日商原価計算初級 完全合格テキスト[2026年度版]

学習の進み 0 / 429 問
FREE TEXTBOOK 2026
日商原価計算初級 完全合格テキスト[2026年度版]

ネット試験40分・70点で合格、合格率は約85パーセント。原価の考え方から損益分岐点・製品別損益計算まで、全429問すべて書き下ろしの無料テキストで一本道に仕上げます。選択問題はタップした瞬間に採点、模擬試験は100点満点で自動集計。進み具合はこの端末に自動保存されます。

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429演習問題
2本番形式 模擬試験
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ネット試験(CBT)対応40分・100点満点70点以上で合格合格率 約85から90パーセント2027年度も範囲変更なし最終更新 2026年8月22日
このページの使い方 選択肢を押すとその場で正誤が分かり、計算問題は数字を入れて「採点する」を押すだけ。間違えた問題は「復習モード」で一気に絞り込めて、「つづきから」でいつでも前回の続きへ飛べます。模擬試験は解くたびに100点満点で自動集計され、合格ライン70点との差がひと目で分かります。記録はお使いのブラウザに保存されます。
姉妹ページ:日商簿記初級 完全合格テキスト/上位級は 日商簿記3級 完全合格テキスト日商簿記2級 完全合格テキスト(工業簿記・原価計算を含む)へ。いずれも無料です。
年代・立場別あなたに合った原価計算初級合格までの進め方

学習時間は目安です。大切なのは合計時間ではなく「小さく毎日つづく設計」にすること。下のプランを叩き台に、自分の生活に合わせて調整してください。

高校生・10代
週2〜4時間 × 2〜3週間

「原価」は、文化祭の模擬店の値決めと同じ考え方です。第1〜4章で原価のなかみを知り、第8章の損益分岐点まで進めば合格圏。数式は足し算・掛け算・割り算だけです。

このページの使い方計算問題は数字を入れて「採点する」を押すだけ。電卓アプリで十分戦えます。

大学生・専門学校生
週3〜5時間 × 2週間前後

管理会計・経営分析の授業の予習として最効率。CVP分析(第6〜8章)はレポートや卒論でもそのまま使える道具です。簿記初級と並行してもOK、範囲の重なりはほぼありません。

このページの使い方総合演習120問を通しで解くと、出題パターンが3種類しかないことが体感できます。

社会人(20〜30代)
週2〜4時間 × 2〜3週間

「いくら売れば黒字か」を数字で言えるようになる級です。営業・企画・店舗運営の方ほど効果大。合格率は約85〜90パーセントなので、初めての検定にも向いています。

このページの使い方第8章の損益分岐点と第9章の予算実績差異は、そのまま自社の会議資料に応用できます。

40代からの学び直し・経営層
週2〜3時間 × 2〜4週間

値決め・撤退判断・部門別採算——経営の意思決定に直結する内容だけを40分の試験範囲に凝縮した級です。管理職・個人事業主の「数字の共通言語」として最短の投資です。

このページの使い方第12章の製品別損益計算書は、自社の商品別採算表づくりの雛形になります。

復習モード:正解済みの問題を隠しています。もう一度「復習モード」を押すと全問表示に戻ります。

第0章受験ガイド:原価計算初級の全体像と40分の戦い方0 / 15

試験の形・配点・合格ラインを先に知る。ここを読むだけで学習の無駄が半分に減ります。

この章のゴール
  1. 試験時間・満点・合格ラインなど、原価計算初級の要項を数字で言える。
  2. 3つの大問の内容と配点を知り、自分なりの 70点の作り方を決められる。
  3. 出題範囲と本テキストの章の対応をつかみ、2週間の学習計画を立てられる。

1. 原価計算初級とはどんな試験か

日商原価計算初級は、日本商工会議所と各地商工会議所が実施する検定試験です。2018年4月から施行されている、比較的新しい入門級の試験です。

ねらいは、簿記を学んだことがない人でも原価の考え方を使って利益を計画できるようになることです。工場で製品をつくる会社だけでなく、サービス業でもそのまま使える内容になっています。

受験方式はネット試験(CBT)です。全国のテストセンターに置かれたパソコンで受験します。統一試験のような全国一斉の試験日はなく、会場ごとに設定された日程から選んで予約します。毎週または毎月の定期実施の会場と、希望に応じて随時実施する会場があります。

図0-1 原価計算初級の試験要項(2026年8月時点)
項目内容
施行開始2018年4月
試験方式ネット試験(CBT)。全国のテストセンターで随時施行
試験時間40分
満点100点
合格基準70点以上
受験料2,200円(税込)。これに事務手数料が加わる
事務手数料インターネット申込方式は 550円。会場問い合わせ方式は施行機関により異なる(0円のこともある)
受験資格制限なし。誰でも受験できる
結果発表試験終了と同時に自動採点。その場で合否が分かる
合格の証明スコアレポートが渡され、合格者はデジタル合格証を取得できる

結果を郵送で待つ必要はありません。受験した席で採点が終わり、その場でスコアレポートを受け取ります。合格していれば、あとからデジタル合格証を取得できます。

POINT

この試験の最大の利点は随時受験できることです。決まった試験日を待つ必要がありません。だからこそ、学習を始める日に受験日を先に押さえてしまうのが最短ルートです。締め切りが決まると、10時間の学習は途切れません。

2. 合格率は高い。ただし油断はできない

原価計算初級の合格率は、公表されている範囲でおおむね 85パーセントから 90パーセントです。検定試験としてはかなり高い水準です。

図0-2 受験者数と合格率の推移
期間受験者数合格者数合格率
2022年4月から2023年3月1,453人1,314人90.4パーセント
2023年4月から2024年3月1,211人1,089人89.9パーセント
2024年4月から2025年3月1,200人1,072人89.3パーセント
2025年4月から2026年3月1,424人1,205人84.6パーセント
2026年4月から2026年6月269人237人88.1パーセント

直近の 2025年4月から2026年3月は 84.6パーセントで、それ以前よりわずかに下がりました。それでも 5人に4人以上が合格しています。受験者数は年間 1,200人から 1,500人ほどで推移しています。

注意

合格率が高いのは、受ける人がきちんと準備をしてから受けているからです。試験時間は 40分しかなく、大問は3つあります。1つの大問で立ち止まると、残りに手が回りません。「合格率が高い = 勉強しなくても受かる」ではないことを、最初に確認しておいてください。

3. 大問は3つ。配点を先に頭に入れる

出題は3つの大問に分かれます。公式に公表されているサンプル問題にもとづくと、構成と配点は次のとおりです。

図0-3 大問の構成と配点
大問配点出題内容解答の形式
第1問44点原価計算の基本概念と用語語句選択 13問と仕訳 1問の計 14問
第2問24点損益分岐点分析と営業利益の計算計算 6問。最後の1問は「上昇する・低下する・変化しない」の選択
第3問32点製造原価の集計と製品別損益計算書の完成数値入力
合計100点試験時間 40分合格は 70点以上

第1問(44点)

原価計算の基本概念と用語を問う大問です。14問で 44点なので、1問あたり平均およそ 3点です。計算がほとんど要りません。本テキストの第1章から第5章の内容がそのまま出ます。

第2問(24点)

損益分岐点分析と営業利益の計算です。計算が 6問で、1問あたり 4点です。最後の1問は数値ではなく「上昇する・低下する・変化しない」から選びます。第6章から第8章が対応します。

第3問(32点)

製造原価を集計し、製品別の損益計算書を完成させる大問です。数値を入力していく形式で、上から順に計算がつながっています。第10章から第12章が対応します。

暗記

本番前に、この数字だけは口に出せるようにしておきます。40分・100点満点・70点以上。配点は44・24・32。時間配分の目安は第1問 12分・第2問 10分・第3問 15分・見直し 3分です。合計してちょうど 40分になります。

4. 70点の作り方を先に決める

100点を取る必要はありません。30点まで落としてよい試験です。どこで 70点を作るかを先に決めておくと、本番で迷いません。

まず、配点の組み合わせを確認します。ここに、この試験でいちばん大事な事実があります。

2つの大問だけで合格ラインに届くか
満点にする2つの大問合計70点に届くか
第1問 + 第2問68点届かない
第1問 + 第3問76点届く
第2問 + 第3問56点届かない

第1問と第2問をすべて正解しても 68点で、合格ラインに 2点足りません。つまり第3問を丸ごと捨てる作戦は成立しません

逆に、第1問を落とすと、残りの2つを満点にしても 56点にしかなりません。第1問の 44点は、この試験の背骨です

70点の作り方 3パターン(いずれも合格ラインを超える)
第1問(44点)第2問(24点)第3問(32点)合計向いている人
A 用語で押し切る型44点12点16点72点暗記が得意。計算に時間がかかる
B バランス型36点16点20点72点本テキストをひととおり終えた標準的な形
C 計算で稼ぐ型30点20点24点74点簿記の学習経験があり計算が速い

3つの型に共通しているのは、第1問で 30点以上を取っていることです。第1問は暗記で取れる部分なので、ここを削ると急に苦しくなります。

POINT

戦略はひとつだけ覚えれば十分です。第1問を固め、第2問と第3問で半分ずつ拾う。第1問 36点、第2問 16点、第3問 20点で 72点。これが標準形です。満点を狙う必要はありません。分からない問題は飛ばして、取れる問題を確実に拾ってください。

5. 出題範囲は3本柱

公式に公表されている出題範囲は、大きく3つの柱に分かれます。この3本柱が、そのまま本テキストの章立てになっています。

POINT 原価計算初級は出題範囲の改定を受けない

簿記の2級・3級・初級は、2027年4月から出題範囲が改定されます。しかし原価計算初級は2027年度も変更がありません

つまり、いま学ぶ内容がそのまま来年以降も通用します。受験時期を気にせず学習を進めて大丈夫です。

図0-4 出題範囲の全体像と本テキストの対応章
項目学習する内容対応章
1 原価計算の基礎概念(1) 原価概念目的、活動、資源/資源の消費(量)第1章
(2) 原価の計算原価と収益/部門/責任、責任者/製品とサービス第5章
(3) 原価の分類材料費、労務費、経費/直接費と間接費第2章・第3章
(4) 損益計算製造原価、販売費および一般管理費/売上総利益、営業利益第4章
2 利益の計画と統制(1) CVP分析変動費と固定費の計算/売上高の計算/貢献利益と営業利益の計算/損益分岐点分析第6章・第7章・第8章
(2) 予算実績差異分析予算売上高と実際売上高/売上高の差異分析(販売数量差異と販売価格差異)第9章
3 製品別(サービス別)期間損益計算(1) 原価の集計直接費の計算(直課)/間接費の計算(配賦)第10章
(2) 在庫の原価月末仕掛品原価の計算/月末製品原価の計算第11章
(3) 製品別(サービス別)の損益計算書売上原価の計算/販売費および一般管理費の計算/製品別(サービス別)の売上総利益、営業利益第12章

柱1が第1問に、柱2が第2問に、柱3が第3問におおむね対応しています。図0-3の配点表と、この表を並べて見てください。どの章を落とすとどの大問が崩れるかが一目で分かります。

注意

学習範囲は、この表の外には出ません。標準原価計算の差異分析、総合原価計算の工程別計算、直接原価計算の固定費調整、部門別配賦の複雑な計算は、いずれも原価計算初級の範囲外です。工業簿記のテキストを開くと必ず出てきますが、いま手を出すと 10時間の計画が崩れます。範囲外は、日商簿記2級を受けるときに学べば十分です。

6. 簿記初級との違い

商工会議所には、同じ入門級として簿記初級があります。名前が似ているので迷う人が多いところです。中身はまったく違います。

簿記初級
学ぶのは商業簿記
取引を帳簿に記録する技術
「起きたことを正しく書く」
原価計算初級
学ぶのは原価計算
原価を集計して利益を計画する技術
「これからどうするかを決める」
図0-5 簿記初級と原価計算初級の比較
項目簿記初級原価計算初級
学ぶ内容商業簿記原価計算
中心となる作業仕訳と勘定記入原価の集計と利益の計画
試験方式ネット試験(CBT)・随時施行ネット試験(CBT)・随時施行
試験時間40分40分
満点と合格基準100点満点・70点以上100点満点・70点以上
合格率の目安約 55から 60パーセント約 85から 90パーセント
受験の順番2つは独立しているどちらから受けてもよい

合格率を比べると、原価計算初級のほうが合格しやすいことが分かります。簿記初級に合格していなくても、原価計算初級は受験できます。順番の決まりはありません。

簿記を学んだことがない人が最初の1つを選ぶなら、原価計算初級から入るのは合理的な選択です。仕訳の暗記量が少なく、内容が「利益をどう出すか」という身近な話だからです。

7. 2週間の学習ロードマップ

1日1時間、週5日、2週間。合計およそ 10時間で仕上げる計画です。

2週間の学習ロードマップ(1日1時間・週5日・合計およそ10時間)
読む章その日のゴール
1週目1日目第0章・第1章試験の形をつかみ、原価とは何かを自分の言葉で言える
2日目第2章・第3章材料費・労務費・経費と、直接費・間接費に分けられる
3日目第4章・第5章売上総利益と営業利益の位置、部門と責任者の考え方をつかむ
4日目第6章・第7章変動費と固定費を分け、貢献利益を計算できる
5日目第8章損益分岐点売上高を自力で出せる。第2問の土台が完成
2週目6日目第9章販売数量差異と販売価格差異を計算できる
7日目第10章直課と配賦を使い分けられる
8日目第11章月末仕掛品原価と月末製品原価を計算できる
9日目第12章・総合演習製品別の損益計算書を最後まで埋められる。第3問の土台が完成
10日目模擬試験 2回40分を計って通しで解き、間違えた問題を解説で潰す

1週目が終わった時点で、第1問と第2問の材料はそろいます。2週目で第3問を仕上げる形です。

時間が取れない週があっても、順番だけは崩さないでください。第6章から第8章は積み上げなので、飛ばすと必ず戻ることになります。第10章から第12章も同じです。

8. 本テキストの使い方

各章は同じ形でつくられています。次の順番で回してください。

  1. 章の先頭にある「この章のゴール」を先に読みます。その章で言えるようになることが3つ書いてあります。
  2. 本文を読みます。図と表は飛ばさず、数字を目で追ってください。表の1行が計算1回に対応しています。
  3. 例題は、解説を見る前に必ず手を動かします。読んで分かった気になるのが、この試験でいちばん多い失敗です。
  4. 章末演習を解きます。間違えた問題だけでなく、正解した問題の解説も読みます。答えが合っていても理由が違うことがあるからです。
  5. 章末の「この章の要点3行」を声に出して確かめます。3行が言えたら次の章へ進みます。
  6. 全12章を終えたら総合演習へ。最後に模擬試験を、必ず 40分を計って通しで解きます。

1日1時間なら、章末演習まで含めて 2章ぶんが目安です。分からない箇所が出ても、そこで止まらずに最後まで通してください。2周目のほうが速く、深く入ります

注意

ネット試験は、答案用紙ではなく画面に入力します。金額欄には数字だけを入力し、単位や記号を書き足してはいけません。操作の不慣れで点を落とすのはもったいないので、公式に公表されているサンプル問題で、入力画面に一度は触れておいてください。電卓や計算用紙の扱いは会場の案内にしたがいます。

この章の要点3行
  1. ネット試験で随時受験。40分・100点満点・70点以上で合格し、合格率はおおむね 85パーセント前後(直近は 84.6パーセント)。
  2. 配点は第1問 44点・第2問 24点・第3問 32点。第1問を落とすと、残り2つが満点でも 56点で届かない。
  3. 出題範囲は3本柱。範囲外に手を出さず、1日1時間・2週間・合計およそ 10時間で仕上げる。

章末演習(15問)

問1 g00-01基本

日商原価計算初級の試験時間として、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 40分

解説

試験時間は 40分です。大問は3つあるので、第1問に 12分、第2問に 10分、第3問に 15分、見直しに 3分という配分が目安になります。合計してちょうど 40分です。時間が短いので、迷った問題は飛ばして先に進む判断が必要になります。

問2 g00-02基本

原価計算初級の合格基準として、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 70点以上

解説

100点満点で 70点以上が合格です。上位何人という相対評価ではありません。ほかの受験者の出来に関係なく、自分が 70点を取れば合格します。裏を返せば、30点までは落としてよい試験だということです。満点を狙う必要はありません。

問3 g00-03基本

公式に公表されているサンプル問題にもとづく配点のうち、第1問の配点として正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 44点

解説

第1問が 44点、第2問が 24点、第3問が 32点で、合計 100点です。第1問がいちばん大きく、全体の 4割以上を占めます。第1問は原価計算の基本概念と用語なので、暗記で確実に取れる部分です。ここを固めるのが最短ルートになります。

問4 g00-04基本

第2問は配点が 24点で、計算問題が 6問出題される。各問の配点が同じであるとき、1問あたりの配点は何点か。

答え
解答と解説

正解

4 点

解説

24点 ÷ 6問 = 4点です。第2問は1問あたりの重みが大きく、1問落とすと 4点が消えます。出題内容は損益分岐点分析と営業利益の計算で、本テキストの第6章から第8章で仕上げます。

問5 g00-05基本

原価計算初級には受験資格の制限がなく、誰でも受験できる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。年齢・学歴・簿記の学習経験による制限はありません。簿記初級や日商簿記3級に合格していなくても、原価計算初級から受験できます。

問6 g00-06基本

原価計算初級は、年に2回、決められた試験日にだけ実施される。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。原価計算初級はネット試験(CBT)で随時施行されています。テストセンターの空き状況に合わせて、自分の都合のよい日を予約して受験できます。学習を始める日に受験日を先に押さえてしまうのが、途中で止まらないコツです。

問7 g00-07標準

第2問で出題される内容として、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 損益分岐点分析と営業利益の計算

解説

第2問は損益分岐点分析と営業利益の計算です。配点は 24点で計算が 6問。最後の1問は数値ではなく「上昇する・低下する・変化しない」から選ぶ形式です。なお用語の選択は第1問、製品別損益計算書は第3問です。標準原価計算は原価計算初級の出題範囲に含まれません。

問8 g00-08標準

原価計算初級の受験料(税込)として、正しいものを1つ選びなさい。事務手数料は含めないものとする。

解答と解説

正解

イ 2,200円

解説

受験料は 2,200円(税込)です。これに事務手数料が加わります。インターネット申込方式の事務手数料は 550円で、会場問い合わせ方式では施行機関により異なります。受験資格に制限はありません。

問9 g00-09標準

簿記初級と原価計算初級の関係について、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 2つは独立した試験で、どちらから受験してもよい

解説

2つは独立した試験です。どちらから受けてもかまいません。学ぶ内容も、簿記初級は商業簿記、原価計算初級は原価計算で別物です。合格率は簿記初級が約 55から 60パーセント、原価計算初級が約 85から 90パーセントで、原価計算初級のほうが合格しやすい試験です。

問10 g00-10標準

第1問(44点)と第2問(24点)をすべて正解したとする。合格ラインの 70点に到達するには、あと何点必要か。

答え
解答と解説

正解

2 点

解説

44点 + 24点 = 68点です。70点 - 68点 = 2点なので、あと 2点必要です。第1問と第2問を満点にしても、それだけでは合格できません。第3問を丸ごと捨てる作戦は成立しない、ということです。

問11 g00-11標準

ある期間の受験者数は 1,600人、合格者数は 1,360人であった。この期間の合格率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

85 パーセント

解説

合格率 = 合格者数 ÷ 受験者数 です。1,360人 ÷ 1,600人 = 0.85 なので 85パーセントです。原価計算初級の実際の合格率も、おおむね 85パーセントから 90パーセントの水準で推移しています。

問12 g00-12標準

原価計算初級は試験終了と同時に自動採点され、その場で合否が分かる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。ネット試験なので、終了と同時に自動採点されます。スコアレポートが渡され、合格者はデジタル合格証を取得できます。結果を郵送で待つ期間はありません。

問13 g00-13応用

大問の配点は第1問 44点、第2問 24点、第3問 32点である。3つのうち2つだけを満点にし、残る1つを 0点としたとき、合格ラインの 70点に届く組み合わせを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 第1問と第3問

解説

第1問と第2問は 44点 + 24点 = 68点で 2点足りません。第2問と第3問は 24点 + 32点 = 56点で大きく足りません。第1問と第3問は 44点 + 32点 = 76点なので、これだけが 70点を超えます。第1問を落とすと合格が一気に苦しくなる、ということです。

問14 g00-14応用

本番で第1問が 36点、第2問が 16点であった。合格ラインの 70点に到達するには、第3問(32点)で最低何点を取る必要があるか。

答え
解答と解説

正解

18 点

解説

すでに取れているのは 36点 + 16点 = 52点です。70点 - 52点 = 18点なので、第3問で 18点以上が必要です。第3問は 32点なので、半分より少し多く取れば届く計算になります。第3問は上から順に計算がつながるので、最初の集計をていねいに合わせることが得点につながります。

問15 g00-15応用

次のうち、原価計算初級の出題範囲に含まれないものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

エ 工程別総合原価計算による完成品原価の計算

解説

出題範囲は、原価計算の基礎概念、利益の計画と統制、製品別(サービス別)期間損益計算の3本柱です。変動費と固定費への分類、損益分岐点売上高の計算、販売数量差異と販売価格差異の分析は、いずれもこの3本柱に含まれます。工程別総合原価計算は範囲外なので、学習しても得点にはつながりません。

第1章原価とは何か(目的・活動・資源)0 / 18

原価とは、何かの目的のために活動を行い、その活動のために消費した資源の金額です。この一文が原価計算のすべての出発点になります。

この章のゴール
  1. 原価計算が必要な理由を、値付け・儲けの把握・ムダの発見・意思決定の4つで説明できる。
  2. 「目的 → 活動 → 資源 → 資源の消費量 → 原価」という連鎖を、自分の言葉で書ける。
  3. 原価は消費量かける単価で計算すること、支出と原価は別物であることを判断できる。

1 原価計算はなぜ必要なのか

原価計算は、帳簿を締めるためだけの事務作業ではありません。会社が生き残るための道具です。まず、何に使うのかをはっきりさせておきましょう。

1-1 値付けのため

1個いくらで売ればよいかは、1個作るのにいくらかかったかが分からないと決められません。原価が800円の製品を700円で売れば、売れば売るほど損をします。値付けの土台になるのが原価です。

1-2 儲けの把握のため

売上高から原価を差し引いた金額が利益です。原価が分からなければ、儲かっているのかどうかも分かりません。製品ごと、サービスごとに原価をつかむと、どれが会社を支えているのかが見えてきます。

1-3 ムダの発見のため

原価を細かく分けて調べると、材料の使いすぎ、待ち時間の多さ、電力の無駄づかいが数字になって表れます。数字になったムダは、はじめて改善の対象になります。

1-4 意思決定のため

この注文を受けるべきか、この製品をやめるべきか、外注に出すべきか。こうした判断はすべて原価の比較で行います。原価計算は、未来を決めるための情報でもあります。

POINT

原価計算の役割は値付け・儲けの把握・ムダの発見・意思決定の4つです。第1問の語句問題で問われやすいところです。

2 原価の骨格は「目的 → 活動 → 資源」

原価計算初級の出題範囲は、原価概念を「目的、活動、資源/資源の消費(量)」という並びで示しています。ここが本書全体の背骨になります。

原価とは、何かの目的のために活動を行い、その活動のために消費した資源の金額です。4つの言葉を順番に見ていきます。

2-1 目的

目的とは、何のためにその活動を行うのか、ということです。「製品Aを100個作る」「顧客に1時間の研修を提供する」が目的にあたります。目的がないところに原価は生まれません。

2-2 活動

活動とは、目的を果たすために実際に行う仕事です。切る、組み立てる、検査する、運ぶ、接客する。これらはすべて活動です。

2-3 資源

資源とは、活動を行うために必要なものです。材料、人の労働時間、機械、電力、建物などが資源にあたります。

2-4 資源の消費(量)

資源は、置いてあるだけでは原価になりません。活動に使われて減って、はじめて原価になります。この「使って減った分」が資源の消費量です。

図1 原価が生まれるまでの連鎖
目的製品Aを100個作る
活動材料を切り、組み立て、検査する
資源材料・作業時間・機械・電力
消費(量)材料50kg、作業40時間、電力200キロワット時
原価消費量に単価を掛けた金額

矢印の向きが逆になることはありません。目的が活動を呼び、活動が資源を消費し、消費した分が原価になります。

3 原価は「消費量 × 単価」で決まる

資源の消費量が分かっても、それだけでは金額になりません。消費量に単価を掛けて、はじめて原価という金額になります。

暗記

原価 = 資源の消費量 × 資源の単価

材料なら「消費量(kgや個) × 1単位あたりの単価」、人の労働なら「作業時間 × 1時間あたりの賃率」です。原価の計算は、どこまでいってもこの掛け算の積み重ねです。

図2 原価は消費量と単価の掛け算でできている
資源消費量単価原価
材料(鋼板)50 kg600円30,000円
作業時間40 時間1,500円60,000円
電力200 キロワット時25円5,000円
合計95,000円

50かける600は30,000円。40かける1,500は60,000円。200かける25は5,000円。合計して95,000円です。

4 買っただけでは原価にならない

ここは初学者がいちばんつまずくところです。お金を払うことを支出、資源を使うことを消費といいます。原価になるのは、消費した分だけです。

材料を100個、1個600円で買えば支出は60,000円です。しかし、そのうち70個しか使っていなければ、原価は70かける600の42,000円だけです。残り30個ぶんの18,000円は、倉庫にある材料という財産であって、まだ原価ではありません。

逆に、その月に現金が出ていかなくても原価になるものがあります。代表が減価償却費です。機械を買った月に全額が原価になるのではなく、使った期間に応じて少しずつ原価になります。

図3 原価になるもの・ならないものの対比
できごと原価になるか理由
材料100個を買って代金を支払ったならないまだ消費していない。倉庫にある財産
買った材料のうち70個を製造に使ったなる活動のために消費した
工員が8時間働いたなる労働という資源を消費した
機械を1,200,000円で購入したならない購入した時点では固定資産
その機械の当月分の減価償却費なる1か月使った分だけ消費した
銀行への借入金を返済したならない活動のための資源消費ではない
電気を200キロワット時使ったなる電力という資源を消費した
注意

支出があっても原価にならない例と、支出がなくても原価になる例の両方があります。現金の動きと原価の発生は一致しません。「払ったから原価」と決めつけないでください。判断の基準はいつでも「活動のために消費したかどうか」です。

5 原価計算の対象は製品だけではない

原価計算は工場のためだけの技術ではありません。出題範囲にも「製品とサービス」と書かれています。形のないサービスにも原価があります。

美容室のカット、税理士の相談対応、運送、宿泊、ソフトウェアの保守。どれも目的のために活動を行い、人の時間や材料や設備を消費しています。ですから原価が計算できます。

サービス業では、資源の中心が人の時間になります。作業時間かける1時間あたりの賃率が原価の主役です。考え方は製品とまったく同じです。

POINT

製品でもサービスでも手順は変わりません。目的があり、活動があり、資源を消費する。その消費量に単価を掛ければ原価になります。試験では「製品(サービス)」と併記されることが多いので、両方が対象だと覚えてください。

例題1

当社は製品Bを作っています。当月、材料を200個、1個あたり450円で購入し、代金を支払いました。このうち160個を製品Bの製造に使いました。当月の材料の原価はいくらですか。また当月の支出はいくらですか。

  1. 支出は「買った分」で計算します。200個 × 450円 = 90,000円。
  2. 原価は「使った分」だけです。使ったのは160個でした。
  3. 原価 = 160個 × 450円 = 72,000円。
  4. 残った40個 × 450円 = 18,000円は、まだ原価ではありません。倉庫にある材料という財産です。
  5. 検算します。72,000円 + 18,000円 = 90,000円。支出と一致しました。

答え 原価 72,000円 支出 90,000円

例題2

あるハウスクリーニング業者が、1件の作業を行いました。消費した資源は次のとおりです。作業員の時間8時間(1時間あたり1,600円)、洗剤5リットル(1リットルあたり700円)、機材の当日分の減価償却費2,400円。この作業1件の原価はいくらですか。

  1. 資源ごとに「消費量 × 単価」を計算します。
  2. 人の時間 8時間 × 1,600円 = 12,800円。
  3. 洗剤 5リットル × 700円 = 3,500円。
  4. 機材 減価償却費はすでに金額なので、そのまま2,400円。
  5. 合計 12,800円 + 3,500円 = 16,300円。さらに 16,300円 + 2,400円 = 18,700円。

答え 18,700円

形のないサービスでも、資源の消費量に単価を掛けて足すだけです。製品と何も変わりません。

この章の要点3行
  1. 原価とは、目的のために活動を行い、その活動のために消費した資源の金額である。
  2. 原価は「資源の消費量 × 単価」で計算する。消費量が分からなければ原価も出せない。
  3. 買っただけ、払っただけでは原価にならない。使ってはじめて原価になる。製品でもサービスでも同じ。

章末演習(18問)

問1 g01-01基本

製品Cを作るために、材料を40個消費しました。この材料の単価は1個あたり300円です。消費した材料の原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

12,000 円

解説

原価 = 消費量 × 単価 です。40個 × 300円 = 12,000円。

問2 g01-02基本

工員が製品Dの製造のために20時間作業しました。1時間あたりの賃率は1,500円です。この労働の原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

30,000 円

解説

人の労働も「消費量 × 単価」で計算します。消費量は作業時間、単価は賃率です。20時間 × 1,500円 = 30,000円。

問3 g01-03基本

当月、工場で電力を500キロワット時消費しました。単価は1キロワット時あたり25円です。この電力の原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

12,500 円

解説

500キロワット時 × 25円 = 12,500円。電力のような目に見えない資源でも、消費量と単価が分かれば原価になります。

問4 g01-04基本

原価計算を行う目的として、適切でないものはどれですか。

解答と解説

正解

ウ 社員の趣味や家族構成を調べる

解説

原価計算の役割は、値付け・儲けの把握・ムダの発見・意思決定の4つです。社員の趣味や家族構成は原価計算とは関係がありません。

問5 g01-05基本

原価の説明として、最も適切なものはどれですか。

解答と解説

正解

イ 目的のために活動を行い、その活動のために消費した資源の金額

解説

原価とは「目的 → 活動 → 資源の消費」という連鎖の結果として生まれる金額です。支払った現金の合計でも、資産の合計でもありません。

問6 g01-06基本

原価が生まれるまでの流れとして、正しい順番はどれですか。

解答と解説

正解

ウ 目的 → 活動 → 資源の消費量 → 原価

解説

目的があるから活動が行われ、活動のために資源が消費され、その消費量に単価を掛けたものが原価です。この順番は逆になりません。

問7 g01-07基本

材料を購入して代金を支払っただけでは、その材料はまだ原価にならない。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。購入した材料は、倉庫にある間は財産です。製造のために消費されてはじめて原価になります。

問8 g01-08標準

当月、材料を100個、1個あたり800円で購入しました。このうち70個を製品の製造に使いました。当月の材料の原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

56,000 円

解説

原価になるのは消費した70個だけです。70個 × 800円 = 56,000円。購入額の80,000円ではありません。残り30個ぶんの24,000円は倉庫にある材料です。

問9 g01-09標準

ある材料の当月の原価は54,000円でした。この材料の単価は1個あたり450円です。当月に消費した数量は何個ですか。

答え
解答と解説

正解

120 個

解説

原価 = 消費量 × 単価 なので、消費量 = 原価 ÷ 単価 です。54,000円 ÷ 450円 = 120個。検算すると 120個 × 450円 = 54,000円で一致します。

問10 g01-10標準

ある相談サービスでは、1件の対応に2時間かかります。担当者の1時間あたりの賃率は2,400円です。当月に5件の対応を行ったとき、この対応にかかった労働の原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

24,000 円

解説

まず1件あたりの原価を出します。2時間 × 2,400円 = 4,800円。次に件数を掛けます。4,800円 × 5件 = 24,000円。形のないサービスでも計算方法は同じです。

問11 g01-11標準

当月、材料を200個、1個あたり600円で購入しました。月初に材料の在庫はなく、月末に50個が残っていました。当月に消費した材料の原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

90,000 円

解説

消費量から先に求めます。200個 − 50個 = 150個。次に単価を掛けます。150個 × 600円 = 90,000円。月末に残った50個 × 600円 = 30,000円はまだ原価ではありません。

問12 g01-12標準

支出と原価の関係について、正しい記述はどれですか。

解答と解説

正解

イ 原価になるのは、活動のために消費した分だけである

解説

原価になるかどうかの基準は「活動のために消費したか」です。減価償却費のように現金の支出がなくても原価になるものがあり、逆に購入しただけでは原価になりません。

問13 g01-13標準

原価を計算する基本の式として、正しいものはどれですか。

解答と解説

正解

イ 原価 = 資源の消費量 × 資源の単価

解説

原価は消費量と単価の掛け算です。足し算でも割り算でもありません。また掛けるのは購入量ではなく消費量、売価ではなく単価です。

問14 g01-14標準

サービスの原価について、正しい記述はどれですか。

解答と解説

正解

ウ サービスでも、活動のために消費した資源の金額が原価になる

解説

出題範囲にも「製品とサービス」と示されています。サービスでも目的のために活動を行い、人の時間や材料を消費します。したがって原価が計算できます。

問15 g01-15標準

原価計算は工場を持つ製造業だけに必要なもので、サービス業には必要ない。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。サービス業でも、目的のために活動を行い資源を消費しています。値付けや儲けの把握のために原価計算が必要です。

問16 g01-16応用

当月、製品Eの製造のために次の資源を消費しました。材料30kg(1kgあたり1,200円)、作業時間15時間(1時間あたり1,800円)、電力400キロワット時(1キロワット時あたり22円)。当月の製品Eの原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

71,800 円

解説

資源ごとに「消費量 × 単価」を求めて合計します。材料は 30kg × 1,200円 = 36,000円。労働は 15時間 × 1,800円 = 27,000円。電力は 400キロワット時 × 22円 = 8,800円。合計は 36,000円 + 27,000円 = 63,000円、63,000円 + 8,800円 = 71,800円です。

問17 g01-17応用

次の1から5のうち、当月の原価になるものはいくつありますか。

1当月に購入し、月末時点でまだ倉庫にある材料 300,000円
2当月に製造のために消費した材料 180,000円
3当月の工員の賃金 250,000円
4当月に返済した借入金 500,000円
5工場の機械の当月分の減価償却費 40,000円

解答と解説

正解

ウ 3つ

解説

原価になるのは、活動のために消費したものだけです。2の材料消費、3の賃金、4ではなく5の減価償却費の3つが該当します。1はまだ消費していないので財産のままです。4の借入金の返済は活動のための資源消費ではありません。したがって3つです。

問18 g01-18応用

機械を購入した月には、その購入代金の全額がその月の原価になる。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。購入した時点では固定資産であり、まだ消費していません。使った期間に応じて減価償却費という形で少しずつ原価になります。

第2章原価の3分類(材料費・労務費・経費)0 / 18

消費した資源の種類で原価を分けると、材料費・労務費・経費の3つになります。この3分類は原価計算の共通言語です。

この章のゴール
  1. 材料費・労務費・経費の意味を説明し、具体例を見て正しく振り分けられる。
  2. 材料は消費量かける単価、労務費は作業時間かける賃率、経費は測定・支払・月割で把握することが分かる。
  3. 「月初有高 + 当月仕入高 − 月末有高 = 当月消費高」で材料費を計算できる。

1 なぜ3つに分けるのか

第1章で、原価は「活動のために消費した資源の金額」だと学びました。では、その資源にはどんな種類があるでしょうか。

工場を見わたすと、消費されているのは大きく3つです。物、人、それ以外。この分け方をそのまま原価の名前にしたものが3分類です。

  • 物を消費した原価 … 材料費
  • 人の労働を消費した原価 … 労務費
  • それ以外を消費した原価 … 経費

分類の基準は消費した資源の種類です。金額の大きさでも、支払先でもありません。ここを取り違えないでください。

2 材料費

材料費とは、製品を作るために消費した物の原価です。買っただけでは材料費になりません。消費してはじめて材料費になります。

2-1 主要材料費

製品の本体そのものになる物の原価です。家具なら木材、自動車なら鋼板、パンなら小麦粉です。素材費ということもあります。

2-2 補助材料費

製品の一部にはなるものの、本体とまではいえない物の原価です。ネジ、釘、接着剤、塗料などが代表です。

2-3 工場消耗品費

製品そのものにはならないけれど、製造のために工場で消費する物の原価です。機械油、軍手、洗浄剤、研磨紙などがあてはまります。

注意

工場消耗品費は、製品の形として残らないので経費と間違えやすい項目です。しかし消費しているのは物ですから、工場消耗品費は材料費です。試験でねらわれます。

3 労務費

労務費とは、働いた人に対して支払う原価です。人の労働という資源を消費した金額と考えてください。

  • 賃金 … 製造に直接たずさわる工員に支払うもの
  • 給料 … 工場長や工場の事務員に支払うもの
  • 賞与手当 … 賞与、家族手当、通勤手当など
  • 法定福利費 … 社会保険料のうち会社が負担する部分
  • 雑給 … パートやアルバイトに支払うもの
  • 退職給付費用 … 将来の退職金のために当月分として計上する金額

法定福利費は、本人ではなく年金事務所などに支払います。それでも人を雇ったから発生する原価なので労務費です。

4 経費

経費とは、材料費と労務費のどちらにも入らない原価のすべてです。「残り全部」という決め方をするので、種類がとても多くなります。

減価償却費、電力料、水道料、ガス代、賃借料、外注加工賃、保険料、修繕費、特許権使用料、旅費交通費、通信費などが経費です。

暗記

材料費は物、労務費は人、経費はそれ以外

迷ったら「消費したのは物か、人の労働か、どちらでもないか」と自分に問いかけてください。3秒で決まります。

図1 原価の3分類と具体例
分類意味具体例
材料費製品を作るために消費した物の原価 木材/鋼板/小麦粉/布地/塗料/ネジ/接着剤/機械油/軍手/買入部品(タイヤなど)
労務費働いた人に対して支払う原価 工員の賃金/工場長の給料/工場事務員の給料/賞与/家族手当/通勤手当/法定福利費/雑給/退職給付費用
経費材料費と労務費以外のすべての原価 減価償却費/電力料/水道料/ガス代/賃借料/外注加工賃/保険料/修繕費/特許権使用料/旅費交通費/通信費/租税公課

5 消費量をどうやってつかむか

3分類それぞれで、消費量の測り方が変わります。ここは第1章の「原価 = 消費量 × 単価」の応用です。

5-1 材料費は「消費量 × 単価」

使ったkg数や個数に、1単位あたりの単価を掛けます。250kgを1kgあたり480円で消費したなら、250 × 480 = 120,000円です。

5-2 労務費は「作業時間 × 賃率」

人の消費量は時間で測ります。1時間あたりの単価を賃率といいます。160時間を賃率1,400円で消費したなら、160 × 1,400 = 224,000円です。

5-3 経費は3つの測り方がある

  • 測定経費 … 計器で測って把握するもの。電力料、水道料、ガス代。2,500キロワット時 × 24円 = 60,000円のように計算します。
  • 支払経費 … その月に支払った金額で把握するもの。外注加工賃、修繕費、旅費交通費。
  • 月割経費 … 1年ぶんの金額を12か月で割って把握するもの。減価償却費、保険料、賃借料。年額240,000円の保険料なら、240,000 ÷ 12 = 20,000円が当月分です。
POINT

経費の測り方は測定・支払・月割の3つです。減価償却費と保険料は月割、電力料と水道料は測定、外注加工賃は支払。この組み合わせを覚えておくと得点源になります。

6 材料費の計算式

材料は、月初に残っていた分と当月に仕入れた分の合計から、月末に残った分を差し引けば、当月に使った分が分かります。

暗記

月初有高 + 当月仕入高 − 月末有高 = 当月消費高

数量で計算しても、金額で計算しても、同じ形です。単価が一定なら、どちらで解いても答えは一致します。

図2 材料のボックス図(左に入り、右に出ていく)
材料(入ってくる側)材料(出ていく側)
月初有高30,000円当月消費高180,000円
当月仕入高200,000円月末有高50,000円
合計230,000円合計230,000円

左の合計は 30,000円 + 200,000円 = 230,000円。右の月末有高50,000円を差し引いた 230,000円 − 50,000円 = 180,000円が当月消費高です。左右の合計は必ず一致します。

図3 これは何費か 早見表
項目分類項目分類
製品の本体になる鋼板材料費工場の建物の減価償却費経費
家具の材料になる木材材料費機械の減価償却費経費
製品に使うネジ・接着剤材料費工場の電力料経費
工場で使う機械油材料費工場の水道料経費
工場で使う軍手材料費工場のガス代経費
外部から買った完成部品材料費工場の建物の賃借料経費
工員に支払う賃金労務費外注加工賃経費
工場長の給料労務費工場の火災保険料経費
工場事務員の給料労務費工場設備の修繕費経費
工員の賞与・家族手当労務費特許権使用料経費
会社負担の社会保険料労務費工場の電話代経費
パートに支払う雑給労務費工員の出張旅費経費

全部で24項目あります。左の列を隠して答え、次に右の列を隠して答える。これを2回まわせば十分に定着します。

例題1

材料Xについて、次の資料から当月消費高を数量と金額の両方で求めなさい。月初有高40個、当月仕入300個、月末有高60個。単価はいずれも1個あたり500円で一定である。

  1. まず数量で計算します。月初40個 + 当月仕入300個 = 340個。
  2. 340個 − 月末60個 = 280個。これが当月消費量です。
  3. 金額に直します。280個 × 500円 = 140,000円。
  4. 金額のまま計算しても同じです。月初 40個 × 500円 = 20,000円、仕入 300個 × 500円 = 150,000円、月末 60個 × 500円 = 30,000円。
  5. 20,000円 + 150,000円 = 170,000円。170,000円 − 30,000円 = 140,000円。一致しました。

答え 当月消費量 280個 当月消費高 140,000円

例題2

次の資料から、当月の材料費・労務費・経費と、その合計額を求めなさい。主要材料は月初有高25,000円、当月仕入高210,000円、月末有高35,000円。工場消耗品費15,000円。工員の作業時間150時間、賃率1時間あたり1,200円。工場長の給料90,000円。法定福利費30,000円。機械の減価償却費50,000円。工場の電力3,000キロワット時、単価1キロワット時あたり20円。工場の火災保険料は年額144,000円で、当月分を月割りする。

  1. 主要材料の消費高 25,000円 + 210,000円 = 235,000円、235,000円 − 35,000円 = 200,000円。
  2. 材料費 200,000円 + 工場消耗品費15,000円 = 215,000円。
  3. 工員の賃金 150時間 × 1,200円 = 180,000円。
  4. 労務費 180,000円 + 90,000円 = 270,000円、270,000円 + 30,000円 = 300,000円。
  5. 電力料 3,000キロワット時 × 20円 = 60,000円(測定経費)。
  6. 保険料の当月分 144,000円 ÷ 12か月 = 12,000円(月割経費)。
  7. 経費 50,000円 + 60,000円 = 110,000円、110,000円 + 12,000円 = 122,000円。
  8. 合計 215,000円 + 300,000円 = 515,000円、515,000円 + 122,000円 = 637,000円。

答え 材料費 215,000円 労務費 300,000円 経費 122,000円 合計 637,000円

POINT

資料を見たら、まず1行ずつ「材」「労」「経」と印をつけてください。分類してから足し算する。この順番を守るだけで、集計問題の取りこぼしがなくなります。

この章の要点3行
  1. 原価は消費した資源の種類で、材料費(物)・労務費(人)・経費(それ以外)の3つに分かれる。
  2. 材料費は消費量かける単価、労務費は作業時間かける賃率、経費は測定・支払・月割で把握する。
  3. 材料の当月消費高は「月初有高 + 当月仕入高 − 月末有高」で求める。工場消耗品費は材料費。

章末演習(18問)

問1 g02-01基本

材料Aについて、月初有高18,000円、当月仕入高145,000円、月末有高23,000円でした。当月消費高はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

140,000 円

解説

月初有高 + 当月仕入高 − 月末有高 = 当月消費高 です。18,000円 + 145,000円 = 163,000円。163,000円 − 23,000円 = 140,000円。

問2 g02-02基本

当月の工員の作業時間は150時間でした。賃率は1時間あたり1,400円です。当月の賃金はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

210,000 円

解説

労務費は「作業時間 × 賃率」で計算します。150時間 × 1,400円 = 210,000円。

問3 g02-03基本

当月、材料を250kg消費しました。単価は1kgあたり480円です。当月の材料費はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

120,000 円

解説

材料費は「消費量 × 単価」で計算します。250kg × 480円 = 120,000円。

問4 g02-04基本

次のうち、材料費に分類されないものはどれですか。

解答と解説

正解

エ 工場の建物の減価償却費

解説

材料費は消費した物の原価です。木材は主要材料費、接着剤は補助材料費、機械油は工場消耗品費でいずれも材料費です。建物の減価償却費は物の消費ではないので経費になります。

問5 g02-05基本

次のうち、労務費に分類されるものはどれですか。

解答と解説

正解

イ 工場で働く工員の賃金

解説

労務費は、働いた人に対して支払う原価です。工員の賃金がこれにあたります。電力料、外注加工賃、火災保険料はいずれも経費です。

問6 g02-06基本

経費の説明として、正しいものはどれですか。

解答と解説

正解

イ 材料費にも労務費にも入らない原価のすべて

解説

経費は「残り全部」という決め方をします。材料費でも労務費でもない原価がすべて経費です。減価償却費のように現金の支出がないものも経費に含まれます。

問7 g02-07基本

原価を材料費・労務費・経費の3つに分けるとき、その分類の基準は何ですか。

解答と解説

正解

ア 消費した資源の種類

解説

3分類は、消費した資源が物か、人の労働か、それ以外かで分けます。製品との結びつきの強さで分けるのは直接費と間接費の分類です。

問8 g02-08標準

材料Bについて、月初有高40個、当月仕入160個、月末有高25個でした。単価は1個あたり500円で一定です。当月消費高はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

87,500 円

解説

まず数量で求めます。40個 + 160個 = 200個。200個 − 25個 = 175個。次に金額にします。175個 × 500円 = 87,500円。

問9 g02-09標準

工場の火災保険料は年額240,000円です。当月分として原価に計上する金額はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

20,000 円

解説

保険料は月割経費です。1年ぶんの金額を12か月で割ります。240,000円 ÷ 12か月 = 20,000円。

問10 g02-10標準

当月、工場で電力を3,600キロワット時消費しました。単価は1キロワット時あたり24円です。当月の電力料はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

86,400 円

解説

電力料は計器で測る測定経費です。3,600キロワット時 × 24円 = 86,400円。

問11 g02-11標準

当月の労務費の内訳は次のとおりです。工員の賃金480,000円、工場長の給料150,000円、賞与手当90,000円、法定福利費60,000円。当月の労務費の合計はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

780,000 円

解説

4つとも人に関する原価なのですべて労務費です。480,000円 + 150,000円 = 630,000円。630,000円 + 90,000円 = 720,000円。720,000円 + 60,000円 = 780,000円。

問12 g02-12標準

加工の一部を外部の会社に依頼して支払った外注加工賃は、どの分類に入りますか。

解答と解説

正解

ウ 経費

解説

外注加工賃は、自社で消費した物でも自社の従業員の労働でもありません。したがって材料費にも労務費にも入らず、経費になります。支払った金額で把握する支払経費です。

問13 g02-13標準

工場で働く従業員の社会保険料のうち、会社が負担する部分(法定福利費)はどの分類に入りますか。

解答と解説

正解

イ 労務費

解説

支払先は本人ではありませんが、人を雇っているから発生する原価です。したがって労務費に分類されます。

問14 g02-14標準

電力料や水道料のように、計器で測った数量に単価を掛けて把握する経費を何といいますか。

解答と解説

正解

イ 測定経費

解説

計器で測って把握するので測定経費です。外注加工賃や修繕費のように支払額で把握するものが支払経費、減価償却費や保険料のように年額を12か月で割るものが月割経費です。

問15 g02-15標準

工場の機械の減価償却費は、経費に分類される。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。減価償却費は物を消費した金額でも人に支払う金額でもないため経費になります。年額を12か月で割って当月分を求める月割経費です。

問16 g02-16応用

次の資料から、当月の製造原価の合計を求めなさい。

材料の月初有高20,000円
材料の当月仕入高260,000円
材料の月末有高35,000円
工員の作業時間180時間
賃率(1時間あたり)1,300円
機械の減価償却費45,000円
工場の電力料28,000円
工場の賃借料60,000円

答え
解答と解説

正解

612,000 円

解説

材料費を求めます。20,000円 + 260,000円 = 280,000円。280,000円 − 35,000円 = 245,000円。

労務費を求めます。180時間 × 1,300円 = 234,000円。

経費を求めます。45,000円 + 28,000円 = 73,000円。73,000円 + 60,000円 = 133,000円。

合計します。245,000円 + 234,000円 = 479,000円。479,000円 + 133,000円 = 612,000円。

問17 g02-17応用

次の資料のうち、労務費に分類されるものだけを合計するといくらになりますか。

工員の賃金320,000円
工場長の給料180,000円
工場の電力料45,000円
賞与手当70,000円
法定福利費50,000円
外注加工賃90,000円

解答と解説

正解

ウ 620,000円

解説

労務費は、賃金320,000円、給料180,000円、賞与手当70,000円、法定福利費50,000円の4つです。320,000円 + 180,000円 = 500,000円。500,000円 + 70,000円 = 570,000円。570,000円 + 50,000円 = 620,000円。電力料と外注加工賃は経費なので含めません。

問18 g02-18応用

工場消耗品費は、製品そのものにはならない物の原価なので、材料費ではなく経費に分類される。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。製品の形として残らなくても、消費しているのは物です。したがって工場消耗品費は材料費に分類されます。よく問われる引っかけです。

第3章直接費と間接費0 / 18

同じ原価を「どの製品のために使ったか分かるか」でもう一度切り分け、6つの区分に整理します。

この章のゴール
  1. 直接費と間接費のちがいを、2つの物差しで判定できる。
  2. 材料費・労務費・経費と直接・間接を組み合わせた6区分に分類できる。
  3. 直接費は直課、間接費は配賦という集計の道すじを説明できる。

1 原価をもう一度、別の物差しで切る

第2章では、原価を材料費・労務費・経費の3つに分けました。

これは「何を消費したか」に注目した分け方です。

この章では、まったく別の物差しを持ちこみます。

その物差しは「どの製品のために使ったかが分かるか」です。

この見方で分けると、原価は直接費間接費の2つになります。

3分類と2分類は、どちらか一方を選ぶものではありません。

同じ原価を、2本の物差しで同時に測ると考えてください。

2 直接費とは

直接費とは、どの製品のために使ったかがはっきり分かる原価です。

木の机を作る工場を思いうかべてください。

天板に使った木材は、机1台あたりの使用量を記録できます。

だから木材の消費額は、机という製品にまっすぐひも付きます。

これが直接費です。

直接費の3つの顔

  • 直接材料費…製品の本体になる材料の消費額
  • 直接労務費…その製品を加工した工員の賃金
  • 直接経費…その製品だけのために払った外注加工賃など

3 間接費とは

間接費とは、複数の製品に共通してかかる原価です。

どの製品にいくらかかったかを、個別にひも付けられません。

同じ工場で、机といすを両方作っているとします。

工場の照明の電気代は、机の分といすの分に切り分けられません。

これが間接費です。

製造のために発生した間接費をまとめて製造間接費といいます。

間接費の3つの顔

  • 間接材料費…接着剤・ねじ・機械の潤滑油など
  • 間接労務費…工場長の給料、運搬工や修繕工の賃金など
  • 間接経費…工場の電気代、工場建物の減価償却費など

4 直接か間接かの見分け方

迷ったら、次の2つの問いを順に立ててください。

図3-1 直接費と間接費の判定フロー
問1その製品を作らなければ、この原価は発生しなかったか
問2その製品にいくらかかったかを、個別に測定できるか
判定2つともYESなら直接費/1つでもNOなら間接費

問1は「その製品との因果関係があるか」を確かめます。

問2は「実際に記録が取れるか」を確かめます。

因果関係があっても、測れなければ直接費にはできません。

たとえば工場の電気代は、机を作れば確かに増えます。

しかし机1台分の電気を測るメーターはありません。

だから電気代は間接費として扱います。

POINT 判定の物差しは2本

直接費になるのは、次の2つを両方みたすときだけです。

  1. その製品を作らなければ発生しなかった原価であること。
  2. その製品にかかった金額を、個別に測定できること。

片方でも欠けたら、その原価は間接費です。

5 3分類かける2分類で6区分

形態別の3分類と、直接・間接の2分類を組み合わせます。

すると、製造原価はきれいに6つの区分に整理できます。

図3-2 原価の6区分マトリクス
形態別の分類直接費(製品ごとに分かる)間接費(共通してかかる)
材料費直接材料費
主要材料費・買入部品費
間接材料費
補助材料費・工場消耗品費
労務費直接労務費
製品を加工した工員の賃金
間接労務費
工場長の給料・間接工の賃金
経費直接経費
外注加工賃・特許権使用料
間接経費
工場の電気代・減価償却費

右の列3つを合計したものが製造間接費です。

左の列3つを合計したものを製造直接費といいます。

製造直接費と製造間接費を足すと、製造原価になります。

ここは暗記

製造直接費 = 直接材料費 + 直接労務費 + 直接経費

製造間接費 = 間接材料費 + 間接労務費 + 間接経費

製造原価 = 製造直接費 + 製造間接費

6 具体例で区分を体にしみこませる

試験では、具体例を6区分に振り分ける問題が出ます。

次の早見表を、声に出して1度読んでみてください。

図3-3 具体例の分類早見表(24項目)
具体例区分ひとこと
製品の本体になる木材・鋼材直接材料費製品1個あたりの使用量が分かる
製品に取り付ける買入部品直接材料費何個使ったかを数えられる
家具の脚に使う金具直接材料費製品ごとの員数が決まっている
機械の潤滑油間接材料費製品別に何リットルかは測れない
工場で共通に使う接着剤・ねじ間接材料費金額が小さく個別記録に合わない
工場の軍手・掃除用具間接材料費工場消耗品費として一括で処理
設備の補修用に備える予備部品間接材料費製品ではなく設備のための材料
製品を組み立てた工員の賃金直接労務費作業時間が製品別に記録される
製品を機械加工した工員の賃金直接労務費加工時間がひも付いている
工場長の給料間接労務費特定の製品を作っていない
工場の事務員の給料間接労務費工場全体を支える仕事
材料を運ぶ運搬工の賃金間接労務費製品別の時間が取れない
機械を直す修繕工の賃金間接労務費設備のための作業
工員の手待時間の賃金間接労務費加工していない時間の分
特定製品のための外注加工賃直接経費その製品の請求書が残る
特定製品にかかる特許権使用料直接経費製品と契約が1対1で対応
特定製品専用の金型の賃借料直接経費他の製品には使わない
工場の電気代・ガス代・水道代間接経費工場全体で1つのメーター
工場建物の減価償却費間接経費建物は全製品が使う
工場の機械の減価償却費間接経費複数の製品を加工する
工場建物の火災保険料間接経費契約は工場単位
工場にかかる固定資産税間接経費製品別には割れない
工場設備の修繕費間接経費設備を維持するための支出
工場の建物の賃借料間接経費工場全体に対する家賃
注意 金額の大小では決まらない

直接費か間接費かは、金額の大きさでは決まりません。

1万円の外注加工賃でも、製品にひも付けば直接経費です。

100万円の工場家賃でも、共通なら間接経費です。

また、同じ品目でも会社によって扱いが変わります。

ねじを製品別に数えて記録する会社なら、直接材料費にできます。

問題文に「特定の製品のために」とあれば直接費のサインです。

7 直接費は直課、間接費は配賦

6区分に分けたら、次は製品ごとに原価を集計します。

このとき、直接費と間接費では手順がちがいます。

直接費は直課(賦課)する

直接費は、かかった製品がはっきりしています。

そこで、金額をそのままその製品にのせます。

この手続きを直課といいます。

直課は賦課とも呼ばれます。同じ意味です。

間接費は配賦する

間接費は、どの製品の分か分かりません。

そこで、一定の基準を決めて分けてからのせます。

この手続きを配賦といいます。

基準には作業時間や機械運転時間などを使います。

図3-4 直課と配賦のイメージ
直課(賦課)

対象は直接費です。

製品Aのために買った材料 350,000円。

まるごと製品Aの原価にのせます。

分ける計算はいりません。

配賦

対象は間接費です。

工場全体の電気代 360,000円。

作業時間の比で製品Aと製品Bに分けます。

分けるための計算が必要です。

POINT 配賦の3ステップ
  1. 製造間接費の合計額を集める。
  2. 配賦率 = 製造間接費の合計 ÷ 配賦基準の合計。
  3. 各製品への配賦額 = 配賦率 × その製品の配賦基準。

くわしい計算は第10章であつかいます。

ここでは、言葉と大まかな流れをつかめば十分です。

注意 この章は製造原価の中の話

直接費と間接費の分類は、製造原価の内側の話です。

広告宣伝費や本社事務員の給料はここに入りません。

それらは販売費および一般管理費として別に集計します。

くわしくは第4章で学びます。

例題1 原価を6区分に分ける

家具工場の当月の原価は次のとおりでした。

  • 机の天板に使った木材 480,000円
  • 工場全体で使う接着剤 60,000円
  • 机を組み立てた工員の賃金 720,000円
  • 工場長の給料 300,000円
  • 机の脚のメッキを外注した加工賃 150,000円
  • 工場建物の減価償却費 240,000円

製造間接費と製造直接費の合計を求めなさい。

解き方の実況

  1. 木材は机1台ごとの使用量が分かる。よって直接材料費 480,000円。
  2. 接着剤はどの机に何グラム使ったか測れない。よって間接材料費 60,000円。
  3. 組立工の賃金は机の作業時間が記録される。よって直接労務費 720,000円。
  4. 工場長は特定の製品を作っていない。よって間接労務費 300,000円。
  5. 外注加工賃は机の脚だけのための支出。よって直接経費 150,000円。
  6. 建物の減価償却費は工場全体の費用。よって間接経費 240,000円。
  7. 製造間接費 = 60,000 + 300,000 + 240,000 = 600,000円。
  8. 製造直接費 = 480,000 + 720,000 + 150,000 = 1,350,000円。

答え 製造間接費 600,000円/製造直接費 1,350,000円

検算します。600,000 + 1,350,000 = 1,950,000円。

これが当月の製造原価の合計です。

例題2 直課と配賦をやってみる

製品Aと製品Bを作る工場の当月データです。

項目製品A製品B
直接材料費350,000円250,000円
直接労務費280,000円200,000円
直接作業時間300時間200時間

製造間接費の合計は 360,000円です。

直接作業時間を基準に配賦し、各製品の製造原価を求めなさい。

解き方の実況

  1. 直接材料費と直接労務費は直接費なので、そのまま直課する。
  2. 配賦基準の合計 = 300時間 + 200時間 = 500時間。
  3. 配賦率 = 360,000円 ÷ 500時間 = 720円(1時間あたり)。
  4. 製品Aへの配賦額 = 720円 × 300時間 = 216,000円。
  5. 製品Bへの配賦額 = 720円 × 200時間 = 144,000円。
  6. 製品Aの製造原価 = 350,000 + 280,000 + 216,000 = 846,000円。
  7. 製品Bの製造原価 = 250,000 + 200,000 + 144,000 = 594,000円。

答え 製品A 846,000円/製品B 594,000円

検算します。846,000 + 594,000 = 1,440,000円。

直接材料費 600,000 + 直接労務費 480,000 + 製造間接費 360,000 = 1,440,000円。

一致したので計算は正しいと分かります。

この章の要点3行
  1. 直接費は「その製品のためと分かり、個別に測れる」原価。それ以外は間接費。
  2. 3分類かける2分類で6区分。間接の3つを足したものが製造間接費。
  3. 直接費は直課してそのままのせ、間接費は配賦して分けてからのせる。

章末演習(18問)

問1 g03-01基本

直接費の説明として正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ どの製品のために使ったかがはっきり分かる原価のこと

解説

直接費は、特定の製品との結びつきが分かる原価です。

金額の大小や発生場所では判定しません。

毎月同じ金額かどうかは、変動費と固定費の話です。

問2 g03-02基本

製造間接費に含まれないものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

エ 直接労務費

解説

製造間接費 = 間接材料費 + 間接労務費 + 間接経費 です。

直接労務費は製造直接費の一部なので含まれません。

問3 g03-03基本

工場長の給料は直接労務費に分類される。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。工場長は特定の製品を加工していません。

製品別の作業時間も記録できません。

したがって間接労務費に分類します。

問4 g03-04基本

特定の製品のためだけに支払った外注加工賃は、どの区分になりますか。

解答と解説

正解

ウ 直接経費

解説

外注加工賃は材料でも自社の賃金でもないので経費です。

特定の製品のための支出なので直接費です。

よって直接経費になります。

問5 g03-05基本

次の資料から製造間接費の合計を求めなさい。

  • 間接材料費 90,000円
  • 間接労務費 260,000円
  • 間接経費 350,000円
  • 直接材料費 640,000円

答え
解答と解説

正解

700,000 円

解説

製造間接費は間接の3つだけを足します。

90,000 + 260,000 + 350,000 = 700,000円。

直接材料費 640,000円は製造直接費なので加えません。

問6 g03-06基本

機械の潤滑油のように、どの製品に何リットル使ったかを個別に測れない材料の消費額は、間接材料費になる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。

製品ごとの消費量を測定できない材料は間接材料費です。

潤滑油や接着剤などが代表例です。

問7 g03-07基本

間接費を一定の基準で各製品に割り当てる手続きを何といいますか。

解答と解説

正解

ウ 配賦

解説

間接費を基準にしたがって分ける手続きが配賦です。

直接費をそのままのせる手続きは直課(賦課)です。

直課と賦課は同じ意味の言葉です。

問8 g03-08標準

原価が直接費か間接費かを判定する物差しとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ その製品にいくらかかったかを個別に測定できるかどうか

解説

判定の物差しは2本あります。

1つはその製品を作らなければ発生しなかったか。

もう1つは個別に測定できるかです。

金額の大小や支払方法は関係ありません。

問9 g03-09標準

次の当月データから製造直接費の合計を求めなさい。

  • 主要材料費 820,000円
  • 工場消耗品費 70,000円
  • 組立工の賃金(直接作業分)540,000円
  • 工場事務員の給料 240,000円
  • 特定製品のための特許権使用料 130,000円
  • 工場の水道光熱費 180,000円

答え
解答と解説

正解

1,490,000 円

解説

直接費だけを拾います。

主要材料費 820,000円は直接材料費です。

組立工の賃金 540,000円は直接労務費です。

特許権使用料 130,000円は直接経費です。

820,000 + 540,000 + 130,000 = 1,490,000円。

工場消耗品費・工場事務員の給料・水道光熱費は間接費です。

問10 g03-10標準

次のうち、間接労務費に分類されるものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 工場で材料を運ぶ運搬工の賃金

解説

運搬工は製品を加工していません。

製品別の作業時間も取れないため間接労務費です。

買入部品は直接材料費、火災保険料は間接経費です。

問11 g03-11標準

次の資料から当月の製造原価を求めなさい。

  • 直接材料費 960,000円
  • 直接労務費 640,000円
  • 直接経費 200,000円
  • 製造間接費 500,000円

答え
解答と解説

正解

2,300,000 円

解説

製造直接費 = 960,000 + 640,000 + 200,000 = 1,800,000円。

製造原価 = 1,800,000 + 500,000 = 2,300,000円。

問12 g03-12標準

同じ品目の原価でも、会社や製品のとらえ方によって直接費になったり間接費になったりすることがある。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。

ねじを製品別に数えて記録できる会社なら直接材料費です。

まとめて処理する会社なら間接材料費になります。

問題文の書き方でどちらかを判断してください。

問13 g03-13標準

次のアからオの原価のうち、間接費に分類されるものの組み合わせを1つ選びなさい。

  • ア 製品の本体に使う鋼材の消費額
  • イ 工場の機械を修理する修繕工の賃金
  • ウ 特定製品のために借りた金型の賃借料
  • エ 工場建物の減価償却費
  • オ 製品を組み立てた工員の賃金

解答と解説

正解

イ イとエ

解説

ア は直接材料費、ウ は直接経費、オ は直接労務費です。

イ は設備のための作業なので間接労務費です。

エ は工場全体の費用なので間接経費です。

よって間接費は イ と エ です。

問14 g03-14標準

製造間接費 840,000円を、直接作業時間を基準に配賦します。当月の直接作業時間の合計は 1,200時間でした。1時間あたりの配賦率を求めなさい。

答え
解答と解説

正解

700 円

解説

配賦率 = 製造間接費の合計 ÷ 配賦基準の合計 です。

840,000円 ÷ 1,200時間 = 700円。

検算します。700円 × 1,200時間 = 840,000円。

問15 g03-15標準

直課(賦課)できる原価として正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 製品Aだけに使った買入部品の代金

解説

直課できるのは直接費だけです。

製品Aだけに使った買入部品は直接材料費です。

他の3つは共通してかかる間接費なので配賦します。

問16 g03-16応用

製品Xと製品Yを製造しています。当月のデータは次のとおりです。

  • 直接材料費 製品X 420,000円/製品Y 280,000円
  • 直接労務費 製品X 330,000円/製品Y 270,000円
  • 直接作業時間 製品X 500時間/製品Y 250時間

製造間接費 600,000円を直接作業時間を基準に配賦します。製品Xの製造原価を求めなさい。

答え
解答と解説

正解

1,150,000 円

解説

配賦基準の合計 = 500時間 + 250時間 = 750時間。

配賦率 = 600,000円 ÷ 750時間 = 800円。

製品Xへの配賦額 = 800円 × 500時間 = 400,000円。

製品Xの製造原価 = 420,000 + 330,000 + 400,000 = 1,150,000円。

なお製品Yは 280,000 + 270,000 + 200,000 = 750,000円です。

合計 1,900,000円は資料の合計と一致します。

問17 g03-17応用

当月の原価データは次のとおりです。

  • 直接材料費 1,300,000円
  • 直接労務費 780,000円
  • 直接経費 170,000円
  • 間接材料費 120,000円
  • 間接労務費 380,000円
  • 間接経費 250,000円

製造原価に占める製造間接費の割合を求めなさい。

答えパーセント
解答と解説

正解

25 パーセント

解説

製造直接費 = 1,300,000 + 780,000 + 170,000 = 2,250,000円。

製造間接費 = 120,000 + 380,000 + 250,000 = 750,000円。

製造原価 = 2,250,000 + 750,000 = 3,000,000円。

750,000 ÷ 3,000,000 = 0.25 なので 25パーセントです。

問18 g03-18応用

製造間接費 900,000円を、機械運転時間を基準に製品Pと製品Qへ配賦します。機械運転時間は製品P 400時間、製品Q 200時間でした。製品Qへの配賦額として正しいものを選びなさい。

解答と解説

正解

イ 300,000円

解説

配賦基準の合計 = 400時間 + 200時間 = 600時間。

配賦率 = 900,000円 ÷ 600時間 = 1,500円。

製品Qへの配賦額 = 1,500円 × 200時間 = 300,000円。

製品Pは 1,500円 × 400時間 = 600,000円で、合計は 900,000円です。

第4章製造原価と販売費および一般管理費/2つの利益0 / 18

作るための原価と、売るため・管理するための原価を分け、売上総利益と営業利益を出す道すじをつかみます。

この章のゴール
  1. 製造原価・販売費・一般管理費の3つを見分けられる。
  2. 総原価 = 製造原価 + 販売費および一般管理費 の関係を説明できる。
  3. 売上総利益と営業利益を、損益計算書の階層に沿って計算できる。

1 会社がお金を使う場所は工場だけではない

第3章までは、工場の中で起きる原価を見てきました。

しかし会社は、作るだけでは1円も稼げません。

作った製品を売って、はじめて売上高になります。

売るためにも、お金がかかります。

さらに、会社全体を運営するためのお金も必要です。

そこで原価を、発生する場所と目的で3つに分けます。

図4-1 原価が発生する3つの場所
工場作るためのお金
製造原価
営業売るためのお金
販売費
本社管理するためのお金
一般管理費

2 製造原価とは

製造原価とは、製品を作るためにかかった原価です。

中身は、材料費・労務費・経費の合計です。

第3章の6区分は、すべてこの製造原価の中身でした。

目印は「工場で発生したかどうか」です。

  • 製品に使った材料の消費額
  • 工場で働く人の賃金や給料
  • 工場の電気代や建物の減価償却費

3 販売費とは

販売費とは、製品を売るためにかかった原価です。

製品が完成してから、お客様に届くまでの費用と考えてください。

  • 広告宣伝費…製品を知ってもらうための費用
  • 販売手数料…売れたときに代理店へ払う費用
  • 発送費…製品をお客様へ届ける運賃
  • 営業担当者の給料…売る仕事をする人の人件費

4 一般管理費とは

一般管理費とは、会社全体の管理のためにかかった原価です。

作るためでも売るためでもない、土台の費用です。

  • 本社事務員の給料…経理や総務の人件費
  • 役員報酬…会社を経営する人への報酬
  • 本社建物の減価償却費…本社の建物にかかる費用
  • 本社の水道光熱費や通信費

販売費と一般管理費は、まとめて販売費および一般管理費と呼びます。

短く販管費ということもあります。

POINT 3つの見分け方
  1. 工場で発生したか。YESなら製造原価。
  2. 売るための活動か。YESなら販売費。
  3. 会社全体の管理のためか。YESなら一般管理費。

まず「工場か、工場の外か」を見るのが最短ルートです。

5 総原価という考え方

3つをすべて合計した金額を総原価といいます。

総原価は、会社が本業でかけたコストの全体像です。

売上高から総原価を引いた残りが、本業のもうけです。

図4-2 原価の階層ボックス図(当月に作った製品がすべて売れた場合)
売上高 5,000,000円
総原価 4,200,000円営業利益
800,000円
製造原価 3,000,000円販売費および一般管理費
1,200,000円
同上
製造直接費
2,100,000円
製造間接費
900,000円
同上同上

下の段を足し上げると、上の段になります。

いちばん上の売上高から総原価を引いた残りが営業利益です。

ここは暗記

総原価 = 製造原価 + 販売費および一般管理費

売上高 = 総原価 + 営業利益

売上総利益 = 売上高 - 売上原価

営業利益 = 売上総利益 - 販売費および一般管理費

6 損益計算の階層をたどる

利益は一気には出しません。段をふんで求めます。

まず売上高から売上原価を引きます。

ここで出る利益が売上総利益です。

粗利(あらり)と呼ばれることもあります。

次に、売上総利益から販管費を引きます。

ここで出る利益が営業利益です。

営業利益は、本業でどれだけ稼いだかを示します。

図4-3 損益計算書のひな形(数値入り)
区分項目金額
1売上高5,000,000円
2売上原価(-)3,000,000円
3売上総利益(1 - 2)2,000,000円
4販売費および一般管理費(-)1,200,000円
5営業利益(3 - 4)800,000円

上から順に引き算するだけです。順番を守ってください。

注意 売上原価と製造原価はイコールではない

製造原価は「当月に作った製品」の原価です。

売上原価は「当月に売れた製品」の原価です。

作った製品がすべて売れれば、2つは同じ金額になります。

売れ残りがあれば、売上原価のほうが小さくなります。

在庫のあつかいは第11章と第12章で学びます。

7 製造原価と販管費では引かれ方がちがう

2つの原価は、利益計算での動き方がちがいます。

ここは試験でよく問われる急所です。

製造原価は製品にくっついて動く

製造原価は、いったん製品の原価として集計されます。

その製品が売れたときに、はじめて売上原価になります。

売れ残った製品の原価は、在庫として翌月へ持ちこされます。

つまり、売れるまで費用になりません。

販管費はその期間にまとめて引く

販売費と一般管理費は、製品にくっつきません。

その期間に発生した金額を、そのまま利益計算から引きます。

これを期間費用といいます。

製品が売れても売れなくても、引く金額は変わりません。

図4-4 製造原価と販管費の流れのちがい
製造原価

材料費・労務費・経費を集める。

製品の原価として集計する。

売れた分だけ売上原価になる。

売れ残りは在庫として残る。

販売費および一般管理費

広告費・営業給料・本社経費を集める。

製品には集計しない。

発生した期間の費用としてそのまま引く。

在庫として残ることはない。

POINT 一言でいうと

製造原価は製品の原価、販管費は期間の費用です。

製造原価は売れるまで待ちます。販管費は待ちません。

8 具体例で分類を体にしみこませる

試験では、具体例を3つに振り分ける問題が出ます。

次の早見表を、指でなぞりながら読んでください。

図4-5 製造原価か販管費か 早見表(24項目)
具体例分類ひとこと
製品に使う材料の消費額製造原価作るために消費した
工場の工員の賃金製造原価工場で加工する人の人件費
工場長の給料製造原価工場の中の管理者
工場建物の減価償却費製造原価工場の設備にかかる費用
工場の電気代・水道代製造原価製造活動のために使った
工場の機械の修繕費製造原価生産設備を保つ費用
工場建物の火災保険料製造原価契約の対象が工場
外注加工賃製造原価加工を外に出しただけ
製品の広告宣伝費販売費売るために知らせる
販売手数料販売費売れたときに払う
製品の発送費・出荷運賃販売費お客様へ届ける費用
営業担当者の給料販売費売る仕事の人件費
営業担当者の旅費交通費販売費販売活動のための移動
展示会の出展料販売費販売のための催し
製品倉庫の賃借料販売費完成後の保管費用
カタログの印刷費販売費販売促進のための資料
本社事務員の給料一般管理費会社全体を支える仕事
役員報酬一般管理費経営そのものの費用
本社建物の減価償却費一般管理費本社の設備にかかる費用
本社の水道光熱費一般管理費本社で使った分
経理部門の消耗品費一般管理費管理部門の事務用品
本社の通信費一般管理費会社全体の連絡費用
株主総会の開催費用一般管理費会社の運営に必要
本社にかかる固定資産税一般管理費本社の資産に対する税
注意 同じ名前でも場所で変わる

「減価償却費」という同じ名前の費用があります。

工場の建物なら製造原価、本社の建物なら一般管理費です。

「水道光熱費」も同じです。工場か本社かで分かれます。

「保険料」も、工場の火災保険なら製造原価です。

問題文の「工場の」「本社の」という言葉を必ず読んでください。

ここを読み飛ばすと、まとめて失点します。

例題1 3つに分けて総原価を出す

当月の原価データは次のとおりでした。

  • 材料費 900,000円
  • 工場の工員の賃金 700,000円
  • 工場の電気代 200,000円
  • 工場建物の減価償却費 300,000円
  • 製品の広告宣伝費 150,000円
  • 営業担当者の給料 250,000円
  • 本社事務員の給料 180,000円
  • 本社建物の減価償却費 120,000円

製造原価・販売費および一般管理費・総原価を求めなさい。

解き方の実況

  1. まず「工場の」とある項目を集める。材料費・工員の賃金・工場の電気代・工場建物の減価償却費。
  2. 製造原価 = 900,000 + 700,000 + 200,000 + 300,000 = 2,100,000円。
  3. 次に売るための費用を集める。広告宣伝費と営業担当者の給料。
  4. 販売費 = 150,000 + 250,000 = 400,000円。
  5. 残りは本社の費用。本社事務員の給料と本社建物の減価償却費。
  6. 一般管理費 = 180,000 + 120,000 = 300,000円。
  7. 販売費および一般管理費 = 400,000 + 300,000 = 700,000円。
  8. 総原価 = 2,100,000 + 700,000 = 2,800,000円。

答え 製造原価 2,100,000円/販管費 700,000円/総原価 2,800,000円

検算します。資料の8項目をすべて足すと 2,800,000円です。

総原価と一致したので、もれも重複もありません。

例題2 2つの利益を求める

当月の資料は次のとおりでした。

売上高4,800,000円
売上原価2,880,000円
販売費640,000円
一般管理費480,000円

売上総利益と営業利益を求めなさい。

解き方の実況

  1. 階層の1段目。売上高から売上原価を引く。
  2. 売上総利益 = 4,800,000 - 2,880,000 = 1,920,000円。
  3. 販管費をまとめる。販売費と一般管理費は合算して引く。
  4. 販売費および一般管理費 = 640,000 + 480,000 = 1,120,000円。
  5. 階層の2段目。売上総利益から販管費を引く。
  6. 営業利益 = 1,920,000 - 1,120,000 = 800,000円。

答え 売上総利益 1,920,000円/営業利益 800,000円

検算します。総原価 = 2,880,000 + 1,120,000 = 4,000,000円。

4,800,000 - 4,000,000 = 800,000円。営業利益と一致しました。

この章の要点3行
  1. 原価は工場の製造原価、売るための販売費、管理のための一般管理費に分かれる。
  2. 総原価 = 製造原価 + 販売費および一般管理費。売上高から引けば営業利益。
  3. 売上高 -売上原価 = 売上総利益、売上総利益 -販管費 = 営業利益の順で計算する。

章末演習(18問)

問1 g04-01基本

一般管理費の説明として正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 会社全体の管理のためにかかった原価

解説

一般管理費は、作るためでも売るためでもない費用です。

会社全体を運営するための土台の費用が該当します。

本社事務員の給料や役員報酬が代表例です。

問2 g04-02基本

販売費に分類されるものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 製品の発送費

解説

発送費は、完成した製品をお客様へ届ける費用です。

売るための活動なので販売費です。

工場長の給料と機械の減価償却費は製造原価です。

本社事務員の給料は一般管理費です。

問3 g04-03基本

総原価は、製造原価と販売費および一般管理費を合計したものである。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。

総原価 = 製造原価 + 販売費および一般管理費 です。

売上高から総原価を引いた残りが営業利益になります。

問4 g04-04基本

売上高 3,600,000円、売上原価 2,150,000円でした。売上総利益を求めなさい。

答え
解答と解説

正解

1,450,000 円

解説

売上総利益 = 売上高 - 売上原価 です。

3,600,000 - 2,150,000 = 1,450,000円。

問5 g04-05基本

売上総利益 1,450,000円、販売費および一般管理費 890,000円でした。営業利益を求めなさい。

答え
解答と解説

正解

560,000 円

解説

営業利益 = 売上総利益 - 販売費および一般管理費 です。

1,450,000 - 890,000 = 560,000円。

問6 g04-06基本

損益計算の順序として正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 売上高 -売上原価 = 売上総利益、売上総利益 -販売費および一般管理費 = 営業利益

解説

利益は2段階で求めます。

1段目は売上高から売上原価を引いて売上総利益。

2段目は売上総利益から販管費を引いて営業利益です。

問7 g04-07標準

次の当月データから製造原価を求めなさい。

  • 材料費 1,240,000円
  • 工場の工員の賃金 860,000円
  • 工場の水道光熱費 190,000円
  • 工場建物の減価償却費 310,000円
  • 営業担当者の給料 420,000円
  • 本社の通信費 80,000円

答え
解答と解説

正解

2,600,000 円

解説

工場で発生した項目だけを集めます。

1,240,000 + 860,000 + 190,000 + 310,000 = 2,600,000円。

営業担当者の給料は販売費、本社の通信費は一般管理費です。

この2つは製造原価に入れません。

問8 g04-08標準

次の当月データから販売費および一般管理費の合計を求めなさい。

  • 販売手数料 210,000円
  • 広告宣伝費 350,000円
  • 本社事務員の給料 480,000円
  • 役員報酬 600,000円
  • 工場の消耗品費 140,000円

答え
解答と解説

正解

1,640,000 円

解説

販売費は 210,000 + 350,000 = 560,000円。

一般管理費は 480,000 + 600,000 = 1,080,000円。

合計 = 560,000 + 1,080,000 = 1,640,000円。

工場の消耗品費 140,000円は製造原価なので除きます。

問9 g04-09標準

一般管理費に分類されるものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 本社建物の減価償却費

解説

本社建物は会社全体の管理のための資産です。

よってその減価償却費は一般管理費です。

展示会の出展料は販売費、他の2つは製造原価です。

問10 g04-10標準

製造原価 3,450,000円、販売費 780,000円、一般管理費 570,000円でした。総原価を求めなさい。

答え
解答と解説

正解

4,800,000 円

解説

販売費および一般管理費 = 780,000 + 570,000 = 1,350,000円。

総原価 = 3,450,000 + 1,350,000 = 4,800,000円。

問11 g04-11標準

販売費および一般管理費は、いったん製品の原価に集計されたあと、製品が売れたときに費用となる。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。それは製造原価の動き方です。

販管費は製品に集計しません。

発生した期間の費用として、そのまま引きます。

これを期間費用といいます。

問12 g04-12標準

当月の資料は次のとおりでした。営業利益を求めなさい。

  • 売上高 6,400,000円
  • 売上原価 3,840,000円
  • 販売費 950,000円
  • 一般管理費 610,000円

答え
解答と解説

正解

1,000,000 円

解説

売上総利益 = 6,400,000 - 3,840,000 = 2,560,000円。

販管費 = 950,000 + 610,000 = 1,560,000円。

営業利益 = 2,560,000 - 1,560,000 = 1,000,000円。

問13 g04-13標準

同じ減価償却費でも分類が変わる例として、正しい組み合わせを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 工場建物は製造原価、本社建物は一般管理費

解説

分類は費用の名前ではなく、発生した場所と目的で決まります。

工場の建物は製造のための資産なので製造原価です。

本社の建物は会社全体の管理のためなので一般管理費です。

問14 g04-14標準

当月の売上高は 7,200,000円、売上総利益は 2,160,000円でした。売上原価を求めなさい。

答え
解答と解説

正解

5,040,000 円

解説

売上総利益 = 売上高 - 売上原価 の式を組みかえます。

売上原価 = 売上高 - 売上総利益 です。

7,200,000 - 2,160,000 = 5,040,000円。

問15 g04-15標準

製造原価と販売費および一般管理費のあつかいのちがいとして、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 製造原価は製品に集計されて売れたときに売上原価となり、販売費および一般管理費はその期間の費用として引かれる

解説

製造原価は製品にくっついて動きます。

売れるまでは在庫として残り、費用になりません。

販管費は製品にくっつかず、期間の費用として引きます。

問16 g04-16応用

当月の資料は次のとおりでした。営業利益を求めなさい。

  • 当月の製造原価 2,800,000円(うち当月に売れた製品の原価は 2,240,000円)
  • 売上高 4,000,000円
  • 販売費 620,000円
  • 一般管理費 380,000円

答え
解答と解説

正解

760,000 円

解説

売上原価は、当月に売れた製品の原価 2,240,000円です。

製造原価 2,800,000円をそのまま引いてはいけません。

売上総利益 = 4,000,000 - 2,240,000 = 1,760,000円。

販管費 = 620,000 + 380,000 = 1,000,000円。

営業利益 = 1,760,000 - 1,000,000 = 760,000円。

差額の 560,000円は在庫として翌月へ持ちこされます。

問17 g04-17応用

当月の営業利益は 900,000円、販売費および一般管理費は 1,350,000円、売上高は 5,600,000円でした。売上原価を求めなさい。

答え
解答と解説

正解

3,350,000 円

解説

階層を下から逆にたどります。

売上総利益 = 営業利益 + 販管費 = 900,000 + 1,350,000 = 2,250,000円。

売上原価 = 売上高 - 売上総利益 = 5,600,000 - 2,250,000 = 3,350,000円。

検算します。5,600,000 - 3,350,000 = 2,250,000円。

2,250,000 - 1,350,000 = 900,000円で営業利益と一致します。

問18 g04-18応用

販売した製品についての総原価を売上高から引くと、営業利益が求められる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。

販売した製品の総原価 = 売上原価 + 販売費および一般管理費 です。

売上高からこれを引けば営業利益になります。

売上高 = 総原価 + 営業利益 という関係の言いかえです。

第5章部門・責任・責任者/製品とサービス0 / 16

原価を部門と責任者に結びつけて、サービス業でも同じ考え方で計算できることを学びます。

この章のゴール
  1. 会社が製造部門・販売部門・管理部門に分かれ、部門ごとに原価が集まる仕組みを説明できる。
  2. 管理可能原価と管理不能原価を見分け、原価を正しい責任者に結びつけられる。
  3. サービス業でも原価計算の考え方が同じであることを、原価構成の違いとあわせて説明できる。

1. 会社は部門に分かれている

会社は、仕事の中身ごとにいくつかの部門に分かれています。代表的なのは製造部門・販売部門・管理部門の3つです。製造部門は製品をつくり、販売部門は製品を売り、管理部門は会社全体を支えます。

原価は、それが発生した部門ごとに集計します。これを部門別の集計といいます。

なぜ部門ごとに集めるのか

会社全体の原価が 40,000,000円だと分かっても、それだけでは打つ手がありません。どの部門でいくら使ったかが見えて、はじめて改善の話ができます。

部門別に集計すると、次の3つが分かります。

  • どこで原価が多く発生しているか
  • 前月や予算と比べて、どこが増えたか
  • 誰に相談すれば、その原価を減らせるか
図5-1 部門と原価の対応
部門主な仕事そこで発生する原価の例損益計算書での位置
製造部門製品をつくる材料費、工員の賃金、機械の減価償却費製造原価
販売部門製品を売る営業担当者の給料、広告宣伝費、発送費販売費
管理部門会社全体を支える経理や総務の給料、本社の家賃一般管理費
STEP1
原価が発生する
STEP2
発生した部門に集める
STEP3
部門ごとに合計する
STEP4
責任者に見せる
POINT

部門別の集計は、原価を細かく分けること自体が目的ではありません。改善できる人のところへ数字を届けるための仕分けです。届け先が決まらない集計には意味がありません。

2. 原価には必ず責任者がいる

原価は勝手に発生するものではありません。必ず誰かの判断や行動の結果として発生します。その原価について責任を負う人を責任者といいます。

たとえば材料をどれだけ使うかは、製造部門長の指示で決まります。広告にいくらかけるかは、販売部門長が決めます。だからその原価は、それぞれの部門長の責任になります。

責任者が決まると改善が動き出す

「材料費が先月より 300,000円増えました」という報告だけでは、誰も動きません。「切削部門の材料費が 300,000円増えました」と言えば、切削部門長が原因を調べられます。

原価は、それを管理できる人に結びつけて、はじめて改善につながります。これが部門別に集計するいちばんの理由です。

3. 管理可能原価と管理不能原価

ある責任者にとって、自分でその金額を左右できる原価を管理可能原価といいます。反対に、自分では左右できない原価を管理不能原価といいます。

見分け方はひとつだけです。その人が金額を動かせるかどうかで決めます。

管理可能原価
その責任者が金額を動かせる
例:材料の使用量、残業時間、消耗品の購入
評価と改善の対象になる
管理不能原価
その責任者では金額を動かせない
例:建物の減価償却費、本社が決めた保険料
その人の評価からは外す
図5-2 製造部門長から見た管理可能と管理不能
部門で発生した原価金額を決めているのは誰か製造部門長にとって
材料の消費量に応じた材料費製造部門長(使う量を決める)管理可能
部門の従業員の残業手当製造部門長(残業を指示する)管理可能
部門で使う消耗品費製造部門長(買う量を決める)管理可能
工場建物の減価償却費社長(設備投資を決めた)管理不能
本社が一括契約した火災保険料本社(契約内容を決めた)管理不能
注意

管理可能かどうかは、誰にとってかをセットで考えます。工場建物の減価償却費は、製造部門長には管理不能です。しかし設備投資を決めた社長にとっては管理可能です。立場が変われば分類も変わります。「この原価は管理可能ですか」という問いだけでは答えが決まりません。

例題5-1

ある工場の当月の原価は次のとおりでした。組立部門の部門原価合計と、工場全体に占める切削部門の割合を求めなさい。

部門材料費労務費経費
切削部門1,200,000円800,000円400,000円
組立部門400,000円1,000,000円200,000円

解き方

  1. 切削部門の合計を出します。1,200,000円 + 800,000円 + 400,000円 = 2,400,000円。
  2. 組立部門の合計を出します。400,000円 + 1,000,000円 + 200,000円 = 1,600,000円
  3. 工場全体を出します。2,400,000円 + 1,600,000円 = 4,000,000円。
  4. 切削部門の割合を出します。2,400,000円 ÷ 4,000,000円 = 0.6 なので 60パーセント

切削部門だけで工場全体の 60パーセントを使っています。改善の相談相手は、まず切削部門長です。

例題5-2

製造部門長の当月の部門原価は次のとおりです。製造部門長にとっての管理可能原価の合計と、部門原価に占めるその割合を求めなさい。

内容金額
材料の消費量に応じた材料費900,000円
部門の従業員の残業手当150,000円
部門で使う消耗品費90,000円
工場建物の減価償却費(本社が決めた設備投資)300,000円
本社が一括契約した火災保険料60,000円

解き方

  1. 金額を動かせるものを選びます。材料費・残業手当・消耗品費の3つです。
  2. 管理可能原価を合計します。900,000円 + 150,000円 + 90,000円 = 1,140,000円
  3. 管理不能原価を合計します。300,000円 + 60,000円 = 360,000円。
  4. 部門原価の合計を出します。1,140,000円 + 360,000円 = 1,500,000円。
  5. 割合を出します。1,140,000円 ÷ 1,500,000円 = 0.76 なので 76パーセント

部門長の努力で動かせるのは 76パーセントです。残りの 24パーセントで部門長を評価してはいけません。

4. 製品とサービス

原価計算は工場だけのものではありません。飲食店、運送会社、美容室、学習塾のようなサービス業でも、まったく同じ考え方で計算できます。

製品には形がありますが、サービスには形がありません。それでも、目的のために活動し、資源を消費している点は同じです。消費した資源を金額で測れば、それがサービスの原価です。

サービス業の原価の特徴

サービス業には、次の3つの特徴があります。

  • 労務費の比重が高い。サービスは人の働きそのものだからです。
  • 材料費が小さい。形のあるものをつくらないので、材料をあまり使いません。
  • 在庫がほとんど残らない。提供と同時に消費されてしまうためです。

ただし飲食店のように、食材という材料費が大きい業種もあります。比重は業種ごとに違います。

図5-3 製造業とサービス業の原価構成の比較
費目部品メーカー(製造業)割合学習塾(サービス業)割合
材料費5,400,000円54パーセント500,000円10パーセント
労務費2,600,000円26パーセント3,000,000円60パーセント
経費2,000,000円20パーセント1,500,000円30パーセント
合計10,000,000円100パーセント5,000,000円100パーセント

部品メーカーでは材料費が半分を超えます。学習塾では労務費が 60パーセントを占めます。同じ3分類を使っていても、中身の重さがまるで違うことが分かります。

POINT

原価を減らしたいなら、いちばん比重の大きい費目から手をつけます。部品メーカーなら材料費、学習塾なら労務費です。小さい費目をいくら削っても、全体はほとんど変わりません。

5. 原価計算の目的は4つに広がる

原価計算は「製品1個の原価を知る」だけの作業ではありません。計算した原価は、次の4つの場面で使われます。

目的やること使う場面の例
価格決定原価に利益を上乗せして売価を決める新製品の値段を決めるとき
原価管理部門ごとに原価を追い、ムダを減らす材料費が増えた原因を探すとき
予算編成来期に発生する原価を見積もる来年度の計画をつくるとき
意思決定複数の案の原価を比べて選ぶ自社でつくるか外注するか決めるとき
暗記

原価計算の目的は「価格・管理・予算・意思決定」の4つ。頭文字をつなげてカカヨイと覚えます。どれも「これから何をするか」を決めるために原価を使う、という点で共通しています。

この章の要点3行
  1. 原価は発生した部門ごとに集計し、その原価を動かせる責任者に結びつける。
  2. 管理可能原価と管理不能原価の境目は「その人が金額を動かせるか」。立場が変われば分類も変わる。
  3. サービス業でも原価計算の考え方は同じで、労務費の比重が高くなりやすい。

章末演習(16問)

問1 g05-01基本

原価を部門ごとに集計する主な理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ どこで原価が多く発生し、誰が改善できるかを明らかにするため

解説

会社全体の合計だけでは打つ手が決まりません。部門別に集計してはじめて、どこにムダがあるか、誰に相談すればよいかが見えます。集計は数字を細かく分けること自体が目的ではなく、改善できる人に数字を届けるための仕分けです。

問2 g05-02基本

管理可能原価の説明として、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ その責任者が自分の判断で金額を左右できる原価のこと

解説

管理可能原価とは、その責任者が自分の判断で金額を動かせる原価です。金額の大きさや変動の有無は関係ありません。判断の基準は「その人が金額を左右できるかどうか」の一点だけです。

問3 g05-03基本

次のうち、製造部門で発生する原価にあたるものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 製品を組み立てる工員の賃金

解説

製品を組み立てる工員の賃金は、製品をつくる活動から生じるので製造部門の原価です。営業担当者の給料と広告宣伝費は販売部門、本社経理部の給料は管理部門で発生します。

問4 g05-04基本

サービス業の原価計算についての説明として、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 形がなくても、資源を消費している点は同じなので原価計算ができる

解説

サービスには形がありませんが、目的のために活動し資源を消費している点は製造業と同じです。消費した資源を金額で測れば、それがサービスの原価になります。飲食店の食材のように、材料費が大きいサービス業もあります。

問5 g05-05基本

原価計算の目的は、製品1個あたりの原価を計算することだけである。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。原価計算の目的は、価格決定・原価管理・予算編成・意思決定の4つに広がっています。製品1個の原価を知ることは、その4つの目的に使うための入口にすぎません。

問6 g05-06基本

原価を部門別に集計すると、どの部門で原価が多く発生しているかが分かる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。部門別に集計すれば、原価の多い部門、前月より増えた部門がひと目で分かります。そこから改善の相談相手である責任者が決まります。

問7 g05-07標準

製造部門長にとって管理不能原価にあたるものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 社長が決めた設備投資による工場建物の減価償却費

解説

工場建物の減価償却費は、社長が設備投資を決めた時点で金額が決まっています。製造部門長がどれだけ努力しても動かせないので管理不能原価です。消耗品費・残業手当・材料費は、部門長の判断で量を変えられるので管理可能原価です。

問8 g05-08標準

原価を責任者に結びつける理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 原価を動かせる人に数字を届け、改善につなげるため

解説

原価は、それを管理できる人に結びついてはじめて改善につながります。「材料費が増えた」ではなく「切削部門の材料費が増えた」と言えれば、切削部門長が原因を調べて手を打てます。責任者に金額を負担させるための仕組みではありません。

問9 g05-09標準

学習塾の原価のうち、ふつう最も比重が大きくなる費目を1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 労務費

解説

学習塾のサービスは講師の働きそのものです。そのため講師や事務スタッフの人件費、つまり労務費の比重が高くなります。教材の紙代などの材料費は相対的に小さくなります。

問10 g05-10標準

原価計算の目的のうち、来年度の計画をつくるために原価を見積もる場面はどれか。1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 予算編成

解説

来期に発生する原価を見積もり、計画の数字をつくる作業が予算編成です。価格決定は売価を決める場面、原価管理はムダを減らす場面、意思決定は複数の案を比べる場面で使います。

問11 g05-11標準

管理不能原価は、その責任者の業績評価からは外して考えるのが原則である。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。自分では金額を動かせない原価で評価されると、責任者は努力のしようがありません。評価の対象にするのは管理可能原価だけにするのが原則です。

問12 g05-12標準

サービス業は在庫がほとんど残らないため、原価計算を行う必要がない。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。在庫が残らないことと、原価計算が要るかどうかは別の話です。サービス業でも価格を決め、ムダを減らし、予算をつくる必要があります。そのためには消費した資源を金額で測らなければなりません。

問13 g05-13標準

ある工場の当月の原価は次のとおりであった。組立部門の部門原価合計はいくらか。

部門材料費労務費経費
切削部門1,450,000円720,000円330,000円
組立部門480,000円1,150,000円270,000円

答え
解答と解説

正解

1,900,000 円

解説

部門原価合計は、その部門で発生した材料費・労務費・経費を足すだけです。480,000円 + 1,150,000円 + 270,000円 = 1,900,000円。切削部門の数字はここでは使いません。聞かれた部門の行だけを横に足します。

問14 g05-14応用

工場建物の減価償却費について、管理可能か管理不能かを考えるときの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 製造部門長には管理不能だが、設備投資を決めた社長には管理可能である

解説

管理可能かどうかは「誰にとってか」で決まります。製造部門長は建物の取得を決めていないので管理不能です。しかし設備投資を決めた社長にとっては、自分の判断で左右した原価なので管理可能です。金額の大小や変動の有無は判断の材料になりません。

問15 g05-15応用

製造部門の当月の原価は次のとおりであった。製造部門長にとっての管理可能原価の合計はいくらか。

内容金額
部門で消費した材料費(使用量は部門長が決める)2,340,000円
部門の従業員の残業手当(部門長が残業を指示)260,000円
部門で使う消耗品費(部門長が購入量を決める)175,000円
工場建物の減価償却費(本社が設備投資を決定)640,000円
本社が一括契約した火災保険料85,000円

答え
解答と解説

正解

2,775,000 円

解説

まず部門長が金額を動かせるものを選びます。材料費・残業手当・消耗品費の3つです。2,340,000円 + 260,000円 + 175,000円 = 2,775,000円。減価償却費 640,000円と火災保険料 85,000円は本社が決めたもので、部門長には動かせないため管理不能原価です。部門原価の合計 3,500,000円と取り違えないよう注意します。

問16 g05-16応用

ある運送会社の当月の原価は次のとおりであった。原価合計に占める労務費の割合は何パーセントか。

内容金額
燃料費(材料費)960,000円
ドライバーの給料(労務費)3,360,000円
車両の減価償却費(経費)720,000円
車庫の家賃(経費)360,000円
その他の経費600,000円

答えパーセント
解答と解説

正解

56 パーセント

解説

まず原価合計を出します。960,000円 + 3,360,000円 + 720,000円 + 360,000円 + 600,000円 = 6,000,000円。次に労務費の割合を出します。3,360,000円 ÷ 6,000,000円 = 0.56 なので 56パーセントです。運送業はサービス業なので労務費の比重が高くなります。原価を下げたいなら、まず労務費の使い方から見直します。

第6章変動費と固定費0 / 18

原価を動き方で2つに分け、生産量が変われば1個あたりの原価がどう変わるかをつかみます。

この章のゴール
  1. 変動費と固定費を、原価の動き方で見分けられる。
  2. 変動費率を「変動費 ÷ 売上高」で計算し、売上高から変動費を求められる。
  3. 固定費は総額では一定でも、1個あたりでは生産量が増えるほど下がることを説明できる。

1. 原価は動き方で2つに分けられる

第2章までは、原価を材料費・労務費・経費というで分けてきました。この章では、まったく別の分け方をします。売上高や生産量が変わったときの動き方で分ける方法です。

動き方で分けると、原価は次の2つになります。

変動費
売上高や生産量に比例して増減する原価
例:材料費、外注加工賃、販売手数料
つくらなければ発生しない
固定費
売上高や生産量が変わっても総額が変わらない原価
例:家賃、正社員の給料、減価償却費
つくらなくても発生する

変動費とは

変動費は、売上高や生産量に比例して増減する原価です。製品を 2倍つくれば材料費も 2倍になります。1個もつくらなければ、材料費は発生しません。

代表例は、材料費、外注加工賃、販売手数料、出来高払いの賃金です。

固定費とは

固定費は、売上高や生産量が変わっても総額が変わらない原価です。工場を1か月使えば、生産量がゼロでも家賃は満額かかります。

代表例は、家賃、正社員の給料、減価償却費、火災保険料です。

暗記

見分け方はこの一言です。「つくらなければ発生しないのが変動費、つくらなくても発生するのが固定費」。迷ったら「生産量をゼロにしたら、この原価は消えるか」と自問します。消えるなら変動費、残るなら固定費です。

2. 変動費率

変動費が売上高のうちどれだけを占めるかを表す割合を変動費率といいます。

変動費率 = 変動費 ÷ 売上高

これは、売上高 1円あたりに何円の変動費がかかるかを表した数字です。売上高 5,000,000円で変動費が 2,000,000円だったとします。2,000,000円 ÷ 5,000,000円 = 0.4 なので、変動費率は 40パーセントです。

変動費率が分かれば変動費が出せる

式を逆に使えば、売上高から変動費を求められます。

変動費 = 売上高 × 変動費率

変動費率 40パーセントの会社で、売上高が 7,000,000円だったとします。7,000,000円 × 0.4 = 2,800,000円が変動費です。

POINT

変動費率は売上高が変わっても一定です。変動費は売上高に比例して増えるので、割り算をすると同じ数字に戻るからです。試験では「売上高が増えると変動費率はどうなるか」と問われます。答えは変化しないです。

図6-1 売上高が変わったときの原価と利益(変動費率 60パーセント・固定費 600,000円)
項目売上高が少ない月ふつうの月売上高が多い月
売上高2,000,000円3,000,000円4,000,000円
変動費1,200,000円1,800,000円2,400,000円
固定費600,000円600,000円600,000円
総原価1,800,000円2,400,000円3,000,000円
利益200,000円600,000円1,000,000円
変動費率60パーセント60パーセント60パーセント

変動費の行は売上高と同じ倍率で伸びています。固定費の行は 600,000円のまま動きません。この2本の動きの違いが、次章以降のすべての土台になります。

3. 固定費は1個あたりで見ると下がる

ここがこの章でいちばん大切なところです。固定費は総額では一定です。しかし1個あたりで見ると、生産量が増えるほど下がります

理由は単純です。同じ金額を、より多くの個数で割るからです。固定費 1,200,000円を 1,000個で割れば 1,200円ですが、6,000個で割れば 200円になります。

変動費はその逆です。総額は生産量に比例して増えますが、1個あたりでは変わりません

図6-2 生産量と1個あたり原価の関係(1個あたり変動費 400円・固定費総額 1,200,000円)
生産量変動費総額固定費総額総原価1個あたり変動費1個あたり固定費1個あたり総原価
1,000個400,000円1,200,000円1,600,000円400円1,200円1,600円
2,000個800,000円1,200,000円2,000,000円400円600円1,000円
3,000個1,200,000円1,200,000円2,400,000円400円400円800円
4,000個1,600,000円1,200,000円2,800,000円400円300円700円
6,000個2,400,000円1,200,000円3,600,000円400円200円600円
図6-3 総額で見るか1個あたりで見るかの逆転
生産量が増えたとき変動費固定費
総額で見ると増える変わらない
1個あたりで見ると変わらない下がる
注意

「変動費は変動する、固定費は固定している」と丸暗記すると、必ずここで間違えます。その言い方が通じるのは総額で見たときだけです。1個あたりで見ると、変わらないのは変動費で、変動するのは固定費です。問題文が「総額」を聞いているのか「1個あたり」を聞いているのかを、毎回必ず確かめてください。

例題6-1

当月の売上高は 5,000,000円であった。原価の内訳は次のとおりである。変動費合計、固定費合計、変動費率を求めなさい。

費目金額区分
材料費1,500,000円変動費
外注加工賃500,000円変動費
販売手数料250,000円変動費
工場の家賃600,000円固定費
正社員の給料1,200,000円固定費
機械の減価償却費400,000円固定費

解き方

  1. 変動費の行だけを足します。1,500,000円 + 500,000円 + 250,000円 = 2,250,000円
  2. 固定費の行だけを足します。600,000円 + 1,200,000円 + 400,000円 = 2,200,000円
  3. 念のため総原価を確かめます。2,250,000円 + 2,200,000円 = 4,450,000円。
  4. 変動費率を出します。2,250,000円 ÷ 5,000,000円 = 0.45 なので 45パーセント

区分は問題文に書いてあります。自分で判断する必要はありません。書かれた区分どおりに縦に足すだけです。

例題6-2

ある製品の1個あたり変動費は 600円、固定費の総額は 900,000円である。生産量が 1,500個のときと 3,000個のときの、1個あたりの総原価をそれぞれ求めなさい。

解き方(生産量 1,500個)

  1. 変動費総額を出します。600円 × 1,500個 = 900,000円。
  2. 固定費を足して総原価を出します。900,000円 + 900,000円 = 1,800,000円。
  3. 生産量で割ります。1,800,000円 ÷ 1,500個 = 1,200円

解き方(生産量 3,000個)

  1. 変動費総額を出します。600円 × 3,000個 = 1,800,000円。
  2. 固定費を足して総原価を出します。1,800,000円 + 900,000円 = 2,700,000円。
  3. 生産量で割ります。2,700,000円 ÷ 3,000個 = 900円

1個あたり変動費は 600円のまま動きません。動いたのは1個あたり固定費で、600円から 300円に下がりました。その差 300円が、そのまま1個あたり総原価の差になっています。

4. これは変動費か固定費か

試験では、費目の名前を見て変動費か固定費かを判断させる問題が出ます。次の早見表を、そのまま覚えてください。

図6-4 変動費と固定費の早見表
費目区分理由
製品の材料費変動費つくる数だけ材料を使う
外注加工賃変動費加工した数だけ支払う
販売手数料(売上高に応じて支払う)変動費売れた分だけ支払う
製品1個いくらで支払う発送費変動費送った数だけ支払う
出来高払いの賃金変動費つくった数で賃金が決まる
商品の仕入原価変動費売る数だけ仕入れる
製品の包装材料費変動費包む数だけ材料を使う
機械の稼働に応じて増える電力料変動費動かした分だけ電気を使う
工場や店舗の家賃固定費使っても使わなくても同額
正社員の給料(月給制)固定費生産量と関係なく毎月同額
機械や建物の減価償却費固定費取得価額から毎期同額を計上する
火災保険料固定費契約で年額が決まっている
固定資産税固定費資産の価額で決まる
借入金の支払利息固定費借入残高と利率で決まる
通信費の基本料金固定費使わなくても毎月同額
水道光熱費の基本料金固定費使わなくても毎月同額
年間額を先に決めた広告宣伝費固定費売上高と関係なく支出する
役員報酬固定費生産量と関係なく毎月同額

電力料のように両方の性質をもつ原価

電力料には、使わなくてもかかる基本料金と、使った分だけ増える従量料金があります。このように両方の性質をもつ原価を準変動費といいます。

また、生産量がある水準を超えると段階的に増える原価を準固定費といいます。

ただし原価計算初級では、この2つに深入りする必要はありません。試験では、変動費と固定費のどちらかに割り振られた形で出題されます。2分法で十分です。

5. 費用の分解は問題文にしたがう

実務では、混ざった原価を変動費と固定費に分ける作業が必要になります。これを費用の分解といいます。

分解のやり方にはいくつか方法がありますが、原価計算初級では計算方法そのものは問われません。問題文で与えられた区分を、そのまま使えば正解になります

POINT

資料に「変動費」「固定費」と書いてあれば、自分で判断し直してはいけません。問題文の区分が絶対です。実務の感覚で「これは固定費のはずだ」と直すと、その場で不正解になります。読んだとおりに縦に足す、それだけです。

この章の要点3行
  1. 変動費は売上高や生産量に比例して増減し、固定費は総額が変わらない。
  2. 変動費率 = 変動費 ÷ 売上高。売上高が変わっても変動費率は一定である。
  3. 1個あたりで見ると、変動費は一定のままで、固定費は生産量が増えるほど下がる。

章末演習(18問)

問1 g06-01基本

変動費率が 40パーセントの会社である。当月の売上高が 3,500,000円であったとき、当月の変動費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,400,000 円

解説

変動費 = 売上高 × 変動費率 で求めます。3,500,000円 × 0.4 = 1,400,000円。変動費率はパーセントのままでは掛けられません。40パーセントを 0.4 に直してから掛けます。

問2 g06-02基本

ある製品の1個あたり変動費は 250円である。当月に 4,000個を生産したとき、変動費の総額はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,000,000 円

解説

変動費の総額 = 1個あたり変動費 × 生産量 です。250円 × 4,000個 = 1,000,000円。1個あたり変動費は生産量が変わっても 250円のまま動きません。だから単純な掛け算で総額が出せます。

問3 g06-03基本

当月の固定費の総額は 840,000円であった。翌月の生産量が当月の 2倍になったとき、翌月の固定費の総額はいくらか。

答え
解答と解説

正解

840,000 円

解説

固定費は、生産量が変わっても総額が変わりません。生産量が 2倍になっても 840,000円のままです。1,680,000円としないよう注意します。変わるのは1個あたりの固定費のほうで、こちらは半分に下がります。

問4 g06-04基本

変動費の説明として、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 売上高や生産量に比例して増減する原価のこと

解説

変動費は、売上高や生産量に比例して増減する原価です。ただ金額が毎月ばらつくだけの原価は変動費ではありません。売上高や生産量という基準に連動して動くかどうかが判断のポイントです。

問5 g06-05基本

次のうち、固定費にあたるものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 工場建物の減価償却費

解説

工場建物の減価償却費は、生産量がゼロでも毎期同額が発生します。したがって固定費です。材料費・外注加工賃・販売手数料は、つくった数や売れた数に比例して増減するので変動費です。

問6 g06-06基本

固定費は、生産量が増えると総額も増える。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。固定費は生産量が変わっても総額が変わりません。増えるのは変動費の総額のほうです。なお1個あたりで見ると、固定費は生産量が増えるほど下がります。

問7 g06-07標準

当月の売上高は 6,000,000円、変動費は 2,400,000円であった。変動費率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

40 パーセント

解説

変動費率 = 変動費 ÷ 売上高 です。2,400,000円 ÷ 6,000,000円 = 0.4 なので 40パーセントです。割る順番を逆にしないよう注意します。分母は必ず売上高です。

問8 g06-08標準

変動費率が 55パーセント、固定費が 2,100,000円の会社である。当月の売上高が 8,000,000円であったとき、当月の総原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

6,500,000 円

解説

まず変動費を出します。8,000,000円 × 0.55 = 4,400,000円。次に固定費を足します。4,400,000円 + 2,100,000円 = 6,500,000円。総原価は変動費と固定費の合計です。固定費は売上高が変わっても 2,100,000円のまま動きません。

問9 g06-09標準

固定費の総額は 1,800,000円である。当月の生産量が 3,000個であったとき、製品1個あたりの固定費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

600 円

解説

1個あたり固定費 = 固定費総額 ÷ 生産量 です。1,800,000円 ÷ 3,000個 = 600円。固定費の総額は一定でも、生産量で割れば1個あたりの金額が出ます。

問10 g06-10標準

前問と同じ会社である。固定費の総額 1,800,000円は変わらないまま、生産量が 4,500個に増えた。このときの製品1個あたりの固定費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

400 円

解説

1,800,000円 ÷ 4,500個 = 400円です。総額は 1,800,000円のまま変わっていませんが、割る個数が増えたので1個あたりは 600円から 400円に下がりました。これが、生産量を増やすと1個あたりの原価が下がる仕組みです。

問11 g06-11標準

当月の原価の内訳は次のとおりであった。変動費の合計はいくらか。

費目金額区分
材料費1,260,000円変動費
外注加工賃340,000円変動費
販売手数料200,000円変動費
工場の支払家賃480,000円固定費
正社員の給料1,500,000円固定費
機械の減価償却費320,000円固定費

答え
解答と解説

正解

1,800,000 円

解説

区分の欄が変動費になっている行だけを足します。1,260,000円 + 340,000円 + 200,000円 = 1,800,000円。区分は問題文が与えているので、自分で判断し直してはいけません。ちなみに固定費の合計は 480,000円 + 1,500,000円 + 320,000円 = 2,300,000円で、総原価は 4,100,000円になります。

問12 g06-12標準

変動費率を求める式として、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ア 変動費 ÷ 売上高

解説

変動費率 = 変動費 ÷ 売上高 です。売上高 1円あたりに何円の変動費がかかるかを表します。分母が売上高であることを間違えると、以降のCVP分析がすべて狂います。

問13 g06-13標準

生産量が増えたときの固定費の動きについて、正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 総額は変わらず、1個あたりは下がる

解説

固定費の総額は生産量が変わっても一定です。しかし同じ金額をより多くの個数で割るので、1個あたりでは下がります。総額は増えるが1個あたりは変わらない、という動きをするのは変動費のほうです。

問14 g06-14標準

変動費は、1個あたりで見ると生産量が増えても金額は変わらない。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。変動費は生産量に比例して総額が増えるので、生産量で割り戻すと1個あたりは同じ金額に戻ります。1個あたり変動費 400円なら、1,000個でも 6,000個でも 400円のままです。

問15 g06-15標準

売上高が増えると、変動費率は下がる。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。変動費は売上高に比例して増えるので、変動費 ÷ 売上高 の答えは同じ数字になります。したがって変動費率は変化しません。売上高が増えて下がるのは、売上高1円あたりの固定費のほうです。

問16 g06-16応用

変動費率が 65パーセント、固定費が 3,000,000円の会社である。当月の売上高が 12,000,000円であったとき、当月の総原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

10,800,000 円

解説

まず変動費を出します。12,000,000円 × 0.65 = 7,800,000円。次に固定費を足します。7,800,000円 + 3,000,000円 = 10,800,000円。売上高 12,000,000円から総原価 10,800,000円を引けば、利益 1,200,000円が求まります。この形が次章の貢献利益と営業利益につながります。

問17 g06-17応用

ある製品の1個あたり変動費は 720円、固定費の総額は 2,400,000円である。当月に 4,000個を生産したとき、製品1個あたりの総原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,320 円

解説

1個あたり固定費を出します。2,400,000円 ÷ 4,000個 = 600円。これに1個あたり変動費を足します。720円 + 600円 = 1,320円。総額から計算しても同じです。変動費総額 720円 × 4,000個 = 2,880,000円、総原価 2,880,000円 + 2,400,000円 = 5,280,000円、5,280,000円 ÷ 4,000個 = 1,320円。

問18 g06-18応用

生産量を増やすと製品1個あたりの総原価が下がる。その理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ウ 固定費の総額は一定のまま、より多くの個数で割ることになるから

解説

1個あたり変動費は生産量が変わっても一定です。固定費の総額も減りません。下がるのは1個あたりの固定費で、同じ総額をより多くの個数で割るからです。その分だけ1個あたりの総原価が下がります。

第7章貢献利益と営業利益0 / 18

売上高から変動費を引いた貢献利益をつかまえ、そこから固定費を引いて営業利益を出す2段階の計算を身につけます。

この章のゴール
  • 貢献利益=売上高-変動費、営業利益=貢献利益-固定費という2段階の計算ができる
  • 変動損益計算書の形を覚え、貢献利益率と変動費率を計算して使い分けられる
  • 売上高が増えたとき営業利益がいくら増えるかを、貢献利益率で求められる

1 利益は2段階で計算する

第6章で、原価を変動費と固定費に分けました。この分け方を使うと、利益を2段階で計算できます。

まず売上高から変動費だけを引きます。ここで出てくる金額が貢献利益です。次にその貢献利益から固定費を引きます。残った金額が営業利益です。

一度に全部の原価を引かないところがポイントです。変動費と固定費では、売上高が増えたときの動き方がまったく違うからです。

図7-1 利益は2段階で計算する
STEP1 売上高
製品を売って
入ってきた金額
STEP2 変動費を引く
売上高-変動費
貢献利益
STEP3 固定費を引く
貢献利益-固定費
営業利益

1-1 貢献利益とは何か

貢献利益とは、売上高から変動費を差し引いた金額です。式で書くと次のとおりです。

貢献利益 = 売上高 - 変動費

変動費は、製品を1個売るたびに必ず出ていくお金です。材料費や外注加工費がその代表です。売上高からこの分を先に返しておく、というイメージで考えてください。

残った金額は自由に使えます。まず固定費の支払いにあて、それでも余ればそれが利益になります。

1-2 なぜ「貢献」という名前なのか

貢献利益という名前は、この金額が固定費の回収と利益の獲得に貢献することから来ています。

固定費は、売れても売れなくても毎月同じ額だけ発生します。工場の家賃や機械の減価償却費がそうです。この固定費をまかなうお金は、貢献利益からしか出てきません。

つまり貢献利益は「固定費を回収するための原資」です。固定費を回収しきってなお余った分が、そのまま営業利益になります。

POINT

貢献利益は売上高-変動費です。固定費は引きません。固定費を引くのは次の段階で、そこで出てくるのが営業利益です。1段階目と2段階目を混ぜないでください。

2 変動損益計算書の形を覚える

いまの2段階の計算をそのまま表の形にしたものを変動損益計算書といいます。試験でも実務でも、この形が土台になります。

並べる順番は、上から 売上高、変動費、貢献利益、固定費、営業利益 の5行です。この順番は固定です。

図7-2 変動損益計算書のひな形(製品Aを 1,000個 販売したとき)
区分金額計算のしかた
売上高2,000,000販売単価 2,000円 × 1,000個
変動費1,200,0001個あたり変動費 1,200円 × 1,000個
貢献利益800,000売上高 - 変動費
固定費600,000販売量に関係なく毎月一定
営業利益200,000貢献利益 - 固定費

売上高 2,000,000円 - 変動費 1,200,000円 = 貢献利益 800,000円。貢献利益 800,000円 - 固定費 600,000円 = 営業利益 200,000円です。

暗記

変動損益計算書は上から 売上高/変動費/貢献利益/固定費/営業利益 の5行。この順番を口に出して覚えてください。問題文の数字をこの5行に並べるだけで、たいていの計算問題は解けます。

2-1 いつもの損益計算書との違い

第4章で学んだ損益計算書は、売上高から売上原価を引いて売上総利益を出しました。そのあと販売費および一般管理費を引いて営業利益を出します。

変動損益計算書は、この途中の区切り方を変えたものです。区切り方が変わるだけで、いちばん下の営業利益は同じ金額になります。

いつもの損益計算書

売上高 - 売上原価 = 売上総利益
売上総利益 - 販売費および一般管理費 = 営業利益

原価を製造と販売で分けています。

変動損益計算書

売上高 - 変動費 = 貢献利益
貢献利益 - 固定費 = 営業利益

原価を変動と固定で分けています。

注意

貢献利益と売上総利益はまったく別のものです。貢献利益は売上高-変動費売上総利益は売上高-売上原価。引く相手が違います。名前が似ているからと同じ扱いにしないでください。

3 貢献利益率と変動費率

金額のままでは、規模の違う製品どうしを比べられません。そこで売上高に対する割合で見ます。

貢献利益率は、売上高のうち貢献利益が占める割合です。

貢献利益率 = 貢献利益 ÷ 売上高

先ほどの製品Aなら、800,000円 ÷ 2,000,000円 = 0.4、つまり 40パーセントです。売上高の 40パーセントが手元に残る、という意味になります。

3-1 変動費率との合計は必ず1になる

第6章で学んだ変動費率は、変動費 ÷ 売上高でした。製品Aなら 1,200,000円 ÷ 2,000,000円 = 0.6、60パーセントです。

売上高は変動費と貢献利益に分かれるだけです。だから2つの率を足すと必ず1、つまり 100パーセントになります。

図7-3 売上高は変動費と貢献利益に分かれる(製品A)
区分金額売上高に対する割合
売上高2,000,000100パーセント
うち 変動費1,200,00060パーセント(変動費率)
うち 貢献利益800,00040パーセント(貢献利益率)

60パーセント + 40パーセント = 100パーセント。片方が分かればもう片方は引き算で出ます。

暗記

変動費率 + 貢献利益率 = 1(100パーセント)。変動費率が 70パーセントなら貢献利益率は 30パーセント。問題文が変動費率しか教えてくれなくても、これで貢献利益率が作れます。

4 1個あたりで考える(単位貢献利益)

貢献利益は、製品1個あたりでも計算できます。これを単位貢献利益、または1個あたり貢献利益といいます。

単位貢献利益 = 販売単価 - 1個あたり変動費

製品Aなら 2,000円 - 1,200円 = 800円です。1個売るたびに 800円ずつ、固定費を回収する力が積み上がります。

販売量を掛ければ全体の貢献利益になります。800円 × 1,000個 = 800,000円。図7-2と一致します。

POINT

貢献利益率は単位貢献利益 ÷ 販売単価でも計算できます。製品Aなら 800円 ÷ 2,000円 = 0.4 で 40パーセント。総額で計算しても1個あたりで計算しても、率は同じです。

5 売上が増えると営業利益はいくら増えるか

ここが第2問でいちばんよく問われる考え方です。売上高が増えても、固定費は増えません。増えるのは変動費だけです。

だから増えた売上高のうち、貢献利益率の分だけがまるごと営業利益の増加になります。

営業利益の増加額 = 増加した売上高 × 貢献利益率

製品Aで確かめます。販売量を 800個、1,000個、1,200個と変えて並べてみましょう。

図7-4 販売量3水準での利益の動き(単価 2,000円/単位変動費 1,200円/固定費 600,000円)
区分800個1,000個1,200個
売上高1,600,0002,000,0002,400,000
変動費960,0001,200,0001,440,000
貢献利益640,000800,000960,000
固定費600,000600,000600,000
営業利益40,000200,000360,000

固定費の行だけ 600,000円のまま動きません。売上高が 400,000円増えるたびに、営業利益は 160,000円ずつ増えています。

400,000円 × 40パーセント = 160,000円。公式どおりです。

注意

増加した売上高に貢献利益率を掛けます。増加した販売量に掛けるなら、使うのは単位貢献利益です。200個 × 800円 = 160,000円。どちらでも同じ答えになりますが、率と金額の組み合わせを間違えないでください。

例題1 変動損益計算書をつくる

当月の資料は次のとおりでした。貢献利益、営業利益、貢献利益率を求めなさい。

  • 売上高 3,000,000円
  • 変動費 1,800,000円
  • 固定費 900,000円

解き方の実況

まず1段階目です。売上高から変動費を引きます。3,000,000円 - 1,800,000円 = 1,200,000円。これが貢献利益です。

次に2段階目です。貢献利益から固定費を引きます。1,200,000円 - 900,000円 = 300,000円。これが営業利益です。

最後に貢献利益率です。貢献利益 ÷ 売上高 なので 1,200,000円 ÷ 3,000,000円 = 0.4、つまり 40パーセントです。

区分金額割合
売上高3,000,000100パーセント
変動費1,800,00060パーセント
貢献利益1,200,00040パーセント
固定費900,000
営業利益300,000

検算です。変動費率は 1,800,000円 ÷ 3,000,000円 = 60パーセント。60パーセント + 40パーセント = 100パーセントで合っています。

例題2 売上が増えたときの営業利益

製品Bの資料は次のとおりです。現在の営業利益と、売上高が 600,000円増えたときの営業利益を求めなさい。固定費は変わらないものとします。

  • 販売単価 1,500円
  • 1個あたり変動費 900円
  • 現在の販売量 2,000個
  • 固定費 800,000円

解き方の実況

まず単位貢献利益です。1,500円 - 900円 = 600円。1個売るたびに 600円たまります。

貢献利益率も出しておきます。600円 ÷ 1,500円 = 0.4 で 40パーセントです。

現在の売上高は 1,500円 × 2,000個 = 3,000,000円。貢献利益は 600円 × 2,000個 = 1,200,000円です。

そこから固定費を引きます。1,200,000円 - 800,000円 = 400,000円。これが現在の営業利益です。

次に売上高が 600,000円増えたときです。固定費は動かないので、増えた売上高に貢献利益率を掛けるだけで済みます。

600,000円 × 40パーセント = 240,000円。営業利益は 400,000円 + 240,000円 = 640,000円になります。

区分現在(2,000個)売上 600,000円増(2,400個)
売上高3,000,0003,600,000
変動費1,800,0002,160,000
貢献利益1,200,0001,440,000
固定費800,000800,000
営業利益400,000640,000

表で組み直しても 640,000円 になりました。

売上増加分は 600,000円 ÷ 1,500円 = 400個 です。600円 × 400個 = 240,000円 としても同じ答えになります。

POINT

問題文に固定費の増減が書かれていなければ、固定費は動かないと考えます。だから営業利益の増減額は、貢献利益の増減額とぴったり一致します。ここが計算を速くする最大のコツです。

この章の要点3行
  • 貢献利益=売上高-変動費。固定費の回収と利益の獲得に貢献する金額です。
  • 変動損益計算書は 売上高/変動費/貢献利益/固定費/営業利益 の5行。営業利益=貢献利益-固定費です。
  • 貢献利益率=貢献利益÷売上高。変動費率と足すと 100パーセント。売上増加額×貢献利益率が営業利益の増加額です。

章末演習(18問)

問1 g07-01基本

当月の売上高は 1,500,000円、変動費は 900,000円であった。貢献利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

600,000 円

解説

貢献利益は売上高から変動費を引いて求めます。1,500,000円 - 900,000円 = 600,000円です。固定費はここでは引きません。固定費を引くのは営業利益を出す次の段階です。

問2 g07-02基本

当月の貢献利益は 600,000円、固定費は 400,000円であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

200,000 円

解説

営業利益は貢献利益から固定費を引いて求めます。600,000円 - 400,000円 = 200,000円です。貢献利益はまず固定費の回収にあてられ、回収しきって残った分が営業利益になります。

問3 g07-03基本

当月の売上高は 2,000,000円、貢献利益は 500,000円であった。貢献利益率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

25 パーセント

解説

貢献利益率は貢献利益 ÷ 売上高です。500,000円 ÷ 2,000,000円 = 0.25 なので 25パーセントです。売上高の 25パーセントが固定費の回収と利益にまわる、という意味になります。なお変動費率は 100パーセント - 25パーセント = 75パーセントです。

問4 g07-04基本

貢献利益の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 売上高から変動費を差し引いた金額で、固定費の回収と利益の獲得に貢献する

解説

貢献利益は売上高-変動費です。この金額がまず固定費の回収にあてられ、余った分が営業利益になります。売上高から売上原価を引いた金額は売上総利益で、別のものです。貢献利益から引くのは固定費であって変動費ではありません。

問5 g07-05基本

変動損益計算書の並び順として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 売上高 → 変動費 → 貢献利益 → 固定費 → 営業利益

解説

変動損益計算書は、上から 売上高、変動費、貢献利益、固定費、営業利益 の5行です。先に変動費を引いて貢献利益を出し、そこから固定費を引いて営業利益を出す2段階になっています。この順番は必ず暗記してください。

問6 g07-06基本

貢献利益は、売上高から固定費を差し引いて計算する。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。貢献利益は売上高から変動費を差し引いて計算します。固定費を差し引くのは次の段階で、そこで求まるのが営業利益です。引く順番は変動費が先、固定費があとです。

問7 g07-07標準

製品Cの販売単価は 800円、1個あたり変動費は 500円である。当月は 3,000個を販売し、固定費は 700,000円であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

200,000 円

解説

単位貢献利益は 800円 - 500円 = 300円です。貢献利益は 300円 × 3,000個 = 900,000円。営業利益は 900,000円 - 700,000円 = 200,000円です。総額で確かめると、売上高 2,400,000円 - 変動費 1,500,000円 = 貢献利益 900,000円で一致します。

問8 g07-08標準

製品Dの販売単価は 1,200円、1個あたり変動費は 720円である。貢献利益率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

40 パーセント

解説

単位貢献利益は 1,200円 - 720円 = 480円です。貢献利益率は単位貢献利益 ÷ 販売単価なので 480円 ÷ 1,200円 = 0.4、つまり 40パーセントです。1個あたりで計算しても総額で計算しても率は変わりません。変動費率は 720円 ÷ 1,200円 = 60パーセントで、合計すると 100パーセントになります。

問9 g07-09標準

ある製品の変動費率は 65パーセントである。貢献利益率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

35 パーセント

解説

売上高は変動費と貢献利益にしか分かれません。したがって変動費率と貢献利益率の合計は必ず 100パーセントになります。100パーセント - 65パーセント = 35パーセントです。問題文が変動費率しか示していなくても、この関係で貢献利益率を作れます。

問10 g07-10標準

当月の売上高は 4,000,000円、貢献利益率は 30パーセント、固定費は 900,000円であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

300,000 円

解説

まず貢献利益を出します。4,000,000円 × 30パーセント = 1,200,000円です。次に固定費を引きます。1,200,000円 - 900,000円 = 300,000円が営業利益です。変動費は 4,000,000円 × 70パーセント = 2,800,000円なので、4,000,000円 - 2,800,000円 - 900,000円 = 300,000円としても同じです。

問11 g07-11標準

貢献利益率が 40パーセントの会社で、売上高が 500,000円増加した。固定費が変わらないとき、営業利益はいくら増加するか。

答え
解答と解説

正解

200,000 円

解説

営業利益の増加額は 増加した売上高 × 貢献利益率 で求めます。500,000円 × 40パーセント = 200,000円です。売上高が増えると変動費も増えますが、固定費は増えません。だから増えた貢献利益がそのまま営業利益の増加になります。

問12 g07-12標準

当月の資料は次のとおりであった。営業利益はいくらか。

  • 売上高 5,000,000円
  • 変動費 3,000,000円
  • 固定費 1,400,000円

答え
解答と解説

正解

600,000 円

解説

貢献利益は 5,000,000円 - 3,000,000円 = 2,000,000円です。営業利益は 2,000,000円 - 1,400,000円 = 600,000円です。なお貢献利益率は 2,000,000円 ÷ 5,000,000円 = 40パーセント、変動費率は 60パーセントで、合計 100パーセントになります。

問13 g07-13標準

固定費が変わらないという条件のもとで、売上高が増加したときの営業利益の増加額を求める式として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 増加した売上高 × 貢献利益率

解説

増えた売上高のうち、変動費率の分は変動費として出ていきます。手元に残るのは貢献利益率の分だけです。固定費は増えないので、この残った金額がまるごと営業利益の増加になります。したがって 増加した売上高 × 貢献利益率 が正解です。

問14 g07-14標準

変動費率と貢献利益率の関係として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア 合計すると 100パーセントになる

解説

売上高は変動費と貢献利益の2つにしか分かれません。だから売上高に対する割合を足すと必ず 100パーセントになります。変動費率が 30パーセントなら貢献利益率は 70パーセントというように、変動費率のほうが小さいこともあります。

問15 g07-15標準

変動費率が 60パーセントの製品の貢献利益率は 40パーセントである。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。変動費率と貢献利益率の合計は 100パーセントなので、100パーセント - 60パーセント = 40パーセントとなります。売上高 1,000円のうち 600円が変動費で出ていき、残る 400円が貢献利益、という関係です。

問16 g07-16応用

製品Eの資料は次のとおりである。当月の営業利益はいくらか。

  • 販売単価 2,500円
  • 1個あたり変動費 1,500円
  • 当月販売量 1,600個
  • 固定費 1,200,000円

答え
解答と解説

正解

400,000 円

解説

単位貢献利益は 2,500円 - 1,500円 = 1,000円です。貢献利益は 1,000円 × 1,600個 = 1,600,000円。営業利益は 1,600,000円 - 1,200,000円 = 400,000円です。総額で確かめると、売上高 4,000,000円 - 変動費 2,400,000円 = 1,600,000円で一致します。貢献利益率は 1,000円 ÷ 2,500円 = 40パーセントです。

問17 g07-17応用

ある製品の貢献利益率は 25パーセント、固定費は 1,500,000円である。営業利益 500,000円を得るために必要な売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

8,000,000 円

解説

逆算します。営業利益=貢献利益-固定費なので、必要な貢献利益は 1,500,000円 + 500,000円 = 2,000,000円です。貢献利益=売上高×貢献利益率なので、売上高 = 2,000,000円 ÷ 0.25 = 8,000,000円となります。検算すると、8,000,000円 × 25パーセント = 2,000,000円、2,000,000円 - 1,500,000円 = 500,000円で合っています。

問18 g07-18応用

製品Fは販売単価 2,000円、1個あたり変動費 1,200円、固定費 600,000円で、当月は 1,000個を販売した。来月は販売単価を 2,200円に引き上げる予定で、その結果 販売量は 900個に減ると見込まれる。1個あたり変動費と固定費が変わらないとき、来月の営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

300,000 円

解説

単価が変われば単位貢献利益も変わります。来月の単位貢献利益は 2,200円 - 1,200円 = 1,000円です。貢献利益は 1,000円 × 900個 = 900,000円。営業利益は 900,000円 - 600,000円 = 300,000円となります。当月は単位貢献利益 800円 × 1,000個 = 800,000円、営業利益 200,000円でしたから、販売量が減っても営業利益は 100,000円増える見込みです。値上げによって1個あたりの稼ぐ力が 800円から 1,000円へ強くなったためです。

第8章損益分岐点分析0 / 20

営業利益がちょうど0になる売上高を4つの公式で求め、条件が変わったときの動きまで言い当てられるようにします。

この章のゴール
  • 損益分岐点売上高と損益分岐点販売量を、固定費と貢献利益から計算できる
  • 目標営業利益を達成する売上高、安全余裕率、損益分岐点比率を求められる
  • 固定費・変動費率・販売単価が変わったとき、損益分岐点が上昇するか低下するかを判断できる

1 損益分岐点とは何か

損益分岐点とは、営業利益がちょうど 0円 になる点のことです。もうけも損もない、ぎりぎりの位置です。

これを売上高で表したものが損益分岐点売上高、販売量で表したものが損益分岐点販売量です。

営業利益は 貢献利益 - 固定費 でした。営業利益が 0円 になるのは、貢献利益と固定費が同じ金額になったときです。ここが出発点です。

損益分岐点 = 貢献利益 = 固定費 となる点

図8-1 損益分岐点の位置(単価 2,000円/単位変動費 1,200円/固定費 600,000円)
区分500個750個1,000個
売上高1,000,0001,500,0002,000,000
変動費600,000900,0001,200,000
貢献利益400,000600,000800,000
固定費600,000600,000600,000
営業利益△200,0000200,000

750個 のところで、貢献利益 600,000円 と固定費 600,000円 がぴったり並びました。ここが損益分岐点です。売上高でいえば 1,500,000円 になります。

POINT

損益分岐点は貢献利益がちょうど固定費と等しくなる点です。売上高そのものと固定費を比べるのではありません。比べるのは必ず貢献利益と固定費です。

2 4つの公式

損益分岐点分析で使う公式は4つだけです。どれも分子が固定費、分母が「稼ぐ力」という同じ形をしています。

2-1 損益分岐点売上高

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率

貢献利益率は、売上高 1円 あたりいくら手元に残るかを表します。固定費をこの残り具合で割れば、必要な売上高が出ます。

先ほどの例なら 600,000円 ÷ 0.4 = 1,500,000円。図8-1と一致します。

2-2 損益分岐点販売量

損益分岐点販売量 = 固定費 ÷ 単位貢献利益

単位貢献利益は、1個売るごとにたまる金額です。固定費をこれで割れば、何個売れば固定費を回収できるかが出ます。

600,000円 ÷ 800円 = 750個。こちらも図8-1と一致します。

2-3 目標営業利益を達成する売上高

必要売上高 = (固定費 + 目標営業利益) ÷ 貢献利益率

目標利益を出したいなら、固定費に加えてその利益分まで貢献利益で稼ぐ必要があります。だから分子に目標営業利益を足すだけです。

目標営業利益を 400,000円 としましょう。(600,000円 + 400,000円) ÷ 0.4 = 2,500,000円 となります。

2-4 安全余裕率と損益分岐点比率

安全余裕率は、いまの売上高が損益分岐点からどれだけ離れているかを表します。

安全余裕率 = (実際売上高 - 損益分岐点売上高) ÷ 実際売上高

損益分岐点比率は、実際売上高のうち損益分岐点売上高が占める割合です。

損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際売上高

実際売上高が 2,000,000円、損益分岐点売上高が 1,500,000円 の場合で確かめます。

安全余裕率は 500,000円 ÷ 2,000,000円 = 25パーセントです。

損益分岐点比率は 1,500,000円 ÷ 2,000,000円 = 75パーセントとなります。

2つを足すと 100パーセントになります。売上高全体を2つに切り分けているだけだからです。

図8-2 損益分岐点分析の4つの公式
求めるもの公式計算例
損益分岐点売上高固定費 ÷ 貢献利益率600,000 ÷ 0.4 = 1,500,000円
損益分岐点販売量固定費 ÷ 単位貢献利益600,000 ÷ 800 = 750個
目標利益達成売上高(固定費 + 目標営業利益) ÷ 貢献利益率(600,000 + 400,000) ÷ 0.4 = 2,500,000円
安全余裕率(実際売上高 - 損益分岐点売上高) ÷ 実際売上高500,000 ÷ 2,000,000 = 25パーセント

損益分岐点比率は 100パーセント から安全余裕率を引くだけで出ます。100パーセント - 25パーセント = 75パーセントです。

暗記

公式の形は固定費 ÷ 稼ぐ力のひとつだけです。答えを金額で聞かれたら分母は貢献利益率、個数で聞かれたら分母は単位貢献利益。この使い分けだけ間違えないでください。

3 計算の手順を固定する

問題文の数字はいろいろな形で与えられます。それでも手順は同じです。次の4ステップで機械的に処理してください。

図8-3 損益分岐点の計算手順
  1. 貢献利益をつくる。売上高 - 変動費 で総額を出すか、販売単価 - 1個あたり変動費 で単位貢献利益を出します。
  2. 貢献利益率を出す。貢献利益 ÷ 売上高、または 単位貢献利益 ÷ 販売単価。変動費率しか与えられていなければ 100パーセントから引きます。
  3. 固定費を確かめる。製造固定費と販売固定費が分かれて書かれていたら、必ず合計します。
  4. 公式にあてはめる。金額で答えるなら貢献利益率で割り、個数で答えるなら単位貢献利益で割ります。
注意

固定費が2つ以上に分かれて示される問題が頻出します。たとえば「固定製造原価 400,000円、固定販売費および一般管理費 200,000円」と書かれた場合です。

このとき公式に入れるのは合計の 600,000円 です。片方だけで割ると答えが大きくずれます。

4 条件が変わると損益分岐点はどう動くか

第2問の最後では、条件を1つ変えたときに損益分岐点売上高が上昇するか、低下するか、変化しないかを選ばせます。計算しなくても、公式の形で判断できます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 でした。だから見るべきは次の2つだけです。

  • 分子の固定費が増えれば上昇、減れば低下
  • 分母の貢献利益率が上がれば低下、下がれば上昇

そして貢献利益率は、販売単価と1個あたり変動費だけで決まります。販売量は貢献利益率を変えません。ここが最大のポイントです。

図8-4 条件が変わったときの損益分岐点売上高の動き(もとの状態:固定費 600,000円/貢献利益率 40パーセント/損益分岐点売上高 1,500,000円)
変わる条件貢献利益率新しい損益分岐点売上高判定
固定費が 720,000円 に増加40パーセント1,800,000上昇する
固定費が 480,000円 に減少40パーセント1,200,000低下する
変動費率が 60から50パーセントに低下50パーセント1,200,000低下する
変動費率が 60から70パーセントに上昇30パーセント2,000,000上昇する
販売単価を 2,000円から2,400円に引上げ50パーセント1,200,000低下する
販売単価を 2,000円から1,600円に引下げ25パーセント2,400,000上昇する
販売量が 1,000個から1,400個に増加40パーセント1,500,000変化しない
販売量が 1,000個から700個に減少40パーセント1,500,000変化しない

販売単価を上げると、1個あたり変動費はそのままなので単位貢献利益が増えます。2,400円 - 1,200円 = 1,200円、率は 1,200円 ÷ 2,400円 = 50パーセントです。

いちばん下の2行に注目してください。販売量が動いても、固定費も貢献利益率も変わりません。だから損益分岐点は動きません。

暗記

販売量が変わっても損益分岐点は変化しません。変わるのは実際売上高のほうなので、安全余裕率は変わります。販売量が増えれば安全余裕率は上昇、減れば低下します。この2つを取り違えないでください。

注意

「売上高が増えた」という条件も、単価と原価構造が同じなら販売量が増えただけです。損益分岐点売上高は変化しません。増えたのは損益分岐点からの距離、つまり安全余裕率のほうです。

例題1 損益分岐点売上高と安全余裕率

当月の資料は次のとおりであった。貢献利益率、損益分岐点売上高、営業利益、安全余裕率、損益分岐点比率を求めなさい。

  • 売上高 4,000,000円
  • 変動費 2,400,000円
  • 固定費 1,200,000円

解き方の実況

手順1、貢献利益をつくります。4,000,000円 - 2,400,000円 = 1,600,000円です。

手順2、貢献利益率です。1,600,000円 ÷ 4,000,000円 = 0.4 なので 40パーセントです。

手順3、固定費は 1,200,000円 の1本だけなのでそのまま使います。

手順4、公式にあてはめます。損益分岐点売上高 = 1,200,000円 ÷ 0.4 = 3,000,000円です。

営業利益は 1,600,000円 - 1,200,000円 = 400,000円

安全余裕率は (4,000,000円 - 3,000,000円) ÷ 4,000,000円 で求めます。1,000,000円 ÷ 4,000,000円 = 25パーセントです。

損益分岐点比率は 3,000,000円 ÷ 4,000,000円 = 75パーセント。25パーセント + 75パーセント = 100パーセントで検算できました。

区分実際(4,000,000円)損益分岐点(3,000,000円)
売上高4,000,0003,000,000
変動費2,400,0001,800,000
貢献利益1,600,0001,200,000
固定費1,200,0001,200,000
営業利益400,0000

右の列で貢献利益と固定費がそろい、営業利益が 0円 になっています。損益分岐点売上高 3,000,000円 が正しいことの確認です。

例題2 販売量ベースの損益分岐点と目標利益

製品Gの資料は次のとおりである。損益分岐点販売量、損益分岐点売上高、安全余裕率を求めなさい。あわせて、営業利益 300,000円 を得るために必要な販売量も求めなさい。

  • 販売単価 1,500円
  • 1個あたり変動費 900円
  • 固定費 900,000円
  • 当月の販売量 2,500個

解き方の実況

まず単位貢献利益です。1,500円 - 900円 = 600円。1個売るごとに 600円 ずつ固定費を回収できます。

貢献利益率も出します。600円 ÷ 1,500円 = 0.4 で 40パーセントです。

損益分岐点販売量は 固定費 ÷ 単位貢献利益 なので、900,000円 ÷ 600円 = 1,500個です。

損益分岐点売上高は 1,500個 × 1,500円 = 2,250,000円。公式でも 900,000円 ÷ 0.4 = 2,250,000円 で同じです。

実際売上高は 1,500円 × 2,500個 = 3,750,000円 です。

安全余裕率は (3,750,000円 - 2,250,000円) ÷ 3,750,000円 で計算します。1,500,000円 ÷ 3,750,000円 = 40パーセントです。

最後に目標利益です。必要な貢献利益は 900,000円 + 300,000円 = 1,200,000円。必要販売量は 1,200,000円 ÷ 600円 = 2,000個となります。

検算します。2,000個 のとき貢献利益は 600円 × 2,000個 = 1,200,000円。ここから固定費 900,000円 を引くと 300,000円 で、目標どおりです。

ここで条件を1つ変えてみます。固定費が 1,080,000円 に増えたらどうなるでしょうか。分子が大きくなるので損益分岐点は上昇します。1,080,000円 ÷ 600円 = 1,800個、売上高では 2,700,000円 です。

POINT

本試験の第2問は、同じ資料で小問が積み上がる形式です。最初に単位貢献利益と貢献利益率を出しておくと、あとの小問はすべて割り算だけで片づきます。最後の上昇・低下・変化しないの問題は、公式の分子と分母のどちらが動いたかを見るだけです。

この章の要点3行
  • 損益分岐点は営業利益が 0円 になる点。貢献利益と固定費が等しくなる位置です。
  • 金額なら 固定費÷貢献利益率、個数なら 固定費÷単位貢献利益。目標利益は分子に足すだけです。
  • 固定費が増えれば上昇、貢献利益率が上がれば低下、販売量だけの変化なら変化しません。安全余裕率と損益分岐点比率の合計は 100パーセントです。

章末演習(20問)

問1 g08-01基本

固定費は 800,000円、貢献利益率は 40パーセントである。損益分岐点売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,000,000 円

解説

損益分岐点売上高は 固定費 ÷ 貢献利益率 で求めます。800,000円 ÷ 0.4 = 2,000,000円です。検算すると、売上高 2,000,000円 のときの貢献利益は 2,000,000円 × 40パーセント = 800,000円 で固定費と同額になり、営業利益は 0円 になります。

問2 g08-02基本

固定費は 600,000円、1個あたり貢献利益は 500円である。損益分岐点販売量は何個か。

答え
解答と解説

正解

1,200 個

解説

損益分岐点販売量は 固定費 ÷ 単位貢献利益 で求めます。600,000円 ÷ 500円 = 1,200個です。1個売るごとに 500円 ずつ固定費を回収でき、1,200個 売った時点で 600,000円 を回収しきります。

問3 g08-03基本

固定費は 900,000円、貢献利益率は 50パーセントである。営業利益 300,000円 を達成するために必要な売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,400,000 円

解説

必要売上高は (固定費 + 目標営業利益) ÷ 貢献利益率 です。(900,000円 + 300,000円) ÷ 0.5 = 1,200,000円 ÷ 0.5 = 2,400,000円となります。検算すると、2,400,000円 × 50パーセント = 1,200,000円 の貢献利益から固定費 900,000円 を引いて 300,000円 です。

問4 g08-04基本

実際売上高は 4,000,000円、損益分岐点売上高は 3,200,000円である。安全余裕率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

20 パーセント

解説

安全余裕率は (実際売上高 - 損益分岐点売上高) ÷ 実際売上高 です。(4,000,000円 - 3,200,000円) ÷ 4,000,000円 = 800,000円 ÷ 4,000,000円 = 0.2 で 20パーセントです。売上高が 20パーセント落ちるまでは赤字にならない、という意味になります。

問5 g08-05基本

損益分岐点の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 貢献利益と固定費がちょうど等しくなり、営業利益が 0円 になる点である

解説

営業利益は 貢献利益 - 固定費 です。これが 0円 になるのは貢献利益と固定費が等しくなったときで、その位置が損益分岐点です。売上高そのものと固定費を比べるのではありません。売上高からはまず変動費が出ていくからです。

問6 g08-06基本

損益分岐点売上高では、貢献利益と固定費が等しくなる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。営業利益=貢献利益-固定費なので、営業利益が 0円 になるのは貢献利益と固定費が同額のときです。この関係から 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 という公式が導かれます。

問7 g08-07標準

当月の売上高は 5,000,000円、変動費は 3,000,000円、固定費は 1,000,000円であった。損益分岐点売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,500,000 円

解説

まず貢献利益を出します。5,000,000円 - 3,000,000円 = 2,000,000円です。貢献利益率は 2,000,000円 ÷ 5,000,000円 = 0.4 で 40パーセント。損益分岐点売上高は 1,000,000円 ÷ 0.4 = 2,500,000円となります。

問8 g08-08標準

製品Hの販売単価は 1,500円、1個あたり変動費は 900円、固定費は 1,020,000円である。損益分岐点販売量は何個か。

答え
解答と解説

正解

1,700 個

解説

単位貢献利益は 1,500円 - 900円 = 600円です。損益分岐点販売量は 1,020,000円 ÷ 600円 = 1,700個となります。1,700個 のとき貢献利益は 600円 × 1,700個 = 1,020,000円 で、固定費とちょうど同額です。

問9 g08-09標準

製品Hの販売単価は 1,500円、1個あたり変動費は 900円、固定費は 1,020,000円である。損益分岐点売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,550,000 円

解説

損益分岐点販売量 1,700個 に販売単価を掛けて、1,700個 × 1,500円 = 2,550,000円です。公式からも確かめられます。貢献利益率は 600円 ÷ 1,500円 = 40パーセントなので、1,020,000円 ÷ 0.4 = 2,550,000円。どちらの道すじでも同じ答えになります。

問10 g08-10標準

実際売上高は 6,000,000円、固定費は 1,800,000円、貢献利益率は 40パーセントである。損益分岐点比率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

75 パーセント

解説

まず損益分岐点売上高を求めます。1,800,000円 ÷ 0.4 = 4,500,000円です。損益分岐点比率は 損益分岐点売上高 ÷ 実際売上高 なので、4,500,000円 ÷ 6,000,000円 = 0.75 で 75パーセントとなります。安全余裕率は 100パーセント - 75パーセント = 25パーセントです。

問11 g08-11標準

ある会社の安全余裕率は 30パーセントである。損益分岐点比率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

70 パーセント

解説

実際売上高は、損益分岐点までの部分と、それを超えた余裕の部分の2つに分かれます。したがって損益分岐点比率と安全余裕率の合計は必ず 100パーセントです。100パーセント - 30パーセント = 70パーセントとなります。

問12 g08-12標準

製品Iの販売単価は 2,000円、1個あたり変動費は 1,400円、固定費は 1,500,000円である。営業利益 600,000円 を達成するために必要な販売量は何個か。

答え
解答と解説

正解

3,500 個

解説

単位貢献利益は 2,000円 - 1,400円 = 600円です。必要な貢献利益は 固定費 + 目標営業利益 = 1,500,000円 + 600,000円 = 2,100,000円。必要販売量は 2,100,000円 ÷ 600円 = 3,500個となります。検算すると 600円 × 3,500個 = 2,100,000円、そこから固定費を引いて 600,000円 です。

問13 g08-13標準

販売単価と1個あたり変動費は変わらないまま、固定費だけが増加した。損益分岐点売上高はどうなるか。

解答と解説

正解

ア 上昇する

解説

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 です。販売単価と1個あたり変動費が変わらなければ貢献利益率は同じままなので、分母は動きません。分子の固定費だけが大きくなるので、損益分岐点売上高は上昇します。回収すべき固定費が増えた分、もっと売らないと赤字を抜け出せません。

問14 g08-14標準

固定費は変わらないまま、材料の値下がりによって変動費率が低下した。損益分岐点売上高はどうなるか。

解答と解説

正解

イ 低下する

解説

変動費率と貢献利益率の合計は 100パーセントです。変動費率が低下すれば貢献利益率は上昇します。損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 の分母が大きくなるので、答えは低下します。1円 の売上で回収できる固定費が増えたためです。

問15 g08-15標準

販売単価、1個あたり変動費、固定費はいずれも変わらないまま、販売量だけが増加した。損益分岐点売上高はどうなるか。

解答と解説

正解

ウ 変化しない

解説

損益分岐点売上高を決めるのは固定費と貢献利益率だけです。販売量はどちらにも影響しません。したがって損益分岐点売上高は変化しません。変わるのは実際売上高のほうで、その結果 安全余裕率は上昇します。損益分岐点そのものと、そこからの距離を混同しないでください。

問16 g08-16標準

安全余裕率と損益分岐点比率を合計すると 100パーセントになる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。実際売上高を、損益分岐点までの部分とそれを超えた部分に分けたものが、この2つの率です。実際売上高 4,000,000円、損益分岐点売上高 3,000,000円 なら、損益分岐点比率 75パーセント、安全余裕率 25パーセントで合計 100パーセントになります。

問17 g08-17応用

製品Jは販売単価 2,500円、1個あたり変動費 1,500円、固定費 2,000,000円である。来月から新しい機械を導入し、固定費が 300,000円 増加する見込みである。販売単価と1個あたり変動費が変わらないとき、来月の損益分岐点売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

5,750,000 円

解説

単位貢献利益は 2,500円 - 1,500円 = 1,000円、貢献利益率は 1,000円 ÷ 2,500円 = 40パーセントです。単価と変動費が変わらないので貢献利益率は 40パーセントのままです。来月の固定費は 2,000,000円 + 300,000円 = 2,300,000円。損益分岐点売上高は 2,300,000円 ÷ 0.4 = 5,750,000円となります。今月は 2,000,000円 ÷ 0.4 = 5,000,000円 でしたから、固定費の増加によって損益分岐点は上昇しました。

問18 g08-18応用

ある製品の損益分岐点売上高は 3,600,000円、固定費は 1,440,000円である。貢献利益率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

40 パーセント

解説

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 という関係を逆に使います。貢献利益率 = 固定費 ÷ 損益分岐点売上高 なので、1,440,000円 ÷ 3,600,000円 = 0.4 で 40パーセントです。損益分岐点では貢献利益と固定費が等しいので、売上高 3,600,000円 に対する貢献利益 1,440,000円 の割合を出しているだけ、と考えると分かりやすくなります。

問19 g08-19応用

製品Kは販売単価 1,600円、1個あたり変動費 1,000円、固定費 1,200,000円である。来月から販売単価を 1,800円 に引き上げる。1個あたり変動費と固定費が変わらないとき、来月の損益分岐点販売量は何個か。

答え
解答と解説

正解

1,500 個

解説

値上げ前の単位貢献利益は 1,600円 - 1,000円 = 600円で、損益分岐点販売量は 1,200,000円 ÷ 600円 = 2,000個でした。値上げ後の単位貢献利益は 1,800円 - 1,000円 = 800円になります。損益分岐点販売量は 1,200,000円 ÷ 800円 = 1,500個です。1個あたりの稼ぐ力が強くなったので、固定費を回収するのに必要な数量が減りました。

問20 g08-20応用

競争が激しくなったため販売単価を引き下げた。1個あたり変動費と固定費は変わらない。損益分岐点売上高はどうなるか。

解答と解説

正解

ア 上昇する

解説

単位貢献利益は 販売単価 - 1個あたり変動費 です。1個あたり変動費が同じまま単価だけ下がるので、単位貢献利益は小さくなります。貢献利益率も低下します。損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 の分母が小さくなるので、答えは上昇します。たとえば単価 2,000円、変動費 1,200円 なら貢献利益率は 40パーセントですが、単価を 1,600円 に下げると 400円 ÷ 1,600円 = 25パーセントに落ちます。販売量が分からなくても判断できます。

第9章予算実績差異分析(販売数量差異と販売価格差異)0 / 20

予算と実績のズレを、数量のせいと価格のせいにきれいに分解します。

この章のゴール
  • 売上高差異を計算し、有利差異と不利差異を言い分けられる。
  • 販売数量差異と販売価格差異を、公式どおりに計算できる。
  • 2つの差異の合計が売上高差異に一致することを検算できる。

1. 予算と実績のズレを分解する

会社は期間のはじめに予算を立てます。

予算とは「これだけ売る」という計画の数字です。

期間が終わると、実際にいくら売れたかが分かります。

予算と実績には、ふつうズレが出ます。

このズレを差異といいます。

差異が出た原因を調べる手続が予算実績差異分析です。

売上高は2つの要素でできている

売上高は、販売数量と販売単価のかけ算です。

売上高=販売数量 × 販売単価、です。

だから売上高がズレる原因も2つしかありません。

数量がズレたのか、単価がズレたのかです。

この2つに分けることが、この章のゴールです。

図9-1 差異分析の進め方
STEP1売上高差異を出す
STEP2販売数量差異を出す
STEP3販売価格差異を出す
STEP4合計が一致するか検算する

2. 売上高差異

まず全体のズレを出します。

売上高差異=実際売上高 − 予算売上高

引く順番を間違えないでください。

必ず「実際」から「予算」を引きます。

有利差異と不利差異

計算結果がプラスなら有利差異です。

予算より多く売れた、うれしい状態です。

計算結果がマイナスなら不利差異です。

予算に届かなかった、残念な状態です。

図9-2 有利差異と不利差異の判定表
計算結果の符号呼び方意味
プラス有利差異実際売上高が予算売上高を上回った
マイナス不利差異実際売上高が予算売上高を下回った
ゼロ差異なし予算どおりだった
注意

有利・不利の判定は「売上高」の話です。

原価の差異では、プラスとマイナスの意味が逆になります。

原価計算初級では、売上高の差異だけ押さえれば十分です。

3. 販売数量差異

数量のズレだけを取り出したものです。

販売数量差異=(実際販売数量 − 予算販売数量)× 予算販売単価

かける単価は予算の単価です。

ここで実際単価を使うと、答えが合わなくなります。

数量が予算より多ければ有利差異になります。

数量が予算より少なければ不利差異になります。

4. 販売価格差異

単価のズレだけを取り出したものです。

販売価格差異=(実際販売単価 − 予算販売単価)× 実際販売数量

かける数量は実際の数量です。

予算数量を使ってはいけません。

単価が予算より高ければ有利差異になります。

値下げして単価が下がれば不利差異になります。

暗記

数量差異は「数量の差 × 予算単価」。

価格差異は「単価の差 × 実際数量」。

予算と実際が、たすきがけになります。

5. ボックス図(面積図)で理解する

2つの差異は、面積図で見ると一目で分かります。

横の幅が販売数量、たての高さが販売単価です。

四角形の面積が売上高になります。

予算の四角形と実績の四角形を重ねて描きます。

はみ出した部分が差異です。

図9-3 差異分析のボックス図(面積図)
たて(単価)予算数量 800個 の幅ふえた数量 100個 の幅
予算単価をこえた 20円
(500円から520円へ)
販売価格差異 18,000円(有利)
20円 × 実際数量 900個
予算単価 500円
までの高さ
予算売上高 400,000円
500円 × 800個
販売数量差異 50,000円(有利)
500円 × 100個

予算の四角形は 800個 × 500円 で 400,000円です。

実績の四角形は 900個 × 520円 で 468,000円です。

売上高差異は 468,000円 − 400,000円 で 68,000円です。

右にはみ出した部分が販売数量差異です。

500円 × 100個 で 50,000円になります。

上にはみ出した部分が販売価格差異です。

20円 × 900個 で 18,000円になります。

50,000円 + 18,000円 は 68,000円です。

売上高差異とぴったり一致しました。

POINT

右のはみ出しは、予算単価の高さで測ります。

上のはみ出しは、実際数量の幅で測ります。

右上の角の部分は、上のはみ出し側に含めます。

だから価格差異には実際数量をかけるのです。

6. 検算を習慣にする

次の式が必ず成り立ちます。

販売数量差異 + 販売価格差異 = 売上高差異

成り立たなければ、どこかで計算を間違えています。

足すときは、有利差異をプラス、不利差異をマイナスで扱います。

POINT
  1. 予算売上高=予算販売数量 × 予算販売単価 を出す。
  2. 実際売上高=実際販売数量 × 実際販売単価 を出す。
  3. 売上高差異=実際売上高 − 予算売上高 を出す。
  4. 販売数量差異=(実際数量 − 予算数量)× 予算単価 を出す。
  5. 販売価格差異=(実際単価 − 予算単価)× 実際数量 を出す。
  6. 4と5を足して、3と同じ金額になるか確かめる。

7. 製品が複数あるとき

製品ごとに差異を出し、最後に合計します。

合計しても、検算の式はそのまま成り立ちます。

会社全体としてどうだったかが分かります。

図9-4 3製品の差異一覧表(有利はプラス、不利はマイナス)
製品予算売上高実際売上高販売数量差異販売価格差異売上高差異
製品A240,000273,00040,000 有利7,000 不利33,000 有利
製品B270,000240,00045,000 不利15,000 有利30,000 不利
製品C300,000288,000012,000 不利12,000 不利
合計810,000801,0005,000 不利4,000 不利9,000 不利

製品Aは 600個 × 400円 の予算を、700個 × 390円 で実現しました。

製品Bは 300個 × 900円 の予算が、250個 × 960円 になりました。

製品Cは 400個 × 750円 の予算が、400個 × 720円 になりました。

合計欄で検算します。

5,000円の不利と 4,000円の不利を足すと 9,000円の不利です。

売上高差異の合計 9,000円の不利と一致しています。

例題1

次の資料により、売上高差異、販売数量差異、販売価格差異を計算しなさい。

販売数量販売単価
予算1,200個800円
実績1,300個780円

解き方

  1. 予算売上高=1,200個 × 800円=960,000円。
  2. 実際売上高=1,300個 × 780円=1,014,000円。
  3. 売上高差異=1,014,000円 − 960,000円=54,000円。プラスなので有利差異。
  4. 販売数量差異=(1,300個 − 1,200個)× 800円。
  5. 100個 × 800円=80,000円。数量がふえたので有利差異。
  6. 販売価格差異=(780円 − 800円)× 1,300個。
  7. マイナス20円 × 1,300個=マイナス26,000円。値下げなので不利差異。
  8. 検算:80,000円 − 26,000円=54,000円。
  9. 売上高差異 54,000円の有利と一致した。

値下げして数量を伸ばし、全体では有利差異になった例です。

例題2

次の資料により、売上高差異、販売数量差異、販売価格差異を計算しなさい。

販売数量販売単価
予算500個1,500円
実績460個1,600円

解き方

  1. 予算売上高=500個 × 1,500円=750,000円。
  2. 実際売上高=460個 × 1,600円=736,000円。
  3. 売上高差異=736,000円 − 750,000円=マイナス14,000円。不利差異。
  4. 販売数量差異=(460個 − 500個)× 1,500円。
  5. マイナス40個 × 1,500円=マイナス60,000円。不利差異。
  6. 販売価格差異=(1,600円 − 1,500円)× 460個。
  7. 100円 × 460個=46,000円。値上げなので有利差異。
  8. 検算:マイナス60,000円 + 46,000円=マイナス14,000円。
  9. 売上高差異 14,000円の不利と一致した。

値上げは成功しましたが、数量の落ち込みが大きすぎた例です。

この章の要点3行
  • 売上高差異=実際売上高 − 予算売上高。プラスが有利差異、マイナスが不利差異。
  • 販売数量差異は数量の差に予算単価をかけ、販売価格差異は単価の差に実際数量をかける。
  • 2つの差異の合計は必ず売上高差異と一致する。最後に必ず検算する。

章末演習(20問)

問1 g09-01基本

予算販売数量は 500個、予算販売単価は 600円です。予算売上高はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

300,000 円

解説

予算売上高=予算販売数量 × 予算販売単価です。

500個 × 600円=300,000円。

問2 g09-02基本

実際販売数量は 520個、実際販売単価は 590円でした。実際売上高はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

306,800 円

解説

実際売上高=実際販売数量 × 実際販売単価です。

520個 × 590円=306,800円。

問3 g09-03基本

予算売上高は 800,000円、実際売上高は 840,000円でした。売上高差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

答え
解答と解説

正解

40,000 円

解説

売上高差異=実際売上高 − 予算売上高です。

840,000円 − 800,000円=40,000円。

プラスなので有利差異です。

問4 g09-04基本

実際売上高が予算売上高を下回ったときの差異を何といいますか。

解答と解説

正解

イ 不利差異

解説

実際が予算に届かなかったので不利差異です。

計算結果はマイナスになります。

問5 g09-05基本

販売数量差異を計算するときは、数量の差に予算販売単価をかける。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しいです。

販売数量差異=(実際数量 − 予算数量)× 予算単価。

実際単価を使うと答えが合わなくなります。

問6 g09-06基本

予算販売数量 400個、実際販売数量 450個、予算販売単価 300円でした。販売数量差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

答え
解答と解説

正解

15,000 円

解説

(450個 − 400個)× 300円=50個 × 300円。

=15,000円。数量がふえたので有利差異です。

問7 g09-07標準

予算販売単価 700円、実際販売単価 680円、実際販売数量 900個でした。販売価格差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

答え
解答と解説

正解

18,000 円

解説

(680円 − 700円)× 900個=マイナス20円 × 900個。

=マイナス18,000円、つまり 18,000円の不利差異です。

かける数量は実際数量です。

問8 g09-08標準

予算販売数量 420個、実際販売数量 380個、予算販売単価 250円でした。販売数量差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

答え
解答と解説

正解

10,000 円

解説

(380個 − 420個)× 250円=マイナス40個 × 250円。

=マイナス10,000円、つまり 10,000円の不利差異です。

問9 g09-09標準

次の資料により、売上高差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

販売数量販売単価
予算600個1,200円
実績640個1,150円

答え
解答と解説

正解

16,000 円

解説

予算売上高=600個 × 1,200円=720,000円。

実際売上高=640個 × 1,150円=736,000円。

736,000円 − 720,000円=16,000円の有利差異です。

問10 g09-10標準

次の資料により、販売数量差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

販売数量販売単価
予算600個1,200円
実績640個1,150円

答え
解答と解説

正解

48,000 円

解説

(640個 − 600個)× 1,200円=40個 × 1,200円。

=48,000円の有利差異です。

かける単価は予算単価 1,200円です。

問11 g09-11標準

次の資料により、販売価格差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

販売数量販売単価
予算600個1,200円
実績640個1,150円

答え
解答と解説

正解

32,000 円

解説

(1,150円 − 1,200円)× 640個=マイナス50円 × 640個。

=マイナス32,000円、つまり 32,000円の不利差異です。

検算:48,000円 − 32,000円=16,000円で売上高差異と一致します。

問12 g09-12標準

次の資料から読み取れる内容として正しいものを選びなさい。

販売数量販売単価
予算600個1,200円
実績640個1,150円

解答と解説

正解

ア 販売数量は予算を上回ったが、販売単価は予算を下回った

解説

数量は 600個から 640個へふえました。

単価は 1,200円から 1,150円へ下がりました。

数量差異は有利、価格差異は不利になります。

問13 g09-13標準

実際売上高は 918,000円、実際販売数量は 1,080個でした。実際販売単価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

850 円

解説

販売単価=売上高 ÷ 販売数量です。

918,000円 ÷ 1,080個=850円。

問14 g09-14標準

予算売上高は 630,000円、予算販売単価は 900円でした。予算販売数量は何個ですか。

答え
解答と解説

正解

700 個

解説

販売数量=売上高 ÷ 販売単価です。

630,000円 ÷ 900円=700個。

問15 g09-15標準

販売価格差異の計算式として正しいものを選びなさい。

解答と解説

正解

ア (実際販売単価 − 予算販売単価)× 実際販売数量

解説

価格差異は「単価の差 × 実際数量」です。

4番目の式は販売数量差異の計算式です。

問16 g09-16標準

販売数量差異と販売価格差異を足すと、売上高差異に一致する。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しいです。

有利差異をプラス、不利差異をマイナスとして足します。

一致しなければ計算のどこかが誤りです。

問17 g09-17応用

次の資料により、会社全体の売上高差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

製品予算数量予算単価実際数量実際単価
製品X900個500円1,000個480円
製品Y400個1,500円350個1,600円

答え
解答と解説

正解

10,000 円

解説

予算売上高は 900個 × 500円=450,000円と 400個 × 1,500円=600,000円。

合計 1,050,000円です。

実際売上高は 1,000個 × 480円=480,000円と 350個 × 1,600円=560,000円。

合計 1,040,000円です。

1,040,000円 − 1,050,000円=マイナス10,000円。

つまり 10,000円の不利差異です。

問18 g09-18応用

次の資料により、会社全体の販売数量差異の金額を答えなさい(符号は不要です)。

製品予算数量予算単価実際数量実際単価
製品X900個500円1,000個480円
製品Y400個1,500円350個1,600円

答え
解答と解説

正解

25,000 円

解説

製品Xは(1,000個 − 900個)× 500円=50,000円の有利。

製品Yは(350個 − 400個)× 1,500円=マイナス75,000円で不利。

合計は 50,000円 − 75,000円=マイナス25,000円。

つまり 25,000円の不利差異です。

検算:価格差異はマイナス20,000円と 35,000円で合計 15,000円の有利。

マイナス25,000円 + 15,000円=マイナス10,000円で売上高差異と一致します。

問19 g09-19応用

ある製品の売上高差異は 30,000円の不利差異、販売価格差異は 20,000円の有利差異でした。販売数量差異はいくらですか。

解答と解説

正解

イ 50,000円の不利差異

解説

販売数量差異=売上高差異 − 販売価格差異です。

マイナス30,000円 − 20,000円=マイナス50,000円。

つまり 50,000円の不利差異です。

検算:マイナス50,000円 + 20,000円=マイナス30,000円。

問20 g09-20応用

ある製品は予算より安い単価で販売しましたが、売上高差異は有利差異になりました。この製品について正しく説明しているものを選びなさい。

解答と解説

正解

ア 販売数量差異の有利額が、販売価格差異の不利額を上回った

解説

安く売ったので販売価格差異は不利差異です。

それでも合計が有利になったのは、数量差異の有利額が大きいからです。

したがって実際販売数量は予算を上回っています。

売上高差異が有利なので、実際売上高は予算売上高より大きくなります。

第10章直課(賦課)と配賦0 / 20

直接費はそのまま製品へ、間接費は基準を決めて分ける。原価計算の心臓部です。

この章のゴール
  • 直課(賦課)と配賦のちがいを、費目を見て判断できる。
  • 配賦率を計算し、各製品への配賦額を求められる。
  • 配賦額の合計が間接費の総額と一致することを検算できる。

1. 原価を製品ごとに分ける2つの道

工場でかかった原価は、最後に製品ごとに集計します。

集計のやり方は2つしかありません。

直課(賦課)配賦です。

どちらを使うかは、費用の性質で決まります。

直接費なら直課、間接費なら配賦です。

図10-1 直課と配賦の対比
直課(賦課)

対象は直接費です。

どの製品にいくらかかったかが分かります。

金額をそのまま、その製品に付けます。

計算はいりません。移すだけです。

配賦

対象は間接費です。

どの製品にいくらかかったか分かりません。

基準を決めて、各製品に分けます。

配賦率を使って計算します。

2. 直課(賦課)

直接材料費や直接労務費が直接費です。

これらは製品ごとに使った量が分かります。

だから、そのまま製品の原価にします。

これを直課といいます。賦課とも呼びます。

同じ意味ですので、両方の呼び方を覚えてください。

たとえば製品Aだけに使った材料 200,000円。

この 200,000円は、まるごと製品Aの原価になります。

3. 配賦

製造間接費は、複数の製品に共通してかかります。

工場の電気代、工場長の給料、工場建物の減価償却費などです。

これらは製品Aにいくら、とは直接分かりません。

そこで、何らかの基準を決めて分けます。

この手続を配賦といいます。

配賦の公式

配賦率=製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の総量

配賦額=配賦率 × その製品の基準量

この2本だけです。

配賦率を先に出すのがコツです。

POINT
  1. 製造間接費の総額を集計する。
  2. 配賦基準を決め、その総量を集計する。
  3. 配賦率=製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の総量 を計算する。
  4. 各製品の配賦額=配賦率 × その製品の基準量 を計算する。
  5. 配賦額の合計が製造間接費の総額と一致するか検算する。
図10-2 配賦の流れ
STEP1間接費を集める
STEP2配賦率を出す
STEP3製品ごとに配る
STEP4合計を検算する

4. 代表的な配賦基準

配賦基準にはいくつかの定番があります。

図10-3 代表的な配賦基準と向いている場面
配賦基準向いている間接費の例
直接作業時間工員の作業に関係して発生する間接費
機械運転時間機械の減価償却費、機械を動かす電力料
直接労務費工員の人数や賃金に比例して増える間接費
直接材料費材料の運搬費や保管費
生産数量製品1個あたり同じようにかかる間接費

基準の選び方

選び方の原則はひとつです。

その間接費の発生と関係が深いものを選ぶのです。

機械をよく使う工場なら、機械運転時間が向きます。

手作業が中心の工場なら、直接作業時間が向きます。

関係のうすい基準を選ぶと、原価がゆがみます。

注意

「計算が楽だから」で基準を選んではいけません。

製品別の原価がおかしくなり、値段の判断を誤ります。

選ぶ理由は、あくまで間接費との関係の深さです。

5. 配賦計算表を作ってみる

製造間接費の総額は 900,000円とします。

配賦基準は直接作業時間です。

直接作業時間は製品Aが 500時間、製品Bが 300時間、製品Cが 200時間です。

合計は 1,000時間です。

配賦率は 900,000円 ÷ 1,000時間 で 900円です。

図10-4 配賦計算表(配賦率 900円 かける 直接作業時間)
製品直接作業時間配賦率配賦額
製品A500時間900円450,000円
製品B300時間900円270,000円
製品C200時間900円180,000円
合計1,000時間900,000円

配賦額の合計は 900,000円です。

製造間接費の総額とぴったり一致しました。

この検算をしないまま答案を出してはいけません。

暗記

配賦率=製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の総量。

配賦額=配賦率 × その製品の基準量。

配賦額の合計=製造間接費の総額。

6. 配賦は「分け方」であって、総額は変わらない

ここが最も大事な考え方です。

配賦をしても、原価の総額はびた一文変わりません。

変わるのは、製品ごとの取り分だけです。

基準を変えると、製品別の原価は動きます。

それでも、合計はいつも同じです。

先ほどの 900,000円を、機械運転時間で配賦してみます。

機械運転時間は製品Aが 200時間、製品Bが 400時間、製品Cが 600時間です。

合計 1,200時間なので、配賦率は 750円になります。

図10-5 配賦基準を変えたときの製品別原価の比較
項目製品A製品B製品C合計
直接費(直課)600,000500,000400,0001,500,000
基準1 直接作業時間で配賦450,000270,000180,000900,000
基準1 の製品別原価1,050,000770,000580,0002,400,000
基準2 機械運転時間で配賦150,000300,000450,000900,000
基準2 の製品別原価750,000800,000850,0002,400,000

製品Aの原価は 1,050,000円から 750,000円に下がりました。

製品Cの原価は 580,000円から 850,000円に上がりました。

それでも合計はどちらも 2,400,000円です。

これが「配賦は分け方にすぎない」という意味です。

POINT

配賦基準を変えても、間接費の総額は変わりません。

変わるのは製品ごとの配賦額だけです。

だからこそ、基準の選び方が大切になります。

例題1

製造間接費の総額は 720,000円です。配賦基準は直接作業時間です。各製品への配賦額を計算しなさい。

製品直接作業時間
製品A900時間
製品B600時間
製品C300時間

解き方

  1. 配賦基準の総量を出す。900時間 + 600時間 + 300時間=1,800時間。
  2. 配賦率を出す。720,000円 ÷ 1,800時間=400円。
  3. 製品Aの配賦額=400円 × 900時間=360,000円。
  4. 製品Bの配賦額=400円 × 600時間=240,000円。
  5. 製品Cの配賦額=400円 × 300時間=120,000円。
  6. 検算:360,000円 + 240,000円 + 120,000円=720,000円。
  7. 製造間接費の総額と一致した。
例題2

次の資料により、製品Pと製品Qの製造原価を計算しなさい。製造間接費 600,000円は直接作業時間を基準に配賦します。

項目製品P製品Q
直接材料費420,000円300,000円
直接労務費280,000円200,000円
直接作業時間700時間500時間

解き方

  1. 直接材料費と直接労務費は直接費なので、そのまま直課する。
  2. 製品Pの直接費=420,000円 + 280,000円=700,000円。
  3. 製品Qの直接費=300,000円 + 200,000円=500,000円。
  4. 直接作業時間の合計=700時間 + 500時間=1,200時間。
  5. 配賦率=600,000円 ÷ 1,200時間=500円。
  6. 製品Pへの配賦額=500円 × 700時間=350,000円。
  7. 製品Qへの配賦額=500円 × 500時間=250,000円。
  8. 配賦額の検算:350,000円 + 250,000円=600,000円で総額と一致。
  9. 製品Pの製造原価=700,000円 + 350,000円=1,050,000円。
  10. 製品Qの製造原価=500,000円 + 250,000円=750,000円。
  11. 全体の検算:1,050,000円 + 750,000円=1,800,000円。
  12. 直接費 1,200,000円 + 間接費 600,000円=1,800,000円で一致した。
この章の要点3行
  • 直接費は直課(賦課)、間接費は配賦。費用の性質で道が決まる。
  • 配賦率=製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の総量、配賦額=配賦率 × その製品の基準量。
  • 配賦は分け方にすぎず総額は変わらない。配賦額の合計で必ず検算する。

章末演習(20問)

問1 g10-01基本

製造間接費の総額は 600,000円、直接作業時間の合計は 1,500時間です。直接作業時間を基準にしたときの配賦率はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

400 円

解説

配賦率=製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の総量です。

600,000円 ÷ 1,500時間=400円。

1時間あたり 400円という意味です。

問2 g10-02基本

配賦率は1時間あたり 300円です。製品Aの直接作業時間は 400時間でした。製品Aへの配賦額はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

120,000 円

解説

配賦額=配賦率 × その製品の基準量です。

300円 × 400時間=120,000円。

問3 g10-03基本

次のうち、直課(賦課)できるものはどれですか。

解答と解説

正解

ア 製品Aだけに使った材料の代金

解説

製品Aだけに使った材料は直接材料費です。

金額がそのまま製品Aのものと分かるので直課します。

ほかの3つは複数の製品に共通する製造間接費なので配賦します。

問4 g10-04基本

どの製品にいくらかかったか直接わからない費用は、基準を決めて各製品に配賦する。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しいです。

共通してかかる製造間接費は直課できません。

直接作業時間などの基準を使って配賦します。

問5 g10-05基本

製造間接費の総額は 840,000円、機械運転時間の合計は 2,100時間です。機械運転時間を基準にしたときの配賦率はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

400 円

解説

840,000円 ÷ 2,100時間=400円。

機械1時間あたり 400円を配賦します。

問6 g10-06基本

直課の別の呼び方はどれですか。

解答と解説

正解

ア 賦課

解説

直課は賦課とも呼びます。同じ意味です。

配賦は間接費を基準で分ける手続なので、別の言葉です。

問7 g10-07標準

製造間接費の総額は 960,000円です。直接作業時間を基準に配賦するとき、製品Aへの配賦額はいくらですか。

製品直接作業時間
製品A700時間
製品B500時間

答え
解答と解説

正解

560,000 円

解説

直接作業時間の合計=700時間 + 500時間=1,200時間。

配賦率=960,000円 ÷ 1,200時間=800円。

製品Aへの配賦額=800円 × 700時間=560,000円。

問8 g10-08標準

製造間接費の総額は 960,000円です。直接作業時間を基準に配賦するとき、製品Bへの配賦額はいくらですか。

製品直接作業時間
製品A700時間
製品B500時間

答え
解答と解説

正解

400,000 円

解説

配賦率=960,000円 ÷ 1,200時間=800円。

製品Bへの配賦額=800円 × 500時間=400,000円。

検算:560,000円 + 400,000円=960,000円で総額と一致します。

問9 g10-09標準

製造間接費の総額は 1,080,000円、機械運転時間の合計は 1,800時間です。機械運転時間を基準にしたときの配賦率はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

600 円

解説

1,080,000円 ÷ 1,800時間=600円。

機械1時間あたり 600円です。

問10 g10-10標準

製品Xの直接材料費は 250,000円、直接労務費は 150,000円です。さらに製造間接費 200,000円が配賦されました。製品Xの製造原価はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

600,000 円

解説

直接材料費と直接労務費は直課された直接費です。

250,000円 + 150,000円=400,000円。

これに配賦額 200,000円を加えます。

400,000円 + 200,000円=600,000円。

問11 g10-11標準

配賦率は1時間あたり 600円です。製品Yへの配賦額は 240,000円でした。製品Yの直接作業時間は何時間ですか。

答え時間
解答と解説

正解

400 時間

解説

配賦額=配賦率 × 基準量、なので逆算します。

基準量=配賦額 ÷ 配賦率です。

240,000円 ÷ 600円=400時間。

問12 g10-12標準

直接作業時間を基準とした配賦率は1時間あたり 500円、直接作業時間の合計は 1,400時間でした。製造間接費の総額はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

700,000 円

解説

配賦率=総額 ÷ 総量、なので逆算します。

総額=配賦率 × 総量です。

500円 × 1,400時間=700,000円。

問13 g10-13標準

配賦基準の選び方として最も適切なものはどれですか。

解答と解説

正解

ア その間接費の発生と関係が深いものを選ぶ

解説

配賦基準は、間接費の発生と関係が深いものを選びます。

機械の減価償却費なら機械運転時間が向きます。

関係のうすい基準では製品別原価がゆがみます。

問14 g10-14標準

配賦についての説明として正しいものはどれですか。

解答と解説

正解

ア 配賦をしても製造間接費の総額は変わらない

解説

配賦は総額を製品ごとに分ける手続です。

分け方が変わるだけで、総額は変わりません。

直接費に対して行うのは直課(賦課)です。

問15 g10-15標準

配賦基準を変えると、製造間接費の総額も変わる。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。

基準を変えても総額は変わりません。

変わるのは各製品への配賦額だけです。

問16 g10-16標準

製造間接費の総額は 750,000円です。生産数量を基準に配賦します。生産数量は製品Aが 1,000個、製品Bが 1,500個、製品Cが 2,500個でした。製品Cへの配賦額はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

375,000 円

解説

生産数量の合計=1,000個 + 1,500個 + 2,500個=5,000個。

配賦率=750,000円 ÷ 5,000個=150円。

製品Cへの配賦額=150円 × 2,500個=375,000円。

検算:150,000円 + 225,000円 + 375,000円=750,000円。

問17 g10-17応用

次の資料により、配賦基準を直接作業時間から機械運転時間に変えたとき、製品Aへの配賦額はいくら減りますか。

項目製品A製品B製品C
直接費1,000,000円800,000円900,000円
直接作業時間800時間700時間500時間
機械運転時間300時間500時間700時間

製造間接費の総額は 1,200,000円です。

答え
解答と解説

正解

240,000 円

解説

直接作業時間の合計=800時間 + 700時間 + 500時間=2,000時間。

配賦率=1,200,000円 ÷ 2,000時間=600円。

製品Aの配賦額=600円 × 800時間=480,000円。

機械運転時間の合計=300時間 + 500時間 + 700時間=1,500時間。

配賦率=1,200,000円 ÷ 1,500時間=800円。

製品Aの配賦額=800円 × 300時間=240,000円。

480,000円 − 240,000円=240,000円だけ減ります。

問18 g10-18応用

次の資料により、機械運転時間を基準に配賦したときの製品Cの製造原価を計算しなさい。

項目製品A製品B製品C
直接費1,000,000円800,000円900,000円
直接作業時間800時間700時間500時間
機械運転時間300時間500時間700時間

製造間接費の総額は 1,200,000円です。

答え
解答と解説

正解

1,460,000 円

解説

機械運転時間の合計=1,500時間。

配賦率=1,200,000円 ÷ 1,500時間=800円。

製品Cへの配賦額=800円 × 700時間=560,000円。

製品Cの製造原価=直接費 900,000円 + 560,000円=1,460,000円。

検算:配賦額は 240,000円 + 400,000円 + 560,000円=1,200,000円で総額と一致します。

問19 g10-19応用

次の資料について、正しく説明しているものを選びなさい。

項目製品A製品B製品C
直接費1,000,000円800,000円900,000円
直接作業時間800時間700時間500時間
機械運転時間300時間500時間700時間

製造間接費の総額は 1,200,000円です。

解答と解説

正解

ア 配賦基準を変えても、3製品への配賦額の合計は 1,200,000円で変わらない

解説

配賦は総額を分ける手続なので、合計はつねに 1,200,000円です。

直接作業時間を基準にすると製品Cは 300,000円で最も小さくなります。

機械運転時間を基準にすると製品Aは 240,000円で最も小さくなります。

問20 g10-20応用

直接作業時間を基準に製造間接費を配賦したところ、製品Cへの配賦額は 300,000円でした。製品Cの直接作業時間は 500時間、工場全体の直接作業時間は 2,000時間です。製造間接費の総額はいくらですか。

答え
解答と解説

正解

1,200,000 円

解説

まず配賦率を逆算します。

配賦率=300,000円 ÷ 500時間=600円。

総額=配賦率 × 配賦基準の総量です。

600円 × 2,000時間=1,200,000円。

第11章月末仕掛品原価と月末製品原価0 / 20

原価が仕掛品から製品へ、そして売上原価へと姿を変える流れを、2つのボックス図で最後まで追えるようにします。

この章のゴール
  • 仕掛品と製品のちがいを説明でき、原価がどの順番で姿を変えるかを言える
  • 仕掛品ボックスを書いて、当月製品製造原価を自分で計算できる
  • 製品ボックスを書いて、売上原価と売上総利益まで計算できる

1 まだ完成していないもの、まだ売れていないもの

工場でお金を使うと、そのお金は原価になります。ところが、使った原価がその月のうちに全部費用になるわけではありません。ここが原価計算のいちばん大事なところです。

理由は単純です。作りかけのもの売れ残ったものが必ず出るからです。この2つには名前がついています。

1-1 仕掛品とは

仕掛品とは、製造の途中でまだ完成していないものです。「しかかりひん」と読みます。材料を切って、組み立てて、あと少しで終わる。そういう状態のものです。

仕掛品はまだ売ることができません。ですから、仕掛品にかかった原価は費用にはならず、資産として次の月へ持ち越します

1-2 製品とは

製品とは、完成したけれどまだ販売していないものです。倉庫に積まれて出荷を待っている状態です。

製品も、売れていない以上は費用になりません。売れた分だけが売上原価という費用になります。売れ残った分は資産として次の月へ持ち越します。

仕掛品

まだ完成していないもの。工場の中にあります。次の月に完成させて製品にします。

製品

完成したけれどまだ売れていないもの。倉庫にあります。売れたときに売上原価になります。

暗記

仕掛品は作りかけ、製品は売れ残り。どちらも費用ではなく資産です。費用になるのは、売れた分だけです。

1-3 原価は3回、姿を変える

当月に工場で使った原価は、次の順番で姿を変えていきます。この流れが頭に入れば、この章は半分終わりです。

図11-1 原価が姿を変える流れ
STEP1 当月製造費用
材料費
労務費
経費
STEP2 仕掛品
作りかけ
完成したら次へ
STEP3 製品
完成品
売れたら次へ
STEP4 売上原価
売れた分だけ
費用になる

STEP2で完成しなかった分が月末仕掛品原価、STEP3で売れなかった分が月末製品原価です。この2つは費用にならず、翌月へ持ち越します。

POINT

関門は2つあります。1つめの関門が完成したかどうか、2つめの関門が売れたかどうかです。2つとも通り抜けた原価だけが、当月の費用である売上原価になります。

2 仕掛品ボックスで当月製品製造原価を出す

まず1つめの関門です。当月に完成した製品の原価を当月製品製造原価といいます。当月完成品原価ともよびます。計算式は次のとおりです。

暗記

当月製品製造原価 = 月初仕掛品原価当月製造費用月末仕掛品原価

2-1 なぜこの式になるのか

暗記する前に、意味を確かめておきます。当月に工場の中にあった作りかけの原価は、次の2つの合計です。

  • 先月から持ち越してきた作りかけ、つまり月初仕掛品原価
  • 当月あらたに投入した材料費・労務費・経費、つまり当月製造費用

この合計のうち、当月中に完成した分が当月製品製造原価、完成しなかった分が月末仕掛品原価です。したがって、合計から完成しなかった分を引けば完成した分が出ます。ただそれだけの式です。

2-2 仕掛品ボックスの書き方

この関係を四角い箱に整理したものを仕掛品ボックスといいます。左に入ってきた原価、右に出ていった原価を書きます。左の合計と右の合計は必ず一致します

図11-2 仕掛品ボックス(数値入り)
左(入ってきた原価)金額右(出ていった原価)金額
月初仕掛品原価180,000当月製品製造原価(完成品)1,440,000
当月製造費用1,500,000月末仕掛品原価240,000
合計1,680,000合計1,680,000

左の合計は 180,000円 + 1,500,000円 = 1,680,000円です。ここから月末仕掛品原価 240,000円を引くと、当月製品製造原価は 1,440,000円と決まります。右の合計 1,440,000円 + 240,000円 = 1,680,000円で、左とぴたりと一致します。

POINT

ボックス図は、必ず左を先に埋めて合計を出すのがコツです。左の合計が分かれば、右は引き算だけで求まります。左を出さずに右から考えると、必ず迷います。

3 製品ボックスで売上原価を出す

次は2つめの関門です。完成した製品のうち、売れた分が売上原価になります。計算式は仕掛品とまったく同じ形です。

暗記

売上原価 = 月初製品原価当月製品製造原価月末製品原価

先月から持ち越した製品と、当月完成した製品。この2つを合わせたものが、当月に売ることができた製品のすべてです。そのうち売れ残った分を引けば、売れた分が出ます。

図11-3 製品ボックス(数値入り)
左(入ってきた原価)金額右(出ていった原価)金額
月初製品原価120,000売上原価(売れた分)1,360,000
当月製品製造原価1,440,000月末製品原価200,000
合計1,560,000合計1,560,000

左の合計は 120,000円 + 1,440,000円 = 1,560,000円。ここから月末製品原価 200,000円を引いて、売上原価は 1,360,000円です。右の合計も 1,360,000円 + 200,000円 = 1,560,000円で一致します。

仕掛品ボックスの右上にあった 1,440,000円が、そのまま製品ボックスの左に移っている点に注目してください。2つのボックスは、この1本の線でつながっています。

POINT

2つのボックスは当月製品製造原価という橋でつながります。仕掛品ボックスの「完成品」が、そのまま製品ボックスの左側に入ります。ここを間違えると全部ずれます。

3-1 売上総利益まで出す

売上原価が出れば、あと一歩です。売上高から売上原価を引くと売上総利益になります。

たとえば上の例で当月の売上高が 2,000,000円だったとすると、売上総利益は 2,000,000円 - 1,360,000円 = 640,000円です。

注意

売上原価と当月製造費用を混同しないでください。当月製造費用は当月に工場で使った金額、売上原価は当月に売れた製品の原価です。同じ月でも金額はふつう一致しません。

4 月末仕掛品原価はどうやって求めるのか

ここまでの計算では、月末仕掛品原価が最初から分かっているものとして扱ってきました。実際の試験でも、多くの場合は問題文に金額が与えられます。

注意

原価計算初級では、加工進捗度を使って完成品換算量を求める計算には踏み込みません。月末仕掛品原価は、問題文で金額が与えられるか、単純な数量の割合で按分して求める形に限られます。進捗度や完成品換算量が出てくる計算は2級以上の内容です。

4-1 数量の割合で按分する場合

数量で按分する問題は次の形です。月初仕掛品がなく、1個あたりの原価がどれも同じとみなせるときに使えます。

図11-4 数量按分で月末仕掛品原価を求める

当月製造費用 1,080,000円。当月に着手したのは 180個で、うち 150個が完成し、30個が月末仕掛品として残った。月初仕掛品はない。

手順計算結果
1個あたりの原価1,080,000円 ÷ 180個6,000
完成品原価6,000円 × 150個900,000
月末仕掛品原価6,000円 × 30個180,000
合計の検算900,000円 + 180,000円1,080,000

完成品原価と月末仕掛品原価の合計が、当月製造費用にぴたりと戻ります。ここが必ず一致することを毎回確かめてください。

5 製造原価報告書というまとめ方

ここまでの計算を1枚の表にまとめたものを製造原価報告書といいます。当月製造費用から当月製品製造原価までを、上から順に並べただけの書類です。

図11-5 製造原価報告書のひな形
製造原価報告書(当月)金額
材料費700,000
労務費550,000
経費250,000
当月製造費用1,500,000
月初仕掛品原価180,000
合計1,680,000
月末仕掛品原価240,000
当月製品製造原価1,440,000

上から3行が原価の3分類です。その合計が当月製造費用 1,500,000円。そこに月初仕掛品原価を足し、月末仕掛品原価を引くと、当月製品製造原価 1,440,000円が出ます。図11-2の仕掛品ボックスを縦に並べ直しただけです。

POINT

製造原価報告書は仕掛品ボックスの縦書き版です。新しい計算は1つも出てきません。形がちがうだけだと分かれば、こわがる必要はありません。

例題1 仕掛品ボックスで当月製品製造原価を求める

次の資料から、当月製品製造原価を求めなさい。

  • 月初仕掛品原価 320,000円
  • 当月製造費用:材料費 960,000円、労務費 720,000円、経費 400,000円
  • 月末仕掛品原価 380,000円

解き方の実況

まず当月製造費用をひとまとめにします。材料費・労務費・経費はバラバラのままでは使えません。960,000円 + 720,000円 + 400,000円 = 2,080,000円です。

次にボックスの左側を埋めます。左は月初仕掛品原価と当月製造費用の2つです。320,000円 + 2,080,000円 = 2,400,000円。この 2,400,000円が、当月に工場の中にあった作りかけの原価の全部です。

最後に右側です。右は完成した分と完成しなかった分に分かれます。完成しなかった分は月末仕掛品原価 380,000円と与えられています。ですから完成した分は 2,400,000円 - 380,000円 = 2,020,000円です。

左(入ってきた原価)金額右(出ていった原価)金額
月初仕掛品原価320,000当月製品製造原価2,020,000
当月製造費用2,080,000月末仕掛品原価380,000
合計2,400,000合計2,400,000

検算します。右の合計は 2,020,000円 + 380,000円 = 2,400,000円。左と一致したので正解です。答えは当月製品製造原価 2,020,000円。

例題2 製品ボックスで売上原価と売上総利益を求める

例題1の続きです。次の資料から、売上原価と売上総利益を求めなさい。

  • 当月製品製造原価 2,020,000円(例題1で求めた金額)
  • 月初製品原価 260,000円
  • 月末製品原価 300,000円
  • 当月の売上高 3,200,000円

解き方の実況

今度は製品ボックスです。左側から埋めます。左に入るのは月初製品原価と、例題1で求めた当月製品製造原価の2つです。260,000円 + 2,020,000円 = 2,280,000円。これが当月に売ることができた製品の原価の全部です。

次に右側です。売れ残ったのが月末製品原価 300,000円ですから、売れた分は 2,280,000円 - 300,000円 = 1,980,000円。これが売上原価です。

左(入ってきた原価)金額右(出ていった原価)金額
月初製品原価260,000売上原価1,980,000
当月製品製造原価2,020,000月末製品原価300,000
合計2,280,000合計2,280,000

右の合計は 1,980,000円 + 300,000円 = 2,280,000円で左と一致します。

最後に売上総利益です。売上高から売上原価を引きます。3,200,000円 - 1,980,000円 = 1,220,000円。答えは売上原価 1,980,000円、売上総利益 1,220,000円です。

ここで当月製造費用 2,080,000円と売上原価 1,980,000円を見比べてください。金額がちがいます。作った金額と売れた金額は別物だという感覚を、ここでつかんでおいてください。

この章の要点3行
  • 原価は 当月製造費用 → 仕掛品 → 製品 → 売上原価 の順に姿を変えます。関門は「完成したか」と「売れたか」の2つです。
  • 当月製品製造原価 = 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価。仕掛品ボックスの左を先に埋めます。
  • 売上原価 = 月初製品原価 + 当月製品製造原価 - 月末製品原価。左右の合計が一致するかを必ず検算します。

章末演習(20問)

問1 g11-01基本

次の資料から当月製品製造原価を求めなさい。

  • 月初仕掛品原価 150,000円
  • 当月製造費用 1,200,000円
  • 月末仕掛品原価 180,000円

答え
解答と解説

正解

1,170,000 円

解説

当月製品製造原価 = 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価 です。

まず左側の合計を出します。150,000円 + 1,200,000円 = 1,350,000円。ここから月末仕掛品原価 180,000円を引いて、1,350,000円 - 180,000円 = 1,170,000円です。

検算:1,170,000円 + 180,000円 = 1,350,000円で左側と一致します。

問2 g11-02基本

次の資料から売上原価を求めなさい。

  • 月初製品原価 200,000円
  • 当月製品製造原価 1,170,000円
  • 月末製品原価 170,000円

答え
解答と解説

正解

1,200,000 円

解説

売上原価 = 月初製品原価 + 当月製品製造原価 - 月末製品原価 です。

左側の合計は 200,000円 + 1,170,000円 = 1,370,000円。ここから月末製品原価 170,000円を引いて、1,370,000円 - 170,000円 = 1,200,000円です。

検算:1,200,000円 + 170,000円 = 1,370,000円で一致します。

問3 g11-03基本

次の資料から当月製品製造原価を求めなさい。月初仕掛品はありません。

  • 材料費 480,000円
  • 労務費 360,000円
  • 経費 160,000円
  • 月末仕掛品原価 120,000円

答え
解答と解説

正解

880,000 円

解説

まず当月製造費用をまとめます。480,000円 + 360,000円 + 160,000円 = 1,000,000円です。

月初仕掛品がないので、左側の合計はそのまま 1,000,000円。ここから月末仕掛品原価 120,000円を引いて、1,000,000円 - 120,000円 = 880,000円です。

検算:880,000円 + 120,000円 = 1,000,000円で一致します。

問4 g11-04基本

次の資料から月末仕掛品原価を求めなさい。

  • 月初仕掛品原価 90,000円
  • 当月製造費用 810,000円
  • 当月製品製造原価 780,000円

答え
解答と解説

正解

120,000 円

解説

左側の合計は 90,000円 + 810,000円 = 900,000円です。この 900,000円が、完成した分と完成しなかった分に分かれます。

完成した分が 780,000円なので、完成しなかった分は 900,000円 - 780,000円 = 120,000円。これが月末仕掛品原価です。

左側の合計さえ出せば、あとは引き算だけで求まります。

問5 g11-05基本

仕掛品と製品の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 仕掛品とは、製造の途中でまだ完成していないものをいう

解説

仕掛品は製造の途中でまだ完成していないもの、製品は完成したけれどまだ販売していないものです。

選択肢の1つめは製品の説明、3つめは仕掛品の説明で、それぞれ入れかわっています。4つめは材料の説明です。

問6 g11-06基本

当月に工場で発生した製造費用は、その全額がそのまま当月の売上原価になる。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。当月製造費用のうち、月末に完成していない分は月末仕掛品原価として、完成しても売れていない分は月末製品原価として、翌月へ持ち越します。

売上原価になるのは、完成して、さらに売れた分だけです。作った金額と売れた金額は一致しません。

問7 g11-07標準

当月製造費用は 1,080,000円である。当月に着手した 180個のうち 150個が完成し、30個が月末仕掛品として残った。月初仕掛品はなく、1個あたりの原価はどれも同じとみなす。月末仕掛品原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

180,000 円

解説

1個あたりの原価を先に出します。1,080,000円 ÷ 180個 = 6,000円です。

月末仕掛品は 30個なので、6,000円 × 30個 = 180,000円になります。

検算:完成品原価は 6,000円 × 150個 = 900,000円。900,000円 + 180,000円 = 1,080,000円で当月製造費用に戻ります。

問8 g11-08標準

当月製造費用は 1,440,000円である。当月に着手した 240個のうち 200個が完成し、40個が月末仕掛品として残った。月初仕掛品はなく、1個あたりの原価はどれも同じとみなす。当月製品製造原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,200,000 円

解説

1個あたりの原価は 1,440,000円 ÷ 240個 = 6,000円です。

完成したのは 200個なので、当月製品製造原価は 6,000円 × 200個 = 1,200,000円になります。

検算:月末仕掛品原価は 6,000円 × 40個 = 240,000円。1,200,000円 + 240,000円 = 1,440,000円で一致します。

問9 g11-09標準

次の資料から月末製品原価を求めなさい。

  • 月初製品原価 180,000円
  • 当月製品製造原価 1,560,000円
  • 売上原価 1,500,000円

答え
解答と解説

正解

240,000 円

解説

製品ボックスの左側の合計は 180,000円 + 1,560,000円 = 1,740,000円です。

この 1,740,000円が、売れた分と売れ残った分に分かれます。売れた分が 1,500,000円なので、売れ残った分は 1,740,000円 - 1,500,000円 = 240,000円。これが月末製品原価です。

問10 g11-10標準

次の資料から当月製品製造原価を求めなさい。

  • 材料費 620,000円
  • 労務費 540,000円
  • 経費 240,000円
  • 月初仕掛品原価 160,000円
  • 月末仕掛品原価 260,000円

答え
解答と解説

正解

1,300,000 円

解説

当月製造費用は 620,000円 + 540,000円 + 240,000円 = 1,400,000円です。

仕掛品ボックスの左側は 160,000円 + 1,400,000円 = 1,560,000円。ここから月末仕掛品原価 260,000円を引いて、1,560,000円 - 260,000円 = 1,300,000円です。

検算:1,300,000円 + 260,000円 = 1,560,000円で左側と一致します。

問11 g11-11標準

当月製品製造原価は 1,300,000円である。月初製品原価が 240,000円、月末製品原価が 190,000円のとき、売上原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,350,000 円

解説

製品ボックスの左側は 240,000円 + 1,300,000円 = 1,540,000円です。

ここから月末製品原価 190,000円を引いて、1,540,000円 - 190,000円 = 1,350,000円が売上原価になります。

検算:1,350,000円 + 190,000円 = 1,540,000円で一致します。

問12 g11-12標準

当月の売上高は 2,400,000円、売上原価は 1,350,000円であった。売上総利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,050,000 円

解説

売上総利益 = 売上高 - 売上原価 です。

2,400,000円 - 1,350,000円 = 1,050,000円になります。

ここから販売費および一般管理費を引くと営業利益になりますが、この問題では売上総利益までを答えます。

問13 g11-13標準

次の資料から当月製造費用を求めなさい。

  • 月初仕掛品原価 210,000円
  • 当月製品製造原価 1,890,000円
  • 月末仕掛品原価 240,000円

答え
解答と解説

正解

1,920,000 円

解説

まず仕掛品ボックスの右側を合計します。1,890,000円 + 240,000円 = 2,130,000円です。左右の合計は必ず一致するので、左側の合計も 2,130,000円になります。

左側は月初仕掛品原価と当月製造費用の2つですから、当月製造費用は 2,130,000円 - 210,000円 = 1,920,000円です。

右側が分かっているときは、右の合計から左を逆算します。

問14 g11-14標準

当月製品製造原価を求める計算式として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価

解説

当月製品製造原価は仕掛品ボックスで求めます。左側は月初仕掛品原価と当月製造費用、右側は当月製品製造原価と月末仕掛品原価です。

したがって 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価 となります。足すのが月初、引くのが月末です。ここを逆にすると金額がずれます。

問15 g11-15標準

売上原価を求める計算式として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 月初製品原価 + 当月製品製造原価 - 月末製品原価

解説

売上原価は製品ボックスで求めます。左側は月初製品原価と当月製品製造原価、右側は売上原価と月末製品原価です。

したがって 月初製品原価 + 当月製品製造原価 - 月末製品原価 となります。ここで使うのは当月製造費用ではなく、仕掛品ボックスで求めた当月製品製造原価です。

問16 g11-16標準

月末仕掛品原価が大きくなるほど、ほかの条件が同じであれば当月製品製造原価は小さくなる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。当月製品製造原価 = 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価 なので、引く金額が大きくなれば結果は小さくなります。

意味の面でも同じです。左側の合計が変わらないなら、完成しなかった分が増えれば完成した分は減ります。

問17 g11-17応用

次の資料から売上原価を求めなさい。

  • 材料費 850,000円
  • 労務費 700,000円
  • 経費 350,000円
  • 月初仕掛品原価 240,000円、月末仕掛品原価 340,000円
  • 月初製品原価 300,000円、月末製品原価 260,000円

答え
解答と解説

正解

1,840,000 円

解説

手順1。当月製造費用を出します。850,000円 + 700,000円 + 350,000円 = 1,900,000円です。

手順2。仕掛品ボックスです。左側は 240,000円 + 1,900,000円 = 2,140,000円。月末仕掛品原価 340,000円を引いて、当月製品製造原価は 2,140,000円 - 340,000円 = 1,800,000円です。

手順3。製品ボックスです。左側は 300,000円 + 1,800,000円 = 2,100,000円。月末製品原価 260,000円を引いて、売上原価は 2,100,000円 - 260,000円 = 1,840,000円になります。

検算:1,840,000円 + 260,000円 = 2,100,000円で製品ボックスの左右が一致します。

問18 g11-18応用

前問と同じ資料で、当月の売上高が 2,760,000円であった。売上総利益はいくらか。

  • 材料費 850,000円、労務費 700,000円、経費 350,000円
  • 月初仕掛品原価 240,000円、月末仕掛品原価 340,000円
  • 月初製品原価 300,000円、月末製品原価 260,000円

答え
解答と解説

正解

920,000 円

解説

当月製造費用は 1,900,000円。当月製品製造原価は 240,000円 + 1,900,000円 - 340,000円 = 1,800,000円です。

売上原価は 300,000円 + 1,800,000円 - 260,000円 = 1,840,000円になります。

売上総利益は 2,760,000円 - 1,840,000円 = 920,000円です。当月製造費用 1,900,000円を売上高から引かないよう注意してください。

問19 g11-19応用

次の資料から当月製造費用を求めなさい。

  • 売上原価 1,650,000円
  • 月初製品原価 220,000円、月末製品原価 270,000円
  • 月初仕掛品原価 180,000円、月末仕掛品原価 230,000円

答え
解答と解説

正解

1,750,000 円

解説

後ろから前へさかのぼります。まず製品ボックスです。右側の合計は 1,650,000円 + 270,000円 = 1,920,000円。左右は一致するので左側も 1,920,000円です。左側から月初製品原価 220,000円を引いて、当月製品製造原価は 1,920,000円 - 220,000円 = 1,700,000円になります。

次に仕掛品ボックスです。右側の合計は 1,700,000円 + 230,000円 = 1,930,000円。左側も 1,930,000円なので、当月製造費用は 1,930,000円 - 180,000円 = 1,750,000円です。

逆算のときも、まず合計を出してから引くという順番は変わりません。

問20 g11-20応用

月初仕掛品原価と月末仕掛品原価がともにゼロであるとき、必ず成り立つものはどれか。

解答と解説

正解

イ 当月製品製造原価は当月製造費用と必ず一致する

解説

当月製品製造原価 = 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価 です。足す金額も引く金額もゼロなら、当月製品製造原価は当月製造費用そのものになります。

売上原価が一致するとは限りません。完成した製品が売れ残れば月末製品原価が生じ、その分だけ売上原価は小さくなります。仕掛品がゼロであることと、製品が売れ残るかどうかは別の話です。

第12章製品別の損益計算書を完成させる0 / 34

直課と配賦から始めて2つのボックスを通し、製品ごとの売上総利益と営業利益まで一気に組み上げる、本試験第3問の完成形です。

この章のゴール
  • 直課・配賦から営業利益までの7つの手順を、順番どおりに実行できる
  • 製品ごとの当月製造費用を集計し、仕掛品ボックスと製品ボックスを製品別に組める
  • 製品別の損益計算書を完成させ、どの製品が儲かっているかを読み取れる

1 この章がゴール地点です

ここまで学んだ道具がすべてつながります。原価の3分類、直接費と間接費、直課と配賦、仕掛品ボックス、製品ボックス。この章はそれらを1本の線につなぎ、製品別の損益計算書を完成させます。

本試験の第3問は 32点。配点がいちばん大きい問題です。しかも、やることは毎回同じ順番です。順番さえ体に入れば、確実に点になります。

1-1 7つの手順を先に覚える

解く順番は次の7段階です。どの問題でもこの順に進みます。

図12-1 製品別損益計算書を完成させる7つの手順
  1. 手順1 直接費を直課する。直接材料費と直接労務費は、どの製品にいくらかかったか分かります。そのまま各製品に割り当てます。
  2. 手順2 間接費を配賦する。製造間接費は共通に発生します。配賦基準で配賦率を出し、各製品に配賦します。
  3. 手順3 当月製造費用を集計する。直課した分と配賦した分を製品ごとに合計します。
  4. 手順4 仕掛品ボックスを組む。月初仕掛品を足し、月末仕掛品を引いて、製品ごとの当月製品製造原価を出します。
  5. 手順5 製品ボックスを組む。月初製品を足し、月末製品を引いて、製品ごとの売上原価を出します。
  6. 手順6 売上総利益を出す。製品ごとに 売上高 - 売上原価 を計算します。
  7. 手順7 営業利益を出す。販売費および一般管理費を製品ごとに集計し、売上総利益から引きます。

手順1から手順3までが工場の中の話、手順4と手順5が在庫の話、手順6と手順7が損益計算書の話です。3つのかたまりに分けて覚えると忘れません。

POINT

この7手順は飛ばせません。売上原価をいきなり出そうとしても出ません。当月製造費用が分からなければ当月製品製造原価は出ず、当月製品製造原価が分からなければ売上原価も出ないからです。上から順に埋めるのが最短経路です。

2 手順1から手順3 当月製造費用を製品ごとに集計する

まず工場の中を製品別に分けます。使う資料は次の形で与えられます。

2-1 直接費は直課、間接費は配賦

直課とは、どの製品にかかったか分かる原価を、そのまま特定の製品に割り当てることです。直接材料費と直接労務費が代表例です。

配賦とは、どの製品にかかったか分けられない原価を、一定の基準で各製品に割り振ることです。工場の電気代や工場長の給料などの製造間接費が対象です。

配賦の計算は2段階です。

  • 配賦率 = 製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の合計
  • 各製品への配賦額 = 配賦率 × その製品の配賦基準の数値
注意

配賦率を出したら、各製品への配賦額の合計が製造間接費の総額に戻るかを必ず確かめてください。ここが合わないまま先へ進むと、最後まで全部ずれます。1か所の検算で以降の全問が守れます。

2-2 集計表に落とす

直課と配賦が終わったら、製品ごとに縦に足します。次が完成した集計表です。製造間接費 600,000円を直接作業時間で配賦しています。

図12-2 当月製造費用と当月製品製造原価の集計表

製造間接費 600,000円。直接作業時間は製品A 900時間、製品B 600時間、合計 1,500時間。

配賦率は 600,000円 ÷ 1,500時間 = 400円。製品Aへは 400円 × 900時間 = 360,000円、製品Bへは 400円 × 600時間 = 240,000円です。

項目製品A製品B合計
直接材料費(直課)600,000400,0001,000,000
直接労務費(直課)450,000350,000800,000
製造間接費(配賦)360,000240,000600,000
当月製造費用1,410,000990,0002,400,000
月初仕掛品原価150,00090,000240,000
合計1,560,0001,080,0002,640,000
月末仕掛品原価180,000120,000300,000
当月製品製造原価1,380,000960,0002,340,000

横に足すと合計欄になり、縦に計算すると当月製品製造原価になります。縦と横の両方が合うのが正しく組めた合図です。

POINT

集計表は製品Aの列・製品Bの列・合計の列の3列で作ります。合計の列は、各製品を横に足した数字と、合計の列だけで縦に計算した数字が一致します。この二重チェックが最大の武器です。

3 手順4と手順5 ボックスを製品ごとに2回まわす

第11章で学んだ2つのボックスを、製品ごとに1回ずつ組みます。式は同じです。

  • 当月製品製造原価 = 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価
  • 売上原価 = 月初製品原価 + 当月製品製造原価 - 月末製品原価

製品Aは 150,000円 + 1,410,000円 - 180,000円 = 1,380,000円。製品Bは 90,000円 + 990,000円 - 120,000円 = 960,000円。図12-2の下2行がこの計算です。

続けて製品ボックスです。月初製品原価は製品A 200,000円、製品B 140,000円。月末製品原価は製品A 260,000円、製品B 100,000円とします。

  • 製品Aの売上原価 = 200,000円 + 1,380,000円 - 260,000円 = 1,320,000円
  • 製品Bの売上原価 = 140,000円 + 960,000円 - 100,000円 = 1,000,000円

合計は 2,320,000円です。合計欄だけで計算しても 340,000円 + 2,340,000円 - 360,000円 = 2,320,000円となり、一致します。

注意

製品ボックスの左に入れるのは当月製品製造原価です。当月製造費用を入れてしまう誤りが非常に多いところです。工場から倉庫へ移るのは、完成したものだけです。

4 手順7 販売費および一般管理費を製品ごとに分ける

売上総利益まで出たら、最後に販売費および一般管理費を引いて営業利益を出します。ここで新しい論点が1つ出ます。

4-1 個別に分かる分と、共通の分

販売費および一般管理費には2種類あります。

製品ごとに分かる分

製品Aだけの広告費、製品Bだけの発送費など。そのまま各製品に割り当てます。製造原価の直課と同じ考え方です。

共通に発生する分

本社の事務員の給料、本社の家賃など。一定の基準で各製品に配分します。製造間接費の配賦と同じ考え方です。

共通分の配分基準には、各製品の売上高の比がよく使われます。売上が大きい製品ほど本社の手間もかかる、という考え方です。ほかに販売数量や受注件数を使うこともあります。

暗記

共通費の配分額 = 共通費の総額 × その製品の売上高 ÷ 全体の売上高。配分した金額の合計が、共通費の総額に戻ることを必ず確かめます。

4-2 実際に配分してみる

売上高が製品A 2,400,000円、製品B 1,600,000円、合計 4,000,000円だとします。売上高の比は 3対2です。共通の販売費および一般管理費 500,000円を配分します。

  • 製品A = 500,000円 × 2,400,000円 ÷ 4,000,000円 = 300,000円
  • 製品B = 500,000円 × 1,600,000円 ÷ 4,000,000円 = 200,000円

合計は 300,000円 + 200,000円 = 500,000円。共通費の総額に戻りました。これに製品ごとに分かる分(製品A 180,000円、製品B 160,000円)を足すと、販売費および一般管理費は製品A 480,000円、製品B 360,000円になります。

5 製品別の損益計算書を完成させる

ここまでの数字を1枚に並べます。これが答案の完成形です。

図12-3 製品別の損益計算書
項目製品A製品B合計
売上高2,400,0001,600,0004,000,000
売上原価1,320,0001,000,0002,320,000
売上総利益1,080,000600,0001,680,000
販売費および一般管理費480,000360,000840,000
営業利益600,000240,000840,000

縦の検算です。製品Aは 2,400,000円 - 1,320,000円 = 1,080,000円、1,080,000円 - 480,000円 = 600,000円。製品Bは 1,600,000円 - 1,000,000円 = 600,000円、600,000円 - 360,000円 = 240,000円。

横の検算です。売上総利益は 1,080,000円 + 600,000円 = 1,680,000円で合計欄と一致。営業利益は 600,000円 + 240,000円 = 840,000円で合計欄と一致します。

5-1 どちらの製品が儲かっているかを読む

表が完成したら、最後に読み取ります。金額だけを見ると製品Aの営業利益 600,000円が製品Bの 240,000円より大きく、製品Aの勝ちに見えます。

しかし売上高の大きさがちがいます。そこで売上高に対する営業利益の割合を見ます。

  • 製品A = 600,000円 ÷ 2,400,000円 = 25パーセント
  • 製品B = 240,000円 ÷ 1,600,000円 = 15パーセント

割合で見ても製品Aのほうが高く、製品Aは金額でも割合でも優れているという結論になります。もし割合が逆転していれば、「金額は大きいが効率は低い製品」という別の読み方が必要になります。

POINT

製品の比較は金額と割合の両方で見ます。金額が大きいだけでは効率がよいとは限りません。売上規模がちがう製品どうしを比べるときは、必ず割合を出してください。

注意

販売費および一般管理費は製造原価には入れません。工場で発生した原価が製造原価、売るためと本社を運営するための費用が販売費および一般管理費です。ここを混ぜると売上原価が過大になり、以降の数字がすべてずれます。

例題1 手順1から手順7まで通しで解く

当社は製品Xと製品Yを製造販売しています。次の資料から、製品別の損益計算書を完成させなさい。

資料製品X製品Y
直接材料費600,000400,000
直接労務費450,000350,000
直接作業時間900時間600時間
月初仕掛品原価150,00090,000
月末仕掛品原価180,000120,000
月初製品原価200,000140,000
月末製品原価260,000100,000
売上高2,400,0001,600,000
製品ごとに分かる販売費および一般管理費180,000160,000

製造間接費は 600,000円で、直接作業時間を基準に配賦します。共通の販売費および一般管理費は 500,000円で、売上高の比で配分します。

解き方の実況

手順1 直接費を直課する。直接材料費と直接労務費は、資料にそのまま製品別の金額が書いてあります。判断は不要です。製品Xは 600,000円と 450,000円、製品Yは 400,000円と 350,000円をそのまま使います。

手順2 間接費を配賦する。配賦基準は直接作業時間です。合計は 900時間 + 600時間 = 1,500時間。配賦率は 600,000円 ÷ 1,500時間 = 400円です。製品Xへは 400円 × 900時間 = 360,000円、製品Yへは 400円 × 600時間 = 240,000円。合計 600,000円で総額に戻ったので、ここは正しく計算できています。

手順3 当月製造費用を集計する。製品Xは 600,000円 + 450,000円 + 360,000円 = 1,410,000円。製品Yは 400,000円 + 350,000円 + 240,000円 = 990,000円。合計は 2,400,000円です。

手順4 仕掛品ボックスを組む。製品Xの左側は 150,000円 + 1,410,000円 = 1,560,000円。月末仕掛品原価 180,000円を引いて、当月製品製造原価は 1,380,000円です。製品Yの左側は 90,000円 + 990,000円 = 1,080,000円。月末仕掛品原価 120,000円を引いて 960,000円。合計は 2,340,000円です。

手順5 製品ボックスを組む。製品Xの左側は 200,000円 + 1,380,000円 = 1,580,000円。月末製品原価 260,000円を引いて、売上原価は 1,320,000円です。製品Yの左側は 140,000円 + 960,000円 = 1,100,000円。月末製品原価 100,000円を引いて 1,000,000円。合計は 2,320,000円です。

手順6 売上総利益を出す。製品Xは 2,400,000円 - 1,320,000円 = 1,080,000円。製品Yは 1,600,000円 - 1,000,000円 = 600,000円。合計は 1,680,000円です。

手順7 営業利益を出す。まず共通費の配分です。売上高は製品X 2,400,000円、製品Y 1,600,000円、合計 4,000,000円。製品Xへは 500,000円 × 2,400,000円 ÷ 4,000,000円 = 300,000円、製品Yへは 500,000円 × 1,600,000円 ÷ 4,000,000円 = 200,000円です。合計 500,000円で総額に戻りました。

これに製品ごとに分かる分を足します。製品Xは 180,000円 + 300,000円 = 480,000円、製品Yは 160,000円 + 200,000円 = 360,000円。合計 840,000円です。

営業利益は、製品Xが 1,080,000円 - 480,000円 = 600,000円、製品Yが 600,000円 - 360,000円 = 240,000円。合計は 840,000円になります。

製品別損益計算書製品X製品Y合計
売上高2,400,0001,600,0004,000,000
売上原価1,320,0001,000,0002,320,000
売上総利益1,080,000600,0001,680,000
販売費および一般管理費480,000360,000840,000
営業利益600,000240,000840,000

検算。合計の列だけで縦に計算しても 4,000,000円 - 2,320,000円 = 1,680,000円、1,680,000円 - 840,000円 = 840,000円となり、横に足した数字と一致します。

読み取り。売上高に対する営業利益の割合は、製品Xが 600,000円 ÷ 2,400,000円 = 25パーセント、製品Yが 240,000円 ÷ 1,600,000円 = 15パーセント。製品Xのほうが効率よく利益を生んでいます。

例題2 1製品ぶんを機械運転時間で配賦して売上総利益まで出す

当社は製品Cと製品Dを製造しています。製造間接費 450,000円を機械運転時間で配賦します。機械運転時間は製品C 500時間、製品D 400時間です。次の資料から、製品Cの売上総利益を求めなさい。

  • 製品Cの直接材料費 320,000円、直接労務費 280,000円
  • 製品Cの月初仕掛品原価 70,000円、月末仕掛品原価 120,000円
  • 製品Cの月初製品原価 90,000円、月末製品原価 140,000円
  • 製品Cの売上高 1,250,000円

解き方の実況

配賦率から出します。機械運転時間の合計は 500時間 + 400時間 = 900時間。配賦率は 450,000円 ÷ 900時間 = 500円です。製品Cへの配賦額は 500円 × 500時間 = 250,000円になります。念のため製品Dは 500円 × 400時間 = 200,000円で、合計 450,000円。総額に戻りました。

製品Cの当月製造費用は 320,000円 + 280,000円 + 250,000円 = 850,000円です。

仕掛品ボックスです。左側は 70,000円 + 850,000円 = 920,000円。月末仕掛品原価 120,000円を引いて、当月製品製造原価は 800,000円です。

製品ボックスです。左側は 90,000円 + 800,000円 = 890,000円。月末製品原価 140,000円を引いて、売上原価は 750,000円になります。

最後に売上総利益です。1,250,000円 - 750,000円 = 500,000円。売上高に対する割合は 500,000円 ÷ 1,250,000円 = 40パーセントです。

製品Dの資料がなくても製品Cの答えは出ます。配賦率を出すためだけに製品Dの時間が必要だったという点を確認しておいてください。

この章の要点3行
  • 直課 → 配賦 → 当月製造費用 → 仕掛品ボックス → 製品ボックス → 売上総利益 → 営業利益。この7手順を上から順に埋めます。
  • 集計表も損益計算書も、製品ごとの列と合計の列が縦横で一致します。この二重チェックで途中のミスを消せます。
  • 販売費および一般管理費は、製品ごとに分かる分はそのまま、共通分は売上高などの比で配分してから引きます。

章末演習(34問)

問1 g12-01基本

製造間接費 720,000円を直接作業時間を基準に配賦する。直接作業時間は製品A 800時間、製品B 400時間である。製品Aへの配賦額はいくらか。

答え
解答と解説

正解

480,000 円

解説

直接作業時間の合計は 800時間 + 400時間 = 1,200時間です。

配賦率は 720,000円 ÷ 1,200時間 = 600円。製品Aへの配賦額は 600円 × 800時間 = 480,000円になります。

検算:製品Bへは 600円 × 400時間 = 240,000円。480,000円 + 240,000円 = 720,000円で総額に戻ります。

問2 g12-02基本

製品Bの直接材料費は 300,000円、直接労務費は 220,000円である。製造間接費の配賦額が 240,000円のとき、製品Bの当月製造費用はいくらか。

答え
解答と解説

正解

760,000 円

解説

当月製造費用は、直課した直接費と配賦した間接費の合計です。

300,000円 + 220,000円 + 240,000円 = 760,000円になります。

ここに月初仕掛品原価はまだ足しません。足すのは次の手順である仕掛品ボックスです。

問3 g12-03基本

製品別の損益計算書を完成させるときの手順として正しい順序はどれか。

解答と解説

正解

イ 直接費の直課 → 間接費の配賦 → 当月製品製造原価 → 売上原価 → 売上総利益

解説

まず工場の中を製品別に分けます。直接費を直課し、間接費を配賦して当月製造費用を集計します。

次に仕掛品ボックスで当月製品製造原価を出し、その金額を使って製品ボックスで売上原価を出します。最後に売上高から売上原価を引いて売上総利益です。

当月製品製造原価より先に売上原価を出すことはできません。

問4 g12-04基本

販売費および一般管理費は製造原価に含めるので、売上原価の計算に加える。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。販売費および一般管理費は製造原価ではありません。工場で発生した原価が製造原価で、売上原価の計算に使うのはこちらだけです。

販売費および一般管理費は、売上総利益を出したあとに引きます。混ぜてしまうと売上原価が過大になり、売上総利益も営業利益もずれます。

問5 g12-05標準

共通の販売費および一般管理費 540,000円を、各製品の売上高の比で配分する。売上高は製品A 2,000,000円、製品B 1,000,000円である。製品Aへの配分額はいくらか。

答え
解答と解説

正解

360,000 円

解説

売上高の合計は 2,000,000円 + 1,000,000円 = 3,000,000円です。

製品Aへの配分額は 540,000円 × 2,000,000円 ÷ 3,000,000円 = 360,000円になります。

検算:製品Bへは 540,000円 × 1,000,000円 ÷ 3,000,000円 = 180,000円。360,000円 + 180,000円 = 540,000円で総額に戻ります。

問6 g12-06標準

製品Aの月初仕掛品原価は 160,000円、当月製造費用は 1,240,000円、月末仕掛品原価は 200,000円である。製品Aの当月製品製造原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,200,000 円

解説

仕掛品ボックスの左側は 160,000円 + 1,240,000円 = 1,400,000円です。

ここから月末仕掛品原価 200,000円を引いて、1,400,000円 - 200,000円 = 1,200,000円になります。

検算:1,200,000円 + 200,000円 = 1,400,000円で左側と一致します。

問7 g12-07標準

製品Aの月初製品原価は 180,000円、当月製品製造原価は 1,200,000円、月末製品原価は 230,000円である。製品Aの売上原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,150,000 円

解説

製品ボックスの左側は 180,000円 + 1,200,000円 = 1,380,000円です。

ここから月末製品原価 230,000円を引いて、1,380,000円 - 230,000円 = 1,150,000円になります。

左に入れるのは当月製品製造原価であって、当月製造費用ではありません。

問8 g12-08標準

製品Aの売上高は 1,800,000円、売上原価は 1,150,000円である。製品Aの売上総利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

650,000 円

解説

売上総利益 = 売上高 - 売上原価 です。

1,800,000円 - 1,150,000円 = 650,000円になります。

ここから販売費および一般管理費を引くと営業利益になりますが、この問題では売上総利益までです。

問9 g12-09標準

製品Aの売上総利益は 650,000円である。製品Aだけに発生した販売費および一般管理費が 150,000円、共通費からの配分額が 200,000円のとき、製品Aの営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

300,000 円

解説

まず販売費および一般管理費を合計します。150,000円 + 200,000円 = 350,000円です。

営業利益は 650,000円 - 350,000円 = 300,000円になります。

製品ごとに分かる分と共通費の配分額は、必ず足してから引きます。片方だけを引く誤りに注意してください。

問10 g12-10標準

共通の販売費および一般管理費を各製品に配分するとき、配分基準として最も適切でないものはどれか。

解答と解説

正解

エ 各製品に使った材料の色の数

解説

配分基準は、その費用の発生と関係のある数値を選びます。売上高、販売数量、受注件数はいずれも販売活動の大きさを表すので、基準として使えます。

材料の色の数は販売活動の大きさとまったく関係がありません。関係のない数値で配分すると、製品ごとの利益がゆがんで判断を誤ります。

問11 g12-11標準

売上総利益が大きい製品が、必ず営業利益も大きいとは限らない。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。営業利益は売上総利益から販売費および一般管理費を引いて求めます。

売上総利益が大きくても、広告費や発送費などが多くかかる製品であれば、営業利益は逆転することがあります。どの段階の利益を見ているかを意識してください。

問12 g12-12 解答欄7標準

当社は製品Aと製品Bを製造している。次の資料により、各金額を求めなさい。製造間接費 630,000円は直接作業時間を基準に配賦する。

資料製品A製品B
直接材料費520,000380,000
直接労務費400,000300,000
直接作業時間1,200時間900時間
月初仕掛品原価120,00080,000
月末仕掛品原価150,000110,000

製造間接費の配賦率(直接作業時間1時間あたり)
製品Aへの製造間接費配賦額
製品Bへの製造間接費配賦額
製品Aの当月製造費用
製品Bの当月製造費用
製品Aの当月製品製造原価
製品Bの当月製品製造原価
解答と解説

正解

項目答え
製造間接費の配賦率(直接作業時間1時間あたり)300 円
製品Aへの製造間接費配賦額360,000 円
製品Bへの製造間接費配賦額270,000 円
製品Aの当月製造費用1,280,000 円
製品Bの当月製造費用950,000 円
製品Aの当月製品製造原価1,250,000 円
製品Bの当月製品製造原価920,000 円

解説

手順2の配賦から始めます。直接作業時間の合計は 1,200時間 + 900時間 = 2,100時間。配賦率は 630,000円 ÷ 2,100時間 = 300円です。

配賦額は製品Aが 300円 × 1,200時間 = 360,000円、製品Bが 300円 × 900時間 = 270,000円。合計 630,000円で総額に戻ります。

手順3の当月製造費用は、製品Aが 520,000円 + 400,000円 + 360,000円 = 1,280,000円、製品Bが 380,000円 + 300,000円 + 270,000円 = 950,000円です。

手順4の仕掛品ボックスです。製品Aは 120,000円 + 1,280,000円 = 1,400,000円から 150,000円を引いて 1,250,000円。製品Bは 80,000円 + 950,000円 = 1,030,000円から 110,000円を引いて 920,000円です。

検算:合計欄だけで計算しても 200,000円 + 2,230,000円 - 260,000円 = 2,170,000円。製品別の 1,250,000円 + 920,000円 = 2,170,000円と一致します。

問13 g12-13 解答欄8応用

当社は製品Xと製品Yを製造販売している。次の資料により、各金額を求めなさい。製造間接費 900,000円は機械運転時間を基準に配賦する。共通の販売費および一般管理費 500,000円は売上高の比で配分する。

資料製品X製品Y
直接材料費700,000500,000
直接労務費560,000440,000
機械運転時間1,000時間800時間
月初仕掛品原価200,000160,000
月末仕掛品原価260,000200,000
月初製品原価240,000180,000
月末製品原価340,000280,000
売上高2,700,0001,800,000
製品ごとに分かる販売費および一般管理費250,000150,000

製品Xへの製造間接費配賦額
製品Yの当月製造費用
製品Xの当月製品製造原価
製品Yの当月製品製造原価
製品Xの売上原価
製品Yの売上総利益
製品Xの営業利益
製品Yの営業利益
解答と解説

正解

項目答え
製品Xへの製造間接費配賦額500,000 円
製品Yの当月製造費用1,340,000 円
製品Xの当月製品製造原価1,700,000 円
製品Yの当月製品製造原価1,300,000 円
製品Xの売上原価1,600,000 円
製品Yの売上総利益600,000 円
製品Xの営業利益550,000 円
製品Yの営業利益250,000 円

解説

手順2。機械運転時間の合計は 1,000時間 + 800時間 = 1,800時間。配賦率は 900,000円 ÷ 1,800時間 = 500円。製品Xへは 500円 × 1,000時間 = 500,000円、製品Yへは 500円 × 800時間 = 400,000円で、合計 900,000円に戻ります。

手順3。当月製造費用は製品Xが 700,000円 + 560,000円 + 500,000円 = 1,760,000円、製品Yが 500,000円 + 440,000円 + 400,000円 = 1,340,000円です。

手順4。製品Xは 200,000円 + 1,760,000円 - 260,000円 = 1,700,000円。製品Yは 160,000円 + 1,340,000円 - 200,000円 = 1,300,000円です。

手順5。製品Xは 240,000円 + 1,700,000円 - 340,000円 = 1,600,000円。製品Yは 180,000円 + 1,300,000円 - 280,000円 = 1,200,000円です。

手順6。売上総利益は製品Xが 2,700,000円 - 1,600,000円 = 1,100,000円、製品Yが 1,800,000円 - 1,200,000円 = 600,000円です。

手順7。売上高の合計は 4,500,000円で比は 3対2。共通費は製品Xへ 500,000円 × 2,700,000円 ÷ 4,500,000円 = 300,000円、製品Yへ 500,000円 × 1,800,000円 ÷ 4,500,000円 = 200,000円。販売費および一般管理費は製品Xが 250,000円 + 300,000円 = 550,000円、製品Yが 150,000円 + 200,000円 = 350,000円です。

営業利益は製品Xが 1,100,000円 - 550,000円 = 550,000円、製品Yが 600,000円 - 350,000円 = 250,000円。合計 800,000円は、売上総利益合計 1,700,000円 - 販売費および一般管理費合計 900,000円 = 800,000円と一致します。

問14 g12-14 解答欄6応用

当社はサービスPとサービスQを提供している。次の資料により、各金額を求めなさい。共通の販売費および一般管理費 600,000円は売上高の比で配分する。

資料サービスPサービスQ
売上高3,200,000800,000
売上原価1,920,000560,000
サービスごとに分かる販売費および一般管理費200,00060,000

サービスPの売上総利益
サービスQの売上総利益
共通費のうちサービスPへの配分額
サービスQの販売費および一般管理費の合計
サービスPの営業利益
全体の営業利益
解答と解説

正解

項目答え
サービスPの売上総利益1,280,000 円
サービスQの売上総利益240,000 円
共通費のうちサービスPへの配分額480,000 円
サービスQの販売費および一般管理費の合計180,000 円
サービスPの営業利益600,000 円
全体の営業利益660,000 円

解説

売上総利益はサービスPが 3,200,000円 - 1,920,000円 = 1,280,000円、サービスQが 800,000円 - 560,000円 = 240,000円です。

売上高の合計は 3,200,000円 + 800,000円 = 4,000,000円で、比は 4対1。共通費はサービスPへ 600,000円 × 3,200,000円 ÷ 4,000,000円 = 480,000円、サービスQへ 600,000円 × 800,000円 ÷ 4,000,000円 = 120,000円です。

販売費および一般管理費の合計は、サービスPが 200,000円 + 480,000円 = 680,000円、サービスQが 60,000円 + 120,000円 = 180,000円です。

営業利益はサービスPが 1,280,000円 - 680,000円 = 600,000円、サービスQが 240,000円 - 180,000円 = 60,000円。全体では 600,000円 + 60,000円 = 660,000円になります。

検算:売上総利益合計 1,520,000円 - 販売費および一般管理費合計 860,000円 = 660,000円で一致します。

問15 g12-15応用

製品Bの営業利益は 180,000円、販売費および一般管理費の合計は 320,000円、売上高は 1,400,000円である。製品Bの売上原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

900,000 円

解説

損益計算書を下からさかのぼります。営業利益 = 売上総利益 - 販売費および一般管理費 なので、売上総利益は 180,000円 + 320,000円 = 500,000円です。

次に 売上総利益 = 売上高 - 売上原価 なので、売上原価は 1,400,000円 - 500,000円 = 900,000円になります。

検算:1,400,000円 - 900,000円 = 500,000円、500,000円 - 320,000円 = 180,000円で営業利益に戻ります。

問16 g12-16応用

製品別の損益計算書から次の数値が読み取れた。製品Aは売上高 3,000,000円、営業利益 450,000円。製品Bは売上高 1,000,000円、営業利益 200,000円。この結果の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 営業利益の金額は製品Aが大きいが、売上高に対する営業利益の割合は製品Bのほうが高い

解説

営業利益の金額は製品Aが 450,000円、製品Bが 200,000円で、製品Aのほうが大きくなっています。

売上高に対する営業利益の割合は、製品Aが 450,000円 ÷ 3,000,000円 = 15パーセント、製品Bが 200,000円 ÷ 1,000,000円 = 20パーセントです。割合では製品Bが上回ります。

金額が大きい製品が、必ずしも効率のよい製品とは限りません。規模のちがう製品を比べるときは、金額と割合の両方を見ます。

特別演習総合演習120問0 / 120

全範囲からの総復習。本試験で問われる形に絞った120問です。

この演習の使い方
  • 1問1分を目安に解きます。本試験は40分で全問を処理する試験です。速さも実力のうちです。
  • 間違えた問題の番号を、その場で紙に控えます。控えるのは番号だけで十分です。
  • 全体を3周します。2周目と3周目は、控えた番号だけを解き直せば足ります。

分野別の内訳

120問は本試験の出題範囲どおりに並んでいます。上から順に解けば、基礎概念から製品別の損益計算まで一本道で復習できます。

問題番号分野問題数
1 から 15原価の概念と原価計算の目的15
16 から 30原価の3分類と材料消費高の計算15
31 から 42直接費と間接費12
43 から 54製造原価と販売費および一般管理費/2つの利益12
55 から 62部門・責任・責任者/製品とサービス8
63 から 74変動費と固定費12
75 から 86貢献利益と営業利益12
87 から 100損益分岐点分析14
101 から 110予算実績差異分析10
111 から 120直課と配賦/月末仕掛品原価と月末製品原価10
合計全範囲120
POINT

3周目でも間違える番号が、あなたの本当の弱点です。その番号の章に戻って本文を読み直してください。数はそう多くないはずです。

演習(120問)

問1 z001基本

北都製作所では、製品を作るために1kgあたり 800円 の材料を 150kg 消費した。この消費によって発生した原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

120,000 円

解説

原価は 資源の消費量 × 資源の単価 で計算します。800円 × 150kg = 120,000円です。

問2 z002基本

原価の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 目的を果たすために消費した資源を、金額で測ったものである

解説

原価とは、ある目的のための活動で消費した資源を金額で表したものです。買っただけの資源はまだ原価になりません。

問3 z003基本

原価は、活動のために消費した資源を金額で測ったものである。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。活動が資源を消費し、その消費量に単価を掛けた金額が原価になります。

問4 z004基本

みなと精機では、1時間あたり 1,200円 の作業員が製品の組立に 180時間 従事した。この作業にかかった原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

216,000 円

解説

消費した資源は作業時間です。1,200円 × 180時間 = 216,000円になります。

問5 z005基本

原価計算の目的として適切でないものはどれか。

解答と解説

正解

エ 従業員の通勤経路の好みを調べる

解説

原価計算の目的は、価格決定、利益計画、原価管理、財務諸表の作成などです。通勤経路の好みは原価とも利益とも関係がありません。

問6 z006基本

材料を購入しただけで、まだ使っていない分は当月の原価にはならない。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。原価になるのは消費した分だけです。未使用分は月末の材料として次月へ持ち越します。

問7 z007基本

かえで工房では、製造のために電力を 15,000キロワットアワー 使用した。単価は1キロワットアワーあたり 22円 である。この電力の原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

330,000 円

解説

22円 × 15,000キロワットアワー = 330,000円です。電力も工場が消費する資源のひとつです。

問8 z008基本

原価を計算する式として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 資源の消費量 × 資源の単価

解説

原価 = 消費量 × 単価 です。購入量ではなく消費量を使う点が急所になります。

問9 z009基本

原価計算は工場を持つ製造業だけが行うもので、サービス業には関係がない。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。サービス業でも資源を消費して活動しているので原価が発生します。運送業や飲食業でも原価計算は行われます。

問10 z010標準

大和木工の当月の資源の消費は次のとおりであった。材料は1個 600円 を 400個、作業時間は1時間 1,500円 を 120時間、電力は1キロワットアワー 20円 を 4,000キロワットアワーである。当月の原価の合計はいくらか。

答え
解答と解説

正解

500,000 円

解説

材料は 600円 × 400個 = 240,000円、作業時間は 1,500円 × 120時間 = 180,000円、電力は 20円 × 4,000 = 80,000円です。合計は 500,000円になります。

問11 z011標準

活動と資源の関係の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 活動を行うと資源が消費され、その消費額が原価になる

解説

原価は活動から生まれます。活動が資源を消費し、消費量に単価を掛けた金額が原価になるという流れです。

問12 z012標準

つばさ電子では、ある活動のために材料を 250kg 消費し、その原価は 425,000円 であった。この材料の1kgあたりの単価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,700 円

解説

原価 = 消費量 × 単価 を逆に使います。425,000円 ÷ 250kg = 1,700円です。

問13 z013標準

資源の単価が変わらないとき、消費量が2倍になれば、その資源の原価も2倍になる。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。原価は 消費量 × 単価 なので、単価が一定なら原価は消費量に比例します。

問14 z014標準

来期にいくら売れば目標の利益が出るかを調べるために原価を計算した。これは原価計算のどの目的にあたるか。

解答と解説

正解

イ 利益の計画

解説

目標利益から必要な売上高を逆算する作業は、利益の計画のための原価計算です。CVP分析はこの目的のための道具になります。

問15 z015応用

さくら金属の当月の原価は合計 780,000円 であった。このうち作業時間にかかった原価が 300,000円、電力にかかった原価が 60,000円 で、残りはすべて材料の消費によるものである。材料の単価が1kgあたり 1,200円 のとき、当月の材料消費量は何kgか。

答えkg
解答と解説

正解

350 kg

解説

材料の原価は 780,000円 - 300,000円 - 60,000円 = 420,000円です。消費量は 420,000円 ÷ 1,200円 = 350kgになります。

問16 z016基本

ひなた食品工業では、当月に材料を 400kg 消費した。消費単価は1kgあたり 700円 である。当月の材料費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

280,000 円

解説

材料費 = 消費数量 × 消費単価 です。400kg × 700円 = 280,000円になります。

問17 z017基本

白樺製作所の材料の月初有高は 200個、当月購入高は 1,500個、月末有高は 300個であった。当月の消費数量は何個か。

答え
解答と解説

正解

1,400 個

解説

消費数量 = 月初有高 + 当月購入高 - 月末有高 です。200個 + 1,500個 - 300個 = 1,400個になります。

問18 z018基本

労務費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 工場で製品を組み立てる作業員の賃金

解説

労務費は人の働きに対して支払う原価です。木材は材料費、火災保険料と電力料は経費に分類します。

問19 z019基本

工場で製品を作る作業員に支払う賃金は労務費である。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。工場で働く人にかかる原価はすべて労務費です。作業員の賃金はその代表例になります。

問20 z020基本

青嶺工業の当月の作業時間は 1,600時間、1時間あたりの賃率は 1,400円 であった。当月の労務費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,240,000 円

解説

労務費 = 作業時間 × 賃率 です。1,600時間 × 1,400円 = 2,240,000円になります。

問21 z021基本

経費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 工場の機械の減価償却費

解説

経費は材料費でも労務費でもない製造原価です。機械の減価償却費が代表例になります。賞与は労務費です。

問22 z022基本

港南ケミカルの当月の経費は、工場の電力料 180,000円、工場の水道料 45,000円、工場の機械の減価償却費 225,000円 であった。当月の経費の合計はいくらか。

答え
解答と解説

正解

450,000 円

解説

180,000円 + 45,000円 + 225,000円 = 450,000円です。いずれも工場で発生しているので製造原価に入ります。

問23 z023標準

若葉テックの材料について、月初有高 150kg、当月購入高 900kg、月末有高 250kg であった。消費単価が1kgあたり 650円 のとき、当月の材料費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

520,000 円

解説

消費数量は 150kg + 900kg - 250kg = 800kgです。材料費は 800kg × 650円 = 520,000円になります。

問24 z024標準

東雲製作所の材料は、月初有高 100個(1個 600円)、当月購入高 400個(1個 650円)であった。平均単価で計算するとき、当月に 450個 を消費した場合の材料費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

288,000 円

解説

金額の合計は 60,000円 + 260,000円 = 320,000円、数量の合計は 500個なので平均単価は 640円です。450個 × 640円 = 288,000円になります。

問25 z025標準

鈴音工業の当月の原価は、材料費 1,850,000円、労務費 1,240,000円、経費 610,000円 であった。当月の製造原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

3,700,000 円

解説

製造原価は3分類の合計です。1,850,000円 + 1,240,000円 + 610,000円 = 3,700,000円になります。

問26 z026標準

次のうち材料費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 工場で使う部品の消費額

解説

材料費はモノを消費したときの原価です。部品の消費額が該当します。事務員の給料は労務費、減価償却費とガス代は経費です。

問27 z027標準

工場の機械の減価償却費は、材料費でも労務費でもないので経費に分類する。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。経費は3分類の受け皿で、材料費と労務費のどちらにも入らない製造原価をまとめて扱います。

問28 z028標準

銀杏製作所の材料の月初有高は 300kg、当月購入高は 1,200kg であった。当月の材料費は 897,000円 で、消費単価は1kgあたり 780円 である。月末の材料有高は何kgか。

答えkg
解答と解説

正解

350 kg

解説

消費数量は 897,000円 ÷ 780円 = 1,150kgです。月末有高は 300kg + 1,200kg - 1,150kg = 350kgになります。

問29 z029応用

潮見工業の材料は、月初有高 200個(1個 900円)、当月購入高 600個(1個 960円)であった。平均単価で計算する。当月の消費数量が 700個 のとき、月末の材料有高の金額はいくらか。

答え
解答と解説

正解

94,500 円

解説

金額の合計は 180,000円 + 576,000円 = 756,000円、数量の合計は 800個なので平均単価は 945円です。月末数量は 800個 - 700個 = 100個で、945円 × 100個 = 94,500円になります。

問30 z030応用

次の4つの原価のうち、当月の製造原価に含めないものはどれか。

解答と解説

正解

エ 本社の営業担当者の給料

解説

製造原価は工場で発生した原価です。本社の営業担当者の給料は販売活動の原価なので、販売費および一般管理費になります。

問31 z031基本

直接費の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア どの製品にいくらかかったかが個別に把握できる原価である

解説

直接費と間接費の分かれ目は、特定の製品との結びつきが分かるかどうかです。金額の大小や発生場所では決まりません。

問32 z032基本

陽春製作所の当月の直接材料費は 1,320,000円、直接労務費は 860,000円 であった。直接費の合計はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,180,000 円

解説

1,320,000円 + 860,000円 = 2,180,000円です。直接費はそのまま各製品に直課できます。

問33 z033基本

製造間接費は、どの製品にいくらかかったかを個別に把握できない原価である。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。個別に把握できないので、配賦基準を使って各製品に割り振ることになります。

問34 z034基本

五月屋工業の当月の間接材料費は 240,000円、間接労務費は 380,000円、間接経費は 460,000円 であった。製造間接費の合計はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,080,000 円

解説

240,000円 + 380,000円 + 460,000円 = 1,080,000円です。3分類それぞれに間接費があります。

問35 z035基本

直接労務費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

エ 特定の製品の加工に直接従事した作業員の賃金

解説

特定の製品の加工に従事した時間は製品ごとに分かるので直接労務費です。工場長と守衛の給料は間接労務費、本社の経理担当者の給料は一般管理費になります。

問36 z036標準

蒼空製作所の当月の製造原価は 4,500,000円 で、そのうち直接費は 2,900,000円 であった。製造間接費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,600,000 円

解説

製造原価は直接費と間接費に分かれます。4,500,000円 - 2,900,000円 = 1,600,000円になります。

問37 z037標準

天草製作所の製造間接費 960,000円 を直接作業時間で配賦する。直接作業時間の合計は 1,600時間 である。1時間あたりの配賦率はいくらか。

答え
解答と解説

正解

600 円

解説

配賦率 = 製造間接費 ÷ 配賦基準の合計 です。960,000円 ÷ 1,600時間 = 600円になります。

問38 z038標準

次のうち製造間接費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

イ 工場全体で使う機械油の消費額

解説

機械油はどの製品にいくら使ったか分けられないので間接費です。ほかの3つはいずれも特定の製品と結びつくため直接費になります。

問39 z039標準

製造間接費は、どの製品にいくらかかったかが分かるため、配賦をせずにそのまま直課する。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。個別に把握できないからこそ間接費と呼びます。配賦基準を決めて配賦するのが正しい処理です。

問40 z040標準

桜庭工業では、製品Rに直接材料費 540,000円、直接労務費 420,000円、直接経費 90,000円 がかかり、さらに製造間接費 380,000円 が配賦された。製品Rの製造原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,430,000 円

解説

直接費の合計は 540,000円 + 420,000円 + 90,000円 = 1,050,000円です。配賦された間接費を足して 1,050,000円 + 380,000円 = 1,430,000円になります。

問41 z041応用

霧島製作所の当月の原価の内訳は、直接材料費 1,600,000円、間接材料費 240,000円、直接労務費 1,150,000円、間接労務費 350,000円、間接経費 520,000円 であった。製造間接費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,110,000 円

解説

製造間接費は間接の名がつくものだけを合計します。240,000円 + 350,000円 + 520,000円 = 1,110,000円です。直接材料費と直接労務費は含めません。

問42 z042応用

特定の製品のために支払った外注加工賃の分類として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

エ 直接経費

解説

材料費でも労務費でもないので経費です。特定の製品のために支払っているので直接費であり、あわせて直接経費になります。

問43 z043基本

岬フーズの当月の売上高は 5,200,000円、売上原価は 3,400,000円 であった。売上総利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,800,000 円

解説

売上総利益 = 売上高 - 売上原価 です。5,200,000円 - 3,400,000円 = 1,800,000円になります。

問44 z044基本

若鮎工業の当月の売上総利益は 2,300,000円、販売費および一般管理費は 900,000円 であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,400,000 円

解説

営業利益 = 売上総利益 - 販売費および一般管理費 です。2,300,000円 - 900,000円 = 1,400,000円になります。

問45 z045基本

販売費および一般管理費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

イ 本社の広告宣伝費

解説

工場で発生した原価は製造原価です。広告宣伝費は売るための原価なので販売費および一般管理費になります。

問46 z046基本

本社の事務員の給料は、工場で発生した原価ではないが製造原価に含める。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。製造原価に入るのは工場で発生した原価だけです。本社の事務員の給料は一般管理費になります。

問47 z047標準

木更津精工の当月の売上総利益は 3,100,000円 であった。販売費は 720,000円、一般管理費は 480,000円 である。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,900,000 円

解説

まず 720,000円 + 480,000円 = 1,200,000円 を合計します。営業利益は 3,100,000円 - 1,200,000円 = 1,900,000円です。

問48 z048標準

初雁産業の当月の売上高は 8,000,000円、売上原価は 5,200,000円、販売費および一般管理費は 1,600,000円 であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,200,000 円

解説

売上総利益は 8,000,000円 - 5,200,000円 = 2,800,000円です。ここから 1,600,000円 を引いて 1,200,000円になります。

問49 z049標準

小春工房の当月の売上高は 4,800,000円、売上総利益は 1,920,000円 であった。売上原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,880,000 円

解説

売上原価 = 売上高 - 売上総利益 と読み替えます。4,800,000円 - 1,920,000円 = 2,880,000円です。

問50 z050標準

次のうち製造原価に含まれるものはどれか。

解答と解説

正解

イ 工場で使う消耗品の消費額

解説

工場で消費した消耗品は製造原価です。ほかの3つはいずれも工場の外で発生しているので販売費および一般管理費になります。

問51 z051標準

藤ケ丘製作所の当月の売上総利益は 2,600,000円、営業利益は 1,150,000円 であった。販売費および一般管理費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,450,000 円

解説

売上総利益から販売費および一般管理費を引くと営業利益です。2,600,000円 - 1,150,000円 = 1,450,000円になります。

問52 z052応用

常磐工業の当月の資料は、売上高 9,600,000円、売上原価 6,240,000円、本社の広告宣伝費 480,000円、営業所の家賃 360,000円、本社の事務員給料 720,000円 であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,800,000 円

解説

売上総利益は 9,600,000円 - 6,240,000円 = 3,360,000円です。販売費および一般管理費は 480,000円 + 360,000円 + 720,000円 = 1,560,000円なので、営業利益は 1,800,000円になります。

問53 z053応用

羽衣製作所の当月の売上高は 7,500,000円、営業利益は 900,000円 であった。販売費および一般管理費が 1,350,000円 のとき、売上原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

5,250,000 円

解説

売上総利益は 900,000円 + 1,350,000円 = 2,250,000円と逆算できます。売上原価は 7,500,000円 - 2,250,000円 = 5,250,000円です。

問54 z054応用

本社の事務員の給料を、誤って製造原価に含めて計算した。その分だけ売上原価が増えたとき、この誤りが与える影響として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 売上総利益は減少するが、営業利益は変わらない

解説

販売費および一般管理費から製造原価へ移しただけなので、引く合計額は同じです。売上原価が増えた分だけ売上総利益は減りますが、あとで引く販売費および一般管理費が同額減るため営業利益は変わりません。

問55 z055基本

原価計算における部門の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア 会社の中で活動をまとめて管理する単位である

解説

部門は活動を管理する単位です。切削部門や組立部門のように、活動のまとまりごとに原価を集計します。

問56 z056基本

部門の責任者の役割として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 自分の部門で発生する原価を管理し、その結果に責任を持つ

解説

責任者は自分の部門の原価を管理します。部門ごとに原価を集計するのは、この責任をはっきりさせるためです。

問57 z057基本

部門の責任者には、自分では管理できない原価についても同じように責任を負わせるべきである。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。責任を負うのは自分が管理できる原価についてです。管理できない原価まで責任を問うと、正しい評価にも改善にもつながりません。

問58 z058基本

工場の組立部門で発生した原価の扱いとして正しいものはどれか。

解答と解説

正解

エ 製造部門で発生した原価なので製造原価に含める

解説

組立部門は工場の中の製造部門です。そこで発生した原価は製造原価として集計します。

問59 z059基本

形のないサービスを提供する会社でも、原価を計算して管理する必要がある。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。サービスの提供にも人と設備という資源を消費します。サービス別の損益を知るために原価計算が必要になります。

問60 z060標準

原価を部門ごとに集計する理由として最も適切なものはどれか。

解答と解説

正解

イ どの部門にどれだけ原価がかかったかを明らかにし、責任者が管理できるようにするため

解説

会社全体の合計だけでは、どこにむだがあるか分かりません。部門別に集計することで責任者が原因を追え、管理につながります。

問61 z061標準

ひばり工業の当月の原価は、切削部門 1,340,000円、組立部門 1,780,000円、塗装部門 960,000円、本社管理部門 620,000円 であった。製造部門で発生した原価の合計はいくらか。

答え
解答と解説

正解

4,080,000 円

解説

製造部門は切削、組立、塗装の3つです。1,340,000円 + 1,780,000円 + 960,000円 = 4,080,000円になります。本社管理部門は製造部門ではないので加えません。

問62 z062標準

製品とサービスの違いの説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

エ 製品は形があり在庫として残せるが、サービスは形がなく在庫にできない

解説

サービスは提供と同時に消費されるので在庫になりません。そのためサービス業の計算では月末製品原価が登場しないのが特徴です。

問63 z063基本

柏木ベーカリーの製品は1個あたりの変動費が 320円 である。当月に 1,500個 を生産したときの変動費の合計はいくらか。

答え
解答と解説

正解

480,000 円

解説

変動費の総額 = 1個あたり変動費 × 生産量 です。320円 × 1,500個 = 480,000円になります。

問64 z064基本

若竹工業の当月の変動費は 1,750,000円、固定費は 950,000円 であった。総原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

2,700,000 円

解説

総原価 = 変動費 + 固定費 です。1,750,000円 + 950,000円 = 2,700,000円になります。

問65 z065基本

固定費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 工場の建物の賃借料

解説

建物の賃借料は生産量が変わっても総額が変わりません。ほかの3つは生産量に応じて総額が増減するので変動費です。

問66 z066基本

変動費は、生産量が増えると総額も増える原価である。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。変動費は操業度に比例して総額が動きます。ただし1個あたりの金額は変わりません。

問67 z067基本

唐紅商会の当月の売上高は 6,000,000円、変動費は 3,600,000円 であった。変動費率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

60 パーセント

解説

変動費率 = 変動費 ÷ 売上高 です。3,600,000円 ÷ 6,000,000円 = 0.6 なので 60パーセントになります。

問68 z068標準

あかね製作所の製品は1個あたり変動費 450円、月間の固定費は 720,000円 である。当月に 2,000個 を生産したときの総原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,620,000 円

解説

変動費は 450円 × 2,000個 = 900,000円です。固定費を足して 900,000円 + 720,000円 = 1,620,000円になります。

問69 z069標準

みずき工業の月間の固定費は 1,440,000円 である。当月に 1,200個 を生産したとき、製品1個あたりの固定費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,200 円

解説

1,440,000円 ÷ 1,200個 = 1,200円です。固定費の総額は変わりませんが、1個あたりは生産量で変わります。

問70 z070標準

固定費の総額が変わらないとき、生産量が増えると製品1個あたりの固定費はどうなるか。

解答と解説

正解

ア 小さくなる

解説

同じ金額をより多くの個数で割ることになるので、1個あたりの固定費は小さくなります。たくさん作るほど1個あたりの負担が軽くなるということです。

問71 z071標準

固定費は、生産量が増えても総額は変わらない原価である。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。工場の家賃や機械の減価償却費が例になります。総額は一定でも1個あたりの金額は生産量で変わります。

問72 z072標準

野々宮製作所の当月の総原価は 3,150,000円 であった。製品1個あたりの変動費は 700円 で、当月の生産量は 3,000個 である。当月の固定費はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,050,000 円

解説

変動費は 700円 × 3,000個 = 2,100,000円です。固定費は 3,150,000円 - 2,100,000円 = 1,050,000円になります。

問73 z073応用

白鷺工業の月間の固定費は 1,800,000円、製品1個あたりの変動費は 600円 である。生産量が 1,500個 のときと 3,000個 のときで、製品1個あたりの総原価はいくら違うか。金額で答えなさい。

答え
解答と解説

正解

600 円

解説

1,500個 のときは 1,800,000円 ÷ 1,500個 = 1,200円 に変動費 600円 を足して 1,800円です。3,000個 のときは 600円 + 600円 = 1,200円なので、差は 600円になります。

問74 z074応用

工場の作業員に、毎月一定の基本給に加えて生産量1個あたり一定額の手当を支払っている。この賃金の分類として最も適切なものはどれか。

解答と解説

正解

エ 基本給の部分は固定費、生産量に応じた手当の部分は変動費である

解説

変動費と固定費の区別は、生産量が変わったときに総額が動くかどうかで判断します。基本給は動かず、手当は生産量に比例して動くので、2つに分けて扱います。

問75 z075基本

早瀬商工の当月の売上高は 4,200,000円、変動費は 2,520,000円 であった。貢献利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,680,000 円

解説

貢献利益 = 売上高 - 変動費 です。4,200,000円 - 2,520,000円 = 1,680,000円になります。

問76 z076基本

石動製作所の当月の貢献利益は 1,950,000円、固定費は 1,180,000円 であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

770,000 円

解説

営業利益 = 貢献利益 - 固定費 です。1,950,000円 - 1,180,000円 = 770,000円になります。

問77 z077基本

貢献利益の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア 売上高から変動費を差し引いた金額で、固定費の回収にあてられる

解説

貢献利益は売上高から変動費を引いた残りです。この残りで固定費を回収し、余った分が営業利益になります。

問78 z078基本

貢献利益がプラスであれば、営業利益も必ずプラスになる。

解答と解説

正解

×(誤り)

解説

誤りです。貢献利益が固定費より小さければ営業利益はマイナスです。貢献利益 1,000,000円、固定費 1,200,000円 なら営業利益は 200,000円 のマイナスになります。

問79 z079標準

桐生工業の製品は販売単価 2,400円、1個あたり変動費 1,560円 である。1個あたりの貢献利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

840 円

解説

単位貢献利益 = 販売単価 - 1個あたり変動費 です。2,400円 - 1,560円 = 840円になります。

問80 z080標準

羽根田製作所の当月の売上高は 5,000,000円、貢献利益は 2,000,000円 であった。貢献利益率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

40 パーセント

解説

貢献利益率 = 貢献利益 ÷ 売上高 です。2,000,000円 ÷ 5,000,000円 = 0.4 なので 40パーセントになります。

問81 z081標準

浅間フーズの当月の売上高は 7,200,000円、貢献利益率は 35パーセント、固定費は 1,980,000円 であった。営業利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

540,000 円

解説

貢献利益は 7,200,000円 × 0.35 = 2,520,000円です。営業利益は 2,520,000円 - 1,980,000円 = 540,000円になります。

問82 z082標準

北原工業の変動費率は 65パーセントである。貢献利益率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

35 パーセント

解説

売上高を 100パーセントとすると、変動費率と貢献利益率の合計は 100パーセントです。100パーセント - 65パーセント = 35パーセントになります。

問83 z083標準

販売単価、1個あたり変動費、固定費の総額が変わらないまま、販売量だけが増えた。貢献利益と固定費の動きとして正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 貢献利益の総額は増え、固定費の総額は変わらない

解説

貢献利益の総額は 単位貢献利益 × 販売量 なので販売量に比例して増えます。固定費の総額は販売量が変わっても動きません。だから増えた貢献利益がそのまま営業利益の増加になります。

問84 z084応用

大森精機の製品は販売単価 3,000円、1個あたり変動費 1,800円 である。固定費が変わらないとき、販売量が 400個 増えると営業利益はいくら増えるか。

答え
解答と解説

正解

480,000 円

解説

単位貢献利益は 3,000円 - 1,800円 = 1,200円です。固定費が変わらないので、増える営業利益は 1,200円 × 400個 = 480,000円になります。

問85 z085応用

牧野工房の製品は1個あたりの貢献利益が 750円、固定費は月間 1,350,000円 である。営業利益 450,000円 を得るために必要な販売量は何個か。

答え
解答と解説

正解

2,400 個

解説

必要な貢献利益は 1,350,000円 + 450,000円 = 1,800,000円です。販売量は 1,800,000円 ÷ 750円 = 2,400個になります。

問86 z086応用

1個あたり変動費が変わらないまま、販売単価を引き上げた。貢献利益率はどうなるか。

解答と解説

正解

ア 上昇する

解説

単価が上がると単位貢献利益はその分だけ増え、率も上がります。単価 2,000円、変動費 1,200円 なら 40パーセントですが、単価を 2,500円 にすると 1,300円 ÷ 2,500円 = 52パーセントになります。

問87 z087基本

固定費は 1,200,000円、貢献利益率は 40パーセントである。損益分岐点売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

3,000,000 円

解説

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 です。1,200,000円 ÷ 0.4 = 3,000,000円になります。

問88 z088基本

固定費は 840,000円、1個あたりの貢献利益は 700円 である。損益分岐点販売量は何個か。

答え
解答と解説

正解

1,200 個

解説

損益分岐点販売量 = 固定費 ÷ 単位貢献利益 です。840,000円 ÷ 700円 = 1,200個になります。

問89 z089基本

損益分岐点の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア 貢献利益と固定費が等しくなり、営業利益がちょうど 0円 になる点である

解説

営業利益は 貢献利益 - 固定費 です。これが 0円 になるのは両者が同額のときで、その位置が損益分岐点になります。

問90 z090標準

花房製作所の当月の売上高は 6,400,000円、変動費は 4,160,000円、固定費は 1,400,000円 であった。損益分岐点売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

4,000,000 円

解説

貢献利益は 6,400,000円 - 4,160,000円 = 2,240,000円、貢献利益率は 2,240,000円 ÷ 6,400,000円 = 35パーセントです。1,400,000円 ÷ 0.35 = 4,000,000円になります。

問91 z091標準

固定費は 1,500,000円、貢献利益率は 30パーセントである。営業利益 300,000円 を達成するために必要な売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

6,000,000 円

解説

必要売上高 = (固定費 + 目標営業利益) ÷ 貢献利益率 です。(1,500,000円 + 300,000円) ÷ 0.3 = 6,000,000円になります。

問92 z092標準

実際売上高は 8,000,000円、損益分岐点売上高は 6,000,000円 である。安全余裕率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

25 パーセント

解説

(8,000,000円 - 6,000,000円) ÷ 8,000,000円 = 0.25 で 25パーセントです。売上高が 25パーセント落ちるまでは赤字になりません。

問93 z093標準

実際売上高は 5,000,000円、固定費は 1,320,000円、貢献利益率は 40パーセントである。損益分岐点比率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

66 パーセント

解説

損益分岐点売上高は 1,320,000円 ÷ 0.4 = 3,300,000円です。損益分岐点比率は 3,300,000円 ÷ 5,000,000円 = 0.66 で 66パーセントになります。

問94 z094標準

販売単価と1個あたり変動費は変わらないまま、固定費だけが減少した。損益分岐点売上高はどうなるか。

解答と解説

正解

イ 低下する

解説

貢献利益率が同じままなので分母は動きません。分子の固定費だけが小さくなるため、損益分岐点売上高は低下します。

問95 z095標準

販売単価は変わらないまま、材料の値上がりで1個あたり変動費が増加した。固定費は変わらない。損益分岐点販売量はどうなるか。

解答と解説

正解

ア 上昇する

解説

単位貢献利益 = 販売単価 - 1個あたり変動費 が小さくなります。固定費 ÷ 単位貢献利益 の分母が小さくなるので、損益分岐点販売量は上昇します。

問96 z096応用

若菜製作所の製品は販売単価 1,500円、1個あたり変動費 900円、固定費は 1,080,000円 である。来月から販売単価を 1,700円 に引き上げる。1個あたり変動費と固定費が変わらないとき、来月の損益分岐点販売量は何個か。

答え
解答と解説

正解

1,350 個

解説

値上げ後の単位貢献利益は 1,700円 - 900円 = 800円です。1,080,000円 ÷ 800円 = 1,350個になります。値上げ前の 1,800個 より少なくてすみます。

問97 z097応用

ある会社の損益分岐点売上高は 4,200,000円、固定費は 1,470,000円 である。貢献利益率は何パーセントか。

答えパーセント
解答と解説

正解

35 パーセント

解説

公式を逆に使います。貢献利益率 = 固定費 ÷ 損益分岐点売上高 なので、1,470,000円 ÷ 4,200,000円 = 0.35 で 35パーセントです。

問98 z098応用

橘テクノの製品は販売単価 2,500円、1個あたり変動費 1,500円、固定費は 2,400,000円 である。来月から設備を増やし、固定費が 360,000円 増える。販売単価と1個あたり変動費が変わらないとき、来月の損益分岐点売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

6,900,000 円

解説

貢献利益率は (2,500円 - 1,500円) ÷ 2,500円 = 40パーセントで変わりません。来月の固定費は 2,400,000円 + 360,000円 = 2,760,000円なので、2,760,000円 ÷ 0.4 = 6,900,000円になります。

問99 z099応用

販売単価、1個あたり変動費、固定費はいずれも変わらないまま、販売量だけが減少した。損益分岐点売上高と安全余裕率の組合せとして正しいものはどれか。

解答と解説

正解

エ 損益分岐点売上高は変化せず、安全余裕率は低下する

解説

損益分岐点売上高を決めるのは固定費と貢献利益率だけなので変化しません。一方で実際売上高が減るため、損益分岐点までの距離が縮まり安全余裕率は低下します。

問100 z100応用

双葉精機の製品は販売単価 2,000円、1個あたり変動費 1,300円、固定費は月間 1,540,000円 である。来月から販売単価を 2,200円 に引き上げるが、材料の値上がりで1個あたり変動費も 1,430円 に上がる。固定費は変わらない。来月の損益分岐点売上高はどうなるか。

解答と解説

正解

ウ 変化しない

解説

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 です。分母の貢献利益率が動くかどうかを確かめます。

今月の貢献利益率は (2,000円 - 1,300円) ÷ 2,000円 = 700円 ÷ 2,000円 = 35パーセントです。来月は (2,200円 - 1,430円) ÷ 2,200円 = 770円 ÷ 2,200円 = 35パーセントになります。単価も1個あたり変動費も同じ 1割の上昇なので、貢献利益率は変わりません。

分子の固定費も 1,540,000円 のままです。よって損益分岐点売上高は 1,540,000円 ÷ 0.35 = 4,400,000円 で、来月も同じ 4,400,000円 です。答えは変化しない、になります。

なお1個あたりの貢献利益は 700円 から 770円 に増えるので、損益分岐点販売量は 2,200個 から 2,000個 に減ります。数量は減っても単価が上がるため、売上高では同じ金額になる、という関係です。

問101 z101基本

三日月物産の当月の予算は、販売単価 1,200円、販売数量 4,000個 であった。予算売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

4,800,000 円

解説

予算売上高 = 予算販売単価 × 予算販売数量 です。1,200円 × 4,000個 = 4,800,000円になります。

問102 z102基本

予算実績差異分析を行う目的として最も適切なものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 予算と実績のずれの原因を明らかにし、次の行動につなげるため

解説

ずれた金額を見るだけでは改善につながりません。数量が原因か価格が原因かまで分けることで、次に打つ手が決まります。

問103 z103標準

西陣工房の当月の予算売上高は 6,000,000円、実際売上高は 6,480,000円 であった。売上高差異はいくらか。有利差異の金額を答えなさい。

答え
解答と解説

正解

480,000 円

解説

売上高差異 = 実際売上高 - 予算売上高 です。6,480,000円 - 6,000,000円 = 480,000円で、実際が予算を上回ったので有利差異になります。

問104 z104標準

予算販売単価は 1,500円、予算販売数量は 3,000個、実際販売数量は 3,400個 であった。販売数量差異はいくらか。有利差異の金額を答えなさい。

答え
解答と解説

正解

600,000 円

解説

販売数量差異 = (実際販売数量 - 予算販売数量) × 予算販売単価 です。(3,400個 - 3,000個) × 1,500円 = 600,000円の有利差異になります。

問105 z105標準

予算販売単価は 2,000円、実際販売単価は 1,940円、実際販売数量は 2,500個 であった。販売価格差異はいくらか。不利差異の金額を答えなさい。

答え
解答と解説

正解

150,000 円

解説

販売価格差異 = (実際販売単価 - 予算販売単価) × 実際販売数量 です。単価が 60円 下回ったので 60円 × 2,500個 = 150,000円の不利差異になります。

問106 z106標準

実際販売単価は 880円、実際販売数量は 5,600個 であった。実際売上高はいくらか。

答え
解答と解説

正解

4,928,000 円

解説

実際売上高 = 実際販売単価 × 実際販売数量 です。880円 × 5,600個 = 4,928,000円になります。

問107 z107標準

実際売上高が予算売上高を下回ったときの売上高差異の呼び方として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 不利差異

解説

利益にとってマイナスに働く差異を不利差異と呼びます。売上高では、実際が予算を下回れば不利差異、上回れば有利差異です。

問108 z108応用

若鷲産業の当月の予算は販売単価 1,000円、販売数量 5,000個 であった。実際は販売単価 960円、販売数量 5,500個 であった。販売価格差異はいくらか。不利差異の金額を答えなさい。

答え
解答と解説

正解

220,000 円

解説

単価が 40円 下回ったので、40円 × 5,500個 = 220,000円の不利差異です。販売数量差異は (5,500個 - 5,000個) × 1,000円 = 500,000円の有利差異なので、合計は 280,000円の有利差異になります。実際売上高 5,280,000円 - 予算売上高 5,000,000円 = 280,000円 と一致します。

問109 z109応用

深緑製作所の当月の販売価格差異は 168,000円 の不利差異であった。実際販売数量は 4,200個、予算販売単価は 1,300円 である。実際の販売単価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,260 円

解説

1個あたりの単価の下落幅は 168,000円 ÷ 4,200個 = 40円です。実際販売単価は 1,300円 - 40円 = 1,260円になります。

問110 z110応用

販売数量差異は、実際販売数量と予算販売数量の差に、予算の販売単価を掛けて計算する。

解答と解説

正解

○(正しい)

解説

正しい記述です。数量の影響だけを取り出すため、単価は予算の値で固定します。価格差異のほうは逆に、実際販売数量を使って単価の差を掛けます。

問111 z111基本

製造間接費 1,080,000円 を機械運転時間で配賦する。機械運転時間の合計は 1,800時間 である。配賦率は1時間あたりいくらか。

答え
解答と解説

正解

600 円

解説

配賦率 = 製造間接費 ÷ 配賦基準の合計 です。1,080,000円 ÷ 1,800時間 = 600円になります。

問112 z112標準

製造間接費 840,000円 を直接作業時間で配賦する。直接作業時間は製品S 900時間、製品T 500時間 である。製品Sへの配賦額はいくらか。

答え
解答と解説

正解

540,000 円

解説

合計時間は 1,400時間、配賦率は 840,000円 ÷ 1,400時間 = 600円です。製品Sへは 600円 × 900時間 = 540,000円。製品Tの 300,000円 と合わせると総額に戻ります。

問113 z113標準

製品Tの直接材料費は 620,000円、直接労務費は 450,000円 で、配賦された製造間接費は 300,000円 である。製品Tの当月製造費用はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,370,000 円

解説

当月製造費用は直課した直接費と配賦した間接費の合計です。620,000円 + 450,000円 + 300,000円 = 1,370,000円になります。

問114 z114標準

製品Uの月初仕掛品原価は 180,000円、当月製造費用は 1,460,000円、月末仕掛品原価は 240,000円 である。当月製品製造原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,400,000 円

解説

仕掛品ボックスで計算します。180,000円 + 1,460,000円 - 240,000円 = 1,400,000円になります。

問115 z115標準

製品Uの月初製品原価は 220,000円、当月製品製造原価は 1,400,000円、月末製品原価は 320,000円 である。売上原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,300,000 円

解説

製品ボックスで計算します。220,000円 + 1,400,000円 - 320,000円 = 1,300,000円です。左に入れるのは当月製造費用ではなく当月製品製造原価です。

問116 z116標準

直課と配賦の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア 直接費はそのまま特定の製品に割り当て、間接費は一定の基準で各製品に割り振る

解説

どの製品にいくらかかったか分かる直接費は直課、分けられない間接費は配賦です。金額の大小は判断の材料になりません。

問117 z117応用

製品Vの月初仕掛品原価は 150,000円、当月製造費用は 1,750,000円、当月製品製造原価は 1,680,000円 であった。月末仕掛品原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

220,000 円

解説

仕掛品ボックスの左側は 150,000円 + 1,750,000円 = 1,900,000円です。月末仕掛品原価は 1,900,000円 - 1,680,000円 = 220,000円になります。

問118 z118応用

製品Vの月初製品原価は 260,000円、当月製品製造原価は 1,680,000円、売上原価は 1,590,000円 であった。月末製品原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

350,000 円

解説

製品ボックスの左側は 260,000円 + 1,680,000円 = 1,940,000円です。月末製品原価は 1,940,000円 - 1,590,000円 = 350,000円になります。

問119 z119応用

製造間接費 720,000円 を直接作業時間で配賦する。直接作業時間は製品W 800時間、製品X 400時間 である。製品Wの直接材料費は 560,000円、直接労務費は 400,000円、月初仕掛品原価は 130,000円、月末仕掛品原価は 210,000円 である。製品Wの当月製品製造原価はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,360,000 円

解説

配賦率は 720,000円 ÷ 1,200時間 = 600円、製品Wへの配賦額は 600円 × 800時間 = 480,000円です。当月製造費用は 560,000円 + 400,000円 + 480,000円 = 1,440,000円。130,000円 を足して 210,000円 を引き、1,360,000円になります。

問120 z120応用

製品Yの当月製品製造原価は 2,100,000円、月初製品原価は 300,000円、月末製品原価は 400,000円 である。製品Yの売上高が 3,200,000円 のとき、売上総利益はいくらか。

答え
解答と解説

正解

1,200,000 円

解説

売上原価は 300,000円 + 2,100,000円 - 400,000円 = 2,000,000円です。売上総利益は 3,200,000円 - 2,000,000円 = 1,200,000円になります。

模擬試験本番形式 模擬試験 第1回0 / 28

制限時間40分・100点満点・70点以上で合格。本番と同じ第1問44点/第2問24点/第3問32点の構成です。

AUTO SCORING0点 / 100点満点(合格ライン 70点)挑戦中
70

選択問題と数値入力は、答えるとその場でこの得点に反映されます。第2問の仕訳は自分で解いてから解答を開き、合っていれば「解けた」を押すと加点されます。

この回のねらい
  • 第1問の14問を14分でさばき、44点をまるごと取り切る感覚をつかむ
  • 第2問は貢献利益率を先に出し、損益分岐点売上高と安全余裕率まで一本道で解く
  • 第3問は配賦率から営業利益まで、7つの手順を止まらずに走り切る

1 この模擬試験の解き方

ここからは本番と同じ形式です。必ず40分を計って解いてください。タイマーを用意し、開始したら答えも解説も見ないこと。これが実力を測る唯一の条件です。

電卓と白紙を手元に置きます。白紙には第3問の集計表を書きます。頭の中だけで計算しようとすると、必ずどこかでずれます。

1-1 配点と時間配分

配点と目安の時間配分は次のとおりです。この表のとおりに進めば、最後に見直しの2分が残ります。

大問内容配点目安時間
第1問原価計算の基本概念と用語(14問)44点14分
第2問CVP分析と損益分岐点(計算5問)20点9分
第2問損益分岐点の変化を選ぶ問題(選択1問)4点2分
第3問製造原価の集計と製品別損益計算(8問)32点13分
見直し検算と入力もれの確認2分
合計70点以上で合格100点40分

第1問は語句13問が各3点、勘定の流れ1問が5点で 44点。第2問は計算5問が各4点で 20点、最後の選択1問が 4点で、あわせて 24点。第3問は8問が各4点で 32点です。

1-2 時間を守る3つのルール

  1. 第1問は1問1分。迷ったら印をつけて飛ばします。14分を過ぎたら、その時点で第2問へ移ります。
  2. 第2問は変動費率から。変動費率さえ出れば、残りの計算4問は同じ数字を使い回して解けます。最後の選択1問も、同じ公式で分母と分子のどちらが動くかを見るだけです。
  3. 第3問は上から順に。配賦率 → 当月製造費用 → 当月製品製造原価 → 売上原価 → 売上総利益 → 営業利益。飛ばすと解けません。
注意

時間が足りなくなったときに捨てるのは第3問ではありません。第3問は上から埋めるだけで部分点が積み上がります。捨てるなら第1問で迷った語句問題です。第1問の語句は1問3点、第3問は1問4点だからです。

POINT

解き終わったら採点し、まちがえた問題の論点だけを該当章に戻って読み直してください。全章を読み返す必要はありません。70点に届かなかった場合は、まず第1問の失点をゼロに近づけるのが最短コースです。

問題(28問)

問1 gm1-1-01基本

第1問(44点) 次の各問について、最も適切なものを1つ選びなさい。

原価の説明として最も適切なものはどれか。

解答と解説

正解

イ 一定の目的を達成するために消費した資源を、金額で表したもの

解説

原価は目的活動資源の消費の3つで説明されます。ある目的のために活動を行い、その活動で消費した資源を金額に置きかえたものが原価です。

支払った現金の総額ではありません。現金を払っても消費していなければ原価にならず、逆に現金を払っていなくても消費すれば原価になります。

問2 gm1-1-02基本

工場で使っている機械の減価償却費は、原価の3分類のうちどれにあたるか。

解答と解説

正解

ウ 経費

解説

原価の3分類は材料費労務費経費です。物を消費すれば材料費、人の働きを消費すれば労務費、そのどちらでもないものはすべて経費になります。

減価償却費は物でも人でもないので経費です。工場の機械にかかったものなので、製造原価に含めます。

問3 gm1-1-03基本

直接費と間接費の分け方の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ どの製品にいくらかかったかが分かるものが直接費、分けられないものが間接費である

解説

直接費と間接費はその製品にいくらかかったかを個別に把握できるかどうかで分けます。把握できれば直接費、複数の製品に共通していて分けられなければ間接費です。

金額の大小、材料か人か、工場か本社かは判断基準ではありません。

問4 gm1-1-04基本

次のうち、販売費および一般管理費にあたるものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 完成した製品を得意先へ届けるための発送費

解説

工場で発生した原価は製造原価、売るためにかかった費用と本社を運営するための費用は販売費および一般管理費です。

得意先へ届ける発送費は、完成後に売るためにかかった費用なので販売費です。他の3つはすべて工場で発生しているので製造原価になります。

問5 gm1-1-05基本

売上総利益の求め方として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 売上高 - 売上原価

解説

損益計算書は上から順に、売上高 - 売上原価 = 売上総利益、売上総利益 - 販売費および一般管理費 = 営業利益と進みます。

売上高から変動費を引くと貢献利益になりますが、これはCVP分析で使う利益であって売上総利益ではありません。

問6 gm1-1-06基本

部門ごと・責任者ごとに原価を集計する目的の説明として、最も適切なものはどれか。

解答と解説

正解

イ 誰が管理できる原価なのかをはっきりさせ、改善につなげるため

解説

原価を部門別・責任者別に集計するのは、その原価を管理できる人をはっきりさせるためです。責任の所在がはっきりすれば、どこを改善すればよいかが見えます。

業績を評価するときは、その責任者が管理できる原価だけで見るのが原則です。

問7 gm1-1-07基本

サービス業の原価計算についての説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ウ サービス業でも、提供のために消費した資源を原価として集計する

解説

原価計算は形のある製品だけのものではありません。サービスの提供にも人手も材料も設備も使います。消費した資源を金額で表すという考え方はまったく同じです。

むしろサービス業では人件費の割合が大きく、労務費の管理が重要になります。

問8 gm1-1-08基本

変動費の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 生産量や販売量に比例して、総額が増減する原価

解説

変動費は操業度に比例して総額が動く原価です。1個あたりの金額は一定で、総額が動きます。

固定費はその逆で、総額は動かず、1個あたりの金額が生産量に応じて変わります。総額と1個あたりのどちらの話なのかを区別してください。

問9 gm1-1-09標準

貢献利益の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 売上高から変動費を引いた金額で、固定費の回収と利益の獲得に貢献する

解説

貢献利益 = 売上高 - 変動費 です。引くのは変動費であって固定費ではありません。

この金額でまず固定費をまかない、余った分が営業利益になります。だから「固定費の回収と利益の獲得に貢献する利益」と呼ばれます。

問10 gm1-1-10標準

損益分岐点売上高の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 営業利益がちょうどゼロになる売上高

解説

損益分岐点は、もうけも損も出ない点です。つまり営業利益がゼロになる売上高をいいます。

このとき貢献利益はゼロではなく、ちょうど固定費と同じ金額になっています。だから 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 で求められます。

問11 gm1-1-11標準

販売価格差異の求め方として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア 実際販売単価と予算販売単価の差に、実際販売数量をかけて求める

解説

売上高の差異は、価格のズレと数量のズレに分けます。

販売価格差異 = (実際販売単価 - 予算販売単価)× 実際販売数量。

販売数量差異 = (実際販売数量 - 予算販売数量)× 予算販売単価。

かける相手がたすきがけになっている点が最重要です。2つを足すと、売上高の差異の合計に一致します。

問12 gm1-1-12標準

配賦の説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 複数の製品に共通して発生した原価を、一定の基準で各製品に割り振ること

解説

個別に把握できる原価をそのまま割り当てるのが直課、共通に発生した原価を基準で割り振るのが配賦です。

配賦は2段階で計算します。配賦率 = 製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の合計、各製品への配賦額 = 配賦率 × その製品の配賦基準の数値です。

問13 gm1-1-13標準

当月製品製造原価の求め方として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ア 月初仕掛品原価 + 当月製造費用 - 月末仕掛品原価

解説

仕掛品ボックスの計算です。月初に残っていた分と当月に投入した分を足し、月末にまだ完成していない分を引くと、当月に完成した金額が出ます。

これが当月製品製造原価です。続いて製品ボックスで 月初製品原価 + 当月製品製造原価 - 月末製品原価 = 売上原価 と進みます。

問14 gm1-1-14標準

材料を消費し、そのすべてを特定の製品の製造に直接使った。このとき借方に記入される勘定はどれか。

解答と解説

正解

ウ 仕掛品

解説

原価計算初級では、原価は次の順に流れていきます。

材料・賃金・経費が製造のために消費されると仕掛品へ集まり、完成すると製品へ振り替わり、販売されると売上原価へ振り替わります。

材料を消費すると、材料勘定は減るので貸方、集まる先である仕掛品勘定が借方になります。したがって借方は仕掛品です。

なお、どの製品に使ったか分けられない材料であれば、いったん製造間接費に集めてから配賦の手続きで仕掛品へ移します。

問15 gm1-2-01 解答欄5標準

第2問(24点) 当社は製品甲を1種類だけ製造販売している。当月の実績は次のとおりであった。この資料により、各金額および割合を求めなさい(各4点)。

項目金額など
販売単価2,500円
販売数量4,000個
製品1個あたりの変動費1,500円
当月の固定費(総額)3,000,000円

生産量と販売量は等しく、在庫はないものとする。安全余裕率は、売上高から損益分岐点売上高を引いた金額を売上高でわって求めること。

変動費率パーセント
貢献利益
営業利益
損益分岐点売上高
安全余裕率パーセント
解答と解説

正解

項目答え
変動費率60 パーセント
貢献利益4,000,000 円
営業利益1,000,000 円
損益分岐点売上高7,500,000 円
安全余裕率25 パーセント

解説

まず売上高と変動費を総額にします。

売上高 = 2,500円 × 4,000個 = 10,000,000円。変動費 = 1,500円 × 4,000個 = 6,000,000円です。

変動費率。6,000,000円 ÷ 10,000,000円 = 0.6。つまり 60パーセントです。1個あたりで 1,500円 ÷ 2,500円 = 0.6 と計算しても同じ答えになります。

貢献利益。10,000,000円 - 6,000,000円 = 4,000,000円。貢献利益率は 100パーセント - 60パーセント = 40パーセントです。

営業利益。4,000,000円 - 3,000,000円 = 1,000,000円になります。

損益分岐点売上高。固定費 ÷ 貢献利益率 = 3,000,000円 ÷ 0.4 = 7,500,000円です。検算すると、7,500,000円のときの貢献利益は 7,500,000円 × 0.4 = 3,000,000円で固定費と一致し、営業利益はゼロになります。

安全余裕率。(10,000,000円 - 7,500,000円)÷ 10,000,000円 = 2,500,000円 ÷ 10,000,000円 = 0.25。つまり 25パーセントです。今の売上高が 25パーセント落ちるところまでは赤字にならない、という意味になります。

問16 gm1-2-02標準

第2問のつづき(4点) 上記の資料の会社について、来月から機械のリース料が上がり、固定費の総額が 600,000円 増加する見込みである。販売単価、製品1個あたりの変動費、販売数量はいずれも当月と変わらない。このとき、来月の損益分岐点売上高はどうなるか。正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

ア 上昇する

解説

公式に戻って考えます。損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率です。分子と分母のどちらが動くかを確かめます。

分母(貢献利益率)。販売単価 2,500円 も製品1個あたりの変動費 1,500円 も変わりません。よって貢献利益率は (2,500円 - 1,500円) ÷ 2,500円 = 40パーセントのままです。

分子(固定費)。3,000,000円 + 600,000円 = 3,600,000円 に増えます。

分母が同じで分子だけが大きくなるので、答えは上昇するです。実際に計算すると 3,600,000円 ÷ 0.4 = 9,000,000円 となり、当月の 7,500,000円 より 1,500,000円 高くなります。

販売数量が変わらないことは、この判断に関係しません。損益分岐点売上高を決めるのは固定費と貢献利益率の2つだけだからです。

問17 gm1-3-01 解答欄8応用

第3問(32点) 当社は製品Aと製品Bの2種類を製造販売している。当月の資料は次のとおりであった。この資料により、各金額を求めなさい。

資料製品A製品B
直接材料費900,000640,000
直接労務費620,000460,000
直接作業時間1,600時間1,200時間
月初仕掛品原価250,000180,000
月末仕掛品原価350,000240,000
月初製品原価300,000210,000
月末製品原価250,000170,000
売上高3,450,0002,340,000
販売費および一般管理費760,000540,000

当月の製造間接費は 840,000円であり、直接作業時間を基準に各製品へ配賦する。金額の単位はすべて円である。

製造間接費の配賦率(直接作業時間1時間あたり)
製品Aへの製造間接費配賦額
製品Aの当月製造費用
製品Aの当月製品製造原価
製品Aの売上原価
製品Aの売上総利益
製品Bの売上総利益
全社の営業利益
解答と解説

正解

項目答え
製造間接費の配賦率(直接作業時間1時間あたり)300 円
製品Aへの製造間接費配賦額480,000 円
製品Aの当月製造費用2,000,000 円
製品Aの当月製品製造原価1,900,000 円
製品Aの売上原価1,950,000 円
製品Aの売上総利益1,500,000 円
製品Bの売上総利益900,000 円
全社の営業利益1,100,000 円

解説

手順1 直接費を直課する。直接材料費と直接労務費は資料に製品別の金額が書いてあるので、そのまま使います。

手順2 間接費を配賦する。直接作業時間の合計は 1,600時間 + 1,200時間 = 2,800時間。配賦率は 840,000円 ÷ 2,800時間 = 300円です。

製品Aへは 300円 × 1,600時間 = 480,000円、製品Bへは 300円 × 1,200時間 = 360,000円。合計 840,000円で総額に戻るので、ここまで正しく計算できています。

手順3 当月製造費用を集計する。製品Aは 900,000円 + 620,000円 + 480,000円 = 2,000,000円。製品Bは 640,000円 + 460,000円 + 360,000円 = 1,460,000円です。

手順4 仕掛品ボックスを組む。製品Aは 250,000円 + 2,000,000円 - 350,000円 = 1,900,000円。製品Bは 180,000円 + 1,460,000円 - 240,000円 = 1,400,000円です。

手順5 製品ボックスを組む。製品Aは 300,000円 + 1,900,000円 - 250,000円 = 1,950,000円。製品Bは 210,000円 + 1,400,000円 - 170,000円 = 1,440,000円。ここで左に入れるのは当月製品製造原価です。当月製造費用を入れないよう注意してください。

手順6 売上総利益を出す。製品Aは 3,450,000円 - 1,950,000円 = 1,500,000円。製品Bは 2,340,000円 - 1,440,000円 = 900,000円です。

手順7 営業利益を出す。販売費および一般管理費は製品Aが 760,000円、製品Bが 540,000円で、合計 1,300,000円。営業利益は製品Aが 1,500,000円 - 760,000円 = 740,000円、製品Bが 900,000円 - 540,000円 = 360,000円。全社では 740,000円 + 360,000円 = 1,100,000円になります。

製品別損益計算書製品A製品B合計
売上高3,450,0002,340,0005,790,000
売上原価1,950,0001,440,0003,390,000
売上総利益1,500,000900,0002,400,000
販売費および一般管理費760,000540,0001,300,000
営業利益740,000360,0001,100,000

検算。合計の列だけで縦に計算しても 5,790,000円 - 3,390,000円 = 2,400,000円、2,400,000円 - 1,300,000円 = 1,100,000円となり、製品別に横へ足した数字と一致します。

読み取り。売上高に対する営業利益の割合は、製品Aが 740,000円 ÷ 3,450,000円 で約 21パーセント、製品Bが 360,000円 ÷ 2,340,000円 で約 15パーセント。金額でも割合でも製品Aが上回っています。

模擬試験本番形式 模擬試験 第2回0 / 28

制限時間40分・100点満点・70点以上で合格。本番と同じ第1問44点/第2問24点/第3問32点の構成です。

AUTO SCORING0点 / 100点満点(合格ライン 70点)挑戦中
70

選択問題と数値入力は、答えるとその場でこの得点に反映されます。第2問の仕訳は自分で解いてから解答を開き、合っていれば「解けた」を押すと加点されます。

この回のねらい
  • 第1問に計算をともなう語句問題を混ぜ、用語を「使える知識」に変える
  • 第2問は変動費が3つに分かれた資料から、変動費率と安全余裕率まで組み立てる
  • 第3問は共通の販売費および一般管理費の配分まで含めて、営業利益を出し切る

1 この模擬試験の解き方

第1回と同じく、必ず40分を計って解いてください。第2回は第1回より一段難しくしています。資料の項目数が増え、第1問にも計算が入ります。

読む量が増えるほど、白紙に書き写す作業が効きます。第3問は資料を見ながら解こうとせず、まず集計表の枠を白紙に書いてから数字を埋めてください。

1-1 配点と時間配分

配点と目安の時間配分は第1回と同じです。難しくなっても時間の使い方は変えません。

大問内容配点目安時間
第1問原価計算の基本概念と用語(14問)44点14分
第2問CVP分析と損益分岐点(計算5問)20点9分
第2問損益分岐点の変化を選ぶ問題(選択1問)4点2分
第3問製造原価の集計と製品別損益計算(8問)32点13分
見直し検算と入力もれの確認2分
合計70点以上で合格100点40分

第1問は語句13問が各3点、勘定の流れ1問が5点で 44点。第2問は計算5問が各4点で 20点、最後の選択1問が 4点で、あわせて 24点。第3問は8問が各4点で 32点です。

1-2 第2回でつまずきやすい3か所

  1. 変動費が項目別に与えられる。1個あたりの変動費を先に合計してから、販売数量をかけます。1つでも足しもれると、以降の問題がすべて崩れます。
  2. 固定費も項目別に与えられる。製造の固定費と販売費の固定費を必ず足します。CVP分析では両方あわせて固定費です。
  3. 共通の販売費および一般管理費がある。売上高の比で配分してから、製品ごとに分かる分を足します。順番を守ってください。
注意

第3問の配賦基準は直接作業時間とは限りません。この回は機械運転時間です。資料の文章を読まずに時間の数字だけ拾うと、別の行を使ってしまいます。配賦基準がどれかを声に出して確認してから計算に入ってください。

POINT

採点したら、第1回との差を見ます。同じ論点を2回落としていれば、そこが本当の弱点です。その章だけを読み直してから、もう一度この2回を解き直してください。2回とも 80点を超えれば、本番はほぼ確実に合格圏です。

問題(28問)

問1 gm2-1-01基本

第1問(44点) 次の各問について、最も適切なものを1つ選びなさい。

工場で製品の製造に直接たずさわる工員に支払う賃金は、原価の3分類と直接費・間接費の区別の組み合わせとしてどれにあたるか。

解答と解説

正解

イ 労務費であり、直接費である

解説

人の働きを消費した原価なので労務費です。さらに、どの製品を何時間つくったかが分かるので、その製品に個別に割り当てられます。したがって直接費になります。

同じ労務費でも、工場長の給料や複数の製品にまたがる補助的な作業の賃金は間接費です。3分類と直接・間接は別々の切り口である点に注意してください。

問2 gm2-1-02基本

工場の機械の修繕を外部の業者に依頼し、修繕料を支払った。この原価の分類として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

ウ 経費であり、製造原価に含める

解説

物の消費でも自社の人の働きでもないので経費です。外部の人が作業していても、自社が支払うのは労務費ではなく経費になります。

そして発生した場所は工場です。工場で発生した原価は製造原価に含めます。本社の建物の修繕料であれば販売費および一般管理費になります。

問3 gm2-1-03基本

複数の製品の製造に共通して使う補助材料の消費額は、どのように処理するか。

解答と解説

正解

イ 間接費として、一定の基準で各製品に配賦する

解説

材料であっても、どの製品にいくら使ったか分けられなければ間接材料費です。製造間接費にまとめ、配賦基準で各製品に割り振ります。

材料イコール直接費と覚えないでください。分けられるかどうかが判断基準です。

問4 gm2-1-04標準

売上高 5,000,000円、売上原価 3,200,000円、販売費および一般管理費 1,100,000円であった。営業利益はいくらか。

解答と解説

正解

ア 700,000円

解説

まず売上総利益です。5,000,000円 - 3,200,000円 = 1,800,000円。

次に営業利益です。1,800,000円 - 1,100,000円 = 700,000円になります。

1,800,000円は売上総利益であって営業利益ではありません。どの段階の利益を聞かれているかを必ず確認してください。

問5 gm2-1-05基本

ある部門の責任者の業績を評価するときに使う原価として、最も適切なものはどれか。

解答と解説

正解

イ その責任者が管理できる原価

解説

責任者を評価するときは、その人が動かせる原価だけで見ます。自分の判断でどうにもならない原価まで背負わされると、評価が公平になりません。

これが原価を部門別・責任者別に集計する理由です。責任と原価を対応させることが、改善の出発点になります。

問6 gm2-1-06標準

売上高 8,000,000円、変動費 5,600,000円であった。貢献利益率は何パーセントか。

解答と解説

正解

ア 30パーセント

解説

貢献利益は 8,000,000円 - 5,600,000円 = 2,400,000円です。

貢献利益率は 2,400,000円 ÷ 8,000,000円 = 0.3。つまり 30パーセントになります。

70パーセントは変動費率です。変動費率と貢献利益率は足すと 100パーセントになる関係で、取りちがえやすいところです。

問7 gm2-1-07標準

生産量が増えたときの固定費の動きの説明として正しいものはどれか。

解答と解説

正解

イ 総額は変わらないが、製品1個あたりの金額は小さくなる

解説

固定費は操業度が変わっても総額が動きません。工場の家賃は、たくさんつくっても少ししかつくっても同じ金額です。

その同じ金額を多くの製品で分け合うので、1個あたりの固定費は生産量が増えるほど小さくなります。選択肢3は変動費の説明です。

問8 gm2-1-08標準

貢献利益率が 40パーセント、固定費が 1,800,000円である。損益分岐点売上高はいくらか。

解答と解説

正解

ウ 4,500,000円

解説

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率 です。

1,800,000円 ÷ 0.4 = 4,500,000円になります。

検算します。売上高 4,500,000円のときの貢献利益は 4,500,000円 × 0.4 = 1,800,000円。固定費とちょうど同じなので、営業利益はゼロです。

720,000円は固定費に貢献利益率をかけてしまった数字です。わり算とかけ算を取りちがえないでください。

問9 gm2-1-09標準

貢献利益率が 25パーセント、固定費が 1,500,000円である。営業利益 500,000円を得るために必要な売上高はいくらか。

解答と解説

正解

ウ 8,000,000円

解説

必要売上高 = (固定費 + 目標営業利益)÷ 貢献利益率 です。

(1,500,000円 + 500,000円)÷ 0.25 = 2,000,000円 ÷ 0.25 = 8,000,000円になります。

検算します。貢献利益は 8,000,000円 × 0.25 = 2,000,000円。固定費 1,500,000円を引いて 500,000円で、目標どおりです。

6,000,000円は固定費だけで計算した損益分岐点売上高です。目標営業利益を足しわすれた形なので気をつけてください。

問10 gm2-1-10標準

予算販売数量 2,000個、実際販売数量 1,800個、予算販売単価 1,500円であった。販売数量差異はいくらか。

解答と解説

正解

ア 300,000円の不利差異

解説

販売数量差異 = (実際販売数量 - 予算販売数量)× 予算販売単価 です。

(1,800個 - 2,000個)× 1,500円 = マイナス 300,000円。売上高が予算より少なくなる向きなので不利差異です。

数量の差異には予算の単価をかけます。ここで実際の単価をかけると、価格のズレが混ざって二重計算になります。

問11 gm2-1-11標準

製造間接費 960,000円を直接作業時間を基準に配賦する。当月の直接作業時間の合計は 1,600時間であった。配賦率はいくらか。

解答と解説

正解

ア 1時間あたり 600円

解説

配賦率 = 製造間接費の総額 ÷ 配賦基準の合計 です。

960,000円 ÷ 1,600時間 = 600円になります。

この配賦率に各製品の直接作業時間をかければ、製品ごとの配賦額が出ます。配賦額の合計が 960,000円に戻るかを必ず確かめてください。

問12 gm2-1-12標準

月初製品原価 240,000円、当月製品製造原価 1,850,000円、月末製品原価 310,000円であった。売上原価はいくらか。

解答と解説

正解

ア 1,780,000円

解説

売上原価 = 月初製品原価 + 当月製品製造原価 - 月末製品原価 です。

240,000円 + 1,850,000円 = 2,090,000円。ここから 310,000円を引いて 1,780,000円になります。

1,920,000円は月初と月末を逆に処理した数字です。月初は足す、月末は引く。この向きを固定して覚えてください。

問13 gm2-1-13基本

当月に製造を始めたが、月末の時点でまだ完成していない製品の原価は、何として次月へ繰り越されるか。

解答と解説

正解

イ 月末仕掛品原価

解説

まだ完成していない、つくりかけの状態を仕掛品といいます。月末に残っている分が月末仕掛品原価で、翌月の月初仕掛品原価になります。

完成したけれどまだ売れていない分は月末製品原価です。完成前か完成後かで名前が変わります。

問14 gm2-1-14標準

当月に製造していた製品がすべて完成し、工場から製品倉庫へ移した。このとき貸方に記入される勘定はどれか。

解答と解説

正解

ウ 仕掛品

解説

原価計算初級では、原価は次の順に流れていきます。

材料・賃金・経費が製造のために消費されると仕掛品へ集まり、完成すると製品へ振り替わり、販売されると売上原価へ振り替わります。

完成した時点で、つくりかけの状態ではなくなります。したがって仕掛品勘定が減って貸方、受け入れる製品勘定が借方です。答えは仕掛品になります。

この次の段階で製品が売れると、今度は製品勘定が貸方、売上原価勘定が借方になります。出ていく側が貸方、受け入れる側が借方と覚えると、どの段階でも迷いません。

問15 gm2-2-01 解答欄5標準

第2問(24点) 当社は製品乙を1種類だけ製造販売している。当月の実績は次のとおりであった。この資料により、各金額および割合を求めなさい(各4点)。

項目金額など
販売単価4,000円
販売数量3,000個
製品1個あたりの直接材料費1,300円
製品1個あたりの直接労務費900円
製品1個あたりの変動販売費600円
固定製造原価(総額)1,920,000円
固定の販売費および一般管理費(総額)960,000円

直接材料費・直接労務費・変動販売費はすべて変動費である。生産量と販売量は等しく、在庫はないものとする。安全余裕率は、売上高から損益分岐点売上高を引いた金額を売上高でわって求めること。

変動費率パーセント
貢献利益
営業利益
損益分岐点売上高
安全余裕率パーセント
解答と解説

正解

項目答え
変動費率70 パーセント
貢献利益3,600,000 円
営業利益720,000 円
損益分岐点売上高9,600,000 円
安全余裕率20 パーセント

解説

最初に、変動費と固定費をそれぞれ1つにまとめます。ここを飛ばすと以降がすべて崩れます。

製品1個あたりの変動費 = 1,300円 + 900円 + 600円 = 2,800円。固定費の総額 = 1,920,000円 + 960,000円 = 2,880,000円です。

売上高 = 4,000円 × 3,000個 = 12,000,000円。変動費 = 2,800円 × 3,000個 = 8,400,000円になります。

変動費率。8,400,000円 ÷ 12,000,000円 = 0.7。つまり 70パーセントです。1個あたりで 2,800円 ÷ 4,000円 = 0.7 としても同じです。

貢献利益。12,000,000円 - 8,400,000円 = 3,600,000円。貢献利益率は 100パーセント - 70パーセント = 30パーセントです。

営業利益。3,600,000円 - 2,880,000円 = 720,000円になります。

損益分岐点売上高。固定費 ÷ 貢献利益率 = 2,880,000円 ÷ 0.3 = 9,600,000円です。検算すると、貢献利益は 9,600,000円 × 0.3 = 2,880,000円で固定費と一致し、営業利益はゼロになります。

安全余裕率。(12,000,000円 - 9,600,000円)÷ 12,000,000円 = 2,400,000円 ÷ 12,000,000円 = 0.2。つまり 20パーセントです。売上高が今より 20パーセント落ちると、ちょうど損益分岐点に届くという意味になります。

問16 gm2-2-02標準

第2問のつづき(4点) 上記の資料の会社について、来月から材料の仕入先を変更し、製品1個あたりの直接材料費が 1,300円 から 900円 に下がる見込みである。販売単価、製品1個あたりの直接労務費と変動販売費、固定費の総額はいずれも当月と変わらない。このとき、来月の損益分岐点売上高はどうなるか。正しいものを1つ選びなさい。

解答と解説

正解

イ 低下する

解説

公式に戻って考えます。損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率です。分子と分母のどちらが動くかを確かめます。

分子(固定費)。1,920,000円 + 960,000円 = 2,880,000円 のままで変わりません。

分母(貢献利益率)。製品1個あたりの変動費が、直接材料費 900円 + 直接労務費 900円 + 変動販売費 600円 = 2,400円 に下がります。変動費率は 2,400円 ÷ 4,000円 = 60パーセントとなり、貢献利益率は 40パーセントに上がります。当月の 30パーセントより大きくなりました。

分子が同じで分母だけが大きくなるので、答えは低下するです。実際に計算すると 2,880,000円 ÷ 0.4 = 7,200,000円 となり、当月の 9,600,000円 より 2,400,000円 低くなります。

1個あたりの変動費が下がると、売上高1円あたりで固定費を回収する力が強くなります。だから、より少ない売上高で損益分岐点に届きます。

問17 gm2-3-01 解答欄8応用

第3問(32点) 当社は製品Aと製品Bの2種類を製造販売している。当月の資料は次のとおりであった。この資料により、各金額を求めなさい。

資料製品A製品B
直接材料費1,150,000760,000
直接労務費810,000520,000
機械運転時間2,400時間1,200時間
月初仕掛品原価320,000240,000
月末仕掛品原価420,000290,000
月初製品原価380,000260,000
月末製品原価330,000230,000
売上高4,500,0003,000,000
製品ごとに分かる販売費および一般管理費320,000230,000

当月の製造間接費は 1,260,000円であり、機械運転時間を基準に各製品へ配賦する。共通の販売費および一般管理費は 1,050,000円であり、各製品の売上高の比で配分する。金額の単位はすべて円である。

製造間接費の配賦率(機械運転時間1時間あたり)
製品Aへの製造間接費配賦額
製品Aの当月製造費用
製品Aの当月製品製造原価
製品Aの売上原価
製品Aの売上総利益
製品Bの売上総利益
全社の営業利益
解答と解説

正解

項目答え
製造間接費の配賦率(機械運転時間1時間あたり)350 円
製品Aへの製造間接費配賦額840,000 円
製品Aの当月製造費用2,800,000 円
製品Aの当月製品製造原価2,700,000 円
製品Aの売上原価2,750,000 円
製品Aの売上総利益1,750,000 円
製品Bの売上総利益1,320,000 円
全社の営業利益1,470,000 円

解説

手順1 直接費を直課する。直接材料費と直接労務費は製品別の金額が資料にあるので、そのまま使います。

手順2 間接費を配賦する。配賦基準は機械運転時間です。合計は 2,400時間 + 1,200時間 = 3,600時間。配賦率は 1,260,000円 ÷ 3,600時間 = 350円です。

製品Aへは 350円 × 2,400時間 = 840,000円、製品Bへは 350円 × 1,200時間 = 420,000円。合計 1,260,000円で総額に戻ります。

手順3 当月製造費用を集計する。製品Aは 1,150,000円 + 810,000円 + 840,000円 = 2,800,000円。製品Bは 760,000円 + 520,000円 + 420,000円 = 1,700,000円です。

手順4 仕掛品ボックスを組む。製品Aは 320,000円 + 2,800,000円 - 420,000円 = 2,700,000円。製品Bは 240,000円 + 1,700,000円 - 290,000円 = 1,650,000円です。

手順5 製品ボックスを組む。製品Aは 380,000円 + 2,700,000円 - 330,000円 = 2,750,000円。製品Bは 260,000円 + 1,650,000円 - 230,000円 = 1,680,000円になります。

手順6 売上総利益を出す。製品Aは 4,500,000円 - 2,750,000円 = 1,750,000円。製品Bは 3,000,000円 - 1,680,000円 = 1,320,000円です。

手順7 営業利益を出す。まず共通費の配分です。売上高の合計は 4,500,000円 + 3,000,000円 = 7,500,000円で、比は 3対2になります。

製品Aへは 1,050,000円 × 4,500,000円 ÷ 7,500,000円 = 630,000円、製品Bへは 1,050,000円 × 3,000,000円 ÷ 7,500,000円 = 420,000円。合計 1,050,000円で総額に戻ります。

これに製品ごとに分かる分を足します。製品Aは 320,000円 + 630,000円 = 950,000円、製品Bは 230,000円 + 420,000円 = 650,000円。合計 1,600,000円です。

営業利益は製品Aが 1,750,000円 - 950,000円 = 800,000円、製品Bが 1,320,000円 - 650,000円 = 670,000円。全社では 800,000円 + 670,000円 = 1,470,000円になります。

製品別損益計算書製品A製品B合計
売上高4,500,0003,000,0007,500,000
売上原価2,750,0001,680,0004,430,000
売上総利益1,750,0001,320,0003,070,000
販売費および一般管理費950,000650,0001,600,000
営業利益800,000670,0001,470,000

検算。合計の列だけで縦に計算しても 7,500,000円 - 4,430,000円 = 3,070,000円、3,070,000円 - 1,600,000円 = 1,470,000円となり、製品別に横へ足した数字と一致します。

読み取り。売上高に対する営業利益の割合は、製品Aが 800,000円 ÷ 4,500,000円 で約 18パーセント、製品Bが 670,000円 ÷ 3,000,000円 で約 22パーセント。営業利益の金額は製品Aが大きいのに、効率では製品Bが上回っています。金額と割合の両方を見る必要がある例です。

原価が見えると、値決めが変わる

原価計算初級で学ぶ考え方は、そのまま中小企業の経営に直結します。どの商品が本当に儲かっているのか、いくら売れば固定費を回収できるのか。この2つが分かるだけで、値決めと投資の判断は大きく変わります。

ジェイスタート会計事務所は、公認会計士・税理士が在籍する札幌の会計事務所です。原価管理・部門別採算・損益分岐点にもとづく利益計画づくりまで、実務としてご支援しています。

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