年末調整の代行費用はどう決まる?料金の内訳と令和8年分の注意点

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年末調整の代行費用は、従業員数、業務の範囲(法定調書や給与支払報告書の作成・提出を含むか)、毎月の給与計算の整い方、依頼先の料金体系で決まります。料金の内訳と見積りで確認したいこと、基礎控除などが変わる令和8年分の注意点、依頼前にそろえる書類と時期を整理します。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

年末調整の代行費用は、人数で決まる部分と、業務の範囲・資料の整い方で決まる部分の組み合わせです。金額を比べる前に、法定調書・給与支払報告書の作成と提出まで含まれるかを確認し、同じ範囲でそろえた見積りで比べましょう。

  • 料金の形は「1人あたりの単価」「1社あたりの定額」「顧問料に含める」の3つが中心
  • 費用が増えやすいのは、人数・中途入退社・扶養や控除の変動・住宅ローン控除の対象者が多い場合
  • 法定調書・給与支払報告書・源泉徴収票の期限は2027年2月1日(月)。料金に含まれるかを確認する
  • 令和8年分は、基礎控除や給与所得控除などの改正分を12月の年末調整でまとめて精算する
  • 11月から書類を集め始めると、12月の精算と1月の納付に余裕を持って対応できる
目次

年末調整の代行とは何をしてもらえる?

年末調整は、毎月の給与から差し引いた源泉所得税の合計と、1年間の給与にかかる正しい所得税額との差を、年の最後の給与で精算する手続きです。外注すると言っても、対象となる業務の範囲は事務所ごとに異なります。何が料金に含まれているかを、依頼前に確認しておくことが大切です。

業務内容令和8年分の期限
年末調整の計算各従業員の所得控除と税額の計算、還付または不足額の確定年の最後の給与を支払うとき
精算後の源泉所得税の納付12月分の源泉所得税として納付2027年1月12日(火)。納期の特例を受けている場合は2027年1月20日(水)
源泉徴収票の作成従業員への交付と、一定の場合の税務署への提出2027年2月1日(月)
法定調書の作成・提出報酬・料金や地代家賃などの支払調書と、法定調書合計表2027年2月1日(月)
給与支払報告書の作成・提出従業員の住所地の市区町村へ提出(翌年度の住民税の基礎になる)2027年2月1日(月)
年末調整の代行に含まれることが多い業務と期限(令和8年分)

2027年1月1日以後は、市区町村に給与支払報告書を提出すれば、源泉徴収票を税務署へ提出したものとみなされます(従業員本人への交付は引き続き必要です)。退職者がいる場合は、2026年1月1日以後に支払った退職手当等の源泉徴収票を、居住者全員分提出する必要がある点も、依頼先と確認しておきましょう。

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年末調整の過不足を計算する1年間の給与や源泉徴収税額などを入力して、年末調整で還付・徴収される金額の目安を確認できます。計算する

顧問契約に年末調整が含まれているか、含まれない場合はどこからが追加料金かを、契約書や見積書で事前に確認してください。

代行費用の目安:料金の決まり方と従業員数による違い

年末調整の代行費用は、事務所の料金体系と従業員数、業務の範囲によって大きく変わるため、一律の金額で比べることはできません。料金の形は主に次の3つで、人数や依頼の仕方によって向き不向きがあります。

料金の形仕組み向いているケース
1人あたりの単価従業員数に単価を掛けて計算する従業員が多い、年によって人数が増減する
1社あたりの定額一定の人数までを定額で引き受ける少人数で、扶養や控除の変動が少ない
顧問料に含める毎月の給与計算や顧問契約の中で対応する毎月の給与計算から通して任せたい
年末調整の代行の主な料金の形(金額は事務所の料金体系によって異なる)

従業員数による違いは、人数分の計算が増えることだけではありません。少人数の会社でも、扶養の異動や住宅ローン控除の確認は1人ずつ同じ手間がかかります。人数が増えると、申告書の回収と督促、中途入退社の処理、給与支払報告書の提出先の市区町村が増え、確認作業が積み上がります。

従業員数の目安作業で増えやすいこと
1〜5名1人ずつの控除の確認が中心。給与の支払を受ける人が常時10人未満なら、承認を受けて源泉所得税の納期の特例(7〜12月分は翌年1月20日に納付)を使える
6〜10名中途入社の人の前職の源泉徴収票の回収や、扶養の異動の確認が増える
11〜20名申告書の回収・督促や、給与支払報告書の提出先の市区町村が増える
21名〜申告書の電子化や給与ソフトとの連携の有無が、費用と期間を大きく左右する
従業員数の目安と、年末調整の作業で増えやすいこと

法定調書の作成や、給与支払報告書の市区町村への提出が、料金に含まれる場合と含まれない場合があります。複数の事務所から見積りを取るときは、同じ業務の範囲で内訳をそろえて比べることをおすすめします。

費用に影響する主な要因

年末調整の代行費用が高くなりやすいケースと、抑えやすいケースを整理します。作業量を左右するのは、人数よりも「資料がどれだけ整っているか」であることも少なくありません。

要因費用が増えやすい場合費用を抑えやすい場合
毎月の給与計算手計算で、源泉徴収簿が整っていない給与ソフトや代行先で毎月計算済み
中途入退社多い(前職の源泉徴収票の回収が必要)少ない
扶養・控除の変動結婚・出産・扶養の異動が多い変動が少ない
住宅ローン控除対象の従業員が多い対象者が少ない
法定調書報酬・料金や地代家賃などの支払先が多い支払先が少ない
書類の回収紙の申告書を代行先が回収・督促する従業員が電子で提出済み
依頼の時期12月に入ってから依頼する秋のうちに依頼する
年末調整の代行費用に影響する主な要因

クラウド給与ソフト(freee・弥生など)で電子申告に対応し、勤怠・給与のデータが整理されていると、代行の作業が減り、費用を抑えやすくなります。ソフトごとの使い方はfreee実務ガイドや弥生会計 実務ガイドで確認できます。

令和8年分の年末調整で変わる点と代行への影響

令和8年分は、基礎控除や給与所得控除などの改正が2026年12月1日に施行され、令和8年分の所得税から適用されます。2026年中の毎月の源泉徴収は改正前の税額表のままなので、改正による減税分は12月の年末調整でまとめて精算されます。代行先が改正後の計算に対応しているかは、見積りの段階で確認しておきましょう。

項目令和8年分の取扱い
基礎控除合計所得489万円以下は104万円(655万円以下は67万円、2,350万円以下は62万円など段階的)
給与所得控除給与収入220万円以下は74万円(最低保障額の引上げ)
扶養親族などの所得要件合計所得62万円以下(給与だけなら収入136万円以下)
特定親族特別控除(19〜22歳)合計所得62万円超123万円以下(給与だけなら197万円以下)で、所得に応じて段階的に控除
生命保険料控除23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約の一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に(合計12万円は据置き)
令和8年分の年末調整に関係する主な改正(2026年10月時点)

計算例:基礎控除の改正で年税額はどれだけ変わる?

例えば、給与収入が560万円で、ほかに所得がない従業員の場合です。

  • 給与所得控除:560万円×20%+44万円=156万円
  • 給与所得(合計所得):560万円-156万円=404万円
  • 基礎控除:令和7年分は68万円、令和8年分は104万円(104万円-68万円=36万円の増加)

社会保険料控除などを差し引いた課税所得が、改正の前後とも10%の税率区分(195万円超330万円以下)に収まる場合、所得税と復興特別所得税は360,000円×10%×102.1%=36,756円少なくなります。改正による減税分は毎月の源泉徴収には反映されていないため、12月の年末調整でまとめて精算されます(実際の還付額は、毎月の源泉徴収額やほかの控除によって変わります)。

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年分別の基礎控除額を確認する合計所得金額を入力すると、令和7年分から令和10年分までの基礎控除額を比べられます。計算する

扶養控除等申告書や基礎控除申告書の内容を、改正後の所得要件で確認し直す必要があるため、従業員への案内と書類の回収は例年より早めに始めると安心です。なお、最後の給与の支払いが2026年11月30日以前の中途退職者などは、年末調整ではなく確定申告などで精算します。

自社で行うか外注するかの判断基準

従業員が増えるほど、年末調整の作業は年末の繁忙期と重なり、担当者の負担が大きくなります。外注を検討する目安は次のとおりです。

  • 経理担当者が1名または兼任で、年末調整に割ける時間が限られる
  • 法定調書の作成や、市区町村への給与支払報告書の提出の知識・経験が社内にない
  • 従業員の入退社や控除証明書の照合で、ミスが起きやすい
  • 令和8年分の基礎控除や所得要件などの改正を、社内で追い切れない
  • 顧問税理士にすでに給与計算を依頼している(年末調整まで通して任せると効率的)

反対に、給与ソフトで毎月の計算と電子申告が整い、従業員の控除の変動が少ない会社は、自社で行い、迷う点だけ税理士に確認する形でも対応できます。

自社で続けるか外注するかは、人数と毎月の給与計算の整い方で答えが変わります。いまの体制で何を任せるとよいか、初回無料で確認できます。

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依頼時に必要な書類と提出のタイミング

代行をスムーズに進めるため、必要な書類は早めに準備しておくと安心です。扶養控除等申告書などへの従業員の押印は、現在は不要です。

  • 給与所得者の扶養控除等申告書(各従業員が記入したもの)
  • 基礎控除申告書・配偶者控除等申告書などの兼用様式(令和8年分のもの)
  • 保険料控除申告書と、生命保険・地震保険などの控除証明書
  • 住宅借入金等特別控除申告書と、金融機関の年末残高証明書(入居の時期などにより不要な場合あり)
  • 1年間の給与・賞与の支給データ(源泉徴収簿や給与ソフトのデータ)
  • 中途入社の人の、前職の源泉徴収票
  1. 10月〜11月従業員に申告書を配り、保険会社などから届く控除証明書を集め始めます。
  2. 11月回収した申告書と控除証明書を代行先に渡し、扶養の異動や中途入社の人を伝えます。
  3. 12月年の最後の給与で年末調整を行い、過不足を精算します。
  4. 2027年1月12日(火)12月分の源泉所得税を納付します(納期の特例を受けている場合は1月20日(水))。
  5. 2027年2月1日(月)源泉徴収票を交付し、法定調書と給与支払報告書を提出します。

見積りで確認したいことと当事務所の対応

  • 料金の形(1人あたり・1社あたり・顧問料込み)と、人数が増えたときの計算方法
  • 法定調書・給与支払報告書の作成と提出(電子での提出を含む)が料金に含まれるか
  • 中途入退社の処理、住宅ローン控除の確認、やり直しが必要になったときの扱い
  • 申告書の回収・督促と、従業員からの問い合わせへの対応を誰が行うか
  • 資料の締切日と、締切に遅れた場合の対応

法定調書は、前々年に提出した枚数が30枚以上ならe-Taxなどでの提出が必要です。電子での提出に対応しているかも、あわせて確認しておきましょう。

当事務所では、決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしておらず、年末調整も顧問契約の中で、毎月の給与計算から法定調書の作成までまとめてお受けしています。料金は、従業員数と業務の範囲に合わせてご案内します。

よくある質問

年の途中で退職した従業員も、年末調整の対象になりますか?

原則として対象外です。退職時に源泉徴収票を交付し、本人が確定申告などで精算します。令和8年分は、最後の給与の支払いが2026年11月30日以前の中途退職者などは、基礎控除などの改正分も確定申告などで精算します。

医療費控除やふるさと納税は、年末調整で受けられますか?

受けられません。医療費控除や寄附金控除は、従業員本人が確定申告で受けます。ふるさと納税は、寄附先が5団体以内で確定申告をしない人なら、翌年1月10日までにワンストップ特例の申請をすれば確定申告は不要です。住宅ローン控除も、1年目は本人の確定申告が必要で、2年目から年末調整で受けられます。

2か所から給与をもらっている従業員はどうなりますか?

扶養控除等申告書を提出した勤務先(主たる給与の支払者)で年末調整を行います。もう一方の勤務先の給与は年末調整の対象にならないため、原則として本人が確定申告をします。

パートの「103万円の壁」は、令和8年分でどうなりますか?

給与だけの人の所得税が非課税になる上限は、令和8年分・令和9年分は給与収入178万円以下です(令和7年分は160万円)。配偶者控除や扶養控除の対象になる上限は給与収入136万円以下で、本人の非課税の上限とは別の基準です。

まとめ

年末調整の代行費用は、料金の形と従業員数、法定調書・給与支払報告書まで含むかという業務の範囲、毎月の給与計算の整い方で決まります。令和8年分は改正分を12月にまとめて精算するため、改正に対応した依頼先を早めに決め、11月から書類を集め始めましょう。

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出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂(令和8年度税制改正を反映)

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