税務調査の立会い|依頼から完了までの流れと所要日数、準備する資料

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税務調査の立会いは、通知が届いた後に税理士へ依頼しても間に合います。依頼から完了までの流れは、初回連絡1〜2日、資料の確認3〜7日、打合せ1〜3日、調査当日1〜2日、調査後の対応1〜4週間が目安で、全体では1か月〜数か月程度です。通知を受けた当日に連絡するほど、準備に時間を充てられます。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

通知のあとでも立会いの依頼は十分に間に合います。通知を受けたらすぐ税理士に連絡し、資料の確認と回答の準備に時間を使うのが基本です。

  • 通知から調査日までは1〜2週間程度の猶予があることが多く、合理的な理由があれば日程の変更を相談できる
  • 全体の所要期間は1か月〜数か月程度。指摘がなければ短く、修正があれば延びる
  • 準備する資料は、決算書・申告書、総勘定元帳、通帳、請求書・契約書、給与関係、交際費の領収書が中心
  • 指摘を受けたら修正申告か更正かを選ぶ。修正申告をすると、その内容について不服申立てはできない
  • さかのぼる期間は原則5年(不正があれば7年)、過少申告加算税は原則10%
目次

税務調査の通知から調査日までの期間は?

任意調査(一般的な税務調査)では、原則として事前に通知が行われます。通知から実際の調査日までは1〜2週間程度の猶予があることが多いものの、調査官の都合や繁忙期、会社の状況によって変わります。

  • 通知方法:税務署から電話で調査日程の連絡が来るのが一般的です
  • 通知の内容:調査を始める日時と場所、調査の目的、対象となる税目と期間、確認する帳簿書類などが伝えられます
  • 日程の調整:税理士が立ち会える日への変更を依頼することもでき、合理的な理由があれば応じてもらえる場合があります
  • 連絡先:通知を受けたら、すぐに顧問税理士か、立会いを依頼する税理士に連絡します

顧問税理士が提出した税務代理権限証書に、調査の通知を税理士に対して行うことへの納税者の同意が記載されている場合は、通知が税理士に届くこともあります。申告書に税理士の書面(書面添付)を付けている場合は、事前通知の前に税理士が意見を述べる機会(意見聴取)があり、その結果によっては調査に移らずに終わることもあります。

通知で示される対象期間は、税務署が税額を見直せる期間の範囲内です。この期間は原則として法定申告期限から5年で、偽りその他不正の行為がある場合は7年、法人の欠損金額に係る更正は10年です。

立会い依頼から調査完了までの流れと所要日数

税理士に立会いを依頼してから調査が完了するまでの、標準的なステップと所要日数の目安は次のとおりです。

依頼から完了までの流れ(所要日数の目安)
1
①初回連絡・依頼確認⏱ 1〜2日
通知内容・調査対象期間・調査対象税目を伝え、立会い可否を確認
2
②資料の事前確認⏱ 3〜7日
帳簿・通帳・請求書・申告書のチェック。税理士が資料を預かり確認
3
③ヒアリング・打合せ⏱ 1〜3日
調査官から想定される質問への回答準備。経営者への事前レクチャー
4
④調査当日⏱ 1〜2日
調査官の質問対応・資料提示への同席(半日〜2日程度が一般的)
5
⑤調査後対応⏱ 1〜4週間
指摘事項の確認・修正申告の要否判断・追加資料の提出

各段階で会社がすることと、税理士が担うことを分けると次のようになります。

ステップ(目安日数)会社がすること税理士がすること
①初回連絡・依頼確認(1〜2日)通知の内容、調査の対象期間・税目を伝える立会いの可否を確認し、税務代理権限証書を準備する
②資料の事前確認(3〜7日)帳簿・通帳・請求書・申告書をそろえて預ける資料をチェックし、指摘されそうな論点を洗い出す
③ヒアリング・打合せ(1〜3日)取引の経緯や社内のルールを説明する想定される質問への回答を準備し、経営者に事前に説明する
④調査当日(1〜2日)事業の概要の説明、資料の提示調査官の質問対応・資料提示に同席する(半日〜2日程度が一般的)
⑤調査後対応(1〜4週間)追加資料をそろえる指摘事項の確認、修正申告の要否の判断、追加資料の提出
立会いの各段階での役割分担(日数は一般的な目安)

全体の所要期間は、通知から最終完了まで1か月〜数か月程度になるケースが多くみられます。修正申告が発生しなければ短期間で終わりますが、指摘事項が多い場合は、事実関係の確認や話し合いの期間が延びることもあります。

調査前に準備しておく資料は?

調査当日に求められることが多い資料を、あらかじめ整理しておくとスムーズです。顧問税理士がいる場合は、事前に一緒に確認しておきましょう。

  • 決算書・申告書(調査対象年度分)
  • 総勘定元帳・補助元帳
  • 事業用銀行口座の通帳・明細(全期間分)
  • 売上・仕入に関する請求書・契約書
  • 役員報酬・給与の支払い明細・源泉徴収簿
  • 交際費・会議費の領収書(特に金額の大きいもの)

メールやネットで受け取った請求書・領収書(電子取引データ)は、2024年1月1日以後は電子のまま保存する義務があります。紙に印刷した束だけでなく、日付・金額・取引先で検索できる状態のデータも見られるようにしておきます。

資料は「すべてを完璧にそろえる」より、「どこに何があるかを説明できる」ことが大切です。足りない資料があっても、隠さずに税理士へ伝え、当日の説明の仕方を相談しておきます。

調査後の修正申告と不服申立ての流れ

調査官から修正の指摘があった場合は、修正申告を行うか、更正処分を受けるかを選ぶことになります。税理士は指摘内容の妥当性を見極め、事実と異なる指摘や根拠の弱い追徴への対応を支援します。

  1. 調査結果の説明問題がなければ、更正決定等をすべきと認められない旨の通知書が届いて終了します。指摘があれば、調査官から内容・金額・理由の説明を受けます。
  2. 修正申告の勧奨指摘に納得できる場合は、修正申告を勧められます。その際、修正申告をすると不服申立てはできないものの、更正の請求はできる旨の説明があります。
  3. 修正申告か更正か修正申告に応じない場合は、税務署長が更正処分を行います。納得できない指摘を受け入れる必要はありません。
  4. 不服申立て更正処分に不服があるときは、税務署長への再調査の請求か、国税不服審判所への審査請求を選べます。期限があるため、処分の通知を受けたらすぐに税理士と方針を決めます。

追加で納める税金には、本税のほかに加算税と延滞税がかかります。加算税の割合は、次のとおりです。

種類かかる場面割合
過少申告加算税期限内の申告額が少なかった原則10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)
無申告加算税期限までに申告しなかった原則15%(50万円超の部分は20%、2024年1月1日以後に法定申告期限が到来するものは300万円超の部分30%)
重加算税隠ぺい・仮装があった過少申告・不納付の場合35%、無申告の場合40%
延滞税納付が遅れた納付までの日数に応じてかかる(割合は年ごとに定められる)
加算税・延滞税の概要(2026年10月時点の法令)。通知の前に自ら修正申告した場合などは軽減される扱いがある

計算例:過少申告加算税

例えば、期限内に申告した税額が40万円で、調査により増えた税額(増差税額)が120万円の場合です。基準額は40万円と50万円の多い方の50万円になります。

  • 50万円以下の部分:50万円×10%=5万円
  • 50万円を超える部分:120万円−50万円=70万円、70万円×15%=105,000円
  • 過少申告加算税の合計:5万円+105,000円=155,000円

このほかに延滞税がかかります。加算税と延滞税は、法人税の損金にも所得税の必要経費にもなりません。

無料
ツール
延滞税・加算税の概算を計算する追加で納める税額と納付日から、延滞税と加算税の目安を試算できます。計算する

札幌市内の税務署の調査で書類を提出する場合

修正申告書などを書面で提出する場合、札幌市内の5つの税務署の分は、2026年7月10日から札幌業務センター(〒060-8510 札幌市中央区大通西10丁目 札幌第2合同庁舎)へ郵送する扱いになっています。e-Taxでの提出や、所轄の税務署の窓口への持参もできます。

修正申告に応じるか、更正を受けて争うかは、指摘の根拠と金額で判断が分かれます。通知が届いた段階から相談できます。

無料で相談する

具体例|通知を受けてから連絡するまでの対応イメージ

具体例:通知の当日に連絡した場合と、日数が経ってから連絡した場合

例えば、税務署から調査の通知を受けた当日中に顧問税理士へ連絡し、調査の対象となる期間や取引の概要を伝えておくと、税理士側も資料の確認と事前の打合せに十分な時間を充てられます。

逆に、通知から日数が経ってから連絡すると、資料の確認や打合せにかけられる時間が短くなり、日程の変更を相談する余地も小さくなります。連絡が早いほど、準備の選択肢が広がると考えておきましょう。

最初の連絡では、電話の相手(税務署名と担当者名)、調査の予定日、対象の税目と年度、確認したいと言われた資料をメモして伝えます。これだけで、税理士は立会いの可否と準備の段取りを判断できます。

見落としやすいポイント

ポイント内容と事前にすること
当日の同席範囲経営者本人の同席が求められる場面と、税理士だけで対応できる場面があります。どこまで同席が必要かを事前に確認しておくと、当日の予定を組みやすくなります
質問への回答の仕方即答が難しい内容は、確認してから後日回答する対応もできます。あいまいな記憶のまま答えると、後の訂正が難しくなることがあります
従業員への対応方針の共有経理担当者など従業員が対応する場面がある場合は、誰が何を答えるかを事前に打ち合わせておくと、受け答えがぶれにくくなります
書類の預かり(留置き)調査官が帳簿などを預かる場合は、預り証が交付されます。何を預けたかを控えておきます
やり取りの記録・保管指摘の内容や税理士とのやり取りを記録しておくと、後の修正申告や不服申立ての判断材料になります
調査当日と前後で見落としやすい点

日頃からの備え

税務調査は、通知が来てから慌てて準備するよりも、日頃から帳簿や領収書を整理しておくほうが、いざというときの対応がスムーズになります。特に、現金取引が多い、記帳が遅れがちといった事業者は、日頃の記帳習慣を見直しておくことが調査への備えになります。

  • 帳簿書類を保存期間のあいだ残す(法人は7年、欠損金が生じた事業年度は10年。個人の青色申告者は帳簿などが7年)
  • 現金売上は、レジの記録や日々の売上の集計表と、入金の記録を突き合わせられるようにする
  • 役員報酬や家族への給与は、株主総会の議事録や雇用契約書など、金額の根拠を残す
  • 1人10,000円以下の飲食費(2024年4月1日以後の支出)を交際費から除く場合は、参加者や人数などの記録を残す
  • 外注費は、契約書や請求書で、給与ではなく外注であることを説明できるようにする

決算の前に、自社の経理の状態を点検しておくと、調査で指摘されやすい点を事前に直せます。経理・決算セルフチェックも活用してください。

立会いを依頼する税理士を選ぶときの視点

税務調査の立会いは、日常の記帳や申告を担当していない税理士でも対応できます。ただし、税務調査の経験が豊富な税理士に依頼すると、想定される指摘事項や対応の流れをふまえた準備がしやすくなります。顧問税理士がいない場合や、現在の税理士が調査対応に不慣れな場合は、調査対応の経験がある事務所に相談することも選択肢の一つです。

  • 税務調査の対応経験:どのような業種・規模の調査に対応してきたかを聞いておくと、自社に近いケースの経験があるか判断しやすくなります
  • 緊急時の連絡のしやすさ:通知後は日程が限られるため、急な相談にも対応してもらえるかを確認しておくと安心です
  • 調査後まで任せられるか:修正申告の作成や、指摘を受けた経理の見直しまで続けて相談できるかを確認します

当事務所でも、調査の通知が届いた後のご相談に対応しています。なお、決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしていないため、調査後の修正申告や経理の見直しは、継続的な会計・税務顧問の中で支援しています。

よくある質問

税務調査は断ることができますか?

任意調査でも、調査官には質問や帳簿の検査をする権限があり、正当な理由なく検査を拒んだり妨げたりすると罰則の対象になります。都合のつかない日程は、理由を伝えて変更を相談しましょう。

顧問税理士がいなくても、立会いを頼めますか?

頼めます。立会いを引き受けた税理士が税務代理権限証書を提出し、代理人として調査に対応します。過去の申告の経緯を説明できるよう、申告書の控えや帳簿をそろえて相談してください。

事前の通知なしに調査が来ることはありますか?

現金取引が多い業種などで、事前に通知すると正確な事実の把握が難しくなるおそれがある場合は、通知なしで調査が行われることがあります。その場合も、税理士に連絡して立会いを求めることができます。

立会いの費用はどう決まりますか?

事前の準備、当日の立会い、調査後の対応の積み上げで決まり、対象の年数や税目、帳簿の整い方、顧問契約の有無で変わります。詳しくは税務調査の立会い費用の決まり方で解説しています。

まとめ

税務調査の通知後でも、税理士への立会いの依頼は間に合います。依頼から完了までは、修正がなければ1か月程度、修正がある場合は数か月に及ぶこともあるため、通知が来たらすぐに連絡し、帳簿・通帳・請求書を整理しておきましょう。修正申告の要否は税理士の助言をもとに慎重に判断し、更正処分に不服がある場合は再調査の請求や審査請求の制度もあります。

札幌の公認会計士・税理士事務所

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対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り

出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂

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