医療費控除とセルフメディ税制の有利判定の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:有利判定・比較
  • 根拠:所法73・措法41の17の2
  • 入力4項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

1年間に医療費やOTC医薬品(対象の市販薬)をたくさん買った年は、確定申告で税金の一部が戻ってくることがあります。ただし使える制度は「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらか一方だけで、あわせて申告することはできません。どちらの控除額が大きくなるかは、医療費の内訳や所得によって変わります。この計算機は、両方の控除額を並べて比べるためのものです。

この計算式を3行でいうと

  1. 医療費控除は「医療費-保険金-10万円(所得200万円未満は所得の5%)」、セルフメディは「対象OTC-1万2千円」で計算します。
  2. セルフメディの控除上限は8万8千円までと小さめですが、医療費が10万円に届かない年でも使える利点があります。
  3. 両方は併用できず、どちらか一方を選びます。家族の分は生計を一にしていれば合算できます。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

医療費控除 vs セルフメディケーション税制

所法73・措法41の17の2結果コピーリンク

通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は選択適用。どちらの控除が大きいかを比較します。

医療費控除 = 医療費−保険金−min(10万, 所得5%)(上限200万) セルフメディ = 対象OTC−1.2万(上限8.8万)
セルフメディケーションが有利(控除 ¥48,000)
医療費控除¥20,000
セルフメディケーション¥48,000
★有利セルフメディケーション
¥28,000
併用不可。セルフメディは健診・予防接種等の受診が要件。家族分合算可(生計一)。
目次

こんなときに使います

  • 医療費の合計が10万円に届かないが、対象になる市販薬(OTC医薬品)の購入が多かった年
  • 医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらを使うと税金が戻る額が大きいか比べたいとき
  • 健康診断や予防接種を受けていて、セルフメディケーション税制の対象になるか確認したいとき
  • 家族全員分の医療費とOTC医薬品の購入分をまとめて、どちらの制度が有利か試算したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
医療費(OTC含む)その年に支払った医療費の合計です。OTC医薬品(薬局で買える市販薬)の購入額も含めて入力します。病院・薬局の領収書、健康保険組合からの医療費のお知らせで確認できます。
うち対象OTC医薬品医療費の中で、セルフメディケーション税制の対象になる特定一般用医薬品等の購入額です。ドラッグストアのレシートに対象マークが付いていることが多く、対象品目は厚生労働省の一覧でも確認できます。
保険金等の補填入院給付金や高額療養費など、あとから戻ってきたお金です。保険会社の支払通知、健康保険組合からの支給決定通知で確認します。
総所得金額等給与だけの方は「給与所得控除後の金額」、事業をしている方は所得金額です。源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄、または確定申告書の所得金額の合計欄。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 医療費控除の額を計算する:医療費-保険金等-10万円(総所得金額等が200万円未満の人は所得の5%)で求めます。上限は200万円です。
  2. セルフメディケーション税制の額を計算する:対象OTC医薬品の購入額-1万2千円で求めます。上限は8万8千円です。
  3. 大きいほうを選ぶ:2つの制度は選択適用のため、どちらか一方しか使えません。計算した額が大きいほうを確定申告で選びます。

具体例で確かめる

例1 医療費12万円(うちOTC6万円)、保険金なし、所得500万円のケース

医療費控除 = 120,000円 - 0円 - 100,000円 = 20,000円 セルフメディ = 60,000円 - 12,000円 = 48,000円

セルフメディケーション税制のほうが有利。控除額の差は28,000円

例2 入院などで医療費が多いケース(医療費50万円・うちOTC10万円、保険金5万円、所得500万円)

医療費控除 = 500,000円 - 50,000円 - 100,000円 = 350,000円 セルフメディ = 100,000円 - 12,000円 = 88,000円(上限8万8千円ちょうど)

医療費控除のほうが大幅に有利。差は262,000円にもなる

例3 所得が少ない年のケース(所得150万円、医療費8万円・全額OTC、保険金なし)

医療費控除の足切額 = min(100,000円, 1,500,000円 × 5%) = 75,000円 医療費控除 = 80,000円 - 75,000円 = 5,000円 セルフメディ = 80,000円 - 12,000円 = 68,000円

セルフメディケーション税制のほうが圧倒的に有利。10万円の壁を気にせず使える

2つの制度のちがい

項目医療費控除セルフメディケーション税制
対象になる支出診療費・入院費・OTC医薬品など医療費全般対象指定された特定一般用医薬品等の購入費のみ
足切額(下限)10万円(所得200万円未満は所得の5%)1万2千円
控除の上限200万円8万8千円
追加の要件特になし健康診断や予防接種など一定の取り組みを行っていること
併用できない(どちらか一方を選択)できない(どちらか一方を選択)

ここを間違えやすい

1|2つの制度は併用できません

医療費控除とセルフメディケーション税制は選択適用です。両方の要件を満たしていても、確定申告で選べるのはどちらか一方だけなので、必ず両方を計算してから選んでください。

2|セルフメディケーション税制には受診要件があります

健康診断、予防接種、がん検診など、一定の健康の保持増進や疾病予防の取り組みを行っていることが適用の要件です。申告の際にはその取り組みを行ったことがわかる書類の保存が求められます。

3|対象になるOTC医薬品は限られています

市販薬であれば何でも対象になるわけではありません。対象品目は厚生労働省が指定する特定一般用医薬品等に限られ、レシートに対象マークが表示されていることが多いです。購入時に確認しておくと集計がスムーズです。

4|家族分を合算する場合はどちらの制度にするか統一します

生計を一にする家族の医療費・OTC購入分は合算できますが、合算して申告する場合は、その申告全体でどちらか一方の制度を選ぶ必要があります。家族ごとに別々の申告をするなら、それぞれで有利な制度を選べる場合があります。

よくある質問

両方とも申告書に記載すれば、両方の控除を受けられますか。
受けられません。選択適用のため、確定申告書にはどちらか一方の明細書だけを添付し、有利なほうの控除を1つだけ受けます。
市販薬ならなんでもセルフメディケーション税制の対象になりますか。
なりません。対象は厚生労働省が指定する特定一般用医薬品等に限られます。風邪薬や胃腸薬など対象品目は多いですが、すべての市販薬が対象というわけではありません。
医療費控除の明細書とセルフメディケーションの明細書は同じものですか。
異なります。それぞれの制度専用の明細書が用意されているので、選んだ制度に応じたものを確定申告書に添付します。
年の途中でどちらを選ぶか決める必要がありますか。
その必要はありません。実際にどちらが有利かは1年分の支出が確定してから比較すればよいので、年間を通じて領収書とレシートを保存しておき、申告のタイミングで計算して選んでください。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 所得税法第73条(医療費控除)
  • 租税特別措置法第41条の17の2(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)
  • 国税庁タックスアンサー No.1120「医療費を支払ったとき」/No.1128「特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(セルフメディケーション税制)」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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