簡易課税・本則課税・2割特例の比較計算|自動計算ツール

  • カテゴリ:有利判定・比較
  • 根拠:消法30・37
  • 入力5項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

消費税の納め方には、実際の仕入税額を差し引く本則課税のほか、業種ごとの「みなし仕入率」で計算する簡易課税、売上税額の20%だけを納める2割特例があります。この計算機は、同じ売上・仕入の数字で3つの方式の納付額を並べて計算し、どれがいちばん有利かをひと目で示します。

この計算式を3行でいうと

  1. 本則課税は売上税額から仕入税額を引いた額、簡易課税は売上税額×(1-みなし仕入率)、2割特例は売上税額×20%で計算します。
  2. 簡易課税は基準期間の売上5,000万円以下かつ事前届出が必要で、選ぶと2年間は継続しなければなりません。
  3. 大型の設備投資を予定している年は、仕入税額をそのまま差し引ける本則課税のほうが有利になりやすい傾向があります。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

簡易課税 vs 本則課税 vs 2割特例

消法30・37結果コピーリンク

同じ数字で本則課税・簡易課税・インボイス2割特例の納付額を並べて比較し、最も有利な方式と差額を表示します。簡易課税・2割特例は事前要件があるため、来期の方式選択の検討に。

本則 = 売上税額 − 仕入税額 簡易 = 売上税額×(1−みなし仕入率) / 2割 = 売上税額×20%
本則課税が有利/年 ¥500,000 の差
本則課税の納付¥2,000,000
簡易課税の納付¥2,500,000
★最有利本則課税(¥2,000,000)
最不利との差¥500,000
簡易課税は基準期間売上5,000万円以下+事前届出(2年継続)。大型設備投資予定の年は本則が有利になりやすい。届出期限に注意。
目次

こんなときに使います

  • 来期の消費税の申告方式を、本則課税・簡易課税のどちらにするか決算前に検討したいとき
  • インボイス制度の2割特例が使える期間中に、簡易課税と比べてどちらが得か確認したいとき
  • 大きな設備投資を予定していて、その年だけ本則課税に切り替えるべきか判断したいとき
  • 簡易課税を選んでいるが、みなし仕入率が実態に合っているか見直したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
課税売上高(税抜)1年間の消費税がかかる売上の合計額(税抜き)です。消費税申告書の課税標準額、または損益計算書の売上高から逆算します。
課税仕入高(税抜)1年間の消費税がかかる仕入・経費の合計額(税抜き)です。総勘定元帳を集計するか、前年の消費税申告書の課税仕入れ等の税額から逆算します。
税率適用する消費税率です。標準税率は10%、軽減税率は8%です。取り扱う商品・サービスの種類で判断します。
みなし仕入率簡易課税で使う、業種ごとに決められた仕入率です。卸売業90%、小売業80%、製造業等70%、その他60%、サービス業等50%、不動産業40%など業種によって異なります。営んでいる事業の種類(事業区分)で確認します。複数の事業がある場合は加重平均で計算する計算機を使います。
2割特例の対象1/0インボイス発行事業者になったことをきっかけに課税事業者になった場合など、2割特例の対象なら1、対象でなければ0を入れます。免税事業者からインボイス登録で課税事業者になったかどうかで判断します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 本則課税の納付額を計算する:課税売上高に税率をかけた売上税額から、課税仕入高に税率をかけた仕入税額を差し引きます。
  2. 簡易課税の納付額を計算する:売上税額に「1-みなし仕入率」をかけます。仕入の実額を集計せず、業種ごとのみなし仕入率だけで計算できます。
  3. 2割特例の納付額を計算し、3つを比べる:2割特例の対象であれば、売上税額の20%を納付額とします。3つの金額を並べて、いちばん小さい(納付額が少ない)方式とその差額を表示します。

具体例で確かめる

例1 初期値どおり、課税売上高5,000万円・課税仕入高3,000万円・税率10%・みなし仕入率50%のケース

本則課税 = 5,000万円×10% - 3,000万円×10% = 500万円 - 300万円 = 200万円 簡易課税 = 500万円 ×(1 - 50%) = 250万円

この場合は本則課税のほうが50万円有利。仕入の割合が多い事業は本則課税が有利になりやすい

例2 同じ売上・仕入でみなし仕入率が80%(小売業)のケース

本則課税 = 200万円(例1と同じ) 簡易課税 = 500万円 ×(1 - 80%) = 100万円

みなし仕入率が高い業種では、実際の仕入が少なくても簡易課税のほうが有利になりやすい

例3 2割特例が使えるケース

2割特例 = 500万円 × 20% = 100万円 本則課税200万円、簡易課税250万円と比べると2割特例がいちばん少ない

2割特例の対象期間中は、多くの場合いちばん納付額を抑えられる方式になります

ここを間違えやすい

1|簡易課税は事前の届出がないと使えません

簡易課税を使うには、適用を受けたい課税期間が始まる前までに届出書を提出しておく必要があります。決算が終わってから「簡易課税で計算し直したい」と思っても、間に合わないことがあります。

2|簡易課税は一度選ぶと2年間やめられません

簡易課税を選択すると、原則として2年間は本則課税に戻れません。多額の設備投資を予定している年がある場合は、その前に本則課税に戻しておく必要があります。

3|みなし仕入率は業種ごとに決まっており、実際の仕入額とは無関係です

簡易課税は、実際にいくら仕入れたかにかかわらず、業種で決まったみなし仕入率だけで計算します。実際の仕入が少ない事業ほど、簡易課税を選ぶと有利になりやすい傾向があります。

4|2割特例には対象になる期間の制限があります

2割特例は、インボイス制度をきっかけに免税事業者から課税事業者になった方などを対象にした時限的な措置です。対象期間を過ぎると、本則課税か簡易課税のどちらかを選ぶ必要があります。

よくある質問

簡易課税を選ぶにはどうすればよいですか。
「消費税簡易課税制度選択届出書」を、適用を受けたい課税期間の開始前までに税務署に提出する必要があります。基準期間の課税売上高が5,000万円を超えると使えなくなります。
2割特例はいつまで使えますか。
インボイス発行事業者の登録をきっかけに免税事業者から課税事業者になった方などが対象で、期間には限りがあります。対象となる期間や要件は個別に確認してください。
事業区分が複数ある場合はどう計算しますか。
卸売業と小売業など複数の事業を営んでいる場合は、それぞれの売上高の割合に応じてみなし仕入率を加重平均する必要があります。複数事業向けの計算機であわせて確認してください。
3つの方式を毎年選び直すことはできますか。
本則課税と簡易課税は、届出の有無や継続適用の期間の制限を守れば選び直せます。2割特例は対象になる要件と期間が決まっているため、自由に選べるものではありません。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 消費税法第30条(仕入れに係る消費税額の控除)、第37条(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
  • 国税庁タックスアンサー No.6505「簡易課税制度」
  • 国税庁「インボイス制度における2割特例の概要」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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