会社が成長して規模要件に達した、IPOを目指す、親会社や補助金の要件で「会計監査を受けてください」と言われた——初めて監査を受ける会社にとって、何をいつまでに準備すべきかは見当がつきにくいものです。
監査初年度の成否は期首前の準備が左右します。監査人の選定は理想は前事業年度のうち、最低でも期首までに行い、予備調査で課題を洗い出してから本番を迎えるのが標準的な進め方です。
この記事では、公認会計士・税理士の事務所である当事務所が、初年度特有の準備、1年のスケジュール、社内体制の整え方を解説します。
この記事は、こんな方に役立ちます
- 札幌・北海道で税理士をお探しの方
- 会計・税務・経営の相談先を探している方
- 自社に合うサポートを知りたい方
- 監査初年度の成否は期首前の準備で決まる。選定は前期中が理想
- 初年度特有の山は期首残高の検証と会計方針の整備
- 窓口の一本化と決算の前倒しが、社内体制の2大必須要件
- 月次決算の高度化(クラウド×AI)が監査対応の土台になる
- 監査人と「受ける側の支援者」は別。両輪で初年度を乗り切る
会計監査とは:誰に・なぜ必要か
会計監査は、独立した監査人(監査法人・公認会計士)が決算書の適正性を検証し、意見を表明する制度です。必要になるのは、①会社法の大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上。
基準の解説記事)、②IPO準備会社(上場申請期の前から監査証明が必要)、③親会社の連結対象・補助金や融資契約で求められる場合、などです。
税務調査とはまったく別物で、「数字が正しく作られる仕組み(内部統制)」まで見られるのが特徴です。
初年度特有の準備:期首残高と「最初の1回」問題
監査初年度には、2年目以降にはない論点があります。最大のものが期首残高の検証です。
当期の数字だけでなく、スタート地点(前期末残高)の妥当性も確かめる必要があるため、実務では期首の実地棚卸の立会いや、前期末資料の遡り確認が発生します。
ここを過ぎてから監査人を探すと、「期首に立ち会えなかったので意見が出せない」という事態につながることもあります。監査人の選定が早いほどよい理由は、まさにここにあります。
あわせて、会計方針の整備(収益認識・引当金・減価償却など、これまで税務基準で来た処理を会計基準に揃える)も初年度の山場で、利益への影響が出る項目は早めの試算が必要です。
監査1年目のスケジュール

| 時期 | 主なイベント | 会社側の準備 |
|---|---|---|
| 前期中 | 監査人の選定・予備調査(ショートレビュー) | 課題リストの受領と改善着手 |
| 期首 | 期首残高の検証・実地棚卸の立会い | 棚卸手順の文書化・在庫台帳の整備 |
| 期中(四半期ごと等) | 内部統制の評価・往査 | 証憑・承認記録の整備、質問対応の窓口一本化 |
| 期末〜 | 期末監査・監査意見 | 決算スケジュールの前倒し、残高確認状の手配 |
社内体制:兼任でよいが「窓口」と「前倒し」は必須
専任の監査対応チームは中堅企業には不要ですが、二つだけは必須です。第一に窓口の一本化。監査人からの資料依頼・質問を経理責任者に集約し、依頼一覧で進捗管理します(やり取りの散逸が監査を長引かせる要因の一つです)。
第二に決算の前倒しです。監査が入ると、決算確定までの日数は延びやすくなります。月次決算の精度を上げ、期末の「決算でまとめて整理」をなくすことが、監査対策として有効な方法の一つです。
クラウド会計×AIで月次の締めを早くする体制(導入支援の記事)は、監査対応の土台としてそのまま機能することがあります。
なお、監査をする監査人は独立性の制約から、その会社の経理体制づくりを兼ねられません。「受ける側の支援者」(経理規程・月次精度・監査対応の整備を手伝う専門家)を別に確保するのが実務の標準です。
当事務所は公認会計士・税理士の事務所として、この受け入れ準備の支援を税務顧問とあわせて行っています。
当事務所での実例
実例:親会社の連結対象となり監査が必要になった道内の法人で、受け入れ準備を支援しました。
資料依頼一覧の管理と規程ドラフトの作成はAI(Claude)が下準備し、会計方針の調整(税務基準からの組み替え)と監査人との論点整理は公認会計士が担当しました。
期首の棚卸立会いから滞りなく進み、初年度から限定なしの意見につながりました。準備の積み重ねが結果につながった事例です。
監査が視野に入ってきた方は、要件の確認段階からお問い合わせでご相談ください。状況を伺ったうえで、対応範囲と概算をご提示します。
よくある質問
監査費用はどれくらいかかりますか?
規模・拠点数・経理体制の整備状況で大きく変わるため一律には言えません。経理が整っているほど監査工数を抑えやすく、費用面でも有利に働く場合があります。準備への投資が監査費用の抑制につながることもあります。
税務申告と監査はどう関係しますか?
監査で確定した決算書をもとに税務申告を行う流れになるため、決算・監査・申告のスケジュールを一体で設計する必要があります。申告期限の延長の特例の検討も含めて調整します。
IPO準備の場合も同じ進め方ですか?
大枠は同じですが、上場申請には監査証明の期間要件があり、ショートレビューから逆算した中期のスケジュール設計が必要です。内部統制への要求水準も段階的に上がります。
相談には何を用意すればよいですか?
監査が必要になった背景(基準該当・親会社要請・IPO等)、直近の決算書、決算体制の現状をお知らせください。お問い合わせフォームから「監査準備の相談」とご連絡ください。料金・契約・業務フローはこちらです。
まとめ
当事務所(札幌市)は、公認会計士・税理士として監査受け入れ準備・経理体制の高度化・税務顧問を一体で支援しています。料金・契約・業務フローをご確認のうえお問い合わせください。
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ご相談前に整理しておくとスムーズなこと
- 業種・規模・法人/個人の別
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※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
出典・参考情報(公的機関)
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。
