個人事業主の年間スケジュール(税務・社会保険カレンダー 令和8年度版)

令和8年度(2026年)版

個人事業主の年間スケジュール

確定申告・消費税・予定納税・個人事業税など、個人事業主が押さえておきたい税務と(従業員がいる場合の)社会保険・労働保険の年間予定を図解でまとめました。

所得税の確定申告・納付
3/15
前年1〜12月分。青色申告承認申請も3/15
個人事業者の消費税
3/31
課税事業者・インボイス登録事業者が対象
予定納税(所得税)
7/31・11/30
前年実績により税務署から通知
個人事業税
8/31・11/30
前年の事業所得に3〜5%(事業主控除290万円)
住民税(普通徴収)
6・8・10・1月
前年所得で計算。6月ごろ納税通知書が届く

所得税の1年の流れ

予定
納税①
第1期
7/31
予定
納税②
第2期
11/30
確定
申告
前年分の精算
3/15

予定納税は「前払い→確定申告で精算」のしくみ

対象:前年分の所得税(予定納税基準額)が15万円以上の方
約1/3を前払い第1期 7/31まで
約1/3を前払い第2期 11/30まで
残りを精算確定申告 3/15

図:前年の税額を基準に約3分の1ずつ前払いし、翌年の確定申告で1年分を精算します。業績が大きく下がる見込みの年は減額申請も検討できます。

消費税・住民税・個人事業税の1年の流れ

個人事業主が向き合う税金は所得税だけではありません。消費税(課税事業者・インボイス登録事業者)、住民税個人事業税にも、それぞれ独自の納付サイクルがあります。所得税の予定納税が「前払い→確定申告で精算」なのに対し、住民税と個人事業税は前年の所得に対する“後払い”という点が、資金繰りを考えるうえで最大の違いです。

消費税(課税事業者)の1年の流れ

中間
納付
1〜6月分を前払い
8/31
確定
申告
1年分を精算
3/31
例:前年の消費税額(国税分)が48万円超〜400万円以下=中間1回・年2回納付の場合
前期の1/2を前払い中間申告 8/31
残りを精算確定申告 3/31

図:消費税も所得税と同じ「前払い→精算」型です。中間納付した分は確定申告で差し引かれ、納めすぎていれば還付されます。中間の回数は前年の消費税額しだいで、48万円以下なら中間なし(3/31の確定申告のみ)、400万円超〜4,800万円以下は年3回(5/31・8/31・11/30)で年4回納付、4,800万円超はほぼ毎月です。

住民税(普通徴収)の1年の流れ

第1期
6月ごろ通知書が届く
6月末
第2期
4期に分けて納付
8月末
第3期
前年の所得で計算
10月末
第4期
これで1年分が完了
翌1月末
しくみ:前年1〜12月の所得にかかる「後払い」(前払いはありません)
約1/4第1期 6月末
約1/4第2期 8月末
約1/4第3期 10月末
約1/4第4期 翌1月末

図:確定申告のデータが市区町村へ送られ、6月上旬ごろに税額決定・納税通知書が届きます。標準は所得割10%(市町村6%・道府県4%)と均等割5,000円(森林環境税1,000円を含む)。納期は自治体の条例で決まり、札幌市の令和8年度は第1期6/30・第2期8/31・第3期11/2・第4期翌2/1です(土日の関係で翌平日)。一括前納も可能です。

個人事業税の1年の流れ

申告
所得税の確定申告で兼ねる
3/15
通知
都道府県から納税通知書
8月ごろ
第1期
年税額の約1/2
8月末
第2期
残りを納付
11月末
対象:法定70業種を営み、事業所得が事業主控除290万円を超える方
年税額の約1/2第1期 8月末
残りの約1/2第2期 11月末

図:住民税と同じく前年所得にかかる後払いで、8月ごろ都道府県から届く納税通知書により8月末・11月末の2回で納めます(年税額1万円以下は8月に一括)。税率は業種により3〜5%。所得税の確定申告または住民税の申告をしていれば、個人事業税の申告書は原則不要です。なお、納めた個人事業税は所得税の必要経費になります。

4つの税金の「納め方」早見表

税目計算のもとになる所得納付の時期と考え方(個人事業主)
所得税その年(1〜12月)の所得予定納税 7/31・11/30 + 確定申告 3/15
前払い → 確定申告で精算
消費税その課税期間(1〜12月)の取引中間申告 年0〜11回 + 確定申告 3/31
前払い → 確定申告で精算
住民税前年(1〜12月)の所得6月末・8月末・10月末・翌1月末(普通徴収の標準)
後払い(4期に分割)
個人事業税前年(1〜12月)の事業所得8月末・11月末
後払い(2期に分割)
  • 資金繰りの山は3月・8月・11月:3月は所得税と消費税、8月は個人事業税・住民税・消費税の中間、11月は予定納税・個人事業税・消費税の中間が重なります。利益が出た年ほど翌年の8月・11月が重くなるため、あらかじめ納税用の別口座へ取り分けておくと安全です。
  • 売上が落ちた年ほど要注意:住民税と個人事業税は前年所得ベースの後払いです。今年の業績が悪くても、昨年の所得に対する税額がそのまま届きます。所得税の予定納税には減額申請がありますが、住民税・個人事業税には同様の制度はありません(災害や生活困窮などの場合に、自治体の減免制度を利用できることはあります)。
  • 経費になるもの・ならないもの:個人事業税は支払った年の必要経費になりますが、所得税と住民税は必要経費になりません。消費税は税込経理なら租税公課として経費、税抜経理なら損益に影響しません。
  • 廃業・開業した年:個人事業税の事業主控除290万円は営業した月数で月割りされます(例:6か月なら145万円)。住民税・個人事業税は廃業した翌年にも納付が生じるため、廃業時は納税資金を残しておきましょう。

年間カレンダー(12か月)

まずは1年の全体マップ(何月に・何の税金か)

1月
1/20 源泉 納期特例②1/31 法定調書など住民税(普)第4期
2月
2/16 確定申告 受付開始固定資産税 第4期
3月最大の山場
3/15 確定申告・納付3/31 消費税の申告・納付
4月
振替納税の口座引落し固定資産税 第1期
5月
自動車税(5月末)
6月
住民税(普)第1期国保 決定通知・第1期
7月
7/31 予定納税 第1期7/10 源泉 納期特例①年度更新・算定基礎届
8月
個人事業税 第1期住民税(普)第2期消費税 中間(該当者)
9月
比較的落ち着く月
10月
住民税(普)第3期最低賃金 改定発効
11月
11/30 予定納税 第2期個人事業税 第2期
12月
年末調整12/10 住民税(特)納期特例
所得税(ご本人)消費税住民税・事業税など(地方)従業員がいる場合

図:山場は3月(確定申告・消費税)7月11月にも納付・手続きが集中します。各月の詳細は下の表をご覧ください。

主な予定(税務/社会保険・労働保険)
1月
  • 1/20 源泉所得税 納期特例分(前年7〜12月)※従業員あり・承認事業者
  • 1/31 法定調書・給与支払報告・償却資産申告(従業員/事業用資産がある場合)
  • 確定申告の準備(帳簿整理・控除資料の回収)/住民税(普)第4期(自治体による)
2月
  • 2/16〜 所得税の確定申告 受付開始(〜3/15)/贈与税も受付開始
  • 固定資産税 第4期(標準的な例)
3月
  • 3/15 所得税の確定申告・納付/贈与税の申告・納付/青色申告承認申請
  • 3/31 個人事業者の消費税・地方消費税の申告・納付
4月
  • 4月中下旬 振替納税の口座引落し(所得税・消費税)
  • 固定資産税 第1期
5月
  • 自動車税・軽自動車税(5月末)/住民税額の通知
6月
  • 住民税(普通徴収)第1期/国民健康保険料の決定通知・第1期(自治体の例)
7月
  • 7/10 源泉所得税 納期特例分(1〜6月)※従業員あり
  • 7/31 所得税 予定納税 第1期
  • 労働保険の年度更新(6/1〜7/10・従業員あり)/算定基礎届(社保加入の事業所)/固定資産税 第2期
8月
  • 8月末 個人事業税 第1期/住民税(普通徴収)第2期
9月
  • (比較的落ち着く月)10月の最低賃金改定額を確認(従業員あり)
10月
  • 住民税(普通徴収)第3期/地域別最低賃金の改定発効(従業員あり)
11月
  • 11/30 所得税 予定納税 第2期/11月末 個人事業税 第2期
12月
  • 12/10 住民税(特徴)納期特例分(従業員あり)/年末調整の実施(従業員あり)
  • 与党税制改正大綱の公表

消費税の申告・納付は「年何回」?

消費税は、前年(直前の課税期間)の消費税額(国税分)に応じて中間申告の回数が変わります。とくに 400万円超〜4,800万円以下 は中間3回+確定1回で、いわゆる「年4回」納付になります。

前年の消費税額
48万円 以下
年1回(確定のみ)
中間申告は不要。任意で年1回の中間申告(自主的な前払い)を選ぶこともできます。
48万円超
〜400万円 以下
年2回
中間 1回(前期の 1/2)+確定 1回。
「年4回」パターン
400万円超
〜4,800万円 以下
年4回
中間 3回(前期の 1/4 ずつ)+確定 1回=年4回納付。
4,800万円超
年12回
中間 11回(前期の 1/12 ずつ)+確定 1回=ほぼ毎月。
回数の内訳:中間申告確定申告
前年の消費税額(国税分)中間申告年間の納付回数各回の納付額
48万円以下なし(任意で年1回可)年1回(確定のみ)
48万円超〜400万円以下年1回年2回前期の 1/2
400万円超〜4,800万円以下年3回年4回前期の 1/4 ずつ
4,800万円超年11回年12回前期の 1/12 ずつ
  • 表の金額は消費税(国税分)の前年確定額です。実際の納付では地方消費税もあわせて納めます。個人事業者の中間申告の時期は暦で固定(年1回=8月/年3回=5・8・11月/年11回=毎月)です。
  • 中間納付額は「前期実績(予定申告)」か「仮決算」のいずれかを選べます。業績が大きく落ちた期は仮決算で軽減できる場合があります。
  • 中間申告を忘れても、期限内に申告がない場合は前期実績で自動的に確定します(納付は必要)。資金繰りの計画に組み込みましょう。

健康保険・年金の考え方

図解:健康保険・年金の加入先はここで決まる

従業員は「常時5人以上」ですか?(士業・農業など一部業種を除く)
はい(5人以上)
社会保険の適用事業所に
従業員は健康保険・厚生年金へ加入し、算定基礎届・月額変更届など法人と同様の手続きが必要です。※事業主ご本人は対象外(国保・国民年金のまま)。
いいえ(5人未満)
国民健康保険+国民年金
保険料は前年所得等で算定。毎年6月頃に決定通知が届き、納期は年8〜10回程度(自治体による)。
建設業の場合
「建設国保」という選択肢
保険料は定額制が中心。法人化・5人以上になっても健康保険適用除外承認(原則14日以内)で継続できる場合があります。
  • 国民健康保険・国民年金:従業員が常時5人未満の個人事業所や、被用者保険に加入していない場合が対象。国保料は前年所得等に基づき算定され、毎年4月に見直し・6月頃に決定通知。納期は年8〜10回程度(自治体による)。
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)の強制適用:個人事業所でも常時5人以上(一部業種を除く)は強制適用。この場合は算定基礎届・月額変更届など法人と同様の手続きが必要です。
  • 建設国保:建設業の従事者は国民健康保険組合(建設国保)に加入できる場合があります(保険料は定額制が中心)。法人化・常時5人以上でも「健康保険適用除外承認」(事実発生から原則14日以内)で継続できる場合があります。
個人事業主の実務メモ
  • 青色申告:適用を受けたい年の3/15までに承認申請(1/16以降の開業は開業後2か月以内)。最大65万円の青色申告特別控除には e-Tax 申告または優良な電子帳簿保存が要件です。
  • インボイス:登録事業者は消費税の申告(3/31)が必要。2割特例・簡易課税の選択で負担と事務を軽減できる場合があります。
  • 予定納税:前年の所得税額が一定以上だと7/31・11/30に前払い。業績が下がる年は減額申請も検討します。
  • 従業員を雇う場合:源泉徴収(毎月10日/納期特例で年2回)、年末調整(12月)、労働保険の年度更新(6〜7月)が加わります。

図解:青色申告特別控除は「3段階」

10万円
単式簿記など(下記の要件を満たさない青色申告)
55万円
複式簿記で記帳+貸借対照表を添付+期限内申告
65万円
55万円の要件+e-Tax申告 または 優良な電子帳簿保存

前提:青色申告承認申請を適用したい年の3/15までに提出(1/16以降の開業は開業から2か月以内)。

図解:従業員を雇うと増える手続き

毎月10日(納期特例なら7/10・1/20の年2回)源泉所得税の納付6/1〜7/10労働保険の年度更新7/10まで算定基礎届(社保適用の場合)12月年末調整

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本ページは令和8年(2026年)6月時点の制度・税制に基づく一般的な情報であり、個別の税務判断・申告手続きの結果を保証するものではありません。期日が土日・祝日にあたる場合は翌平日が期限です。固定資産税・住民税(普通徴収)・国民健康保険の納期は自治体により異なります。中間申告の要否・回数・時期は前期実績や課税期間により変わります。実際の適用にあたっては最新の法令・各自治体/保険者・組合の定めをご確認いただくか、当事務所へご相談ください。

公開日:2026年7月10日/最終更新:2026年7月10日(内容基準日:令和8年6月)

※ 令和8年6月時点の制度・税制に基づく一般的な例です。期日が土日・祝日の場合は翌平日。固定資産税・住民税(普通徴収)・国保の納期は自治体により異なります。個別の判断は最新の法令をご確認のうえ、税理士にご相談ください。

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