修正申告の費用はどう決まる?税理士報酬の内訳と加算税・延滞税

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修正申告を税理士に頼む費用は、修正する年数・税目・誤りの内容・資料の整理状況と、税務調査への対応の有無で決まります。費用を考えるときは、報酬に加えて、追加の本税・過少申告加算税・延滞税も見込む必要があります。報酬が決まる要素と見積りの取り方、加算税を抑える自主修正のタイミングを整理します。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

修正申告の費用は「税理士への報酬」と「本税+加算税・延滞税」の2つで考えます。報酬は対象年数・税目・内容の複雑さ・税務調査対応の有無で変わり、過少申告加算税は調査の通知前に自主的に修正すれば課されません。

  • 報酬が増えるのは、対象年数が多い、消費税や地方税にもまたがる、帳簿の整理からやり直す、税務調査への対応を含む、といった場合
  • 過少申告加算税は原則10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)。調査の通知前の自主修正なら課されない
  • 延滞税は法定納期限の翌日から納付の日まで日割りでかかるため、早く修正して提出と同時に納付するほど少なくなる
  • 所得税の修正は住民税・国民健康保険料にも影響し、法人は地方税の修正申告も必要
  • 見積りでは、対象の年数・税目・誤りの内容・資料の状況・調査の有無を伝えると精度が上がる
目次

修正申告とは?更正の請求との違い

修正申告とは、提出した確定申告書や法人税の申告書に誤りや申告漏れがあり、税額が少なかった場合に、納税者が自ら申告し直す手続きです(国税通則法第19条)。税務調査で指摘される前に自主的に修正すれば、加算税が課されない、または軽くなる場合があります。

反対に、税額を多く申告していた場合は「更正の請求」という別の手続きになります。似た言葉が多いので、違いを整理しておきます。

手続き使う場面期間の目安
修正申告税額が少なかった(追加で納める)税務署の更正を受けるまでは、いつでも提出できる
更正の請求税額が多すぎた(減額・還付を求める)原則として法定申告期限から5年以内
更正(税務署が行う)税務署が調査などをもとに税額を正す原則として法定申告期限から5年(偽りその他不正の行為がある場合は7年、法人税の欠損金額に係る更正は10年)
修正申告・更正の請求・更正の違い(国税の場合)

税務署が更正できる期間が原則5年なので、さかのぼって見直す範囲も、この期間が中心になります。何年分を修正するかは、税理士の報酬と税金の負担の両方に直結します。

修正申告を税理士に頼むと費用はいくら?報酬が決まる要素

修正申告の報酬は、事務所の料金体系と案件の内容によって大きく変わります。個人か法人か、何年分か、税務調査への対応を含むかによって作業量が変わり、それが費用の差になります。見積りでは、どの作業が報酬に含まれるかを確認しましょう。

費用を左右する主な要因

要因費用が増えやすいケース見積りの前に用意したい情報
修正の対象年数複数年にわたって同じ誤りを続けていた誤りがありそうな年分・事業年度の一覧
税目の数所得税・法人税に加えて、消費税や地方税(住民税・事業税)の修正も必要提出済みの申告書の控え(税目ごと)
誤りの内容売上の計上漏れ、在庫・減価償却の誤り、不動産所得・海外取引・複数の事業など、事実の確認に時間がかかる誤りに気づいたきっかけと、関係する請求書・契約書
資料の整理状況領収書や帳簿が未整理で、記帳からやり直す必要がある通帳・領収書・会計データがどこまであるか
税務調査の有無調査の連絡を受けている、または調査官との折衝が生じる税務署からの通知の内容と日程
元の申告書を作った人本人や別の事務所が作った申告書で、内容の確認から始める元の申告書の作り方(会計ソフト・手書きなど)
修正申告の報酬を左右する主な要因

見積りの取り方と確認すること

  1. 誤りの内容を整理する何年分・どの税目で、どんな誤りがありそうかをメモにします。
  2. 資料をそろえる提出済みの申告書の控え、帳簿、通帳、関係する請求書・領収書を集めます。
  3. 見積りを依頼する対象の年数・税目・税務調査の有無を伝え、報酬に含まれる範囲を確認します。
  4. 税金の負担も試算してもらう本税・加算税・延滞税の見込みを聞き、納付の資金を準備します。

見積りを比べるときは、金額だけでなく、次の点が含まれているかを確認します。

  • 報酬に含まれる税目と年数(消費税や地方税の修正を含むか)
  • 税務署とのやり取りや、税務調査への立会いの扱い
  • 帳簿の整理や記帳のやり直しが別料金になるか
  • 住民税・国民健康保険料などへの影響の説明を含むか
  • 翌期以降の申告への反映(同じ誤りを繰り返さない処理)を含むか

当事務所では、決算や申告だけのスポットのご依頼はお受けしていません。修正申告も顧問契約の中で、誤りの原因の確認から修正申告書の作成、税務署とのやり取り、その後の記帳・申告の体制づくりまで継続して支援しています。料金の考え方は料金・契約の流れで案内しています。

修正が必要かどうか、何年分・どの税目に影響するかで、費用も税金の負担も変わります。初回無料で状況を確認できます。

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報酬以外にかかるコストは?加算税と延滞税

修正申告では、税理士への報酬のほかに、追加で納める本税と、過少申告加算税・延滞税という実質的なコストが発生します。特に加算税は、修正するタイミングで負担が大きく変わります。

過少申告加算税:調査の通知前の自主修正なら課されない

修正のタイミング過少申告加算税
税務署から調査の通知を受ける前に、自主的に修正課されない
調査の通知を受けた後、調査による更正を予知する前に修正通常より低い割合で課される
調査で指摘を受けて修正(または更正を受ける)原則10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)
事実の仮装・隠蔽があった場合過少申告加算税に代えて重加算税35%
修正のタイミングと過少申告加算税(2026年10月時点の国税通則法の考え方)

期限内に申告していなかった場合は無申告加算税の対象で、原則15%(50万円超の部分は20%、2024年1月1日以後に法定申告期限が来るものは300万円超の部分30%)です。なお、優良な電子帳簿の要件を満たして事前に届出をしている場合は、過少申告加算税が5%軽減される措置もあります。

具体例|追加納税額から加算税を試算する

計算例:追加で納める税額が80万円の場合

例えば、修正申告で追加に納める税額が80万円で、期限内に申告した税額が50万円以下の場合です。調査で指摘を受けて修正したときの過少申告加算税は、次のとおりです。

  • 50万円までの部分:50万円×10%=5万円
  • 50万円を超える部分:30万円×15%=4.5万円
  • 合計:5万円+4.5万円=9.5万円

調査の通知の前に自主的に修正していれば、この9.5万円は課されません。追加の税額が大きいほど、早く自主的に修正するかどうかで負担の差が大きくなります。

延滞税:納付が遅れるほど日割りで増える

延滞税は、本来の法定納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて、日割りでかかります。割合は年ごとに見直されるほか、修正申告書を提出した後に納付が遅れると、一定の期間を過ぎた分から割合が高くなります。修正申告書の提出と同時に納付するのが基本です。

法定申告期限から長い期間がたってから修正した場合には、延滞税の計算期間から一定の期間を除く特例もあります(偽りその他不正の行為がある場合などを除く)。その年の割合と計算方法は、国税庁のタックスアンサーで確認できます。

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延滞税・加算税を概算する追加で納める税額と期間を入れると、延滞税と加算税の目安を計算できます。計算する

修正申告はどう進める?手順と提出先

修正申告は、誤りの範囲を確定させることから始めます。範囲があいまいなまま出すと、後から別の誤りが見つかって出し直しになり、手間も費用も増えます。

  1. 誤りの範囲を確定する何年分・どの税目に影響するかを洗い出し、同じ処理を毎年続けていないかを確認します。
  2. 正しい金額を計算する帳簿を直し、所得と税額を計算し直します。消費税の課税区分や、減価償却・在庫の金額も確認します。
  3. 修正申告書を作成して提出するe-Taxか書面で提出します。法人は、都道府県・市町村にも法人住民税・法人事業税の修正申告をします。
  4. 追加の税金を納付する本税は提出と同時に納めます。加算税は税務署から届く賦課決定通知書に従って納め、延滞税は本税とあわせて納めるか、税務署からの通知に従って納めます。
  5. 帳簿と翌期以降に反映する会計ソフトの帳簿データを直し、翌年以降の申告と数字が食い違わないようにします。

札幌・北海道で提出する場合

市内の税務署あてに書面で郵送する場合、2026年7月10日からの送付先は札幌業務センターです。e-Taxで送るときや窓口に持参するときは、住所地や本店所在地を管轄する税務署が提出先です(例:北区・東区は札幌北税務署)。

法人は、法人税の修正にあわせて、北海道と事業所のある市町村にも法人住民税・法人事業税の修正申告をします。

見落としやすいポイント

  • 消費税の修正申告も対象になりうる:所得税や法人税だけでなく、消費税の申告内容に誤りがあった場合は、消費税の修正申告もあわせて必要になります。
  • 2年後の納税義務にも影響する:売上の計上漏れを直すと課税売上高が増え、その年を基準期間とする年の納税義務の判定(1,000万円以下なら免除)が変わることがあります。
  • 税額が増える誤りと減る誤りが両方あるとき:同じ年の誤りをすべて反映して正しい税額を計算し、結果が増えるなら修正申告、減るなら更正の請求で直します。
  • 住民税・国民健康保険料への影響:所得税の修正申告で所得金額が変わると、住民税や国民健康保険料、個人事業税が計算し直され、後日追加の通知が届くことがあります。
  • 会計帳簿への反映:修正申告の内容を会計ソフトの帳簿データにも反映しないと、翌年以降の申告と数字が食い違う原因になります。在庫や減価償却の修正は、翌期の期首の金額にも影響します。
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消費税の課税事業者かどうかを判定する基準期間・特定期間の売上などから、消費税の納税義務の有無を確認できます。判定する

実務ワンポイント|自主修正のタイミングを判断する視点

誤りに気づいてから修正申告までの期間が空くほど、延滞税は日割りで増えていきます。決算書や帳簿を見返して疑わしい点に気づいたら、内容を確定させる前の段階でも早めに税理士へ相談し、修正が必要かどうかの判断を仰ぐと安心です。

特に複数年にわたって同じ処理を続けていた場合は、対象年数がまとまって増える前に着手したほうが、結果的に費用や加算税を抑えやすくなります。税務署から調査の通知が届いた後は、自主修正として加算税が課されない扱いを受けられないため、通知の前に動けるかどうかが分かれ目です。

同じ誤りを繰り返さない仕組みまで整える

修正申告は、誤りの原因を直さなければ翌年も同じことが起こります。売上の計上時期、経費と資産の区分、消費税の区分など、誤りが起きた処理を月次の点検項目に加えておくと安心です。点検の項目は経理・決算セルフチェックで確認できます。

よくある質問

修正申告は自分でもできますか?

できます。個人の所得税であれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーで修正申告書を作ることもできます。ただし、複数年にわたる修正、法人税や消費税が関係する修正、税務調査中の修正は、影響の範囲を見極める必要があるため、専門家に相談したほうが安全です。

税務調査で指摘を受けたら、修正申告に応じなければいけませんか?

指摘に納得できれば修正申告をするのが一般的ですが、義務ではありません。納得できない場合は、修正申告に応じずに税務署の更正を受け、不服申立てをする道もあります。修正申告をすると不服申立てはできず、後から争うには更正の請求をすることになります。

税理士への報酬や加算税は経費になりますか?

事業に関する税理士への報酬は、法人の損金や個人事業の必要経費になります。一方、加算税と延滞税は、法人税でも所得税でも経費にできません。本税の法人税・所得税も経費にならない点に注意します。

追加の税金を一度に払えない場合はどうすればよいですか?

納付が遅れるほど延滞税が増えるため、まずは税務署に相談します。一度に納めることが難しい事情があれば、分割での納付などが認められる猶予の制度を申請できる場合があります。黙って放置すると督促や差押えにつながるおそれがあります。

まとめ

修正申告の費用は、税理士への報酬と、本税・加算税・延滞税という税金の負担の両方で考えます。報酬は対象年数・税目・誤りの内容・資料の状況・税務調査対応の有無で変わるため、見積りではこれらを具体的に伝えましょう。調査の通知前に自主的に修正すれば過少申告加算税は課されず、早く納付するほど延滞税も抑えられるので、誤りに気づいたら早めに相談することが一番の節約になります。

札幌の公認会計士・税理士事務所

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出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂(加算税・延滞税の仕組みと札幌業務センターへの提出先の変更を反映)

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