- カテゴリ:有利判定・比較
- 根拠:耐令3
- 入力2項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
中古で機械や車を買ったときは、新品のときの法定耐用年数をそのまま使うのではなく、使ってきた年数を差し引いた短い年数で減価償却できる場合があります。これが簡便法による耐用年数の計算です。耐用年数が短くなるほど、1年あたりの減価償却費は大きくなります。この計算機は、法定耐用年数と経過年数から、簡便法による耐用年数をそのまま計算するものです。
この計算式を3行でいうと
- 簡便法の耐用年数は、法定耐用年数をすべて経過していれば「法定耐用年数×20%」で計算します。
- 法定耐用年数の一部しか経過していない場合は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」で計算し、1年未満は切り捨てます。
- 計算した年数が2年に満たない場合は2年になります。これが4年落ちの中古車の耐用年数が2年になる理由です。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
中古資産の耐用年数(簡便法)
耐令3★結果コピーリンク中古で取得した資産の耐用年数を簡便法で計算します。中古車節税の根拠となる計算です。
| 簡便法の耐用年数 | 2年 |
| 定額法償却率 | 0.500 |
| 定率法償却率(参考) | 1.000 |
| 例: 4年落ち普通車(法定6年) | 2年→定率なら初年度ほぼ全額 |
こんなときに使います
- 中古の車や機械、店舗の内装などを購入し、その減価償却費を計算したいとき
- いわゆる「中古車節税」のしくみが、実際にはどんな計算になっているのか確認したいとき
- 中古資産を購入する前に、耐用年数が何年になるかをあらかじめ試算しておきたいとき
- 顧問税理士に相談する前に、自分でおおまかな耐用年数を計算し、把握しておきたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 法定耐用年数 | その資産が新品だった場合に定められている、本来の耐用年数です。資産の種類・構造・用途ごとに細かく決められています。 | 減価償却資産の耐用年数表(国税庁や耐用年数を調べられるツールなどで確認できます)。同じ「車」でも、乗用車・貨物用・特殊用途で年数が異なります。 |
| 経過年数 | その資産が製造されてから、自分が事業で使い始めるまでに経過した年数です。1年未満の端数は月数で計算します。 | 車検証の初度登録年月、または資産の製造年・購入年を示す資料。中古で購入した日ではなく、もともと製造・使用が始まった時点からの年数です。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 法定耐用年数をすべて経過しているか確認する:経過年数が法定耐用年数以上であれば「全部経過」、それより短ければ「一部経過」として扱います。まずこの区分を決めることが、計算式を選ぶ出発点になります。
- 簡便法の計算式にあてはめる:全部経過なら「法定耐用年数×20%」、一部経過なら「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」で計算します。一部経過の式は、残りの年数に、経過した年数の一部を上乗せするイメージです。
- 端数と最低年数を調整する:計算結果に1年未満の端数があれば切り捨てます。切り捨てたあとの年数が2年に満たない場合は、2年として扱います。この最低2年のルールがあるため、古い資産でも耐用年数が1年以下になることはありません。
具体例で確かめる
例1 法定耐用年数6年の普通自動車で、4年落ちの中古車を買ったケース
一部経過の計算式 =(6年-4年)+4年 × 20% = 2年 + 0.8年 = 2.8年 1年未満の端数(0.8年)を切り捨て = 2年
簡便法による耐用年数は2年。短い期間で経費にできるため、いわゆる中古車節税の根拠になっている。定率法を選べば初年度によりまとまった金額を経費にできる
例2 法定耐用年数15年の建物附属設備で、法定耐用年数をすべて経過しているケース
全部経過の計算式 = 15年 × 20% = 3年
簡便法による耐用年数は3年。設備全体を新品で導入する場合の15年と比べて、かなり短い期間で経費にできる
例3 法定耐用年数8年の設備で、経過年数が7年のケース
一部経過の計算式 =(8年-7年)+7年 × 20% = 1年 + 1.4年 = 2.4年 1年未満の端数(0.4年)を切り捨て = 2年
計算結果は2年で、最低年数の2年とちょうど同じになる。経過年数がこれ以上長くても、最低2年は下回らない
経過年数のパターン別に見る簡便法の年数
| 法定耐用年数 | 経過年数 | 簡便法の計算 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 6年(普通自動車の例) | 4年 | (6-4)+4×20%=2.8年→端数切捨て | 2年 |
| 4年(軽自動車の例) | 4年(全部経過) | 4×20%=0.8年→端数切捨てで0年、最低2年を適用 | 2年 |
| 15年(建物附属設備の例) | 4年 | (15-4)+4×20%=11.8年→端数切捨て | 11年 |
ここを間違えやすい
1|改良費が取得価額の50%を超えると簡便法は使えません
事業で使うために支払った修理・改良費(資本的支出)の金額が、その中古資産の取得価額の50%を超える場合は、簡便法による耐用年数の算定はできません。この場合は原則どおり法定耐用年数を使うことになります。同じ新品を取得する場合の取得価額(再取得価額)の50%を超える場合も同様に、簡便法ではなく法定耐用年数によることになります。中古車を購入したあとに大きな修理や改造をする予定がある場合は、この50%基準に注意してください。
2|経過年数は年単位ではなく暦月で計算します
経過年数に1年未満の端数がある場合は、暦にもとづいて月数で計算し、1か月未満の端数は1か月として扱います。たとえば3年7か月なら3年7か月として計算に使い、3年8か月に切り上げたりはしません。年数だけで大まかに計算すると、実際の耐用年数と数か月分のずれが生じることがあります。
3|簡便法を使うのは資産を使い始めた事業年度だけです
簡便法による耐用年数の算定は、その中古資産を事業に使い始めた事業年度でしか行えません。その年度に耐用年数の算定をしなかった場合、あとの事業年度でさかのぼって適用することはできません。事業供用時に耐用年数を決め忘れると、以後はずっと法定耐用年数で計算することになるため、購入直後の処理が重要です。
4|使用可能期間を見積もれる場合は、その年数を優先して使うこともできます
簡便法はあくまで、使用可能期間を見積もることが難しい場合に使える方法です。実際の使用可能期間を合理的に見積もれるのであれば、その年数を耐用年数として使うこともできます。ただし見積もりの根拠を客観的に説明できることが前提になるため、実務では簡便法が使われることが多くなっています。
よくある質問
- 中古車節税はなぜ4年落ちの車がよく使われるのですか。
- 法定耐用年数6年の普通乗用車の場合、4年落ちで購入すると簡便法の計算上、耐用年数がちょうど2年になります。2年という短い期間で購入価格の大部分を経費にできるため、節税の手法としてよく紹介されています。ただし実際の節税効果は、定率法か定額法かなど償却方法によっても変わりますし、車を手放す時期や事業への使用実態によって結果が変わる点にも注意が必要です。
- 軽自動車でも同じ計算ですか。
- 軽自動車は法定耐用年数が4年とされているため、計算に使う法定耐用年数の数字が変わります。車種によって法定耐用年数が異なるため、対象の車の耐用年数表を確認してから計算してください。トラックやバスなど事業用の車両も、乗用車とは異なる耐用年数が定められている場合があります。
- 簡便法で計算した年数で、必ず減価償却しなければいけませんか。
- 簡便法は選択できる方法のひとつであり、使わずに法定耐用年数のまま減価償却することも可能です。ただし、一度その事業年度で耐用年数の算定をしなかった場合、あとから簡便法に変更することはできません。資金繰りやほかの資産の償却状況とあわせて、その年度のうちに方針を決めておく必要があります。
- 個人事業主が中古資産を買った場合も同じ計算ですか。
- 個人の所得税でも、法人税とほぼ同じ考え方で簡便法による耐用年数を計算します。基本的な計算式や、端数処理・最低2年という考え方も共通しています。個人事業主が中古車を購入して事業用と私用の両方に使う場合は、事業で使う割合に応じて経費にできる金額を按分する点もあわせて確認してください。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令第3条(中古資産の耐用年数等)
- 国税庁タックスアンサー No.5404「中古資産の耐用年数」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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