弁護士事務所:開業時の税務手続きと届出一覧|札幌の税理士が3分で解説

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勤務弁護士から独立して自分の事務所を構えるとき、弁護士会への登録換え手続きには気を配っても、税務署への届出は後回しになりがちです。提出が遅れると、青色申告の特典を初年度から使えないなど、目に見える不利益につながることがあります。開業届と青色申告承認申請の二つは最優先で、事務員を雇うなら給与関係の届出もあわせて済ませておくと安心です。

この記事は、こんな方に役立ちます

  • これから札幌・北海道で開業・起業する方
  • 開業の手続きと順番を知りたい方
  • 創業時の資金調達を相談したい方
①事業計画②資金調達③開業届の提出④会計体制づくり⑤運営開始
開業準備から運営までの流れ
図:開業の流れ
この記事のポイント
  • 開業届と青色申告承認申請は最優先で同時に提出する
  • 雇用するなら給与関係の届出と納期の特例も検討する
  • 報酬は源泉徴収される前提で帳簿を組み立てる
  • 預り金は売上と厳格に区分して口座も分ける
目次

弁護士の開業時に出す主な届出一覧

届出書類期限の目安
個人事業の開業届出書開業から1ヶ月以内
青色申告承認申請書原則開業から2ヶ月以内
給与支払事務所等の開設届出書雇用開始から1ヶ月以内
源泉所得税の納期の特例の承認申請書適用したい月の前月末まで
青色事業専従者給与に関する届出書原則開業から2ヶ月以内

期限は開業時期などの条件で変わる場合があるため、提出前に国税庁サイトで最新の様式と期限を確認してください。特に青色申告承認申請は出し忘れると初年度が白色申告になり、赤字の繰越しや専従者給与といった特典を受けられません。開業届と同じ日に出してしまうのが確実です。

弁護士特有の論点①:報酬から源泉徴収される

弁護士報酬は、法人クライアントなどから支払いを受ける際に源泉徴収されるのが原則です。請求額と入金額がずれるため、帳簿では報酬の総額と源泉徴収された税額を分けて記録します。

源泉徴収された分は確定申告で精算される仕組みです。請求書の控えを案件ごとに整理しておくと申告作業が格段に楽になります。税率や計算方法の最新情報は国税庁サイトで確認してください。

弁護士特有の論点②:預り金と着手金の処理

依頼者から一時的に預かるお金(保証金や和解金の受け入れなど)は事務所の売上ではありません。業務用口座と預り金口座を分け、帳簿でも「預り金」として売上と明確に区分します。ここが曖昧だと、税務調査で売上の計上漏れを疑われる原因になります。

着手金は受任時に受け取る報酬で、収益に計上する時期の判断が必要です。事件が年をまたぐ場合の計上時期は判断が分かれやすい論点なので、開業時に処理方針を固めておくことをおすすめします。

経費の範囲と、自分でやるか頼むか

弁護士会費、判例データベースの利用料、書籍代、事務所家賃、職務上の交通費などは経費になります。自宅兼事務所の家賃や私的利用もある支出は、業務で使う割合に応じた按分が必要で、根拠の記録を残しておくことが大切です。

開業初年度は届出・記帳・源泉処理と慣れない作業が続きます。年間売上1,500万円規模でも記帳と申告を専門家に任せて事件対応に集中するほうが、結果的に時間も収益も守れるケースは少なくありません。

具体例|着手金と預り金の仕分けをイメージする

たとえば着手金として50万円を受け取り、そのうち10万円を今後の実費や謄写費用に充てる預り金として区分したとします。着手金分は受任時点で収益に計上し、預り金分は事務所の売上には含めず、返還や実費充当の記録を別途残しておきます。両者を同じ口座で管理すると混同しやすいため、口座や帳簿を分けておくと後の整理が楽になります。

見落としやすいポイント

  • 消費税とインボイスの検討/弁護士報酬は消費税の課税対象となるため、請求書への消費税額の明示やインボイス発行事業者としての登録要否を早めに検討しておくと安心です。
  • 法テラス案件の入金タイミング/法テラスを通じた事件では、報酬の確定や入金の時期が通常の受任契約と異なることがあります。案件ごとに入金予定を管理しておくと資金繰りが読みやすくなります。
  • 成功報酬の計上時期/和解や判決の確定など成果が確定した時点で収益計上するのが基本です。年をまたぐ事件は特に計上時期の判断を事務所内で統一しておきます。
  • 事務員雇用時の届出/事務員を雇う場合は給与支払事務所等の開設届出や源泉徴収の納期の特例など、給与関係の届出が別途必要になります。

実務ワンポイント

開業初年度は受任業務そのものに集中したい時期でもあります。記帳や源泉徴収の管理を後回しにすると、確定申告の直前にまとめて処理する負担が大きくなりがちです。事件対応の合間でも月次で入出金を整理する習慣をつけておくと、税理士に相談する際もスムーズに状況を共有できます。

税理士への相談を検討したいタイミング

案件数が増えて請求書や入出金の管理が煩雑になってきたら、記帳代行や顧問契約を検討するタイミングです。特に事務員を雇って給与計算が発生する場合や、消費税の課税事業者になるかどうかを判断する場面では、早めに専門家へ相談しておくと制度選択を誤りにくくなります。

  • 顧問契約とスポット依頼の違い/記帳から申告まで任せる顧問契約と、確定申告のみを依頼するスポット契約では、対応できる範囲や費用感が異なります。事務所の状況に合わせて選びます。
  • 資料はクラウドで共有/請求書控えや預り金の記録をクラウド会計と連携させておくと、税理士とのやり取りがスムーズになり、面談のたびに資料を探す手間を減らせます。
  • 繁忙期の前に体制を整える/確定申告の時期に慌てないよう、案件が落ち着いている時期に記帳の型や資料の受け渡し方法を税理士と決めておくと安心です。

まとめ

この記事のまとめ
開業届と青色申告承認申請は最優先で同時に提出する
雇用するなら給与関係の届出と納期の特例も検討する
報酬は源泉徴収される前提で帳簿を組み立てる
預り金は売上と厳格に区分して口座も分ける

具体的な届出のスケジュールや記帳体制は開業の形によって変わります。札幌で弁護士事務所の開業をお考えの方は、当事務所の料金プランをご確認のうえ、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

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開業前にそろえておくこと

  • 事業計画と収支の見通し
  • 開業資金と自己資金の額
  • 開業届・青色申告承認申請の準備
  • 会計ソフト・記帳の体制
  • 屋号・事業用口座・許認可の確認
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※本記事は2026年8月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。

出典・参考情報(公的機関)

本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。

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