日商簿記3級 完全合格テキスト[2026年度版]

日商簿記検定 3級2026年度版(2022年度適用出題区分表)完全オリジナル問題統一試験・ネット試験(CBT)両対応
NISSHO BOOKKEEPING LEVEL 3日商簿記3級 完全合格テキスト[2026年度版]
全30章+直前対策/演習619問・図解21点・一覧表200点超。「なんとなく」を1つも残さず、70点を設計して取りにいく1ページ。

簿記3級は、才能でも記憶力でもなく「型」を何回なぞったかで合否が決まる試験です。本書は、はじめて簿記に触れる方が借方・貸方の意味から腹落ちできる導入を厚く取りつつ、合否を分ける第2問・第3問には手順が完全に固定された解法テンプレートを用意しました。すべての例題・演習は当事務所が書き下ろした完全オリジナルです。ブックマークして、上から順に進めてください。

30章+直前対策
619演習問題
21オリジナル図解
70点で合格

最終更新:2026年8月21日/監修:税理士・公認会計士(ジェイスタート会計事務所) ※本ページの問題・図表はすべて当事務所オリジナルです。過去問題の文面は使用していません。

簿記をこれから始める方へ:3級の前に入門級で土台を作ると、理解の速さが変わります。日商簿記初級 完全合格テキスト[2026年度版](全21章・演習741問)と、日商原価計算初級 完全合格テキスト[2026年度版](全13章・演習429問)も無料で公開しています。
年代・立場別あなたに合った簿記3級合格までの進め方

学習時間は目安です。大切なのは合計時間ではなく「小さく毎日つづく設計」にすること。下のプランを叩き台に、自分の生活に合わせて調整してください。

高校生
週5〜6時間 × 2〜3か月

商業高校でなくても独学で十分届きます。初級を終えてから始めると理解速度が2倍になります。第1〜10章を1日1節ずつ、仕訳は毎日10問。推薦・就職でも堂々と書ける資格です。

このページの使い方章見出しの「済」ボタンで進捗を記録。仕訳トレーニング150を毎日の日課にしましょう。

大学生・専門学校生
週6〜8時間 × 1.5〜2か月

就活のガクチカ・履歴書に書ける最初の一枚。経済・経営・商学部なら授業との相乗効果も大きい級です。合否を分ける第2問・第3問は、第28・29章の解法テンプレートを型どおりに反復してください。

このページの使い方模擬試験2回分を本番同様60分で計測。CBTなら在学中に何度でも受験機会があります。

社会人(20〜30代)
週5〜7時間 × 2〜3か月

経理への異動・転職の入場券であり、営業でも取引先の決算書が読み始められます。平日は朝30分+通勤時間、週末にまとめて演習、のリズムが継続のコツ。100時間前後の投資で一生モノです。

このページの使い方間違えた論点は目次の検索窓で章を引き直し、その章の確認問題だけ解き直すのが最短です。

40代からの学び直し
週4〜6時間 × 3〜4か月

リスキリングの定番。暗記より「型の反復」で受かる試験なので、年齢はハンデになりません。第1章の借方・貸方の腹落ちに時間をかけるほど、後半が速くなります。ネット試験なら都合のよい日に受験できます。

このページの使い方1日の最後に「今日解いた仕訳を1つだけ人に説明するつもりで声に出す」と定着が段違いです。

学習進捗(章見出しの「済」ボタンで記録・端末内に保存されます)
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第0章

合格戦略 ― 3級試験の「正体」を知る

図解4点・一覧表7点

簿記3級は「全部わかった人」が受かる試験ではありません。100点満点のうち70点を、時間内に、確実に集める人が受かる試験です。合格に必要なのは満点ではなく設計です。この章では、どこで何点を取れば70点に届くのかを数字で確定させます。ここを飛ばして仕訳から始めると、努力が点数に変わらない学習になります。所要10分、必ず読んでください。

はじめてさんへ

簿記という言葉すら初めて、という方も大丈夫です。第1章で「そもそも簿記とは何か」「なぜ左右に分けて書くのか」から図で説明します。この第0章は「地図」なので、いま全部わからなくても構いません。太字の部分だけ拾って、第1章へ進んでください。試験直前にもう一度ここへ戻ると、意味が完全につながります。

0-1試験の基本データ

項目内容
試験科目商業簿記のみ(2級と違い工業簿記・原価計算はありません)
試験時間60分(2020年12月の改定以降。それ以前の120分の過去問は時間感覚が合わないため注意)
満点・合格基準100点満点、70点以上で合格(相対評価ではなく絶対評価。何人でも合格します)
出題数大問3問(第1問45点/第2問20点/第3問35点)
受験方式統一試験(ペーパー・年3回)/ネット試験(CBT・随時)/団体試験。どちらで合格しても資格は同じ
受験資格なし。年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験可能
電卓持込可。ただし関数電卓・プログラム機能付き・印刷機能付きは不可。四則演算・√・メモリー・GT程度の一般電卓を使用
合格率の目安統一試験は回によって30%台〜50%台と振れ幅が大きく、ネット試験は年度累計でおおむね40%前後。「2人に1人弱」が受かる試験という感覚で十分です
学習時間の目安初学者で80〜120時間。1日1.5時間なら2か月弱。ただし本書のように演習量を確保すれば60時間台での合格も現実的です

表0-1 3級試験の基本データ(2026年度/2022年度適用出題区分表にもとづく)

注意

ネット上には2020年11月以前(試験時間120分)の情報や問題が大量に残っています。当時は第1問が仕訳5題(20点)、大問5問構成でした。現行は60分・大問3問・仕訳15題です。古い形式で練習すると時間配分の感覚が致命的にずれます。本書はすべて現行形式に合わせて設計しています。

0-2配点と時間配分 ― 60分をどう割るか

60分という時間は、3級の分量に対して短くはないが、迷う余裕はないという絶妙な設定です。次の配分を最初から身体に入れてください。

図0-A 配点構成と標準タイムテーブル 配点 100点の内訳 第1問 45点 第2問 20点 第3問 35点 仕訳15題(各3点) 勘定記入・補助簿・伝票 決算(精算表・財務諸表) 標準タイムテーブル(60分) 第1問 20分 第2問 15分 第3問 22分 見直 1分あたりの獲得点数:第1問 2.25点/分 第2問 1.33点/分 第3問 1.59点/分 解く順番は 第1問 → 第3問 → 第2問 が原則。 第2問は難易度の振れ幅がいちばん大きい大問。最後に回せば、取れる点を取り切ってから捨て判断ができます。

※ネット試験(CBT)でも配点・時間は同じです。CBTは画面上に残り時間が常時表示されるため、この配分をそのまま当てはめられます。

得点戦略

1分あたりの効率は第1問が圧倒的です。第1問1題=3点を1分20秒で処理できるのに対し、第3問の1項目は同じ3点を取るのに2分かかることも珍しくありません。第1問を軽視して決算だけ勉強する人が落ちるのは、この単価の差を見ていないからです。

0-3「70点の作り方」を先に決める

70点は、いろいろな組み合わせで到達できます。よくある3つのルートを点数で示します。自分がどれを目指すのかを、学習を始める今日決めてください。

ルート第1問
(45点)
第2問
(20点)
第3問
(35点)
合計向いている人
A 仕訳特化型42
14問正解
82272学習時間が短い人。仕訳だけを徹底反復し、第3問は「取れるところだけ」拾う
B 決算重視型36
12問正解
102874実務で決算に触れている人。精算表・財務諸表を得点源にできる
C バランス型39
13問正解
122172標準的な学習期間が取れる人。本書の推奨ルート
× 失敗例27
9問正解
142667第2問・第3問は健闘したのに、仕訳の取りこぼしで3点足りない。不合格の最頻パターン

表0-2 70点到達ルートの比較。どのルートでも共通するのは「第1問で12問(36点)以上」という条件です。

POINT

3級合格の必要条件は、突き詰めると次の1行です。

第1問で12問以上(36点)+ 第3問で20点以上 = 56点
残り14点を第2問と第3問の上積みで拾えば合格

逆に言えば、第2問が0点でも合格できます。第2問は「取れたら加点」の位置づけで構いません。ここを腹に落としておくと、本番で第2問に固まって時間を溶かす事故が起きなくなります。

0-4統一試験(ペーパー)とネット試験(CBT)の違い

比較項目統一試験(ペーパー)ネット試験(CBT)
実施年3回(6月・11月・2月の日曜)随時(テストセンターの空き枠。統一試験の前後に停止期間あり)
申込商工会議所の受付期間内に申込専用サイトから空き枠を予約。最短で数日後に受験可
問題全員同一問題受験者ごとに異なる(同一の出題基準・難易度で自動組成)
解答問題用紙・答案用紙に手書き画面上で入力。勘定科目はプルダウン選択、金額はテンキー入力
下書き問題用紙の余白を自由に使える配布されたA4計算用紙のみ(枚数制限あり・持ち帰り不可)
結果後日発表(1〜3週間程度)試験終了直後に画面表示。合格ならその場でスコア確認
再受験次回(数か月後)すぐ再予約可能(施行ルール上の間隔制限に注意)
難易度出題範囲・配点・合格基準は同一。合格率も大きくは変わりません

表0-3 統一試験とネット試験の比較。※日程・停止期間・手数料は変更されることがあります。受験前に必ず商工会議所の公式サイトで最新情報をご確認ください。

得点戦略

迷ったらネット試験(CBT)を選んでください。理由は3つ。①学習が仕上がったタイミングで受けられる、②不合格でもすぐ再挑戦できるので1回の失敗コストが小さい、③結果が即日わかるので次の行動(2級へ進む/再受験)をすぐ決められる。「年3回の本番に照準を合わせる」より「仕上がった日が本番」のほうが、圧倒的に受かりやすいのが3級です。CBT特有の操作は第30章で完全に対策します。

0-5学習ロードマップ

本書は上から順に進めれば完成する設計です。使える時間に応じて2つのプランを用意しました。

8週間プラン(標準・1日1〜1.5時間)4週間プラン(短期集中・1日3時間)
第1週第0〜2章(簿記の全体像・仕訳のルール)+第3章(現金・預金)第0〜5章。仕訳トレーニング No.1〜40
第2週第4〜6章(商品売買・債権債務・手形)第6〜11章。仕訳トレーニング No.41〜90
第3週第7〜9章(貸倒引当金・固定資産・資本)第12〜22章。仕訳トレーニング No.91〜150
第4週第10〜11章(税金・訂正仕訳)+仕訳トレーニング No.1〜75第23〜30章+模擬試験2回+直前チェック50
第5週第12〜15章(帳簿・商品有高帳・伝票・試算表)短期プランは「わからない所で止まらない」のが最重要。

1周目は理解30%で通過し、仕訳トレーニングと模擬試験で穴を埋める進め方にしてください。

4週間なら、第2問対策(第28章)の優先度は下げて構いません。第1問と第3問に資源を集中させます。
第6週第16〜22章(決算整理の6類型)
第7週第23〜27章(精算表・財務諸表・勘定記入)+仕訳トレーニング No.76〜150
第8週第28〜30章+模擬試験2回+直前チェック50+弱点の再演習

表0-4 学習ロードマップ。★どちらのプランでも「仕訳トレーニング150を最低2周」は必須条件です。

0-6本書の使い方

  • まず読む。各節の解説は「なぜそうなるか」から書いています。丸暗記しようとせず、理屈を追ってください。理屈がわかった論点は、半年後も忘れません。
  • 例題をその場で解く。解説を読んだ直後に例題があります。必ず紙に書いてから「解答・解説を見る」を開いてください。読むだけでは手が動くようになりません。
  • 確認問題で反復する。章末に8〜16問。ここで7割取れたら次章へ。取れなければその章の解説に戻ります。
  • 仕訳トレーニング150を回す。全章を終えたら、仕訳トレーニング150を通しで2周。1問15秒で判断できるようになれば第1問は40点前後で安定します。
  • 模擬試験で本番の60分を体験する。模擬試験2回分を時間を計って解きます。ここで初めて「時間配分」という敵の正体がわかります。
  • 直前チェック50で穴をふさぐ。試験前日と当日朝に直前チェックリストを通読。ミスの型を潰して本番へ。
表示意味
POINTその節の核心。ここだけは絶対に落とせない内容です
注意受験生が実際に間違える箇所。試験の失点はほぼここから生まれます
暗記理屈より覚えたほうが速いもの。語呂・型で固定します
得点戦略本番でどう振る舞うか。捨てる・後回しにする判断を含みます
深掘り実務・会計理論の背景。読み飛ばしても合格には影響しません
はじめてさんへ簿記が初めての方向けの噛み砕いた説明。経験者は飛ばして結構です
基本 標準 応用問題の難易度。基本と標準を確実に取れば70点に届きます。応用は余力がある人向け

表0-5 本書のアイコン凡例

0-73級の全論点マップと出題頻度

3級で問われる論点は、次の3つのブロックに整理できます。学習中に迷子になったら、この表に戻って現在地を確認してください。

図0-B 3級の全体構造 ― 期中取引・帳簿・決算の3ブロック ① 期中取引(仕訳) ② 帳簿・伝票 ③ 決算 第1問(45点)の主戦場 第2問(20点)の主戦場 第3問(35点)の主戦場 ・現金/預金/現金過不足 ・商品売買(三分法) ・売掛金/買掛金/クレジット ・手形/電子記録債権債務 ・貸付金/借入金/立替預り ・仮払金/仮受金 ・貸倒れ/貸倒引当金 ・有形固定資産/減価償却 ・資本金/剰余金の配当 ・税金(租税公課・法人税・消費税) ・仕訳帳/総勘定元帳 ・現金出納帳/当座預金出納帳 ・仕入帳/売上帳 ・商品有高帳(先入先出・移動平均) ・売掛金元帳/買掛金元帳 ・手形記入帳/固定資産台帳 ・3伝票制/仕訳日計表 ・補助簿の選択 ・勘定記入/T勘定の推定 ・試算表の作成 ・決算整理6類型 現金過不足/当座借越/貯蔵品 売上原価の算定 貸倒引当金の設定 減価償却 経過勘定(前払・前受・未払・未収) 消費税・法人税等 ・精算表/財務諸表/後T/B ・帳簿の締切(損益振替・資本振替) ・再振替仕訳

①でつくった仕訳が②の帳簿に集まり、③の決算で財務諸表になる。この一本道が簿記のすべてです。

論点出題頻度難易度ひとこと
商品売買(三分法・返品・諸掛り)★★★第1問で毎回2〜3題。最優先
現金預金・現金過不足★★★雑損・雑益の向きだけ注意
売掛金・買掛金・クレジット売掛金★★★支払手数料の計上タイミングが論点
固定資産(取得・減価償却・売却)★★★期中売却の月割が最頻出ミス
貸倒引当金(差額補充法)★★★「差額」を引くのを忘れる人が多い
経過勘定(前払・前受・未払・未収)★★★第3問の常連。月割の型で固定する
売上原価の算定(しーくりくりしー)★★★第3問でほぼ毎回出る
仮払金・仮受金・立替金・預り金★★☆給料の預り金は実務でも必須
手形・電子記録債権債務★★☆裏書・割引は3級の範囲外
税金(租税公課・法人税等・消費税)★★☆税抜方式の型を1つ覚えるだけ
株式会社の資本・剰余金の配当★★☆利益準備金の積立額の計算に注意
伝票会計・仕訳日計表★★☆一部現金取引の2つの起票法が山
商品有高帳★★☆移動平均法の平均単価の出し方
補助簿の選択★★☆覚えれば確実に取れる第2問のボーナス
勘定記入(第2問)★★☆本書第27章で型を固定する
訂正仕訳★☆☆「逆仕訳+正しい仕訳」の2段構え
受取商品券・差入保証金★☆☆科目名を知っていれば即答
帳簿の締切(英米式)★☆☆損益振替・資本振替の2本だけ

表0-6 3級の主要論点と出題頻度(当事務所調べ。★★★=ほぼ毎回、★★☆=2回に1回程度、★☆☆=ときどき)

暗記

絶対に落としてはいけない「鉄板10論点」(第1問で必ず顔を出します)

  1. 商品の仕入・売上(掛け/現金)と返品
  2. 仕入諸掛り(当社負担は仕入原価に含める)
  3. 現金過不足の発生と決算時の雑損・雑益
  4. 給料支払時の源泉所得税・社会保険料の預り金
  5. 固定資産の取得(付随費用を取得原価に含める)
  6. 減価償却費の計上(定額法・間接法)
  7. 貸倒れの処理(前期債権は引当金を取り崩す)
  8. 仮払金・仮受金の精算
  9. 消費税(税抜方式)の仮払・仮受
  10. 法人税等の中間納付と決算確定

0-8【重要】2027年度からの出題範囲改定について

注意

日本商工会議所は、2027年4月1日以降に実施される試験から3級の出題区分表を改定することを公表しています(統一試験・団体試験・ネット試験のすべてが対象)。2026年度中に受験する方には影響しませんが、2027年度以降に受験予定の方は次の点を押さえておいてください。

  • 手形の枠が削除され、電子記録債権・電子記録債務は売掛金・買掛金の枠に整理される見込み
  • 普通預金が「現金預金」に明記される
  • クレジット売掛金にキャッシュレス決済が含まれることが明記される
  • 2級から3級へ移行:販売のつど売上原価勘定に振り替える方法
  • 2級から3級へ移行:固定資産の除却・廃棄、減価償却の定率法(基礎レベル)

本書は2026年度(2022年度適用出題区分表)に完全準拠しています。2027年度以降に受験される方も、ここに書かれた内容の9割以上はそのまま使えます。改定内容が確定次第、本ページを更新します。

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第1章

簿記の全体像 ― 借方・貸方が腹落ちする

例題4問/確認12問

この章は本書でいちばん大切な章です。簿記でつまずく人の9割は、「借方・貸方」を意味のわからない記号として丸暗記しようとして脱落します。逆に、ここさえ腹に落ちれば、その後の30章はすべて「同じルールの応用」になります。急がず、図をなぞりながら読んでください。

1-1簿記は何のためにあるのか

はじめてさんへ

家計簿は「お金が増えた・減った」だけを記録します。ところが会社では、お金は減っていないのに損をしていることや、お金は増えているのに儲かっていないことが日常的に起こります。たとえば商品を掛け(後払い)で売れば、現金は1円も入っていないのに売上は立ちます。逆に借入をすれば、現金は増えますが1円も儲かっていません。
この「お金の動き」と「儲け」のズレを正しくとらえる技術が簿記です。

簿記の目的は、次の2つの書類をつくることに集約されます。

貸借対照表(B/S)ある一時点で、会社が何を持ち(資産)、何を借りていて(負債)、正味いくらの価値があるか(純資産)を示す「財産の写真」
損益計算書(P/L)一定期間に、会社がいくら稼ぎ(収益)、いくら使い(費用)、差し引きいくら儲けたか(利益)を示す「もうけの動画」

この2つをまとめて財務諸表といいます。簿記とは、日々の取引を記録し、集計し、最後にこの財務諸表をつくり上げるまでの一連の技術のことです。3級の試験は、その一連の作業を60分間で追体験させるテストだと考えてください。

1-2すべては5つのグループに分かれる

簿記で使う「勘定科目」は数十個ありますが、必ず次の5つのグループ(5要素)のどれかに属します。この分類ができれば、仕訳の8割は自動的に決まります。

グループ意味代表的な勘定科目所属
資産会社が持っているプラスの財産。将来お金になるもの現金/普通預金/当座預金/売掛金/受取手形/商品(繰越商品)/貸付金/建物/備品/車両運搬具/土地B/S
負債将来お金を払う義務。マイナスの財産買掛金/支払手形/借入金/未払金/前受金/預り金/未払法人税等B/S
純資産資産から負債を引いた正味の価値。株主に帰属する部分資本金/利益準備金/繰越利益剰余金B/S
収益純資産を増やす原因。稼ぎ売上/受取手数料/受取利息/受取家賃/償却債権取立益/固定資産売却益/雑益P/L
費用純資産を減らす原因。稼ぐために使ったもの仕入/給料/支払家賃/水道光熱費/通信費/支払利息/減価償却費/貸倒引当金繰入/固定資産売却損/雑損P/L

表1-1 簿記の5要素。※3級では純資産=資本金+繰越利益剰余金+利益準備金と考えれば足ります。

POINT

迷ったときの判定順は次のとおりです。

  1. お金や物として持っているか? → はい なら資産
  2. 将来払う義務か? → はい なら負債
  3. 「〜収入」「受取〜」「〜益」「売上」か? → はい なら収益
  4. 「支払〜」「〜費」「〜損」「仕入」「給料」か? → はい なら費用
  5. どれでもなければ純資産
注意

名前が似ていて所属が真逆になる組み合わせに注意してください。
前払金(手付金を払った=商品を受け取る権利)=資産 ⇔ 前受金(手付金を受け取った=商品を渡す義務)=負債
立替金(立て替えた=返してもらえる)=資産 ⇔ 預り金(預かった=返す・納める義務)=負債
貸付金=資産 ⇔ 借入金=負債/未収入金=資産 ⇔ 未払金=負債

1-3貸借対照表と損益計算書のかたち

図1-A 貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の基本形 貸借対照表(B/S)― ある一時点の財産 資 産 現金・売掛金・建物 など 負 債 買掛金・借入金 など 純資産 資本金・繰越利益剰余金 借方(左) 貸方(右) 資産 = 負債 + 純資産 損益計算書(P/L)― 1年間のもうけ 費 用 仕入・給料・支払家賃 など 当期純利益 差額でここに入る 収 益 売上・受取手数料 など 収益 - 費用 = 当期純利益

B/Sは左右が必ず一致します(資産=負債+純資産)。P/Lも、差額の当期純利益を左に入れることで左右が一致します。この「左右が必ず一致する」という性質が、簿記のすべての土台です。

暗記

簿記では、左を借方(かりかた)、右を貸方(かしかた)と呼びます。語源は気にしないでください。実務でも「借りている・貸している」という意味はほぼありません。
覚え方:「かり」のにはらう → 借方は左。「かし」のにはらう → 貸方は右。

1-4B/SとP/Lはつながっている

1年間で稼いだ利益(P/Lの当期純利益)は、そのままB/Sの純資産(繰越利益剰余金)を増やします。つまり、P/LはB/Sの純資産がどうやって増えたかを説明する明細書なのです。

図1-B 1年間の流れ ― 期首B/S → P/L → 期末B/S 資産 800 負債 300 純資産 500 期首B/S(4/1) 元手は500 費用 1,200 利益 180 収益 1,380 P/L(4/1〜3/31) 1年間で180もうけた 資産 1,010 負債 330 純資産 680 期末B/S(3/31) 500 + 180 = 680 P/Lの利益180が、そのままB/Sの純資産を500から680へ押し上げる
POINT

当期純利益 = 期末純資産 - 期首純資産(追加出資や配当がない場合)
この関係を財産法、収益-費用で利益を出す方法を損益法といいます。どちらで計算しても同じ金額になります。両方で計算して一致するかを確かめるのが、試験でも実務でも効く検算テクニックです。

例題1-1基本5要素の分類

次の勘定科目を、資産・負債・純資産・収益・費用に分類しなさい。

① 売掛金 ② 前受金 ③ 支払家賃 ④ 繰越利益剰余金 ⑤ 受取手数料 ⑥ 未払金 ⑦ 備品 ⑧ 立替金 ⑨ 預り金 ⑩ 貸倒引当金繰入

解答・解説を見る
番号科目分類ひとこと
売掛金資産あとで代金を受け取る権利
前受金負債手付金を受け取った=商品を引き渡す義務
支払家賃費用「支払〜」は費用
繰越利益剰余金純資産過去の利益の蓄積
受取手数料収益「受取〜」は収益
未払金負債商品以外のものを買った未払代金
備品資産長く使う物品
立替金資産立て替えた=返してもらえる
預り金負債預かった=納付・返還する義務
貸倒引当金繰入費用「繰入」は費用。似た名前の「貸倒引当金」は資産のマイナス項目なので混同しない

つまずきポイント:②と⑧⑨のペアは毎回誰かが間違えます。「前」が付いたら受け渡しの前、「立替」は自分が先に出した、「預り」は他人のお金を持っていると、動作でイメージすると確実です。

例題1-2基本B/Sの作成

ジェイ商店の期末(×2年3月31日)の資料は次のとおりである。純資産(資本)の合計額を求めなさい。

現金 180,000/売掛金 240,000/商品 150,000/備品 300,000/買掛金 190,000/借入金 200,000

解答・解説を見る

純資産合計 = 480,000円

資産(借方)金額負債・純資産(貸方)金額
現金180,000買掛金190,000
売掛金240,000借入金200,000
商品150,000純資産480,000
備品300,000
合計870,000合計870,000

解説:資産合計 180,000+240,000+150,000+300,000=870,000。負債合計 190,000+200,000=390,000。
純資産 = 資産870,000 - 負債390,000 = 480,000。B/Sは左右が一致するように純資産が「差額」で決まる、と理解しておくと後の学習がラクになります。

例題1-3標準財産法と損益法

ジェイ商事の期首純資産は 620,000円、期末純資産は 845,000円であった。期中に追加出資や配当は行っていない。
(1) 当期純利益を求めなさい。
(2) 当期の収益合計が 3,150,000円であったとき、費用合計はいくらか。

解答・解説を見る

(1) 当期純利益 225,000円 (2) 費用合計 2,925,000円

解説:
(1) 財産法:845,000 - 620,000 = 225,000
(2) 損益法:収益 - 費用 = 利益 なので、費用 = 3,150,000 - 225,000 = 2,925,000
つまずきポイント:「追加出資や配当があった場合」は財産法が使えません。正しくは
当期純利益 = 期末純資産 -(期首純資産 + 追加出資 - 配当)
となります。試験では「期中に増資を行った」の一言が加わるだけで答えが変わるので、条件文は必ず最後まで読んでください。

1-5取引の二面性 ― なぜ左右に分けるのか

はじめてさんへ

「現金100,000円を借り入れた」という出来事を考えます。このとき起きていることは1つではなく、必ず2つあります。
現金が100,000円増えた(資産の増加)
返す義務が100,000円生まれた(負債の増加)
お金が動けば、必ずその「原因」か「相手」がセットで存在します。これを取引の二面性といい、この2つを左右に書き分けたものが仕訳です。

図1-C 取引の8要素と結合関係 借方(左)に来るもの 貸方(右)に来るもの 資産の増加 負債の減少 純資産の減少 費用の発生 資産の減少 負債の増加 純資産の増加 収益の発生 左の4つ と 右の4つ を組み合わせたものが、すべての仕訳になる

世の中のあらゆる取引は、この8つの要素の組み合わせで表現できます。簿記に「例外」はありません。

1-6ホームポジション法 ― 借方・貸方を1秒で決める

8要素の表を毎回思い出すのは大変です。実際には次の1枚だけ覚えれば足ります。これを本書ではホームポジションと呼びます。

図1-D ホームポジション ― 5要素の「定位置」 資 産 増えたら左/減ったら右 費 用 発生したら左/取り消しは右 負 債 純資産 増えたら右/減ったら左 収 益 発生したら右/取り消しは左 借方(左)= ホームポジション 貸方(右)= ホームポジション 増えたら定位置、減ったら反対側。ルールはこれだけ。
暗記

ホームポジションの覚え方は「し・ひ/ふ・じゅん・しゅう」
左(借方)= 資産・費用さん・よう)
右(貸方)= 負債・純資産・収益さい・じゅんしさん・しゅうえき)
試験開始直後、問題用紙の隅にこの4象限を書くだけで、仕訳の事故が激減します。

例題1-4基本取引の8要素分解

次の取引を「(要素)の(増加・減少・発生)」というかたちで、借方・貸方に分解しなさい。

① 銀行から現金 500,000円を借り入れた。
② 商品 80,000円を仕入れ、代金は現金で支払った。
③ 買掛金 120,000円を普通預金から支払った。
④ 手数料 30,000円を現金で受け取った。

解答・解説を見る
No借方(左)貸方(右)
資産(現金)の増加 500,000負債(借入金)の増加 500,000
費用(仕入)の発生 80,000資産(現金)の減少 80,000
負債(買掛金)の減少 120,000資産(普通預金)の減少 120,000
資産(現金)の増加 30,000収益(受取手数料)の発生 30,000

解説:③に注目してください。借方も貸方も「減少」です。「借方=増加、貸方=減少」と覚えていると必ず事故ります。正しくは「借方=資産と費用のホームポジション」。負債は右がホームなので、減ったら反対の左に来ます。
この4問がスムーズなら、あなたはもう仕訳ができます。あとは勘定科目を覚えるだけです。

1-7簿記一巡 ― 1年間で何をするのか

図1-E 簿記一巡の手続(3級の全体地図) 【期首】 開始記入(前期末の残高を繰り越す) → 再振替仕訳(前期末の経過勘定を戻す) ※第26章・第21章で扱います 【期中】 取引の発生 → ① 仕訳(仕訳帳) → ② 転記(総勘定元帳) → ③ 補助簿への記入  → ④ 試算表で貸借一致を確認(月次・期末) 第2〜15章。第1問45点の全部と、第2問の大半がここ 【決算】 ⑤ 決算整理仕訳(6類型) → ⑥ 決算整理後残高試算表 → ⑦ 精算表  → ⑧ 損益計算書・貸借対照表の作成 → ⑨ 帳簿の締切(損益振替・資本振替) 第16〜26章。第3問35点はここから出ます この⑤〜⑧を60分のうち22分でこなせるようにするのが、第3問対策のゴール
得点戦略

3級の学習は「期中の仕訳」→「帳簿」→「決算」の順に積み上がります。いま自分がこの図のどこにいるかを常に意識してください。「何のためにこの処理をしているのか」がわかっている人は、初見の問題でも手が動きます。逆に、目的を見失うと、覚えた仕訳が本番で出てきません。

確認問題 1全12問/目標正答 9問以上
1次の科目を5要素に分類しなさい。(1)当座預金(2)支払手形(3)売上(4)通信費(5)資本金
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(1)資産(2)負債(3)収益(4)費用(5)純資産
2次の科目を5要素に分類しなさい。(1)貸付金(2)前払金(3)受取利息(4)水道光熱費(5)繰越利益剰余金
解答を見る
(1)資産(2)資産(3)収益(4)費用(5)純資産
3次の科目を5要素に分類しなさい。(1)未収入金(2)未払金(3)雑益(4)雑損(5)利益準備金
解答を見る
(1)資産(2)負債(3)収益(4)費用(5)純資産
4資産の総額が 1,450,000円、負債の総額が 610,000円であるとき、純資産の額はいくらか。
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840,000円(1,450,000 - 610,000)
5期首純資産 900,000円、当期純利益 145,000円、期中の増資・配当なし。期末純資産はいくらか。
解答を見る
1,045,000円(900,000 + 145,000)
6当期の収益総額 2,480,000円、費用総額 2,315,000円。当期純利益(または純損失)はいくらか。
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当期純利益 165,000円(2,480,000 - 2,315,000)
7当期の収益総額 1,720,000円、費用総額 1,805,000円。結果はどうなるか。
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当期純損失 85,000円。P/Lでは貸方(右)に「当期純損失」を記入して左右を一致させます。利益のときは借方(左)に書くので、位置が逆になる点に注意。
8期首純資産 500,000円、期末純資産 720,000円、期中に 80,000円の増資を行った。当期純利益はいくらか。
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140,000円。720,000 -(500,000 + 80,000)= 140,000。増資は「もうけ」ではないので、必ず差し引きます。
9次の取引を8要素に分解しなさい。「備品 250,000円を購入し、代金は月末に支払うこととした。」
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借方:資産(備品)の増加 250,000/貸方:負債(未払金)の増加 250,000
※商品以外を後払いで買った場合は「買掛金」ではなく未払金です。
10次の取引を8要素に分解しなさい。「借入金 300,000円と利息 4,500円を現金で返済・支払いした。」
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借方:負債(借入金)の減少 300,000 + 費用(支払利息)の発生 4,500/貸方:資産(現金)の減少 304,500
11「借方は増加、貸方は減少を表す」という理解は正しいか。誤っている場合は正しい説明を書きなさい。
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誤り。正しくは「各要素のホームポジション側が増加(発生)、反対側が減少(取消)」。資産・費用は借方がホームなので増加は借方、負債・純資産・収益は貸方がホームなので増加は貸方になります。
12B/Sは「一定期間」「一時点」のどちらを表すか。P/Lはどちらか。またそれぞれ英語の略称は。
解答を見る
B/S=一時点(Balance Sheet/貸借対照表)、P/L=一定期間(Profit and Loss statement/損益計算書)。B/Sは「写真」、P/Lは「動画」とイメージすると混同しません。

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第2章

仕訳のルールと転記 ― 型を身体に入れる

例題4問/確認12問

前章で「取引には必ず2つの面がある」ことを確認しました。この2つの面を、勘定科目と金額を使って左右に書き分けたものが仕訳です。第1問45点はすべて仕訳、第3問35点も中身は仕訳。3級の80点分は仕訳でできています。

2-1仕訳は「4つの質問」で機械的に作れる

仕訳を作るとき、頭の中で次の4つを順に自問してください。慣れれば5秒、最終的には無意識でできるようになります。

  • 何が動いたか? 取引文を読み、動いたモノ・権利・義務を2つ以上見つける(例:現金、商品、代金を受け取る権利)
  • それは5要素のどれか? 資産・負債・純資産・収益・費用のどれに当たるかを決める
  • 増えたか、減ったか(発生か)? 増減の方向を決める
  • ホームポジションで左右を決める 増えたら定位置、減ったら反対側(図1-D
POINT

仕訳の絶対ルールは3つだけです。
借方(左)の合計金額 = 貸方(右)の合計金額(貸借平均の原理)
② 使う言葉は勘定科目(問題文の指示や「使用する勘定科目」欄にあるものだけ)
③ 1つの取引で、借方・貸方それぞれに複数の科目が入ってもよい

実例で確認する

「商品 150,000円を仕入れ、代金のうち 50,000円は現金で支払い、残額は掛けとした。」

借方科目金額貸方科目金額
仕  入150,000現  金50,000
買 掛 金100,000
合計150,000合計150,000

仕入(費用)が発生したので借方150,000。現金(資産)が減ったので貸方50,000。残り100,000は買掛金(負債)の増加なので貸方。左右の合計は一致します。

注意

本試験(特にネット試験)では、「勘定科目は指定された中から選ぶ」のがルールです。たとえば「仕入」と書きたくても選択肢に「商品仕入」しかなければそちらを使います。自分の知っている科目名で書いて不正解になるのは、いちばんもったいない失点です。必ず与えられた勘定科目一覧を先に確認してください。

2-2勘定科目の選び方 ― 迷いやすい7組

迷う場面正しい科目判断基準
商品を後払いで買った買掛金商品(本業の売買対象)なら掛金、それ以外なら未払金・未収入金
備品・車両を後払いで買った未払金
商品代金の手付金を払った前払金(資産)「前」=商品の受け渡し前。払ったか受け取ったかで資産・負債が逆
商品代金の手付金を受け取った前受金(負債)
従業員の生命保険料を会社が立て替えた従業員立替金(資産)会社のお金が出ていったら立替金、他人のお金を持っていたら預り金
給料から源泉所得税を差し引いた所得税預り金(負債)
内容不明の入金があった仮受金(負債)中身が確定するまでの一時置き場。判明したら正しい科目へ振り替える
出張旅費を概算払いした仮払金(資産)
建物の修繕をした(原状回復)修繕費(費用)価値・耐用年数が増えたら資産、元に戻すだけなら費用
建物に非常階段を新設した建物(資産)
収入印紙を購入した租税公課(費用)購入時はすべて費用。決算で未使用分だけ貯蔵品(資産)へ振り替える
郵便切手を購入した通信費(費用)
取引先の株主優待券を受け取って商品を売った受取商品券(資産)後日、発行元に換金請求できる権利なので資産
事務所を借りて敷金を差し入れた差入保証金(資産)退去時に返還される部分なので資産。返還されない礼金は支払手数料等の費用

表2-1 勘定科目の判断に迷う代表的なケース

例題2-1基本基本仕訳

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 商品 240,000円を仕入れ、代金は掛けとした。
(2) 商品を 380,000円で売り上げ、代金のうち 130,000円は現金で受け取り、残額は掛けとした。
(3) 事務用のパソコン 198,000円を購入し、代金は翌月末払いとした。
(4) 買掛金 240,000円を当座預金口座から支払った。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仕  入240,000買 掛 金240,000
(2)現  金130,000売  上380,000
売 掛 金250,000
(3)備  品198,000未 払 金198,000
(4)買 掛 金240,000当座預金240,000

つまずきポイント:(3)を「買掛金」としてしまうミスが非常に多いです。買掛金・売掛金が使えるのは、商品(本業の売買対象)の取引だけ。パソコンは商品ではないので未払金です。
(4)は「借方も貸方も減少」の形。買掛金(負債)が減ったので借方、当座預金(資産)が減ったので貸方です。

2-3転記 ― 仕訳を勘定口座に移す

仕訳帳に書いた仕訳を、勘定科目ごとの集計表(総勘定元帳)へ書き写す作業を転記といいます。ルールは1つだけです。

POINT

仕訳で借方にある科目は、その勘定口座の借方(左)へ。貸方にある科目は貸方(右)へ。
金額を書き、摘要欄には相手科目を書きます(自分の科目ではありません)。相手科目が2つ以上ある場合は「諸口(しょくち)」と書きます。

転記の実例

仕訳:(借)仕入 150,000 /(貸)現金 50,000・買掛金 100,000

仕 入
諸口 150,000
  
現 金
前期繰越 300,000仕入 50,000
  
買 掛 金
仕入 100,000
  

仕入勘定の相手科目は現金と買掛金の2つなので「諸口」。現金勘定・買掛金勘定の相手科目は仕入だけなので「仕入」と書きます。

注意

摘要欄に自分の科目名を書いてしまうミスが頻発します。「勘定口座には、相手の名前を書く」と覚えてください。第2問の勘定記入問題では、この摘要欄が答えになることが非常に多いので、ここは絶対に落とせません。

2-4T字勘定を「読む」 ― 第2問の基礎体力

勘定口座は、形がアルファベットのTに似ているのでT字勘定(Tフォーム)と呼ばれます。試験では、T字勘定の空欄を推定させる問題が頻出します。読み方の原則は次のとおりです。

勘定の種類借方(左)に来るもの貸方(右)に来るもの残高が出る側
資産(現金・売掛金など)前期繰越/増加減少/次期繰越借方
負債(買掛金・借入金など)減少/次期繰越前期繰越/増加貸方
純資産(資本金など)減少/次期繰越前期繰越/増加貸方
収益(売上など)取消/損益への振替発生貸方
費用(仕入・給料など)発生取消/損益への振替借方

表2-2 T字勘定の記入位置。「次期繰越はホームポジションの反対側」がポイントです。

暗記

T字勘定の推定問題は、「左の合計 = 右の合計」という1本の式ですべて解けます。空欄が1つなら、その空欄は必ず「反対側の合計 - 同じ側の判明分」で求まります。意味を考える前に、まず合計を合わせるのが最速です。

例題2-2標準T字勘定の推定

次の売掛金勘定について、( ア )に入る金額を求めなさい。なお、当期中の売上はすべて掛けによるものである。

売 掛 金
前期繰越  420,000当座預金 1,880,000
売  上 2,150,000貸倒引当金  35,000
 次期繰越 ( ア )
解答・解説を見る

ア = 655,000円

解説:借方合計 = 420,000 + 2,150,000 = 2,570,000
貸方の判明分 = 1,880,000 + 35,000 = 1,915,000
次期繰越 = 2,570,000 - 1,915,000 = 655,000
意味の確認:期首残高420,000に当期の掛売上2,150,000が加わり、うち1,880,000を回収、35,000が貸倒れ(引当金を取り崩した)。残った655,000が期末の売掛金残高です。

2-5仕訳帳と総勘定元帳

帳簿区分役割
仕訳帳主要簿
(必ず作る)
すべての取引を発生順(日付順)に仕訳の形で記入する帳簿。取引の歴史書
総勘定元帳仕訳を勘定科目ごとに集計する帳簿。各科目の残高がわかる
現金出納帳・仕入帳・売上帳・商品有高帳・売掛金元帳 など補助簿
(任意)
主要簿だけではわからない明細(誰に・何を・いくつ)を記録する。第2問で頻出(第12章)

表2-3 帳簿の分類

深掘り

実務では会計ソフトに1回入力すれば、仕訳帳も総勘定元帳も自動で作られます。それでも簿記を学ぶ意味は、「ソフトが何をしているかを理解して、出てきた数字の異常に気づけるようになる」ことにあります。当事務所が関与先の月次資料を見るとき、まず見るのは総勘定元帳の摘要欄です。仕訳の意味がわかる経理担当者がいる会社は、決算の精度が明確に違います。

例題2-3標準複合仕訳

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 従業員に給料 480,000円を支給するにあたり、源泉所得税 24,000円と社会保険料の従業員負担分 68,000円を差し引き、残額を普通預金口座から振り込んだ。
(2) 出張する従業員に旅費の概算額として現金 60,000円を渡した。
(3) (2)の従業員が出張から戻り、旅費交通費 47,300円の領収書とともに残額 12,700円の返金を受けた。

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No借方科目金額貸方科目金額
(1)給  料480,000所得税預り金24,000
社会保険料預り金68,000
普通預金388,000
(2)仮 払 金60,000現  金60,000
(3)旅費交通費47,300仮 払 金60,000
現  金12,700

解説:(1)給料は差引前の総額480,000を費用に計上します。手取額388,000を給料としてはいけません。差し引いた分は会社が預かっているだけなので預り金(負債)です。
(3)仮払金は精算時に全額を取り崩します。60,000のうち47,300が旅費、残り12,700が現金戻り。仮払金を47,300だけ減らすのは誤りです。

例題2-4応用転記と摘要欄

次の仕訳を、下の現金勘定に転記しなさい(日付・摘要・金額)。

7月8日(借)現金 90,000 /(貸)売掛金 90,000
7月15日(借)水道光熱費 18,600 /(貸)現金 18,600
7月22日(借)現金 55,000 /(貸)売上 40,000・受取手数料 15,000

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現 金
7/8 売掛金  90,0007/15 水道光熱費 18,600
7/22 諸 口  55,000 

解説:7/22は相手科目が売上・受取手数料の2つあるので、摘要欄は「諸口」。金額は現金勘定に入った合計55,000をまとめて書きます。
つまずきポイント:「売上 40,000」「受取手数料 15,000」と2行に分けて書くのは誤りです。1つの仕訳=1行が転記の原則で、相手が複数のときだけ諸口を使います。

確認問題 2全12問/目標正答 9問以上
1商品 175,000円を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。
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(借)仕入 175,000 /(貸)支払手形 175,000
2商品 420,000円を売り上げ、代金は同店振出の小切手で受け取った。
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(借)現金 420,000 /(貸)売上 420,000
他人振出の小切手は「現金」として処理します(通貨代用証券)。
3営業用の車両 1,450,000円を購入し、代金は小切手を振り出して支払った。
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(借)車両運搬具 1,450,000 /(貸)当座預金 1,450,000
自分が振り出した小切手は「当座預金」の減少です。
4売掛金 320,000円を現金で回収した。
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(借)現金 320,000 /(貸)売掛金 320,000
5従業員が立て替えた出張費 23,500円を現金で精算した(会社が負担すべきもの)。
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(借)旅費交通費 23,500 /(貸)現金 23,500
6オフィスの家賃 130,000円を普通預金口座から支払った。
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(借)支払家賃 130,000 /(貸)普通預金 130,000
7銀行から 2,000,000円を借り入れ、利息 12,000円を差し引かれた残額が当座預金口座に振り込まれた。
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(借)当座預金 1,988,000・支払利息 12,000 /(貸)借入金 2,000,000
※借入金は額面総額で計上します。
8商品陳列棚 264,000円を購入し、代金のうち 100,000円は現金で支払い、残額は月末払いとした。
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(借)備品 264,000 /(貸)現金 100,000・未払金 164,000
9次の売上勘定の(ア)を求めなさい。借方:損益(ア)/貸方:売掛金 3,420,000、現金 780,000、売掛金(返品)は借方に 65,000 が記入されている。
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ア = 4,135,000円
貸方合計 3,420,000+780,000=4,200,000、借方の返品 65,000。
損益への振替額 = 4,200,000 - 65,000 = 4,135,000(=純売上高)
10次の買掛金勘定の(イ)を求めなさい。借方:当座預金 1,540,000、仕入(返品)48,000、次期繰越(イ)/貸方:前期繰越 380,000、仕入 1,760,000
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イ = 552,000円
貸方合計 380,000+1,760,000=2,140,000
借方判明分 1,540,000+48,000=1,588,000
次期繰越 = 2,140,000 - 1,588,000 = 552,000
11転記において、相手科目が2つ以上ある場合、摘要欄には何と記入するか。
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諸口(しょくち)
12主要簿を2つあげなさい。また、仕訳帳と総勘定元帳の記入順序の違いを説明しなさい。
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主要簿=仕訳帳・総勘定元帳。仕訳帳は取引の発生順(日付順)、総勘定元帳は勘定科目ごとに記入します。

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第3章

現金・預金 ― 「現金」に何が含まれるかで差がつく

例題6問/確認14問

第1問で毎回のように出題される、いちばん身近な論点です。ポイントは「簿記でいう現金は、財布の中のお札や小銭だけではない」という一点に尽きます。ここを押さえるだけで、確実に3点が積み上がります。

3-1簿記上の「現金」の範囲

POINT

簿記の現金には、通貨(紙幣・硬貨)に加えて、すぐに通貨に換えられる証券=通貨代用証券が含まれます。

現金に含まれるもの説明・注意点
通貨(紙幣・硬貨)そのまま現金
他人振出の小切手受け取ったら現金。銀行に持ち込めばすぐ換金できるため。最頻出
送金小切手銀行が発行する小切手。受け取ったら現金
郵便為替証書郵便局で換金できる証書。受け取ったら現金
配当金領収証株式の配当金を受け取るための証書。受取配当金(収益)とセットで出題される
期限到来後の公社債利札「期限到来後」がポイント。未到来のものは現金にならない

表3-1 通貨代用証券。ここに載っているものを受け取ったら、迷わず借方「現金」です。

注意

自分が振り出した小切手は「現金」ではありません。小切手を振り出す=当座預金から支払う約束なので、当座預金の減少として処理します。
さらにややこしいのが、「かつて自分が振り出した小切手が、めぐりめぐって戻ってきた」ケース。この場合は当座預金の減少が取り消されるので、当座預金の増加(借方:当座預金)となります。「他人振出=現金/自己振出=当座預金」と機械的に判定してください。

取引仕訳(借方)仕訳(貸方)
商品を売り、先方振出の小切手を受け取った現 金売 上
商品を売り、当店振出の小切手を受け取った当座預金売 上
商品を仕入れ、小切手を振り出して支払った仕 入当座預金
受け取っていた小切手をただちに当座預金に預け入れた当座預金現 金

表3-2 小切手の4パターン。この表を暗記すれば小切手で失点しません。

例題3-1基本通貨代用証券

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 売掛金 250,000円の回収として、得意先振出の小切手を受け取った。
(2) 保有株式について、配当金領収証 18,000円を受け取った。
(3) 商品 340,000円を売り上げ、代金は当店が以前に振り出した小切手で受け取った。
(4) (1)で受け取った小切手を、ただちに当座預金口座に預け入れた。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)現  金250,000売 掛 金250,000
(2)現  金18,000受取配当金18,000
(3)当座預金340,000売  上340,000
(4)当座預金250,000現  金250,000

解説:(3)がこの論点の山です。当店振出の小切手が戻ってきた=以前に減らした当座預金が復活するので借方に当座預金。ここを「現金」としてしまう人が非常に多い。
(4)「ただちに預け入れた」場合、いったん現金で受け取ってから預け入れる2段階の処理をします。問題文が「小切手を受け取り、ただちに当座預金に預け入れた」と1文になっている場合は、(借)当座預金/(貸)売掛金 と1行にまとめても正解です。

3-2現金過不足 ― 帳簿と実際が合わないとき

金庫の中を数えたら、帳簿の残高と違っていた。この差額を一時的に入れておく箱が現金過不足です。処理は必ず3段階で進みます。

図3-A 現金過不足の3ステップ ① 発見したとき ② 原因が判明したとき ③ 決算日まで不明なら 帳簿残高を実際有高に合わせる 実際が少ない(不足) (借)現金過不足/(貸)現金 実際が多い(過剰) (借)現金/(貸)現金過不足 まず現金の残高を正しくする 現金過不足を消して正しい科目へ 例:通信費の記帳漏れだった (借)通信費/(貸)現金過不足 例:受取手数料の計上漏れ (借)現金過不足/(貸)受取手数料 現金過不足は必ず反対側に置いて消す 雑損・雑益に振り替えて終わらせる 現金過不足が借方に残っている (借)雑損/(貸)現金過不足 現金過不足が貸方に残っている (借)現金過不足/(貸)雑益 B/Sに現金過不足は絶対に残さない

③がとくに重要。決算整理後の貸借対照表に「現金過不足」という科目は存在しません。必ず雑損(費用)か雑益(収益)に振り替えて消します。

暗記

雑損・雑益の向きは、「現金過不足が残っている側の反対に、雑損・雑益を置く」と覚えます。
借方に残っている(=現金が足りなかった)→ 損なので雑損(費用・借方)
貸方に残っている(=現金が多かった)→ 得なので雑益(収益・貸方)
「足りない=損、多い=益」と直感どおりです。

注意

決算日当日に現金の不一致が発見された場合は、現金過不足勘定を経由せず、いきなり雑損・雑益で処理します
例:決算日に現金の実際有高が帳簿より3,000円少なく、原因不明
→(借)雑損 3,000 /(貸)現金 3,000
問題文に「決算にあたり現金の実査を行ったところ」とあればこのパターンです。

例題3-2標準現金過不足の一連

次の一連の取引の仕訳を示しなさい(会計期間は4月1日〜翌3月31日)。

(1) 10月20日 現金の実際有高を調べたところ 412,000円であり、帳簿残高 435,000円より少なかった。
(2) 11月5日 上記の不足額のうち 15,000円は、通信費の支払いの記帳漏れであることが判明した。
(3) 12月18日 さらに 6,000円は、売掛金回収の記帳漏れであることが判明した。
(4) 3月31日 決算日を迎えたが、残額の原因は判明しなかった。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)現金過不足23,000現  金23,000
(2)通 信 費15,000現金過不足15,000
(3)現金過不足6,000売 掛 金6,000
(4)雑  損14,000現金過不足14,000

解説:(1) 435,000 - 412,000 = 23,000 の不足。
(3)が難所です。売掛金の回収を記帳し忘れていた=本来もっと現金が増えているはずだったので、不足の原因ではなく「過剰」の原因です。したがって現金過不足を借方に追加します。
(4) 現金過不足勘定の残高:借方23,000 + 借方6,000 - 貸方15,000 = 借方14,000。借方残なので雑損で消します。
つまずきポイント:(3)を機械的に「(借)現金過不足/(貸)売掛金」と書けるかどうか。「記帳漏れの仕訳を、相手を現金過不足にして書く」と考えると迷いません(本来は(借)現金/(貸)売掛金 だった仕訳の、現金の部分を現金過不足に置き換える)。

3-3当座預金と当座借越

当座預金は、小切手の振出しに使う無利息の預金です。3級では次の2点だけ押さえます。

  • 小切手を振り出したら、その時点で当座預金の減少として記帳する(相手が銀行に持ち込んだ日ではない)
  • 残高を超えて小切手を振り出すことを当座借越といい、あらかじめ銀行と当座借越契約(借越限度額の設定)を結んでおく必要がある
POINT

期中は、当座借越が生じても当座預金勘定をそのままマイナス(貸方残高)にしておきます。そして決算日に、貸方残高を「当座借越」または「借入金」という負債の勘定へ振り替えます
(借)当座預金 ×××/(貸)当座借越(または借入金)×××
理由は簡単で、資産のマイナスをB/Sの資産欄に載せるわけにいかないからです。マイナスの預金=実質的な借入なので、負債に置き換えます。

注意

この振替をした場合、翌期首に必ず逆の仕訳(再振替仕訳)で元に戻します
翌期首:(借)当座借越 ×××/(貸)当座預金 ×××
これを忘れると、翌期の当座預金残高がずっと狂ったままになります。第3問の決算整理でも「当座預金の貸方残高を借入金に振り替える」という指示がよく出ます。

例題3-3標準当座借越

ジェイ商事(決算日3月31日)は、取引銀行と借越限度額 1,000,000円の当座借越契約を結んでいる。次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 3月10日 買掛金 720,000円を支払うため小切手を振り出した。振出直前の当座預金残高は 500,000円であった。
(2) 3月31日 決算にあたり、当座預金勘定の貸方残高を適切な勘定に振り替える。
(3) 4月1日 期首につき、再振替仕訳を行う。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)買 掛 金720,000当座預金720,000
(2)当座預金220,000当座借越220,000
(3)当座借越220,000当座預金220,000

解説:(1) 期中は残高不足でも気にせず、全額を当座預金の減少として処理します(当座預金勘定は貸方残高220,000となる)。
(2) 720,000 - 500,000 = 220,000 が借越額。これを負債へ振り替えます。指示によっては「借入金」を使う場合もあるので、問題文の勘定科目一覧を必ず確認してください。
(3) 翌期首に元に戻します。この再振替を忘れると当座預金の残高が合わなくなります。

3-4普通預金・定期預金と複数口座の管理

複数の銀行に口座を持っている場合、「普通預金○○銀行」のように銀行名を付けた勘定科目を使うことがあります。3級では単に「口座ごとに勘定科目が分かれる」だけの話で、処理そのものは普通預金と同じです。

例題3-4基本複数口座

次の取引の仕訳を示しなさい。当社は「普通預金北海道銀行」「普通預金札幌銀行」の勘定を用いている。

(1) 普通預金北海道銀行口座から普通預金札幌銀行口座へ 800,000円を振り替えた。振込手数料 660円は北海道銀行口座から差し引かれた。
(2) 定期預金 3,000,000円が満期となり、利息 4,500円とともに普通預金札幌銀行口座に入金された。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)普通預金札幌銀行800,000普通預金北海道銀行800,660
支払手数料660
(2)普通預金札幌銀行3,004,500定期預金3,000,000
受取利息4,500

解説:(1) 手数料は引き落とされる側(北海道銀行)から出ていくので、出金額は 800,000 + 660 = 800,660。入金側は 800,000 のままです。両方を800,660にしてしまうのがよくあるミスです。

3-5小口現金 ― 定額資金前渡制度

切手代やタクシー代など少額の支払いのために、各部署の担当者(小口現金係)に一定額を前渡ししておく仕組みを定額資金前渡制度(インプレスト・システム)といいます。

図3-B 小口現金の1週間サイクル(定額資金前渡制度) ① 前渡し(月曜) (借)小口現金 50,000 (貸)当座預金 50,000 小切手を振り出して渡す ② 支払い(週中) 仕訳しない 小口現金係が小口現金 出納帳に記入するのみ ③ 報告(金曜) (借)通信費・交通費 等 (貸)小口現金 42,300 ここで初めて費用計上 ④ 補給(金 or 翌月曜) (借)小口現金 42,300 (貸)当座預金 42,300 使った分だけ補給し50,000に ポイント:② 支払時には仕訳をしない。③ 報告を受けた時にまとめて費用計上する。 補給額は「使った金額」と必ず一致し、補給後の小口現金はいつでも定額(この例では50,000)に戻る。
例題3-5標準小口現金

当社は定額資金前渡制度(週間、定額 60,000円)を採用している。次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 週末に小口現金係から次の支払報告を受けた。旅費交通費 21,400円、通信費 9,800円、消耗品費 12,300円、雑費 3,500円。
(2) ただちに小切手を振り出して同額を補給した。
(3) (別解)報告と補給が同時に行われた場合の仕訳を、1つにまとめて示しなさい。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)旅費交通費21,400小口現金47,000
通 信 費9,800
消耗品費12,300
雑  費3,500
(2)小口現金47,000当座預金47,000
(3)旅費交通費21,400当座預金47,000
通 信 費9,800
消耗品費12,300
雑  費3,500

解説:支払報告の合計 21,400+9,800+12,300+3,500 = 47,000。定額資金前渡制度では補給額=使用額なので、この47,000がそのまま補給額になります。
(3)のように「報告と補給が同時」の場合、小口現金勘定は増減が相殺されるので登場しません。本試験では(3)の形で出題されることが多いので、こちらを標準形として覚えてください。

例題3-6応用現金勘定の推定

次の資料から、当期末の現金の実際有高を求めなさい。

金庫の中身:紙幣・硬貨 78,500円/得意先振出の小切手 120,000円/当店振出の小切手 90,000円/郵便為替証書 35,000円/収入印紙(未使用)8,000円/期限到来後の社債利札 6,000円/IOU(従業員の借用書)20,000円

解答・解説を見る

現金の実際有高 = 239,500円

金庫の中身金額現金か正しい科目
紙幣・硬貨78,500現金
得意先振出の小切手120,000現金
当店振出の小切手90,000×当座預金(振出時の減少を取り消す)
郵便為替証書35,000現金
収入印紙(未使用)8,000×貯蔵品(決算整理で振替)
期限到来後の社債利札6,000現金
従業員の借用書20,000×従業員貸付金(債権)
現金となるもの 合計239,50078,500+120,000+35,000+6,000

つまずきポイント:「金庫にあるもの=現金」ではありません。収入印紙・切手・借用書・自己振出小切手の4つは現金から除外する定番のひっかけです。この問題が解ければ、現金論点は完成です。

確認問題 3全14問/目標正答 11問以上
1売掛金 180,000円の回収として、送金小切手を受け取った。
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(借)現金 180,000 /(貸)売掛金 180,000
2商品 260,000円を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。
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(借)仕入 260,000 /(貸)当座預金 260,000
3保有する株式の配当金領収証 32,000円を受け取った。
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(借)現金 32,000 /(貸)受取配当金 32,000
4現金の実際有高が帳簿残高より 9,400円多かった(原因不明)。
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(借)現金 9,400 /(貸)現金過不足 9,400
5上記4の過剰額のうち 7,000円は、受取手数料の記帳漏れと判明した。
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(借)現金過不足 7,000 /(貸)受取手数料 7,000
6決算日となり、現金過不足の貸方残高 2,400円の原因が判明しなかった。
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(借)現金過不足 2,400 /(貸)雑益 2,400
7決算日に現金の実査を行ったところ、実際有高が帳簿残高より 5,600円少なく、原因は不明であった。
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(借)雑損 5,600 /(貸)現金 5,600
※決算日の不一致は現金過不足を経由せず直接 雑損・雑益 とします。
8当座預金残高 300,000円のとき、買掛金 450,000円を小切手を振り出して支払った(借越限度額 1,000,000円)。
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(借)買掛金 450,000 /(貸)当座預金 450,000
※期中は残高不足でも当座預金勘定で処理します。
9決算にあたり、当座預金勘定が 150,000円の貸方残高となっていたため、借入金勘定に振り替えた。
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(借)当座預金 150,000 /(貸)借入金 150,000
10上記9について、翌期首の再振替仕訳を示しなさい。
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(借)借入金 150,000 /(貸)当座預金 150,000
11小口現金係から、旅費交通費 8,600円、消耗品費 4,200円の支払報告を受け、ただちに同額を現金で補給した(報告と補給は同時)。
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(借)旅費交通費 8,600・消耗品費 4,200 /(貸)現金 12,800
12定額資金前渡制度(定額 80,000円)で、週末の小口現金残高が 23,500円であった。補給額はいくらか。
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56,500円(80,000 - 23,500)。補給後は必ず定額80,000に戻ります。
13普通預金口座から当座預金口座へ 500,000円を振り替えた(手数料なし)。
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(借)当座預金 500,000 /(貸)普通預金 500,000
14金庫を実査したところ、紙幣 55,000円、他店振出小切手 40,000円、自店振出小切手 30,000円、郵便切手(未使用)3,000円があった。簿記上の現金はいくらか。
解答を見る
95,000円(55,000+40,000)。自店振出小切手は当座預金、未使用切手は通信費(決算時に貯蔵品)です。

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第4章

商品売買(1) 三分法・返品・諸掛り・手付金

例題5問/確認14問

商品売買は、第1問で毎回2〜3題出る最重要論点であり、第3問の売上原価計算の土台でもあります。ここでの理解が浅いと、決算の「しーくりくりしー」(第18章)が呪文のままになります。丁寧にいきましょう。

4-1三分法 ― 商品を3つの勘定で追う

はじめてさんへ

商品を1個500円で仕入れ、800円で売ったとします。素直に考えれば「商品」という資産が500円分増えて、売ったときに500円分減り、差額300円がもうけ、となりそうです。実際そういう記帳方法(分記法)もありますが、1日に何百個も売る会社では、売るたびに原価を調べるのが不可能です。
そこで実務では、仕入れたときは「仕入」、売ったときは「売上」とだけ記録し、いくら儲かったかは決算でまとめて計算する方法を使います。これが三分法です。

勘定科目分類使うタイミング
仕 入費用商品を仕入れたとき。取得原価で計上する
売 上収益商品を売ったとき。売価で計上する
繰越商品資産決算のときだけ動く。期首・期末の在庫を表す

表4-1 三分法の3勘定。期中は「繰越商品」を1度も使いません。ここが三分法の核心です。

POINT

三分法の基本仕訳は次の2本だけです。

場面借方科目金額貸方科目金額
仕入時仕  入×××買掛金 など×××
売上時売掛金 など×××売  上×××

なお、2021年度以降分記法(商品・商品売買益を使う方法)は3級の出題範囲から削除されています。三分法だけ覚えれば十分です。

4-2返品 ― 逆の仕訳をするだけ

品違い・数量違いなどで商品を返すことを返品といいます。処理は簡単で、元の仕訳をそっくり逆に書くだけです。

場面仕訳意味
仕入戻し
(仕入れた商品を返した)
(借)買掛金 ×××/(貸)仕入 ×××仕入(費用)を取り消す
売上戻り
(売った商品が返ってきた)
(借)売上 ×××/(貸)売掛金 ×××売上(収益)を取り消す

表4-2 返品の処理。※返品時の金額は、返品された商品の売価または仕入価額です。

注意

返品の金額を計算するとき、単価×返品数量で求める問題が頻出します。「@800円の商品を50個売り上げていたが、うち6個が返品された」なら 800×6 = 4,800円です。売上高全体を取り消してしまうミスに注意。

4-3諸掛り ― 誰が負担するかで処理が変わる

商品の運送料・保険料・関税などを諸掛り(しょがかり)といいます。判断の分かれ目は、「誰が負担する約束か」の一点だけです。

図4-A 諸掛りの4パターン判定チャート 諸掛りが出てきた 仕入時(仕入諸掛) 売上時(売上諸掛) 当社負担 仕入原価に含める (借)仕入 /(貸)現金 商品と一体で1行にまとめる 先方(仕入先)負担 立替金 で処理 (借)立替金 /(貸)現金 買掛金から差し引く方法も可 当社負担 発送費(費用) (借)発送費 /(貸)現金 売上からは引かない 先方(得意先)負担 立替金 で処理 (借)立替金 /(貸)現金 売掛金に含める方法も可

判定は「仕入か売上か」×「当社負担か先方負担か」の2軸だけ。問題文の「当社負担」「当店負担」「先方負担」「◯◯商店負担」という言葉を必ず丸で囲んでください。

暗記

「仕入の諸掛りは原価に混ぜる、売上の諸掛りは費用で別立て」
理由:仕入れるためにかかったコストは商品の原価の一部(=商品を手に入れるための総額)ですが、売った後の配送料は商品の原価ではなく販売活動の費用だからです。

例題4-1標準諸掛り

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 商品 400,000円を仕入れ、代金は掛けとした。なお、引取運賃 12,000円は現金で支払った(当社負担)。
(2) 商品 350,000円を仕入れ、代金は掛けとした。なお、発送運賃 9,000円を現金で立て替えて支払った(仕入先負担)。
(3) 商品 620,000円を売り上げ、代金は掛けとした。発送運賃 15,000円は当社負担で現金で支払った。
(4) 商品 480,000円を売り上げ、代金は掛けとした。発送運賃 8,000円は得意先負担であり、現金で立替払いした(立替金勘定を用いる)。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仕  入412,000買 掛 金400,000
現  金12,000
(2)仕  入350,000買 掛 金350,000
立 替 金9,000現  金9,000
(3)売 掛 金620,000売  上620,000
発 送 費15,000現  金15,000
(4)売 掛 金480,000売  上480,000
立 替 金8,000現  金8,000

解説:(1) 当社負担の仕入諸掛は仕入に含めるので、仕入は 400,000+12,000 = 412,000。買掛金はあくまで商品代金の400,000のままです。
(2) 仕入先が負担すべき運賃を立て替えただけなので、仕入原価には含めません。立替金(資産)で処理し、後で回収します。買掛金と相殺して「買掛金 341,000」とする指示が出ることもあります。
(3) 当社負担の売上諸掛は発送費(費用)。売上620,000は減りません。
つまずきポイント:(1)の「仕入412,000/買掛金400,000・現金12,000」という1対2の形が書けるかどうか。ここが3級で最初につまずく壁です。

4-4前払金・前受金 ― 手付金の処理

商品の受け渡し前に代金の一部(手付金・内金)をやりとりすることがあります。まだ商品は動いていないので、仕入・売上を計上してはいけません

立場手付金を支払った・受け取ったとき商品を受け取った・引き渡したとき
買う側(借)前払金(資産)/(貸)現金(借)仕入/(貸)前払金・買掛金
前払金を取り崩し、残額を掛けなどにする
売る側(借)現金/(貸)前受金(負債)(借)前受金・売掛金/(貸)売上
前受金を取り崩し、残額を掛けなどにする

表4-3 手付金の処理。「前」が付く科目は、商品が動いた瞬間に必ず消えると覚えてください。

例題4-2標準前払金・前受金

次の一連の取引について、(A)ジェイ商店(買う側)と(B)札幌商事(売る側)それぞれの仕訳を示しなさい。

① ジェイ商店は札幌商事に商品 900,000円を注文し、手付金として 180,000円を現金で支払った。
② 商品が引き渡され、手付金を差し引いた残額は掛けとした。

解答・解説を見る

(A)ジェイ商店(買う側)

No借方科目金額貸方科目金額
前 払 金180,000現  金180,000
仕  入900,000前 払 金180,000
買 掛 金720,000

(B)札幌商事(売る側)

No借方科目金額貸方科目金額
現  金180,000前 受 金180,000
前 受 金180,000売  上900,000
売 掛 金720,000

解説:②の仕入・売上は必ず全額900,000です。手付金を差し引いた720,000で計上するのは誤り。手付金は「代金の前払い」であって、商品の値引きではありません。
つまずきポイント:試験では「注文時に手付金を支払っていた」という条件が問題文の前半にさりげなく書かれていることがあります。読み飛ばすと前払金を取り崩し忘れます。

4-5売上総利益 ― 何を「もうけ」と呼ぶか

POINT

売上高 - 売上原価 = 売上総利益(粗利)
売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高

この2本の式は、第3問でも第2問でも使います。とくに2本目は「箱の考え方」でイメージすると絶対に忘れません。

図4-B 売上原価の箱 ― 「売れる状態にあった商品」を分ける 売れる状態にあった商品(合計) 期首商品棚卸高 180 当期商品仕入高 1,420 合計 1,600 その後どうなったか 売れた分 = 売上原価 1,385 売れ残り = 期末商品 215 合計 1,600 左右の 合計は 必ず一致

180 + 1,420 = 1,600 が「売れる状態にあった商品」。そのうち売れ残りが215なので、売れた分=売上原価は 1,600 - 215 = 1,385。式を覚えるのではなく、箱を思い浮かべて引き算するのがコツです。

例題4-3標準売上原価・売上総利益

次の資料から、①売上原価、②売上総利益を求めなさい。
期首商品棚卸高 340,000円/当期商品仕入高 2,880,000円/期末商品棚卸高 415,000円/総売上高 4,250,000円/売上戻り 60,000円

解答・解説を見る

売上原価 2,805,000円 ② 売上総利益 1,385,000円

解説:
① 340,000 + 2,880,000 - 415,000 = 2,805,000
② 純売上高 = 4,250,000 - 60,000 = 4,190,000
 売上総利益 = 4,190,000 - 2,805,000 = 1,385,000
つまずきポイント:売上戻り(返品)を引き忘れるのが最頻出ミスです。P/Lに載る「売上高」は、返品・値引きを差し引いた純売上高です。同じく仕入も、仕入戻しを差し引いた純仕入高を使います。

例題4-4標準返品を含む一連取引

次の一連の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 商品 A を@1,200円で300個仕入れ、代金は掛けとした。
(2) 上記のうち 25個が品違いであったため返品した。
(3) 商品 A を@1,900円で240個売り上げ、代金は掛けとした。
(4) 上記のうち 12個が返品された。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仕  入360,000買 掛 金360,000
(2)買 掛 金30,000仕  入30,000
(3)売 掛 金456,000売  上456,000
(4)売  上22,800売 掛 金22,800

解説:(1) 1,200×300 = 360,000 (2) 1,200×25 = 30,000 (3) 1,900×240 = 456,000 (4) 1,900×12 = 22,800
ポイント:返品は元の単価で計算します。売上戻りを仕入単価(1,200円)で計算するミスに注意。

例題4-5応用総合

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 先に手付金 60,000円を支払っていた商品 480,000円を受け取り、残額は約束手形を振り出して支払った。なお、引取運賃 7,500円(当社負担)は現金で支払った。
(2) 商品 750,000円を売り上げ、代金のうち 200,000円は注文時に受け取っていた手付金と相殺し、残額は掛けとした。当社負担の発送費 11,000円は現金で支払った。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仕  入487,500前 払 金60,000
支払手形420,000
現  金7,500
(2)前 受 金200,000売  上750,000
売 掛 金550,000現  金11,000
発 送 費11,000

解説:(1) 仕入 = 商品代480,000 + 引取運賃7,500 = 487,500。支払手形は 480,000 - 60,000 = 420,000。
(2) 借方合計 200,000+550,000+11,000 = 761,000、貸方合計 750,000+11,000 = 761,000 で一致。
検算のコツ:複雑な仕訳ほど、最後に左右の合計が一致するかを必ず確認してください。1問30秒の確認で3点を守れます。

確認問題 4全14問/目標正答 11問以上
1商品@900円を420個仕入れ、代金は掛けとした。
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(借)仕入 378,000 /(貸)買掛金 378,000
2上記1のうち18個を品違いのため返品した。
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(借)買掛金 16,200 /(貸)仕入 16,200(900×18)
3商品 550,000円を仕入れ、代金は掛けとした。当社負担の引取運賃 18,000円は現金で支払った。
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(借)仕入 568,000 /(貸)買掛金 550,000・現金 18,000
4商品 300,000円を仕入れ掛けとした。仕入先負担の運賃 6,000円を現金で立替払いした。
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(借)仕入 300,000/(貸)買掛金 300,000
(借)立替金 6,000/(貸)現金 6,000
5商品 720,000円を売り上げ掛けとした。当社負担の発送費 16,500円を現金で支払った。
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(借)売掛金 720,000/(貸)売上 720,000
(借)発送費 16,500/(貸)現金 16,500
6売り上げた商品@1,500円のうち8個が返品された(掛け取引)。
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(借)売上 12,000 /(貸)売掛金 12,000
7商品 500,000円を注文し、手付金 100,000円を小切手を振り出して支払った。
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(借)前払金 100,000 /(貸)当座預金 100,000
8上記7の商品を受け取り、残額は掛けとした。
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(借)仕入 500,000 /(貸)前払金 100,000・買掛金 400,000
9商品の注文を受け、手付金 75,000円を現金で受け取った。
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(借)現金 75,000 /(貸)前受金 75,000
10上記9の商品 380,000円を引き渡し、手付金を差し引いた残額を掛けとした。
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(借)前受金 75,000・売掛金 305,000 /(貸)売上 380,000
11期首商品 250,000円、当期仕入高 1,960,000円、期末商品 310,000円のとき、売上原価はいくらか。
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1,900,000円(250,000+1,960,000-310,000)
12上記11で、総売上高 2,760,000円、売上戻り 45,000円のとき、売上総利益はいくらか。
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815,000円(純売上 2,715,000 - 売上原価 1,900,000)
13三分法で用いる3つの勘定科目とその分類を答えなさい。また、期中に使わない科目はどれか。
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仕入(費用)・売上(収益)・繰越商品(資産)。期中に使わないのは繰越商品(決算時のみ)。
14商品 640,000円を売り上げ、代金は掛けとした。なお得意先負担の送料 12,000円を現金で立替払いし、売掛金に含めて処理する。
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(借)売掛金 652,000 /(貸)売上 640,000・現金 12,000
※送料を売掛金に含める指示がある場合の処理。立替金勘定を使う指示なら(借)立替金 12,000/(貸)現金 12,000 と分けます。問題文の指示に従うことが最優先です。

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第5章

商品売買(2) 掛取引・クレジット・その他の債権債務

例題7問/確認16問

この章は科目名の暗記が9割です。ただし丸暗記ではなく、「お金を受け取る権利=資産/払う義務=負債」という原理で整理すれば、初見の科目でも判断できるようになります。第1問で最も出題数が多いゾーンです。

5-1売掛金・買掛金と人名勘定

売掛金は「商品を売った代金をあとで受け取る権利」(資産)、買掛金は「商品を買った代金をあとで払う義務」(負債)です。取引先が複数ある場合、得意先ごとに売掛金元帳(得意先元帳)、仕入先ごとに買掛金元帳(仕入先元帳)という補助簿で管理します(第12章)。

注意

試験では、勘定科目に取引先の名前がそのまま使われる(人名勘定)ことがあります。「北海商店」「ジェイ商会」といった科目が勘定科目一覧に並んでいたら、それは売掛金・買掛金の代わりです。売った相手なら資産、買った相手なら負債として扱います。

5-2クレジット売掛金 ― 手数料の扱いが山

POINT

クレジットカード払いで商品を売ったときは、クレジット売掛金(資産)を使います。カード会社に支払う手数料は販売した時点で「支払手数料」として計上し、クレジット売掛金は手数料を差し引いた「実際に入金される金額」で計上します。

場面借方科目金額貸方科目金額
販売時クレジット売掛金97,000売  上100,000
支払手数料3,000
入金時普通預金97,000クレジット売掛金97,000

※売上は手数料を引く前の総額100,000で計上します。ここを97,000にしてしまうのが最頻出ミスです。

例題5-1標準クレジット売掛金

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 商品 250,000円をクレジット払いの条件で販売した。信販会社への手数料(販売代金の4%)は販売時に計上する。
(2) 上記の代金が信販会社から普通預金口座に入金された。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)クレジット売掛金240,000売  上250,000
支払手数料10,000
(2)普通預金240,000クレジット売掛金240,000

解説:手数料 = 250,000 × 4% = 10,000。クレジット売掛金 = 250,000 - 10,000 = 240,000
電卓のコツ:250000 × 4 % で10,000が出ます(%キーを使うと ÷100 が省ける)。続けて 250000 - 10000 でも良いですが、250000 × 96 % = 240,000 と一発で出すほうが速く、打ち間違いも減ります。

5-3貸付金・借入金 ― 利息の計算が本体

暗記

利息 = 元本 × 年利率 × 期間(月数÷12 または 日数÷365)
「年利」と書いてあるのに月数で按分し忘れる、というミスが必ず起きます。問題文に「年利率」とあったら、必ず期間の分数を掛けると機械的に決めてください。

場面貸した側(当社が貸付)借りた側(当社が借入)
実行時(借)貸付金/(貸)現金(借)現金/(貸)借入金
返済・回収時(借)現金/(貸)貸付金・受取利息(借)借入金・支払利息/(貸)現金
手形を用いた場合手形貸付金(資産)手形借入金(負債)

表5-1 貸付・借入の処理。金銭の貸借に約束手形を用いた場合は「受取手形」「支払手形」ではなく手形貸付金・手形借入金を使う点に注意。

例題5-2標準利息の計算

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 取引先に現金 1,200,000円を貸し付け、借用証書を受け取った。貸付期間は9か月、年利率 2.4%、利息は返済時に受け取る。
(2) 上記の貸付金が満期となり、利息とともに普通預金口座に入金された。
(3) 銀行から 3,000,000円を借り入れ、約束手形を振り出した。利息(年利率 1.8%、期間4か月)は借入時に差し引かれ、残額が当座預金に入金された。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)貸 付 金1,200,000現  金1,200,000
(2)普通預金1,221,600貸 付 金1,200,000
受取利息21,600
(3)当座預金2,982,000手形借入金3,000,000
支払利息18,000

解説:
(2) 利息 = 1,200,000 × 2.4% × 9/12 = 21,600。入金額 = 1,200,000 + 21,600 = 1,221,600
(3) 利息 = 3,000,000 × 1.8% × 4/12 = 18,000。入金額 = 3,000,000 - 18,000 = 2,982,000。借入金は額面3,000,000で計上します。
つまずきポイント:(3)のように約束手形を振り出して金銭を借りた場合は「支払手形」ではなく手形借入金。商品売買の手形と区別されます。

5-4未収入金・未払金 ― 商品以外の後払い

POINT

商品(本業の売買対象)の後払い = 売掛金・買掛金
それ以外の後払い = 未収入金・未払金
「それ以外」の代表例:備品・車両・土地などの固定資産の売買、有価証券の売買、貸倒れ処理した債権の回収など。

例題5-3基本未収入金・未払金

次の取引の仕訳を示しなさい。当社は事務用品の販売業を営んでいる。

(1) 販売用のコピー用紙 180,000円を掛けで仕入れた。
(2) 社内で使用する応接セット 340,000円を購入し、代金は翌月末払いとした。
(3) 帳簿価額 500,000円の営業用車両を 480,000円で売却し、代金は翌月受け取ることとした(減価償却累計額は考慮しない)。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仕  入180,000買 掛 金180,000
(2)備  品340,000未 払 金340,000
(3)未収入金480,000車両運搬具500,000
固定資産売却損20,000

解説:同じ「紙」でも、売るために買えば商品(仕入)、自社で使うために買えば消耗品費や備品です。(1)と(2)の違いはここ。
(3) 車両を売って代金が未回収なので未収入金。「売掛金」ではありません。

5-5立替金・預り金 ― 誰のお金かで決まる

科目分類典型例
立替金
(従業員立替金)
資産従業員が負担すべき生命保険料・社宅費などを会社が先に払った
所得税預り金負債給料から源泉徴収した所得税。翌月10日までに国へ納付する
社会保険料預り金負債給料から控除した健康保険料・厚生年金保険料の従業員負担分
法定福利費費用社会保険料の会社負担分。納付時に費用計上する

表5-2 給与まわりの科目。実務でもそのまま使う知識です。

例題5-4応用給与と社会保険料

次の一連の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 7月25日 給料総額 1,450,000円のうち、源泉所得税 78,000円、社会保険料(従業員負担分)198,000円、従業員立替金 25,000円を差し引き、残額を普通預金口座から振り込んだ。
(2) 8月10日 源泉所得税 78,000円を現金で納付した。
(3) 8月31日 社会保険料 396,000円(従業員負担分 198,000円、会社負担分 198,000円)を普通預金口座から納付した。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)給  料1,450,000所得税預り金78,000
社会保険料預り金198,000
従業員立替金25,000
普通預金1,149,000
(2)所得税預り金78,000現  金78,000
(3)社会保険料預り金198,000普通預金396,000
法定福利費198,000

解説:(1) 手取額 = 1,450,000 -(78,000+198,000+25,000)= 1,149,000
(3) 会社負担分は法定福利費(費用)。ここが本問の最重要ポイントで、実務でもよく間違えられる論点です。
覚え方:従業員から預かった分は「返す(納める)だけ」なので負債の取り崩し、会社が自腹で出す分は「会社のコスト」なので費用。

5-6仮払金・仮受金 ― 中身が決まるまでの一時置き場

POINT

仮払金(資産):金額は出ていったが、何に使うかまだ確定していない(出張旅費の概算払いなど)
仮受金(負債):入金はあったが、何の入金かわからない(内容不明の振込など)
いずれも内容が判明した時点で全額を取り崩し、正しい科目へ振り替えます。決算時に残っていてはいけない科目です。

例題5-5標準仮受金

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 出張中の従業員から当座預金口座に 350,000円の入金があったが、内容は不明である。
(2) 従業員が帰社し、上記の入金は得意先からの売掛金回収 300,000円と、商品注文の手付金 50,000円であることが判明した。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)当座預金350,000仮 受 金350,000
(2)仮 受 金350,000売 掛 金300,000
前 受 金50,000

解説:判明時は仮受金の全額350,000を借方で消すのが鉄則。部分的に取り崩すのは誤りです。

5-7受取商品券・差入保証金

例題5-6基本受取商品券・差入保証金

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 商品 42,000円を売り上げ、代金は共通商品券 40,000円で受け取り、差額は現金で受け取った。
(2) 保有する共通商品券 40,000円を発行元に引き渡し、現金で精算を受けた。
(3) 事務所の賃借契約を結び、敷金 300,000円、仲介手数料 150,000円、当月分家賃 150,000円を普通預金口座から支払った。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)受取商品券40,000売  上42,000
現  金2,000
(2)現  金40,000受取商品券40,000
(3)差入保証金300,000普通預金600,000
支払手数料150,000
支払家賃150,000

解説:(3) 敷金は退去時に返ってくるので資産(差入保証金)、仲介手数料は戻らないので費用(支払手数料)、家賃は費用。この3つを分けられるかが本問の勝負どころです。

例題5-7応用総合

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 従業員の出張にあたり、旅費の概算額 90,000円を現金で前渡しした。
(2) 従業員が帰社し、旅費 74,500円の報告を受けるとともに、得意先から回収した売掛金 200,000円の現金を受け取った。旅費の残額は現金で返金された。
(3) 商品 620,000円をクレジット払いの条件で販売した。手数料は販売代金の3.5%で、販売時に計上する。

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No借方科目金額貸方科目金額
(1)仮 払 金90,000現  金90,000
(2)旅費交通費74,500仮 払 金90,000
現  金215,500売 掛 金200,000
(3)クレジット売掛金598,300売  上620,000
支払手数料21,700

解説:(2) 現金の増減を1本にまとめます。旅費の戻り 90,000 - 74,500 = 15,500 と、売掛金回収 200,000 の合計 215,500 が現金の増加。左右の合計は 290,000 で一致します。
(3) 620,000 × 3.5% = 21,700。620,000 - 21,700 = 598,300。電卓は620000 × 96.5 %で598,300が一発で出ます。

確認問題 5全16問/目標正答 12問以上
1商品 180,000円をクレジット払いで販売した。手数料は代金の5%で販売時に計上する。
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(借)クレジット売掛金 171,000・支払手数料 9,000 /(貸)売上 180,000
2上記1の代金が当座預金口座に入金された。
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(借)当座預金 171,000 /(貸)クレジット売掛金 171,000
3取引先に 800,000円を貸し付け、小切手を振り出した。
解答を見る
(借)貸付金 800,000 /(貸)当座預金 800,000
4上記3の貸付金を6か月後に回収し、利息(年利率3%)とともに現金で受け取った。
解答を見る
(借)現金 812,000 /(貸)貸付金 800,000・受取利息 12,000
(800,000×3%×6/12=12,000)
5銀行から 1,500,000円を借り入れ、約束手形を振り出して当座預金に入金された(利息は返済時払い)。
解答を見る
(借)当座預金 1,500,000 /(貸)手形借入金 1,500,000
6不要になった備品(帳簿価額 120,000円)を 90,000円で売却し、代金は月末受取りとした。
解答を見る
(借)未収入金 90,000・固定資産売却損 30,000 /(貸)備品 120,000
7従業員が負担すべき保険料 32,000円を現金で立替払いした。
解答を見る
(借)従業員立替金 32,000 /(貸)現金 32,000
8給料 860,000円の支払時に、源泉所得税 43,000円と上記7の立替分 32,000円を差し引き、残額を普通預金から振り込んだ。
解答を見る
(借)給料 860,000 /(貸)所得税預り金 43,000・従業員立替金 32,000・普通預金 785,000
9社会保険料 240,000円(従業員負担分 120,000円、会社負担分 120,000円)を当座預金から納付した。
解答を見る
(借)社会保険料預り金 120,000・法定福利費 120,000 /(貸)当座預金 240,000
10出張する従業員に概算払いとして現金 50,000円を渡した。
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(借)仮払金 50,000 /(貸)現金 50,000
11上記10について、旅費 56,000円の報告を受け、不足額を現金で支払った。
解答を見る
(借)旅費交通費 56,000 /(貸)仮払金 50,000・現金 6,000
12内容不明の当座振込 180,000円があった。
解答を見る
(借)当座預金 180,000 /(貸)仮受金 180,000
13上記12は、得意先からの売掛金回収と判明した。
解答を見る
(借)仮受金 180,000 /(貸)売掛金 180,000
14商品 65,000円を売り上げ、代金は自治体発行の商品券 70,000円で受け取り、釣銭を現金で支払った。
解答を見る
(借)受取商品券 70,000 /(貸)売上 65,000・現金 5,000
15店舗の賃借にあたり敷金 480,000円を普通預金から支払った。
解答を見る
(借)差入保証金 480,000 /(貸)普通預金 480,000
16売掛金と未収入金の違いを一言で説明しなさい。
解答を見る
商品(本業の売買対象)の代金の未回収額が売掛金、それ以外(固定資産の売却代金など)の未回収額が未収入金。

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第6章

手形と電子記録債権・債務

例題4問/確認12問

手形は3級では「約束手形だけ」と割り切って構いません。裏書譲渡・割引・為替手形はすべて2級以上の範囲です。覚えることが少ないわりに毎回出るので、確実に得点したい論点です。

6-1約束手形のしくみ

はじめてさんへ

約束手形は「○月○日に、この金額を必ず払います」と書いた紙です。小切手が「今すぐ銀行で換金してください」なのに対し、手形は「期日が来たら換金してください」という時間差がある点が違います。
紙を作って渡す側(=支払う人)振出人受け取る側(=あとでお金をもらう人)名宛人(受取人)といいます。

立場使う勘定科目タイミング
受け取った側
(代金をもらう)
受取手形(資産)受取時に借方 → 期日に入金されたら貸方(消滅)
振り出した側
(代金を払う)
支払手形(負債)振出時に貸方 → 期日に引き落とされたら借方(消滅)

表6-1 手形の2科目。「受け取ったら受取手形(資産)、振り出したら支払手形(負債)」とそのままです。

注意

次の2つは3級では「手形」の科目を使いません。第1問のひっかけとして頻出です。
金銭の貸し借りに手形を使った → 手形貸付金・手形借入金(第5章)
手形の裏書譲渡・割引 → 3級の出題範囲外(2級で学習)

例題6-1基本手形の基本

次の取引について、(A)ジェイ商店と(B)札幌商事それぞれの仕訳を示しなさい。

① ジェイ商店は札幌商事から商品 560,000円を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。
② 手形の満期日が到来し、当座預金口座で決済された。

解答・解説を見る

(A)ジェイ商店(振り出した側)

No借方科目金額貸方科目金額
仕  入560,000支払手形560,000
支払手形560,000当座預金560,000

(B)札幌商事(受け取った側)

No借方科目金額貸方科目金額
受取手形560,000売  上560,000
当座預金560,000受取手形560,000

解説:両者の仕訳がきれいに鏡になっています。「相手の立場でも書けるか」を確認する習慣をつけると、理解が一気に深まります。

6-2電子記録債権・電子記録債務

紙の手形を電子化したものが電子記録債権(でんさい)です。処理の考え方は手形とまったく同じで、売掛金・買掛金を電子記録に「振り替える」点だけが特徴です。

場面債権者(売った側)債務者(買った側)
発生記録
(電子債権が生まれた)
(借)電子記録債権/(貸)売掛金(借)買掛金/(貸)電子記録債務
決済(消滅記録)(借)当座預金/(貸)電子記録債権(借)電子記録債務/(貸)当座預金

表6-2 電子記録債権・債務の処理。発生時は「売掛金・買掛金からの振替」である点が最大のポイントです。

POINT

電子記録債権の発生記録の仕訳で「売上」を計上してはいけません。商品を売った時点ですでに売上は計上済みで、電子記録はその債権の「形が変わった」だけだからです。
×(借)電子記録債権/(貸)売上  ○(借)電子記録債権/(貸)売掛金

例題6-2標準電子記録債権

次の一連の取引の仕訳を示しなさい(当社は債権者の立場)。

(1) 得意先に商品 480,000円を掛けで販売した。
(2) 上記の売掛金について、取引銀行を通じて電子記録債権の発生記録を行った。
(3) 満期日に、上記の電子記録債権が当座預金口座に入金された。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)売 掛 金480,000売  上480,000
(2)電子記録債権480,000売 掛 金480,000
(3)当座預金480,000電子記録債権480,000

解説:(2)で売掛金が消えて電子記録債権に変身する、という流れをおさえてください。第2問の勘定記入問題で「売掛金勘定の貸方に電子記録債権がある」形で問われることがあります。

6-3受取手形記入帳・支払手形記入帳

手形の明細を管理する補助簿です。「てん末」欄がポイントで、ここに記入があれば手形が決済(消滅)したことを意味します。

例題6-3応用手形記入帳の読み取り

次の受取手形記入帳から、(1)6月12日、(2)8月12日 の仕訳を推定しなさい。

日付摘要金額支払人満期日てん末
6/12売上340,000北見商店8/128/12当座入金
解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)受取手形340,000売  上340,000
(2)当座預金340,000受取手形340,000

読み方の型:
「摘要」欄=手形を受け取った原因(売上、売掛金 など)→ 相手科目になる
「てん末」欄=手形が消滅した原因(当座入金、取立 など)→ 消滅時の仕訳の相手科目になる
この2列を見るだけで仕訳が2本作れます。支払手形記入帳も同じ読み方(摘要=振出の原因、てん末=決済)です。

例題6-4標準総合

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 買掛金 720,000円の支払いのため、約束手形を振り出した。
(2) 買掛金 350,000円について、取引銀行を通じて電子記録債務の発生記録を行った。
(3) 取引先に 900,000円を貸し付け、同額の約束手形を受け取った。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)買 掛 金720,000支払手形720,000
(2)買 掛 金350,000電子記録債務350,000
(3)手形貸付金900,000現  金900,000

解説:(3)が本章最大のひっかけ。商品売買ではなく金銭の貸借なので「受取手形」ではなく手形貸付金です。判定基準は「何の対価か」。商品なら受取手形・支払手形、お金なら手形貸付金・手形借入金。

確認問題 6全12問/目標正答 9問以上
1商品 420,000円を売り上げ、代金は同店振出の約束手形で受け取った。
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(借)受取手形 420,000 /(貸)売上 420,000
2商品 380,000円を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。
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(借)仕入 380,000 /(貸)支払手形 380,000
3受取手形 420,000円が満期となり、当座預金口座に入金された。
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(借)当座預金 420,000 /(貸)受取手形 420,000
4支払手形 380,000円が満期となり、当座預金口座から引き落とされた。
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(借)支払手形 380,000 /(貸)当座預金 380,000
5売掛金 250,000円の回収として、得意先振出の約束手形を受け取った。
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(借)受取手形 250,000 /(貸)売掛金 250,000
6売掛金 600,000円について電子記録債権の発生記録を行った。
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(借)電子記録債権 600,000 /(貸)売掛金 600,000
7電子記録債権 600,000円が普通預金口座に入金された。
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(借)普通預金 600,000 /(貸)電子記録債権 600,000
8買掛金 430,000円について電子記録債務の発生記録が行われた。
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(借)買掛金 430,000 /(貸)電子記録債務 430,000
9電子記録債務 430,000円が当座預金口座から引き落とされた。
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(借)電子記録債務 430,000 /(貸)当座預金 430,000
10取引先から 500,000円を借り入れ、約束手形を振り出して現金を受け取った。
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(借)現金 500,000 /(貸)手形借入金 500,000
11支払手形記入帳の「てん末」欄に記入があるとき、何が起きたことを意味するか。
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その手形が決済(支払い)されて消滅したことを意味します。仕訳は(借)支払手形/(貸)当座預金 など。
12手形の裏書譲渡・割引は3級の出題範囲か。
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範囲外(2級の範囲)。3級では約束手形の振出・受入・決済、手形貸付金・手形借入金、電子記録債権・債務までを学習します。

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第7章

貸倒れと貸倒引当金

例題4問/確認12問

売掛金や受取手形が回収できなくなることを貸倒れといいます。3級では、「いつ発生した債権か」で処理が変わるという一点さえ押さえれば完璧です。第1問・第3問の両方で出る重要論点です。

7-1貸倒引当金とは ― 「先に見積もっておく」発想

はじめてさんへ

売掛金100万円のうち、経験上2万円くらいは回収できないだろう、と予想がつくとします。実際に貸し倒れるのは来期かもしれませんが、その売上を計上した今期のうちに、損失も見込んでおくべきだ、というのが会計の考え方です(費用収益対応の原則)。
この「見込みの損失」を計上するための箱が貸倒引当金です。

POINT

貸倒引当金は「資産のマイナス」を表す特殊な勘定です(評価勘定)。負債ではありません。
B/Sでは、売掛金の下に控除形式で表示されます。

貸借対照表(一部)金額 
売掛金1,000,000
 貸倒引当金△20,000980,000

7-2決算時の設定 ― 差額補充法

暗記

繰入額 = 設定すべき金額 - 決算整理前の貸倒引当金残高
これが差額補充法です。3級はこの方法だけ覚えれば十分です。
・繰入額がプラス →(借)貸倒引当金繰入(費用)/(貸)貸倒引当金
・繰入額がマイナス(残高が多すぎた)→(借)貸倒引当金/(貸)貸倒引当金戻入(収益)

例題7-1標準差額補充法

決算にあたり、売掛金 1,800,000円と受取手形 700,000円の期末残高に対して2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。決算整理前の貸倒引当金残高は次の各ケースのとおりである。それぞれの仕訳を示しなさい。

(1) 貸倒引当金残高 18,000円 (2) 貸倒引当金残高 55,000円 (3) 貸倒引当金残高 0円

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設定すべき金額 =(1,800,000 + 700,000)× 2% = 50,000円

No借方科目金額貸方科目金額
(1)貸倒引当金繰入32,000貸倒引当金32,000
(2)貸倒引当金5,000貸倒引当金戻入5,000
(3)貸倒引当金繰入50,000貸倒引当金50,000

解説:(1) 50,000 - 18,000 = 32,000 を追加。(2) 50,000 - 55,000 = △5,000 なので5,000を取り崩し、収益(戻入)とします。
つまずきポイント:設定額50,000をそのまま繰り入れてしまうのが最頻出ミス。差額補充法は「不足分だけ足す」方法です。必ず整理前残高を確認するクセをつけてください。
もう1つの罠:貸倒引当金の設定対象は売掛金・受取手形・電子記録債権などの営業債権です。問題によっては貸付金も対象に含める指示が出ます。「売掛金及び受取手形の期末残高に対し」と書かれていれば、その2つだけで計算します。

7-3実際に貸し倒れたとき ― 3パターン

図7-A 貸倒れ発生時の判定フロー 売掛金が貸し倒れた 前期以前に発生した債権 当期に発生した債権 引当金残高で足りる (借)貸倒引当金 (貸)売掛金 引当金残高で足りない (借)貸倒引当金+貸倒損失 (貸)売掛金 引当金は使えない (借)貸倒損失(費用) (貸)売掛金 当期に売り上げた分は、まだ引当金を積んでいない = 全額が当期の損失
例題7-2標準貸倒れの3パターン

次の各ケースの仕訳を示しなさい。貸倒引当金の残高は 80,000円である。

(1) 前期に発生した売掛金 55,000円が貸し倒れた。
(2) 前期に発生した売掛金 120,000円が貸し倒れた。
(3) 当期に発生した売掛金 46,000円が貸し倒れた。

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No借方科目金額貸方科目金額
(1)貸倒引当金55,000売 掛 金55,000
(2)貸倒引当金80,000売 掛 金120,000
貸倒損失40,000
(3)貸倒損失46,000売 掛 金46,000

解説:(2) 引当金80,000をまず全額使い切り、不足する40,000だけを貸倒損失とします。
(3) 当期発生分に対しては、まだ引当金を積んでいません(引当金は前期末の債権残高に対して設定したもの)。したがって引当金は一切使えず、全額が貸倒損失です。
試験での見分け方:問題文の「前期に生じた」「前期発生の」という言葉が判定の鍵。書かれていなければ、日付(前期の日付か当期の日付か)で判断します。

7-4償却債権取立益 ― 貸倒れた債権が戻ってきた

POINT

過去に貸倒れとして処理した債権が、その後回収できた場合は償却債権取立益(収益)で処理します。
(借)現金 ×××/(貸)償却債権取立益 ×××
すでに売掛金は帳簿から消えているので、売掛金を復活させたり貸倒引当金を戻したりはしません。

例題7-3標準償却債権取立益

前々期に貸倒れとして処理していた売掛金 90,000円のうち、48,000円を現金で回収した。仕訳を示しなさい。

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
現  金48,000償却債権取立益48,000

解説:回収できた48,000だけを収益に計上します。残りの42,000について何かをする必要はありません。
注意:当期に貸倒処理した債権を当期中に回収した場合は、貸倒れの仕訳を取り消します((借)売掛金/(貸)貸倒引当金 など)。「前期以前に貸倒処理」という条件を必ず確認してください。

例題7-4応用貸倒引当金勘定の推定

次の貸倒引当金勘定の(ア)(イ)に入る金額を求めなさい。当期中に前期発生の売掛金 62,000円が貸し倒れている。決算整理では、期末の売掛金 2,400,000円に対して3%の貸倒引当金を差額補充法で設定した。

貸倒引当金
売 掛 金 ( ア )前期繰越  85,000
次期繰越 ( イ )貸倒引当金繰入 (  )
解答・解説を見る

ア = 62,000円 イ = 72,000円(貸倒引当金繰入 = 49,000円)

解説:
ア:当期の貸倒れ額がそのまま引当金の取崩し額なので 62,000
イ:次期繰越=期末に設定すべき残高 = 2,400,000 × 3% = 72,000
繰入額:整理前残高 = 85,000 - 62,000 = 23,000。72,000 - 23,000 = 49,000
検算:借方合計 62,000+72,000 = 134,000、貸方合計 85,000+49,000 = 134,000。一致します。
ここが第2問の頻出パターンです。「期中に貸倒れがあると、整理前残高が減っている」という点を必ず織り込んでください。

確認問題 7全12問/目標正答 9問以上
1決算にあたり、売掛金残高 1,500,000円に対し2%の貸倒引当金を設定する。引当金残高は 12,000円(差額補充法)。
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(借)貸倒引当金繰入 18,000 /(貸)貸倒引当金 18,000
(1,500,000×2%=30,000、30,000-12,000=18,000)
2売掛金 900,000円・受取手形 400,000円に対し3%を設定。引当金残高 45,000円(差額補充法)。
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(借)貸倒引当金 6,000 /(貸)貸倒引当金戻入 6,000
(1,300,000×3%=39,000、39,000-45,000=△6,000)
3前期発生の売掛金 70,000円が貸し倒れた。引当金残高 150,000円。
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(借)貸倒引当金 70,000 /(貸)売掛金 70,000
4前期発生の受取手形 200,000円が貸し倒れた。引当金残高 130,000円。
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(借)貸倒引当金 130,000・貸倒損失 70,000 /(貸)受取手形 200,000
5当期に発生した売掛金 85,000円が貸し倒れた。引当金残高 200,000円。
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(借)貸倒損失 85,000 /(貸)売掛金 85,000
※当期発生分に引当金は使えません。
6前期に貸倒処理した売掛金 55,000円を現金で回収した。
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(借)現金 55,000 /(貸)償却債権取立益 55,000
7貸倒引当金はB/S上どのように表示されるか。
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売掛金・受取手形などの下に控除形式(△表示)で表示され、差引後の金額が回収可能見込額を表します。
8貸倒引当金繰入と貸倒損失は、それぞれ何の勘定か(分類)。
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どちらも費用。P/Lでは販売費及び一般管理費に区分されます。
9期末売掛金 3,200,000円に2.5%、引当金残高 44,000円、当期中に前期発生分 26,000円の貸倒れがあり、すでに引当金を取り崩している。繰入額は。
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36,000円。設定額 3,200,000×2.5%=80,000。整理前残高は44,000(すでに取崩後の金額)。80,000-44,000=36,000。
※「44,000」が取崩前か取崩後かを問題文で必ず確認すること。
10貸倒引当金を設定する目的を一言で説明しなさい。
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将来の貸倒れによる損失を、その原因となる売上を計上した期間の費用として先に見積計上するため(費用収益対応)。
11差額補充法とはどのような方法か。
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期末に設定すべき額と、決算整理前の引当金残高との差額だけを繰り入れる(または戻し入れる)方法。
12当期に貸倒処理した売掛金 30,000円を、同じ当期中に現金で回収した。
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(借)現金 30,000 /(貸)貸倒損失 30,000
※当期中の取消しなので、計上した貸倒損失を取り消します(当期に引当金を取り崩していた場合は貸倒引当金を戻します)。

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第8章

有形固定資産 ― 取得・減価償却・売却

例題6問/確認14問

建物・備品・車両・土地などを有形固定資産といいます。3級で問われるのは①取得原価の決定 ②減価償却(定額法・間接法) ③売却 ④資本的支出と収益的支出の4つ。中でも期中に取得・売却したときの月割計算が最大の失点ポイントです。

8-1取得原価 ― 付随費用を含める

POINT

取得原価 = 購入代価 + 付随費用
付随費用の例:引取運賃、据付費、試運転費、仲介手数料、登記費用、整地費用、不動産取得税(※問題の指示による)
「使える状態にするまでにかかった支出はすべて取得原価に含める」と考えます。

例題8-1基本取得原価

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 営業用の車両 2,400,000円を購入し、登録手数料 45,000円、納車費用 25,000円とともに小切手を振り出して支払った。
(2) 事務所用の土地 12,000,000円を購入し、仲介手数料 360,000円、整地費用 240,000円とともに、代金は翌月末払いとした。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)車両運搬具2,470,000当座預金2,470,000
(2)土  地12,600,000未 払 金12,600,000

解説:(1) 2,400,000+45,000+25,000 = 2,470,000。(2) 12,000,000+360,000+240,000 = 12,600,000
つまずきポイント:付随費用を「支払手数料」「雑費」などの費用にしてしまうミス。固定資産の取得に伴う支出は、原則すべて資産に含めると覚えてください。
なお、固定資産を後払いで買った場合は未払金(買掛金ではない)です。

8-2減価償却 ― 定額法・間接法

はじめてさんへ

200万円の車を買って、1年目に200万円を全部費用にしてしまうと、その年だけ大赤字になり、2年目以降はタダで車を使えることになってしまいます。実際には車は5年、10年と使うので、使う年数で分割して費用にするのが合理的です。これが減価償却です。

暗記

減価償却費 =(取得原価 - 残存価額)÷ 耐用年数(定額法)
残存価額がゼロの場合は 取得原価 ÷ 耐用年数。3級では残存価額ゼロの出題が主流ですが、「残存価額は取得原価の10%」という条件も出ます。
期中取得・期中売却の場合は× 使用月数 ÷ 12 を必ず掛けます。

POINT

3級の記帳方法は間接法のみです。固定資産の金額を直接減らさず、減価償却累計額という「資産のマイナス勘定」に積み上げます。

借方科目金額貸方科目金額
減価償却費(費用)×××減価償却累計額×××

B/Sでは、備品の下に△減価償却累計額として控除形式で表示します。差引後の金額を帳簿価額(簿価)といいます。

図8-A 減価償却のイメージ(取得原価 1,200,000円・耐用年数5年・残存価額ゼロ) 帳簿価額の推移(毎年240,000円ずつ減少) 1,200,000 960,000 720,000 480,000 240,000 取得時 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 0 帳簿価額 = 取得原価 - 減価償却累計額。累計額は毎年積み上がっていく。
例題8-2標準減価償却(期中取得)

決算(会計期間:4月1日〜翌3月31日)にあたり、次の固定資産の減価償却費を計算し、仕訳を示しなさい。いずれも定額法・間接法、残存価額はゼロとする。

(1) 備品A:取得原価 900,000円、耐用年数6年、前期以前から保有
(2) 備品B:取得原価 720,000円、耐用年数6年、当期の9月1日に取得
(3) 建物:取得原価 18,000,000円、耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%、前期以前から保有

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)減価償却費150,000備品減価償却累計額150,000
(2)減価償却費70,000備品減価償却累計額70,000
(3)減価償却費540,000建物減価償却累計額540,000

解説:
(1) 900,000 ÷ 6 = 150,000
(2) 720,000 ÷ 6 = 120,000(1年分)。使用期間は9月1日から3月31日までの7か月。120,000 × 7/12 = 70,000
(3) 残存価額 = 18,000,000 × 10% = 1,800,000。(18,000,000 - 1,800,000)÷ 30 = 540,000
月数の数え方:9月1日取得なら9月・10月・11月・12月・1月・2月・3月=7か月。式で出すなら「決算月 - 取得月 + 1」(決算月が取得月より前の暦月になる場合は決算月に12を足す)。本問なら(3+12)- 9 + 1 = 7か月です。

注意

土地は減価償却しません。使っても価値が減らない(と考える)ためです。「土地・建物一括で購入した」という問題で、土地まで償却してしまうミスが頻出します。

8-3売却 ― 3級で最も差がつく論点

暗記

固定資産の売却仕訳は、次の4ステップで機械的に作ります。

  1. 期中売却なら、当期首から売却月までの減価償却費を月割で計上する(借方:減価償却費)
  2. 取得原価を貸方に全額のせて、固定資産を帳簿から消す
  3. 期首時点の減価償却累計額を借方にのせて、累計額も消す
  4. 受け取った代金を借方にのせ、差額を固定資産売却損(借方)または固定資産売却益(貸方)とする
例題8-3応用期中売却

×5年11月30日、備品(取得原価 1,500,000円、×1年10月1日取得、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法・間接法、期首の減価償却累計額 1,050,000円)を 350,000円で売却し、代金は月末に受け取ることとした。会計期間は4月1日〜翌3月31日。仕訳を示しなさい。

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
備品減価償却累計額1,050,000備  品1,500,000
減価償却費200,000固定資産売却益100,000
未収入金350,000
合計1,600,000合計1,600,000

解説:
当期の減価償却費:1年分 = 1,500,000 ÷ 5 = 300,000。使用期間は4月1日〜11月30日の8か月。300,000 × 8/12 = 200,000
売却時の帳簿価額 = 1,500,000 -(1,050,000 + 200,000)= 250,000。売却価額350,000 - 帳簿価額250,000 = 売却益100,000
この論点で落とす人の共通点:①当期分の減価償却費を計上し忘れる ②累計額を期首の金額ではなく売却時点の金額で書こうとして混乱する。「累計額は期首の数字をそのまま持ってくる。当期分は減価償却費として別に立てる」と固定してください。

例題8-4標準期首売却

×6年4月1日(期首)に、車両(取得原価 3,200,000円、減価償却累計額 2,240,000円)を 800,000円で売却し、代金は現金で受け取った。仕訳を示しなさい。

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
車両減価償却累計額2,240,000車両運搬具3,200,000
現  金800,000
固定資産売却損160,000

解説:期首売却なので当期の減価償却費はゼロ(1日も使っていない)。帳簿価額 = 3,200,000 - 2,240,000 = 960,000。960,000 - 800,000 = 売却損160,000

8-4資本的支出と収益的支出

区分処理判定基準・例
資本的支出固定資産(資産)に加算価値が増える・使用可能期間が延びる支出。
例:非常階段の新設、壁の増設、エンジンの載せ替え
収益的支出修繕費(費用)元の状態に戻すだけの支出。
例:割れた窓ガラスの交換、外壁の塗り替え、定期点検

表8-1 資本的支出と収益的支出。「グレードアップなら資産、原状回復なら費用」で判定します。

例題8-5標準資本的支出

建物の改修工事を行い、代金 2,800,000円を小切手を振り出して支払った。このうち 1,900,000円は建物の使用可能期間を延長させる支出(資本的支出)であり、残額は定期的な修繕にかかるものである。仕訳を示しなさい。

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
建  物1,900,000当座預金2,800,000
修 繕 費900,000

実務メモ:この区分は法人税の計算にも直結する、実務で最も判断が難しい論点の1つです。税務上は「20万円未満の支出」「おおむね3年以内の周期の修繕」などの形式基準もあります。3級では問題文が明示してくれるので、指示どおりに分ければ大丈夫です。

8-5固定資産台帳

固定資産の明細(取得日・取得原価・耐用年数・期首帳簿価額・当期償却額など)を管理する補助簿です。第2問で「固定資産台帳から減価償却費や期末残高を読み取る」問題が出ます。

例題8-6応用固定資産台帳

次の固定資産台帳(×6年3月31日現在、会計期間4/1〜3/31、定額法・間接法・残存価額ゼロ)から、①当期の減価償却費合計、②期末の備品減価償却累計額を求めなさい。

名称取得年月日取得原価耐用年数期首帳簿価額
備品X×3年4月1日960,0008年720,000
備品Y×4年10月1日600,0005年540,000
備品Z×5年12月1日480,0004年
解答・解説を見る

当期の減価償却費合計 280,000円 ② 期末の備品減価償却累計額 580,000円

名称当期の減価償却費金額
備品X960,000 ÷ 8 = 120,000(通年)120,000
備品Y600,000 ÷ 5 = 120,000(通年)120,000
備品Z480,000 ÷ 4 = 120,000 × 4/12(12月〜3月)40,000
合計280,000

②の求め方(必ず2通りで検算する):
【方法1】期首累計額に当期分を足す
 期首累計額 =(960,000-720,000)+(600,000-540,000)= 240,000 + 60,000 = 300,000(備品Zは当期取得なのでゼロ)
 期末累計額 = 300,000 + 280,000 = 580,000
【方法2】取得原価合計から期末帳簿価額を引く
 期末帳簿価額 =(720,000-120,000)+(540,000-120,000)+(480,000-40,000)= 600,000+420,000+440,000 = 1,460,000
 取得原価合計 = 960,000+600,000+480,000 = 2,040,000
 期末累計額 = 2,040,000 - 1,460,000 = 580,000
両方で一致したので確定です。
学びどころ:固定資産の問題は2通りの経路で計算して一致を確認するのが最強の検算法。本番でも30秒かけてやる価値があります。
備品Zの月数:×5年12月1日取得なので、12月・1月・2月・3月の4か月。「期首帳簿価額」欄が空欄(-)になっているのが、当期取得を示すサインです。

確認問題 8全14問/目標正答 10問以上
1備品 480,000円を購入し、据付費 20,000円とともに現金で支払った。
解答を見る
(借)備品 500,000 /(貸)現金 500,000
2建物 8,000,000円を購入し、仲介手数料 240,000円とともに小切手を振り出した。
解答を見る
(借)建物 8,240,000 /(貸)当座預金 8,240,000
3備品(取得原価 720,000円、耐用年数6年、残存価額ゼロ、定額法・間接法)の当期分(通年)を計上する。
解答を見る
(借)減価償却費 120,000 /(貸)備品減価償却累計額 120,000
4当期7月1日に取得した車両(取得原価 1,800,000円、耐用年数6年、残存価額ゼロ)の当期分。決算日3月31日。
解答を見る
(借)減価償却費 225,000 /(貸)車両減価償却累計額 225,000
(1,800,000÷6=300,000、×9/12=225,000)
5建物(取得原価 15,000,000円、耐用年数25年、残存価額は取得原価の10%)の当期分(通年)。
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(借)減価償却費 540,000 /(貸)建物減価償却累計額 540,000
((15,000,000-1,500,000)÷25=540,000)
6土地は減価償却するか。理由も答えなさい。
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しない。使用や時の経過によって価値が減少しないと考えられるため(非償却資産)。
7期首に備品(取得原価 900,000円、累計額 600,000円)を 250,000円で売却し現金を受け取った。
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(借)備品減価償却累計額 600,000・現金 250,000・固定資産売却損 50,000 /(貸)備品 900,000
8期首に車両(取得原価 2,000,000円、累計額 1,600,000円)を 520,000円で売却し、代金は月末受取り。
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(借)車両減価償却累計額 1,600,000・未収入金 520,000 /(貸)車両運搬具 2,000,000・固定資産売却益 120,000
9×7年9月30日、備品(取得原価 1,200,000円、耐用年数5年、残存ゼロ、期首累計額 480,000円)を 600,000円で売却し現金受取り。会計期間4/1〜3/31。
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当期償却費=1,200,000÷5×6/12=120,000
(借)備品減価償却累計額 480,000・減価償却費 120,000・現金 600,000 /(貸)備品 1,200,000
借方合計1,200,000=貸方1,200,000。売却損益はゼロ
10建物の外壁を塗り替え 380,000円を現金で支払った(原状回復)。
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(借)修繕費 380,000 /(貸)現金 380,000
11建物に非常階段を新設し 1,500,000円を小切手で支払った。
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(借)建物 1,500,000 /(貸)当座預金 1,500,000
12取得原価 600,000円、減価償却累計額 375,000円の備品の帳簿価額はいくらか。
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225,000円
13当期の1月11日に取得した備品の減価償却費を月割計算する場合、当期の使用月数は何か月か(決算日3月31日)。
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3か月(1月・2月・3月)。日割ではなく月割なので、取得日が月の途中でも1か月分としてカウントします。
14間接法で減価償却を行う理由を説明しなさい。
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固定資産の取得原価と、これまでに費用化した累計額の両方を帳簿に残せるため。取得原価がわかると、資産の規模や償却の進み具合を把握できます。

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第9章

株式会社の資本 ― 設立・増資・剰余金の配当

例題3問/確認10問

3級で扱う純資産は資本金・利益準備金・繰越利益剰余金の3つだけです。出題パターンも限られているので、型を3つ覚えれば確実に得点できるコスパの良い論点です。

9-1株式の発行(設立・増資)

POINT

株式を発行して払込みを受けたときは、払込金額の全額を「資本金」とします(原則)。設立でも増資でも仕訳は同じです。

借方科目金額貸方科目金額
当座預金 など×××資 本 金×××
例題9-1基本株式の発行

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 会社の設立にあたり、株式 500株を1株あたり 8,000円で発行し、払込金は当座預金とした。
(2) 事業拡大のため、株式 200株を1株あたり 12,000円で追加発行し、払込金は普通預金とした。

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No借方科目金額貸方科目金額
(1)当座預金4,000,000資 本 金4,000,000
(2)普通預金2,400,000資 本 金2,400,000

解説:(1) 500株 × 8,000円 = 4,000,000 (2) 200株 × 12,000円 = 2,400,000
※2級では「払込金額の2分の1を資本準備金とすることができる」という論点がありますが、3級では全額を資本金とします。

9-2繰越利益剰余金 ― 利益の置き場所

決算で計算された当期純利益は、損益勘定を経由して繰越利益剰余金(純資産)へ振り替えられます(資本振替。第26章で詳述)。

場面仕訳
当期純利益のとき(借)損 益 ×××/(貸)繰越利益剰余金 ×××
当期純損失のとき(借)繰越利益剰余金 ×××/(貸)損 益 ×××

表9-1 資本振替。利益が出れば純資産が増え、損失が出れば純資産が減ります。

9-3剰余金の配当と処分

はじめてさんへ

会社が稼いだ利益は株主のものですが、全部を配当として払い出すと会社にお金が残りません。そこで会社法は、配当するときにその一部を社内に積み立てておくことを義務づけています。これが利益準備金です。
また、配当は株主総会で決議した日実際に支払う日がずれます。決議日にはまだ払っていないので、未払配当金(負債)を計上します。

暗記

株主総会での配当決議の仕訳(3級の型)

借方科目金額貸方科目金額
繰越利益剰余金配当金+準備金未払配当金配当金
利益準備金準備金積立額

積立額は問題文で指示されます。3級では「配当金の10分の1」とされることがほとんどです。
後日、配当金を支払ったとき:(借)未払配当金 ×××/(貸)当座預金 ×××

例題9-2標準剰余金の配当

次の一連の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 6月25日の株主総会において、繰越利益剰余金を財源として次のとおり処分することが決議された。
  株主配当金 1,800,000円/利益準備金の積立て 180,000円
(2) 7月10日、上記の配当金を当座預金口座から支払った。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)繰越利益剰余金1,980,000未払配当金1,800,000
利益準備金180,000
(2)未払配当金1,800,000当座預金1,800,000

解説:繰越利益剰余金の減少額は配当金と準備金の合計 1,980,000です。配当金だけの1,800,000にしてしまうミスが多発します。
覚え方:繰越利益剰余金という財布から1,980,000を取り出し、そのうち1,800,000を株主に渡す約束(未払配当金)をして、180,000は利益準備金という別の引き出しにしまう、というイメージです。

例題9-3応用繰越利益剰余金勘定

次の繰越利益剰余金勘定の(ア)(イ)に入る金額を求めなさい。当期の当期純利益は 2,150,000円であった。

繰越利益剰余金
未払配当金 1,200,000前期繰越   940,000
利益準備金  120,000損  益 ( ア )
次期繰越 ( イ ) 
解答・解説を見る

ア = 2,150,000円 イ = 1,770,000円

解説:
ア:当期純利益は損益勘定から振り替えられるので、そのまま 2,150,000。
イ:貸方合計 940,000 + 2,150,000 = 3,090,000。借方の判明分 1,200,000 + 120,000 = 1,320,000。
 次期繰越 = 3,090,000 - 1,320,000 = 1,770,000
この勘定の読み方:貸方(右)に増加要因(前期繰越・当期純利益)、借方(左)に減少要因(配当・準備金への振替・次期繰越)が並びます。純資産なのでホームポジションは貸方です。

確認問題 9全10問/目標正答 8問以上
1設立にあたり株式 300株を1株 10,000円で発行し、払込金は当座預金とした。
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(借)当座預金 3,000,000 /(貸)資本金 3,000,000
2増資のため株式 150株を1株 9,000円で発行し、払込金は普通預金とした。
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(借)普通預金 1,350,000 /(貸)資本金 1,350,000
3株主総会で配当金 900,000円と利益準備金 90,000円の積立てが決議された。
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(借)繰越利益剰余金 990,000 /(貸)未払配当金 900,000・利益準備金 90,000
4上記3の配当金を当座預金から支払った。
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(借)未払配当金 900,000 /(貸)当座預金 900,000
5配当金 2,400,000円を決議し、その10分の1を利益準備金として積み立てる。繰越利益剰余金の減少額はいくらか。
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2,640,000円(2,400,000+240,000)
6決算で当期純利益 1,680,000円が確定した。資本振替の仕訳を示しなさい。
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(借)損益 1,680,000 /(貸)繰越利益剰余金 1,680,000
7決算で当期純損失 420,000円が確定した。資本振替の仕訳を示しなさい。
解答を見る
(借)繰越利益剰余金 420,000 /(貸)損益 420,000
8利益準備金・繰越利益剰余金・資本金は、それぞれ5要素のどれか。
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すべて純資産。B/Sの貸方(右下)に表示されます。
9未払配当金は5要素のどれか。またいつ計上するか。
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負債株主総会で配当が決議された日に計上し、支払時に取り崩します。
10前期繰越 500,000円、当期純利益 1,200,000円、配当 800,000円、利益準備金積立 80,000円のとき、次期繰越はいくらか。
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820,000円(500,000+1,200,000-800,000-80,000)

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第10章

税金 ― 租税公課・法人税等・消費税

例題4問/確認12問

税理士・公認会計士の実務そのものの論点です。3級では「費用になる税金」と「費用にならない税金」の区別がすべての出発点になります。

10-1税金の3分類

分類勘定科目該当する税金
①費用になる租税公課(費用)固定資産税、印紙税(収入印紙)、自動車税、不動産取得税、登録免許税 など
②利益から計算される法人税、住民税及び事業税(費用)法人税・法人住民税・法人事業税。まとめて「法人税等」と呼ぶ
③預かっているだけ仮払消費税・仮受消費税消費税(税抜方式)。会社の損益に影響しない
(参考)会社の費用にならない所得税預り金従業員の所得税。会社は預かって納付するだけ(第5章)

表10-1 税金の分類。「誰の税金か」「利益に対する税金か」で仕訳が決まります。

例題10-1基本租税公課

次の取引の仕訳を示しなさい。

(1) 収入印紙 30,000円と郵便切手 12,000円を現金で購入した。
(2) 建物にかかる固定資産税 240,000円の納税通知書を受け取り、第1期分 60,000円を現金で納付した(納付分のみ計上する)。
(3) 決算にあたり、収入印紙の未使用分 8,000円、郵便切手の未使用分 3,500円があった。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)租税公課30,000現  金42,000
通 信 費12,000
(2)租税公課60,000現  金60,000
(3)貯 蔵 品11,500租税公課8,000
通 信 費3,500

解説:(1) 収入印紙は租税公課、郵便切手は通信費。似ていますが科目が違います。
(3) 決算時、未使用分は当期の費用ではないので貯蔵品(資産)へ振り替えます。翌期首に再振替仕訳(借)租税公課・通信費/(貸)貯蔵品 を行います(第17章)。

10-2法人税、住民税及び事業税

POINT

法人税等は年2回のタイミングで処理します。

タイミング仕訳
中間申告・納付
(期の途中)
(借)仮払法人税等(資産)/(貸)現金・預金
決算
(年税額の確定)
(借)法人税、住民税及び事業税(費用)/(貸)仮払法人税等・未払法人税等(負債)
確定申告・納付
(翌期)
(借)未払法人税等/(貸)現金・預金

未払法人税等 = 年税額 - 中間納付額(仮払法人税等)

例題10-2標準法人税等

次の一連の取引の仕訳を示しなさい(会計期間4/1〜3/31)。

(1) 11月28日 法人税等の中間申告を行い、480,000円を現金で納付した。
(2) 3月31日 決算の結果、当期の法人税、住民税及び事業税の年税額が 1,150,000円と確定した。
(3) 5月28日 確定申告を行い、未払分を当座預金から納付した。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仮払法人税等480,000現  金480,000
(2)法人税、住民税及び事業税1,150,000仮払法人税等480,000
未払法人税等670,000
(3)未払法人税等670,000当座預金670,000

解説:未払法人税等 = 1,150,000 - 480,000 = 670,000
実務メモ:中間納付は原則として「前期の法人税額の2分の1」を納めます。だから中間納付額が年税額の半分前後になっている問題が多いのです。
注意:中間納付額のほうが年税額より大きい場合は、差額が未収還付法人税等となりますが、3級ではまず出題されません。

10-3消費税(税抜方式)

はじめてさんへ

消費税は会社が負担する税金ではありません。会社はお客様から預かった消費税(仮受)から、仕入先に払った消費税(仮払)を差し引いて、その差額を国に納めるだけの「通り道」です。だから消費税はP/Lの費用にも収益にもなりません。これが税抜方式の考え方です。

図10-A 消費税(税抜方式)の流れ 仕入時 (借)仕入 100,000 (借)仮払消費税 10,000 (貸)買掛金 110,000 売上時 (借)売掛金 176,000 (貸)売上 160,000 (貸)仮受消費税 16,000 決算時 (借)仮受消費税 16,000 (貸)仮払消費税 10,000 (貸)未払消費税 6,000 未払消費税 = 仮受消費税 - 仮払消費税 仕入・売上は税抜金額で計上する。消費税は損益に一切影響しない。 ※仮払が仮受を上回る場合は「未収還付消費税」(3級では原則出題されない)
例題10-3標準消費税

税抜方式により、次の一連の取引の仕訳を示しなさい。消費税率は10%とする。

(1) 商品 880,000円(税込)を仕入れ、代金は掛けとした。
(2) 商品 1,485,000円(税込)を売り上げ、代金は掛けとした。
(3) 決算にあたり、消費税の納付額を計算し確定した。
(4) 確定申告により、上記の消費税を当座預金から納付した。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仕  入800,000買 掛 金880,000
仮払消費税80,000
(2)売 掛 金1,485,000売  上1,350,000
仮受消費税135,000
(3)仮受消費税135,000仮払消費税80,000
未払消費税55,000
(4)未払消費税55,000当座預金55,000

解説:
(1) 税抜金額 = 880,000 ÷ 1.1 = 800,000、消費税 = 880,000 - 800,000 = 80,000
(2) 税抜金額 = 1,485,000 ÷ 1.1 = 1,350,000、消費税 = 135,000
電卓のコツ:税込から税抜を出すときは÷1.1。税抜から税込は×1.1。消費税額だけを出したいなら税込 ÷ 11(880,000÷11=80,000)が最速です。
注意:問題文が「税抜価額」で与えられることもあります。「税込」か「税抜」かを必ず丸で囲んでから電卓を叩いてください。

例題10-4応用総合

決算にあたり、次の処理を行う。仕訳を示しなさい。
・仮払消費税の残高 1,240,000円、仮受消費税の残高 1,895,000円
・法人税、住民税及び事業税の年税額は 980,000円。仮払法人税等の残高は 410,000円
・収入印紙の未使用分 15,000円(購入時に租税公課で処理済み)

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
仮受消費税1,895,000仮払消費税1,240,000
未払消費税655,000
法人税、住民税及び事業税980,000仮払法人税等410,000
未払法人税等570,000
貯 蔵 品15,000租税公課15,000

解説:この3本セットは第3問の決算整理でほぼ毎回出る型です。金額を入れ替えるだけで解けるので、手が勝手に動くまで反復してください。

確認問題 10全12問/目標正答 9問以上
1収入印紙 25,000円を現金で購入した。
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(借)租税公課 25,000 /(貸)現金 25,000
2郵便切手 8,400円を現金で購入した。
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(借)通信費 8,400 /(貸)現金 8,400
3固定資産税の第2期分 85,000円を当座預金から納付した。
解答を見る
(借)租税公課 85,000 /(貸)当座預金 85,000
4法人税等の中間納付 350,000円を現金で行った。
解答を見る
(借)仮払法人税等 350,000 /(貸)現金 350,000
5決算で法人税等の年税額が 820,000円と確定した(仮払法人税等 350,000円)。
解答を見る
(借)法人税、住民税及び事業税 820,000 /(貸)仮払法人税等 350,000・未払法人税等 470,000
6上記5の未払分を確定申告により普通預金から納付した。
解答を見る
(借)未払法人税等 470,000 /(貸)普通預金 470,000
7商品 550,000円(税込・消費税率10%)を仕入れ掛けとした。税抜方式。
解答を見る
(借)仕入 500,000・仮払消費税 50,000 /(貸)買掛金 550,000
8商品を税抜 720,000円で売り上げ、消費税10%とともに掛けとした。
解答を見る
(借)売掛金 792,000 /(貸)売上 720,000・仮受消費税 72,000
9決算で仮払消費税 640,000円、仮受消費税 910,000円を相殺した。
解答を見る
(借)仮受消費税 910,000 /(貸)仮払消費税 640,000・未払消費税 270,000
10消費税は会社のP/Lに費用として計上されるか(税抜方式)。理由も答えなさい。
解答を見る
されない。会社は消費者から預かった税を国に納めるだけであり、会社自身の負担ではないため。仮払・仮受はいずれもB/S科目です。
11税込 1,320,000円の消費税額(10%)を暗算で求める最短ルートは。
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1,320,000 ÷ 11 = 120,000。税抜は 1,320,000 - 120,000 = 1,200,000。
12従業員から源泉徴収した所得税は、会社の費用になるか。
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ならない。従業員が負担する税金を会社が預かって納付するだけなので、所得税預り金(負債)として処理します。

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第11章

収益・費用の科目と訂正仕訳

例題3問/確認10問

11-13級で使う収益・費用の勘定科目一覧

ここに載っている科目を見た瞬間に「収益/費用」と判断できれば、仕訳のスピードが一気に上がります。試験直前に必ず読み返してください。

分類勘定科目内容・注意点
収益売上商品の販売による収益。返品・値引きは控除する
受取手数料仲介・代行などのサービス提供による収益
受取家賃・受取地代不動産を貸して得る収益
受取利息貸付金・預金から生じる利息
受取配当金株式の配当。配当金領収証を受け取ったときに計上
固定資産売却益/償却債権取立益/貸倒引当金戻入いずれも「益」「戻入」が付く。臨時的な収益
雑益(雑収入)他に該当しない少額の収益。現金過不足の決算処理でも登場
費用仕入商品の取得原価。当社負担の仕入諸掛を含む
給料/法定福利費/福利厚生費人件費。社会保険料の会社負担分が法定福利費
支払家賃・支払地代不動産を借りて支払う費用
水道光熱費/通信費/消耗品費/旅費交通費日常の経費。切手は通信費、コピー用紙などは消耗品費
広告宣伝費/発送費/保険料/修繕費発送費は当社負担の売上諸掛。修繕費は原状回復の支出
支払手数料振込手数料、クレジット手数料、不動産の仲介手数料など
租税公課固定資産税・印紙税など。法人税等は含まない
支払利息借入金にかかる利息
減価償却費固定資産の当期の費用配分額
貸倒引当金繰入/貸倒損失債権の回収不能に関する費用
固定資産売却損/雑損「損」が付くものは費用
法人税、住民税及び事業税P/Lでは税引前当期純利益の下に単独で表示する

表11-1 3級の主要な収益・費用科目。「受取〜」「〜益」は収益、「支払〜」「〜費」「〜損」は費用が原則です。

11-2訂正仕訳 ― 「消して、書く」の2段構え

POINT

訂正仕訳は次の3ステップで必ず作れます。慣れないうちは省略せず、3行書いてください。

  1. 誤った仕訳を書き出す
  2. その逆仕訳(貸借を入れ替えたもの)を書く = 誤りを消す
  3. 正しい仕訳を書き、②と③を合算して同じ科目を相殺する
例題11-1標準訂正仕訳の基本

商品 180,000円を掛けで仕入れた際に、誤って次の仕訳を行っていた。訂正仕訳を示しなさい。
 (借)仕入 810,000 /(貸)買掛金 810,000

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
買 掛 金630,000仕  入630,000

解説(3ステップ):
① 誤った仕訳:(借)仕入 810,000/(貸)買掛金 810,000
② 逆仕訳:(借)買掛金 810,000/(貸)仕入 810,000
③ 正しい仕訳:(借)仕入 180,000/(貸)買掛金 180,000
②+③:借方 買掛金810,000・仕入180,000/貸方 仕入810,000・買掛金180,000
 → 買掛金 810,000-180,000 = 借方630,000、仕入 810,000-180,000 = 貸方630,000
ショートカット:金額の桁を間違えただけなら、差額だけを逆仕訳すると一発です(810,000 - 180,000 = 630,000)。

例題11-2応用科目違いの訂正

備品 350,000円を購入し代金を翌月払いとした取引について、誤って次の仕訳を行っていた。訂正仕訳を示しなさい。
 (借)消耗品費 350,000 /(貸)買掛金 350,000

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
備  品350,000消耗品費350,000
買 掛 金350,000未 払 金350,000

解説:借方・貸方の両方の科目が誤っているケース。
② 逆仕訳:(借)買掛金 350,000/(貸)消耗品費 350,000
③ 正しい仕訳:(借)備品 350,000/(貸)未払金 350,000
②+③をまとめると上の2行になります(金額が同じなので相殺は起きません)。
1行にまとめる場合:(借)備品 350,000・買掛金 350,000/(貸)消耗品費 350,000・未払金 350,000 と4科目で書いても正解です。

例題11-3応用記帳漏れ・二重記帳

次の各ケースについて、必要な訂正仕訳を示しなさい。

(1) 売掛金 240,000円を現金で回収した取引について、仕訳を行っていなかった。
(2) 買掛金 150,000円を当座預金から支払った取引を、誤って二重に記帳していた。
(3) 通信費 27,000円の現金支払を、誤って(借)通信費 27,000/(貸)当座預金 27,000 と記帳していた。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)現  金240,000売 掛 金240,000
(2)当座預金150,000買 掛 金150,000
(3)当座預金27,000現  金27,000

解説:
(1) 記帳漏れは正しい仕訳をそのまま追加するだけ。
(2) 二重記帳は逆仕訳を1本入れて余分な1本を消す
(3) 貸方の科目だけが誤り。逆仕訳(借)当座預金/(貸)通信費 と正しい仕訳(借)通信費/(貸)現金 を合算すると、通信費が相殺されて上の1行になります。

確認問題 11全10問/目標正答 7問以上
1売上 320,000円を計上すべきところ、誤って 230,000円で計上していた(掛け)。
解答を見る
(借)売掛金 90,000 /(貸)売上 90,000
2仕入 540,000円(掛け)を、誤って 450,000円で計上していた。
解答を見る
(借)仕入 90,000 /(貸)買掛金 90,000
3支払家賃 120,000円の現金支払を、誤って支払地代として記帳していた。
解答を見る
(借)支払家賃 120,000 /(貸)支払地代 120,000
4売掛金の回収 180,000円を、誤って貸方を「売上」として記帳していた。
解答を見る
(借)売上 180,000 /(貸)売掛金 180,000
5備品の購入代金の未払 200,000円を、誤って買掛金として記帳していた。
解答を見る
(借)買掛金 200,000 /(貸)未払金 200,000
6受取手数料 45,000円の現金受取を、まったく記帳していなかった。
解答を見る
(借)現金 45,000 /(貸)受取手数料 45,000
7仕入 260,000円(掛け)の仕訳を二重に記帳していた。
解答を見る
(借)買掛金 260,000 /(貸)仕入 260,000
8「発送費」は収益・費用のどちらか。またどのような場合に使うか。
解答を見る
費用。商品を売り上げた際の当社負担の送料を支払ったときに使います(先方負担なら立替金)。
9「法定福利費」と「社会保険料預り金」の違いを説明しなさい。
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法定福利費=社会保険料の会社負担分(費用)。社会保険料預り金=給料から差し引いた従業員負担分(負債)
10訂正仕訳を作る3ステップを答えなさい。
解答を見る
①誤った仕訳を書く →②その逆仕訳を書く →③正しい仕訳を書き、②と③を合算して相殺する。

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第12章

主要簿と補助簿 ― 第2問の得点源

例題5問/確認14問

補助簿の選択問題は、覚えれば必ず取れる第2問のボーナスです。ここは絶対に落とさないでください。

12-1補助簿の一覧と役割

区分帳簿名記入されるのはどんな取引か
主要簿仕訳帳すべての取引(例外なし)
総勘定元帳すべての取引(例外なし)
補助記入帳
(取引を発生順に記録)
現金出納帳現金が増減した取引
当座預金出納帳当座預金が増減した取引(小切手の振出を含む)
仕入帳/売上帳仕入・売上が発生した取引(返品も記入する
受取手形記入帳/支払手形記入帳手形の受入・振出・決済
補助元帳
(相手・品目ごとに集計)
売掛金元帳(得意先元帳)売掛金が増減した取引(得意先ごと)
買掛金元帳(仕入先元帳)買掛金が増減した取引(仕入先ごと)
商品有高帳商品が増減した取引(原価で記入。返品も記入)
固定資産台帳固定資産の取得・売却・減価償却

表12-1 補助簿の一覧。補助記入帳=日記帳タイプ、補助元帳=名簿タイプと区別すると覚えやすくなります。

12-2補助簿選択問題の解き方

暗記

解き方は「まず仕訳を書く。出てきた勘定科目に対応する補助簿を全部チェックする」だけです。

仕訳に出てきた科目チェックする補助簿
現金現金出納帳
当座預金当座預金出納帳
仕入仕入帳 + 商品有高帳
売上売上帳 + 商品有高帳
売掛金売掛金元帳
買掛金買掛金元帳
受取手形/支払手形受取手形記入帳/支払手形記入帳
備品・建物・車両運搬具固定資産台帳
注意

「仕入」「売上」が出てきたら、商品有高帳も必ずセットで選ぶのを忘れないでください。ここが最頻出の失点箇所です。
ただし例外が1つ。売上戻り(返品)以外の「値引き」は商品有高帳に記入しません(数量が動かないため)。また、当社負担の仕入諸掛を現金で支払った場合、その分も商品有高帳の仕入原価に含めて記入します

例題12-1標準補助簿の選択

次の取引が記入される補助簿をすべて答えなさい(現金出納帳・当座預金出納帳・仕入帳・売上帳・商品有高帳・売掛金元帳・買掛金元帳・受取手形記入帳・支払手形記入帳・固定資産台帳から選ぶ)。

(1) 商品 300,000円を仕入れ、代金のうち 100,000円は約束手形を振り出し、残額は掛けとした。なお、引取運賃 8,000円(当社負担)は現金で支払った。
(2) 商品 450,000円を売り上げ、代金は同店振出の小切手で受け取り、ただちに当座預金に預け入れた。
(3) 備品 240,000円を購入し、代金は翌月末払いとした。
(4) 売掛金 180,000円が当座預金口座に振り込まれた。

解答・解説を見る
No仕訳記入される補助簿
(1)(借)仕入 308,000/(貸)支払手形 100,000・買掛金 200,000・現金 8,000仕入帳/商品有高帳/支払手形記入帳/買掛金元帳/現金出納帳(5つ)
(2)(借)当座預金 450,000/(貸)売上 450,000売上帳/商品有高帳/当座預金出納帳(3つ)
(3)(借)備品 240,000/(貸)未払金 240,000固定資産台帳のみ(1つ)
(4)(借)当座預金 180,000/(貸)売掛金 180,000当座預金出納帳/売掛金元帳(2つ)

解説:(1)は5つも該当する典型的な問題。引取運賃8,000円は仕入原価に含まれるので、商品有高帳にも308,000で記入されます。
(2)「ただちに当座預金に預け入れた」ので現金出納帳は不要。もし「小切手を受け取った」だけで終わっていれば現金出納帳に記入します。
(3) 未払金には対応する補助簿がありません(買掛金元帳ではない)。

12-3売掛金元帳・買掛金元帳

得意先・仕入先ごとの残高を管理する帳簿です。売掛金元帳の全店舗の合計=総勘定元帳の売掛金勘定の残高という関係が必ず成り立ちます(この関係を使った推定問題が第2問で出ます)。

例題12-2応用売掛金元帳

次の資料から、①札幌商店に対する売掛金の月末残高、②売掛金勘定の月末残高を求めなさい。
【月初残高】札幌商店 320,000円/函館商店 180,000円
【当月の取引】
・札幌商店へ掛け売上 640,000円、函館商店へ掛け売上 410,000円
・札幌商店から現金回収 500,000円、函館商店から当座振込 350,000円
・札幌商店からの売上戻り 25,000円

解答・解説を見る

札幌商店 435,000円 ② 売掛金勘定 675,000円

 札幌商店函館商店合計
月初残高320,000180,000500,000
掛け売上(+)640,000410,0001,050,000
回収(-)500,000350,000850,000
売上戻り(-)25,00025,000
月末残高435,000240,000675,000

解説:札幌 320,000+640,000-500,000-25,000 = 435,000。函館 180,000+410,000-350,000 = 240,000。合計 675,000 が総勘定元帳の売掛金残高と一致します。
検算のポイント:個別残高の合計と総勘定元帳の残高が一致するかを必ず確認。ズレていたらどこかで計算ミスをしています。

12-4仕入帳・売上帳の読み方

例題12-3標準仕入帳

次の仕入帳から、当月の純仕入高を求めなさい。

日付摘要内訳金額
5/6札幌商店 掛け A商品 200個 @1,500300,000
5/9札幌商店 掛け返品 A商品 10個 @1,50015,000
5/18旭川商事 小切手 B商品 150個 @2,200330,000
      引取運賃 現金払い(当社負担)9,000339,000
解答・解説を見る

純仕入高 = 624,000円

解説:総仕入高 = 300,000 + 339,000 = 639,000。仕入戻し = 15,000。
純仕入高 = 639,000 - 15,000 = 624,000
ポイント:返品は総仕入高から差し引く(赤字で記入される欄)。②当社負担の引取運賃は仕入高に含める。この2点が仕入帳・売上帳の読み取り問題のすべてです。

12-5現金出納帳・当座預金出納帳

例題12-4標準当座預金出納帳

次の当座預金出納帳の(ア)〜(ウ)を求めなさい。借越限度額は 1,000,000円である。

日付摘要預入引出借/貸残高
6/1前月繰越480,000480,000
6/8買掛金支払 小切手#12620,000(ア)(イ)
6/20売掛金回収550,000(ウ)
解答・解説を見る

ア = 貸 イ = 140,000 ウ = 410,000

解説:6/8時点:480,000 - 620,000 = △140,000。マイナス=当座借越の状態なので「借/貸」欄は、残高は絶対値の140,000と記入します。
6/20:△140,000 + 550,000 = +410,000 なので「借」に戻ります。
覚え方:「借」=資産としてプラス(預金がある)、「貸」=マイナス(借りている状態)。

例題12-5応用補助簿選択の総合

次の取引が記入される補助簿を、すべて答えなさい。

(1) 得意先から売掛金 260,000円について約束手形を受け取った。
(2) かねて振り出していた約束手形 340,000円が当座預金から決済された。
(3) 商品 120,000円を売り上げ、代金は現金で受け取った。うち 15,000円は品違いのため返品された(現金で返金)。
(4) 備品(取得原価 500,000円、減価償却累計額 300,000円)を 180,000円で売却し、代金は現金で受け取った。

解答・解説を見る
No記入される補助簿
(1)受取手形記入帳/売掛金元帳
(2)支払手形記入帳/当座預金出納帳
(3)売上帳/商品有高帳/現金出納帳(返品分も同じ3つに記入)
(4)固定資産台帳/現金出納帳

解説:(3)は売上と返品の2回、同じ3つの補助簿に記入されます。返品も商品有高帳に記入される(数量が戻ってくるため)点を忘れずに。

確認問題 12全14問/目標正答 11問以上
1主要簿を2つ答えなさい。
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仕訳帳・総勘定元帳
2「商品 200,000円を掛けで仕入れた」が記入される補助簿は。
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仕入帳/商品有高帳/買掛金元帳
3「商品 350,000円を掛けで売り上げた」が記入される補助簿は。
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売上帳/商品有高帳/売掛金元帳
4「買掛金 180,000円を小切手を振り出して支払った」が記入される補助簿は。
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当座預金出納帳/買掛金元帳
5「給料 400,000円を現金で支払った」が記入される補助簿は。
解答を見る
現金出納帳のみ
6「土地 5,000,000円を購入し、代金は翌月払い」が記入される補助簿は。
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固定資産台帳のみ(未払金に対応する補助簿はありません)
7補助記入帳と補助元帳の違いを説明しなさい。
解答を見る
補助記入帳は特定の取引を発生順に記録する帳簿(現金出納帳・仕入帳など)、補助元帳は相手や品目ごとに集計する帳簿(売掛金元帳・商品有高帳など)。
8売掛金元帳の各口座の残高合計は、何と一致するか。
解答を見る
総勘定元帳の売掛金勘定の残高
9当社負担の引取運賃は、商品有高帳の仕入単価に含めるか。
解答を見る
含める。商品有高帳は取得原価で記入するため、当社負担の仕入諸掛は原価に算入します。
10当座預金出納帳の「借/貸」欄が「貸」となっているとき、どういう状態か。
解答を見る
当座借越の状態(当座預金がマイナス=銀行から一時的に借りている状態)。
11仕入帳の総仕入高 1,850,000円、仕入戻し 62,000円のとき、純仕入高はいくらか。
解答を見る
1,788,000円
12「商品を売り上げ、代金は他店振出の小切手で受け取った」が記入される補助簿は。
解答を見る
売上帳/商品有高帳/現金出納帳(他人振出の小切手は現金として扱うため)
13「売掛金 90,000円が貸し倒れた」が記入される補助簿は。
解答を見る
売掛金元帳のみ
14得意先元帳・仕入先元帳の正式名称は。
解答を見る
得意先元帳=売掛金元帳、仕入先元帳=買掛金元帳

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第13章

商品有高帳 ― 先入先出法と移動平均法

例題4問/確認12問

第2問で出題される定番論点です。ルールは1つ「商品有高帳はすべて原価で書く」。売価は一切登場しません。ここを外すと全滅するので、最初に頭に刻んでください。

13-1商品有高帳の基本ルール

POINT
  • 「受入欄」「払出欄」「残高欄」の3ブロックで構成される
  • すべて原価(仕入単価)で記入する。売価は書かない
  • 仕入戻し(返品)は払出欄にマイナスの意味で記入、売上戻り(返品)は受入欄に記入する
  • 当社負担の仕入諸掛は仕入単価に含める
  • 払出単価の決め方に先入先出法移動平均法の2つがある

13-2先入先出法(FIFO)

先に仕入れたものから先に売れていくと仮定する方法です。単価の異なる商品が残っている間は、残高欄を{ }(中カッコ)で区切って2段書きします。

例題13-1標準先入先出法

次の資料により、先入先出法によって商品有高帳を作成した場合の、①6月の払出高(売上原価)、②6月末の残高を求めなさい。

日付摘要数量単価
6/1前月繰越100個@400
6/8仕入200個@460
6/15売上250個(売価@700)
6/22仕入150個@500
6/27売上120個(売価@720)
解答・解説を見る

払出高(売上原価)= 167,000円 ② 月末残高 = 40,000円(@500×80個)

日付摘要払出の内訳(原価)払出金額残高
6/1前月繰越@400×100個 = 40,000
6/8仕入 200個@460@400×100 + @460×200 = 132,000
6/15売上 250個@400×100 = 40,000
@460×150 = 69,000
109,000@460×50個 = 23,000
6/22仕入 150個@500@460×50 + @500×150 = 98,000
6/27売上 120個@460×50 = 23,000
@500×70 = 35,000
58,000@500×80個 = 40,000
合計払出高167,00040,000

解説:6/15の売上250個は、まず古い@400の100個を全部払い出し、足りない150個を@460から払い出します。6/27も同じく、残っている@460の50個を先に出し、残り70個を@500から出します。
必ずやる検算:受入合計 = 40,000(繰越)+ 92,000(6/8)+ 75,000(6/22)= 207,000
207,000 - 払出合計167,000 = 40,000 となり、月末残高と一致します。
「受入合計 - 払出合計 = 残高」は商品有高帳で必ず成り立つ関係です。この30秒の検算で、計算ミスをその場で発見できます。本番でも必ず実行してください。

13-3移動平均法

暗記

仕入れるたびに平均単価を計算し直す方法です。
平均単価 =(直前の残高金額 + 今回の受入金額)÷(直前の残高数量 + 今回の受入数量)
売上のときは平均単価を計算し直しません(数量が減るだけで単価は変わらない)。

例題13-2標準移動平均法

例題13-1と同じ資料により、移動平均法によった場合の①払出高(売上原価)、②月末残高を求めなさい。

解答・解説を見る
日付摘要平均単価の計算払出金額残高
6/1前月繰越 100個@400100個 40,000
6/8仕入 200個@460(40,000+92,000)÷(100+200)=@440300個 132,000
6/15売上 250個@440×250110,00050個 22,000
6/22仕入 150個@500(22,000+75,000)÷(50+150)=@485200個 97,000
6/27売上 120個@485×12058,20080個 38,800
合計168,20038,800

払出高 168,200円 ② 月末残高 38,800円(@485×80個)

検算:受入合計 207,000 - 払出合計 168,200 = 38,800。残高と一致します。
先入先出法との比較:同じ取引でも売上原価が 167,000(先入先出)と 168,200(移動平均)で違います。値上がり局面では先入先出法のほうが売上原価が小さく(=利益が大きく)出るという性質があり、この点が理論問題として問われることもあります。

13-4売上総利益の計算

例題13-3標準売上総利益

例題13-1の資料(先入先出法、払出高 167,000円)について、6月の①売上高、②売上総利益を求めなさい。

解答・解説を見る

売上高 261,400円 ② 売上総利益 94,400円

解説:
売上高 = 6/15分(@700×250 = 175,000)+ 6/27分(@720×120 = 86,400)= 261,400
売上総利益 = 261,400 - 167,000 = 94,400
注意:売価は商品有高帳には出てきません。売上高は問題文の売価から別途計算します。ここで商品有高帳の払出金額を売上高と勘違いする人が毎回います。

例題13-4応用返品を含む商品有高帳

移動平均法により、次の各時点の残高(数量・金額)と、7月の払出合計を求めなさい。

7/1 前月繰越 100個 @600
7/6 仕入 150個 @680
7/9 7/6に仕入れた商品のうち 50個を品違いのため返品した
7/18 売上 120個(売価@980)

解答・解説を見る
日付摘要単価の計算受入/払出残高
7/1前月繰越@600受入 60,000100個 60,000
7/6仕入 150個@680(60,000+102,000)÷(100+150)=@648受入 102,000250個 162,000
7/9仕入戻し 50個仕入単価@680で払出欄へ
(162,000-34,000)÷(250-50)=@640
払出 34,000200個 128,000
7/18売上 120個@640×120払出 76,80080個 51,200
合計払出合計110,80051,200

7月末残高 = 80個・51,200円(@640)/払出合計 = 110,800円

解説(仕入戻しの扱いが最大の論点):仕入戻しは「その商品を仕入れたときの単価(@680)」で払出欄に記入します。移動平均単価@648で戻すのは誤りです。返品によって在庫から高い単価の商品が抜けたので、平均単価は@648から@640に下がります
検算:受入合計 60,000+102,000 = 162,000。162,000 - 110,800 = 51,200。残高と一致。
売上原価と売上総利益:7/18の売上原価は76,800(仕入戻しの34,000は売上原価ではありません)。売上高 = @980×120 = 117,600。売上総利益 = 117,600 - 76,800 = 40,800円
まとめて覚える3点:①仕入戻しは仕入単価で払出欄 ②売上戻りは払出時の単価で受入欄 ③返品後は平均単価を計算し直す

確認問題 13全12問/目標正答 9問以上
1商品有高帳は原価・売価のどちらで記入するか。
解答を見る
原価(仕入単価)。売価は一切記入しません。
2前月繰越 50個@800、当月仕入 150個@840。移動平均単価はいくらか。
解答を見る
@830((40,000+126,000)÷200=830)
3上記2で120個を売り上げた。払出金額と残高金額は。
解答を見る
払出 @830×120=99,600円、残高 80個×@830=66,400円
4先入先出法で、@500×60個と@560×90個の在庫があるとき、100個を売り上げた場合の払出金額は。
解答を見る
@500×60=30,000、@560×40=22,400、合計52,400円
5上記4のあとの残高は。
解答を見る
@560×50個=28,000円
6当社負担の引取運賃は商品有高帳の単価に含めるか。
解答を見る
含める。取得原価に算入するため。
7売上戻り(返品された商品)は商品有高帳のどの欄に記入するか。
解答を見る
受入欄(商品が戻ってくるため)。単価は払い出したときの単価を使います。
8仕入戻しは商品有高帳のどの欄に、どの単価で記入するか。
解答を見る
払出欄に、その商品を仕入れたときの単価で記入します。
9商品有高帳の検算式を書きなさい。
解答を見る
受入合計金額 - 払出合計金額 = 残高金額(数量も同じ関係が成り立つ)
10先入先出法と移動平均法で、物価上昇局面ではどちらが売上原価が小さくなるか。
解答を見る
先入先出法(古い=安い単価から先に払い出すため)。結果として利益は大きく出ます。
11払出単価と売価の関係を説明しなさい。
解答を見る
払出単価は原価で、売価とは無関係。売上高は問題文の売価から別に計算し、売上高-払出高合計=売上総利益となります。
12商品有高帳の月末残高は、決算のどの数値と一致するか。
解答を見る
期末商品棚卸高(決算整理で「(借)繰越商品/(貸)仕入」とする金額)。

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第14章

伝票会計 ― 3伝票制と仕訳日計表

例題4問/確認12問

第2問で出題される論点です。一部現金取引の2つの起票方法さえ理解すれば、あとは機械作業。得点しやすい割に、対策していない受験生が多いので差がつきます。

14-13伝票制のしくみ

伝票起票される取引仕訳の形
入金伝票現金が増える取引(借)現金 ×××/(貸)〇〇 ×××
借方は必ず現金なので、伝票には貸方科目だけを書く
出金伝票現金が減る取引(借)〇〇 ×××/(貸)現金 ×××
貸方は必ず現金なので、伝票には借方科目だけを書く
振替伝票現金が動かない取引(借)〇〇 ×××/(貸)△△ ×××
借方・貸方の両方を書く

表14-1 3伝票制。「現金が動いたか、増えたか減ったか」だけで伝票の種類が決まります。

例題14-1基本伝票の起票

次の取引を、3伝票制によりどの伝票に起票するか答え、伝票の記入内容を示しなさい。

(1) 売掛金 180,000円を現金で回収した。
(2) 通信費 24,000円を現金で支払った。
(3) 商品 350,000円を掛けで仕入れた。

解答・解説を見る
No仕訳伝票記入内容
(1)(借)現金 180,000/(貸)売掛金 180,000入金伝票科目:売掛金 金額:180,000
(2)(借)通信費 24,000/(貸)現金 24,000出金伝票科目:通信費 金額:24,000
(3)(借)仕入 350,000/(貸)買掛金 350,000振替伝票借方:仕入 350,000/貸方:買掛金 350,000

解説:入金伝票に書く科目は相手科目(貸方)、出金伝票に書く科目も相手科目(借方)です。「現金」とは書きません。

14-2一部現金取引 ― 2つの起票方法

はじめてさんへ

「商品500,000円を仕入れ、200,000円は現金、残り300,000円は掛け」という取引を考えます。
これは現金が動く部分動かない部分が混ざっているので、1枚の伝票には収まりません。そこで2枚に分けるのですが、その分け方が2通りあります。

図14-A 一部現金取引の2つの起票方法(仕入500,000/現金200,000・掛け300,000の場合) 方法① 取引を分解する 方法② いったん全額を掛けとする 現金部分と掛け部分に「切る」 全額を掛けにしてから、すぐ払ったと考える 【出金伝票】 科目:仕入  金額:200,000 (借)仕入 200,000/(貸)現金 200,000 【振替伝票】 (借)仕入 300,000/(貸)買掛金 300,000 掛けの部分だけを振替伝票へ 【振替伝票】 (借)仕入 500,000/(貸)買掛金 500,000 まず全額を掛けで仕入れたと考える 【出金伝票】 科目:買掛金  金額:200,000 (借)買掛金 200,000/(貸)現金 200,000

どちらの方法でも、2枚の伝票を合算すれば元の取引の仕訳になります。試験では「出金伝票の科目が仕入か買掛金か」で、どちらの方法かを判定します。

暗記

出金(入金)伝票の科目を見れば、どちらの方法かが一瞬でわかります。
・出金伝票に「仕入」と書いてある → 方法①(取引を分解)。振替伝票は残額で仕入/買掛金
・出金伝票に「買掛金」と書いてある → 方法②(全額掛け)。振替伝票は全額で仕入/買掛金
売上側も同じ。入金伝票が「売上」なら方法①、「売掛金」なら方法②です。

例題14-2応用一部現金取引の推定

次の取引について、下の伝票が作成された。振替伝票の(  )に入る科目と金額を答えなさい。

取引:商品 840,000円を売り上げ、代金のうち 240,000円は現金で受け取り、残額は掛けとした。

【ケースA】入金伝票【ケースB】入金伝票
科目売 上科目売掛金
金額240,000金額240,000
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ケース振替伝票 借方金額振替伝票 貸方金額
A売 掛 金600,000売  上600,000
B売 掛 金840,000売  上840,000

解説:
ケースA(入金伝票の科目が「売上」)=方法①。現金部分240,000をそのまま売上として入金伝票に、残りの600,000だけを振替伝票へ。
ケースB(入金伝票の科目が「売掛金」)=方法②。いったん全額840,000を掛け売上としたうえで、そのうち240,000をすぐ現金回収したと考えます。だから振替伝票は全額840,000
確認:ケースBの2枚を合算すると、(借)現金240,000・売掛金840,000/(貸)売上840,000・売掛金240,000 → 売掛金が相殺されて(借)現金240,000・売掛金600,000/(貸)売上840,000 となり、元の取引と一致します。

14-3仕訳日計表

1日分の伝票を勘定科目ごとに集計した表が仕訳日計表です。これを使って総勘定元帳へまとめて転記します(合計転記)。

例題14-3標準仕訳日計表

次の伝票から仕訳日計表を作成し、現金勘定・売掛金勘定の借方合計・貸方合計を求めなさい。

入金伝票金額出金伝票金額振替伝票金額
売掛金150,000買掛金180,000(借)仕入/(貸)買掛金420,000
売上90,000通信費12,000(借)売掛金/(貸)売上560,000
受取手数料35,000消耗品費8,000(借)買掛金/(貸)支払手形200,000
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借方勘定科目貸方
275,000現  金200,000
560,000売 掛 金150,000
380,000買 掛 金420,000
支払手形200,000
売  上650,000
受取手数料35,000
420,000仕  入
12,000通 信 費
8,000消耗品費
1,655,000合 計1,655,000

現金:借方 275,000/貸方 200,000  売掛金:借方 560,000/貸方 150,000

解説の型(この順でやれば必ず解けます):
① 入金伝票の合計 = 150,000+90,000+35,000 = 275,000 → 現金の借方
② 出金伝票の合計 = 180,000+12,000+8,000 = 200,000 → 現金の貸方
③ 入金伝票の各科目 → その科目の貸方へ(売掛金150,000、売上90,000、受取手数料35,000)
④ 出金伝票の各科目 → その科目の借方へ(買掛金180,000、通信費12,000、消耗品費8,000)
⑤ 振替伝票はそのまま両建てで集計
売上 = 90,000(入金)+ 560,000(振替)= 650,000。買掛金 = 借方180,000+200,000 = 380,000、貸方420,000。
最後に必ず借方合計と貸方合計の一致を確認。ここが合っていれば集計は正しいと判断できます。

例題14-4応用伝票からの推定

次の2枚の伝票が、1つの取引から作成されたものである。元の取引を推定しなさい。

出金伝票金額振替伝票(借方)金額振替伝票(貸方)金額
買掛金150,000仕入680,000買掛金680,000
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元の取引:商品 680,000円を仕入れ、代金のうち 150,000円は現金で支払い、残額 530,000円は掛けとした。

解説:出金伝票の科目が「買掛金」なので方法②(いったん全額を掛けとする)です。したがって振替伝票の680,000が取引の総額。現金で払ったのは出金伝票の150,000。掛けとして残るのは 680,000 - 150,000 = 530,000。
2枚を合算:(借)仕入680,000・買掛金150,000/(貸)買掛金680,000・現金150,000
→ 買掛金を相殺して(借)仕入680,000/(貸)現金150,000・買掛金530,000。元の取引と一致します。

確認問題 14全12問/目標正答 9問以上
1「売掛金 200,000円を現金で回収した」はどの伝票に起票するか。科目は何と書くか。
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入金伝票/科目:売掛金 金額:200,000
2「給料 480,000円を現金で支払った」はどの伝票か。
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出金伝票/科目:給料 金額:480,000
3「商品 300,000円を掛けで売り上げた」はどの伝票か。
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振替伝票(借)売掛金 300,000/(貸)売上 300,000
4入金伝票に記入する科目は、借方・貸方どちらの科目か。
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貸方科目(相手科目)。借方は常に現金なので省略されます。
5仕入 900,000円のうち現金 300,000円・残額掛け。方法①(分解)の場合の出金伝票の科目と金額は。
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科目:仕入 金額:300,000。振替伝票は(借)仕入 600,000/(貸)買掛金 600,000
6上記5で方法②(全額掛け)の場合、出金伝票と振替伝票はどうなるか。
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出金伝票 科目:買掛金 300,000/振替伝票(借)仕入 900,000/(貸)買掛金 900,000
7入金伝票の科目が「売上」であるとき、どちらの方法が採用されているか。
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方法①(取引を分解する方法)
8入金伝票の科目が「売掛金」であるとき、振替伝票の金額は取引総額か残額か。
解答を見る
取引総額(方法②のため)
9仕訳日計表の借方合計と貸方合計は一致するか。
解答を見る
必ず一致する。一致しなければ集計ミスです。
10入金伝票の合計額は、仕訳日計表のどこに記入されるか。
解答を見る
現金勘定の借方
11出金伝票の合計額は、仕訳日計表のどこに記入されるか。
解答を見る
現金勘定の貸方
12仕訳日計表から総勘定元帳へ転記する方法を何というか。
解答を見る
合計転記(1件ずつ転記する個別転記に対する言葉)

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第15章

試算表 ― 集計と推定

例題3問/確認10問

15-13種類の試算表

名称内容
合計試算表各勘定の借方合計・貸方合計をそのまま並べた表
残高試算表各勘定の残高(差額)だけを並べた表。決算で使うのはこちら
合計残高試算表合計と残高の両方を1枚に並べた表

表15-1 試算表の3種類。いずれも借方合計=貸方合計となり、転記ミスの発見に使います。

POINT

試算表を作る目的は「貸借平均の原理を使って、転記が正しく行われたかを確認する」ことです。
ただし、試算表では発見できない誤りもあります。
・仕訳そのものを忘れた(両方とも記入されていない)
・借方・貸方の両方を同額だけ間違えた
・勘定科目を間違えた(金額は合っている)
・二重に転記した
この論点は語句選択問題で問われることがあります。

15-2試算表問題の解き方(型)

  • 答案用紙の勘定科目に、まず月初残高を写す。問題文の「月初の残高試算表」をそのまま転記します。
  • 取引を1つずつ仕訳する。下書き用紙に仕訳を書き、T字勘定に集計していきます。科目ごとにメモを縦に並べるだけでも構いません。
  • 科目ごとに合計する。月初残高+当月増加-当月減少。
  • 最後に借方合計と貸方合計の一致を確認する。合わなければ必ずどこかにミスがあります。
得点戦略

試算表問題は部分点が非常に取りやすい大問です。全部の科目を合わせようとせず、取引数の少ない科目(受取手形、備品、借入金など)から確実に埋めるのが正解。現金・売掛金・買掛金は取引が多く、1つでもミスがあると狂うので最後に回します。合計欄が合わなくても、個別の科目が合っていれば点はもらえます。

例題15-1標準残高試算表の作成

次の月初残高と当月の取引から、月末の①現金、②売掛金、③買掛金の残高を求めなさい。

月初残高:現金 480,000円/売掛金 920,000円/買掛金 640,000円
当月の取引:
(1) 商品 1,350,000円を掛けで仕入れた
(2) 商品 2,180,000円を掛けで売り上げた
(3) 売掛金 1,760,000円を現金で回収した
(4) 買掛金 1,120,000円を現金で支払った
(5) 掛けで仕入れた商品のうち 45,000円を返品した
(6) 掛けで売り上げた商品のうち 68,000円が返品された
(7) 給料 620,000円を現金で支払った

解答・解説を見る

現金 500,000円 ② 売掛金 1,272,000円 ③ 買掛金 825,000円

科目月初増加減少月末残高
現金480,000(3) 1,760,000(4) 1,120,000
(7) 620,000
500,000
売掛金920,000(2) 2,180,000(3) 1,760,000
(6) 68,000
1,272,000
買掛金640,000(1) 1,350,000(4) 1,120,000
(5) 45,000
825,000

解説:
現金 480,000+1,760,000-1,120,000-620,000 = 500,000
売掛金 920,000+2,180,000-1,760,000-68,000 = 1,272,000
買掛金 640,000+1,350,000-1,120,000-45,000 = 825,000
ポイント:返品(5)(6)を忘れないこと。仕入戻しは買掛金の減少、売上戻りは売掛金の減少です。

例題15-2応用合計試算表からの推定

次の資料から、当月の①現金による売上高、②売掛金の当月回収額を求めなさい。
【売掛金勘定】月初残高 750,000円、月末残高 890,000円、当月の掛け売上高 3,200,000円、当月の売上戻り(掛け分)55,000円、貸倒れ 30,000円
【売上勘定】当月の総売上高 3,640,000円(うち掛け 3,200,000円、残りは現金売上)、売上戻り(掛け分のみ)55,000円

解答・解説を見る

現金売上 440,000円 ② 売掛金の当月回収額 2,975,000円

解説:
① 3,640,000 - 3,200,000 = 440,000
② 売掛金のT字勘定で考えます。
 借方(増加):月初750,000 + 掛け売上3,200,000 = 3,950,000
 貸方(減少):回収額(?)+ 売上戻り55,000 + 貸倒れ30,000 + 月末890,000 = 3,950,000
 回収額 = 3,950,000 -(55,000+30,000+890,000)= 2,975,000
この型が第2問・第3問の推定問題の核心です。「T字勘定を書いて、わかっている数字を全部入れ、空欄を差額で求める」。迷ったらまずT字勘定を書いてください。

例題15-3応用試算表で発見できる誤り

作成した残高試算表の借方合計が 8,450,000円、貸方合計が 8,270,000円であった。差額 180,000円の原因として最も適切なものを1つ選び、理由も説明しなさい。

ア.買掛金 90,000円の支払いの仕訳を、まったく記帳していなかった
イ.受取手数料 90,000円を、誤って借方に転記していた
ウ.仕入 180,000円を、誤って消耗品費として記帳していた
エ.売上 180,000円の仕訳を、二重に記帳していた

解答・解説を見る

正解:イ

選択肢試算表への影響差額
借方(買掛金90,000)と貸方(現金90,000)が両方とも記入されない生じない
本来 貸方90,000 に入るべきものが 借方90,000 に入った
→ 貸方が90,000少なく、借方が90,000多い
180,000
借方の科目名だけが違い、金額は正しい生じない
借方・貸方が同額ずつ増える生じない

この問題で覚える2つのルール:
貸借を逆に転記した場合、差額は金額の「2倍」になる。差額180,000なら、逆記入されたのは90,000の項目です。
試算表では発見できない誤り=仕訳漏れ/二重記帳/勘定科目の誤り/借方・貸方を同額だけ間違えた場合。いずれも貸借が同じだけ動くため、合計は一致してしまいます。
試験での出方:語句補充や正誤判定として第2問に登場します。「試算表で貸借が一致していれば帳簿は完全に正しい」という記述は誤りである、と押さえておいてください。

確認問題 15全10問/目標正答 7問以上
1試算表を作成する目的は何か。
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貸借平均の原理を利用して、仕訳・転記が正しく行われたかを検証するため。
2試算表では発見できない誤りを3つあげなさい。
解答を見る
①仕訳そのものの漏れ ②二重記帳 ③勘定科目の誤り(金額は正しい) ④借方・貸方を同額だけ間違えた場合
3合計試算表と残高試算表の違いを説明しなさい。
解答を見る
合計試算表は各勘定の借方合計・貸方合計をそのまま示し、残高試算表は差額(残高)のみを示します。
4売掛金の月初 600,000円、掛け売上 2,400,000円、回収 2,100,000円、貸倒れ 40,000円。月末残高は。
解答を見る
860,000円
5買掛金の月初 480,000円、掛け仕入 1,900,000円、支払 1,650,000円、仕入戻し 35,000円。月末残高は。
解答を見る
695,000円
6現金の月初 350,000円、当月の入金合計 2,850,000円、出金合計 2,940,000円。月末残高は。
解答を見る
260,000円
7120,000円の項目を貸借逆に転記した場合、試算表の借方合計と貸方合計の差額はいくらか。
解答を見る
240,000円(金額の2倍)
8試算表問題で、最初に埋めるべき科目はどのようなものか。
解答を見る
取引件数が少ない科目(受取手形・備品・借入金・資本金など)。現金・売掛金・買掛金は最後に回します。
9残高試算表の借方に残高が出る勘定を3つあげなさい。
解答を見る
資産(現金・売掛金・備品など)と費用(仕入・給料など)。
10残高試算表の貸方に残高が出る勘定を3つあげなさい。
解答を見る
負債(買掛金・借入金など)、純資産(資本金・繰越利益剰余金)、収益(売上・受取手数料など)。※貸倒引当金・減価償却累計額も貸方です。

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第16章

決算の全体像 ― 第3問35点の設計図

例題2問/確認8問

ここから第3問(35点)の世界に入ります。決算は覚えることが多いように見えて、実は「6つの型」の組み合わせにすぎません。この章で全体地図を頭に入れてから、第17〜22章で1つずつ潰していきます。

16-1決算手続の流れ

図16-A 決算手続の全体フロー ① 決算整理前残高試算表(前T/B)をつくる ― 期中の記録を集計する ② 決算整理仕訳 ― ここが第3問の本体(6類型) 1. 現金過不足の処理/当座借越の振替/貯蔵品の棚卸    4. 減価償却 2. 売上原価の算定(しーくりくりしー)          5. 経過勘定(前払・前受・未払・未収) 3. 貸倒引当金の設定                   6. 消費税・法人税等の処理 ③ 決算整理後残高試算表(後T/B) / 精算表 ― 整理後の残高を並べる ④ 損益計算書・貸借対照表の作成 ⑤ 帳簿の締切(損益振替・資本振替・繰越記入)

第3問で問われるのは、③の精算表後T/B、または④の財務諸表のどれか1つ。②の決算整理仕訳さえ書ければ、どの形式で問われても解けます。

16-2決算整理6類型 早見表

No整理事項仕訳の型
1a現金過不足の整理(借)雑損/(貸)現金過不足 または(借)現金過不足/(貸)雑益17
1b当座借越の振替(借)当座預金/(貸)当座借越(借入金)17
1c貯蔵品の棚卸(借)貯蔵品/(貸)租税公課・通信費17
2売上原価の算定(借)仕入/(貸)繰越商品[期首]
(借)繰越商品/(貸)仕入[期末]
18
3貸倒引当金の設定(借)貸倒引当金繰入/(貸)貸倒引当金19
4減価償却(借)減価償却費/(貸)減価償却累計額20
5a費用の前払い(借)前払○○/(貸)○○(費用)21
5b収益の前受け(借)○○(収益)/(貸)前受○○21
5c費用の未払い(借)○○(費用)/(貸)未払○○21
5d収益の未収(借)未収○○/(貸)○○(収益)21
6a消費税の精算(借)仮受消費税/(貸)仮払消費税・未払消費税22
6b法人税等の計上(借)法人税、住民税及び事業税/(貸)仮払法人税等・未払法人税等22

表16-1 決算整理6類型(12パターン)。第3問はこの表から5〜8個が出題されるだけです。全部書けるようになれば35点が射程に入ります。

得点戦略

第3問は「解く順番」で点数が変わります。おすすめは次の順です。
先に決算整理仕訳を全部、下書き用紙に書く(答案用紙にはまだ書かない)
②書けた仕訳から答案用紙に反映する
当期純利益は最後に、貸借差額で求める
途中で1つわからない項目があっても、他の項目の点は取れます。順番に上から埋めていくと、1つ詰まっただけで全体が止まります。

例題16-1標準決算整理の判別

次の決算整理事項について、必要な仕訳を示しなさい(金額は各自計算)。

(1) 現金の実際有高は 218,000円であったが、帳簿残高は 223,500円であった。原因は不明である。
(2) 期首商品棚卸高 340,000円、期末商品棚卸高 385,000円である(売上原価は仕入勘定で算定する)。
(3) 売掛金の期末残高 1,600,000円に対し、2%の貸倒引当金を設定する(差額補充法・整理前残高 21,000円)。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)雑  損5,500現  金5,500
(2)仕  入340,000繰越商品340,000
繰越商品385,000仕  入385,000
(3)貸倒引当金繰入11,000貸倒引当金11,000

解説:(1) 決算日に判明した不一致は現金過不足を経由せず直接 雑損。223,500 - 218,000 = 5,500。
(3) 1,600,000 × 2% = 32,000。32,000 - 21,000 = 11,000

例題16-2標準当期純利益の算定

決算整理後の各科目の残高が次のとおりであるとき、当期純利益を求めなさい。
売上 5,820,000/受取手数料 148,000/仕入(売上原価)3,640,000/給料 1,120,000/支払家賃 360,000/減価償却費 180,000/貸倒引当金繰入 34,000/通信費 82,000/法人税、住民税及び事業税 168,000

解答・解説を見る

当期純利益 384,000円

解説:
収益合計 = 5,820,000 + 148,000 = 5,968,000
費用合計(法人税等を除く)= 3,640,000+1,120,000+360,000+180,000+34,000+82,000 = 5,416,000
税引前当期純利益 = 5,968,000 - 5,416,000 = 552,000
当期純利益 = 552,000 - 168,000 = 384,000
重要:P/Lでは法人税等は税引前当期純利益の下に単独で表示し、それを引いた残りが当期純利益です。他の費用と一緒に足してしまわないよう注意してください。

確認問題 16全8問/目標正答 6問以上
1決算整理6類型をすべてあげなさい。
解答を見る
①現金過不足・当座借越・貯蔵品 ②売上原価の算定 ③貸倒引当金の設定 ④減価償却 ⑤経過勘定(前払・前受・未払・未収) ⑥消費税・法人税等
2決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表の違いは。
解答を見る
前T/Bは期中取引だけを集計したもの、後T/Bは決算整理仕訳を反映した後の残高。財務諸表は後T/Bから作ります。
3第3問で問われる3つの出題形式をあげなさい。
解答を見る
①精算表の作成 ②財務諸表(P/L・B/S)の作成 ③決算整理後残高試算表の作成
4収益 4,200,000円、費用(法人税等を除く)3,500,000円、法人税等 210,000円。当期純利益は。
解答を見る
490,000円(税引前700,000 - 210,000)
5決算整理仕訳を書く前に、必ず確認すべきものは何か。
解答を見る
決算整理前残高試算表の各科目の残高。差額補充法や売上原価の計算に必要です。
6当期純利益は損益計算書のどちら側に記入するか。当期純損失の場合は。
解答を見る
当期純利益=借方(左)、当期純損失=貸方(右)
7当期純利益は貸借対照表のどこに影響するか。
解答を見る
繰越利益剰余金(純資産)が同額増加します。
8第3問を解くときの推奨手順を説明しなさい。
解答を見る
①決算整理仕訳をすべて下書き用紙に書く →②書けた分から答案用紙に反映 →③当期純利益は最後に貸借差額で求める。わからない項目で止まらないことが最重要。

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第17章

決算整理① 現金過不足・当座借越・貯蔵品

例題4問/確認12問

17-13つの整理事項をまとめて押さえる

整理事項仕訳ねらい
現金過不足
(借方残=不足)
(借)雑損/(貸)現金過不足B/Sに「現金過不足」を残さない
現金過不足
(貸方残=過剰)
(借)現金過不足/(貸)雑益
当座借越(借)当座預金/(貸)当座借越(借入金)資産のマイナスを負債に振り替える
貯蔵品(借)貯蔵品/(貸)租税公課・通信費未使用分を当期の費用から除く

表17-1 決算整理① の3点セット。いずれも「B/Sに載せてはいけないもの」「当期の費用にすべきでないもの」を整理する処理です。

注意

貯蔵品になるのは「収入印紙」と「郵便切手」だけと覚えてください(3級の範囲)。コピー用紙などの消耗品の未使用分は、3級では原則として貯蔵品に振り替えません(問題文に指示があれば従います)。
また、貯蔵品に振り替えた分は翌期首に再振替仕訳で費用に戻します。

例題17-1標準3点セット

決算(3月31日)にあたり、次の処理を行う。仕訳を示しなさい。

(1) 現金過不足勘定の借方残高 8,700円について、6,200円は水道光熱費の記帳漏れであることが判明したが、残額は原因不明である。
(2) 当座預金勘定が 340,000円の貸方残高となっている。取引銀行とは当座借越契約を結んでいる(当座借越勘定を用いる)。
(3) 購入時に費用処理した収入印紙のうち 12,000円、郵便切手のうち 4,800円が未使用である。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)水道光熱費6,200現金過不足8,700
雑  損2,500
(2)当座預金340,000当座借越340,000
(3)貯 蔵 品16,800租税公課12,000
通 信 費4,800

解説:(1) 判明分と不明分を1本の仕訳にまとめるのが決算整理での書き方です。8,700 - 6,200 = 2,500 が雑損。
(3) 借方は「貯蔵品 16,800」の1行、貸方は科目ごとに分けます。

17-2再振替仕訳(翌期首の処理)

POINT

次の決算整理を行った場合、翌期首に必ず逆仕訳(再振替仕訳)をします。

決算整理翌期首の再振替仕訳
当座借越への振替(借)当座借越/(貸)当座預金
貯蔵品への振替(借)租税公課・通信費/(貸)貯蔵品
経過勘定(第21章)(借)支払家賃/(貸)前払家賃 など、すべて逆仕訳

逆に、再振替をしないものもあります:減価償却、貸倒引当金の設定、売上原価の算定、消費税・法人税等の精算。「翌期首に戻すのは、期間のズレを調整しただけのもの」と覚えてください。

例題17-2標準再振替仕訳

前期末に次の決算整理を行っていた。当期首(4月1日)の再振替仕訳を示しなさい。

(1) 貯蔵品 21,500円(内訳:収入印紙 15,000円、郵便切手 6,500円)
(2) 当座借越 180,000円(借入金勘定に振替)
(3) 減価償却費 240,000円の計上

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)租税公課15,000貯 蔵 品21,500
通 信 費6,500
(2)借 入 金180,000当座預金180,000
(3)仕訳なし(減価償却は再振替しない)

解説:(3)がポイント。減価償却は「当期の価値の減少」を確定させる処理であり、期間のズレを調整したものではないので、翌期に戻すことはありません。

例題17-3応用現金の実査

決算にあたり金庫を実査したところ、次のものが入っていた。現金勘定の帳簿残高は 305,000円であり、このうち当店振出の小切手 40,000円も現金として記帳されていた。収入印紙は購入時に租税公課として処理済みである。必要な決算整理仕訳を示しなさい。

紙幣・硬貨 158,000円/得意先振出の小切手 82,000円/郵便為替証書 20,000円/当店振出の小切手 40,000円/未使用の収入印紙 9,000円

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
当座預金40,000現  金40,000
貯 蔵 品9,000租税公課9,000
雑  損5,000現  金5,000

解く順番(この順を守れば必ず正解できます):

手順やること金額
1簿記上の現金を確定する
紙幣・硬貨 158,000 + 他人振出小切手 82,000 + 郵便為替証書 20,000
260,000
2現金に含めてはいけないものを帳簿から除く
当店振出小切手 40,000 → 当座預金へ(仕訳①)
収入印紙は現金勘定に入っていないので、別途 貯蔵品へ(仕訳②)
40,000
3修正後の帳簿残高を計算する 305,000 - 40,000265,000
4差額を雑損・雑益に 265,000 - 260,000 = 5,000 の不足(仕訳③)5,000

つまずきポイント:いきなり「実際有高 - 帳簿残高」で雑損益を出そうとすると必ず間違えます。先に「現金でないもの」を帳簿から追い出してから、最後に差額を雑損・雑益にする。この順番が絶対です。
もう1つ:未使用の収入印紙9,000は、購入時に租税公課(費用)で処理されており現金勘定には入っていません。したがって現金の差額計算には関与せず、独立して貯蔵品へ振り替えます。

例題17-4基本当座借越

決算にあたり、A銀行の当座預金勘定は 620,000円の借方残高、B銀行の当座預金勘定は 175,000円の貸方残高であった。必要な決算整理仕訳を示しなさい(当座借越勘定を用いる)。

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
当座預金B銀行175,000当座借越175,000

解説:貸方残高になっている口座だけを振り替えます。A銀行は正常な借方残高なのでそのままB/Sの資産に載ります。
よくあるミス:2口座を相殺して 620,000 - 175,000 = 445,000 としてしまうこと。口座ごとに独立して判定してください。

確認問題 17全12問/目標正答 9問以上
1現金過不足の借方残高 4,300円の原因が決算日まで不明であった。
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(借)雑損 4,300 /(貸)現金過不足 4,300
2現金過不足の貸方残高 6,800円の原因が決算日まで不明であった。
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(借)現金過不足 6,800 /(貸)雑益 6,800
3現金過不足の借方残高 15,000円のうち、11,000円は通信費の記帳漏れ、残りは原因不明。
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(借)通信費 11,000・雑損 4,000 /(貸)現金過不足 15,000
4現金過不足の貸方残高 9,000円のうち、7,500円は受取手数料の記帳漏れ、残りは原因不明。
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(借)現金過不足 9,000 /(貸)受取手数料 7,500・雑益 1,500
5当座預金勘定が 260,000円の貸方残高。借入金勘定へ振り替える。
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(借)当座預金 260,000 /(貸)借入金 260,000
6上記5の翌期首の再振替仕訳は。
解答を見る
(借)借入金 260,000 /(貸)当座預金 260,000
7未使用の収入印紙 18,000円がある(購入時に租税公課で処理)。
解答を見る
(借)貯蔵品 18,000 /(貸)租税公課 18,000
8未使用の郵便切手 5,200円がある(購入時に通信費で処理)。
解答を見る
(借)貯蔵品 5,200 /(貸)通信費 5,200
9上記7・8の翌期首の再振替仕訳を1本で示しなさい。
解答を見る
(借)租税公課 18,000・通信費 5,200 /(貸)貯蔵品 23,200
10翌期首に再振替仕訳をしないものを2つあげなさい。
解答を見る
減価償却/貸倒引当金の設定/売上原価の算定/消費税・法人税等の精算(いずれか2つ)
11決算にあたり現金の実際有高が帳簿より 3,200円多いことが判明した(原因不明・現金過不足勘定は使わない)。
解答を見る
(借)現金 3,200 /(貸)雑益 3,200
12貸借対照表に「現金過不足」という科目は登場するか。
解答を見る
登場しない。決算で必ず雑損・雑益(または判明した科目)に振り替えて消します。

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第18章

決算整理② 売上原価の算定「しーくりくりしー」

例題4問/確認12問

第3問でほぼ毎回出題される、決算整理の主役です。呪文のように暗記されがちですが、意味がわかれば絶対に忘れません。ここは理屈から入りましょう。

18-1なぜ決算で仕入勘定をいじるのか

はじめてさんへ

三分法では、期中は仕入れるたびに「仕入」(費用)を計上し、繰越商品には一切触れませんでした(第4章)。
その結果、決算日時点の仕入勘定=当期に仕入れた金額の合計繰越商品勘定=期首の在庫金額のままという状態になっています。
しかしP/Lに載せたいのは「当期に売れた商品の原価」=売上原価です。だから決算で調整するのです。

暗記

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高

順番借方科目金額貸方科目金額意味
1本目仕 入期首商品繰越商品期首商品期首の在庫を仕入に足す
2本目繰越商品期末商品仕 入期末商品期末の在庫を仕入から引く

読み方は「し・くり/くり・し」入・越商品/越商品・入。
1本目は期首の金額、2本目は期末の金額。ここを逆にすると全滅するので、「最初は期首、あとは期末」と唱えてください。

図18-A しーくりくりしーで仕入勘定が売上原価に変わる 仕入勘定(T字) 当期仕入高 1,420,000 期首商品(1本目) 180,000 期末商品(2本目) 215,000 残高=売上原価 1,385,000 180,000 + 1,420,000 - 215,000 = 1,385,000 繰越商品勘定(T字) 前期繰越(期首) 180,000 期末商品(2本目) 215,000 仕入へ(1本目) 180,000 残高=B/Sの商品 215,000 2本の仕訳で、仕入勘定は「売上原価」に、繰越商品勘定は「期末在庫」に生まれ変わる。
例題18-1基本しーくりくりしー

決算にあたり、売上原価を仕入勘定で算定する。期首商品棚卸高 420,000円、期末商品棚卸高 385,000円である。決算整理仕訳を示し、当期仕入高が 3,150,000円のときの売上原価を求めなさい。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
1本目仕  入420,000繰越商品420,000
2本目繰越商品385,000仕  入385,000

売上原価 = 420,000 + 3,150,000 - 385,000 = 3,185,000円

確認:整理後の仕入勘定の残高が売上原価3,185,000、繰越商品勘定の残高が385,000(B/Sの「商品」)になります。

18-2「売上原価勘定」で算定する場合

POINT

問題文に「売上原価は売上原価勘定で算定する」とある場合は、仕訳が3本になります。

順番借方科目金額貸方科目金額
1本目売上原価期首商品繰越商品期首商品
2本目売上原価当期仕入高仕  入当期仕入高
3本目繰越商品期末商品売上原価期末商品

考え方は同じで、「売上原価」という新しい箱にすべてを集めてから、期末在庫を出すだけ。整理後、仕入勘定の残高はゼロになります。

例題18-2標準売上原価勘定

決算にあたり、売上原価を売上原価勘定で算定する。期首商品棚卸高 260,000円、当期仕入高 2,480,000円、期末商品棚卸高 310,000円。決算整理仕訳を示し、整理後の①売上原価勘定、②仕入勘定、③繰越商品勘定の残高を答えなさい。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
1本目売上原価260,000繰越商品260,000
2本目売上原価2,480,000仕  入2,480,000
3本目繰越商品310,000売上原価310,000

売上原価 2,430,000円 ② 仕入 0円 ③ 繰越商品 310,000円

解説:売上原価 = 260,000 + 2,480,000 - 310,000 = 2,430,000
ポイント:2本目で仕入勘定の残高を全額売上原価へ移すので、仕入勘定はゼロになります。精算表では仕入の行が空欄(またはゼロ)になり、代わりに売上原価の行に金額が入ります。

18-3棚卸減耗・商品評価損は3級の範囲外

注意

2級では、帳簿上の在庫と実地棚卸数量の差(棚卸減耗損)や、時価下落による商品評価損を計上します。3級ではこれらは出題されません。期末商品棚卸高=実地棚卸額として、そのまま使ってください。
ネット上には2級の解説が混在しているので、3級の学習中は「棚卸減耗」という言葉が出てきたら読み飛ばすと決めてしまって構いません。

例題18-3応用売上総利益まで

次の決算整理前残高試算表の一部と決算整理事項から、①売上原価、②売上総利益、③B/Sに計上される商品の金額を求めなさい。
【前T/B】繰越商品 468,000/仕入 5,240,000/売上 7,860,000
【決算整理事項】期末商品棚卸高 512,000円

解答・解説を見る

売上原価 5,196,000円 ② 売上総利益 2,664,000円 ③ 商品 512,000円

解説:
① 468,000 + 5,240,000 - 512,000 = 5,196,000
② 7,860,000 - 5,196,000 = 2,664,000
③ 期末商品棚卸高がそのままB/Sの「商品」
重要な確認:前T/Bの「繰越商品468,000」は期首の金額です。決算整理前の繰越商品勘定は、期中に一度も動いていないので前期末の金額のまま。これを期末商品と勘違いするミスが本当に多いので、注意してください。

例題18-4応用逆算

当期の売上高は 6,400,000円、売上総利益率は 25%である。期首商品棚卸高 380,000円、期末商品棚卸高 445,000円であるとき、当期商品仕入高を求めなさい。

解答・解説を見る

当期商品仕入高 = 4,865,000円

解説:
売上総利益 = 6,400,000 × 25% = 1,600,000
売上原価 = 6,400,000 - 1,600,000 = 4,800,000
売上原価 = 期首 + 仕入 - 期末 なので
4,800,000 = 380,000 + 仕入 - 445,000
仕入 = 4,800,000 - 380,000 + 445,000 = 4,865,000
別解:売上原価率 = 100% - 25% = 75%。売上原価 = 6,400,000 × 75% = 4,800,000(こちらのほうが電卓は速い)。

確認問題 18全12問/目標正答 9問以上
1期首商品 250,000円、期末商品 310,000円。売上原価を仕入勘定で算定する決算整理仕訳を示しなさい。
解答を見る
(借)仕入 250,000/(貸)繰越商品 250,000
(借)繰越商品 310,000/(貸)仕入 310,000
2上記1で当期仕入高 4,200,000円のとき、売上原価はいくらか。
解答を見る
4,140,000円(250,000+4,200,000-310,000)
3決算整理前の繰越商品勘定の残高は、期首・期末どちらの商品棚卸高か。
解答を見る
期首(期中は繰越商品を一切動かさないため)
4決算整理後の仕入勘定の残高は何を表すか(仕入勘定で算定する場合)。
解答を見る
売上原価
5決算整理後の繰越商品勘定の残高は何を表すか。
解答を見る
期末商品棚卸高(B/Sには「商品」として表示)
6売上原価勘定で算定する場合の仕訳3本を示しなさい(期首A・仕入B・期末C)。
解答を見る
(借)売上原価 A/(貸)繰越商品 A
(借)売上原価 B/(貸)仕入 B
(借)繰越商品 C/(貸)売上原価 C
7売上原価勘定で算定した場合、整理後の仕入勘定の残高はいくらか。
解答を見る
ゼロ
8売上高 5,000,000円、売上原価 3,600,000円。売上総利益と売上総利益率は。
解答を見る
売上総利益 1,400,000円、売上総利益率 28%
9売上高 8,000,000円、売上原価率 70%、期首商品 500,000円、期末商品 620,000円。当期仕入高は。
解答を見る
売上原価=5,600,000。仕入=5,600,000-500,000+620,000=5,720,000円
10棚卸減耗損は3級の出題範囲か。
解答を見る
範囲外(2級の範囲)。3級では期末商品棚卸高をそのまま使います。
11「しーくりくりしー」の1本目・2本目に使う金額はそれぞれ何か。
解答を見る
1本目=期首商品棚卸高、2本目=期末商品棚卸高
12期首商品 300,000円、当期仕入 2,700,000円、売上原価 2,850,000円。期末商品棚卸高は。
解答を見る
150,000円(300,000+2,700,000-2,850,000)

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第19章

決算整理③ 貸倒引当金の設定

例題3問/確認10問

基本は第7章で学びました。ここでは第3問で問われる形(対象債権の特定・整理前残高の把握・精算表への記入)に絞って仕上げます。

19-1第3問での3つのチェックポイント

  • 対象となる債権を正しく拾う。問題文の「売掛金及び受取手形の期末残高に対して」という表現を必ず読む。電子記録債権が含まれることもあります。貸付金・未収入金は原則として対象外です。
  • 期中の貸倒れを反映した「整理前残高」を使う。前T/Bの貸倒引当金の金額が、すでに期中の取崩し後になっているかを確認します。
  • 他の決算整理で債権が増減していないかを確認する。「未処理事項:売掛金の回収 200,000円が未記帳」などがあると、設定対象の売掛金残高そのものが変わります
注意

第3問の最頻出トラップがこれです。「決算整理事項」の前に「未処理事項」が置かれていて、そこで売掛金が動くパターン。未処理事項を先に処理してから、貸倒引当金を計算するという順番を絶対に守ってください。
同じことが減価償却(未処理の固定資産取得)売上原価(未処理の仕入)にも起こります。

例題19-1応用未処理事項つき

次の資料から、貸倒引当金の決算整理仕訳を示しなさい。
【前T/B】受取手形 800,000/売掛金 2,150,000/貸倒引当金 18,000
【未処理事項】得意先から売掛金 150,000円が当座預金に振り込まれていたが未記帳であった。
【決算整理事項】受取手形および売掛金の期末残高に対し、2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
未処理当座預金150,000売 掛 金150,000
整理貸倒引当金繰入38,000貸倒引当金38,000

解説:
売掛金の正しい期末残高 = 2,150,000 - 150,000 = 2,000,000
対象債権合計 = 800,000 + 2,000,000 = 2,800,000
設定額 = 2,800,000 × 2% = 56,000
繰入額 = 56,000 - 18,000 = 38,000
もし未処理事項を見落とすと:(800,000+2,150,000)×2% = 59,000、繰入 41,000 と誤答になります。3,000円のズレが、B/S・P/L・当期純利益のすべてを狂わせます。

例題19-2標準貸倒れ込み

次の資料から、貸倒引当金に関する決算整理仕訳を示しなさい。
【前T/B】売掛金 1,850,000/貸倒引当金 52,000
【未処理事項】当期に発生した売掛金 90,000円が回収不能となったが未処理である。
【決算整理事項】売掛金の期末残高に対し3%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
未処理貸倒損失90,000売 掛 金90,000
整理貸倒引当金繰入800貸倒引当金800

解説:
まず未処理の貸倒れを処理します。当期発生の債権なので貸倒引当金は使えず貸倒損失(第7章)。
売掛金の正しい残高 = 1,850,000 - 90,000 = 1,760,000
設定額 = 1,760,000 × 3% = 52,800
繰入額 = 52,800 - 52,000 = 800
この問題の狙い:「当期発生か前期発生か」で貸倒れの処理が変わり、その結果が引当金の計算に連鎖します。1つ間違えると2か所失点するのが第3問の怖さです。

例題19-3標準財務諸表表示

例題19-1の結果について、①貸借対照表の表示、②損益計算書の表示を示しなさい。

解答・解説を見る

① 貸借対照表(一部)

資産の部内訳金額
受取手形800,000
 貸倒引当金△16,000784,000
売掛金2,000,000
 貸倒引当金△40,0001,960,000

② 損益計算書(一部) 販売費及び一般管理費:貸倒引当金繰入 38,000

解説:B/Sでは債権ごとに控除形式で表示します(800,000×2%=16,000、2,000,000×2%=40,000)。
ただし試験の答案用紙によっては「貸倒引当金」を1行でまとめて△56,000と表示する形式もあります。答案用紙の様式に従うことが最優先です。

確認問題 19全10問/目標正答 8問以上
1前T/B:売掛金 2,400,000、貸倒引当金 30,000。3%を差額補充法で設定。
解答を見る
(借)貸倒引当金繰入 42,000/(貸)貸倒引当金 42,000(72,000-30,000)
2前T/B:受取手形 900,000、売掛金 1,600,000、貸倒引当金 60,000。2%を設定。
解答を見る
設定額 50,000 < 残高 60,000
(借)貸倒引当金 10,000/(貸)貸倒引当金戻入 10,000
3未処理事項で売掛金 200,000円の回収が判明。前T/B売掛金 3,000,000、貸倒引当金 25,000、設定率2%。繰入額は。
解答を見る
(3,000,000-200,000)×2%=56,000。56,000-25,000=31,000円
4未処理事項で前期発生の売掛金 80,000円の貸倒れが判明。前T/B売掛金 2,500,000、貸倒引当金 100,000、設定率2%。必要な仕訳2本は。
解答を見る
(借)貸倒引当金 80,000/(貸)売掛金 80,000
設定額=(2,500,000-80,000)×2%=48,400、整理前残高=100,000-80,000=20,000
(借)貸倒引当金繰入 28,400/(貸)貸倒引当金 28,400
5貸倒引当金繰入はP/Lのどの区分に表示されるか。
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販売費及び一般管理費
6貸倒引当金戻入はP/Lのどこに表示されるか。
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営業外収益(または収益の部)。3級では単に収益として扱えば足ります。
7貸倒引当金の設定対象になる債権を3つあげなさい。
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売掛金・受取手形・電子記録債権(問題の指示によっては貸付金も対象)
8第3問で貸倒引当金を計算する前に必ずやるべきことは。
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未処理事項を先に処理して、債権の正しい期末残高を確定させる。
9B/S上、貸倒引当金はどのように表示されるか。
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対象債権の下に控除形式(△)で表示し、差引後の回収可能見込額を示します。
10前T/Bの貸倒引当金 45,000円は、期中の貸倒れを反映した後の金額か。
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反映後の金額(前T/Bは期中取引をすべて集計したもの)。ただし未処理事項がある場合は、それを反映してから使います。

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第20章

決算整理④ 減価償却

例題3問/確認10問

計算方法は第8章で学びました。ここでは第3問で狙われる3つのパターンを潰します。

20-1第3問で狙われる3パターン

状況処理
A期首から保有している資産1年分をそのまま計上。いちばん簡単
B当期中に取得した資産取得月から決算月までの月割計算。「当期○月○日に取得した備品」という一文が目印
C未処理事項で取得が判明まず取得の仕訳(借)備品/(貸)未払金 などを行い、そのうえで月割で減価償却

表20-1 減価償却の出題3パターン。BとCが得点差の分かれ目です。

暗記

月数の数え方 =「決算月 - 取得月 + 1」(年をまたぐ場合は決算月に12を足す)
例:会計期間4/1〜3/31で、当期の8月20日に取得 → (3+12) - 8 + 1 = 8か月
日割ではなく月割なので、月の途中で取得しても1か月分として数えます。

例題20-1標準3パターン同時

会計期間は4月1日〜翌3月31日。定額法・間接法・残存価額ゼロ。次の資料から減価償却の決算整理仕訳を示しなさい。

【前T/B】建物 12,000,000/備品 1,440,000/建物減価償却累計額 3,600,000/備品減価償却累計額 480,000
【資料】
・建物:耐用年数30年、すべて前期以前に取得
・備品のうち 960,000円は前期以前に取得(耐用年数6年)、残り 480,000円は当期の10月1日に取得(耐用年数4年)
・そのほか、当期の1月10日に取得した車両 1,800,000円(耐用年数5年)が未記帳である(代金は翌月払い)

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No借方科目金額貸方科目金額
未処理車両運搬具1,800,000未 払 金1,800,000
整理減価償却費710,000建物減価償却累計額400,000
備品減価償却累計額220,000
車両減価償却累計額90,000
資産計算金額
建物12,000,000 ÷ 30年400,000
備品(旧)960,000 ÷ 6年160,000
備品(当期10/1取得)480,000 ÷ 4年 = 120,000 ×6/12(10月〜3月)60,000
車両(当期1/10取得)1,800,000 ÷ 5年 = 360,000 ×3/12(1月〜3月)90,000
減価償却費 合計710,000

解説:減価償却費の合計は 400,000+160,000+60,000+90,000 = 710,000円。貸方の備品減価償却累計額は、旧備品分160,000と当期取得分60,000を合算して 220,000 と1行にまとめます(勘定は資産ごとに1つなので、取得時期で分けません)。

この問題の学びどころ:未処理の固定資産取得を先に処理する ②同じ「備品」でも取得時期が違えば別々に計算して合算する ③月数は取得月から決算月まで。この3点を外さなければ満点です。

例題20-2標準残存価額あり

建物(取得原価 24,000,000円、耐用年数40年、残存価額は取得原価の10%、定額法・間接法、前期以前に取得)について、当期の減価償却費を計算し、決算整理仕訳を示しなさい。また、期首の減価償却累計額が 4,860,000円であったとき、B/Sに表示される建物の帳簿価額を求めなさい。

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借方科目金額貸方科目金額
減価償却費540,000建物減価償却累計額540,000

期末の帳簿価額 = 24,000,000 -(4,860,000 + 540,000)= 18,600,000円

解説:残存価額 = 24,000,000 × 10% = 2,400,000。
減価償却費 =(24,000,000 - 2,400,000)÷ 40年 = 540,000
B/S表示:建物 24,000,000/減価償却累計額 △5,400,000/差引 18,600,000

例題20-3応用累計額からの逆算

備品(取得原価 1,800,000円、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法)について、決算整理前の減価償却累計額が 1,080,000円であった。この備品は当期首から何年前に取得したものか。また、当期の減価償却費はいくらか。

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3年前に取得/当期の減価償却費 360,000円

解説:1年分の減価償却費 = 1,800,000 ÷ 5 = 360,000。
累計額 1,080,000 ÷ 360,000 = 3年分。したがって3年前(3期前の期首)に取得したものです。
当期分も同じく360,000。当期末の累計額は 1,440,000 となり、残り1年で償却が終わります。
応用:この逆算は、第2問の「備品勘定・減価償却累計額勘定の記入」問題で必ず使います。累計額 ÷ 年間償却額 = 経過年数という関係を覚えておいてください。

確認問題 20全10問/目標正答 8問以上
1建物 20,000,000円、耐用年数25年、残存ゼロ、前期以前取得。当期の減価償却費は。
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800,000円
2備品 900,000円、耐用年数6年、残存ゼロ、当期の11月1日取得。決算日3月31日。当期の減価償却費は。
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150,000×5/12=62,500円
3車両 2,400,000円、耐用年数8年、残存価額は取得原価の10%、前期以前取得。当期分は。
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(2,400,000-240,000)÷8=270,000円
4会計期間4/1〜3/31で当期6月15日に取得した場合、月割の月数は。
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10か月(6月〜3月)
5会計期間1/1〜12/31で当期9月20日に取得した場合、月割の月数は。
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4か月(9月〜12月)
6未処理事項で当期2月1日に備品 600,000円(耐用年数5年)を掛けで購入していたことが判明した(決算日3月31日)。必要な仕訳2本は。
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(借)備品 600,000/(貸)未払金 600,000
(借)減価償却費 20,000/(貸)備品減価償却累計額 20,000
(600,000÷5×2/12=20,000)
7土地 8,000,000円について当期の減価償却費は。
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ゼロ(土地は減価償却しない)
8備品 1,200,000円、耐用年数4年、残存ゼロ、累計額 900,000円。取得から何年経過しているか。
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年間300,000。900,000÷300,000=3年
9減価償却費はP/Lのどの区分に表示されるか。
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販売費及び一般管理費
10減価償却累計額はB/Sのどこに、どのように表示されるか。
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資産の部で、対象資産の下に控除形式(△)で表示します。

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第21章

決算整理⑤ 経過勘定 ― 前払・前受・未払・未収

例題5問/確認14問

3級でいちばん多くの受験生がつまずく論点です。ただし、原理は1つしかありません。「当期のものだけを当期の損益にする」。これだけです。ここを乗り越えれば3級はほぼ完成です。

21-1なぜ経過勘定が必要なのか

はじめてさんへ

12月1日に、向こう1年分の保険料 120,000円を前払いしたとします。会計期間が4月1日〜3月31日なら、当期に使ったのは12月〜3月の4か月分(40,000円)だけ。残りの8か月分(80,000円)は来期の分です。
ところが帳簿には支払時に120,000円全額が「保険料」として計上されています。このままだと、当期の費用が80,000円多すぎます。
そこで決算で「来期の分を当期の費用から取り除いて、資産として繰り越す」処理をします。これが前払保険料です。

図21-A 経過勘定の4類型 ― 「お金の動き」と「当期の損益」がズレる4パターン ① 前払費用(資産) 払った > 使った → 払いすぎ分を繰り越す 決算整理: (借)前払○○ /(貸)○○(費用) 例:保険料・支払家賃・支払地代・支払利息 翌期首に再振替(逆仕訳)する ② 前受収益(負債) もらった > 提供した → もらいすぎ分を繰り越す 決算整理: (借)○○(収益)/(貸)前受○○ 例:受取家賃・受取地代・受取手数料・受取利息 翌期首に再振替(逆仕訳)する ③ 未払費用(負債) 使った > 払った → まだ払っていない分を計上 決算整理: (借)○○(費用)/(貸)未払○○ 例:支払家賃・支払利息・給料・水道光熱費 翌期首に再振替(逆仕訳)する ④ 未収収益(資産) 提供した > もらった → まだもらっていない分を計上 決算整理: (借)未収○○ /(貸)○○(収益) 例:受取家賃・受取利息・受取手数料 翌期首に再振替(逆仕訳)する

覚え方:「前」が付いたら反対側、「未」が付いたら同じ側。前払費用は費用(借方)の反対で貸方に費用を減らし借方に資産。未払費用は費用(借方)と同じ側に費用を追加し貸方に負債。この対応で4つとも一発で書けます。

暗記

4類型の分類(B/S科目としての性質)

経過勘定5要素ひとことで言うと
前払費用資産来期にサービスを受ける権利
未収収益資産あとでお金をもらう権利
前受収益負債来期にサービスを提供する義務
未払費用負債あとでお金を払う義務

「前払・未収は資産、前受・未払は負債」。声に出して3回唱えてください。

21-2月割計算の型 ― 3ステップ

  • 会計期間と、契約の期間を数直線に書く。下書き用紙に横線を1本引き、期首・期末・支払日(受取日)を印を付けます。この10秒が正答率を倍にします。
  • 「当期の分」と「来期の分」の月数を数える。合計が契約月数になることを必ず確認。
  • 1か月あたりの金額 × 該当月数で計算する。
例題21-1標準前払費用

会計期間は4月1日〜翌3月31日。当期の11月1日に、向こう1年分の火災保険料 288,000円を現金で支払い、全額を保険料勘定で処理している。決算整理仕訳と、翌期首の再振替仕訳を示しなさい。

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時点借方科目金額貸方科目金額
決算整理前払保険料168,000保 険 料168,000
翌期首保 険 料168,000前払保険料168,000

数直線で考える:

期間11月〜3月4月〜10月合計
月数5か月(当期)7か月(来期)12か月
金額120,000168,000288,000

1か月あたり = 288,000 ÷ 12 = 24,000。来期分 = 24,000 × 7 = 168,000
整理後の保険料勘定の残高は 288,000 - 168,000 = 120,000(当期5か月分)となり、P/Lに載ります。
つまずきポイント:当期分(5か月=120,000)を前払保険料にしてしまう逆転ミス。繰り越すのは「まだ使っていない来期の分」です。

例題21-2標準未払費用

会計期間は4月1日〜翌3月31日。事務所の家賃は月額 180,000円で、毎月末に翌月分を支払う契約である。当期は3月末に4月分を支払っている。決算にあたり必要な処理があれば仕訳を示しなさい。
また、借入金 3,000,000円(年利率 2.4%)は当期の11月1日に借り入れたもので、利息は返済時にまとめて支払う契約である。決算にあたり必要な仕訳を示しなさい。

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家賃について:

借方科目金額貸方科目金額
前払家賃180,000支払家賃180,000

利息について:

借方科目金額貸方科目金額
支払利息30,000未払利息30,000

解説:
家賃:3月末に支払った180,000円は4月分=来期の分です。したがって当期の費用から除いて前払家賃(資産)へ。
利息:利息は返済時に支払うため、当期中は1円も支払っていません。しかしお金を借りていた期間(11月〜3月の5か月)は、確実に当期の費用です。そこで未払分を計上します。
利息 = 3,000,000 × 2.4% × 5/1230,000
本試験での読み取り方:「利払日は◯月末」「利息は後払い」という記述があれば未払利息、「1年分を前払いした」とあれば前払利息。問題文の前払い・後払いの一言が判定のすべてです。

例題21-3標準前受収益・未収収益

会計期間は4月1日〜翌3月31日。次の決算整理仕訳を示しなさい。

(1) 所有する建物の一部を貸し付けており、当期の1月1日に向こう6か月分の家賃 420,000円を受け取り、全額を受取家賃で処理している。
(2) 取引先への貸付金 2,000,000円(年利率 3%)について、利息は毎年6月末に1年分を受け取る契約である。前回の受取りは当期の6月30日であった。

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No借方科目金額貸方科目金額
(1)受取家賃210,000前受家賃210,000
(2)未収利息45,000受取利息45,000

解説:
(1) 1月〜6月の6か月分を受け取り。当期分は1月〜3月の3か月、来期分は4月〜6月の3か月
 1か月 = 420,000 ÷ 6 = 70,000。来期分 = 70,000 × 3 = 210,000 を前受家賃(負債)へ。
(2) 6月30日に受け取った利息は、その前年7月〜当年6月分です。当期の7月〜翌3月の9か月分は、まだ受け取っていません。
 2,000,000 × 3% × 9/12 = 45,000 を未収利息(資産)として計上します。
コツ:「後払い・後受け」の契約は必ず未払・未収が発生します。利払日・受取日が期末とズレていたら、経過勘定を疑ってください。

例題21-4応用再振替を含む一連

会計期間は4月1日〜翌3月31日。支払家賃について、次の事実がある。当期の支払家賃勘定の決算整理後の残高(P/Lに計上される金額)を求めなさい。

・前期末に、前払家賃 240,000円(当期4月〜7月の4か月分)を計上していた
・当期の8月1日に、8月から翌年7月までの12か月分 780,000円を支払い、全額を支払家賃で処理した

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決算整理後の支払家賃 = 760,000円 / 期末の前払家賃 = 260,000円

時点借方科目金額貸方科目金額
4/1 再振替支払家賃240,000前払家賃240,000
8/1 支払支払家賃780,000現金など780,000
3/31 整理前払家賃260,000支払家賃260,000

解説(当期に費用計上すべき12か月分を積み上げる):

期間単価(1か月)月数金額
4月〜7月(前期に前払済み)240,000 ÷ 4 = 60,0004か月240,000
8月〜3月(当期8/1に支払った分)780,000 ÷ 12 = 65,0008か月520,000
当期のP/L計上額(支払家賃)12か月760,000
翌期4月〜7月分(前払家賃としてB/Sへ)65,0004か月260,000

勘定での検算:240,000(再振替)+ 780,000(支払)- 260,000(前払振替)= 760,000。一致します。
学びどころ:前期分と当期分で1か月あたりの家賃が違う(60,000/月 と 65,000/月)のがこの問題の仕掛けです。「当期に費用計上すべき12か月分を、期間ごとに単価を分けて積み上げる」と考えれば絶対に間違えません。値上げがあっても同じ手順で解けます。

例題21-5応用経過勘定の勘定記入

次の受取地代勘定について、(ア)〜(ウ)に入る語句・金額を答えなさい。地代は毎年8月1日に向こう1年分(年額 480,000円)を受け取っている。会計期間は4月1日〜翌3月31日。

受取地代
前受地代 ( ア )前受地代  160,000
損  益 ( イ )現  金  480,000
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ア = 160,000円 イ = 480,000円(貸方の「前受地代 160,000」は期首の再振替、借方の「前受地代(ア)」は期末の振替)

解説(順を追って):
期首(4/1)の再振替:前期末に計上した前受地代を受取地代に戻す →(借)前受地代/(貸)受取地代。よって貸方に「前受地代 160,000」。
 この160,000は、前期8/1に受け取った1年分のうち、当期4月〜7月の4か月分(480,000×4/12=160,000)です。
8/1の受取り:(借)現金/(貸)受取地代 480,000 →貸方に「現金 480,000」。
期末(3/31)の整理:当期8月〜翌7月分のうち、来期の4月〜7月の4か月分を繰り延べる →(借)受取地代/(貸)前受地代 160,000。よって借方(ア)=160,000
損益振替(イ):貸方合計 160,000+480,000 = 640,000、借方の判明分 160,000。
 イ = 640,000 - 160,000 = 480,000
意味の確認:当期のP/Lに載る受取地代は480,000(=ちょうど12か月分)。毎年同額を同じ時期に受け取っているので、当然の結果です。この「答えが年額と一致する」感覚が持てれば、経過勘定は完全に理解できています。

確認問題 21全14問/目標正答 10問以上
1前払費用・前受収益・未払費用・未収収益を、それぞれ資産・負債に分類しなさい。
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前払費用=資産/未収収益=資産/前受収益=負債/未払費用=負債
2当期9月1日に1年分の保険料 240,000円を支払い、全額費用処理した。決算日3月31日の整理仕訳は。
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来期分5か月=100,000
(借)前払保険料 100,000/(貸)保険料 100,000
3上記2の翌期首の再振替仕訳は。
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(借)保険料 100,000/(貸)前払保険料 100,000
4家賃 月額 90,000円。3月分が未払いである。決算整理仕訳は。
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(借)支払家賃 90,000/(貸)未払家賃 90,000
5当期12月1日に向こう6か月分の受取手数料 300,000円を受け取り、全額収益処理した。決算日3月31日の整理仕訳は。
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来期分2か月=100,000
(借)受取手数料 100,000/(貸)前受手数料 100,000
6貸付金 1,500,000円(年利率4%)、利息は毎年5月末に1年分後受け。当期末(3月31日)に必要な整理仕訳は。
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未収期間は6月〜3月の10か月
1,500,000×4%×10/12=50,000
(借)未収利息 50,000/(貸)受取利息 50,000
7借入金 2,400,000円(年利率2.5%)、利息は毎年8月末に1年分後払い。当期末(3月31日)の整理仕訳は。
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未払期間は9月〜3月の7か月
2,400,000×2.5%×7/12=35,000
(借)支払利息 35,000/(貸)未払利息 35,000
8経過勘定のうち、翌期首に再振替仕訳を行うのはどれか。
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4つすべて(前払費用・前受収益・未払費用・未収収益)
9「当期11月1日に向こう1年分を前払い」した費用の、当期に費用計上すべき月数は(決算日3月31日)。
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5か月(11・12・1・2・3月)。残り7か月分が前払費用。
10水道光熱費のうち 32,000円が未払いである。決算整理仕訳は。
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(借)水道光熱費 32,000/(貸)未払水道光熱費 32,000(または未払費用)
11給料の未払分 145,000円がある。決算整理仕訳は。
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(借)給料 145,000/(貸)未払給料 145,000
12前払保険料はB/Sのどこに表示されるか。
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資産の部(流動資産)。「前払費用」としてまとめて表示することもあります。
13未払利息はB/Sのどこに表示されるか。
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負債の部(流動負債)。「未払費用」としてまとめて表示することもあります。
14経過勘定を設定する会計上の理由を説明しなさい。
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現金の収支と、当期の費用・収益として認識すべき期間が一致しないため、発生主義により当期の損益を正しく計算するために設定します。

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第22章

決算整理⑥ 消費税・法人税等・その他

例題3問/確認10問

第10章で学んだ税金の処理を、決算の視点から仕上げます。型が完全に決まっているので、確実に得点できるゾーンです。

22-1決算整理の順序 ― 法人税等は必ず最後

POINT

決算整理には順序があります。法人税等は「利益」に対して課される税金なので、他の整理をすべて終えて利益が確定してから計算します。
実際の試験では法人税等の金額が問題文で与えられることがほとんどですが、「税引前当期純利益の30%」のように率で示される場合は、必ず最後に計算してください。

例題22-1応用法人税等を率で計算

すべての決算整理を終えた結果、収益合計 8,450,000円、費用合計(法人税等を除く)6,850,000円となった。法人税、住民税及び事業税は税引前当期純利益の30%とし、仮払法人税等の残高は 210,000円である。
①法人税等の金額、②未払法人税等の金額、③当期純利益を求め、決算整理仕訳を示しなさい。

解答・解説を見る

法人税等 480,000円 ② 未払法人税等 270,000円 ③ 当期純利益 1,120,000円

借方科目金額貸方科目金額
法人税、住民税及び事業税480,000仮払法人税等210,000
未払法人税等270,000

解説:
税引前当期純利益 = 8,450,000 - 6,850,000 = 1,600,000
① 1,600,000 × 30% = 480,000
② 480,000 - 210,000 = 270,000
③ 1,600,000 - 480,000 = 1,120,000
P/Lの並び:税引前当期純利益 1,600,000 → 法人税、住民税及び事業税 480,000 → 当期純利益 1,120,000。この3段が決まった形です。

22-2消費税の精算

例題22-2標準消費税の精算

決算にあたり、消費税の納付額を計算し確定した。前T/Bの残高は 仮払消費税 1,845,000円、仮受消費税 2,610,000円である。決算整理仕訳を示し、B/Sに計上される金額を答えなさい。

解答・解説を見る
借方科目金額貸方科目金額
仮受消費税2,610,000仮払消費税1,845,000
未払消費税765,000

B/S:未払消費税 765,000円(流動負債)。仮払消費税・仮受消費税は相殺されて消えるので、B/Sには載りません

解説:2,610,000 - 1,845,000 = 765,000
注意:P/Lには消費税に関する科目は一切現れません(税抜方式)。「未払消費税」をP/Lに書いてしまうミスに注意。

22-3その他の決算整理(未処理事項)

第3問では、決算整理の前に「未処理事項」「決算にあたり判明した事項」が置かれることがあります。ここで処理を誤ると連鎖的に失点します。代表的なものを整理しておきます。

よくある未処理事項処理
売掛金の当座振込が未記帳(借)当座預金/(貸)売掛金
→ 貸倒引当金の設定額が変わる
仮受金の内容が判明(借)仮受金/(貸)売掛金・前受金 など
→ 仮受金はB/Sに残せない
仮払金の内容が判明(借)旅費交通費・備品 など/(貸)仮払金
→ 備品なら減価償却も必要になる
商品の返品が未記帳(借)買掛金/(貸)仕入 など
→ 売上原価の計算に影響する
手形の決済が未記帳(借)当座預金/(貸)受取手形 など
固定資産の取得が未記帳(借)備品/(貸)未払金
→ 月割で減価償却も必要

表22-1 未処理事項の典型と「連鎖する先」。赤字の連鎖に気づけるかが第3問の勝負どころです。

例題22-3応用未処理事項の総合

決算(3月31日)にあたり、次の未処理事項が判明した。必要な仕訳をすべて示しなさい。会計期間は4月1日〜3月31日。

(1) 仮受金 380,000円は、得意先からの売掛金の回収 300,000円と、商品注文時の手付金 80,000円であることが判明した。
(2) 仮払金 480,000円は、当期の12月1日に購入した備品(耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法・間接法)の代金であることが判明した。減価償却も行う。
(3) 得意先に対する売掛金 60,000円(前期発生分)が回収不能であることが判明した。貸倒引当金の残高は 145,000円である。

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
(1)仮 受 金380,000売 掛 金300,000
前 受 金80,000
(2)備  品480,000仮 払 金480,000
減価償却費32,000備品減価償却累計額32,000
(3)貸倒引当金60,000売 掛 金60,000

解説:
(2) 減価償却費 = 480,000 ÷ 5 = 96,000(1年分)。使用期間は12月〜3月の4か月。96,000 × 4/12 = 32,000
(3) 前期発生分なので貸倒引当金を取り崩します(残高145,000で足りる)。
連鎖に注意:(1)と(3)で売掛金が合計360,000円減っています。このあと貸倒引当金を設定する際は、減少後の売掛金残高を使い、取崩し後の引当金残高(145,000 - 60,000 = 85,000)と比較して差額を繰り入れます。
本番でのミス防止策:未処理事項を処理したら、影響を受ける科目に印を付けておく(例:売掛金に「↓360,000」とメモ)。これだけで連鎖ミスがほぼ消えます。

確認問題 22全10問/目標正答 8問以上
1仮払消費税 980,000円、仮受消費税 1,420,000円。決算整理仕訳は。
解答を見る
(借)仮受消費税 1,420,000/(貸)仮払消費税 980,000・未払消費税 440,000
2法人税等の年税額 640,000円、仮払法人税等 280,000円。決算整理仕訳は。
解答を見る
(借)法人税、住民税及び事業税 640,000/(貸)仮払法人税等 280,000・未払法人税等 360,000
3税引前当期純利益 2,400,000円、法人税等は30%、仮払法人税等 300,000円。未払法人税等は。
解答を見る
法人税等 720,000 - 300,000 = 420,000円
4上記3の当期純利益は。
解答を見る
1,680,000円(2,400,000-720,000)
5仮受金 250,000円が売掛金の回収と判明した。
解答を見る
(借)仮受金 250,000/(貸)売掛金 250,000
6仮払金 180,000円が出張旅費であると判明した(精算済み)。
解答を見る
(借)旅費交通費 180,000/(貸)仮払金 180,000
7仮払消費税・仮受消費税はB/Sに計上されるか。
解答を見る
されない。決算で相殺され、差額が未払消費税(負債)として計上されます。
8法人税、住民税及び事業税はP/Lのどこに表示されるか。
解答を見る
税引前当期純利益の下に単独で表示し、差し引いた残額が当期純利益となります。
9決算整理のうち、最後に行うべきものはどれか。理由も答えなさい。
解答を見る
法人税等の計上。利益に対して課される税金なので、他のすべての整理を終えて利益が確定してからでないと計算できないため。
10未処理事項で当期12月1日取得の備品 480,000円(耐用年数4年)が判明した。必要な仕訳2本は(決算日3月31日)。
解答を見る
(借)備品 480,000/(貸)仮払金 480,000
(借)減価償却費 40,000/(貸)備品減価償却累計額 40,000
(480,000÷4×4/12=40,000)

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第23章

精算表 ― 8桁精算表を完全攻略

例題3問/確認8問

第3問の出題形式の1つです。解く手順が完全に決まっているので、型どおりに動けば必ず高得点が取れます。この章から第25章までは、まったく同じ資料を使って「精算表」「財務諸表」「後T/B」の3形式を作ります。同じ決算整理から3つの答案が生まれることを体感してください。

23-18桁精算表の構造

図23-A 8桁精算表の構造と数字の流れ 勘定科目 残高試算表 修正記入 損益計算書 貸借対照表 借方/貸方 借方/貸方 借方/貸方 借方/貸方 与えられる 与えられる 自分で書く =決算整理仕訳 収益・費用 資産・負債・純資産 試算表 ± 修正記入 試算表 ± 修正記入 左右の合計が一致 P/L欄の貸借差額 = B/S欄の貸借差額 = 当期純利益 当期純利益は P/L欄の借方、B/S欄の貸方に書く(純損失なら逆)
暗記

精算表を解く5ステップ

  1. 決算整理仕訳を全部、下書き用紙に書く(答案用紙にはまだ書かない)
  2. 書けた仕訳を修正記入欄に転記する。新しい科目(前払保険料・減価償却費など)は下の空欄行に科目名も書く
  3. 1行ずつ横に計算する。資産・費用は「+借方 -貸方」、負債・純資産・収益は「+貸方 -借方」
  4. 収益・費用の行はP/L欄へ、資産・負債・純資産の行はB/S欄へ書く
  5. 最後に当期純利益を差額で求める。P/L欄の貸方合計 - 借方合計 = 当期純利益(B/S欄の貸方に同額)

23-2総合例題 ― ジェイ商事株式会社

例題23-1応用精算表の完成/第3問レベル

ジェイ商事株式会社(会計期間:×5年4月1日〜×6年3月31日)の決算整理前残高試算表と決算整理事項は次のとおりである。精算表を完成させなさい。

【決算整理前残高試算表(単位:円)】

借方勘定科目貸方
342,000現  金
1,258,000当座預金
700,000受取手形
1,500,000売 掛 金
480,000繰越商品
180,000仮払法人税等
6,000,000建  物
900,000備  品
3,000,000土  地
支払手形620,000
買 掛 金1,180,000
借 入 金1,200,000
仮 受 金150,000
貸倒引当金22,000
建物減価償却累計額1,800,000
備品減価償却累計額300,000
資 本 金6,000,000
繰越利益剰余金1,254,000
売  上10,780,000
受取手数料156,000
5,820,000仕  入
1,860,000給  料
660,000支払家賃
288,000保 険 料
246,000水道光熱費
132,000通 信 費
96,000租税公課
23,462,000合 計23,462,000

【決算整理事項等】

  1. 仮受金 150,000円は、得意先からの売掛金の回収であることが判明した。
  2. 受取手形および売掛金の期末残高に対し2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
  3. 期末商品棚卸高は 515,000円である。売上原価は「仕入」の行で算定する。
  4. 建物(耐用年数30年)および備品(耐用年数5年)について、定額法(残存価額ゼロ・間接法)により減価償却を行う。
  5. 保険料 288,000円は、当期の11月1日に向こう1年分を支払ったものである。
  6. 支払家賃は月額 60,000円であり、3月分が未払いである。
  7. 借入金 1,200,000円は当期の8月1日に年利率2.4%で借り入れたもので、利息は返済時に支払う契約である。当期分の利息を月割で計上する。
  8. 未使用の収入印紙 14,000円がある。
  9. 法人税、住民税及び事業税として 384,000円を計上する(仮払法人税等を充当する)。
解答・解説を見る

【ステップ1】決算整理仕訳(まずこれを全部書く)

No借方科目金額貸方科目金額
1仮 受 金150,000売 掛 金150,000
2貸倒引当金繰入19,000貸倒引当金19,000
3仕  入480,000繰越商品480,000
繰越商品515,000仕  入515,000
4減価償却費380,000建物減価償却累計額200,000
備品減価償却累計額180,000
5前払保険料168,000保 険 料168,000
6支払家賃60,000未払家賃60,000
7支払利息19,200未払利息19,200
8貯 蔵 品14,000租税公課14,000
9法人税、住民税及び事業税384,000仮払法人税等180,000
未払法人税等204,000

計算根拠
2. 売掛金 1,500,000 - 150,000 = 1,350,000。(700,000+1,350,000)× 2% = 41,000。41,000 - 22,000 = 19,000
4. 建物 6,000,000 ÷ 30 = 200,000/備品 900,000 ÷ 5 = 180,000/合計 380,000
5. 288,000 ÷ 12 = 24,000/月。来期分は4月〜10月の7か月 → 24,000 × 7 = 168,000
7. 1,200,000 × 2.4% × 8/12(8月〜3月)= 19,200
9. 384,000 - 180,000 = 204,000

【ステップ2】精算表(完成) ※単位:円

勘定科目残高試算表修正記入損益計算書貸借対照表
借方貸方借方貸方借方貸方借方貸方
現 金342,000342,000
当座預金1,258,0001,258,000
受取手形700,000700,000
売掛金1,500,000150,0001,350,000
繰越商品480,000515,000480,000515,000
仮払法人税等180,000180,000
建 物6,000,0006,000,000
備 品900,000900,000
土 地3,000,0003,000,000
支払手形620,000620,000
買掛金1,180,0001,180,000
借入金1,200,0001,200,000
仮受金150,000150,000
貸倒引当金22,00019,00041,000
建物減価償却累計額1,800,000200,0002,000,000
備品減価償却累計額300,000180,000480,000
資本金6,000,0006,000,000
繰越利益剰余金1,254,0001,254,000
売 上10,780,00010,780,000
受取手数料156,000156,000
仕 入5,820,000480,000515,0005,785,000
給 料1,860,0001,860,000
支払家賃660,00060,000720,000
保険料288,000168,000120,000
水道光熱費246,000246,000
通信費132,000132,000
租税公課96,00014,00082,000
小 計23,462,00023,462,000
貸倒引当金繰入19,00019,000
減価償却費380,000380,000
前払保険料168,000168,000
未払家賃60,00060,000
支払利息19,20019,200
未払利息19,20019,200
貯蔵品14,00014,000
法人税、住民税及び事業税384,000384,000
未払法人税等204,000204,000
当期純利益1,188,8001,188,800
合 計23,462,00023,462,0002,189,2002,189,20010,936,00010,936,00014,247,00014,247,000

採点のポイントと注意点
仮払法人税等・仮受金は、P/L欄にもB/S欄にも金額が入りません(修正記入で全額消えるため)。空欄のままが正解です。
貯蔵品・前払保険料・未払家賃・未払利息・未払法人税等は、小計より下の空欄行に科目名を書いてB/S欄へ。
当期純利益はP/L欄の借方、B/S欄の貸方。逆に書くと配点1つを失います。
④ 検算:修正記入欄の借方合計=貸方合計(2,189,200)、P/L欄・B/S欄もそれぞれ左右一致。3か所すべて一致したら、ほぼ確実に満点です。
本番での時間目安:この分量で22分。決算整理仕訳の書き出しに8分、精算表への転記と計算に12分、検算に2分が理想配分です。

23-3精算表でよくある失点パターン

失点パターン対策
当期純利益をP/L欄の貸方に書いてしまう「利益はP/L借方・B/S貸方」と唱えてから書く
繰越商品の修正記入で借方・貸方を逆にする「し・くり/くり・し」の順に書く。貸方が期首、借方が期末
仮受金・仮払金をB/S欄に残す修正記入で消えた科目は両欄とも空欄
新規科目の科目名を書き忘れる下の空欄行に必ず科目名+金額をセットで書く
減価償却累計額を建物と備品でまとめてしまう試算表に別々の行があるならそれぞれに記入
法人税等を計上し忘れる決算整理事項の最後まで読む。法人税等は必ず末尾にある

表23-1 精算表の失点パターン。ここに載っているミスをしなければ、30点以上は堅いです。

例題23-2標準部分記入

精算表の一部が次のようになっている。(ア)〜(エ)に入る金額を求めなさい。

勘定科目試算表 借方修正記入 借方修正記入 貸方P/L 借方B/S 借方
繰越商品640,000(ア)640,000705,000
仕 入4,280,000640,000(イ)(ウ)
保険料360,00090,000(エ)
解答・解説を見る

ア = 705,000 イ = 705,000 ウ = 4,215,000 エ = 270,000

解説:
ア:繰越商品のB/S欄=期末商品棚卸高705,000。修正記入の借方に同額が入ります。
イ:期末商品棚卸高は仕入の貸方にも同額入る → 705,000
ウ:4,280,000 + 640,000 - 705,000 = 4,215,000(売上原価)
エ:360,000 - 90,000 = 270,000
覚えるべき対応関係:繰越商品のB/S金額 = 仕入の修正記入貸方 = 期末商品棚卸高。この3つは必ず同じ金額になります。

例題23-3標準当期純利益の算定

精算表のP/L欄の借方合計(当期純利益を除く)が 7,845,000円、貸方合計が 9,120,000円であった。①当期純利益、②B/S欄の貸方に記入される当期純利益の金額、③B/S欄の借方合計が 12,480,000円のとき、B/S欄の貸方合計(当期純利益を除く)はいくらか。

解答・解説を見る

1,275,000円 ② 1,275,000円 ③ 11,205,000円

解説:
① 9,120,000 - 7,845,000 = 1,275,000
② P/L欄とB/S欄の当期純利益は必ず同額
③ 12,480,000 - 1,275,000 = 11,205,000
使い道:本番で時間が足りないとき、当期純利益だけでも差額で書く。配点があることが多く、1〜3点を拾えます。

確認問題 23全8問/目標正答 6問以上
18桁精算表の4つの欄(列グループ)を順に答えなさい。
解答を見る
残高試算表/修正記入/損益計算書/貸借対照表
2当期純利益は精算表のどこに記入するか。
解答を見る
損益計算書欄の借方、貸借対照表欄の貸方(当期純損失なら逆)
3仮払金・仮受金は、精算表のB/S欄に金額が入るか。
解答を見る
入らない(修正記入で全額が振り替えられて消えるため)
4繰越商品のB/S欄の金額は、何と一致するか。
解答を見る
期末商品棚卸高(=仕入の修正記入貸方の金額)
5修正記入欄の借方合計 1,860,000円のとき、貸方合計はいくらか。
解答を見る
1,860,000円(仕訳の集合なので必ず一致)
6試算表の借方 480,000円の科目に、修正記入 借方 60,000円が入った。P/L欄またはB/S欄の借方はいくらか。
解答を見る
540,000円(借方+借方は加算)
7試算表の貸方 250,000円の科目に、修正記入 借方 250,000円が入った。P/L欄・B/S欄はどうなるか。
解答を見る
両欄とも空欄(残高がゼロになるため)
8精算表を完成させたあと、必ず確認すべき3か所はどこか。
解答を見る
①修正記入欄の借方合計=貸方合計 ②P/L欄の借方合計=貸方合計 ③B/S欄の借方合計=貸方合計

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第24章

財務諸表の作成 ― 損益計算書と貸借対照表

例題3問/確認8問

第23章とまったく同じ資料から、今度は財務諸表を作ります。決算整理仕訳は同じ。違うのは「答案用紙の形」と「表示科目名」だけです。ここを理解すると、第3問がどの形式で出ても怖くなくなります。

24-1表示科目の読み替え ― 3級最大の罠

注意

帳簿で使う勘定科目と、財務諸表に載せる表示科目名前が違うものがあります。ここを間違えると、計算が合っていても点になりません。

勘定科目(帳簿)表示科目(財務諸表)場所
繰越商品商品B/S 資産
仕入売上原価P/L 費用
売上売上高P/L 収益
前払保険料・前払家賃 など前払費用B/S 資産
未払家賃・未払利息 など未払費用B/S 負債
前受地代 など前受収益B/S 負債
未収利息 など未収収益B/S 資産
貸倒引当金債権の控除項目(△)B/S 資産の部
減価償却累計額固定資産の控除項目(△)B/S 資産の部

※答案用紙にあらかじめ科目名が印字されている場合は、それに従います。空欄になっている場合は表示科目名で書いてください。

POINT

B/Sの繰越利益剰余金は、前T/Bの金額に当期純利益を足す。
繰越利益剰余金(B/S)= 決算整理前の繰越利益剰余金 + 当期純利益
これを忘れると、B/Sの貸借が当期純利益ぶんだけ合わなくなります。第3問の財務諸表形式で最も多い失点です。

24-2総合例題 ― 第23章と同じ資料で財務諸表を作る

例題24-1応用財務諸表の作成/第3問レベル

例題23-1の資料(ジェイ商事株式会社・×5年4月1日〜×6年3月31日)にもとづき、損益計算書および貸借対照表を作成しなさい。

※決算整理事項は例題23-1と同一です。先に第23章の決算整理仕訳を確認してから取り組んでください。

解答・解説を見る

損益計算書 ジェイ商事株式会社 ×5年4月1日〜×6年3月31日 (単位:円)

科目内訳金額
Ⅰ 売上高10,780,000
Ⅱ 売上原価5,785,000
  売上総利益4,995,000
Ⅲ 販売費及び一般管理費
  給料1,860,000
  支払家賃720,000
  保険料120,000
  水道光熱費246,000
  通信費132,000
  租税公課82,000
  貸倒引当金繰入19,000
  減価償却費380,0003,559,000
  営業利益1,436,000
Ⅳ 営業外収益 受取手数料156,000
Ⅴ 営業外費用 支払利息19,200
  税引前当期純利益1,572,800
  法人税、住民税及び事業税384,000
  当期純利益1,188,800

貸借対照表 ジェイ商事株式会社 ×6年3月31日 (単位:円)

資産の部内訳金額負債・純資産の部金額
現金342,000支払手形620,000
当座預金1,258,000買掛金1,180,000
受取手形700,000借入金1,200,000
 貸倒引当金△14,000686,000未払費用79,200
売掛金1,350,000未払法人税等204,000
 貸倒引当金△27,0001,323,000負債合計3,283,200
商品515,000資本金6,000,000
貯蔵品14,000繰越利益剰余金2,442,800
前払費用168,000純資産合計8,442,800
建物6,000,000
 減価償却累計額△2,000,0004,000,000
備品900,000
 減価償却累計額△480,000420,000
土地3,000,000
資産合計11,726,000負債・純資産合計11,726,000

計算の要点
貸倒引当金の内訳:受取手形 700,000 × 2% = 14,000/売掛金 1,350,000 × 2% = 27,000(合計41,000)。債権ごとに分けて控除表示します。
未払費用 79,200:未払家賃 60,000 + 未払利息 19,200。B/Sではまとめて「未払費用」と表示します。
前払費用 168,000:前払保険料。B/Sでは「前払費用」。
繰越利益剰余金 2,442,800:前T/Bの1,254,000 + 当期純利益1,188,800。ここが最重要
売上原価 5,785,000:480,000 + 5,820,000 - 515,000。P/Lでは「仕入」ではなく「売上原価」と表示。
検算:資産合計 11,726,000 = 負債・純資産合計 11,726,000。一致すれば、決算整理から表示まですべて正しくできています。
3級の答案用紙について:P/Lが勘定式(左に費用、右に収益)で出題されることもあります。その場合は、左側に売上原価・給料などの費用と当期純利益を、右側に売上高・受取手数料を記入します。数字は同じなので、形式が違っても慌てないでください。

例題24-2標準表示科目

次の勘定科目は、財務諸表上どのような名称・区分で表示されるか答えなさい。

(1) 繰越商品 (2) 仕入 (3) 前払保険料 (4) 未払利息 (5) 貸倒引当金 (6) 備品減価償却累計額 (7) 売上 (8) 未収手数料

解答・解説を見る
No勘定科目表示科目区分
(1)繰越商品商品B/S 資産
(2)仕入売上原価P/L 費用
(3)前払保険料前払費用B/S 資産
(4)未払利息未払費用B/S 負債
(5)貸倒引当金受取手形・売掛金からの控除項目(△)B/S 資産の部
(6)備品減価償却累計額備品からの控除項目(△)B/S 資産の部
(7)売上売上高P/L 収益
(8)未収手数料未収収益B/S 資産
例題24-3標準B/Sの空欄推定

次の貸借対照表の(ア)〜(ウ)を求めなさい。決算整理前の繰越利益剰余金は 860,000円、当期純利益は 715,000円である。
資産合計(ア)/支払手形 480,000/買掛金 920,000/未払法人税等 180,000/資本金 4,000,000/繰越利益剰余金(イ)/負債・純資産合計(ウ)

解答・解説を見る

ア = 7,155,000 イ = 1,575,000 ウ = 7,155,000

解説:
イ:860,000 + 715,000 = 1,575,000
ウ:480,000+920,000+180,000+4,000,000+1,575,000 = 7,155,000
ア:B/Sは左右一致するので7,155,000
本番テクニック:時間が足りないときは、資産合計を「負債・純資産合計」から埋めるだけでも点が拾えます。

確認問題 24全8問/目標正答 6問以上
1「繰越商品」はB/S上どのように表示されるか。
解答を見る
商品(資産)
2「仕入」はP/L上どのように表示されるか。
解答を見る
売上原価
3B/Sの繰越利益剰余金の求め方を式で示しなさい。
解答を見る
決算整理前の繰越利益剰余金 + 当期純利益(当期純損失なら減算)
4売上高 8,600,000円、売上原価 5,160,000円のとき売上総利益は。
解答を見る
3,440,000円
5受取手形 900,000円、売掛金 1,600,000円に2%の貸倒引当金を設定した場合、B/Sの控除額はそれぞれいくらか。
解答を見る
受取手形 △18,000/売掛金 △32,000
6未払家賃 40,000円と未払利息 12,000円は、B/Sではどう表示するか。
解答を見る
まとめて未払費用 52,000円(負債)
7法人税、住民税及び事業税はP/Lのどの位置に表示されるか。
解答を見る
税引前当期純利益の下。差し引いた残りが当期純利益。
8B/Sの資産合計と負債・純資産合計が一致しない場合、まず確認すべきことは。
解答を見る
繰越利益剰余金に当期純利益を加算したか。次に、貸倒引当金・減価償却累計額を控除したか、経過勘定を漏らしていないかを確認します。

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第25章

決算整理後残高試算表(後T/B)

例題2問/確認8問

第3問の3つ目の出題形式です。いちばんラクと言っていい形式で、決算整理仕訳を反映した残高をそのまま並べるだけ。表示科目への読み替えも不要です(帳簿の勘定科目のまま書きます)。

POINT

後T/Bの特徴:
勘定科目名はそのまま(繰越商品は繰越商品、仕入は仕入)
貸倒引当金・減価償却累計額は貸方に独立して並べる(控除表示しない)
当期純利益は登場しない(P/Lを作らないため。繰越利益剰余金も整理前の金額のまま)
④ 借方合計=貸方合計になる

例題25-1応用後T/Bの作成

例題23-1と同じ資料にもとづき、決算整理後残高試算表を作成しなさい。

解答・解説を見る

決算整理後残高試算表 ×6年3月31日 (単位:円)

借方勘定科目貸方
342,000現  金
1,258,000当座預金
700,000受取手形
1,350,000売 掛 金
515,000繰越商品
14,000貯 蔵 品
168,000前払保険料
6,000,000建  物
900,000備  品
3,000,000土  地
支払手形620,000
買 掛 金1,180,000
借 入 金1,200,000
未払家賃60,000
未払利息19,200
未払法人税等204,000
貸倒引当金41,000
建物減価償却累計額2,000,000
備品減価償却累計額480,000
資 本 金6,000,000
繰越利益剰余金1,254,000
売  上10,780,000
受取手数料156,000
5,785,000仕  入
1,860,000給  料
720,000支払家賃
120,000保 険 料
246,000水道光熱費
132,000通 信 費
82,000租税公課
19,000貸倒引当金繰入
380,000減価償却費
19,200支払利息
384,000法人税、住民税及び事業税
23,994,200合 計23,994,200

ポイント:
仮受金・仮払法人税等は消滅して登場しません。
繰越利益剰余金は1,254,000のまま(当期純利益はまだ振り替えられていない)。
・借方合計と貸方合計が一致すればOK。
後T/Bから当期純利益を求めるには:収益合計(10,780,000+156,000=10,936,000)- 費用合計(5,785,000+1,860,000+720,000+120,000+246,000+132,000+82,000+19,000+380,000+19,200+384,000=9,747,200)= 1,188,800。例題23-1・24-1と完全に一致します。

例題25-2標準3形式の比較

精算表・財務諸表・決算整理後残高試算表の3つの形式について、次の項目がどう扱われるかを整理しなさい。
① 繰越商品/② 仕入/③ 貸倒引当金/④ 繰越利益剰余金/⑤ 当期純利益

解答・解説を見る
項目精算表財務諸表後T/B
① 繰越商品科目名は「繰越商品」
B/S欄に期末棚卸高
表示科目は「商品」科目名は「繰越商品」
② 仕入科目名は「仕入」
P/L欄に売上原価の金額
表示科目は「売上原価」科目名は「仕入」
③ 貸倒引当金B/S欄の貸方に独立表示債権から控除表示(△)貸方に独立表示
④ 繰越利益剰余金整理前の金額のまま整理前 + 当期純利益整理前の金額のまま
⑤ 当期純利益P/L欄借方・B/S欄貸方に記入P/Lの末尾に表示登場しない

この表が、第3問対策の総まとめです。3形式の違いは「科目名」と「当期純利益・繰越利益剰余金の扱い」だけ。決算整理仕訳が書ければ、あとは答案用紙の形に合わせるだけです。

確認問題 25全8問/目標正答 6問以上
1後T/Bに「当期純利益」は登場するか。
解答を見る
登場しない。収益・費用の残高がそのまま並ぶだけです。
2後T/Bの繰越利益剰余金は、当期純利益を加算した金額か。
解答を見る
加算しない(決算整理前の金額のまま)。加算するのはB/Sを作るときです。
3後T/Bで「繰越商品」の金額は期首・期末どちらか。
解答を見る
期末商品棚卸高
4後T/Bで「仕入」の金額は何を表すか。
解答を見る
売上原価
5後T/Bに仮払金・仮受金は登場するか。
解答を見る
原則として登場しない(決算整理で正しい科目に振り替えて消すため)。
6後T/Bの収益合計 6,400,000円、費用合計 5,320,000円のとき、当期純利益は。
解答を見る
1,080,000円
7後T/Bで貸倒引当金はどのように表示されるか。
解答を見る
貸方に独立した1行として表示(控除形式ではない)
83つの出題形式(精算表・財務諸表・後T/B)に共通して必要な作業は何か。
解答を見る
決算整理仕訳を正しく書くこと。形式が違っても、もとになる仕訳はまったく同じです。

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第26章

帳簿の締切 ― 損益振替・資本振替と英米式決算法

例題3問/確認8問

1年の記録を締めくくり、次期に引き継ぐ手続きです。第2問で「損益勘定」や「繰越利益剰余金勘定」の記入として出題されます。手順は3つだけです。

26-1決算振替仕訳の3ステップ

図26-A 収益・費用が損益勘定を経由して繰越利益剰余金になるまで 収益の各勘定 売上・受取手数料 など 貸方残高を借方へ振替 費用の各勘定 仕入・給料 など 借方残高を貸方へ振替 損益勘定 借方:費用の合計 貸方:収益の合計 差額=当期純利益 繰越利益剰余金 純資産(B/S) 利益ぶんだけ増える ① 収益振替 ② 費用振替 ③ 資本振替 ①②を「損益振替」、③を「資本振替」といい、合わせて「決算振替仕訳」と呼ぶ
暗記
手順借方科目貸方科目意味
① 収益振替売上・受取手数料 など損 益収益の残高をゼロにして損益へ集める
② 費用振替損 益仕入・給料 など費用の残高をゼロにして損益へ集める
③ 資本振替
(利益の場合)
損 益繰越利益剰余金差額(利益)を純資産へ移す
③ 資本振替
(損失の場合)
繰越利益剰余金損 益差額(損失)を純資産から差し引く
例題26-1標準決算振替仕訳

決算整理後の残高が次のとおりであるとき、決算振替仕訳(3本)を示しなさい。
売上 8,400,000/受取手数料 210,000/仕入 5,040,000/給料 1,560,000/支払家賃 480,000/減価償却費 250,000/法人税、住民税及び事業税 384,000

解答・解説を見る
No借方科目金額貸方科目金額
売  上8,400,000損  益8,610,000
受取手数料210,000
損  益7,714,000仕  入5,040,000
給  料1,560,000
支払家賃480,000
減価償却費250,000
法人税、住民税及び事業税384,000
損  益896,000繰越利益剰余金896,000

解説:収益合計 8,610,000、費用合計 7,714,000。差額 896,000 が当期純利益で、これを繰越利益剰余金へ振り替えます。
ポイント:法人税等も費用として損益勘定に振り替えます。P/Lで特別扱いされるだけで、帳簿上は他の費用と同じです。

26-2英米式決算法 ― 資産・負債・純資産の締切

POINT

収益・費用は損益勘定へ振り替えて残高ゼロにしますが、資産・負債・純資産は振替仕訳をしません。代わりに、残高の反対側に「次期繰越」と朱記して締め切り、翌期首に反対側へ「前期繰越」と記入します。この方法を英米式決算法といいます。

売 掛 金(資産)
前期繰越  420,000当座預金 1,880,000
売  上 2,150,000次期繰越  690,000
2,570,0002,570,000
買 掛 金(負債)
当座預金 1,540,000前期繰越  380,000
次期繰越  600,000仕  入 1,760,000
2,140,0002,140,000

資産は貸方に、負債・純資産は借方に「次期繰越」を書きます。残高がある側の反対と覚えてください。

深掘り

もう1つ「大陸式決算法」という方法があり、こちらは残高勘定という勘定を作って資産・負債・純資産を振り替えます。3級では英米式だけ覚えれば十分です。
なお、英米式では最後に繰越試算表を作成して、次期繰越額の貸借一致を確認します。

例題26-2応用損益勘定の記入

次の損益勘定の(ア)〜(ウ)に入る語句・金額を答えなさい。

損 益
仕  入 4,860,000売  上 7,920,000
給  料 1,340,000受取家賃  240,000
減価償却費 310,000 
法人税等  (ア) 
( イ ) (ウ) 

なお、法人税、住民税及び事業税は税引前当期純利益の30%である。

解答・解説を見る

ア = 495,000 イ = 繰越利益剰余金 ウ = 1,155,000

解説:
収益合計 = 7,920,000 + 240,000 = 8,160,000
法人税等を除く費用 = 4,860,000 + 1,340,000 + 310,000 = 6,510,000
税引前当期純利益 = 8,160,000 - 6,510,000 = 1,650,000
ア(法人税等)= 1,650,000 × 30% = 495,000
ウ(当期純利益)= 1,650,000 - 495,000 = 1,155,000
イ:当期純利益の振替先は繰越利益剰余金(相手科目を摘要に書く)
検算:借方合計 4,860,000+1,340,000+310,000+495,000+1,155,000 = 8,160,000。貸方合計と一致します。

例題26-3標準次期繰越

次の各勘定について、次期繰越の金額と、それを記入する側(借方・貸方)を答えなさい。

(1) 現金:借方合計 3,850,000円、貸方合計 3,420,000円
(2) 買掛金:借方合計 2,180,000円、貸方合計 2,640,000円
(3) 貸倒引当金:借方合計 55,000円、貸方合計 96,000円
(4) 備品減価償却累計額:借方合計 0円、貸方合計 720,000円

解答・解説を見る
No勘定次期繰越記入する側理由
(1)現金(資産)430,000貸方借方残高なので反対の貸方へ
(2)買掛金(負債)460,000借方貸方残高なので反対の借方へ
(3)貸倒引当金(評価勘定)41,000借方貸方残高なので反対の借方へ
(4)減価償却累計額(評価勘定)720,000借方貸方残高なので反対の借方へ

ルール:「次期繰越は残高がある側の反対に書く」。これで貸借が一致して勘定を締め切れます。翌期首の「前期繰越」は、逆に残高がある側(=ホームポジション側)に書きます。

確認問題 26全8問/目標正答 6問以上
1売上 5,600,000円を損益勘定へ振り替える仕訳は。
解答を見る
(借)売上 5,600,000/(貸)損益 5,600,000
2仕入 3,200,000円と給料 900,000円を損益勘定へ振り替える仕訳は。
解答を見る
(借)損益 4,100,000/(貸)仕入 3,200,000・給料 900,000
3損益勘定の貸方合計 6,800,000円、借方合計 5,950,000円。資本振替の仕訳は。
解答を見る
(借)損益 850,000/(貸)繰越利益剰余金 850,000
4損益勘定の借方合計が貸方合計を 320,000円上回った場合の資本振替の仕訳は。
解答を見る
(借)繰越利益剰余金 320,000/(貸)損益 320,000(当期純損失)
5英米式決算法において、資産の勘定の「次期繰越」は借方・貸方どちらに書くか。
解答を見る
貸方(残高のある借方の反対)
6負債・純資産の勘定の「前期繰越」は借方・貸方どちらに書くか。
解答を見る
貸方(ホームポジション側)
7損益振替と資本振替の違いを説明しなさい。
解答を見る
損益振替=収益・費用の残高を損益勘定へ集める手続き。資本振替=損益勘定の差額(当期純損益)を繰越利益剰余金へ移す手続き。
8繰越試算表とは何か。
解答を見る
英米式決算法で、資産・負債・純資産の各勘定の次期繰越額を集計した表。借方合計と貸方合計が一致することで締切の正確性を確認します。

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第27章

勘定記入マスター ― 第2問の主戦場

例題4問/確認12問

第2問で最も差がつくのが勘定記入です。実は出題される勘定はほぼ4種類に絞られます。この4つの「型」を身体に入れれば、第2問は怖くありません。

暗記

勘定記入問題を解く4ステップ(どの勘定でも共通)

  1. その勘定に関係する仕訳を、日付順にすべて書き出す(期首の再振替 → 期中取引 → 期末の決算整理 → 損益振替・次期繰越)
  2. 各仕訳の相手科目を摘要欄に書く
  3. 金額を入れ、借方合計=貸方合計になるよう次期繰越(または損益)を差額で求める
  4. 意味を確認する(例:P/Lに載る保険料は本当に12か月分か?)

27-1型1:経過勘定の勘定記入(最頻出)

例題27-1応用保険料と前払保険料

ジェイ商事(会計期間:4月1日〜翌3月31日)は、火災保険料として毎年7月1日に向こう1年分 240,000円を現金で支払っている。次の2つの勘定の(ア)〜(カ)を答えなさい。

保 険 料
4/1 ( ア ) (イ)3/31 前払保険料 (ウ)
7/1 現  金 240,0003/31 損  益 (エ)
前払保険料
4/1 前期繰越 (オ)4/1 保 険 料 (  )
3/31 保 険 料 (  )3/31 次期繰越 (カ)
解答・解説を見る

ア = 前払保険料 イ = 60,000 ウ = 60,000 エ = 240,000 オ = 60,000 カ = 60,000

解説(4ステップで解く):

日付借方科目金額貸方科目金額内容
4/1保 険 料60,000前払保険料60,000再振替(前期末に繰り延べた4〜6月分)
7/1保 険 料240,000現  金240,0001年分(7月〜翌6月)を支払
3/31前払保険料60,000保 険 料60,000翌期4〜6月の3か月分を繰り延べ
3/31損  益240,000保 険 料240,000損益振替

・3か月分 = 240,000 × 3/12 = 60,000(4月・5月・6月)
・保険料勘定:借方 60,000+240,000 = 300,000。貸方 60,000+240,000 = 300,000。
意味の確認(最重要):P/Lに載る保険料は240,000=ちょうど1年分。毎年同じ時期に同額を払っているので当然そうなります。この「当然」の感覚が持てれば、答えの検算になります。
ここが本試験の引っかけ:「保険料が当期から値上がりした」「支払月が変わった」というひねりが入ると、P/L計上額は12か月分ちょうどにはなりません。その場合は期間ごとに単価を分けて積み上げる(第21章 例題21-4)で対応します。

27-2型2:固定資産と減価償却累計額

例題27-2応用備品と減価償却累計額

次の資料により、当期(×4年4月1日〜×5年3月31日)の備品勘定および備品減価償却累計額勘定の(ア)〜(エ)を答えなさい。定額法・間接法・残存価額ゼロ。

備品A:×1年4月1日取得、取得原価 600,000円、耐用年数5年
備品B:×3年10月1日取得、取得原価 480,000円、耐用年数4年

備 品
4/1 前期繰越 (ア)3/31 次期繰越 (  )
備品減価償却累計額
3/31 次期繰越 (エ)4/1 前期繰越 (イ)
 3/31 減価償却費 (ウ)
解答・解説を見る

ア = 1,080,000 イ = 420,000 ウ = 240,000 エ = 660,000

項目備品A備品B合計
取得原価600,000480,0001,080,000(ア)
年間償却額120,000120,000240,000(ウ)
期首までの経過×1/4〜×4/3=3年×3/10〜×4/3=6か月
期首累計額360,00060,000420,000(イ)
期末累計額480,000180,000660,000(エ)

解説:備品Aは 600,000 ÷ 5 = 120,000/年、備品Bは 480,000 ÷ 4 = 120,000/年。当期はどちらも通年使用しているので、当期の減価償却費は 240,000。
備品Bの期首累計額は、前期に取得した6か月分(120,000 × 6/12 = 60,000)だけである点に注意。
検算:期首累計額420,000 + 当期分240,000 = 660,000 = 期末累計額。2通りで一致すればOK。

27-3型3:繰越利益剰余金

例題27-3標準繰越利益剰余金

次の繰越利益剰余金勘定について、(ア)〜(ウ)に入る語句・金額を答えなさい。当期の当期純利益は 1,860,000円であり、6月の株主総会で配当金 900,000円と利益準備金 90,000円の積立てが決議された。

繰越利益剰余金
6/26 ( ア ) 900,0004/1 前期繰越 1,340,000
6/26 利益準備金  90,0003/31 ( イ ) (  )
3/31 次期繰越 (ウ) 
解答・解説を見る

ア = 未払配当金 イ = 損益 ウ = 2,210,000

解説:
ア:配当決議時の相手科目は未払配当金(まだ支払っていない)。
イ:当期純利益は損益勘定から振り替えられる。
ウ:貸方合計 1,340,000 + 1,860,000 = 3,200,000。借方の判明分 900,000 + 90,000 = 990,000。
 次期繰越 = 3,200,000 - 990,000 = 2,210,000
読み方のコツ:純資産の勘定なので貸方が増加。増える要因は「前期繰越」と「当期純利益」の2つだけ、減る要因は「配当」「準備金への振替」「当期純損失」の3つだけです。

27-4型4:商品売買(仕入・繰越商品)

例題27-4応用仕入と繰越商品

次の2つの勘定について、(ア)〜(オ)を答えなさい。当期の総仕入高は 4,820,000円、仕入戻しは 70,000円、期首商品棚卸高 385,000円、期末商品棚卸高 430,000円である。

繰越商品
4/1 前期繰越 (ア)3/31 仕  入 (  )
3/31 仕  入 (イ)3/31 次期繰越 (  )
仕 入
諸  口 4,820,000買 掛 金 (ウ)
3/31 繰越商品 (  )3/31 繰越商品 (  )
 3/31 ( エ ) (オ)
解答・解説を見る

ア = 385,000 イ = 430,000 ウ = 70,000 エ = 損益 オ = 4,705,000

解説:
ア:前期繰越=期首商品棚卸高 385,000
イ:3/31に借方へ入るのは期末商品棚卸高 430,000
ウ:仕入戻し(返品)は仕入勘定の貸方、相手科目は買掛金 → 70,000
オ:仕入勘定の借方合計 = 4,820,000 + 385,000 = 5,205,000
 貸方の判明分 = 70,000 + 430,000 = 500,000
 損益への振替額(=売上原価)= 5,205,000 - 500,000 = 4,705,000
検算:売上原価 = 期首385,000 + 純仕入高(4,820,000-70,000=4,750,000)- 期末430,000 = 4,705,000。一致します。
ここが差のつくポイント:仕入戻しを忘れないこと。総仕入高と純仕入高の区別ができているかを、この形式で試されます。

確認問題 27全12問/目標正答 9問以上
1支払家賃勘定の期首に「前払家賃」が借方に現れるのは、どのような仕訳によるか。
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期首の再振替仕訳(借)支払家賃/(貸)前払家賃
2受取地代勘定の期末に「前受地代」が借方に現れるのは、どのような仕訳によるか。
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決算整理仕訳(借)受取地代/(貸)前受地代(翌期分の繰延べ)
3毎年8月1日に1年分240,000円を支払う保険料について、当期のP/L計上額は(毎年同条件の場合)。
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240,000円(ちょうど12か月分)
4上記3で、期末の前払保険料はいくらか(会計期間4/1〜3/31)。
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翌期4月〜7月の4か月分=80,000円
5備品(取得原価 900,000円、耐用年数6年)を×2年4月1日に取得。×5年3月31日時点の減価償却累計額は。
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150,000×3年=450,000円
6減価償却累計額勘定の「次期繰越」は借方・貸方どちらか。
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借方(貸方残高なので反対側)
7繰越利益剰余金勘定の貸方に現れる項目を2つあげなさい。
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前期繰越/損益(当期純利益)
8繰越利益剰余金勘定の借方に現れる項目を3つあげなさい。
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未払配当金/利益準備金/次期繰越(当期純損失の場合は損益も)
9繰越商品勘定の借方「前期繰越」は期首・期末どちらの棚卸高か。
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期首
10仕入勘定から損益勘定へ振り替えられる金額は何を表すか。
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売上原価
11総仕入高 3,600,000円、仕入戻し 45,000円、期首商品 280,000円、期末商品 310,000円。売上原価は。
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280,000+3,555,000-310,000=3,525,000円
12勘定記入問題を解くときの最初の作業は何か。
解答を見る
その勘定に関係する仕訳を日付順にすべて書き出すこと(期首の再振替 → 期中取引 → 決算整理 → 損益振替・次期繰越)。

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第28章

第2問 完全攻略 ― 20点の取り方を設計する

合格演習8問

第2問は難易度の振れ幅がいちばん大きい大問です。簡単な回は満点が狙え、難しい回は半分取れれば上出来。だからこそ「事前にどこまで取るかを決めておく」ことが重要になります。

28-1出題パターン7分類と優先順位

順位パターン難易度攻略の要点
1補助簿の選択仕訳を書き、出てきた科目に対応する補助簿を選ぶだけ。絶対に落とさない(第12章)
2語句補充・理論簿記用語の穴埋め。用語集を1回読んでおけば取れる
3伝票・仕訳日計表一部現金取引の2つの起票法が山。集計は機械作業(第14章)
4商品有高帳先入先出法・移動平均法。受入-払出=残高で検算(第13章)
5固定資産台帳取得時期ごとに月割。2通りで検算(第8・27章)
6勘定記入4つの型を押さえる。時間がかかるので後回し推奨(第27章)
7売掛金元帳・買掛金元帳個別残高の合計=総勘定元帳残高(第12章)

表28-1 第2問の出題パターン。近年は2題構成(各10点前後)が主流で、うち1題は易しめのことが多いです。

得点戦略

第2問は最後に解く。そして開いた瞬間に15秒で「取りにいく/捨てる」を判断してください。
取りにいく合図:補助簿の選択、語句補充、シンプルな伝票集計 → 5分で満点が取れます
後回しの合図:見たことのない勘定の記入、複雑な推定 → 空欄を1つでも埋めて次へ
第2問が0点でも合格できます(第0章 表0-2)。ここに10分以上かけて第3問を失うのが、いちばんもったいない負け方です。

28-2合格演習 ― 本試験レベル8問

合格演習28-1基本補助簿の選択

次の取引について、記入される補助簿を下の記号からすべて選びなさい。
ア.現金出納帳 イ.当座預金出納帳 ウ.仕入帳 エ.売上帳 オ.商品有高帳 カ.売掛金元帳 キ.買掛金元帳 ク.受取手形記入帳 ケ.支払手形記入帳 コ.固定資産台帳

(1) 商品 480,000円を仕入れ、代金のうち 180,000円は約束手形を振り出し、残額は掛けとした。引取運賃 12,000円(当社負担)は現金で支払った。
(2) 得意先に商品 650,000円を売り上げ、代金は同店振出の約束手形で受け取った。
(3) 買掛金 320,000円を小切手を振り出して支払った。
(4) 備品 540,000円を購入し、代金は翌月末払いとした。
(5) 売り上げた商品のうち 45,000円が返品され、掛代金から差し引いた。

解答・解説を見る
No仕訳補助簿
(1)(借)仕入 492,000/(貸)支払手形 180,000・買掛金 300,000・現金 12,000ア・ウ・オ・キ・ケ
(2)(借)受取手形 650,000/(貸)売上 650,000エ・オ・ク
(3)(借)買掛金 320,000/(貸)当座預金 320,000イ・キ
(4)(借)備品 540,000/(貸)未払金 540,000
(5)(借)売上 45,000/(貸)売掛金 45,000エ・オ・カ

ここで差がつく:(1)の引取運賃12,000円が現金出納帳(ア)にも記入される点、そして商品有高帳(オ)には492,000で記入される点。
(5)の返品も商品有高帳に記入される(商品が戻ってくるため)。
「仕入・売上が出たら必ず商品有高帳」を機械的に適用すれば満点です。

合格演習28-2標準語句補充

次の文章の( ① )〜( ⑧ )に当てはまる語句を答えなさい。

(1) すべての取引を発生順に記入する帳簿を( ① )、勘定科目ごとに記録する帳簿を( ② )といい、この2つを合わせて主要簿という。
(2) 決算において、収益・費用の各勘定の残高を( ③ )勘定に振り替える手続きを損益振替という。その差額として計算される当期純利益は( ④ )勘定に振り替えられる。
(3) 資産・負債・純資産の各勘定を、残高の反対側に「次期繰越」と記入して締め切る方法を( ⑤ )決算法という。
(4) 商品を仕入れた際に当社が負担した引取運賃は、( ⑥ )に含めて処理する。
(5) 当期に発生した売掛金が貸し倒れた場合は( ⑦ )勘定で処理し、前期以前に発生した売掛金が貸し倒れた場合はまず( ⑧ )を取り崩す。

解答・解説を見る
仕訳帳総勘定元帳損益繰越利益剰余金
英米式仕入(取得原価)貸倒損失貸倒引当金

対策法:語句補充は各章の太字だけを試験前日に読み返すのが最も効率的です。本書では第1章・第2章・第16章・第26章の用語が特に狙われます。

合格演習28-3標準仕訳日計表

×7年6月10日の伝票は次のとおりである。仕訳日計表を作成し、①現金勘定の借方合計、②売掛金勘定の貸方合計、③仕訳日計表の合計額を求めなさい。

入金伝票出金伝票振替伝票
売掛金280,000買掛金350,000(借)仕入(貸)買掛金620,000
売上145,000広告宣伝費88,000(借)売掛金(貸)売上840,000
受取手形400,000旅費交通費24,000(借)買掛金(貸)支払手形300,000
解答・解説を見る
借方勘定科目貸方
825,000現  金462,000
840,000売 掛 金280,000
受取手形400,000
650,000買 掛 金620,000
支払手形300,000
売  上985,000
620,000仕  入
88,000広告宣伝費
24,000旅費交通費
3,047,000合 計3,047,000

現金 借方合計 825,000円 ② 売掛金 貸方合計 280,000円 ③ 合計額 3,047,000円

解き方の手順:
① 入金伝票の合計 280,000+145,000+400,000 = 825,000 → 現金の借方
② 出金伝票の合計 350,000+88,000+24,000 = 462,000 → 現金の貸方
③ 入金伝票の科目は各科目の貸方へ(売掛金280,000・売上145,000・受取手形400,000)
④ 出金伝票の科目は各科目の借方へ(買掛金350,000・広告宣伝費88,000・旅費交通費24,000)
⑤ 振替伝票はそのまま両建て
買掛金:借方 350,000+300,000 = 650,000/貸方 620,000。売上:145,000+840,000 = 985,000。
検算:借方合計と貸方合計が一致(3,047,000)すれば集計は正しいと判断できます。

合格演習28-4応用商品有高帳

次の資料により、移動平均法による商品有高帳を作成した場合の、①9月の払出高合計、②9月末の残高、③9月の売上総利益を求めなさい。

日付摘要数量単価
9/1前月繰越200個@750
9/7仕入300個@830
9/13売上350個売価@1,200
9/20仕入250個@862
9/26売上300個売価@1,250
解答・解説を見る
日付計算受入払出残高
9/1@750×200150,000200個 150,000
9/7(150,000+249,000)÷500=@798249,000500個 399,000
9/13@798×350279,300150個 119,700
9/20(119,700+215,500)÷400=@838215,500400個 335,200
9/26@838×300251,400100個 83,800
合計614,500530,70083,800

払出高合計 530,700円 ② 月末残高 83,800円(100個・@838) ③ 売上総利益 264,300円

解説:
③ 売上高 = @1,200×350 + @1,250×300 = 420,000 + 375,000 = 795,000
 売上総利益 = 795,000 - 530,700 = 264,300
検算:受入合計 614,500 - 払出合計 530,700 = 83,800。残高と一致します。
本試験での注意:移動平均法は平均単価が割り切れるように数値が調整されて出題されます。割り切れない数字が出たら、まず自分の計算過程を疑ってください(直前の残高金額・数量の取り違えがほとんどです)。

合格演習28-5応用勘定記入(受取家賃)

ジェイ商事(会計期間:4月1日〜翌3月31日)は、所有する建物の一部を貸し付けており、家賃は毎年10月1日に向こう1年分を受け取っている。当期の年額は 720,000円(前期は 660,000円)であった。次の勘定の(ア)〜(オ)を答えなさい。

受取家賃
3/31 前受家賃 (ウ)4/1 ( ア ) (イ)
3/31 損  益 (エ)10/1 現  金 720,000
前受家賃
4/1 受取家賃 (  )4/1 前期繰越 (  )
3/31 次期繰越 (オ)3/31 受取家賃 (  )
解答・解説を見る

ア = 前受家賃 イ = 330,000 ウ = 360,000 エ = 690,000 オ = 360,000

解説(数直線で考える):

期間もとになる受取り月数金額
4月〜9月前期10/1受取分(年額660,000)6か月330,000
10月〜3月当期10/1受取分(年額720,000)6か月360,000
当期のP/L計上額(受取家賃)12か月690,000
翌期4月〜9月分(前受家賃としてB/Sへ)当期10/1受取分6か月360,000

イ(期首の再振替)= 660,000 × 6/12 = 330,000
ウ・オ(期末の繰延べ)= 720,000 × 6/12 = 360,000
エ(損益振替)= 330,000 + 720,000 - 360,000 = 690,000
ここが本試験レベル:前期と当期で年額が違うのがポイント。「毎年同じなら12か月分ちょうど」という感覚をそのまま当てはめると720,000としてしまいます。期間ごとに単価を分けて積み上げるのが正解への道です。

合格演習28-6応用固定資産台帳

次の固定資産台帳(×8年3月31日現在)から、①当期(×7年4月1日〜×8年3月31日)の減価償却費の合計、②期末の備品の帳簿価額合計を求めなさい。定額法・間接法・残存価額ゼロ、当期中の売却・除却はない。

名称取得年月日取得原価耐用年数期首減価償却累計額
備品X×4年4月1日1,440,0006年720,000
備品Y×6年7月1日960,0005年144,000
備品Z×7年9月1日720,0004年
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当期の減価償却費 537,000円 ② 期末の帳簿価額合計 1,719,000円

名称年間償却額当期の月数当期償却額期末累計額期末帳簿価額
備品X1,440,000÷6=240,00012か月240,000960,000480,000
備品Y960,000÷5=192,00012か月192,000336,000624,000
備品Z720,000÷4=180,0007か月105,000105,000615,000
合計537,0001,401,0001,719,000

解説:備品Zは×7年9月1日取得なので、当期の使用月数は9月〜3月の7か月。180,000 × 7/12 = 105,000
検算1:取得原価合計 1,440,000+960,000+720,000 = 3,120,000。3,120,000 - 期末累計額1,401,000 = 1,719,000
検算2:期首累計額 720,000+144,000 = 864,000。864,000 + 当期537,000 = 1,401,000
2通りで一致したので確定です。
ワンポイント:備品Yの期首累計額144,000は、×6年7月〜×7年3月の9か月分(192,000×9/12)。この数字から取得時期を逆算できることも押さえておいてください。

合格演習28-7標準売掛金元帳

次の資料から、①6月末の函館商店に対する売掛金残高、②6月末の売掛金勘定の残高、③6月の貸倒引当金の取崩額を求めなさい。

【6月1日残高】札幌商店 480,000円/函館商店 620,000円/旭川商店 350,000円
【6月の取引】
・掛け売上:札幌 1,240,000円/函館 980,000円/旭川 460,000円
・現金回収:札幌 1,100,000円/函館 850,000円
・当座振込:旭川 500,000円
・売上戻り:函館 38,000円
・貸倒れ(前期発生分):札幌 72,000円

解答・解説を見る
 札幌商店函館商店旭川商店合計
6/1 残高480,000620,000350,0001,450,000
掛け売上(+)1,240,000980,000460,0002,680,000
回収(-)1,100,000850,000500,0002,450,000
売上戻り(-)38,00038,000
貸倒れ(-)72,00072,000
6/30 残高548,000712,000310,0001,570,000

函館商店 712,000円 ② 売掛金勘定 1,570,000円 ③ 貸倒引当金の取崩額 72,000円

解説:③ 前期発生分の貸倒れなので、貸倒引当金を取り崩します((借)貸倒引当金 72,000/(貸)売掛金 72,000)。
検算のポイント:売掛金元帳の各店の残高合計=総勘定元帳の売掛金残高。548,000+712,000+310,000 = 1,570,000。この一致が確認できたら正解です。

合格演習28-8応用伝票からの推定

次の(1)(2)の伝票は、それぞれ1つの取引から作成されたものである。元の取引を推定しなさい。

(1) 入金伝票:科目「売上」金額 200,000/振替伝票:(借)売掛金 550,000(貸)売上 550,000
(2) 出金伝票:科目「買掛金」金額 180,000/振替伝票:(借)仕入 940,000(貸)買掛金 940,000

解答・解説を見る

(1) 商品 750,000円を売り上げ、代金のうち 200,000円は現金で受け取り、残額 550,000円は掛けとした。

(2) 商品 940,000円を仕入れ、代金のうち 180,000円は現金で支払い、残額 760,000円は掛けとした。

解説:
(1) 入金伝票の科目が「売上」方法①(取引を分解)。したがって振替伝票の550,000は掛け部分だけ。取引総額 = 200,000 + 550,000 = 750,000
(2) 出金伝票の科目が「買掛金」方法②(いったん全額を掛け)。したがって振替伝票の940,000が取引総額。掛けとして残るのは 940,000 - 180,000 = 760,000。
判定の1行ルール:入金/出金伝票の科目が「売上・仕入」なら分解、「売掛金・買掛金」なら全額掛け。これだけで100%判定できます。

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第29章

第3問 完全攻略 ― 35点を確実に取りにいく

合格演習2問(総合)

第3問は3つの形式(精算表・財務諸表・後T/B)のどれかで出題されます。形式は違ってもやることは1つ——決算整理仕訳を書くこと。この章では、本番で手が止まらないための下書き用紙の作り方処理順序を固定します。

29-1下書き用紙の作り方 ― これで事故がなくなる

図29-A 下書き用紙のレイアウト(A4を4分割して使う) ① 決算整理仕訳(左上) 1. 仮受金 150,000 / 売掛金 150,000 2. 貸引繰入 19,000 / 貸引 19,000 3. 仕入 480,000 / 繰商 480,000   繰商 515,000 / 仕入 515,000 → 番号は問題文の番号と一致させる ② 計算メモ(右上) 売掛金:1,500,000 - 150,000 = 1,350,000 貸引:(700,000+1,350,000)×2% = 41,000 保険料:288,000 ÷ 12 = 24,000/月     来期 7か月 = 168,000 → 割り算はここに書き残す(見直し用) ③ 数直線(左下) 4/1 11/1 支払 3/31 前期分 当期5か月 来期分 7か月 = 前払保険料 168,000 → 経過勘定は必ず数直線を書く。10秒で正答率が倍に ④ 集計欄(右下) 収益合計 10,936,000 費用合計  9,747,200 当期純利益 1,188,800 繰越利益剰余金 1,254,000+1,188,800  = 2,442,800(B/Sへ)

この4分割を最初に引くのに10秒。この10秒が、見直し時間と正答率を大きく変えます。ネット試験(CBT)でも配布される計算用紙に同じレイアウトを書いてください。

29-2処理順序 ― この順で必ず解く

  • 問題文を最後まで読み、決算整理事項に通し番号を振る。先に全体量を把握します(通常5〜9項目)。
  • 「未処理事項」を最初に処理する。ここで動いた科目に印を付ける。これが最重要
  • 簡単な項目から仕訳を書く。減価償却・貯蔵品・消費税など、独立して解ける項目を先に。
  • 連鎖する項目を書く。貸倒引当金(売掛金の変動を反映)、売上原価(仕入の変動を反映)。
  • 経過勘定を数直線で処理する。ここは時間をかけてよい場所です。
  • 法人税等を最後に。率で指示されている場合は、他がすべて終わってから計算。
  • 答案用紙に転記し、当期純利益を差額で求める。最後に貸借一致を確認。
得点戦略

第3問は「全部埋める」より「確実に埋める」。35点のうち、配点は1か所2〜3点で12〜15か所に分散しています。つまり半分埋めれば17点前後
わからない項目が1つあっても、他の項目の点は独立して取れます。1つの項目で3分以上悩んだら、いったん飛ばして次へ進んでください。
また、時間切れが見えたら当期純利益だけでも差額で書く。ここにも配点があります。

注意

第3問で失点が集中する5か所
① 未処理事項を反映せずに貸倒引当金を計算した
② 繰越利益剰余金に当期純利益を足し忘れた(財務諸表形式)
③ 期中取得の固定資産を月割しなかった
④ 経過勘定で「当期分」と「来期分」を逆にした
⑤ 法人税等を計上し忘れた(決算整理事項の最後を読み飛ばした)
この5つを潰すだけで、第3問の得点は10点以上変わります。

29-3合格演習 ― 財務諸表作成(本試験レベル)

合格演習29-1応用第3問・財務諸表形式/35点

北海テック株式会社(会計期間:×7年4月1日〜×8年3月31日)の決算整理前残高試算表と決算整理事項等は次のとおりである。損益計算書および貸借対照表を完成させなさい。

【決算整理前残高試算表(単位:円)】

借方勘定科目貸方
385,000現  金
3,240,000普通預金
2,100,000売 掛 金
620,000繰越商品
240,000仮 払 金
120,000仮払法人税等
1,600,000備  品
2,000,000車両運搬具
3,500,000土  地
買 掛 金1,340,000
借 入 金2,000,000
所得税預り金68,000
貸倒引当金15,000
備品減価償却累計額400,000
車両減価償却累計額800,000
資 本 金6,000,000
繰越利益剰余金1,798,000
売  上12,400,000
受取手数料96,000
7,240,000仕  入
1,940,000給  料
320,000法定福利費
780,000支払家賃
168,000通 信 費
224,000旅費交通費
180,000保 険 料
260,000広告宣伝費
24,917,000合 計24,917,000

【決算整理事項等】

  1. 仮払金 240,000円は、当期の12月1日に購入した備品の代金であることが判明した。
  2. 売掛金の期末残高に対し2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
  3. 期末商品棚卸高は 685,000円である。
  4. 減価償却を次のとおり行う(定額法・間接法・残存価額ゼロ)。
     備品(従来分 1,600,000円):耐用年数8年/備品(上記1の取得分):耐用年数4年・月割
     車両運搬具:耐用年数5年
  5. 保険料 180,000円は、当期の9月1日に向こう1年分を支払ったものである。
  6. 借入金 2,000,000円は当期の10月1日に年利率1.8%で借り入れたもので、利息は返済時に支払う契約である。当期分の利息を月割で計上する。
  7. 広告宣伝費のうち 60,000円は翌期分である。
  8. 法人税、住民税及び事業税として 276,000円を計上する(仮払法人税等を充当する)。
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【ステップ1】決算整理仕訳

No借方科目金額貸方科目金額
1備  品240,000仮 払 金240,000
2貸倒引当金繰入27,000貸倒引当金27,000
3仕  入620,000繰越商品620,000
繰越商品685,000仕  入685,000
4減価償却費620,000備品減価償却累計額220,000
車両減価償却累計額400,000
5前払保険料75,000保 険 料75,000
6支払利息18,000未払利息18,000
7前払広告宣伝費60,000広告宣伝費60,000
8法人税、住民税及び事業税276,000仮払法人税等120,000
未払法人税等156,000

計算根拠
2. 2,100,000 × 2% = 42,000。42,000 - 15,000 = 27,000
3. 売上原価 = 620,000 + 7,240,000 - 685,000 = 7,175,000
4. 備品(従来)1,600,000 ÷ 8 = 200,000/備品(新)240,000 ÷ 4 = 60,000 × 4/12(12月〜3月)= 20,000/車両 2,000,000 ÷ 5 = 400,000。合計 620,000。備品累計額の増加は 200,000+20,000 = 220,000
5. 180,000 ÷ 12 = 15,000/月。来期分は4月〜8月の5か月75,000
6. 2,000,000 × 1.8% × 6/12(10月〜3月)= 18,000

損益計算書 北海テック株式会社 ×7年4月1日〜×8年3月31日 (単位:円)

科目内訳金額
Ⅰ 売上高12,400,000
Ⅱ 売上原価7,175,000
  売上総利益5,225,000
Ⅲ 販売費及び一般管理費
  給料1,940,000
  法定福利費320,000
  支払家賃780,000
  通信費168,000
  旅費交通費224,000
  保険料105,000
  広告宣伝費200,000
  貸倒引当金繰入27,000
  減価償却費620,0004,384,000
  営業利益841,000
Ⅳ 営業外収益 受取手数料96,000
Ⅴ 営業外費用 支払利息18,000
  税引前当期純利益919,000
  法人税、住民税及び事業税276,000
  当期純利益643,000

貸借対照表 北海テック株式会社 ×8年3月31日 (単位:円)

資産の部内訳金額負債・純資産の部金額
現金385,000買掛金1,340,000
普通預金3,240,000借入金2,000,000
売掛金2,100,000所得税預り金68,000
 貸倒引当金△42,0002,058,000未払費用18,000
商品685,000未払法人税等156,000
前払費用135,000負債合計3,582,000
備品1,840,000資本金6,000,000
 減価償却累計額△620,0001,220,000繰越利益剰余金2,441,000
車両運搬具2,000,000純資産合計8,441,000
 減価償却累計額△1,200,000800,000
土地3,500,000
資産合計12,023,000負債・純資産合計12,023,000

採点のポイント
備品 1,840,000=従来分1,600,000 + 当期取得240,000。仮払金からの振替を忘れると全滅します。
前払費用 135,000=前払保険料75,000 + 前払広告宣伝費60,000。B/Sではまとめて「前払費用」
繰越利益剰余金 2,441,000=1,798,000 + 当期純利益643,000。
仮払金・仮払法人税等はB/Sに残らない
⑤ 検算:資産合計 12,023,000 = 負債・純資産合計 12,023,000。
目標時間:22分。決算整理仕訳の書き出しに8分、P/L作成に6分、B/S作成に6分、検算に2分。

合格演習29-2標準当期純利益の逆算

次の資料から、①当期純利益、②B/Sの繰越利益剰余金、③B/Sの資産合計を求めなさい。
・決算整理後の収益合計 9,860,000円
・決算整理後の費用合計(法人税等を含む)8,395,000円
・決算整理前の繰越利益剰余金 2,140,000円
・B/Sの負債合計 4,280,000円、資本金 5,000,000円

解答・解説を見る

1,465,000円 ② 3,605,000円 ③ 12,885,000円

解説:
① 9,860,000 - 8,395,000 = 1,465,000
② 2,140,000 + 1,465,000 = 3,605,000
③ 負債合計 4,280,000 + 資本金 5,000,000 + 繰越利益剰余金 3,605,000 = 12,885,000
使い道:本番で時間切れが迫ったとき、この3つだけでも埋めれば数点を拾えます。「資産合計は右側から逆算できる」と覚えておいてください。

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第30章

ネット試験(CBT)完全攻略 + 電卓・計算用紙テクニック

確認12問

実力があるのに落ちる人の典型が、「知識ではなく操作と時間で失点する」パターンです。この章は1点も落とさないための実務章。試験3日前に必ず読み返してください。

30-1試験当日の流れ(ネット試験)

  • 試験開始30分前〜10分前に会場到着。遅刻は原則として受験不可。会場は貸会議室やパソコン教室であることが多く、入口がわかりにくいので余裕をもって。
  • 受付で本人確認。顔写真付きの身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)が必須。忘れると受験できません。
  • ロッカーに荷物を預ける。持ち込めるのは電卓・身分証・受験ログイン情報程度。筆記用具は会場で貸与されるのが一般的です。
  • 計算用紙とペンを受け取り、着席。画面の指示に従ってログインし、注意事項を読んで開始。
  • 60分の試験。画面右上(または上部)に残り時間が常時表示されます。
  • 終了ボタンを押すと即座に採点。その場で得点と合否が表示されます。合格ならデジタル合格証のURLが発行されます。
  • 計算用紙は必ず返却。持ち帰りは不可です。
注意

電卓の持ち込み条件を必ず確認してください。使用できるのは四則演算、平方根、メモリー(M+・M-・MR)、GT(グランドトータル)程度の一般電卓です。
使用できないのは関数電卓、プログラム機能つき、印刷機能つき、音の出るもの、スマートフォン・スマートウォッチの電卓機能
また電卓カバーが辞書機能を兼ねているタイプも不可とされることがあります。心配なら、シンプルな12桁電卓を1台用意しておくのが安全です。

30-2画面操作 ― ここだけ知っていれば戸惑わない

操作ポイント
勘定科目の入力プルダウン(選択式)。自分でタイプするのではなく、リストから選びます。
選択肢にある科目名しか使えないので、まず一覧を眺めて「この問題では何を使わせたいのか」を把握するのが有利
金額の入力半角数字で入力。カンマは自動で入るので、自分で打つ必要はありません(打つとエラーになる場合があります)
→ マイナスを入力する欄はほぼ登場しません。マイナスが出たら考え方を間違えています
問題間の移動画面上部のタブやボタンで第1問・第2問・第3問を自由に行き来できます。解答は保持されます
スクロール第3問は画面に収まりきらないことが多い。資料と答案欄を行き来するため、資料の数値を計算用紙にメモしておくと速い
行の追加仕訳の行数はあらかじめ決まっていることが多く、使わない行は空欄のままでOK。
→ 3行用意されていても2行で完結する仕訳はよくあります。無理に3行埋めない
見直し・フラグ「後で見直す」チェックを付けられる画面もあります。使えるなら活用を
終了「試験終了」ボタンは押すと戻れません。時間が余ったら押さず、見直しに使いましょう

表30-1 CBTの画面操作。※画面レイアウトは変更されることがあります。公式の体験用サンプル問題を一度は触っておくことを強くおすすめします。

得点戦略

CBT特有の落とし穴:同じ勘定科目を2行に分けて書くと不正解になることがあります。
例:(借)現金 130,000・現金 50,000 のように分けず、(借)現金 180,000 と1行にまとめるのが原則。
これは統一試験でも同じルールですが、CBTは機械採点なので容赦がありません。仕訳を書き終えたら「同じ科目が2回出ていないか」を必ず確認してください。

30-3電卓テクニック ― 打鍵ミスをゼロにする

キー機能簿記での使いどころ
GTグランドトータル
(=を押した結果を自動累計)
試算表の合計、販管費の合計
「240,000 =」「180,000 =」…と入力し、最後にGTを押すと合計が出る。1つずつ足すより速く、ミスも少ない
M+
M-
MR
メモリーへの加算・減算・呼出し売上原価の計算:期首480,000 M+ → 当期仕入5,820,000 M+ → 期末515,000 M-MR で 5,785,000。
途中結果を書き写す必要がなく、転記ミスが起きない
百分率2,050,000 × 2 % で 41,000(貸倒引当金)。
620,000 × 96.5 % で 598,300(クレジット売掛金の手取額)を一発計算
÷ ==定数除算多くの電卓で「÷ 12 ==」のように同じ数で連続除算できる。月割計算をまとめて処理するのに便利(機種により操作が異なるので事前に確認)
平方根3級では使いません
AC / C全クリア/直前クリアC(またはCE)は直前の入力だけを消す。打ち間違えたときにACを押すと全部消えるので、Cを使う癖をつける

表30-2 簿記で使う電卓機能。GTとM+だけでも覚えれば、計算時間が2〜3割短縮します。

暗記

打鍵ミスを防ぐ5つの習慣

  1. 電卓は利き手と反対の手で打つ。利き手はペンを持ったまま。慣れれば速く、ペンの持ち替えロスが消えます
  2. 桁は3桁ずつ声に出さず口の形で読む(「ひゃくにじゅうまん」より「1,2,0,0,0,0,0」)。桁ズレの発見が早くなります
  3. ÷1.1、÷11、×0.96 などの「型」を先に決めておく。本番で考えない
  4. 同じ計算を2回する。ただし2回目は順序を変える(a+b+c を c+b+a で)。同じ順序だと同じミスを繰り返します
  5. 答えが出たら桁を確認。3級の金額はほぼ千円単位。1桁ズレは見た瞬間に気づけます

30-4計算用紙(下書き用紙)の使い方

POINT

ネット試験ではA4の計算用紙が数枚渡されます(会場により枚数が異なる)。統一試験(ペーパー試験)でも同様に計算用紙が配布されます。使い方はどちらも同じです。

場面書くもの
試験開始直後紙の隅にホームポジションの4象限(資産・費用|負債・純資産・収益)を書く。10秒
第1問基本は書かずに直接入力。迷った問題だけ、勘定科目と増減の矢印をメモ
第2問T字勘定を書く。空欄は差額で求める
第3問図29-A4分割レイアウト。決算整理仕訳/計算メモ/数直線/集計欄
共通数字はカンマを打たず3桁ごとに少し空けると速い(例:1 350 000)

やってはいけないこと:計算用紙に仕訳を「きれいに」書くこと。清書は時間の無駄です。読めればいい。ただし金額の桁だけは丁寧に

30-560分の使い方 ― 実戦タイムテーブル

経過時間やることチェックポイント
0:00〜0:01全体を眺める第2問が何の論点かを15秒で確認。ホームポジションを紙に書く
0:01〜0:20第1問(仕訳15題)1題80秒。20秒考えてわからなければ飛ばす。勘定科目はプルダウンから選ぶ
0:20〜0:42第3問(決算)決算整理仕訳を先に全部書く。1項目3分以上悩まない
0:42〜0:55第2問取れるところから。難問なら空欄を1つでも埋めて撤退
0:55〜0:58第1問の飛ばした問題ここで拾えれば3点×問題数。最後まであきらめない
0:58〜1:00最終確認空欄がないか。金額の桁ズレがないか。終了ボタンはギリギリまで押さない

表30-3 60分の実戦タイムテーブル。模擬試験(下記)を必ずこの時間割で解いてください。

注意

「わからない問題に戻る」を前提に設計してください。第1問で1題に3分かけると、それだけで第3問の1項目分(=3点)を失います。
CBTは問題間を自由に移動できるので、飛ばすコストがゼロです。統一試験でも同じ。迷ったら飛ばすを徹底してください。

30-6統一試験(ペーパー)を受ける場合の追加注意

  • 解答は答案用紙に記入。問題用紙に書いても採点されません
  • 勘定科目は記号(ア・イ・ウ…)で答えさせる形式が主流。科目名を書いても不正解になるので、必ず記号を確認
  • 数字は3桁ごとのカンマを自分で打つ。桁を間違えないよう、答案用紙の枠に沿って書く
  • 修正は二重線ではなく消しゴムで。汚いと読み取られない可能性があります
  • 試験終了後、問題用紙・答案用紙・計算用紙はすべて回収されます(持ち帰り不可)。ネット試験と同じ扱いです
得点戦略

受験2週間前にやるべきこと
模擬試験を60分計って2回解く(本ページの模擬試験
仕訳トレーニング150を通しで1周(40分以内が目標)
間違えた問題だけをもう1周
④ ネット試験なら公式のサンプル問題で画面操作に慣れる
電卓のGT・M+を実際に使ってみる
この5つをやれば、当日の事故はほぼ起きません。

確認問題 30全12問/目標正答 10問以上
1ネット試験で使用できない電卓を3つあげなさい。
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関数電卓/プログラム機能つき電卓/印刷機能つき電卓(ほかに音が出るもの、スマートフォン等の電卓機能も不可)
2ネット試験の受験時に必ず必要なものは何か。
解答を見る
顔写真付きの本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート等)
3ネット試験で勘定科目はどのように入力するか。
解答を見る
プルダウン(選択式)。用意された選択肢から選びます。
4金額を入力する際、カンマは自分で打つ必要があるか。
解答を見る
必要ない(自動で挿入される)。打つとエラーになる場合があります。
51つの仕訳で同じ勘定科目を2行に分けて入力してよいか。
解答を見る
不可(1行にまとめる)。機械採点のため不正解になる可能性があります。
6売上原価(期首480,000+当期仕入5,820,000-期末515,000)を電卓のメモリー機能で計算する手順を書きなさい。
解答を見る
480000 M+ → 5820000 M+ → 515000 M-MR → 5,785,000
7税込 1,540,000円の消費税額(10%)を最短で求める打鍵は。
解答を見る
1540000 ÷ 11 = → 140,000
8GT(グランドトータル)キーはどのような場面で使うか。
解答を見る
複数の計算結果を自動累計したいとき(販管費の合計、試算表の合計など)。各計算を「=」で終え、最後にGTを押します。
960分の標準的な時間配分を答えなさい(第1問・第2問・第3問・見直し)。
解答を見る
第1問 20分/第3問 22分/第2問 13分/見直し・拾い直し 5分(解く順番は第1問→第3問→第2問)
10試験開始直後に計算用紙へ最初に書くべきものは何か。
解答を見る
ホームポジションの4象限(借方=資産・費用/貸方=負債・純資産・収益)
11第1問で1題に迷ったとき、何秒で見切りをつけるべきか。
解答を見る
20秒。飛ばして後で戻ります(CBTは問題間の移動が自由)。
12ネット試験の計算用紙は持ち帰れるか。
解答を見る
持ち帰れない(試験終了後に必ず返却)。

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直前対策 1

仕訳トレーニング150 ― 第1問45点を取り切る

全150問
得点戦略

この150問が、本書の心臓部です。第1問45点は「知っている」ではなく「手が動く」で決まります。
使い方:①1問15秒で判断 → ②紙に書く → ③解答を開いて答え合わせ → ④間違えた番号だけメモ → ⑤全部終わったら間違えた番号だけもう1周。
目標:1周目で120問/2周目で140問/3周目で150問。3周目に到達すれば、本試験の第1問は40点前後で安定します。勘定科目は各問の解答に示したものを使ってください(本試験では与えられた勘定科目一覧から選びます)。

全150問/目安:1周 40分 ★=特に間違えやすい問題
Part 1 現金・預金(No.1〜25)目標 22問以上
1商品 240,000円を売り上げ、代金は得意先振出の小切手で受け取った。
解答
(借)現金 240,000 /(貸)売上 240,000
2★ 商品 380,000円を売り上げ、代金は当店がかつて振り出した小切手で受け取った。
解答
(借)当座預金 380,000 /(貸)売上 380,000
3商品 520,000円を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った。
解答
(借)仕入 520,000 /(貸)当座預金 520,000
4売掛金 175,000円の回収として郵便為替証書を受け取った。
解答
(借)現金 175,000 /(貸)売掛金 175,000
5保有株式の配当金領収証 26,000円を受け取った。
解答
(借)現金 26,000 /(貸)受取配当金 26,000
6得意先振出の小切手 300,000円をただちに当座預金口座へ預け入れた。
解答
(借)当座預金 300,000 /(貸)現金 300,000
7現金の実際有高が帳簿残高より 12,500円少なかった(原因不明)。
解答
(借)現金過不足 12,500 /(貸)現金 12,500
8上記7の不足額のうち 9,000円は消耗品費の記帳漏れと判明した。
解答
(借)消耗品費 9,000 /(貸)現金過不足 9,000
9★ 現金の実際有高が帳簿残高より 8,000円多かったため現金過不足で処理していたが、その原因は売掛金回収の記帳漏れであることが判明した。
解答
(借)現金過不足 8,000 /(貸)売掛金 8,000
※本来(借)現金/(貸)売掛金 とすべきだったので、現金の部分を現金過不足に置き換えます。現金過不足は貸方残高(過剰)なので、借方に置いて消します。
10決算日となり、現金過不足の借方残高 3,500円の原因が判明しなかった。
解答
(借)雑損 3,500 /(貸)現金過不足 3,500
11決算日となり、現金過不足の貸方残高 4,800円の原因が判明しなかった。
解答
(借)現金過不足 4,800 /(貸)雑益 4,800
12★ 決算にあたり現金を実査したところ、実際有高が帳簿残高より 6,200円多く、原因は不明であった(現金過不足勘定は用いない)。
解答
(借)現金 6,200 /(貸)雑益 6,200
13当座預金残高 250,000円のとき、買掛金 400,000円を小切手を振り出して支払った(借越限度額 1,000,000円)。
解答
(借)買掛金 400,000 /(貸)当座預金 400,000
14決算にあたり、当座預金勘定の貸方残高 150,000円を当座借越勘定へ振り替えた。
解答
(借)当座預金 150,000 /(貸)当座借越 150,000
15上記14の翌期首の再振替仕訳。
解答
(借)当座借越 150,000 /(貸)当座預金 150,000
16普通預金口座から当座預金口座へ 600,000円を振り替えた。
解答
(借)当座預金 600,000 /(貸)普通預金 600,000
17★ 普通預金A銀行から普通預金B銀行へ 500,000円を振り替えた。振込手数料 550円はA銀行口座から差し引かれた。
解答
(借)普通預金B銀行 500,000・支払手数料 550 /(貸)普通預金A銀行 500,550
18定期預金 2,000,000円が満期となり、利息 3,000円とともに普通預金口座に入金された。
解答
(借)普通預金 2,003,000 /(貸)定期預金 2,000,000・受取利息 3,000
19定額資金前渡制度により、小口現金係に小切手 70,000円を振り出して渡した。
解答
(借)小口現金 70,000 /(貸)当座預金 70,000
20小口現金係から、旅費交通費 18,400円、通信費 9,600円、雑費 4,000円の支払報告を受けた。
解答
(借)旅費交通費 18,400・通信費 9,600・雑費 4,000 /(貸)小口現金 32,000
21上記20につき、ただちに小切手を振り出して同額を補給した。
解答
(借)小口現金 32,000 /(貸)当座預金 32,000
22★ 小口現金係から旅費交通費 21,000円・消耗品費 8,500円の報告を受け、同時に現金で補給した(報告と補給が同時)。
解答
(借)旅費交通費 21,000・消耗品費 8,500 /(貸)現金 29,500
※小口現金勘定は登場しません。
23水道光熱費 34,600円が普通預金口座から引き落とされた。
解答
(借)水道光熱費 34,600 /(貸)普通預金 34,600
24得意先から売掛金 480,000円が当座預金口座に振り込まれた。
解答
(借)当座預金 480,000 /(貸)売掛金 480,000
25★ 期限到来後の社債利札 8,000円を保有していることが判明した。
解答
(借)現金 8,000 /(貸)有価証券利息 8,000
※3級では「受取利息」で処理する指示が出ることもあります。指定された勘定科目に従ってください。
Part 2 商品売買・債権債務(No.26〜55)目標 26問以上
26商品@1,400円を250個仕入れ、代金は掛けとした。
解答
(借)仕入 350,000 /(貸)買掛金 350,000
27上記26のうち15個を品違いのため返品した。
解答
(借)買掛金 21,000 /(貸)仕入 21,000
28★ 商品 600,000円を仕入れ掛けとした。引取運賃 15,000円(当社負担)を現金で支払った。
解答
(借)仕入 615,000 /(貸)買掛金 600,000・現金 15,000
29★ 商品 400,000円を仕入れ掛けとした。仕入先負担の運賃 8,000円を現金で立替払いした。
解答
(借)仕入 400,000/(貸)買掛金 400,000
(借)立替金 8,000/(貸)現金 8,000
30商品 850,000円を売り上げ掛けとした。当社負担の発送費 18,000円を現金で支払った。
解答
(借)売掛金 850,000/(貸)売上 850,000
(借)発送費 18,000/(貸)現金 18,000
31売り上げた商品@2,200円のうち9個が返品された(掛け取引)。
解答
(借)売上 19,800 /(貸)売掛金 19,800
32商品を注文し、手付金 150,000円を小切手を振り出して支払った。
解答
(借)前払金 150,000 /(貸)当座預金 150,000
33★ 上記32の商品 720,000円を受け取り、残額は掛けとした。
解答
(借)仕入 720,000 /(貸)前払金 150,000・買掛金 570,000
34商品の注文を受け、手付金 90,000円を現金で受け取った。
解答
(借)現金 90,000 /(貸)前受金 90,000
35★ 上記34の商品 460,000円を引き渡し、残額は掛けとした。
解答
(借)前受金 90,000・売掛金 370,000 /(貸)売上 460,000
36★ 商品 320,000円をクレジット払いで販売した。手数料は代金の4%で販売時に計上する。
解答
(借)クレジット売掛金 307,200・支払手数料 12,800 /(貸)売上 320,000
37上記36の代金が普通預金口座に入金された。
解答
(借)普通預金 307,200 /(貸)クレジット売掛金 307,200
38買掛金 460,000円を普通預金口座から支払った。
解答
(借)買掛金 460,000 /(貸)普通預金 460,000
39取引先に現金 900,000円を貸し付け、借用証書を受け取った。
解答
(借)貸付金 900,000 /(貸)現金 900,000
40★ 上記39の貸付金を8か月後に回収し、利息(年利率3%)とともに普通預金で受け取った。
解答
(借)普通預金 918,000 /(貸)貸付金 900,000・受取利息 18,000
(900,000×3%×8/12=18,000)
41★ 銀行から 2,500,000円を借り入れ、利息(年利率1.6%・期間3か月)を差し引かれた残額が当座預金に入金された。
解答
(借)当座預金 2,490,000・支払利息 10,000 /(貸)借入金 2,500,000
(2,500,000×1.6%×3/12=10,000)
42★ 取引先から 800,000円を借り入れ、約束手形を振り出して現金を受け取った。
解答
(借)現金 800,000 /(貸)手形借入金 800,000
43★ 取引先に 1,200,000円を貸し付け、同額の約束手形を受け取り、小切手を振り出した。
解答
(借)手形貸付金 1,200,000 /(貸)当座預金 1,200,000
44★ 事務用パソコン 288,000円を購入し、代金は翌月末払いとした。
解答
(借)備品 288,000 /(貸)未払金 288,000
45上記44の代金を普通預金口座から支払った。
解答
(借)未払金 288,000 /(貸)普通預金 288,000
46従業員が負担すべき生命保険料 28,000円を現金で立替払いした。
解答
(借)従業員立替金 28,000 /(貸)現金 28,000
47★ 給料 1,280,000円の支払にあたり、源泉所得税 64,000円、社会保険料 172,000円、立替金 28,000円を差し引き、残額を普通預金から振り込んだ。
解答
(借)給料 1,280,000 /(貸)所得税預り金 64,000・社会保険料預り金 172,000・従業員立替金 28,000・普通預金 1,016,000
48源泉所得税 64,000円を現金で納付した。
解答
(借)所得税預り金 64,000 /(貸)現金 64,000
49★ 社会保険料 344,000円(従業員負担分 172,000円、会社負担分 172,000円)を普通預金から納付した。
解答
(借)社会保険料預り金 172,000・法定福利費 172,000 /(貸)普通預金 344,000
50出張する従業員に旅費の概算額 80,000円を現金で渡した。
解答
(借)仮払金 80,000 /(貸)現金 80,000
51★ 上記50の従業員が帰社し、旅費 92,400円の報告を受け、不足額を現金で支払った。
解答
(借)旅費交通費 92,400 /(貸)仮払金 80,000・現金 12,400
52内容不明の当座振込 420,000円があった。
解答
(借)当座預金 420,000 /(貸)仮受金 420,000
53★ 上記52は、売掛金の回収 350,000円と商品注文の手付金 70,000円であると判明した。
解答
(借)仮受金 420,000 /(貸)売掛金 350,000・前受金 70,000
54商品 58,000円を売り上げ、代金は共通商品券 60,000円で受け取り、釣銭を現金で支払った。
解答
(借)受取商品券 60,000 /(貸)売上 58,000・現金 2,000
55★ 店舗の賃借契約を結び、敷金 400,000円・仲介手数料 200,000円・当月分家賃 200,000円を普通預金から支払った。
解答
(借)差入保証金 400,000・支払手数料 200,000・支払家賃 200,000 /(貸)普通預金 800,000
Part 3 手形・電子記録債権・貸倒れ(No.56〜80)目標 22問以上
56商品 540,000円を売り上げ、代金は同店振出の約束手形で受け取った。
解答
(借)受取手形 540,000 /(貸)売上 540,000
57商品 460,000円を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。
解答
(借)仕入 460,000 /(貸)支払手形 460,000
58受取手形 540,000円が満期となり、当座預金口座に入金された。
解答
(借)当座預金 540,000 /(貸)受取手形 540,000
59支払手形 460,000円が満期となり、当座預金口座から引き落とされた。
解答
(借)支払手形 460,000 /(貸)当座預金 460,000
60売掛金 380,000円の回収として、得意先振出の約束手形を受け取った。
解答
(借)受取手形 380,000 /(貸)売掛金 380,000
61買掛金 290,000円の支払いのため、約束手形を振り出した。
解答
(借)買掛金 290,000 /(貸)支払手形 290,000
62★ 売掛金 750,000円について、取引銀行を通じて電子記録債権の発生記録を行った。
解答
(借)電子記録債権 750,000 /(貸)売掛金 750,000
63電子記録債権 750,000円が普通預金口座に入金された。
解答
(借)普通預金 750,000 /(貸)電子記録債権 750,000
64買掛金 520,000円について電子記録債務の発生記録が行われた。
解答
(借)買掛金 520,000 /(貸)電子記録債務 520,000
65電子記録債務 520,000円が当座預金口座から引き落とされた。
解答
(借)電子記録債務 520,000 /(貸)当座預金 520,000
66決算にあたり、売掛金 2,600,000円に対し2%の貸倒引当金を設定する(差額補充法・残高 18,000円)。
解答
(借)貸倒引当金繰入 34,000 /(貸)貸倒引当金 34,000
67★ 受取手形 850,000円・売掛金 1,750,000円に対し3%を設定する(差額補充法・残高 92,000円)。
解答
設定額 78,000 < 残高 92,000
(借)貸倒引当金 14,000 /(貸)貸倒引当金戻入 14,000
68前期に発生した売掛金 85,000円が貸し倒れた(引当金残高 200,000円)。
解答
(借)貸倒引当金 85,000 /(貸)売掛金 85,000
69★ 前期に発生した受取手形 240,000円が貸し倒れた(引当金残高 150,000円)。
解答
(借)貸倒引当金 150,000・貸倒損失 90,000 /(貸)受取手形 240,000
70★ 当期に発生した売掛金 62,000円が貸し倒れた(引当金残高 180,000円)。
解答
(借)貸倒損失 62,000 /(貸)売掛金 62,000
※当期発生分に引当金は使えません。
71前期に貸倒処理した売掛金 45,000円を現金で回収した。
解答
(借)現金 45,000 /(貸)償却債権取立益 45,000
72★ 当期に貸倒処理した売掛金 30,000円(貸倒損失で処理済み)を当期中に現金で回収した。
解答
(借)現金 30,000 /(貸)貸倒損失 30,000
73電子記録債権 300,000円が貸し倒れた(前期発生・引当金残高 500,000円)。
解答
(借)貸倒引当金 300,000 /(貸)電子記録債権 300,000
74受取手形 620,000円が満期となり、取立手数料 660円が差し引かれて当座預金に入金された。
解答
(借)当座預金 619,340・支払手数料 660 /(貸)受取手形 620,000
75手形貸付金 1,200,000円が満期となり、利息 24,000円とともに当座預金に入金された。
解答
(借)当座預金 1,224,000 /(貸)手形貸付金 1,200,000・受取利息 24,000
76手形借入金 800,000円を利息 9,600円とともに普通預金から返済した。
解答
(借)手形借入金 800,000・支払利息 9,600 /(貸)普通預金 809,600
77借入金 1,500,000円を利息 18,750円とともに当座預金から返済した。
解答
(借)借入金 1,500,000・支払利息 18,750 /(貸)当座預金 1,518,750
78売掛金 200,000円が貸し倒れた。引当金残高はゼロである(前期発生分)。
解答
(借)貸倒損失 200,000 /(貸)売掛金 200,000
79★ 決算にあたり、売掛金 1,900,000円(うち当期中に回収済みだが未記帳の 100,000円を含む)に対し2%の貸倒引当金を設定する(残高 15,000円)。
解答
(借)当座預金など 100,000/(貸)売掛金 100,000
設定額=1,800,000×2%=36,000。36,000-15,000=21,000
(借)貸倒引当金繰入 21,000/(貸)貸倒引当金 21,000
80受取手形記入帳の「てん末」欄に「当座入金」と記入があるとき、必要な仕訳は(金額 350,000円)。
解答
(借)当座預金 350,000 /(貸)受取手形 350,000
Part 4 固定資産・資本・税金(No.81〜110)目標 26問以上
81備品 620,000円を購入し、据付費 30,000円とともに小切手を振り出して支払った。
解答
(借)備品 650,000 /(貸)当座預金 650,000
82★ 土地 9,000,000円を購入し、仲介手数料 270,000円・整地費用 180,000円とともに翌月末払いとした。
解答
(借)土地 9,450,000 /(貸)未払金 9,450,000
83建物(取得原価 24,000,000円、耐用年数40年、残存ゼロ、定額法・間接法)の当期分(通年)を計上する。
解答
(借)減価償却費 600,000 /(貸)建物減価償却累計額 600,000
84★ 当期の10月1日に取得した備品 840,000円(耐用年数7年、残存ゼロ)の当期分を計上する(決算日3月31日)。
解答
840,000÷7=120,000、×6/12=60,000
(借)減価償却費 60,000/(貸)備品減価償却累計額 60,000
85★ 車両(取得原価 3,000,000円、耐用年数6年、残存価額は取得原価の10%)の当期分(通年)を計上する。
解答
(3,000,000-300,000)÷6=450,000
(借)減価償却費 450,000/(貸)車両減価償却累計額 450,000
86期首に備品(取得原価 750,000円、累計額 500,000円)を 180,000円で売却し、現金を受け取った。
解答
(借)備品減価償却累計額 500,000・現金 180,000・固定資産売却損 70,000 /(貸)備品 750,000
87期首に車両運搬具(取得原価 2,400,000円、累計額 1,800,000円)を 700,000円で売却し、代金は月末受取りとした。
解答
(借)車両減価償却累計額 1,800,000・未収入金 700,000 /(貸)車両運搬具 2,400,000・固定資産売却益 100,000
88★ ×7年8月31日、備品(取得原価 1,440,000円、耐用年数6年、残存ゼロ、期首累計額 720,000円)を 600,000円で売却し現金を受け取った。会計期間4/1〜3/31。
解答
当期償却費=240,000×5/12=100,000
(借)備品減価償却累計額 720,000・減価償却費 100,000・現金 600,000・固定資産売却損 20,000 /(貸)備品 1,440,000
※売却時の帳簿価額=1,440,000-720,000-100,000=620,000。620,000-600,000=売却損20,000
89建物の外壁塗装(原状回復)420,000円を小切手で支払った。
解答
(借)修繕費 420,000 /(貸)当座預金 420,000
90★ 建物の改修 3,600,000円のうち 2,500,000円は使用可能期間を延長する支出である。代金は普通預金から支払った。
解答
(借)建物 2,500,000・修繕費 1,100,000 /(貸)普通預金 3,600,000
91設立にあたり株式 400株を1株 9,000円で発行し、払込金は当座預金とした。
解答
(借)当座預金 3,600,000 /(貸)資本金 3,600,000
92増資のため株式 250株を1株 14,000円で発行し、払込金は普通預金とした。
解答
(借)普通預金 3,500,000 /(貸)資本金 3,500,000
93★ 株主総会で配当金 1,500,000円と利益準備金 150,000円の積立てが決議された。
解答
(借)繰越利益剰余金 1,650,000 /(貸)未払配当金 1,500,000・利益準備金 150,000
94上記93の配当金を当座預金から支払った。
解答
(借)未払配当金 1,500,000 /(貸)当座預金 1,500,000
95決算で当期純利益 1,940,000円が確定した(資本振替)。
解答
(借)損益 1,940,000 /(貸)繰越利益剰余金 1,940,000
96決算で当期純損失 380,000円が確定した(資本振替)。
解答
(借)繰越利益剰余金 380,000 /(貸)損益 380,000
97★ 収入印紙 45,000円と郵便切手 18,000円を現金で購入した。
解答
(借)租税公課 45,000・通信費 18,000 /(貸)現金 63,000
98固定資産税の第1期分 120,000円を普通預金から納付した。
解答
(借)租税公課 120,000 /(貸)普通預金 120,000
99法人税等の中間申告として 520,000円を現金で納付した。
解答
(借)仮払法人税等 520,000 /(貸)現金 520,000
100★ 決算で法人税等の年税額が 1,180,000円と確定した(仮払法人税等 520,000円)。
解答
(借)法人税、住民税及び事業税 1,180,000 /(貸)仮払法人税等 520,000・未払法人税等 660,000
101上記100の未払分を確定申告により当座預金から納付した。
解答
(借)未払法人税等 660,000 /(貸)当座預金 660,000
102★ 商品 990,000円(税込・消費税率10%)を仕入れ、代金は掛けとした(税抜方式)。
解答
(借)仕入 900,000・仮払消費税 90,000 /(貸)買掛金 990,000
103★ 商品を税抜 1,340,000円で売り上げ、消費税10%とともに掛けとした。
解答
(借)売掛金 1,474,000 /(貸)売上 1,340,000・仮受消費税 134,000
104決算で仮払消費税 780,000円、仮受消費税 1,230,000円を精算した。
解答
(借)仮受消費税 1,230,000 /(貸)仮払消費税 780,000・未払消費税 450,000
105上記104の未払消費税を普通預金から納付した。
解答
(借)未払消費税 450,000 /(貸)普通預金 450,000
106★ 決算にあたり、未使用の収入印紙 22,000円と郵便切手 7,500円がある。
解答
(借)貯蔵品 29,500 /(貸)租税公課 22,000・通信費 7,500
107上記106の翌期首の再振替仕訳。
解答
(借)租税公課 22,000・通信費 7,500 /(貸)貯蔵品 29,500
108★ 仮払金 360,000円は、当期12月1日に購入した備品の代金であると判明した。
解答
(借)備品 360,000 /(貸)仮払金 360,000
109上記108の備品(耐用年数5年、残存ゼロ)の当期の減価償却費を計上する(決算日3月31日)。
解答
360,000÷5=72,000、×4/12=24,000
(借)減価償却費 24,000/(貸)備品減価償却累計額 24,000
110土地(帳簿価額 5,000,000円)を 5,800,000円で売却し、代金は普通預金に入金された。
解答
(借)普通預金 5,800,000 /(貸)土地 5,000,000・固定資産売却益 800,000
Part 5 決算整理(No.111〜135)目標 21問以上
111期首商品 520,000円、期末商品 610,000円。売上原価を仕入勘定で算定する。
解答
(借)仕入 520,000/(貸)繰越商品 520,000
(借)繰越商品 610,000/(貸)仕入 610,000
112★ 上記111を売上原価勘定で算定する場合(当期仕入高 4,800,000円)。
解答
(借)売上原価 520,000/(貸)繰越商品 520,000
(借)売上原価 4,800,000/(貸)仕入 4,800,000
(借)繰越商品 610,000/(貸)売上原価 610,000
113★ 当期の9月1日に支払った1年分の保険料 336,000円のうち、前払分を繰り延べる(決算日3月31日)。
解答
来期分5か月=140,000
(借)前払保険料 140,000/(貸)保険料 140,000
114上記113の翌期首の再振替仕訳。
解答
(借)保険料 140,000/(貸)前払保険料 140,000
115家賃 月額 145,000円のうち3月分が未払いである。
解答
(借)支払家賃 145,000/(貸)未払家賃 145,000
116★ 当期12月1日に受け取った向こう6か月分の受取地代 480,000円のうち、前受分を繰り延べる(決算日3月31日)。
解答
来期分2か月=160,000
(借)受取地代 160,000/(貸)前受地代 160,000
117★ 貸付金 1,800,000円(年利率2.5%)の利息は毎年7月末に1年分後受け。当期末(3月31日)に必要な仕訳。
解答
未収期間8か月=1,800,000×2.5%×8/12=30,000
(借)未収利息 30,000/(貸)受取利息 30,000
118★ 借入金 3,600,000円(年利率2%)は当期11月1日に借り入れ、利息は返済時払い。当期末(3月31日)に必要な仕訳。
解答
5か月分=3,600,000×2%×5/12=30,000
(借)支払利息 30,000/(貸)未払利息 30,000
119水道光熱費の未払分 28,500円を計上する。
解答
(借)水道光熱費 28,500/(貸)未払水道光熱費 28,500
120給料の未払分 210,000円を計上する。
解答
(借)給料 210,000/(貸)未払給料 210,000
121広告宣伝費 480,000円のうち 120,000円は翌期分である。
解答
(借)前払広告宣伝費 120,000/(貸)広告宣伝費 120,000
122受取手数料 300,000円のうち 75,000円は翌期分である。
解答
(借)受取手数料 75,000/(貸)前受手数料 75,000
123決算にあたり、当座預金勘定の貸方残高 240,000円を借入金勘定へ振り替えた。
解答
(借)当座預金 240,000/(貸)借入金 240,000
124★ 現金過不足の借方残高 22,000円のうち、16,500円は旅費交通費の記帳漏れ、残額は原因不明。
解答
(借)旅費交通費 16,500・雑損 5,500/(貸)現金過不足 22,000
125★ 現金過不足の貸方残高 13,000円のうち、10,000円は受取手数料の記帳漏れ、残額は原因不明。
解答
(借)現金過不足 13,000/(貸)受取手数料 10,000・雑益 3,000
126売上 6,800,000円と受取手数料 240,000円を損益勘定へ振り替える。
解答
(借)売上 6,800,000・受取手数料 240,000/(貸)損益 7,040,000
127仕入 4,100,000円・給料 1,300,000円・減価償却費 280,000円を損益勘定へ振り替える。
解答
(借)損益 5,680,000/(貸)仕入 4,100,000・給料 1,300,000・減価償却費 280,000
128★ 仮受金 260,000円の全額が売掛金の回収と判明した(決算時)。
解答
(借)仮受金 260,000/(貸)売掛金 260,000
129★ 決算にあたり、当期に取得した備品の購入代金 480,000円が仮払金として処理されたままであった(当期10月1日取得・耐用年数8年・決算日3月31日)。必要な仕訳をすべて示しなさい。
解答
(借)備品 480,000/(貸)仮払金 480,000
480,000÷8=60,000、×6/12=30,000
(借)減価償却費 30,000/(貸)備品減価償却累計額 30,000
130法人税、住民税及び事業税 720,000円を計上する(仮払法人税等 300,000円)。
解答
(借)法人税、住民税及び事業税 720,000/(貸)仮払法人税等 300,000・未払法人税等 420,000
131★ 税引前当期純利益 2,800,000円、法人税等は30%、仮払法人税等 400,000円。決算整理仕訳を示しなさい。
解答
法人税等=840,000
(借)法人税、住民税及び事業税 840,000/(貸)仮払法人税等 400,000・未払法人税等 440,000
132前期末に計上した未払利息 24,000円について、当期首の再振替仕訳を示しなさい。
解答
(借)未払利息 24,000/(貸)支払利息 24,000
133前期末に計上した未収家賃 90,000円について、当期首の再振替仕訳を示しなさい。
解答
(借)受取家賃 90,000/(貸)未収家賃 90,000
134前期末に計上した前受地代 150,000円について、当期首の再振替仕訳を示しなさい。
解答
(借)前受地代 150,000/(貸)受取地代 150,000
135決算にあたり、備品(取得原価 1,800,000円、耐用年数6年、残存ゼロ)と建物(取得原価 30,000,000円、耐用年数50年、残存ゼロ)の減価償却を行う(いずれも通年・間接法)。
解答
備品 300,000、建物 600,000
(借)減価償却費 900,000/(貸)備品減価償却累計額 300,000・建物減価償却累計額 600,000
Part 6 総合・ひっかけ(No.136〜150)目標 12問以上
136★ 商品 780,000円を売り上げ、代金のうち 250,000円は注文時に受け取っていた手付金と相殺し、200,000円は同店振出の小切手で受け取り、残額は掛けとした。
解答
(借)前受金 250,000・現金 200,000・売掛金 330,000 /(貸)売上 780,000
137★ 商品 950,000円を仕入れ、代金のうち 300,000円は約束手形を振り出し、200,000円は前払金と相殺し、残額は掛けとした。引取運賃 21,000円(当社負担)は現金で支払った。
解答
(借)仕入 971,000 /(貸)支払手形 300,000・前払金 200,000・買掛金 450,000・現金 21,000
138★ 仕入 640,000円(掛け)を、誤って 460,000円で記帳していた。訂正仕訳を示しなさい。
解答
(借)仕入 180,000 /(貸)買掛金 180,000
139★ 備品の購入代金の未払 350,000円を、誤って買掛金として記帳していた。訂正仕訳を示しなさい。
解答
(借)買掛金 350,000 /(貸)未払金 350,000
140★ 売掛金の現金回収 220,000円を、誤って貸方「売上」として記帳していた。訂正仕訳を示しなさい。
解答
(借)売上 220,000 /(貸)売掛金 220,000
141★ 掛けで仕入れた商品 380,000円の仕訳を二重に記帳していた。訂正仕訳を示しなさい。
解答
(借)買掛金 380,000 /(貸)仕入 380,000
142★ 従業員が出張から戻り、旅費 68,000円の報告と、得意先から回収した売掛金 350,000円の現金を受け取った。旅費の概算払額は 80,000円で、残額は現金で返金された。
解答
(借)旅費交通費 68,000・現金 362,000 /(貸)仮払金 80,000・売掛金 350,000
(現金の増加=12,000+350,000=362,000)
143★ 建物 15,000,000円と土地 8,000,000円を一括で購入し、仲介手数料 690,000円とともに小切手を振り出した。手数料は購入価額の比で按分する。
解答
按分比 15:8。手数料 690,000×15/23=450,000(建物)、×8/23=240,000(土地)
(借)建物 15,450,000・土地 8,240,000 /(貸)当座預金 23,690,000
144★ 決算にあたり、金庫に未使用の収入印紙 16,000円と、他人振出の小切手 90,000円(未記帳)があった。必要な仕訳を示しなさい。
解答
(借)貯蔵品 16,000/(貸)租税公課 16,000
(借)現金 90,000/(貸)売掛金など 90,000
※小切手の受取原因は問題文の指示に従います。
145★ 当期首に、前期末に計上した前払保険料 96,000円と未払家賃 130,000円について再振替仕訳を行う。
解答
(借)保険料 96,000/(貸)前払保険料 96,000
(借)未払家賃 130,000/(貸)支払家賃 130,000
146★ 商品 660,000円(税込・消費税率10%)を売り上げ、代金は現金で受け取った(税抜方式)。
解答
(借)現金 660,000 /(貸)売上 600,000・仮受消費税 60,000
147★ 事務所の家賃 240,000円を支払う際、源泉徴収なしで普通預金から振り込んだ。振込手数料 440円は当社負担である。
解答
(借)支払家賃 240,000・支払手数料 440 /(貸)普通預金 240,440
148★ 得意先が倒産し、売掛金 180,000円(うち当期発生分 70,000円、前期発生分 110,000円)が回収不能となった。貸倒引当金の残高は 90,000円である。
解答
(借)貸倒引当金 90,000・貸倒損失 90,000 /(貸)売掛金 180,000
※前期発生分110,000のうち引当金90,000を充当し、不足20,000と当期発生分70,000の計90,000が貸倒損失。
149★ 決算にあたり、現金の実際有高 268,000円、帳簿残高 291,000円であった。差額のうち 18,000円は通信費の記帳漏れと判明したが、残額は原因不明である(現金過不足勘定は用いない)。
解答
(借)通信費 18,000・雑損 5,000 /(貸)現金 23,000
150★ 決算にあたり、売上原価を算定する。期首商品 430,000円、当期仕入高 5,600,000円、うち仕入戻し 80,000円、期末商品 495,000円。売上原価はいくらか。また仕入勘定で算定する仕訳を示しなさい。
解答
純仕入高=5,600,000-80,000=5,520,000
売上原価=430,000+5,520,000-495,000=5,455,000円
(借)仕入 430,000/(貸)繰越商品 430,000
(借)繰越商品 495,000/(貸)仕入 495,000

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直前対策 2

模擬試験(本試験形式・2回分)

全2回・各100点
注意

必ず60分を計って解いてください。解答を先に見ると、この教材の価値は半減します。
紙・電卓・タイマーを用意し、表30-3のタイムテーブル(第1問20分 → 第3問22分 → 第2問13分 → 見直し5分)どおりに進めます。
採点後は間違えた論点の章に必ず戻ってください。「なぜ間違えたか」を1行メモするだけで、同じミスが激減します。

合格ライン 70点/第1問45点(仕訳15題×3点)・第2問20点・第3問35点

模試1第1問(45点)― 仕訳15題

下記の各取引について仕訳しなさい。金額は各自計算すること。

模擬試験 第1回・第1問各3点/目標 12問以上
1商品 720,000円を仕入れ、代金のうち 200,000円は注文時に支払った手付金と相殺し、残額は掛けとした。なお、引取運賃 16,000円(当社負担)は現金で支払った。
解答
(借)仕入 736,000 /(貸)前払金 200,000・買掛金 520,000・現金 16,000
2商品 450,000円をクレジット払いの条件で販売した。信販会社への手数料(販売代金の3%)は販売時に計上する。
解答
(借)クレジット売掛金 436,500・支払手数料 13,500 /(貸)売上 450,000
3売掛金 620,000円について、取引銀行を通じて電子記録債権の発生記録を行った。
解答
(借)電子記録債権 620,000 /(貸)売掛金 620,000
4従業員に給料 1,560,000円を支給するにあたり、源泉所得税 78,000円と社会保険料の従業員負担分 214,000円を差し引き、残額を普通預金口座から振り込んだ。
解答
(借)給料 1,560,000 /(貸)所得税預り金 78,000・社会保険料預り金 214,000・普通預金 1,268,000
5社会保険料 428,000円(従業員負担分 214,000円、会社負担分 214,000円)を当座預金口座から納付した。
解答
(借)社会保険料預り金 214,000・法定福利費 214,000 /(貸)当座預金 428,000
6×8年10月31日、備品(取得原価 1,800,000円、耐用年数6年、残存価額ゼロ、定額法・間接法、期首の減価償却累計額 900,000円)を 700,000円で売却し、代金は月末に受け取ることとした。会計期間は4月1日〜3月31日。
解答
当期償却費=300,000×7/12=175,000
帳簿価額=1,800,000-900,000-175,000=725,000
(借)備品減価償却累計額 900,000・減価償却費 175,000・未収入金 700,000・固定資産売却損 25,000 /(貸)備品 1,800,000
7株主総会において、繰越利益剰余金を財源として株主配当金 2,100,000円を支払うこと、および利益準備金 210,000円を積み立てることが決議された。
解答
(借)繰越利益剰余金 2,310,000 /(貸)未払配当金 2,100,000・利益準備金 210,000
8法人税等の中間申告を行い、640,000円を普通預金口座から納付した。
解答
(借)仮払法人税等 640,000 /(貸)普通預金 640,000
9商品 1,155,000円(税込・消費税率10%)を仕入れ、代金は掛けとした。消費税は税抜方式による。
解答
(借)仕入 1,050,000・仮払消費税 105,000 /(貸)買掛金 1,155,000
10前期に貸倒れとして処理していた売掛金 130,000円のうち 78,000円を現金で回収した。
解答
(借)現金 78,000 /(貸)償却債権取立益 78,000
11事務所の賃借にあたり、敷金 600,000円、仲介手数料 300,000円、当月分の家賃 300,000円を普通預金口座から支払った。
解答
(借)差入保証金 600,000・支払手数料 300,000・支払家賃 300,000 /(貸)普通預金 1,200,000
12取引先に対する貸付金 2,400,000円が満期となり、利息(年利率2.5%、貸付期間10か月)とともに当座預金口座に入金された。
解答
利息=2,400,000×2.5%×10/12=50,000
(借)当座預金 2,450,000 /(貸)貸付金 2,400,000・受取利息 50,000
13建物の改修工事を行い、代金 4,200,000円を小切手を振り出して支払った。このうち 3,000,000円は建物の使用可能期間を延長させる支出であり、残額は原状回復のための支出である。
解答
(借)建物 3,000,000・修繕費 1,200,000 /(貸)当座預金 4,200,000
14売上 540,000円(掛け)を計上すべきところ、誤って 450,000円で記帳していたことが判明した。訂正仕訳を示しなさい。
解答
(借)売掛金 90,000 /(貸)売上 90,000
15出張していた従業員が帰社し、旅費 96,500円の報告を受けた。概算払額は 90,000円であり、不足額は現金で支払った。また、この従業員が得意先から回収した売掛金 480,000円の現金も同時に受け取った。
解答
(借)旅費交通費 96,500・現金 473,500 /(貸)仮払金 90,000・売掛金 480,000
(現金の増減=+480,000-6,500=+473,500)

模試1第2問(20点)

模試1・第2問(1)応用勘定記入/10点

ジェイ商事株式会社(会計期間:4月1日〜翌3月31日)は、土地の一部を賃借しており、地代は毎年6月1日に向こう1年分を現金で支払っている。当期の年額は 600,000円、前期の年額は 540,000円であった。次の勘定の(ア)〜(オ)に入る語句または金額を答えなさい。

支払地代
4/1 ( ア ) (イ)3/31 前払地代 (ウ)
6/1 現  金 600,0003/31 損  益 (エ)
前払地代
4/1 前期繰越 (  )4/1 支払地代 (  )
3/31 支払地代 (  )3/31 次期繰越 (オ)
解答・解説を見る

ア = 前払地代 イ = 90,000 ウ = 100,000 エ = 590,000 オ = 100,000

期間もとになる支払月数金額
4月〜5月前期6/1支払分(年額540,000)2か月90,000
6月〜3月当期6/1支払分(年額600,000)10か月500,000
当期のP/L計上額(支払地代)12か月590,000
翌期4月〜5月分(前払地代としてB/Sへ)当期6/1支払分2か月100,000

解説:イ(期首の再振替)= 540,000 × 2/12 = 90,000。ウ・オ(期末の繰延べ)= 600,000 × 2/12 = 100,000
エ(損益振替)= 90,000 + 600,000 - 100,000 = 590,000
ポイント:前期と当期で年額が違うので、P/L計上額は600,000にはなりません。期間ごとに単価を分けて積み上げます。

模試1・第2問(2)標準補助簿の選択/10点

次の取引について、記入される補助簿を下記からすべて選び、記号で答えなさい。
ア.現金出納帳 イ.当座預金出納帳 ウ.仕入帳 エ.売上帳 オ.商品有高帳 カ.売掛金元帳 キ.買掛金元帳 ク.受取手形記入帳 ケ.支払手形記入帳 コ.固定資産台帳

(1) 商品 560,000円を仕入れ、代金のうち 200,000円は約束手形を振り出し、残額は掛けとした。
(2) 商品 890,000円を売り上げ、代金は得意先振出の小切手で受け取り、ただちに当座預金口座に預け入れた。
(3) 掛けで仕入れた商品のうち 42,000円を品違いのため返品した。
(4) 営業用車両 2,600,000円を購入し、代金は翌月末払いとした。
(5) 得意先から売掛金 350,000円について約束手形を受け取った。

解答・解説を見る
No仕訳補助簿
(1)(借)仕入 560,000/(貸)支払手形 200,000・買掛金 360,000ウ・オ・キ・ケ
(2)(借)当座預金 890,000/(貸)売上 890,000イ・エ・オ
(3)(借)買掛金 42,000/(貸)仕入 42,000ウ・オ・キ
(4)(借)車両運搬具 2,600,000/(貸)未払金 2,600,000
(5)(借)受取手形 350,000/(貸)売掛金 350,000カ・ク

ポイント:(2)は「ただちに当座預金に預け入れた」ので現金出納帳は不要。(3)の返品も商品有高帳に記入されます。(4)は未払金なので固定資産台帳のみ。

模試1第3問(35点)― 精算表の作成

模試1・第3問応用精算表/35点・目標22分

次の決算整理前残高試算表と決算整理事項等にもとづき、精算表を完成させなさい。会計期間は×8年4月1日〜×9年3月31日である。

【決算整理前残高試算表(単位:円)】

借方勘定科目貸方
456,000現  金
4,824,000当座預金
900,000受取手形
1,650,000売 掛 金
540,000繰越商品
180,000仮 払 金
9,000,000建  物
1,200,000備  品
支払手形780,000
買 掛 金1,320,000
借 入 金2,400,000
貸倒引当金26,000
建物減価償却累計額2,700,000
備品減価償却累計額480,000
資 本 金8,000,000
繰越利益剰余金1,864,000
売  上11,020,000
受取手数料180,000
6,480,000仕  入
2,100,000給  料
900,000支払家賃
240,000保 険 料
156,000通 信 費
108,000租税公課
36,000支払利息
28,770,000合 計28,770,000

【決算整理事項等】

  1. 仮払金 180,000円は、当期の11月1日に購入した備品(耐用年数5年)の代金であることが判明した。
  2. 受取手形および売掛金の期末残高に対し2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
  3. 期末商品棚卸高は 585,000円である。売上原価は「仕入」の行で算定する。
  4. 減価償却を次のとおり行う(定額法・間接法・残存価額ゼロ)。建物:耐用年数30年/備品(従来分):耐用年数6年/上記1の備品:月割計算。
  5. 保険料 240,000円は当期の8月1日に向こう1年分を支払ったものである。
  6. 支払家賃のうち 75,000円は翌期分である。
  7. 借入金の利息のうち 12,000円が未払いである。
  8. 未使用の収入印紙 18,000円がある(購入時に租税公課で処理済み)。
  9. 法人税、住民税及び事業税として 360,000円を計上する。
解答・解説を見る

【決算整理仕訳】

No借方科目金額貸方科目金額
1備  品180,000仮 払 金180,000
2貸倒引当金繰入25,000貸倒引当金25,000
3仕  入540,000繰越商品540,000
繰越商品585,000仕  入585,000
4減価償却費515,000建物減価償却累計額300,000
備品減価償却累計額215,000
5前払保険料80,000保 険 料80,000
6前払家賃75,000支払家賃75,000
7支払利息12,000未払利息12,000
8貯 蔵 品18,000租税公課18,000
9法人税、住民税及び事業税360,000未払法人税等360,000

計算根拠
2. (900,000+1,650,000)× 2% = 51,000。51,000 - 26,000 = 25,000
4. 建物 9,000,000 ÷ 30 = 300,000/備品(従来)1,200,000 ÷ 6 = 200,000/備品(新)180,000 ÷ 5 = 36,000 × 5/12(11月〜3月)= 15,000。減価償却費計 515,000、備品累計額の増加 215,000
5. 240,000 ÷ 12 = 20,000/月。来期分は4月〜7月の4か月80,000

【精算表(完成)】 単位:円

勘定科目残高試算表修正記入損益計算書貸借対照表
借方貸方借方貸方借方貸方借方貸方
現 金456,000456,000
当座預金4,824,0004,824,000
受取手形900,000900,000
売掛金1,650,0001,650,000
繰越商品540,000585,000540,000585,000
仮払金180,000180,000
建 物9,000,0009,000,000
備 品1,200,000180,0001,380,000
支払手形780,000780,000
買掛金1,320,0001,320,000
借入金2,400,0002,400,000
貸倒引当金26,00025,00051,000
建物減価償却累計額2,700,000300,0003,000,000
備品減価償却累計額480,000215,000695,000
資本金8,000,0008,000,000
繰越利益剰余金1,864,0001,864,000
売 上11,020,00011,020,000
受取手数料180,000180,000
仕 入6,480,000540,000585,0006,435,000
給 料2,100,0002,100,000
支払家賃900,00075,000825,000
保険料240,00080,000160,000
通信費156,000156,000
租税公課108,00018,00090,000
支払利息36,00012,00048,000
小 計28,770,00028,770,000
貸倒引当金繰入25,00025,000
減価償却費515,000515,000
前払保険料80,00080,000
前払家賃75,00075,000
未払利息12,00012,000
貯蔵品18,00018,000
法人税、住民税及び事業税360,000360,000
未払法人税等360,000360,000
当期純利益486,000486,000
合 計28,770,00028,770,0002,390,0002,390,00011,200,00011,200,00018,968,00018,968,000

自己採点の目安(配点例・全35点)
・修正記入欄の各項目 各1点(12か所)=12点
・P/L欄・B/S欄の主要科目 各1〜2点(20か所前後)=20点
・当期純利益 3点
25点以上取れていれば、本番でも第3問は合格ラインです。取れなかった項目は、対応する章(第17〜22章)へ戻って例題をもう一度解いてください。


模試2第1問(45点)― 仕訳15題

下記の各取引について仕訳しなさい。金額は各自計算すること。

模擬試験 第2回・第1問各3点/目標 12問以上
1商品 940,000円を売り上げ、代金のうち 300,000円は同店振出の約束手形で受け取り、200,000円は当店がかつて振り出した小切手で受け取り、残額は掛けとした。
解答
(借)受取手形 300,000・当座預金 200,000・売掛金 440,000 /(貸)売上 940,000
2買掛金 680,000円について、取引銀行を通じて電子記録債務の発生記録が行われた。
解答
(借)買掛金 680,000 /(貸)電子記録債務 680,000
3土地 12,000,000円と建物 8,000,000円を一括して購入し、仲介手数料 1,000,000円とともに小切手を振り出して支払った。仲介手数料は購入価額の比により按分する。
解答
按分比 12:8。手数料 600,000(土地)/400,000(建物)
(借)土地 12,600,000・建物 8,400,000 /(貸)当座預金 21,000,000
4得意先が倒産し、売掛金 260,000円(うち前期発生分 190,000円、当期発生分 70,000円)が回収不能となった。貸倒引当金の残高は 150,000円である。
解答
(借)貸倒引当金 150,000・貸倒損失 110,000 /(貸)売掛金 260,000
(前期分190,000のうち引当金150,000を充当、不足40,000+当期分70,000=110,000が貸倒損失)
5定額資金前渡制度を採用しており、小口現金係から旅費交通費 26,800円、通信費 11,400円、消耗品費 7,300円、雑費 3,500円の支払報告を受け、ただちに同額の小切手を振り出して補給した(報告と補給は同時に行われた)。
解答
(借)旅費交通費 26,800・通信費 11,400・消耗品費 7,300・雑費 3,500 /(貸)当座預金 49,000
6増資のため株式 350株を1株につき 16,000円で発行し、払込金は普通預金口座に払い込まれた。
解答
(借)普通預金 5,600,000 /(貸)資本金 5,600,000
7決算にあたり、当座預金勘定が 285,000円の貸方残高となっていたため、適切な勘定に振り替える(当座借越勘定を用いる)。
解答
(借)当座預金 285,000 /(貸)当座借越 285,000
8仮受金 540,000円の内訳を調べたところ、得意先からの売掛金の回収 420,000円と、商品注文時の手付金 120,000円であることが判明した。
解答
(借)仮受金 540,000 /(貸)売掛金 420,000・前受金 120,000
9銀行から 4,000,000円を借り入れ、約束手形を振り出した。利息(年利率1.5%、期間6か月)は借入時に差し引かれ、残額が当座預金口座に入金された。
解答
利息=4,000,000×1.5%×6/12=30,000
(借)当座預金 3,970,000・支払利息 30,000 /(貸)手形借入金 4,000,000
10商品 1,320,000円(税込・消費税率10%)を売り上げ、代金は掛けとした。消費税は税抜方式による。
解答
(借)売掛金 1,320,000 /(貸)売上 1,200,000・仮受消費税 120,000
11決算にあたり、仮払消費税 936,000円と仮受消費税 1,428,000円を相殺し、納付額を確定した。
解答
(借)仮受消費税 1,428,000 /(貸)仮払消費税 936,000・未払消費税 492,000
12従業員が使用する事務用品 84,000円を購入し、代金は月末払いとした。
解答
(借)消耗品費 84,000 /(貸)未払金 84,000
13備品の購入代金の未払額 460,000円を、誤って買掛金として記帳していたことが判明した。訂正仕訳を示しなさい。
解答
(借)買掛金 460,000 /(貸)未払金 460,000
14保有する株式について配当金領収証 54,000円を受け取り、あわせて期限の到来した社債利札 12,000円を保有していることが判明した(利札は受取利息で処理する)。
解答
(借)現金 66,000 /(貸)受取配当金 54,000・受取利息 12,000
15×9年1月31日、車両運搬具(取得原価 3,600,000円、耐用年数6年、残存価額ゼロ、定額法・間接法、期首の減価償却累計額 1,800,000円)を 1,100,000円で売却し、代金は現金で受け取った。会計期間は4月1日〜3月31日。
解答
当期償却費=600,000×10/12=500,000
帳簿価額=3,600,000-1,800,000-500,000=1,300,000
(借)車両減価償却累計額 1,800,000・減価償却費 500,000・現金 1,100,000・固定資産売却損 200,000 /(貸)車両運搬具 3,600,000

模試2第2問(20点)

模試2・第2問(1)応用商品有高帳/10点

次の資料により、先入先出法によって商品有高帳を記入した場合の、①10月の払出高合計(売上原価)、②10月末の残高、③10月の売上総利益を求めなさい。

日付摘要数量単価
10/1前月繰越150個@600
10/5仕入250個@680
10/12売上320個売価@980
10/19仕入200個@720
10/25売上180個売価@1,020
解答・解説を見る
日付払出の内訳(原価)払出金額残高
10/1@600×150 = 90,000
10/5@600×150 + @680×250 = 260,000
10/12@600×150 = 90,000
@680×170 = 115,600
205,600@680×80 = 54,400
10/19@680×80 + @720×200 = 198,400
10/25@680×80 = 54,400
@720×100 = 72,000
126,400@720×100 = 72,000
合計332,00072,000

払出高合計 332,000円 ② 月末残高 72,000円(@720×100個) ③ 売上総利益 165,200円

解説:
③ 売上高 = @980×320 + @1,020×180 = 313,600 + 183,600 = 497,200
 売上総利益 = 497,200 - 332,000 = 165,200
検算:受入合計 = 90,000 + 170,000(@680×250)+ 144,000(@720×200)= 404,000。404,000 - 332,000 = 72,000。残高と一致します。

模試2・第2問(2)標準仕訳日計表/10点

×9年2月14日に起票された次の伝票にもとづき、仕訳日計表を作成し、①現金勘定の借方合計、②現金勘定の貸方合計、③売掛金勘定の借方合計、④仕訳日計表の合計額を求めなさい。

入金伝票出金伝票振替伝票
売掛金340,000買掛金480,000(借)仕入(貸)買掛金760,000
売上120,000給料260,000(借)売掛金(貸)売上1,050,000
受取手数料45,000通信費18,000(借)買掛金(貸)支払手形400,000
解答・解説を見る
借方勘定科目貸方
505,000現  金758,000
1,050,000売 掛 金340,000
880,000買 掛 金760,000
支払手形400,000
売  上1,170,000
受取手数料45,000
760,000仕  入
260,000給  料
18,000通 信 費
3,473,000合 計3,473,000

505,000円 ② 758,000円 ③ 1,050,000円 ④ 3,473,000円

解説:入金伝票合計 340,000+120,000+45,000 = 505,000(現金の借方)。出金伝票合計 480,000+260,000+18,000 = 758,000(現金の貸方)。
買掛金:借方 480,000+400,000 = 880,000/貸方 760,000。売上:120,000+1,050,000 = 1,170,000。
借方合計と貸方合計の一致(3,473,000)を必ず確認してください。

模試2第3問(35点)― 決算整理後残高試算表の作成

模試2・第3問応用後T/B/35点・目標22分

札幌フーズ株式会社(会計期間:×8年4月1日〜×9年3月31日)の決算整理前残高試算表と決算整理事項等は次のとおりである。決算整理後残高試算表を作成し、あわせて当期純利益を求めなさい。

【決算整理前残高試算表(単位:円)】

借方勘定科目貸方
318,000現  金
3,762,000普通預金
2,400,000売 掛 金
705,000繰越商品
860,000仮払消費税
4,000,000建  物
2,400,000備  品
3,000,000車両運搬具
2,000,000土  地
買 掛 金1,680,000
借 入 金2,000,000
仮受消費税1,600,000
貸倒引当金30,000
建物減価償却累計額800,000
備品減価償却累計額600,000
車両減価償却累計額1,200,000
資 本 金7,000,000
繰越利益剰余金1,785,000
売  上16,000,000
受取手数料120,000
8,600,000仕  入
2,520,000給  料
384,000広告宣伝費
1,320,000支払家賃
216,000保 険 料
192,000通 信 費
138,000消耗品費
32,815,000合 計32,815,000

【決算整理事項等】

  1. 売掛金の期末残高に対し2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する。
  2. 期末商品棚卸高は 780,000円である。
  3. 減価償却を次のとおり行う(定額法・間接法・残存価額ゼロ・いずれも通年)。
     建物:耐用年数40年/備品:耐用年数8年/車両運搬具:耐用年数5年
  4. 保険料 216,000円は、当期の10月1日に向こう1年分を支払ったものである。
  5. 支払家賃の3月分 110,000円が未払いである。
  6. 借入金 2,000,000円は当期の7月1日に年利率2.4%で借り入れたもので、利息は返済時に支払う契約である。当期分の利息を月割で計上する。
  7. 消費税の処理を行う(税抜方式)。
  8. 法人税、住民税及び事業税として 530,000円を計上する。
解答・解説を見る

【決算整理仕訳】

No借方科目金額貸方科目金額
1貸倒引当金繰入18,000貸倒引当金18,000
2仕  入705,000繰越商品705,000
繰越商品780,000仕  入780,000
3減価償却費1,000,000建物減価償却累計額100,000
備品減価償却累計額300,000
車両減価償却累計額600,000
4前払保険料108,000保 険 料108,000
5支払家賃110,000未払家賃110,000
6支払利息36,000未払利息36,000
7仮受消費税1,600,000仮払消費税860,000
未払消費税740,000
8法人税、住民税及び事業税530,000未払法人税等530,000

計算根拠
1. 2,400,000 × 2% = 48,000。48,000 - 30,000 = 18,000
2. 売上原価 = 705,000 + 8,600,000 - 780,000 = 8,525,000
3. 建物 4,000,000÷40 = 100,000/備品 2,400,000÷8 = 300,000/車両 3,000,000÷5 = 600,000。計 1,000,000
4. 216,000 ÷ 12 = 18,000/月。来期分は4月〜9月の6か月108,000
6. 2,000,000 × 2.4% × 9/12(7月〜3月)= 36,000
7. 1,600,000 - 860,000 = 740,000

【決算整理後残高試算表】 ×9年3月31日 (単位:円)

借方勘定科目貸方
318,000現  金
3,762,000普通預金
2,400,000売 掛 金
780,000繰越商品
108,000前払保険料
4,000,000建  物
2,400,000備  品
3,000,000車両運搬具
2,000,000土  地
買 掛 金1,680,000
借 入 金2,000,000
未払家賃110,000
未払利息36,000
未払消費税740,000
未払法人税等530,000
貸倒引当金48,000
建物減価償却累計額900,000
備品減価償却累計額900,000
車両減価償却累計額1,800,000
資 本 金7,000,000
繰越利益剰余金1,785,000
売  上16,000,000
受取手数料120,000
8,525,000仕  入
2,520,000給  料
384,000広告宣伝費
1,430,000支払家賃
108,000保 険 料
192,000通 信 費
138,000消耗品費
18,000貸倒引当金繰入
1,000,000減価償却費
36,000支払利息
530,000法人税、住民税及び事業税
33,649,000合 計33,649,000

当期純利益 = 1,239,000円

当期純利益の求め方:
収益合計 = 16,000,000 + 120,000 = 16,120,000
費用合計 = 8,525,000+2,520,000+384,000+1,430,000+108,000+192,000+138,000+18,000+1,000,000+36,000+530,000 = 14,881,000
当期純利益 = 16,120,000 - 14,881,000 = 1,239,000
ここでの注意点
仮払消費税・仮受消費税は後T/Bに残りません(相殺されて未払消費税に置き換わる)。
繰越利益剰余金は1,785,000のまま。当期純利益を足すのはB/Sを作るときだけです。
前払保険料・未払家賃・未払利息は、後T/Bでは勘定科目名のまま(「前払費用」「未払費用」とはしない)。
④ 借方合計=貸方合計(33,649,000)を必ず確認。

得点戦略

模試の採点が終わったら、必ずこの3つをやってください。
① 間違えた問題の論点名を紙に書き出す(例:「期中取得の減価償却」「経過勘定の月数」)
② その論点の章に戻り、例題を1問だけ解き直す
③ 3日後にもう一度、その問題だけ解く
この3ステップが、直前期でいちばん点数が伸びる勉強法です。新しい問題を解くより、間違えた問題を潰すほうが効率は5倍です。

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直前対策 3

直前チェック50 ・ 勘定科目早見表 ・ 当日の動き方

総まとめ

試験前日の夜当日の朝に、この章だけを読んでください。新しいことは何も書いていません。すでに知っていることを取りこぼさないための章です。

A直前チェック50 ― ここを間違えなければ受かる

Ⅰ.仕訳の基本(1〜8)
  • 1. 借方=資産・費用、貸方=負債・純資産・収益。増えたら定位置、減ったら反対側
  • 2. 商品の後払いは買掛金・売掛金、それ以外は未払金・未収入金
  • 3. 他人振出の小切手は「現金」自己振出の小切手は「当座預金」
  • 4. 前払金・立替金・未収入金・受取商品券・差入保証金は資産
  • 5. 前受金・預り金・未払金・当座借越は負債
  • 6. 給料は差引前の総額で費用計上。差し引いた分は預り金(負債)
  • 7. 社会保険料の会社負担分は法定福利費(費用)
  • 8. 仕訳を書き終えたら借方合計=貸方合計を確認する
Ⅱ.商品売買(9〜15)
  • 9. 当社負担の仕入諸掛は仕入原価に含める(買掛金の金額は増やさない)
  • 10. 先方負担の仕入諸掛は立替金(仕入に含めない)
  • 11. 当社負担の売上諸掛は発送費(費用)。売上からは引かない
  • 12. 返品は元の単価×返品数量で計算する
  • 13. 手付金を受け取っても売上は計上しない(前受金)
  • 14. 商品引渡時、売上は手付金を含めた総額で計上
  • 15. 売上原価 = 期首商品 + 当期仕入高 - 期末商品(返品を引き忘れない)
Ⅲ.債権・貸倒れ(16〜22)
  • 16. クレジット売掛金は手数料を引いた金額、売上は総額
  • 17. 金銭の貸借に手形を使ったら手形貸付金・手形借入金(受取手形・支払手形ではない)
  • 18. 電子記録債権の発生記録は売掛金からの振替(売上を計上しない)
  • 19. 手形の裏書・割引は3級の範囲外
  • 20. 前期発生分の貸倒れ → まず貸倒引当金を取り崩す
  • 21. 当期発生分の貸倒れ → 全額が貸倒損失(引当金は使えない)
  • 22. 差額補充法の繰入額 = 設定額 - 整理前残高(設定額をそのまま繰り入れない)
Ⅳ.固定資産(23〜29)
  • 23. 取得原価 = 購入代価 + 付随費用(引取運賃・据付費・仲介手数料など)
  • 24. 土地は減価償却しない
  • 25. 期中取得・期中売却は月割(日割ではない)。月数は取得月(売却月)から決算月(期首月)までを両端入れで数える。式にするなら「決算月-取得月+1」で、決算月のほうが暦月番号で小さいときは決算月に12を足す(例:11月取得・3月決算 → (3+12)-11+1=5か月)
  • 26. 期中売却では当期分の減価償却費を必ず計上する
  • 27. 売却時の累計額は期首の金額をそのまま使う
  • 28. 帳簿価額 = 取得原価 - 減価償却累計額
  • 29. 価値を高める支出は資産、元に戻すだけなら修繕費
Ⅴ.決算整理(30〜40)
  • 30. 未処理事項を先に処理してから、貸倒引当金・減価償却・売上原価を計算する
  • 31. 「し・くり/くり・し」の1本目は期首、2本目は期末
  • 32. 前T/Bの繰越商品は期首の金額
  • 33. 経過勘定:前払・未収は資産、前受・未払は負債
  • 34. 繰り延べるのは「来期の分」。当期分を繰り延べない
  • 35. 経過勘定は翌期首に必ず再振替(減価償却・貸倒引当金は再振替しない)
  • 36. 現金過不足はB/Sに残さない(雑損・雑益へ)
  • 37. 当座預金の貸方残高は当座借越(または借入金)へ振り替える
  • 38. 未使用の収入印紙・郵便切手は貯蔵品(資産)へ
  • 39. 消費税はP/Lに一切現れない(仮受-仮払=未払消費税)
  • 40. 法人税等は最後に計上。未払法人税等 = 年税額 - 仮払法人税等
Ⅵ.財務諸表・精算表(41〜46)
  • 41. 繰越商品 → B/Sでは「商品」/仕入 → P/Lでは「売上原価」
  • 42. 前払保険料など → B/Sでは「前払費用」/未払家賃など → 「未払費用」
  • 43. B/Sの繰越利益剰余金 = 整理前の金額 + 当期純利益
  • 44. 貸倒引当金・減価償却累計額はB/Sで控除形式(△)、後T/Bでは貸方に独立
  • 45. 精算表の当期純利益はP/L欄の借方、B/S欄の貸方
  • 46. 修正記入欄で消えた科目(仮払金・仮受金など)はP/L欄もB/S欄も空欄
Ⅶ.本番の動き方(47〜50)
  • 47. 解く順番は第1問 → 第3問 → 第2問。第2問は最後
  • 48. 第1問は1題80秒。20秒でわからなければ飛ばす
  • 49. 開始直後にホームポジションの4象限を計算用紙に書く
  • 50. 第2問が0点でも合格できる。第1問36点+第3問20点で56点、残り14点を拾えばよい

B勘定科目ホームポジション早見表

分類ホーム3級で出る勘定科目
資産借方現金/小口現金/当座預金/普通預金/定期預金/受取手形/売掛金/クレジット売掛金/電子記録債権/繰越商品/貯蔵品/貸付金/手形貸付金/従業員貸付金/未収入金/前払金/立替金/従業員立替金/仮払金/仮払消費税/仮払法人税等/受取商品券/差入保証金/前払費用(前払家賃・前払保険料など)/未収収益(未収利息・未収家賃など)/建物/備品/車両運搬具/土地
負債貸方支払手形/買掛金/電子記録債務/借入金/手形借入金/当座借越/未払金/前受金/預り金(所得税預り金・社会保険料預り金)/仮受金/仮受消費税/未払消費税/未払法人税等/未払配当金/前受収益(前受地代・前受手数料など)/未払費用(未払家賃・未払利息など)
純資産貸方資本金/利益準備金/繰越利益剰余金
収益貸方売上/受取手数料/受取家賃/受取地代/受取利息/受取配当金/有価証券利息/償却債権取立益/貸倒引当金戻入/固定資産売却益/雑益(雑収入)
費用借方仕入(売上原価)/給料/法定福利費/福利厚生費/広告宣伝費/発送費/旅費交通費/通信費/水道光熱費/消耗品費/修繕費/支払家賃/支払地代/支払手数料/保険料/租税公課/雑費/支払利息/減価償却費/貸倒引当金繰入/貸倒損失/固定資産売却損/雑損/法人税、住民税及び事業税
評価勘定
(資産のマイナス)
貸方貸倒引当金/建物減価償却累計額/備品減価償却累計額/車両減価償却累計額
集合勘定損益(決算時のみ登場。収益・費用を集めて当期純損益を計算する)

表F-1 3級で使う勘定科目の全体像。試験当日の朝、この表だけ読み返してください。

C試験当日のタイムライン

タイミングやること
前日の夜直前チェック50を通読。新しい問題は解かない。持ち物(身分証・電卓・受験票/ログイン情報)を1か所にまとめる。睡眠を優先
当日の朝勘定科目早見表(表F-1)を5分で通読。仕訳トレーニングの★印だけを眺める。食べ過ぎない
会場到着30分前。トイレを済ませる。電卓の電池・動作を確認(0が正しく表示されるか
開始直後計算用紙にホームポジションの4象限を書く。第2問の論点を15秒で確認
試験中第1問20分 → 第3問22分 → 第2問13分 → 見直し5分。詰まったら飛ばす
残り5分空欄をなくす。当期純利益は差額でも書く。桁ズレの確認
終了後ネット試験なら即結果表示。合格ならデジタル合格証を保存。その勢いで2級の学習を始めるのが最も効率的

表F-2 当日のタイムライン

得点戦略

最後に、いちばん大事なことを1つだけ。
簿記3級は「わかっているのに書けない」で落ちる試験です。解説を読んで納得した瞬間に、脳は「できるようになった」と錯覚します。しかし本番で問われるのは手が動くかどうかだけ。
仕訳トレーニング150を3周してください。それが、この1ページで最も価値のある時間の使い方です。

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簿記の先にある「経営の数字」まで、伴走します。

日商簿記3級で身につく仕訳と決算の知識は、そのまま実務の土台になります。
創業・法人化・記帳体制の構築・月次決算・資金繰りまで、税理士・公認会計士が一気通貫でサポートします。
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【本ページについて】本ページの解説・例題・演習問題・図表はすべてジェイスタート会計事務所が独自に作成したオリジナルコンテンツです。過去問題その他の第三者の著作物の文面は使用していません。
【準拠する出題区分表】2022年度適用の商工会議所簿記検定試験出題区分表(2026年度試験に適用)。2027年度からの改定内容については第0章 0-8を参照してください。
【免責】試験日程・受験料・出題形式・合格率等は変更されることがあります。受験にあたっては必ず商工会議所の公式サイトで最新情報をご確認ください。本ページの内容は学習の便宜のために提供するものであり、合格を保証するものではありません。
【監修】税理士・公認会計士(ジェイスタート会計事務所) 【最終更新】2026年8月21日

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