すると本業に集中でき、月次で数字を把握できるため、資金繰りや経営判断に役立ちます。一方で、記帳を自社で続けるなら、青色申告特別控除を最大限受けられる体制にしておくことが前提になります。

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青色申告と白色申告の節税効果を比べる所得の金額を入れると、青色申告特別控除による税額の差の目安を確認できます。計算する

見積りを取る前に何を準備する?

見積りの精度は、こちらが伝える情報で決まります。次の順番で準備すると、依頼後に「思っていた範囲と違う」というずれを防げます。

  1. 1か月の仕訳件数を数える口座・カード・現金の明細を数え、多い月と少ない月の件数を把握します。
  2. 証憑の状態を伝える紙の領収書か電子データか、月ごとに整理されているかを伝えます。
  3. 依頼したい範囲を決める記帳だけか、試算表・給与計算・年末調整・申告まで含めるかを決めます。
  4. 頻度と会計ソフトを決める毎月か数か月ごとか、どの会計ソフトを使うかを決めます。

決算前には、次の書類もそろえておくと、記帳の締めと決算が滞りません。

  • 売上・仕入の請求書と入金記録
  • 預金通帳・借入金の返済予定表
  • 経費の請求書・領収書
  • 固定資産の取得・売却の資料
  • 棚卸表(在庫の数量と金額)

当事務所では、仕訳入力から月次試算表の作成、決算・確定申告まで一貫して支援しています。進め方は「記帳代行プランの内容と流れ」、顧問契約の内容は「会計・税務顧問のサービス内容」でご確認いただけます。なお、決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしていません。

記帳を任せても事業者に残る義務は?

記帳を外部に任せても、帳簿や証憑を保存する義務、申告の内容に対する責任は事業者自身に残ります。依頼先を変えたときに過去の帳簿が手元にない、ということがないように、保存のルールを確認しておきます。

義務内容(2026年10月時点)
帳簿書類の保存(法人)7年(欠損金が生じた事業年度は10年)
帳簿書類の保存(個人の青色申告者)帳簿と決算関係書類・現金預金取引等関係書類は7年(前々年分の所得が300万円以下なら現金預金取引等関係書類は5年)、その他の書類は5年
電子取引データの保存2024年1月1日以後はメールやクラウドで受け取った請求書・領収書を電子データのまま保存。基準期間の売上高が5,000万円以下などで、ダウンロードの求めに応じられれば検索の要件は不要
青色申告特別控除の要件令和8年分は65万円(正規の簿記、期限内申告、電子帳簿保存かe-Tax)。令和9年分からは仕訳帳・総勘定元帳を電子帳簿保存法の要件で保存するなどすると75万円
記帳を外注しても事業者に残る主な義務

青色申告特別控除の75万円を目指す場合は、記帳に使う会計ソフトと帳簿の保存方法が要件に合っているかを、依頼先と一緒に確認しておくと安心です。

記帳を任せる範囲や、会計ソフト・保存方法の選び方は事業の形で変わります。初回無料で確認できます。

無料で相談する

よくある質問

1年分をまとめて記帳代行に頼むことはできますか?

依頼先によって対応は異なりますが、まとめて頼むと証憑の整理に手間がかかり、費用が上がりやすくなります。数字が分かるのが決算の直前になり、節税や資金繰りの手を打つ時間もなくなります。当事務所は決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしておらず、継続的な記帳と確認を前提に支援しています。

記帳代行の費用は経費になりますか?

事業の帳簿を作るための費用なので、支払手数料や支払報酬などの科目で経費にできます。消費税の課税事業者は、依頼先から受け取るインボイスを保存しておきます。

記帳代行を頼めば、税務調査にも対応してもらえますか?

税務調査の立会いは税理士の業務のため、記帳だけの業者には頼めません。税理士事務所に記帳と顧問をあわせて頼んでいれば、帳簿を作った経緯を踏まえて調査に対応できます。

会計ソフトは、自分で契約したほうがよいですか?

事業者自身が会計ソフトを契約し、依頼先を招待する形にすると、依頼先を変えても帳簿のデータが手元に残ります。口座やカードの連携も自分で管理でき、日々の数字をいつでも確認できます。

まとめ

記帳代行の費用は、仕訳件数・証憑の状態・依頼の範囲・頻度で決まり、会計ソフトとの連携で自動化が進むと抑えやすくなります。見積りは同じ条件で比べ、税務相談や申告まで頼めるか、帳簿の保存をどうするかも確認したうえで依頼先を選びましょう。

札幌の公認会計士・税理士事務所

記帳代行と会計・税務のご相談は、ジェイスタート会計事務所へ

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対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り

出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂(令和8年度税制改正を反映)

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