準確定申告の代行は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内という期限から逆算して進めます。依頼後の流れは相談・資料収集・作成・相続人の確認・提出の5段階で、資料が揃えば2〜3週間程度、未整理なら1〜2か月が目安です。発行に時間がかかる書類は、依頼と並行して先に取り寄せます。
この記事の結論
準確定申告は、亡くなった方のその年1月1日から死亡日までの所得を相続人が申告する手続きで、期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。代行にかかる日数は、資料の揃い具合でほぼ決まります。
- 流れは「相談→資料収集→申告書の作成→相続人の確認→提出・納付」の5ステップ
- 資料が揃えば2〜3週間程度、帳簿の整理が要るなら1〜2か月が目安
- 年金の源泉徴収票など、発行待ちの書類が全体のボトルネックになる
- 死亡後に払った医療費は準確定申告では控除できず、相続税の債務控除で扱う
- 相続税の申告が見込まれるなら、まとめて依頼すると資料集めが一度で済む
準確定申告とは?誰が・いつまでに・どこへ出す
準確定申告は、年の途中で亡くなった方(被相続人)の所得について、相続人が代わりに行う確定申告です。生前に確定申告をしていた方や、払いすぎた税金の還付を受けられる方が主な対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる所得 | 亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得 |
| 期限 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内(土日・祝日に当たるときは翌平日) |
| 提出する人 | 相続人(包括受遺者を含む)。相続人の情報を付表にまとめ、原則として連名で提出 |
| 提出先 | 亡くなった方の死亡当時の納税地(通常は住所地)を所轄する税務署 |
| 前年分が未申告のとき | 1月1日から3月15日までに亡くなり、前年分の確定申告をしていなかった場合は、前年分も同じ期限までに申告 |
| 消費税 | 亡くなった方が消費税の課税事業者だった場合は、消費税の申告も同じ期限まで |
申告が必要か、したほうがよいかは、次の点で見当をつけます。勤務先で死亡退職時に年末調整が行われていれば、給与だけの方は申告が要らないこともあります。
- 事業所得や不動産所得(家賃収入など)があった
- 公的年金の収入が400万円を超えていた、または年金以外の所得が20万円を超えていた
- その年に土地・建物や株式を売却していた
- 医療費控除などで、源泉徴収された税金の還付を受けられる(還付の申告は任意)
札幌市内に住んでいた方の提出先
提出先は亡くなった方の住所地を所轄する税務署です。北区・東区は札幌北、豊平区・南区・清田区は札幌南、白石区・厚別区は札幌東、西区・手稲区は札幌西の各税務署です。中央区はおおむね西10丁目以東が札幌中税務署、大通西11丁目以西・円山・宮の森などは西税務署の所轄に分かれます(個別の住所は国税庁の管轄区域表で確認)。
2026年7月10日から市内5署の内部事務は札幌業務センターに集約され、書面を郵送するときは同センター(〒060-8510、中央区大通西10丁目の第2合同庁舎内)へ送ります。e-Taxや窓口への持参は所轄の税務署です。
代行を依頼してから完了までの5ステップ
準確定申告の代行は、標準的には次の流れで進みます。各段階で、ご家族に用意していただくものと、税理士が行うことを分けて示します。
- 初回相談申告が必要か、還付を受けられるかを判定し、必要資料のリストと、期限から逆算した日程を共有します。亡くなった方の前年分の確定申告書の控えや、届いている源泉徴収票・支払通知などをお持ちください。
- 資料収集源泉徴収票、支払調書、通帳、医療費の領収書、不動産や事業の帳簿などを集めます。年金や勤務先の書類は発行に日数がかかるため、依頼と並行して取り寄せを始めます。
- 申告書の作成税理士が所得と税額を計算し、控除の適用や、還付・納付の見込みを説明します。事業や不動産の収支は、死亡日までの分で区切って集計します。
- 相続人の確認相続人全員の氏名・住所・続柄・相続分などを付表にまとめ、内容を確認していただきます。離れて暮らす相続人がいる場合は、書類の往復に日数を見込みます。
- 提出・納付税務署へ提出し、納める税額は相続分に応じて各相続人が負担します。還付になる場合は受取口座を指定し、代表者がまとめて受け取るときは他の相続人からの委任の手続きをとります。
相続人が複数いる場合は、原則として全員が連署した付表を添えて提出します。各相続人が別々に出すこともできますが、その場合は他の相続人に申告の内容を知らせる必要があるため、早い段階で連絡役を決めておくのがコツです。
所要日数の目安は?資料が揃えば2〜3週間
| ケース | 依頼から提出までの目安 | 時間がかかる要因 |
|---|---|---|
| 年金や給与が中心で、源泉徴収票がすぐ手に入る | 2〜3週間程度 | 相続人の確認と署名のやり取り |
| 賃貸不動産や事業があり、帳簿が未整理 | 1〜2か月程度 | 資料の収集と、死亡日までの記帳 |
| 相続人が多い、または遠方に住んでいる | 上記に日数が加わる | 付表の確認・署名の往復 |
注意したいのは、書類の発行そのものに時間がかかる点です。年金の準確定申告用の源泉徴収票は、死亡の届出の後に送られてくるまで数週間かかる場合があり、勤務先や金融機関の書類も依頼から到着まで日数を要します。ここが全体のボトルネックになりがちなので、税理士への依頼と並行して、発行の依頼だけは先に出しておきましょう。
具体例:期限の数え方
例えば、2026年10月10日に亡くなり、相続人がその日に知った場合です。翌日の10月11日から数えて4か月となり、期限は2027年2月10日(水)です。期限が土日・祝日に当たるときは翌平日になります。
疎遠だった親族などで、亡くなったことを後から知った場合は、知った日の翌日から数えます。
集める資料は?準備のチェックリスト
- 亡くなった方の前年分の確定申告書の控え(あれば)
- 公的年金等の源泉徴収票(死亡の届出の後に送付される)、勤務先の源泉徴収票
- 報酬や保険金などの支払調書・支払通知書
- 不動産の賃貸借契約書と、家賃の入金がわかる通帳
- 事業をしていた場合の帳簿、請求書・領収書、死亡日時点の在庫の数量
- 死亡日までに支払った医療費の領収書、社会保険料・生命保険料などの控除証明書
- 相続人全員の氏名・住所・続柄・相続分がわかるもの(戸籍、遺言書、遺産分割の内容など)
- 相続人のマイナンバーと、還付金の受取口座
扶養控除や配偶者控除の対象になるかは、死亡日の時点の状況で判定します。配偶者や扶養親族の所得は、その年の見込みで判断します。所得の金額が分かれば、税額のおおよその見込みを先に計算しておくこともできます。
無料ツール所得税額を速算表で計算する課税される所得金額を入れると、所得税と復興特別所得税の目安を計算できます。計算する
控除と相続税の扱いで間違えやすい点は?
準確定申告と相続税の申告では、同じお金でも扱いが分かれるものがあります。とくに医療費と還付金は取り違えが起きやすい項目です。
| 項目 | 準確定申告での扱い | 相続税での扱い |
|---|---|---|
| 死亡日までに支払った医療費 | 医療費控除の対象 | ― |
| 死亡後に相続人が支払った医療費 | 対象にならない | 債務控除の対象 |
| 準確定申告で納める所得税 | 相続人が相続分に応じて納付 | 債務控除の対象 |
| 準確定申告の還付金 | 相続人が受け取る | 相続財産に含める |
| 死亡後に支給日が来る給与・賞与 | 所得税はかからない | 相続財産に含める |
| 未支給年金(遺族が請求して受け取る年金) | 亡くなった方の所得ではない(受け取った遺族の一時所得) | 相続財産に含めない |
住民税は準確定申告とは別に考える
住民税は1月1日に住所がある人に課税されるため、亡くなった年の所得に対する翌年度分の住民税はかかりません。一方、亡くなった年度の住民税で納め終わっていない分は相続人が納め、相続税では債務控除の対象になります。
準確定申告で控除するか、相続税の側で扱うかは、支払日と書類の内容で分かれます。期限から逆算した段取りを、初回無料で確認できます。
無料で相談する期限まで1か月を切っているときはどう動く?
期限間際でも、まず税理士に連絡し、申告の要否の判定と資料リストの確定だけでも先に進めます。納税が必要なのに期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税(原則15%、50万円を超える部分は20%)がかかることがあります。税務署の調査の通知より前に自主的に申告すれば軽減される仕組みもありますが、期限内に出すことが基本です。
- 要否と資料の確定を最優先にする申告が必要か、どの資料が欠けているかを最初に確定させ、取り寄せ中の書類の到着見込みを確認します。
- 判明している範囲で期限内に提出する一部の資料が間に合わない場合の進め方は、税額への影響を見て税理士と判断します。
- 後から届いた資料で直す税額が増えるときは修正申告、減るときは更正の請求で正しい内容にします。
還付になる場合は加算税の心配はありませんが、還付金は相続財産として遺産分割や相続税の申告にも関わるため、早めに済ませます。申告後に直すときの流れは修正申告の依頼から完了までの流れで整理しています。初回相談はオンラインでも受け付けているため、遠方に住む相続人が窓口になる場合も進められます。
相続税の申告とまとめて依頼すると何が変わる?
準確定申告で使う通帳や不動産関係の資料の多くは、そのあとの相続税の申告でも使います。相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内で、準確定申告の先に控えています。
相続税がかかるかの目安は、遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかです。例えば法定相続人が3人なら、600万円×3人=1,800万円、3,000万円+1,800万円=4,800万円が基礎控除です。
無料ツール相続税の基礎控除を計算する法定相続人の数を入れると、相続税がかからない遺産額の目安が分かります。計算する
財産の規模から相続税の申告が見込まれるなら、同じ事務所にまとめて依頼すると資料の収集が一度で済み、財産の全体像の把握も早まります。準確定申告で納める所得税は相続税の債務控除に、還付金は相続財産に入るため、両方の数字を同じ担当者が見ることで計上漏れも防げます。
よくある質問
準確定申告は、相続人のうち1人だけで出せますか?
原則は相続人全員の情報を付表にまとめ、連名で提出します。各相続人が別々に出すこともできますが、その場合は他の相続人に申告の内容を知らせる必要があります。実務では代表者が手続きを進め、他の相続人は付表の内容を確認して署名する形が一般的です。
年金だけで暮らしていた親でも、準確定申告は必要ですか?
公的年金の収入が400万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら申告は不要です。ただし、死亡日までに支払った医療費が多い場合などは、申告すると源泉徴収された税金が戻ることがあります。医療費の領収書を確認してから判断しましょう。
相続放棄をした人も準確定申告に関わりますか?
相続放棄をした人は初めから相続人でなかったものとみなされるため、準確定申告をする義務や、所得税を納める義務を引き継ぎません。付表にも記載せず、残りの相続人で手続きを進めます。
亡くなった親の個人事業を家族が引き継ぐ場合はどうなりますか?
亡くなった方の事業は死亡日で区切り、それまでの所得を準確定申告します。引き継ぐ相続人は自分の事業として開業の届出を出し、青色申告をするなら承認申請も必要です。申請の期限は死亡日によって特別な決まりがあるため、準確定申告とあわせて早めに確認します。
まとめ
準確定申告の代行は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内という期限から逆算し、相談・資料収集・作成・相続人の確認・提出の5段階で進めます。資料が揃えば2〜3週間程度、整理が必要なら1〜2か月が目安で、年金の源泉徴収票など発行待ちの書類を先に手配することが間に合わせる鍵です。相続税の申告が見込まれるなら、資料と数字をまとめて扱える体制で進めましょう。
札幌の公認会計士・税理士事務所
準確定申告・相続税のご相談は、ジェイスタート会計事務所へ
- 初回相談は無料(オンライン対応可)
- フォーム・LINEは24時間受付、翌営業日までにご返信
- その場でご契約を迫ることはありません
対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り
出典・参考(公的機関)
本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
更新履歴:2026年10月 全面改訂
