決算・法人税申告のみの依頼の流れは、問い合わせ・見積り→資料の提出→決算整理→申告書の確認→電子申告の順で、資料がそろっていれば依頼から申告完了まで3〜6週間程度が一般的な目安です。法人税の申告期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内のため、期限から逆算して準備します。
この記事の結論
資料がそろっていれば、依頼から申告完了まで3〜6週間程度が一般的な目安です。申告期限(事業年度終了の日の翌日から2か月以内)から逆算し、決算日を過ぎたらすぐに資料を準備するのが要点です。
- 流れは「問い合わせ・見積り→資料の準備・提出→決算整理・確認→申告書のドラフト確認→電子申告・提出」
- 通帳・会計データ・前期の申告書などが早くそろうほど、期間は短くなる
- 大きな設備投資や借入れ、口座間の資金移動が多い年は延びやすい
- 2026年4月1日以後に開始する事業年度からは、防衛特別法人税の申告(税額がゼロでも必要)が加わる
- 当事務所は決算・申告のみのスポット依頼は受けておらず、継続的な顧問契約の中で決算・申告まで対応している
決算・法人税申告のみの依頼とは?顧問契約との違い
税理士への依頼の形は、大きく「顧問契約」と「スポット依頼」に分かれます。決算・法人税申告のみの依頼はスポット依頼の代表例で、月次の記帳チェックや税務相談は含まず、決算整理仕訳・申告書の作成・税務署などへの提出に絞ったサービスです。日常の記帳は自社で行うことが前提になります。
| 依頼の形 | 主な内容 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 顧問契約 | 月次の記帳確認・税務相談・決算・申告がセット | 継続的なサポートや、決算前の対策が必要な会社 |
| 決算・申告のみの依頼 | 決算整理・申告書の作成・提出に限る | 自社で記帳が完結し、試算表・総勘定元帳が整っている会社 |
前提として、会計データ(試算表・総勘定元帳)が一定程度整っていることが求められます。記帳の誤りや未処理の取引が多いと、決算整理の段階で修正に時間がかかり、期間も費用も膨らみます。
当事務所は、決算・申告のみのスポット依頼をお受けしていません
決算の正確さは、期中の記帳と処理方針の積み重ねで決まります。そのため当事務所では、継続的な顧問契約の中で、月次の確認から決算・申告までを一貫して担当しています。決算だけを任せたいとお考えの場合も、顧問契約での進め方をご案内できます(最後の節で説明します)。
依頼から申告完了までの流れと所要日数
以下は、決算・申告のみを依頼した場合の一般的なステップです。事務所や案件の複雑さによって前後します。
| ステップ | 内容 | 目安日数 |
|---|---|---|
| ①問い合わせ・見積り | 電話やメールで概要を伝え、報酬の目安と対応範囲を確認 | 1〜3日 |
| ②資料の準備・提出 | 会計データ・通帳・請求書などを送付 | 依頼者次第 |
| ③決算整理・確認 | 税理士が資料を確認し、追加のヒアリングを行う | 3〜7日 |
| ④申告書のドラフト確認 | 法人税・消費税・地方税の申告書を依頼者が確認・承認 | 2〜5日 |
| ⑤電子申告・提出 | 税理士がe-Taxなどで電子申告を行い、完了を通知 | 1〜2日 |
資料がそろっていれば、全体で3〜6週間程度が一般的な所要期間です。通帳との突合せや棚卸の修正が必要な場合は、さらに時間がかかります。日数のうち最も幅が出るのは②の資料の準備で、ここが遅れると後ろの工程がすべて期限に押されます。
| 申告の種類 | 期限 | 補足 |
|---|---|---|
| 法人税・地方法人税 | 事業年度終了の日の翌日から2か月以内 | 申告期限の延長の特例は原則1か月 |
| 法人住民税・法人事業税 | 法人税と同じ | 赤字でも均等割の申告・納付が必要 |
| 消費税(課税事業者) | 事業年度終了の日の翌日から2か月以内 | 法人税の延長の特例を受ける法人は、届出により1か月延長できる |
| 防衛特別法人税 | 法人税と同じ | 2026年4月1日以後に開始する事業年度から。税額がゼロでも申告が必要 |
具体例:3月決算法人の逆算スケジュール
例えば3月31日が決算日の法人なら、申告と納付の期限は原則として5月31日です(土日祝日の場合は翌平日)。資料の提出から申告完了まで3〜6週間かかるとすると、4月の中旬までに資料一式を渡しておけば、申告書の確認や納税資金の準備に余裕を持てます。
申告期限を延長しても、納税の期限は延びない
申告期限の延長の特例を受けても、税金は原則として本来の期限までに納める必要があり、延長した期間には利子税がかかります。「申告が遅れても大丈夫」と考えず、納税額の見込みは早めに確認しておきましょう。
依頼前にそろえておく資料
スムーズに進めるには、事前の資料準備が欠かせません。一般的に必要となる書類の例は次のとおりです。
- 会計ソフトのデータ(freee・弥生・マネーフォワードなど)または試算表・総勘定元帳
- 事業用の預金通帳のコピーまたはWeb明細(期中の全期間分)
- 売上・仕入の請求書と入金・支払いの記録(特に大口や通常と異なる取引)
- 経費の請求書・領収書と、電子で受け取った請求書・領収書のデータ
- 期末の棚卸表(在庫の数量と金額。棚卸資産がある業種)
- 固定資産台帳と、期中に取得・売却した資産の資料
- 借入金の返済予定表・ローン残高の明細
- 前期の申告書・決算書(初めて依頼する場合)
2024年1月1日以後にメールやWebで受け取った請求書・領収書は、紙に印刷するだけでは足りず、電子データのまま保存する必要があります。また、法人の帳簿や決算関係の書類は7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)保存します。依頼の前に、経理・決算のセルフチェックで記帳の漏れがないかを確かめておくと、やり取りの往復を減らせます。
費用は何で決まる?見積りで確認したい範囲
報酬は、事務所の方針、法人の規模、会計データの精度によって異なります。金額だけで比べるのではなく、何が費用を左右するのかを知っておくと、見積りの中身を判断しやすくなります。
| 費用が決まる要素 | 内容 |
|---|---|
| 取引の量と売上規模 | 仕訳の数、取引先や預金口座の数 |
| 会計データの精度 | 記帳の誤りや未処理の多さ、残高が合っているか |
| 申告の種類 | 法人税・地方税に加え、消費税や防衛特別法人税の申告があるか |
| 特殊な取引 | 設備投資、借入れ、資産の売却、役員との貸し借りなど |
| 期限までの時間 | 期限が迫っている場合の作業の集中 |
依頼前に、対応範囲(消費税申告の有無、地方税の申告書が含まれるか、毎年1月31日が期限の償却資産の申告や法定調書が別料金か、など)を確認しておくと、費用とサービスの過不足を防げます。費用の考え方は決算・法人税申告のみの依頼の費用が決まる要素で詳しく整理しています。
スケジュールが延びやすいケース・早く終わるケース
例えば、期中に大きな設備投資や借入れがあった、あるいは複数の口座間で資金移動が多かったといった年は、通帳との突合せに通常より時間がかかり、想定していた期間を超えることがあります。逆に、月次で試算表を作る習慣があり、期末の残高もあらかじめ確認できている場合は、目安の期間より早く完了することもあります。
延びやすいケース
- 大きな設備投資や借入れがあった
- 複数の口座間で資金移動が多い
- 現金取引が多く、帳簿と手元の残高が合わない
- 期末の棚卸をしていない
- 役員との貸し借りや立替えが多い
早く終わりやすいケース
- 月次で試算表を作っている
- 期末の預金・借入金・売掛金の残高を確認済み
- 銀行口座やカードを会計ソフトと連携している
- 前期の申告書・決算書がそろっている
- 資料をデータでやり取りできる
依頼の前に、当期に特殊な取引がなかったかを振り返っておくと、スケジュールの見通しが立てやすくなります。
見落としやすいポイント
| ポイント | 起きやすいこと | 対策 |
|---|---|---|
| 決算月の集中による遅延 | 3月末・9月末など決算月が集中しやすい時期は依頼が重なり、着手までの日数が延びる | 決算月の前から相談しておく |
| 確認・説明を受ける時間 | 申告書の完成後、内容の説明と確認が後回しになり、提出が期限直前にずれ込む | 確認の日程を先に押さえておく |
| 郵送かオンラインか | 郵送で資料をやり取りすると、往復の日数がかかる | データでのオンライン提出にする |
| 納税資金の準備 | 申告書の完成と納税期限は同じタイミングとは限らない | 依頼と並行して、納税額の見込みと資金を確保する |
ツール法人税等の納税額の目安を計算する所得の見込みから、法人税・住民税・事業税を合わせた負担の目安を確認できます。計算する
札幌の場合:書面の提出先は業務センター
2026年7月10日から、札幌市とその周辺を管轄する5つの税務署(札幌中・北・南・西・東の各署)の内部事務は、札幌業務センターに集約されています。書面の申告書や届出書は、〒060-8510 中央区大通西10丁目 札幌第2合同庁舎にある同センターへ郵送します。e-Taxで送る場合や窓口に持参する場合は、所轄の税務署が相手先です。なお、資本金1億円超の法人などは電子申告が義務です。
依頼時に伝えておくと良いこと
依頼時には、資料一式を渡すだけでなく、当期に発生した特殊な取引を一言添えて伝えておくと、税理士側も論点を把握しやすくなり、やり取りの往復を減らせます。特に初めて依頼する事務所の場合は、前期までの処理方針とあわせて共有しておくと、確認作業がスムーズに進みます。
- 当期の特殊な取引(設備投資、借入れや返済条件の変更、資産の売却、新しい事業の開始など)
- 役員報酬の金額と、期中に変更したかどうか
- 役員との貸し借りや立替えの有無
- 前期までの処理方針(減価償却の方法、在庫の評価方法、消費税の計算方法)
- 消費税の課税事業者かどうか、インボイスの登録や簡易課税の届出の有無
- 決算書を金融機関に提出する予定とその時期
当事務所では顧問契約の中で決算・申告まで対応しています
当事務所では、決算・法人税申告だけのスポット依頼はお受けしていません。決算の内容は期中の記帳や処理の積み重ねで決まり、決算の直前だけ関わる形では、誤りの修正や決算前の対策に使える時間が限られるためです。
その代わり、継続的な顧問契約の中で、月次の試算表の確認から決算・申告、翌期の計画までを一貫して担当しています。記帳を自社で続けたい会社にも、記帳から任せたい会社にも、体制に合わせた進め方をご案内します。顧問契約の内容は会計・税務顧問のご案内、記帳から任せる場合は記帳代行プランの流れをご覧ください。
決算だけ関わる場合
- 誤りの修正が期末にまとめて発生する
- 利益の見込みが分かるのが決算後になる
- 決算前の設備投資や役員報酬の検討に間に合わない
顧問契約で期中から関わる場合
- 月次で記帳の誤りを直し、決算の作業が軽くなる
- 決算前に利益と納税額の見込みを確認できる
- 決算書を融資や翌期の計画に生かしやすい
決算月が近づいている場合も、記帳の状況を伺ったうえで顧問契約での進め方をご案内します。初回のご相談は無料です。
無料で相談するよくある質問
決算日を過ぎてから税理士を探しても、申告期限に間に合いますか?
期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内で、資料がそろっていれば3〜6週間程度が目安のため、早く動けば間に合う可能性は十分あります。ただし決算月が集中する時期は着手までに日数がかかるため、決算日の前から相談しておくと安心です。
申告期限に間に合わないと、どうなりますか?
期限後申告となり、原則15%(50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%)の無申告加算税と延滞税がかかることがあります。また、期限内の申告をしない年が連続すると、青色申告の承認が取り消されるおそれがあります。
赤字の年でも申告は必要ですか?
必要です。赤字でも法人住民税の均等割はかかり、札幌市内の資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人なら年7万円です。青色申告の法人は、赤字(欠損金)を翌期以後10年間繰り越して将来の黒字と相殺できますが、毎期の申告を続けることが前提です。
記帳が終わっていなくても依頼できますか?
決算・申告のみの依頼は、記帳が整っていることが前提です。記帳が終わっていない場合は、記帳から任せる形で進めることになり、そのぶん期間と費用がかかります。期限まで余裕がない場合は、早めに状況を伝えて相談しましょう。
電子申告をした後、どの書類を保管しておけばよいですか?
申告書と決算書の控え、電子申告の受信通知(受付の記録)を保管しておきます。金融機関に決算書を提出するときに、申告の受付が分かる書類の写しを求められることがあるため、まとめて保存しておくと便利です。
まとめ
決算・法人税申告のみの依頼は、資料がそろっていれば3〜6週間程度で完了するのが一般的で、申告期限(事業年度終了の日の翌日から2か月以内)から逆算した資料準備がカギです。特殊な取引がある年や決算月が集中する時期は延びやすいため、早めの相談が安心です。当事務所は顧問契約の中で決算・申告まで対応していますので、期中からの体制づくりを含めてご相談ください。
札幌の公認会計士・税理士事務所
決算・法人税申告を含む顧問契約のご相談は、ジェイスタート会計事務所へ
- 初回相談は無料(オンライン対応可)
- フォーム・LINEは24時間受付、翌営業日までにご返信
- その場でご契約を迫ることはありません
対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り
出典・参考(公的機関)
本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
更新履歴:2026年10月 全面改訂(令和8年度税制改正を反映)
