相続税の申告は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。「自分で申告できるか」は、財産の種類・金額・家族構成によって大きく異なります。ここでは、自分で申告するリスクと、税理士に依頼すべき分かれ目のポイントを整理します。
この記事は、こんな方に役立ちます
- 決算・申告を控えて段取りを確認したい経営者
- 記帳や決算整理をどこまで自社でやるか迷っている方
- 申告期限と納税の流れを把握したい方
- 相続税申告は10か月以内。財産評価・特例適用のミスが大きな税額差を生む。
- 小規模宅地等の特例は要件が複雑で、適用漏れや誤適用に注意が必要。
- 不動産・非上場株式・相続人が複数の場合は税理士への依頼が安心。
- 税務調査リスクの軽減にも、専門家の関与は有効。
相続税申告を自分で行うリスク
相続税の申告書は国税庁のWebサイトから書式を取得でき、計算自体は不可能ではありません。しかし、次のような点でミスが起きやすいです。
- 財産評価の誤り:土地は路線価や倍率方式で評価しますが、評価方法の選択・補正係数の適用を誤ると過大・過少申告につながります。
- 小規模宅地等の特例の適用漏れ:居住用・事業用の土地について、一定要件を満たせば評価額を最大80%減額できますが、要件判定が複雑です。
- 相続人の把握漏れ:戸籍の調査が不十分だと、相続人の範囲を誤るリスクがあります。
- 税務調査リスク:申告内容に疑義があると、申告後に税務署から調査が入ることがあります。
小規模宅地等の特例とは
小規模宅地等の特例(租税特別措置法第69条の4)は、相続税の大きな節税になりえる制度です。被相続人が居住していた宅地(特定居住用宅地等)は330㎡まで80%減額、事業用宅地(特定事業用宅地等)は400㎡まで80%減額が適用できます(要件充足時)。
ただし、同居要件・継続保有要件・申告書への添付書類など、適用要件は細かく定められています。要件を誤ると特例が適用できず、多額の税額が発生するケースもあるため注意が必要です。
税理士に頼む分かれ目
以下に当てはまる場合は、税理士への依頼を検討することをおすすめします。
- 不動産(特に複数の土地)を相続する場合:路線価評価・補正・特例適用の判断が複雑です。
- 非上場株式(自社株)を相続する場合:評価方法が複数あり、専門知識が必要です。
- 相続人が複数いて、遺産分割が複雑な場合:分割内容によって税額が大きく変わることがあります。
- 相続財産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を大きく超える場合:申告漏れのリスクが高まります。
逆に、預貯金のみで総額が基礎控除の範囲に収まり、相続人も明確な場合は、自分で申告できる可能性があります。ただし、最終的には個別の状況を確認してから判断することが大切です。
税務調査への備えと申告後のリスク
国税庁の統計では、相続税の実地調査において申告漏れ財産が見つかるケースが一定数存在します(国税庁「相続税の調査等の状況」を参照)。税務調査が入った場合、追徴税額に加えて延滞税・過少申告加算税等が発生することがあります。
税理士が申告に関与している場合は、申告内容の根拠資料が整理されており、調査対応がスムーズになります。調査リスクの軽減という観点でも、専門家関与の意義は大きいといえます。
まとめ
相続税のご相談は当事務所へ
札幌・北海道の相続税申告について、財産評価から申告書作成・税務調査対応まで対応しております。料金やご契約の流れは料金・契約・業務フローのページを、ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
決算前にそろえておく主な書類
- 売上・仕入の請求書と入金記録
- 預金通帳・借入金の返済予定表
- 請求書・領収書(経費)
- 固定資産の取得・売却の資料
- 棚卸表(在庫の数量と金額)
※本記事は2026年9月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
出典・参考情報(公的機関)
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。
