相続税の延納と利子税の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:相続税・贈与税
  • 根拠:相法38・52
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

相続税は原則として現金で一括納付しますが、まとまった現金が用意できないときは、分割で支払う延納という方法があります。延納を選ぶと、通常の利息にあたる利子税が別途かかります。何年に分けるかによって、毎年の負担も利子税の総額も変わるため、その関係をあらかじめ把握しておくことが大切です。

この計算式を3行でいうと

  1. 延納する税額を延納期間の年数で割った金額が、毎年支払う元金のおおよその目安になります。
  2. 利子税の総額は、延納税額×利子税率×(期間+1)÷2でおおまかに見積もれます。実際は残高に応じて計算されます。
  3. 不動産等の割合が75%以上の相続では、延納期間が最長20年に延び、利子税率も軽減されます。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

相続税の延納と利子税

相法38・52結果コピーリンク

相続税を分割払い(延納)する場合の年間納付額と利子税の概算を計算します。

年間元金 = 延納税額 ÷ 延納期間 利子税累計 ≈ 延納税額 × 利子税率 × (期間+1)÷2
年間約 321万円(初年度)
年間元金300万円
初年度の利子税21万円
利子税の累計(概算)115.5万円
要件金銭納付困難+担保提供(税額100万超or期間3年超)
期間上限不動産等の割合により5〜20年
不動産等の割合75%以上なら最長20年・利子税も軽減。延納でも困難なら物納。R6の利子税率は0.4〜0.7%程度(特例基準割合連動)。
目次

こんなときに使います

  • 相続税額は決まったものの、手元の現金や預金だけでは一度に納められないとき
  • 不動産が財産の大部分を占めていて、売却しないと現金化できないとき
  • 延納を何年にすれば毎年の負担が無理のない範囲におさまるか試算したいとき
  • 延納にかかる利子税がどれくらいになるか、あらかじめ見積もっておきたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
延納する税額一括で納付できず、分割払いにする相続税額です。相続税の申告書、延納申請書に記載する税額です。
延納期間何年に分けて納付するかの年数です。財産の中に占める不動産等の割合によって選べる年数の上限が変わります。延納申請書で選択する年数です。税務署との相談で決まります。
利子税率(特例基準連動)延納中の税額にかかる年あたりの利率です。財産の構成や年によって変わります。国税庁が毎年公表する利子税割合の一覧で確認します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 年間の元金を計算する:延納する税額を延納期間の年数で割ります。毎年ほぼ均等な元金を納めていくイメージです。
  2. 利子税の概算を出す:延納税額に利子税率を掛け、さらに(延納期間+1)÷2を掛けると、期間全体でかかる利子税のおおよその合計が見積もれます。これは残高が毎年減っていくことを簡略化した近似計算です。
  3. 実際の納付スケジュールを確認する:実際の利子税は、その年に残っている税額に利子税率を掛けて計算されるため、正確な金額は税務署からの通知や納付書で確認します。

具体例で確かめる

例1 3,000万円を10年で延納するケース

年間元金 = 3,000万円 ÷ 10年 = 300万円/年 利子税累計 ≈ 3,000万円 × 0.7% × (10+1)÷2 = 3,000万円 × 0.7% × 5.5

利子税の概算は約115.5万円。10年間の総負担は元金3,000万円+利子税約115.5万円

例2 同じ3,000万円を5年で延納するケース

年間元金 = 3,000万円 ÷ 5年 = 600万円/年 利子税累計 ≈ 3,000万円 × 0.7% × (5+1)÷2 = 3,000万円 × 0.7% × 3

利子税の概算は約63万円。期間を短くすると毎年の負担は増えるが、利子税の総額は減る

例3 延納期間20年・利子税率を0.4%と仮定したケース

年間元金 = 3,000万円 ÷ 20年 = 150万円/年 利子税累計 ≈ 3,000万円 × 0.4% × (20+1)÷2 = 3,000万円 × 0.4% × 10.5

利子税の概算は約126万円。不動産等の割合が75%以上だと期間を延ばせますが、税率が下がっても総額は10年のケースとあまり変わらないことがあります(税率は年によって変わるため、あくまで目安の試算です)

ここを間違えやすい

1|延納できる期間は財産の中身で変わります

相続財産のうち不動産等が占める割合が75%以上の場合は、延納期間を最長20年まで選ぶことができ、その分利子税率も軽減されます。割合が低いと、選べる期間はもっと短くなります。

2|利子税率は年によって変わります

利子税率は特例基準割合に連動して毎年見直されます。目安として、令和6年の利子税率は0.4%から0.7%程度でした。実際に適用される年分の利子税率は、国税庁の発表で確認する必要があります。

3|延納でも払えないときは物納という方法があります

延納をしても金銭で納めることが難しい場合は、不動産や有価証券などの財産そのもので納める物納という制度があります。物納できる財産には順位があり、誰でもどの財産でも選べるわけではありません。延納から物納への変更には条件があるため、早めに税務署へ相談することが大切です。

4|担保の提供が必要になる場合があります

延納する税額や期間によっては、不動産や有価証券などの担保を提供する必要があります。担保にできる財産が少ないと、希望する期間の延納が認められないことがあります。

よくある質問

延納の申請はいつまでにすればよいですか。
相続税の申告期限までに、延納申請書と担保に関する書類を税務署に提出する必要があります。申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。書類に不備があると審査に時間がかかるため、早めの準備をおすすめします。
延納の途中で一括返済することはできますか。
延納の途中でも、残っている税額をまとめて繰り上げて納付することができます。繰り上げて納付すれば、その分利子税の負担も減ります。
利子税はいつ、どうやって納めますか。
延納する元金と合わせて、毎回の納期限までに利子税をあわせて納付します。税務署から届く納付書に金額が記載されます。
延納中に財産の状況が変わったらどうなりますか。
延納の許可を受けたあとに資力が回復するなど状況が変わった場合、延納から物納への変更や、繰り上げ納付を求められることがあります。個別の事情については税務署への確認が必要です。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 相続税法第38条(延納)、第52条(利子税)
  • 相続税法第41条(物納)
  • 国税庁タックスアンサー No.4211「相続税の延納」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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