顧問税理士の費用は、毎月の「月額顧問料」と年1回の「決算料」の二本立てに、消費税申告や年末調整、記帳代行などの費用が加わる形が基本です。金額は事業規模と依頼する業務の範囲で決まるため、見積もりは同じ条件で取り、年間の総額で比べましょう。
この記事の結論
顧問税理士の費用は「月額顧問料×12か月+決算料+オプション」の年間総額で考えます。金額は売上規模・取引量・記帳の分担・訪問頻度・申告の種類で変わるため、業務の範囲をそろえた見積もりで比べるのが基本です。
- 顧問料は「月額顧問料+決算料」の二本立てが基本
- 消費税申告・年末調整・償却資産申告・記帳代行などは、別料金になっていることがある
- 個人事業主と法人では、作る申告書の種類と付随する手続きの数が違う
- 個人の税理士事務所への報酬は、法人などの支払側で源泉徴収(10.21%)が必要
- 当事務所は決算・申告だけのスポット依頼は受けておらず、顧問契約でご支援
顧問料は「月額顧問料」と「決算料」の二本立て
顧問税理士の費用は、毎月支払う「月額顧問料」と、年に一度の決算・申告でかかる「決算料」の2つに分かれます。この二本立てが基本構造です。
| 費用 | 主な内容 | 支払いの時期 |
|---|---|---|
| 月額顧問料 | 日常の相談対応、月次の帳簿のチェック、試算表の確認、税務の助言 | 毎月 |
| 決算料 | 決算書の作成、法人税や所得税の申告書の作成・提出 | 決算・申告の時期に年1回 |
| オプション費用 | 消費税の申告、年末調整、記帳代行、給与計算など | 業務ごとに、毎月または年1回 |
年間の総額を考えるときは、月額顧問料の12か月分に決算料を足して見積もると実態に近くなります。消費税の申告が必要な事業者の場合は、消費税の申告料が別途加わることもあります。月額の安さだけに目を向けず、1年間で実際に支払う総額をイメージしておくことが大切です。
月額顧問料に何が含まれるかも事務所ごとに違います。相談の回数や方法(訪問・オンライン・電話)、月次のチェックの深さが異なるため、顧問契約で受けられる支援の中身は会計・税務顧問のご案内のような業務の説明で確かめておきましょう。
個人事業主と法人で費用が変わるポイント
顧問料は事務所ごとに異なり、事業規模(売上高)や訪問頻度によっても変動します。そのうえで、個人事業主より法人の方が費用は高くなる傾向があります。理由は、作る申告書の種類と、決算に付随する手続きの数が違うためです。
| 項目 | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|
| 主な申告 | 所得税の確定申告、消費税(課税事業者の場合) | 法人税・地方法人税、法人道民税・事業税、法人市民税、消費税(課税事業者の場合) |
| 申告の期限 | 所得税は翌年3月15日、個人の消費税は3月31日 | 事業年度終了の日の翌日から2か月以内(延長の特例あり) |
| 決算で作る書類 | 青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表) | 決算書、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書 |
| 年末調整 | 従業員がいる場合に必要 | 役員報酬だけでも必要 |
| その他の論点 | 家事按分、青色申告特別控除の要件 | 役員報酬の決め方、株主総会の議事録との整合 |
売上が大きくなるほど、取引量や申告の複雑さに応じて顧問料も上がる傾向があります。同じ月額でも、含まれる業務の範囲は事務所ごとに異なる点に注意してください。
顧問料を左右する要因とオプション費用
顧問料は一律ではなく、いくつかの要因で変わります。見積もりを比較するときは、次の点が金額に含まれているかを確認しましょう。
- 訪問頻度(毎月訪問か、年数回か、オンライン中心か)
- 記帳代行の有無(自社で記帳するか、税理士に任せるか)
- 消費税申告や年末調整の対応範囲
- 給与計算や各種届出などの付随業務
| オプションになりやすい業務 | 内容 | 見積もりで確認すること |
|---|---|---|
| 記帳代行 | 領収書や通帳から会計ソフトへの入力 | 仕訳数に応じた上乗せの有無、資料の渡し方 |
| 消費税の申告 | 課税事業者の消費税・地方消費税の申告 | 決算料に含まれるか、別料金か |
| 年末調整・法定調書 | 年末調整、源泉徴収票、給与支払報告書の作成・提出 | 人数に応じた料金の決まり方 |
| 給与計算 | 毎月の給与・源泉所得税・住民税の計算 | 社会保険の手続き(社会保険労務士の業務)との分担 |
| 償却資産の申告 | 毎年1月31日(休日は翌開庁日)までの市町村への申告 | 決算料に含まれるか |
| 届出書の作成 | 青色申告、消費税、インボイスの登録などの届出 | 顧問料の範囲内か |
| 税務調査の立会い | 日程の調整、当日の対応、修正申告 | 顧問料に含まれるか、日当などの別料金か |
たとえば記帳代行を含めると、月額顧問料は仕訳数に応じて上乗せされるのが一般的です。一見安く見える顧問料でも、記帳代行や年末調整が別料金だと、年間の総額では高くつくこともあります。逆に、会計ソフトを使って自社で記帳できる体制があれば、その分の費用を抑えられます。記帳を任せる場合の進め方は記帳代行プランの内容と流れで紹介しています。
見積もりの比べ方:年間総額をそろえる手順
複数の事務所の見積もりは、前提がそろっていないと比べられません。次の手順で条件をそろえると、金額の差がどこから来ているかが見えてきます。
- 依頼したい業務を書き出す記帳、月次のチェック、決算・申告、消費税、年末調整、給与計算、届出、税務調査の対応のうち、どれを任せるかを決めます。
- 同じ資料で見積もりを依頼する直近の決算書・申告書、取引量の目安(通帳の明細の量や仕訳数)、従業員数を、どの事務所にも同じように伝えます。
- 年間総額に直す月額顧問料×12か月+決算料+オプション費用の形にそろえます。
- 税込か税抜かをそろえる見積書によって表示が異なるため、どちらかに統一して比べます。
- 追加料金の条件を確認する資料の提出が遅れた場合、申告期限の直前の対応、記帳の修正が必要な場合などの扱いを聞いておきます。
- 業務の範囲を書面で確認する契約書や見積書に、含まれる業務と含まれない業務を記載してもらいます。
ツール税込と税抜の金額を換算する見積書の表示が税込か税抜かでずれているときに、金額をそろえて比べられます。計算する
顧問料を支払うときの税務:経費・消費税・源泉徴収
顧問料は、法人なら費用(損金)になり、個人事業主なら事業に関する部分が必要経費になります。社長個人の相続税の申告の報酬など、事業と関係のない業務の費用は経費になりません。税理士報酬には消費税(10%)がかかるため、仕入税額控除のためにインボイス(適格請求書)を受け取って保存します。
見落としやすいのが源泉徴収です。個人の税理士事務所に報酬を支払う法人や、従業員に給与を支払っている個人事業主は、報酬から所得税を差し引いて納める必要があります(税理士法人への支払いは対象外)。税率は、1回の支払額が100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%で、請求書で消費税が区分されていれば税抜の金額で計算できます。
計算例:個人の税理士事務所に報酬を支払う場合(税抜の報酬1万円あたり)
源泉徴収は、税抜の報酬額に税率を掛けて計算します。金額の水準ではなく計算の仕方が分かるように、報酬1万円あたりで示します(請求書で消費税を区分して記載している場合)。
- 源泉徴収税額:10,000円×10.21%=1,021円
- 税理士事務所への支払額:10,000円+1,000円−1,021円=9,979円
実際の請求額に当てはめるときは、1回の支払いが100万円以下の部分に10.21%を掛けます。差し引いた税額は、原則として支払った月の翌月10日までに納めます。
給与の支払いを受ける人が常時10人未満で、源泉所得税の納期の特例を受けている場合は、税理士報酬の源泉所得税も、1〜6月分を7月10日、7〜12月分を翌年1月20日にまとめて納められます。
費用に納得して契約するために
顧問契約で後悔しないコツは、金額の安さだけで選ばないことです。大切なのは「支払う費用に対して、どんなサービスが受けられるか」という費用対効果です。節税の提案や経営の助言、資金繰りや融資の相談まで含まれるなら、多少高くても見合うことがあります。契約前に見積もりを取り、業務の範囲を書面で確認しておくと安心です。
個人事業主は青色申告特別控除も判断材料に
青色申告特別控除は、正規の簿記で記帳し、期限内にe-Taxで申告するなどの要件を満たすと令和8年分まで最大65万円です。令和9年分からは、帳簿を電子帳簿保存法の要件で保存するなどの要件を満たすと75万円になります。記帳と申告の体制づくりまで支援を受けられるかも、費用対効果の一部です。
ツール青色申告と白色申告の節税効果を比べる所得の金額から、青色申告特別控除による税額の差の目安を確認できます。計算する
当事務所では、事業規模やご要望に合わせた顧問料のプランをご用意しています。月額顧問料や決算料の具体的な金額、含まれる業務の範囲は、料金・契約・業務フローのページに明記しています。なお、決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしておらず、月次から関わる顧問契約でご支援しています。契約までの手順は顧問税理士の契約の流れで紹介しています。
「自社ならいくらになるか」は、取引量と依頼したい業務の範囲で決まります。初回無料で業務の範囲を一緒に整理できます。
無料で相談するよくある質問
決算や確定申告だけを依頼することはできますか?
対応は事務所によって異なります。当事務所では、決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしていません。決算の数字は期中の記帳と判断の積み重ねで決まるため、月次から関わる顧問契約でご支援しています。
年の途中から顧問契約を始めても、決算料はかかりますか?
決算料は1年分の決算と申告の作業に対する費用のため、契約を始めた時期にかかわらずかかるのが一般的です。契約前の期間の記帳の確認や修正が必要な場合は、別途費用がかかることもあるため、見積もりの段階で確認しましょう。
自分で記帳すれば、顧問料は下がりますか?
記帳代行の分は下がるのが一般的です。ただし、入力の誤りが多いと税理士側の確認や修正の手間が増えます。会計ソフトの銀行・カードの連携を使い、毎月の締めを決めて入力しておくと、費用と正確さの両方を保ちやすくなります。
契約の途中で顧問料を見直すことはできますか?
売上や取引量、依頼する業務の範囲が変われば、顧問料を見直すことがあります。契約書に改定の条件や時期が書かれているかを確認し、業務を増やす・減らすときは、範囲と金額を書面で取り決め直しましょう。
まとめ
顧問税理士の費用は「月額顧問料+決算料」の二本立てに、消費税申告・年末調整・記帳代行などのオプションが加わる構造です。金額は事業規模と業務の範囲で決まるため、同じ条件で見積もりを取り、年間総額と含まれる業務で比べましょう。札幌・北海道で顧問税理士をお探しなら、当事務所が費用の内訳から丁寧にご説明します。
札幌の公認会計士・税理士事務所
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- その場でご契約を迫ることはありません
対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り
出典・参考(公的機関)
本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
更新履歴:2026年10月 全面改訂(令和8年度税制改正を反映)
