障害福祉サービス(就労支援・グループホーム)の経営に役立つ最新情報【2026年版】

最終更新:2026年7月27日(令和8年度対応)

このページは、就労継続支援A型・B型やグループホーム(共同生活援助)など障害福祉サービスを運営する法人・個人事業主、管理者の方に向けて、2026年(令和8年)時点の制度動向を税理士事務所の視点で整理したものです。工賃・賃金と生産活動の区分経理、法定代理受領による資金繰り、運営指導(旧・実地指導)への備えなど、日々の運営に直結する実務論点を中心にまとめています。

✓ 2026年の障害福祉サービス動向 ✓ 工賃・生産活動会計のポイント ✓ 使える補助金・助成金 ✓ 処遇改善加算の新ルール ✓ 資金繰り・KPIの目安
3分でわかる要点
  1. 結論を最初に:就労継続支援B型の平均工賃は月額24,141円、A型の平均賃金は91,451円(令和6年度・前年比+6.6%/+5.4%)で、ともに伸びています。
  2. 制度は追い風でも収支は厳しい:A型の赤字事業所割合は49.0%(前年比+10.3pt)。報酬・利用者の増加と黒字化は別問題です。
  3. 法定代理受領は約2か月の入金タイムラグ:毎月1〜10日に前月分を請求し、入金はサービス提供月から約2か月後です。
  4. 運営指導は指定後1年以内、以後は3年に1回:個別支援計画や加算算定根拠の記録整備を日常的に進める必要があります。
  5. 2026年10月は制度の節目:インボイス2割特例の終了(9月30日)と「106万円の壁」撤廃が重なります。
目次

1. 業界の今|2026年の障害福祉サービス動向

ひとことで言うと工賃・賃金と利用者数は伸びていますが、A型の約半数が赤字という「増収でも増益にならない」構造が続いています。

24,141就労継続支援B型 平均工賃月額(令和6年度・前年比+6.6%)
91,451就労継続支援A型 平均賃金月額(令和6年度・前年比+5.4%)
49.0%就労継続支援A型の赤字事業所割合(2024年度決算・前年比+10.3pt)

障害福祉サービス全体の総費用額は令和6年度に約4.18兆円となり、前年度から12.1%増加しました。

利用者数も163万人(前年比5.8%増)に拡大しています。令和6年度の報酬改定は全体改定率+1.12%でした。

福祉・介護職員等処遇改善加算は4段階の新加算に一本化されています(=複数あった加算を1本にまとめた仕組み)。

新加算は令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%相当のベースアップにつなげる設計です。

就労系サービスとグループホーム(共同生活援助)は、利用者数の増加を背景に費用規模が拡大しています。

令和5→6年度の総費用額は、共同生活援助が4,712億円(前年比+13.2%)、B型が6,294億円(同+20.1%)、A型が1,875億円(同+4.6%)でした。

北海道の平均工賃・賃金も全国平均を上回ります。B型27,361円、A型92,083円という水準です。

一方、WAM(福祉医療機構)の経営分析参考指標(2024年度決算分)では、A型の赤字事業所割合が49.0%(前年比+10.3pt)です。

共同生活援助41.5%、B型31.9%も赤字が目立ちます。報酬・利用者数の伸びと収支改善が一致しない点が2026年の最大の論点です。

ポイント報酬・利用者数がともに伸びる成長分野である一方、生産活動の採算管理と人件費率の高さが経営を圧迫しています。工賃向上と処遇改善加算の取得、区分経理に基づく採算管理を両輪で進めることが2026年の課題です。
平均工賃・賃金月額の比較(令和6年度・全国平均)
就労継続支援A型(平均賃金)91,451円
就労継続支援B型(平均工賃)24,141円
出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績」/A型は雇用契約に基づく賃金、B型は非雇用型の工賃で性質が異なります
年間総費用額の伸び率の比較(令和5→6年度)
+4.6%
+13.2%
+20.1%
就労継続支援A型共同生活援助就労継続支援B型
出典:厚生労働省・こども家庭庁「障害福祉サービス等の費用の状況」

2. 経営のポイント|障害福祉サービス事業者が今やるべきこと

ひとことで言うと利用者確保の連携強化、生産活動の採算改善、運営指導に備えた記録整備の3つを並行して進めることが経営の土台になります。

2-1. 利用者確保と地域の相談支援・医療機関との連携強化

就労継続支援・グループホームともに利用者数の増加とあわせて事業所数も増え、地域によっては競合が生じています。

相談支援事業所や特別支援学校、医療機関との日常的な連携を強化し、紹介ルートを複線化しておくことが安定した利用者確保につながります。

グループホームでは「親亡き後」の住まいの相談が増えています。体験利用や見学の受け入れ体制を整えておくと安心材料になります。

2-2. 生産活動の採算改善と工賃・賃金向上の両立

就労継続支援A型・B型は、生産活動収支と福祉事業の収支を区分したうえで、生産活動の収入から必要経費を引いた額を工賃・賃金として支払う仕組みです。

この考え方は厚労省の就労支援事業会計ガイドラインで定められています(=生産活動と福祉事業を別会計で管理するルール)。

受注作業への依存度が高いほど、取引先の景気動向に収益が左右されやすくなります。自主製品の開発や販路確保、原価管理の徹底が工賃向上の土台です。

2-3. 運営指導(旧・実地指導)を見据えた記録・請求管理の徹底

令和6年4月に実地指導から運営指導へ名称が変わりました。指定後1年以内、その後はおおむね3年に1回実施されます。

人員配置・個別支援計画・加算算定根拠・請求内容の整合性などが確認されます。日常的な記録・帳票の整備が欠かせません。

請求の誤りは返戻(差し戻し)や過誤請求による返還リスクにつながります。月次の請求前チェック体制をつくっておきましょう。

障害福祉サービス事業者が今やるべき打ち手の優先順位
すぐやる(効果大・コスト小)請求前チェック体制の構築、相談支援事業所との連携強化
計画してやる(効果大・コスト大)自主製品開発・販路の複線化、処遇改善加算の上位区分取得
余力があれば見学・体験利用の受け入れ環境整備
優先度は低い記録整備を後回しにした受注量偏重の営業
※実務でよく使われる整理の型です

3. 税務・会計の留意点(令和8年度)

ひとことで言うと給付費は消費税非課税ですが、生産活動収入や実費徴収分は区分経理を徹底しないと課否判定や指定基準違反のリスクが生まれます。

障害福祉サービスの給付費(介護給付費・訓練等給付費)は社会福祉法上の社会福祉事業にあたり、消費税は非課税が原則です。

就労継続支援A型・B型、共同生活援助、生活介護などの給付費収入は非課税売上です。生産活動の自主製品・受託作業の売上や実費徴収分は、内容により課否判定が分かれます。

なお、障害者相談支援事業は社会福祉事業に該当せず課税対象となる点を国税庁が注意喚起しています。

就労継続支援A型・B型では「就労支援事業会計」の運用が厚労省ガイドラインで求められます。生産活動に係る会計と福祉事業活動に係る会計を区分する仕組みです。

複数の作業種別がある場合は種別ごとの区分経理も必要です。生産活動の収支が恒常的に赤字になっていないかを月次で把握できる体制が欠かせません。

法定代理受領(=給付費が国保連を通じて事業者に直接支払われる仕組み)の給付費は、サービス提供月と入金月に約2か月のずれが生じます。

発生主義の売上計上時期と、実際の入金時期を分けて管理する必要があります。

項目内容実務対応
給付費収入の消費税区分介護給付費・訓練等給付費は社会福祉事業として非課税実費徴収・生産活動収入は課否判定を個別に確認する
就労支援事業会計の区分生産活動に係る会計と福祉事業活動に係る会計を区分作業種別ごとの原価管理・月次モニタリング
法定代理受領の収益計上サービス提供月と国保連入金月に約2か月のずれ発生主義の売上計上と入金予定表を分けて管理する
グループホームの実費徴収家賃(月額目安32,577円)・食費(日額目安859円)等を運営規程に基づき徴収給付費と実費を明確に区分し領収書を交付・保存する
インボイス2割特例の終了R8.9.30の属する課税期間で終了。個人事業者はR9・R10年分のみ3割特例課税事業者となっている送迎・自主製品販売部門の対応を確認する
防衛特別法人税R8.4.1以後開始事業年度から課税。(基準法人税額−基礎控除500万円)×4%法人形態の事業者は該当有無を試算する
障害福祉サービスに関わる制度スケジュール
  • 2026年4月1日以後開始事業年度防衛特別法人税の課税対象に(基準法人税額500万円超の部分に4%)
  • 2026年度・2027年度処遇改善加算の新加算によるベースアップが2.5%相当・2.0%相当ずつ段階的に反映
  • 2026年9月30日インボイス2割特例の対象課税期間が終了
  • 2026年10月1日免税事業者からの仕入税額控除が70%に縮小。「106万円の壁」も同時期に撤廃
出典:財務省・国税庁・厚生労働省の公表資料をもとに作成

4. 使える補助金・助成金・支援策(2026年)

ひとことで言うと記録システムのデジタル化から賃上げ、事業所の広報まで、投資段階に応じて使える補助金がそろっています。

障害福祉サービスでは、記録・請求システムのデジタル化や支援員の賃上げに使える補助金の活用余地が大きく、要件整理や資金計画づくりを税理士がサポートできます。

制度上限・補助率直近スケジュール使い方
デジタル化・AI導入補助金2026【通常枠】5万〜450万円、補助率1/2以内(賃上げ要件で最大2/3)R8.4公募開始、複数回の締切制記録ソフト・請求システムの導入
業務改善助成金賃上げ額別3コース、最大600万円R8年度:申請R8.9.1開始支援員の賃上げ原資と見守り機器等の設備投資
中小企業省力化投資補助金【一般型】750万〜8,000万円(賃上げ特例で最大1億円)、補助率1/2〜2/3第7回:R8.6.5要領公開、7月受付勤怠・記録システムなど間接業務の省力化
キャリアアップ助成金(正社員化コース)中小企業1人あたり最大80万円(重点支援対象者の場合)通年申請、R8年度は情報公表加算が新設非正規職員の正社員転換による人材定着
小規模事業者持続化補助金通常枠上限50万円+上乗せ最大250万円、補助率2/3(赤字事業者3/4)第20回:受付R8.11.5〜12.15広報・見学受け入れ環境整備
ご注意補助金の申請代行は行政書士等、雇用関係助成金の申請代行は社会保険労務士の専門分野です。当事務所は税務・財務の観点から、採択後の会計処理・圧縮記帳・資金繰り計画を支援します。

5. 労務・人材の最新論点

ひとことで言うとA型は最低賃金の遵守が必須で、処遇改善加算の上位区分取得と106万円の壁撤廃への備えが2026年の焦点です。

就労継続支援A型は利用者と雇用契約を結ぶため、労働基準法・最低賃金法の適用対象です。北海道の最低賃金1,075円(R7.10.4発効)を下回る賃金は原則認められません。

労働能力が著しく低い場合に限り、最低賃金法第7条の減額特例許可を受けられます。ただし全国の適用者は雇用契約のある利用者の8.2%にとどまります。

令和8年度の最低賃金は2026年7月時点で審議が続いており、結論は未確定です。例年どおり8月に答申、10月頃の発効が見込まれます。

福祉・介護職員等処遇改善加算は令和6年度に4段階の新加算へ一本化されました。要件を満たせば令和6年度2.5%、令和7年度2.0%相当のベースアップにつながります。

上位区分(Ⅰ)の取得率は2024年度決算分でB型74.7%、A型63.9%、共同生活援助62.9%です。上位区分の取得可否が処遇改善の水準を左右します。

加算を取得したまま賃金改善を怠ると返還リスクがあります。実績報告の管理を怠らないようにしてください。

2026年10月には「106万円の壁」(賃金月8.8万円要件)が撤廃されます。週20時間以上の短時間労働者の社会保険加入対象が広がる見込みです。

パート職員が多い事業所ほど、社会保険料負担増を織り込んだ人件費シミュレーションが必要になります。

支援員・世話人の有効求人倍率は高い状態が続いています。処遇改善加算の実績や働きやすい勤務体制のアピールが定着率向上につながります。

利用者・家族対応の負担が大きい職種のため、カスタマーハラスメント対策や熱中症対策(労働安全衛生規則、R7.6.1義務化)も採用力を左右します。

6. 資金繰り・銀行融資対策|障害福祉サービス

ひとことで言うと法定代理受領による約2か月の入金タイムラグを資金繰り表で先読みすることが、障害福祉サービス経営の土台です。

6-1. 法定代理受領特有の資金繰り課題

障害福祉サービスの給付費は法定代理受領により、利用者負担分を除いた大部分が国保連(国民健康保険団体連合会)を通じて事業者に直接支払われます。

毎月1〜10日に前月分を請求し、入金はサービス提供月から約2か月後になるのが一般的です。開業直後や利用者急増時は人件費・家賃の支払いが先行しやすくなります。

請求内容に不備があると返戻(差し戻し)となり、入金がさらに遅れます。請求前チェックの徹底と、2〜3か月分の運転資金を厚めに確保する資金計画が欠かせません。

6-2. 使える融資メニュー

運転資金・設備資金の調達先には、日本政策金融公庫の一般貸付や信用保証協会の保証付き融資があります。社会福祉法人・NPO法人・株式会社いずれの形態でも利用できます。

独立行政法人福祉医療機構(WAM)の福祉貸付事業は、民間金融機関より長期・有利な条件で借入できる制度です。グループホームの新設・改修時の有力な選択肢です。

金利は資金使途や融資期間で異なります。複数の制度を比較し、返済期間とのバランスを検討しましょう。

6-3. 金融機関の見方と決算書のポイント

金融機関は、稼働率(利用率)の安定性や、生産活動収支が福祉事業会計を圧迫していないかを重視して事業性を評価する傾向があります。

WAMの経営分析参考指標(2024年度決算分)ではA型の人件費率65.9%・赤字事業所割合49.0%です。生産活動の赤字を給付費で補填する構造になっていないかが問われやすい業種です。

決算書とは別に、生産活動単独の損益がわかる資料を用意すると、融資審査や補助金申請の説明がスムーズになります。

実務ポイント法定代理受領の入金サイトを前提にした資金繰り表を作成し、生産活動会計を区分した試算表を月次で確認できる体制を整えておくことが、交渉力を高めます。
法定代理受領の請求〜入金の流れ
STEP1 サービス提供利用者に給付決定に基づくサービスを提供
STEP2 毎月1〜10日に請求前月分の給付費を国保連へ請求
STEP3 国保連による審査内容に不備があれば返戻(差し戻し)に
STEP4 入金サービス提供月から約2か月後に指定口座へ入金
※障害福祉サービスの法定代理受領の一般的な流れを整理したものです

7. 経営指標の目安(KPIベンチマーク)

ひとことで言うと利用率8割前後・人件費率6割台という水準が目安で、赤字事業所の割合の高さが2026年の最大の経営課題です。

以下は独立行政法人福祉医療機構(WAM)が融資先の決算データをもとに公表する経営分析参考指標(2024年度決算分)による目安です。

規模・地域・サービス類型によって水準は大きく異なります。自社の複数期の推移と照らし合わせ、参考値としてお役立てください。

指標目安見方
利用率(就労継続支援A型)79.0%定員に対する実利用の割合。稼働率が低いと固定費(人件費・家賃)を賄いにくい
利用率(就労継続支援B型)80.6%同上。工賃向上と利用率の両立が収支改善の鍵になる
利用率(共同生活援助)86.1%空室(空床)期間が長引くと収益に直結しやすい
人件費率(サービス活動収益比)A型65.9%・B型65.1%・GH64.3%報酬収入に対する人件費の重さ。福祉業種は一般に高水準になりやすい
赤字事業所の割合A型49.0%・B型31.9%・GH41.5%経常増減差額がマイナスの施設の割合。特にA型は生産活動の採算確保が課題
共同生活援助の家賃実費(月額目安)32,577円実際に徴収している家賃の目安。特定障害者特別給付費(上限1万円)との差額が入居者負担になる
ベンチマーク利用の注意上記はWAMの融資先という一定のサンプルに基づく参考値であり、業界全体の平均を保証するものではありません。定員規模・地域・サービス類型の違いを踏まえ、傾向をつかむ目安としてご活用ください。
出典:独立行政法人福祉医療機構(WAM)「経営分析参考指標」(2024年度決算分)
赤字事業所の割合の比較(2024年度決算)
就労継続支援A型49.0%
共同生活援助41.5%
就労継続支援B型31.9%
出典:独立行政法人福祉医療機構(WAM)「経営分析参考指標」(2024年度決算分)

8. 成功事例と失敗事例に学ぶ|障害福祉サービス

ひとことで言うと生産活動の採算管理と加算取得の記録整備、実費徴収の区分経理ができているかが経営の分かれ目になります。

実際の現場で繰り返し見られるパターンを、守秘義務に配慮して一般化したモデルケースとして紹介します。自社の管理体制と照らし合わせてご覧ください。

成功事例

成功事例①|生産活動を受託作業中心から自主製品・直売へ転換し平均工賃が約1.4倍にある就労継続支援B型事業所は、単価の低い受託軽作業に依存していましたが、地域の農産物加工品や雑貨の自主製品開発に着手し、直売所やオンラインショップでの直接販売を始めました。原価管理を徹底し商品構成を見直した結果、平均工賃は移行前の月額1万円台から1万4千円台へと約1.4倍に伸びています。
成功事例②|処遇改善加算の上位区分取得と職場環境整備で職員の離職率が半減グループホームを複数運営する事業者は、キャリアパス・職場環境等要件を計画的に整備し上位区分を取得しました。加算収入を賃金改善に確実に還元し、勤務シフトの見直しや相談窓口の設置にも投資した結果、離職率は20%台から10%台へとほぼ半減しています。
成功事例③|資金繰り表と複数の融資メニューの併用でグループホーム増設後の稼働率を安定化増設を検討していた事業者は、法定代理受領の入金までの約2か月のタイムラグを織り込んだ資金繰り表を作成し、WAMの福祉貸付と信用保証協会付き融資を組み合わせました。運転資金を厚めに確保していたため資金ショートを起こさず、2年目には利用率が80%台まで上昇しています。

失敗事例

失敗事例①|生産活動の赤字を給付費収入で恒常的に穴埋めし資金繰りが悪化ある就労継続支援A型事業所は、受注確保を優先し採算を度外視した価格で仕事を請け負い続け、生産活動収支が慢性的な赤字になっていました。区分経理はしていたものの実態把握が遅れ、給付費収入で赤字を穴埋めする状態が常態化しています。
失敗事例②|運営指導の準備不足で加算の返還を求められたある事業所は、個別支援計画の記録や加算算定の根拠となる勤務記録の整備が後回しになっていました。運営指導で書類不備を複数指摘され、要件を満たさない加算をさかのぼって返還する結果になっています。
失敗事例③|グループホームの実費徴収と給付費会計を混同し行政から指摘あるグループホームでは、家賃・食材費・水道光熱費として徴収した実費を明確に区分せず、事業全体の運転資金として扱っていました。運営規程の金額と実際の徴収額・使途にずれが生じ、行政確認の際に改善指導を受けています。
事例から見える「分かれ目」3点①生産活動の収支を月次で把握し、赤字を給付費で恒常的に穴埋めしない体制になっているか。②処遇改善加算など報酬加算を、要件を満たす記録とセットで確実に取得・運用できているか。③グループホームの実費徴収や生産活動の会計を、給付費会計と明確に区分して管理できているか。

※本事例は守秘義務に配慮し、業界で典型的に見られるパターンを一般化・再構成したモデルケースです。特定の企業・個人の事実を示すものではありません。

9. 今後12か月のアクションチェックリスト

ひとことで言うと2026年7〜9月のうちに処遇改善加算の要件充足を棚卸しし、10月の制度変更に備えた資金・人件費の試算を済ませておきましょう。

時期やること関連制度
2026年7〜9月生産活動の月次収支確認、処遇改善加算の要件充足状況の棚卸し、最低賃金改定の動向確認就労支援事業会計・処遇改善加算
2026年10〜12月106万円の壁撤廃に伴う社会保険料負担の試算、改定後の最低賃金への賃金反映106万円の壁撤廃・最低賃金改定
2027年1〜3月生産活動収支・グループホーム実費徴収の会計区分の総点検、少額減価償却資産の特例活用、確定申告準備少額減価償却資産の特例
2027年4〜6月次年度資金繰り計画の策定、運営指導に備えた記録整備、補助金公募スケジュールの確認運営指導・各種補助金

10. 関連情報・よくある質問

ひとことで言うと障害福祉サービスの制度は税制改正や補助金、近縁の介護福祉分野の動向ともつながるため、あわせて確認すると理解が深まります。

障害福祉サービスの経営・税務は、実務に強い税理士へ

生産活動の採算管理から処遇改善加算・法定代理受領を踏まえた資金繰りまで、事業所の状況に応じた具体策をご提案します。

対象:就労支援・グループホームなど障害福祉サービスを営む法人・個人事業主の方(オンライン対応可・初回相談無料)

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※本ページは2026年7月時点の公表情報に基づく一般的な情報提供です。制度・金額・期限は今後の改正等により変更される場合があります。個別の適用可否や税務判断については、顧問税理士または当事務所にご確認ください。

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