生前贈与の使い分け:暦年贈与と相続時精算課税|札幌の税理士が3分で解説

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生前のうちに財産を子や孫へ渡しておく生前贈与は、相続対策の基本でありながら、使い方を誤ると効果が薄れたり、かえって税負担が増えたりすることがあります。

とくに札幌で資産を多く持つ方にとって、暦年贈与と相続時精算課税という2つの仕組みをどう使い分けるかは、将来の相続税額を大きく左右する判断です。

この記事は、こんな方に役立ちます

  • 相続・贈与の対策を早めに考えたい方
  • 事業承継の進め方を知りたい経営者
  • 何から手をつければよいか整理したい方
①財産の把握②評価③遺産分割の検討④申告書作成⑤申告・納税
相続税の申告期限は相続開始から10か月以内
図:相続の手続きの流れ

生前贈与には暦年贈与と相続時精算課税という2つの方式があり、仕組みの違いや向いているケース、選択時の注意点を理解しておくことが重要です。

結論を先にお伝えすると、どちらが有利かは財産の規模・贈与する相手・残された時間によって変わります。一度選ぶと変更できない部分もあるため、最初の判断が重要になります。

この記事のポイント
  • 生前贈与には暦年贈与と相続時精算課税の2つの方式があります。
  • 暦年贈与は長期で相続財産を圧縮でき、時間に余裕がある方に向きます。
  • 相続時精算課税はまとまった額や値上がり見込みの財産の移転に向きます。
  • 相続時精算課税は選択後に暦年贈与へ戻せないため、判断は慎重に行います。
  • 財産の構成と残された時間を踏まえ、シミュレーションのうえ方針を決めます。
目次

暦年贈与と相続時精算課税の基本

生前贈与の方式には、大きく分けて暦年贈与と相続時精算課税の2つがあります。暦年贈与は、1年間に贈与を受けた金額に対して課税する方式で、一定額までは非課税の枠が設けられています。

毎年コツコツと財産を移していく、オーソドックスな方法です。一方、相続時精算課税は、一定額までまとめて贈与しても贈与時には課税を抑え、相続時に精算して相続税で計算し直す方式です。

両者の大きな違いは、相続時の扱いです。相続時精算課税で贈与した財産は、相続のときに相続財産に加えて計算されます。つまり、贈与によって相続財産そのものを減らす効果は限定的です。

これに対し暦年贈与は、長く続けることで相続財産を着実に減らしていける点が特徴です。ただし、相続が近づいてからの暦年贈与には、相続財産に加算される範囲が定められています。両者の性質の違いを押さえることが出発点です。

暦年贈与が向いているケース

暦年贈与は、時間をかけて少しずつ財産を移したい方に向いています。毎年の非課税枠を活用しながら、複数の子や孫に分けて贈与すれば、長い年月で相当額の財産を無理なく移転できます。

たとえば、推定相続人が複数いて、まだ十分な時間が見込める年齢の方であれば、暦年贈与を継続することで相続財産を計画的に圧縮していけます。早く始めるほど効果が積み上がる仕組みです。

注意点として、毎年同じ時期に同じ金額を機械的に贈与し続けると、当初からまとまった額を贈与する約束だったとみなされる懸念が指摘されることがあります。

贈与契約書を残し、贈与の都度きちんと手続きを行うなど、形式を整えることが大切です。また、相続開始前の一定期間の贈与は相続財産に加算されるため、贈与の効果が出るには時間的な余裕が必要です。

具体的な加算期間や金額は最新の制度をご確認ください。

相続時精算課税が向いているケース

相続時精算課税は、まとまった財産を早めに移したいときや、値上がりが見込まれる財産を渡したいときに向いています。

相続時に加算される評価額は贈与時点の評価額で計算されるため、将来値上がりしそうな財産を早めに贈与しておけば、値上がり分を相続財産に取り込まずに済む可能性があります。自社株や、開発が見込まれる土地などが典型例です。

評価額が上がる前の早いタイミングで贈与できれば、その分だけ相続税の圧縮効果が大きくなります。

比較項目暦年贈与相続時精算課税
進め方毎年少しずつまとまった額を早めに
相続財産の圧縮長期で効果あり原則として加算される
向く財産現金など値上がりが見込まれる財産
制度の変更毎年選択可能選択後は継続適用

ただし、相続時精算課税には大きな注意点があります。一度この制度を選択すると、その贈与者からの贈与については、その後は暦年贈与に戻せないという点です。後から「やはり暦年贈与のほうがよかった」と思っても変更できません。

また、近年は相続時精算課税にも一定の基礎控除が設けられるなど制度が見直されており、両者の使い分けの考え方は複雑になっています。選択は慎重に行う必要があります。

選択を誤らないための考え方

どちらの方式を選ぶかは、財産の構成と、贈与する側の年齢や健康状態を踏まえて判断します。

十分な時間が見込めるなら暦年贈与で長期的に圧縮を図り、時間が限られていたり値上がり資産を渡したかったりするなら相続時精算課税を検討する、というのが大まかな考え方です。

財産全体を見渡し、相続税のシミュレーションをしたうえで方針を決めることが、後悔のない選択につながります。

札幌でも、自宅や事業用地、自社株など複数の資産を持つ方は、財産の種類ごとに適した方式が異なることがあります。現金は暦年贈与、値上がりが見込まれる資産は相続時精算課税、といった組み合わせも考えられます。

制度が複雑化している今こそ、専門家とともに全体設計を描くことが大切です。場当たり的な贈与ではなく、計画に基づいた贈与が、結果として家族の負担を軽くします。

まとめ

この記事のまとめ
生前贈与には暦年贈与と相続時精算課税の2つの方式があります。
暦年贈与は長期で相続財産を圧縮でき、時間に余裕がある方に向きます。
相続時精算課税はまとまった額や値上がり見込みの財産の移転に向きます。
相続時精算課税は選択後に暦年贈与へ戻せないため、判断は慎重に行います。
財産の構成と残された時間を踏まえ、シミュレーションのうえ方針を決めます。

生前贈与の使い分けは、制度の複雑化により判断が難しくなっています。財産の規模や種類、ご家族の状況によって最適な方式は変わり、相続全体を見据えた設計が欠かせません。

札幌で生前贈与や相続対策をお考えの方は、当事務所の料金プランをご確認のうえ、お問い合わせからご相談ください。公認会計士・税理士として、相続・贈与の実務に対応しています。

当事務所でもAIを活用した資料の下準備と税理士による最終確認を組み合わせて、こうしたテーマの実務を支援しています。

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  • 自社株がある場合の評価と承継方針
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※本記事は2026年8月時点の情報に基づく一般的な解説です。税制・法令・制度は改正されることがあり、個別の判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては公認会計士・税理士等の専門家にご相談ください。

出典・参考情報(公的機関)

本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。

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