無申告の解消は、税理士への初回相談→書類の収集→記帳→申告書の作成→提出・納付という流れで進み、所要期間は2週間〜3か月以上が目安です。期間を左右するのは未申告の年数と書類のそろい具合で、税務署から連絡が来る前に動くほど加算税の負担も軽くなります。
この記事の結論
無申告の解消は5つのステップで進み、未申告の年数と書類の状況によって2週間〜3か月以上かかります。税務署から連絡が来る前に自主的に申告すれば、加算税の負担を抑えられます。
- 流れは「初回相談→書類収集→記帳→申告書作成→提出・納付」の5ステップ
- 最も時間がかかるのは書類の収集で、通帳や領収書が散逸していると数週間かかることもある
- さかのぼる年数は、税務署が決定できる期間(原則5年、不正があれば7年)が目安
- 期限後申告の税金は提出した日が納期限で、無申告加算税と延滞税も別にかかる
- 再発防止には、記帳の仕組みづくりと継続的な顧問契約が有効
無申告の解消はどんな流れで進む?全体の5ステップ
確定申告をしていなかった年分を税理士に依頼してさかのぼって申告する場合、大きく5つのステップに分かれます。各ステップでやることと、依頼する方が用意するものは次のとおりです。
- 税理士への初回相談未申告の年数・収入の種類・書類の状況を確認し、さかのぼる年分と進め方を決めます。税務署から文書が届いている場合は、その内容と期限もここで確認します。
- 書類の収集・提供通帳・領収書・源泉徴収票・支払調書などを年分ごとに集めます。手元にない書類は、金融機関への再発行や取引先への照会も検討します。
- 記帳・帳簿の作成集めた資料から、年分ごとに売上と経費を会計データに整理します。税理士が入力するか、依頼する方が入力したものを税理士が確認するかは、相談して決めます。
- 申告書の作成・確認各年分の所得税(必要な年は消費税も)の申告書を作成し、税額と内容を依頼する方と一緒に確認します。
- 税務署への提出・納付e-Tax(電子申告)か郵送で提出し、税額を納付します。期限後申告の税金は、申告書を提出した日が納期限です。
このうち書類の収集が最も時間のかかる作業です。通帳が複数年分ある、領収書が整理されていないといった場合は、書類をそろえるだけで数週間かかることもあります。
札幌市内の税務署へ書面で提出する場合
提出先は、原則として住所地を所轄する税務署です。2026年7月10日からは札幌市内5署の内部事務が札幌業務センターに集約され、書面で提出する申告書は同センター(〒060-8510 札幌市中央区大通西10丁目 札幌第2合同庁舎)へ郵送します。e-Taxでの提出や窓口への持参は、所轄の税務署が窓口です。
当事務所での進め方
当事務所では、無申告の解消を、申告後の記帳や申告を継続して支援する会計・税務顧問の契約とあわせてお受けしています。過去の申告書の作成だけのスポットでのご依頼はお受けしていません。同じことを繰り返さない仕組みまで一緒につくることを重視しています。
何年分をさかのぼって申告する?
さかのぼる年数は、税務署が決定(税額を確定させる処分)をできる期間が目安になります。原則として法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年です。年分ごとの状況によって、申告の考え方は次のように分かれます。
| 年分の状況 | 申告の考え方 |
|---|---|
| 納める税金がある年分 | 期限後申告をする。税務署が決定できる期間(原則5年、不正があれば7年)が目安 |
| 源泉徴収された税金が多く、税金が戻る年分 | 還付申告として、その年の翌年1月1日から5年間提出できる。還付になる年分に無申告加算税はかからない |
| 基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超えていた年分 | 所得税に加えて消費税の申告も必要 |
| 青色申告の承認を受けていた年分 | 期限後申告では、青色申告特別控除は10万円になる(65万円・55万円の控除は期限内の申告が要件) |
報酬から10.21%の源泉徴収を受けていたフリーランスの方などは、経費を差し引いて計算すると税金が戻る年分もあります。納める年分と戻る年分を並べて、全体の負担を確かめてから進めると安心です。
消費税の申告が必要な年分は、所得税よりも計算の手間がかかります。簡易課税は事前の届出が必要なため、さかのぼって選ぶことはできず、帳簿と請求書などをもとに本則の方法で計算します。
無料ツール消費税の課税事業者かどうかを判定する基準期間や特定期間の売上から、消費税の申告が必要な年かを確認できます。計算する
さかのぼる年数や、消費税の申告が必要な年の判定は、収入の状況で変わります。初回無料で確認できます。
無料で相談する所要日数の目安は?
無申告の解消にかかる期間は、未申告の年数・書類の整理状況・収入の種類によって大きく異なります。以下は一般的な目安です。
| ケース | 所要日数の目安 |
|---|---|
| 1〜2年分・書類が揃っている・シンプルな収入 | 2〜4週間程度 |
| 3〜5年分・書類はある程度揃っている | 1〜3か月程度 |
| 5年分以上・書類が散逸・事業収入が複雑 | 3か月以上になる場合もある |
上記はあくまで目安で、確定申告の時期など税理士事務所の繁忙期は通常より時間がかかることがあります。令和8年分の確定申告期間は2027年2月16日〜3月15日です。この時期と重なりそうなら、早めに相談を始めておきましょう。
期間が長くなりやすいケース
- 通帳や領収書が手元になく、再発行や取引先への照会が必要
- 現金での売上や経費が多く、記録を一から復元する必要がある
- 事業・不動産・副業など、収入の種類が多い
- 消費税の申告も必要な年分がある
- 年の途中で開業・廃業・転居をしている
税務署から連絡が来ている場合は急ぐ
税務調査の予告が来ている場合は期限が迫るため、早急に相談することが重要です。調査の事前通知を受けた後の申告は、通知前の自主的な申告に比べて加算税が重くなります。「お尋ね」などの文書を放置すると、税務署が税額を決定することもあるため、届いた時点で中身を確認してください。
初回相談で準備するものは?
初回相談を効率よく進めるために、事前に次の点を把握しておくと役立ちます。
- 未申告の年数と収入の種類(給与・事業収入・不動産収入・副業など)を確認する
- 税務署からの文書(「お知らせ」「お尋ね」「調査通知」など)がある場合は持参する
- 手元にある書類の種類と年度(通帳・領収書・源泉徴収票など)をリストアップしておく
- 毎年の収入・支出の大まかな額(概算で構わない)をメモしておく
詳しい書類は相談後に順次集めれば問題ありません。まずは現状を正確に把握することが最初のステップです。
申告書の作成に使う主な書類
- 預金通帳(事業用・個人用とも、未申告の年分すべて)と借入金の返済予定表
- 売上の請求書と入金の記録(取引先から届いた支払調書があれば一緒に)
- 経費の領収書・請求書・クレジットカードの利用明細
- 給与や公的年金の源泉徴収票
- 車・パソコン・設備など固定資産の取得や売却の資料
- 在庫がある事業は、各年末の棚卸表(在庫の数量と金額)
- 国民健康保険料・国民年金保険料・生命保険料などの支払いがわかる書類
申告後の手続きと注意点は?納付・加算税・照会への対応
期限後申告の所得税・消費税は、申告書を提出した日が納期限です。無申告加算税は、後日税務署から届く賦課決定通知書で金額が確定し、通知書に記載された期限までに納めます。延滞税は、本来の納期限の翌日から納付する日までの日数に応じてかかります。
| 種類 | かかる場合 | 割合・計算 |
|---|---|---|
| 無申告加算税 | 期限内に申告しなかった場合 | 原則15%(50万円超の部分は20%。2024年1月1日以後に法定申告期限が到来するものは300万円超の部分30%)。調査の事前通知の前に自主的に申告すれば軽減される |
| 重加算税 | 売上を隠すなど、隠蔽・仮装があった場合 | 無申告の場合は40% |
| 延滞税 | 本来の納期限までに納めなかった場合 | 本来の納期限の翌日から納付日までの日数に応じて計算 |
計算例:調査の事前通知の後に申告した場合の無申告加算税
例えば、事前通知を受けた後に期限後申告をして、納める所得税が80万円になった場合です。50万円までの部分は15%、超える30万円の部分は20%で計算します。
50万円×15%=75,000円、30万円×20%=60,000円で、無申告加算税は75,000円+60,000円=135,000円です。このほかに延滞税がかかります。事前通知の前に自主的に申告していれば、加算税は大きく軽減されます。
納付が一括で難しい場合
納付が一括で難しい場合は、税務署に相談することで「換価の猶予」や「納税の猶予」といった制度を活用できる場合があります(一定の要件があります)。猶予の相談は、納付できないまま放置する前に行うことが大切です。
住民税や国民健康保険料も計算し直される
所得税の申告内容は市区町村に連携され、住民税や国民健康保険料が計算し直されることがあります。事業所得のある方は個人事業税がかかる場合もあります。所得税とは別に納付書が届くため、その分の資金も見込んでおきましょう。
申告後の照会と再発防止
申告後に税務署から「内容について確認したい」という照会が来ることもあります。申告の根拠にした通帳・領収書・集計表は保存しておき、説明できるようにしておきます。こうした対応も含め、申告後も税理士のサポートを継続することをおすすめします。
申告が完了したら、今後は毎年期限内に申告・納付できる体制を整えることが大切です。会計ソフトの導入や記帳代行プランの利用、顧問契約の締結は、再発防止の有効な手段です。青色申告の承認申請(その年の3月15日まで)をして期限内に申告すれば、令和8年分は最大65万円、令和9年分からは要件を満たすと75万円の控除も使えます。
無料ツール青色申告と白色申告の節税効果を比べる所得の金額から、青色申告にした場合にどれだけ税金が変わるかを試算できます。計算する
よくある質問
領収書をなくしてしまった経費は、計上できませんか?
支払った事実と金額を、通帳の出金記録・クレジットカードの明細・取引先の請求書の控えなどで説明できれば、計上を検討できます。記録のない支出を推測で経費にすると、事業との関係や金額を説明できず、税務調査で否認されるおそれがあります。どの記録で裏付けるかを、書類の収集の段階で税理士と確認しましょう。
法人が無申告になっている場合も、同じ流れですか?
流れは同じですが、法人は決算書を作成し、法人税・消費税に加えて道と市の法人住民税・事業税も申告します。期限内に申告しない事業年度が続くと青色申告の承認が取り消されることがあり、赤字を繰り越す欠損金の扱いにも影響します。札幌市内の資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人には、赤字でも道2万円・市5万円の合計7万円の均等割がかかります。
税理士に頼まず、自分で期限後申告することはできますか?
できます。所得税は、e-Taxや書面で期限後申告書を提出できます。ただし、未申告の年数が多い、消費税の申告も必要、事業の帳簿がまったくないといった場合は、計算の誤りや経費の計上漏れが起きやすいため、専門家に確認したほうが安全です。
さかのぼって申告すると、税務調査が来やすくなりますか?
申告したこと自体が調査の理由になるわけではありませんが、内容に疑問があれば照会や調査が行われることがあります。申告の根拠にした資料と計算の過程を保存しておけば、照会にもそのまま説明できます。
まとめ
無申告の解消は「初回相談→書類収集→記帳→申告書作成→提出・納付」の5ステップで進み、所要期間は書類の状況と年数によって2週間〜3か月以上と大きく変わります。初回相談の前に未申告の年数・書類の種類・収入の概要をまとめ、税務署から連絡が来る前に動き出すことが負担を抑える近道です。申告後は加算税・延滞税の納付に加え、毎年期限内に申告できる仕組みを整えましょう。
札幌の公認会計士・税理士事務所
無申告の解消のご相談は、ジェイスタート会計事務所へ
- 初回相談は無料(オンライン対応可)
- フォーム・LINEは24時間受付、翌営業日までにご返信
- その場でご契約を迫ることはありません
対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り
出典・参考(公的機関)
本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
更新履歴:2026年10月 全面改訂
