「会社を休眠にしたいが、手続きにいくらかかるのかわからない」というご相談をよく受けます。休眠(事業活動を停止した状態での存続)は解散・清算より手続きが少ない半面、税務・法務上の義務が続くため、費用がゼロになるわけではありません。本記事では、休眠会社にかかる主な費用の内訳と相場の目安を、全体像から順に整理します。
この記事は、こんな方に役立ちます
- 税理士の顧問料や費用の相場を知りたい方
- スポット相談か顧問契約か迷っている方
- 依頼の流れと範囲を把握したい方
- 休眠中も均等割(法人住民税)と申告義務は原則として続く。費用ゼロにはならない。
- 休眠前に税務署・都道府県・市区町村への異動届出書の提出が必要。
- 税理士への申告代行費用は年1万〜5万円程度が目安だが、事務所・規模によって大きく異なる。
- 役員任期の管理も忘れずに。任期切れ放置は過料のリスク。
1. 休眠会社とは何か
法人登記上は存続しているものの、事業活動を停止している状態の会社を「休眠会社」と呼びます。会社法上の正式な用語ではありませんが、実務ではよく使われる表現です。解散・清算と異なり、将来の事業再開を想定して法人格を維持するケースが多いです。
- 法人格は維持されるため、登記・税務申告の義務は続く。
- 解散・清算した場合は登記抹消で終了するが、再開には改めて設立手続きが必要になる。
- 休眠の届出自体に法定の書式はないが、税務署・都道府県・市区町村への「異動届」を提出するのが実務上の慣行。
2. 休眠中もかかり続ける費用
休眠状態でも、最低限の費用と申告が必要です。これを理解せずに休眠に入ると、後で滞納・延滞税が発生するリスクがあります。
| 費用の種類 | 内容・目安 |
|---|---|
| 法人住民税の均等割 | 事業活動がなくても課税。金額は資本金・従業者数により異なる(都道府県・市区町村それぞれ)。最低でも年数万円程度が一般的だが、自治体により異なる。 |
| 法人税・法人事業税の申告 | 所得ゼロでも申告義務はある(休眠中の申告で法人税・事業税の納税はゼロが多い)。申告不要制度の適用可否は要確認。 |
| 税理士への申告代行費用 | 休眠中の申告は書類が簡素なため、通常の顧問料より安い場合が多い。目安:年1万〜5万円程度(事務所・規模により大きく異なる)。 |
| 登記関係費用 | 休眠届や役員変更登記が必要な場合は登録免許税・司法書士費用がかかる。 |
均等割の免除・減額は一部の自治体が設けている場合がありますが、全自治体共通ではありません。主たる事務所の所在地の都道府県・市区町村について、最新の条例・取扱いを確認してください。
3. 休眠前に必要な手続きと費用
休眠状態に入る前に、税務署・都道府県・市区町村へ「異動届出書」を提出するのが一般的です。書類自体の手数料は無料ですが、税理士に依頼する場合は別途費用が発生します。
- 税務署への異動届出書(納税地・法人情報の変更を通知):書類は無料。
- 都道府県・市区町村への休眠届(事業廃止・休止の通知):各自治体の様式に従う。
- 登記上の住所や役員の任期切れに注意。役員変更登記を怠ると過料(罰則的な罰金)が発生することがある。
4. 税理士への依頼費用の相場
休眠会社の申告・届出を税理士に依頼した場合の費用は、通常稼働している法人の顧問より低くなることが多いです。ただし事務所によって料金設定が異なるため、複数の事務所で見積もりを取ることをおすすめします。
- 休眠前の届出書作成・提出代行:数千円〜数万円程度が目安(書類の複雑さによる)。
- 休眠中の年次申告(決算・申告書作成):年1万〜5万円程度の目安だが、事務所・規模により異なります。
- 再開時の手続き支援(届出・記帳・申告再開):別途見積もりが必要。
具体例|数年休眠を続けた場合の費用感
たとえば休眠状態を3年程度続けた場合、年次申告費用(年1万〜5万円程度が目安)に加え、均等割などの固定費が毎年発生し続けます。単年で見ると小さな金額でも、休眠期間が長くなるほど累計の費用は積み上がっていきます。将来的に事業を再開する見込みが低い場合は、休眠を続けるコストと解散・清算の手続き費用を比較したうえで、どちらが総合的に負担が軽いかを検討することをおすすめします。
見落としやすいポイント
- 消費税の申告義務が残る場合がある/休眠中であっても、基準期間の課税売上高などの要件によっては消費税の申告が必要になるケースがあります。休眠に入る前の課税期間の状況もあわせて確認しておくと安心です。
- 銀行口座の維持コスト/取引のない期間が長くなると、金融機関によっては口座の休眠扱いや手数料が発生することがあります。事業用口座の管理方針も休眠前に検討しておきます。
- 許認可の有効期限/建設業許可など更新が必要な許認可を持っている場合、休眠中も更新手続きを怠ると失効することがあります。更新時期を確認し、維持するかどうかを判断します。
- 再開時の手続き漏れ/休眠から事業を再開する際は、異動届の再提出や取引先への通知など、休眠開始時とは逆の手続きが必要です。再開の見込み時期も念頭に置いて準備しておくと安心です。
実務ワンポイント|休眠前に相談しておきたいこと
休眠にするかどうかを迷っている段階でも、税理士に現状の財務状況や今後の見通しを伝えて相談すると、休眠と解散・清算のどちらが適しているかを整理しやすくなります。判断を先延ばしにするほど、任期切れの登記漏れなど別の問題が重なりやすくなるため、早めの相談が安心につながります。
まとめ
休眠会社の手続きは当事務所へご相談ください
当事務所は、休眠前後の届出代行・申告対応・再開支援を行う札幌の税理士・公認会計士事務所です。解散・清算との比較検討も含め、ご状況に合わせてご提案します。料金やご契約の流れは料金・契約・業務フローのページを、ご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。
料金を相談する前に整理しておくと早いこと
- 業種と年間の売上規模
- 記帳を自社でやるか依頼するか
- 訪問・オンラインなど希望の対応方法
- 現在の課題(節税・資金繰り・申告など)
- 法人か個人事業かと決算月
※本記事は2026年9月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
出典・参考情報(公的機関)
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。
