個人事業主の年間スケジュール
確定申告・消費税・予定納税・個人事業税など、個人事業主が押さえておきたい税務と(従業員がいる場合の)社会保険・労働保険の年間予定を図解でまとめました。
所得税の1年の流れ
納税①
納税②
申告
予定納税は「前払い→確定申告で精算」のしくみ
消費税・住民税・個人事業税の1年の流れ
個人事業主が向き合う税金は所得税だけではありません。消費税(課税事業者・インボイス登録事業者)、住民税、個人事業税にも、それぞれ独自の納付サイクルがあります。所得税の予定納税が「前払い→確定申告で精算」なのに対し、住民税と個人事業税は前年の所得に対する“後払い”という点が、資金繰りを考えるうえで最大の違いです。
消費税(課税事業者)の1年の流れ
納付
申告
住民税(普通徴収)の1年の流れ
個人事業税の1年の流れ
4つの税金の「納め方」早見表
| 税目 | 計算のもとになる所得 | 納付の時期と考え方(個人事業主) |
|---|---|---|
| 所得税 | その年(1〜12月)の所得 | 予定納税 7/31・11/30 + 確定申告 3/15 前払い → 確定申告で精算 |
| 消費税 | その課税期間(1〜12月)の取引 | 中間申告 年0〜11回 + 確定申告 3/31 前払い → 確定申告で精算 |
| 住民税 | 前年(1〜12月)の所得 | 6月末・8月末・10月末・翌1月末(普通徴収の標準) 後払い(4期に分割) |
| 個人事業税 | 前年(1〜12月)の事業所得 | 8月末・11月末 後払い(2期に分割) |
- 資金繰りの山は3月・8月・11月:3月は所得税と消費税、8月は個人事業税・住民税・消費税の中間、11月は予定納税・個人事業税・消費税の中間が重なります。利益が出た年ほど翌年の8月・11月が重くなるため、あらかじめ納税用の別口座へ取り分けておくと安全です。
- 売上が落ちた年ほど要注意:住民税と個人事業税は前年所得ベースの後払いです。今年の業績が悪くても、昨年の所得に対する税額がそのまま届きます。所得税の予定納税には減額申請がありますが、住民税・個人事業税には同様の制度はありません(災害や生活困窮などの場合に、自治体の減免制度を利用できることはあります)。
- 経費になるもの・ならないもの:個人事業税は支払った年の必要経費になりますが、所得税と住民税は必要経費になりません。消費税は税込経理なら租税公課として経費、税抜経理なら損益に影響しません。
- 廃業・開業した年:個人事業税の事業主控除290万円は営業した月数で月割りされます(例:6か月なら145万円)。住民税・個人事業税は廃業した翌年にも納付が生じるため、廃業時は納税資金を残しておきましょう。
年間カレンダー(12か月)
まずは1年の全体マップ(何月に・何の税金か)
図:山場は3月(確定申告・消費税)。7月と11月にも納付・手続きが集中します。各月の詳細は下の表をご覧ください。
| 月 | 主な予定(税務/社会保険・労働保険) |
|---|---|
| 1月 |
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| 2月 |
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| 3月 |
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| 4月 |
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| 5月 |
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| 6月 |
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| 7月 |
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| 8月 |
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| 9月 |
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| 10月 |
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| 11月 |
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| 12月 |
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消費税の申告・納付は「年何回」?
消費税は、前年(直前の課税期間)の消費税額(国税分)に応じて中間申告の回数が変わります。とくに 400万円超〜4,800万円以下 は中間3回+確定1回で、いわゆる「年4回」納付になります。
48万円 以下
〜400万円 以下
〜4,800万円 以下
| 前年の消費税額(国税分) | 中間申告 | 年間の納付回数 | 各回の納付額 |
|---|---|---|---|
| 48万円以下 | なし(任意で年1回可) | 年1回(確定のみ) | ― |
| 48万円超〜400万円以下 | 年1回 | 年2回 | 前期の 1/2 |
| 400万円超〜4,800万円以下 | 年3回 | 年4回 | 前期の 1/4 ずつ |
| 4,800万円超 | 年11回 | 年12回 | 前期の 1/12 ずつ |
- 表の金額は消費税(国税分)の前年確定額です。実際の納付では地方消費税もあわせて納めます。個人事業者の中間申告の時期は暦で固定(年1回=8月/年3回=5・8・11月/年11回=毎月)です。
- 中間納付額は「前期実績(予定申告)」か「仮決算」のいずれかを選べます。業績が大きく落ちた期は仮決算で軽減できる場合があります。
- 中間申告を忘れても、期限内に申告がない場合は前期実績で自動的に確定します(納付は必要)。資金繰りの計画に組み込みましょう。
健康保険・年金の考え方
図解:健康保険・年金の加入先はここで決まる
- 国民健康保険・国民年金:従業員が常時5人未満の個人事業所や、被用者保険に加入していない場合が対象。国保料は前年所得等に基づき算定され、毎年4月に見直し・6月頃に決定通知。納期は年8〜10回程度(自治体による)。
- 社会保険(健康保険・厚生年金)の強制適用:個人事業所でも常時5人以上(一部業種を除く)は強制適用。この場合は算定基礎届・月額変更届など法人と同様の手続きが必要です。
- 建設国保:建設業の従事者は国民健康保険組合(建設国保)に加入できる場合があります(保険料は定額制が中心)。法人化・常時5人以上でも「健康保険適用除外承認」(事実発生から原則14日以内)で継続できる場合があります。
- 青色申告:適用を受けたい年の3/15までに承認申請(1/16以降の開業は開業後2か月以内)。最大65万円の青色申告特別控除には e-Tax 申告または優良な電子帳簿保存が要件です。
- インボイス:登録事業者は消費税の申告(3/31)が必要。2割特例・簡易課税の選択で負担と事務を軽減できる場合があります。
- 予定納税:前年の所得税額が一定以上だと7/31・11/30に前払い。業績が下がる年は減額申請も検討します。
- 従業員を雇う場合:源泉徴収(毎月10日/納期特例で年2回)、年末調整(12月)、労働保険の年度更新(6〜7月)が加わります。
図解:青色申告特別控除は「3段階」
前提:青色申告承認申請を適用したい年の3/15までに提出(1/16以降の開業は開業から2か月以内)。
図解:従業員を雇うと増える手続き
関連ページ
決算・申告のスケジュール管理は税理士にお任せください
出典・一次情報(公的機関)
- 消費税の中間申告・納付:国税庁タックスアンサー No.6609 中間申告の方法/No.6611 任意の中間申告制度
- 法人税の申告・中間申告:国税庁タックスアンサー(法人税)
- 所得税の予定納税:No.2040 予定納税/電子申告 e-Tax・eLTAX
- 社会保険・年金:日本年金機構/全国健康保険協会(協会けんぽ)
- 労働保険・最低賃金:厚生労働省/電子申請 e-Gov
ご利用にあたって(免責)
本ページは令和8年(2026年)6月時点の制度・税制に基づく一般的な情報であり、個別の税務判断・申告手続きの結果を保証するものではありません。期日が土日・祝日にあたる場合は翌平日が期限です。固定資産税・住民税(普通徴収)・国民健康保険の納期は自治体により異なります。中間申告の要否・回数・時期は前期実績や課税期間により変わります。実際の適用にあたっては最新の法令・各自治体/保険者・組合の定めをご確認いただくか、当事務所へご相談ください。
公開日:2026年7月10日/最終更新:2026年7月10日(内容基準日:令和8年6月)
※ 令和8年6月時点の制度・税制に基づく一般的な例です。期日が土日・祝日の場合は翌平日。固定資産税・住民税(普通徴収)・国保の納期は自治体により異なります。個別の判断は最新の法令をご確認のうえ、税理士にご相談ください。
