会社売却やM&Aを決断してから実際に成約・完了するまで、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。中小企業のM&Aでは、初回相談から成約まで平均的に6か月〜1年半程度かかることが多く、案件の規模・相手先探しの難易度・当事者の意思決定スピードによって大きく変わります。
この記事では、北海道・札幌の中小企業経営者に向けて、会社売却・M&Aの依頼から完了までの標準的な流れと、各ステップの所要日数の目安を解説します。費用の詳細は、別記事「会社売却・M&A:費用はいくら?」をご参照ください。
この記事は、こんな方に役立ちます
- 税理士の顧問料や費用の相場を知りたい方
- スポット相談か顧問契約か迷っている方
- 依頼の流れと範囲を把握したい方
- 中小企業のM&Aは初回相談から完了まで6か月〜1年超が一般的な目安。
- 準備フェーズの資料整備の質がその後の交渉スピードに直結する。
- DDでは過去の税務資料の整備状況が重要。顧問税理士との連携が有効。
- クロージング後の譲渡所得税の計算・納付計画も税理士に早めに相談する。
M&Aプロセスの全体像
会社売却・M&Aのプロセスは、大きく「準備フェーズ」「マッチング・交渉フェーズ」「デューデリジェンス・契約フェーズ」「クロージング・事後対応フェーズ」の4段階に分けられます。
| フェーズ | 主な内容 | 所要日数の目安 |
|---|---|---|
| ①準備・相談 | 仲介会社・アドバイザー選定、会社概要書(IM)作成、財務資料整備 | 1〜3か月 |
| ②マッチング・相手先探し | 候補先への打診、NDA(秘密保持契約)締結、初期面談 | 2〜6か月 |
| ③基本合意・デューデリジェンス | 意向表明・基本合意書、財務・税務・法務DD | 2〜4か月 |
| ④最終契約・クロージング | 最終契約書(SPA等)の締結、対価の受領・株式移転 | 1〜2か月 |
| ⑤事後対応 | 従業員・取引先への告知、PMI(経営統合) | 継続的に |
全体では6か月〜1年超かかる案件が多いものの、相手先がすぐに見つかった場合は4〜6か月で完了することもあります。逆に、相手先探しに時間がかかると1年以上に及ぶこともあります。
準備フェーズで重要なこと
M&Aの成否と期間は、準備の質に大きく左右されます。買い手候補に提示する資料(企業概要書・財務サマリー)の完成度が高いほど、相手の理解が早まり交渉がスムーズになります。
具体的には、過去3期分の税務申告書・決算書・試算表の整備、主要取引先や契約の確認、自社の強みの言語化が準備の中心です。顧問税理士と連携して財務資料を整えておくと、この段階の工数を大幅に短縮できます。
デューデリジェンスで時間がかかる理由
デューデリジェンス(DD)は、買い手が売り手を詳細に調査するプロセスで、財務・税務・法務を中心に行われます。このフェーズで時間がかかる主な理由は、資料の取り寄せと確認作業です。
過去の税務処理に不明点がある場合や、契約書類が整理されていない場合は、調査期間が長引くことがあります。売り手側であらかじめ不明点がないかを税理士と確認しておくと、DDがスムーズに進みます。
税理士・専門家が関与すべきタイミング
M&Aプロセスのなかで税理士が特に重要な役割を担うのは、次のタイミングです。
- 準備フェーズ:株式の評価方法の検討と財務資料の整備。
- DDフェーズ:税務DDへの対応(過去の申告書の解説・不明点の回答)。
- クロージング前後:株式譲渡代金に係る譲渡所得税の計算・納付計画。
- 事後:クロージング後の税務申告・役員変更に伴う手続き。
具体例|相手先の状況による期間の違い
たとえば、同業他社からの引き合いがすでにあるなど相手先の目星がついている場合は、マッチングにかかる時間が短縮され、全体で4〜6か月程度での成約も見込めます。一方、買い手探しを一から始める場合や、非公開で慎重に進めたい場合は、マッチングだけで数か月を要し、全体で1年以上に及ぶこともあります。自社がどちらに近いかを早い段階で見立てておくと、スケジュールの見通しを立てやすくなります。
見落としやすいポイント
- 意思決定のスピードが期間を左右する/資料の準備が整っていても、経営者自身や役員間での意思決定に時間がかかると、全体のスケジュールが延びます。判断のタイミングをあらかじめ想定しておくとスムーズです。
- キーマン条項・雇用契約の確認/買い手が特定の役員や従業員の残留を条件にすることがあります。こうした条件の調整に時間がかかる場合があるため、早めに論点を洗い出しておきます。
- 許認可の承継手続き/業種によっては、許認可の名義変更や再取得の手続きが必要になり、クロージングの時期に影響することがあります。事業内容に応じて確認しておきます。
- 情報管理の徹底/交渉中に情報が外部に漏れると、取引先や従業員との関係に影響することがあります。関係者を限定し、秘密保持契約のもとで進めることが重要です。
実務ワンポイント|社内での進め方
M&Aの検討は情報管理の都合上、社内でも関与者を絞って進めることが一般的です。経理・総務など一部の担当者だけに事前共有し、必要な資料をスムーズに出せる体制を整えておくと、税理士や仲介会社とのやり取りも効率的に進みます。
まとめ
会社売却・M&Aの税務を札幌でご相談の方へ
当事務所は、北海道・札幌の中小企業の会社売却・M&Aを税務面からサポートする税理士・公認会計士事務所です。財務資料の整備からDD対応、株式譲渡の税務計算まで、一貫してご支援します。
料金やご契約の流れは料金・契約・業務フローのページをご覧ください。ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
料金を相談する前に整理しておくと早いこと
- 業種と年間の売上規模
- 記帳を自社でやるか依頼するか
- 訪問・オンラインなど希望の対応方法
- 現在の課題(節税・資金繰り・申告など)
- 法人か個人事業かと決算月
※本記事は2026年9月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
出典・参考情報(公的機関)
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。
