親の財産に相続税がかかるのか、かかるとしたらいくらなのか。具体的な見当がつかないまま不安だけが膨らんでいる方は多いものです。実は相続税は、手順さえ知っていれば自分でもおおまかな概算ができます。
この記事は、こんな方に役立ちます
- 相続・贈与の対策を早めに考えたい方
- 事業承継の進め方を知りたい経営者
- 何から手をつければよいか整理したい方
多くの家庭は基礎控除の範囲に収まりますが、持ち家に預金と保険が重なると超えるケースは珍しくありません。以下では基礎控除の考え方、概算の3ステップ、数値例、概算と実際がズレやすいポイントを順に解説します。
- まず「3,000万円+600万円×相続人数」の基礎控除を超えるか確認
- 概算は財産合計→基礎控除→法定相続分按分の3ステップ
- 遺産7,000万円・相続人3人なら相続税総額の目安は225万円程度
- 土地評価・特例・生前贈与の加算で実際の税額は変わる
- 申告の期限は10ヶ月。超えそうなら早めに専門家へ
相続税がかかるかは「基礎控除」で決まる
相続税には基礎控除があり、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します(金額は改正されることがあるため、最新は国税庁サイトでご確認ください)。
たとえば相続人が配偶者と子2人の計3人なら、基礎控除は4,800万円です。財産の総額がこの範囲なら原則として相続税はかからず申告も不要です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額がゼロになる場合は、申告そのものは必要になります。
自分でできる簡易計算の3ステップ
- ステップ1:財産を合計する(預貯金・不動産・株式・生命保険金など)。借入金や葬式費用は差し引く
- ステップ2:合計額から基礎控除を引いて、課税される遺産額を出す
- ステップ3:課税遺産を法定相続分で按分して税率を当てはめ、各人の税額を合計する
不動産は、土地なら路線価ベース、建物なら固定資産税評価額が概算の目安です。生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があるため、その分を差し引いて合計します。
数値例:遺産7,000万円・相続人3人の場合
遺産7,000万円、相続人が配偶者と子2人のケースで試算します。基礎控除4,800万円を引くと、課税遺産は2,200万円です。
これを法定相続分で按分すると、配偶者1,100万円、子は550万円ずつです。速算表に当てはめると、配偶者分の税額は115万円、子の分は各55万円で、相続税の総額は225万円になります(税率・控除額は国税庁の速算表で最新をご確認ください)。
実際の納税額は、誰がどれだけ財産を取得したかに応じて総額を按分します。配偶者には1億6,000万円または法定相続分まで課税されない税額軽減があるため、配偶者が取得した分の税額は多くの場合ゼロになります。
概算と実際がズレやすい四つのポイント
第一に土地の評価です。形状や接道の状況で評価額は大きく変わり、概算より下がることも上がることもあります。第二に小規模宅地等の特例です。自宅の土地は要件を満たせば330㎡まで評価額が8割減になりますが、申告することが適用の条件です。
第三に生前贈与の加算です。相続開始前の一定期間内に受けた贈与は、遺産に足し戻して計算します。第四に期限です。相続税の申告・納付には、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内という期限があり、特例の適用にも関わります。
まとめ
概算で基礎控除を超えそうな場合、特例の適用や財産評価のやり方しだいで納税額は大きく変わります。当事務所の料金プランをご確認のうえ、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
当事務所では資料の下準備と税理士による最終確認を組み合わせて、こうしたテーマの実務を支援しています。
関連記事:「2026年度税制改正のポイント」「個人事業主の節税メニュー7選」
相続で早めに確認しておくこと
- 財産の一覧(不動産・預貯金・有価証券・保険)
- 借入金・未払金などの債務
- 法定相続人の確認
- 遺言の有無
- 自社株がある場合の評価と承継方針
※本記事は2026年8月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
出典・参考情報(公的機関)
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。
