期限後申告を税理士に依頼すると、初回相談・書類の準備・申告書の作成・e-Taxでの提出という流れで進み、書類がそろっていれば1〜2週間、複数年分や書類が散らばっている場合は3週間〜1か月以上が目安です。延滞税は日数に応じて増えるため、早めの着手が負担を抑えます。
この記事の結論
期限後申告は、書類がそろっていれば依頼から申告完了まで1〜2週間程度が目安です。複数年分・書類散在の場合は3週間〜1か月以上かかることもあるため、まず相談して集める書類を決めます。
- 一部の書類が欠けていても、残っている資料から申告できる場合がある
- 無申告加算税は原則15%(50万円超の部分は20%、300万円超の部分は30%)で、延滞税は日数に応じて増える
- 税務署の調査の通知を受ける前に自主的に申告すれば、無申告加算税は軽減される
- 令和8年分までの青色申告特別控除は、期限後申告だと最大10万円になる
- 当事務所は申告だけのスポット依頼は受けておらず、顧問契約で申告後の再発防止まで支援する
期限後申告の全体の流れと所要日数は?
確定申告や法人税申告の期限を過ぎてしまった場合でも、税理士に依頼すれば期限後申告の手続きを進められます。所要日数は、書類の準備状況や、複数年分の申告が必要かどうかで変わります。
| ステップ | 内容 | 所要日数の目安 |
|---|---|---|
| 1. 初回相談・ヒアリング | 未申告の期間・収入の種類・書類の有無を確認し、進め方と契約の内容を決める | 1〜3日 |
| 2. 必要書類の準備 | 収入明細・経費の領収書・源泉徴収票等を揃える | 3〜10日(依頼者の状況次第) |
| 3. 申告書の作成・確認 | 税理士が申告書を作成し、依頼者が内容を確認 | 3〜5日 |
| 4. 申告・納付 | e-Taxまたは郵送で提出。加算税・延滞税を含む税額を納付 | 1〜2日 |
書類が揃っていれば、依頼から申告完了まで1〜2週間程度が目安です。複数年分が未申告であったり、データが散在していたりする場合は、書類整理に時間がかかり、3週間〜1か月以上になることもあります。
期限後申告は、税務署から税額の「決定」を受けるまでは提出できます。さかのぼって申告する年数は、税務署が決定できる期間(原則として法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年)を目安に、初回相談で一緒に決めます。
準備しておく書類は?
依頼前に次の書類を手元に揃えておくと、手続きがスムーズに進みます。未申告の年ごとに分けておくと、作業の時間をさらに短くできます。
- 収入関係:源泉徴収票、売上帳・レシートデータ、プラットフォームの収益明細(Airbnbなど)
- 経費関係:領収書、通帳コピー(事業関連の入出金)、クレジットカード明細
- 控除関係:国民健康保険・国民年金・生命保険料などの支払証明、医療費の領収書
- その他:マイナンバーカード(e-Tax利用時)、過去の申告書(あれば)
書類が一部欠けていても、残っているものから申告できる場合があります。通帳を紛失していても金融機関から取引履歴を取り寄せられ、ネット銀行やクレジットカードはWeb明細をダウンロードできることが多いため、まずは税理士に相談し、揃えられるものをリストアップしてもらうとよいでしょう。
法人の場合:決算前にそろえておく主な書類
- 売上・仕入の請求書と入金記録
- 預金通帳・借入金の返済予定表
- 請求書・領収書(経費)
- 固定資産の取得・売却の資料
- 棚卸表(在庫の数量と金額)
法人税の申告期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。期限を過ぎた事業年度が複数ある場合は、古い期から順に決算を組み直します。
決算月ごとの申告・納付の期限は法人の決算月別 年間スケジュールで確認できます。
加算税・延滞税はいつ、いくら払う?
期限後申告で納める税額は、申告書を提出した日が納期限になります。申告と同時、またはそれ以降に、本税・無申告加算税・延滞税を納付します。
| 納付する税金 | 内容 |
|---|---|
| 本税 | 本来納めるべきだった所得税・法人税・消費税など |
| 無申告加算税 | 原則15%。50万円超の部分は20%、300万円超の部分は30%(2024年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの)。調査の通知前に自主的に申告すれば軽減される |
| 重加算税 | 収入を隠したり仮装したりして申告しなかった場合は40% |
| 延滞税 | 法定納期限の翌日から納付した日までの日数に応じて計算。申告後も納付が遅れると割合が高くなる |
計算例:調査で無申告を指摘された場合の無申告加算税
例えば、期限後に納めることになった本税が80万円の場合、50万円までの部分は50万円×15%=75,000円、50万円を超える部分は30万円×20%=60,000円です。合計は75,000円+60,000円=135,000円になり、これとは別に延滞税がかかります。
調査の通知を受ける前に自主的に申告していれば、無申告加算税はこれより軽くなります。
延滞税は、法定納期限の翌日から完納日まで日数に応じて計算されるため、申告が遅れるほど金額が増えます。法定申告期限から短い期間のうちに自主的に申告し、税額も期限内に全額納付していたなど一定の要件を満たす場合は、無申告加算税がかからないこともあります。早めの申告・納付が、ペナルティの総額を抑えるうえで重要です。
一度に全額を払えない場合は、税務署に「換価の猶予」や「納税の猶予」を申請するという選択肢もあります。どちらも要件や申請の期限があるため、申告作業と並行して税理士と相談しながら進めるとよいでしょう。
青色申告の特典にも影響する
個人の青色申告特別控除は、令和8年分まで65万円・55万円の控除に「期限内の申告」が要件として含まれるため、期限後申告では最大10万円になります。法人は、期限内に申告しない状態が続くと、青色申告の承認を取り消されることがあります。
ツール納める所得税の目安を速算表で計算する課税所得を入れると所得税額の目安がわかり、納税資金の準備に使えます。計算する
何年分をさかのぼるか、加算税がどの程度になるかは、未申告の期間と書類の状況で変わります。初回無料で見通しを確認できます。
無料で相談するe-Taxで申告完了をどう確認する?
税理士がe-Taxで申告すると、e-Taxのメッセージボックスに「受信通知」が届きます。これが申告データを税務署が受け付けた確認になり、受付の日時や内容は税理士経由でも確認できます。受信通知と申告書の控えは、PDFなどでまとめて保管しておきましょう。
申告後に税務署から、無申告加算税の賦課決定通知書や、納付に関するお知らせが届くことがあります。届いた書類は申告書の控えと一緒に保管し、納付期限を確認しておきます。
札幌市内で書面で提出する場合
2026年7月10日から、市内の5つの税務署の内部事務は札幌業務センターに集約されています。申告書を郵送する場合は、〒060-8510 札幌市中央区大通西10丁目 札幌第2合同庁舎の同センターあてに送ります。e-Taxで送信する場合や窓口に持参する場合は、住所地を管轄する税務署が提出先です。
具体例|書類の準備状況による日数差
依頼前にどれだけ書類を集められているかが、所要日数を左右する大きな要素です。同じ期限後申告でも、出発点によって次のように変わります。
書類がそろっている場合
- 収入・経費の資料が年ごとにまとまっている
- 申告書の作成と確認にすぐ進める
- 依頼から申告完了まで1〜2週間程度が目安
書類を探すところから始める場合
- 複数年分の通帳コピーや領収書を集め直す
- 資料の収集だけで数週間かかることがある
- 結果として3週間〜1か月以上に延びやすい
書類を探す段階から始める場合は、まず直近の年分から作業を進め、残りの年分の資料を並行して集めると、全体の期間を短くできます。
見落としやすいポイントは?
- e-Taxの利用者識別番号の準備:e-Taxを初めて利用する場合は、利用者識別番号の取得にも時間がかかることがあるため、依頼前に済ませておくとスムーズです。
- 金融機関への影響:期限後申告の状況によっては、融資審査や口座開設などで金融機関から追加の説明を求められることがあります。申告が完了した書類は写しを保管しておくと安心です。
- 申告後に内容を直す手続き:提出した申告の誤りを後から正す場合、税額が増えるときは「修正申告」、税額が減るときは「更正の請求」という別の手続きになります。期限後申告と混同しないよう区別しておきましょう。
- 消費税の申告漏れ:個人は前々年、法人は前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えていると、消費税の申告も必要です。所得税・法人税とあわせて確認します。
- 納税資金の準備タイミング:申告完了と納税は同時、またはそれ以降になるため、資金が用意できていないと延滞税がさらに増える可能性があります。申告作業と並行して納税資金の確保を進めておくと安心です。
依頼先を選ぶときの視点は?
期限後申告は通常の申告と異なり、複数年分の整理や加算税の試算など特有の実務が発生します。初回相談の際に次の点を確認しておくと、依頼後の流れをイメージしやすくなります。
- 対応できる年数の範囲と、どの年分から着手するか
- 申告完了までのおおよそのスケジュール
- 本税・加算税・延滞税の見込みと、納付の段取り
- 費用が決まる要素(年数・取引量・書類の状態)と契約の形
- 申告後の記帳や翌年以降の申告まで支援してもらえるか
当事務所での進め方
当事務所では、期限後申告の作成だけを単発でお引き受けするスポットのご依頼は受けていません。顧問契約を結んだうえで、未申告分の整理と期限後申告から、翌年以降の記帳・申告まで継続して支援し、同じ状況を繰り返さない体制づくりまでをお手伝いします。
費用の決まり方と契約までの流れは料金・契約の流れでご確認いただけます。
申告完了後に気をつけたいことは?
期限後申告が完了した後も、いくつか気をつけておきたい点があります。特に翌年以降の申告で同じ状況を繰り返さないよう、日々の記帳や書類保管の体制を見直しておくことが大切です。
- 翌年分の記帳を並行して進める:期限後申告の対応に追われている間も直近の取引の記帳が遅れると、同じ状況を繰り返しかねません。並行して最新分の記帳を進めておくと安心です。
- 納付書・控えの保管:申告書や納付書の控えは、翌年以降の申告や金融機関への提出で必要になることがあるため、まとめて保管しておきましょう。
- 予定納税の通知:申告した所得税額によっては、翌年に予定納税(予定納税基準額が15万円以上の場合)の通知が届き、7月と11月に前払いが必要になります。
- 顧問契約への切り替え検討:単発の対応で終わらせず、継続的に記帳や申告のサポートを受けられる体制に切り替えることで、期限後申告の再発を防ぎやすくなります。
個人の申告・納付の時期は個人事業主の年間スケジュールにまとめています。令和8年分の所得税の確定申告期間は、2027年2月16日から3月15日までです。
よくある質問
還付になる場合も、期限後の申告にペナルティはありますか?
納める税金がなく、源泉徴収された税金などの還付を受けるだけの申告は、対象の年の翌年1月1日から5年間提出でき、納める税額がないため無申告加算税や延滞税はかかりません。5年を過ぎると還付を受けられなくなるため、心当たりがあれば早めに申告しましょう。
税務署から連絡が来た後でも、自分で申告できますか?
税務署が税額を決定するまでは、期限後申告を提出できます。ただし、調査の通知を受けた後の申告は、通知の前に自主的に申告した場合のような無申告加算税の軽減は受けにくくなります。連絡が来たら早めに税理士に相談しましょう。
加算税や延滞税は経費(損金)になりますか?
なりません。個人の場合は必要経費に、法人の場合は損金に算入できません。本税とは別の負担として、納税資金の計画に含めておく必要があります。
住民税や事業税はどうなりますか?
所得税の期限後申告をすると、その内容が市区町村に伝わり、住民税が改めて計算されます。個人事業税の対象となる事業を営んでいる場合は、事業税も課税されます。後から納付書が届くため、所得税とあわせて資金を準備しておきます。
まとめ
期限後申告は、書類が揃っていれば依頼から申告完了まで1〜2週間程度、複数年分・書類散在の場合は3週間〜1か月以上かかることもあります。延滞税は日数が増えるほど金額が増え、調査の通知前の自主的な申告なら無申告加算税も軽くなるため、一部の書類が欠けていても、まず相談から始めることが大切です。
札幌の公認会計士・税理士事務所
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- その場でご契約を迫ることはありません
対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り
出典・参考(公的機関)
本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
更新履歴:2026年10月 全面改訂
