- カテゴリ:源泉徴収
- 根拠:措法9の3・所法182
- 入力2項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
株式の配当を受け取るとき、支払う会社があらかじめ税金を差し引いてから支払います。これが配当の源泉徴収です。差し引かれる税率は、その株式が証券取引所に上場しているかどうかで変わります。上場株式は所得税と住民税をあわせて20.315%、非上場株式は所得税だけの20.42%が源泉徴収されます。
この計算式を3行でいうと
- 上場株式の配当は「配当×20.315%」(所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。
- 非上場株式の配当は「配当×20.42%」(所得税のみ)が源泉徴収され、住民税は確定申告で別に納めます。
- 上場株式の配当は、確定申告をしなくてよい申告不要制度のほか、申告分離課税・総合課税を選ぶこともできます。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
配当の源泉徴収
措法9の3・所法182★結果コピーリンク上場株式の配当は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)、非上場は20.42%(所得税のみ)を源泉徴収します。
| 税率 | 20.315%(所15.315+住5) |
| 源泉税額 | ¥203,150 |
| 手取り | ¥796,850 |
こんなときに使います
- 保有している上場株式から、配当金を受け取ったとき
- 非上場の同族会社から、株主や役員として配当を受け取ったとき
- 配当の手取り額が実際いくらになるか、受け取る前に確認したいとき
- 確定申告で配当をどう扱うか(申告不要・分離・総合)をじっくり検討したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 配当金額 | 源泉徴収される前の、配当の総額(額面)です。 | 配当金計算書、配当金支払通知書、証券会社の取引報告書に記載された金額で確認します。 |
| 上場・非上場 | その株式が金融商品取引所に上場しているかどうかです。上場は1、非上場は0を入力します。 | 証券会社の取引画面、会社の登記や株主名簿で確認します。 |
上場と非上場で源泉徴収税率がどう違うか
| 区分 | 所得税分 | 住民税分 | 合計の源泉徴収税率 |
|---|---|---|---|
| 上場株式の配当 | 15.315% | 5% | 20.315% |
| 非上場株式の配当 | 20.42% | 源泉徴収なし | 20.42% |
合計の税率はほとんど変わりませんが、住民税の扱いが大きく異なります。上場株式は住民税分もあわせて源泉徴収で完結しやすいのに対し、非上場株式は住民税を別途申告する手間が生じるため、うっかり申告を忘れないよう注意が必要です。
計算のしくみ(3ステップ)
- 上場か非上場かを確認する:配当を支払う会社の株式が、証券取引所に上場しているかどうかをまず確認します。
- 税率を選ぶ:上場株式なら20.315%(所得税15.315%+住民税5%)、非上場株式なら20.42%(所得税のみ)の税率を使います。
- 配当額に税率を掛ける:配当の額面に、選んだ税率を掛けて源泉徴収税額を計算します。残りの金額が、証券会社や会社から実際に振り込まれる手取り額です。
非上場株式の配当には住民税分の源泉徴収がありません。ただし、住民税がかからないわけではなく、確定申告を通じて別途納めることになりますので、あらかじめ心づもりをしておきましょう。
具体例で確かめる
例1 上場株式の配当100万円のケース
源泉徴収税額 = 1,000,000円 × 20.315%
源泉徴収税額は203,150円。手取りとして口座に入金される金額は796,850円
例2 非上場株式の配当100万円のケース
源泉徴収税額 = 1,000,000円 × 20.42%
源泉徴収税額は204,200円。上場株式のときより源泉徴収額はやや多くなる
例3 同じ配当でも上場・非上場で手取りを比べるケース
配当50万円の場合 上場:源泉徴収税額 = 500,000円 × 20.315% = 101,575円 非上場:源泉徴収税額 = 500,000円 × 20.42% = 102,100円
その差は525円とわずかだが、住民税の申告方法には大きな違いがあることを覚えておく
申告方法の選び方(上場株式の場合)
| 選び方 | 特徴 |
|---|---|
| 申告不要制度 | 確定申告をせず、源泉徴収だけで納税を完了させる方法です。手続きの手間がかからず、多くの人が選んでいます。 |
| 申告分離課税 | 確定申告をして、配当を他の所得と分けて税額を計算する方法です。上場株式の譲渡損失と損益通算できます。 |
| 総合課税 | 確定申告をして、給与などほかの所得と合算して税額を計算する方法です。配当控除を使える場合があります。 |
非上場株式の配当や、発行済株式の3%以上を保有する大口株主が受け取る上場株式の配当は、申告不要制度を選べず、原則として総合課税の対象になります。
ここを間違えやすい
1|非上場配当には住民税分の源泉徴収がありません
非上場株式の配当は所得税分の20.42%だけが源泉徴収され、住民税は源泉徴収されません。住民税がかからないわけではなく、確定申告を通じて自分で納める必要があります。源泉徴収された金額だけで納税が終わっていると誤解しないよう注意してください。
2|大口株主は申告不要制度を選べません
発行済株式の3%以上を保有する大口株主が受け取る上場株式の配当は、申告不要制度の対象外です。原則として総合課税で確定申告をする必要があります。同族会社のオーナー経営者が自社株の配当を受け取る場合、この大口株主に該当していないか確認が必要です。
3|申告不要制度と申告分離・総合課税では有利・不利が変わります
所得水準や、株式の譲渡損失の有無によって、申告不要制度のままにするか、確定申告をしたほうが有利かが変わります。いったん源泉徴収された税額は、確定申告をすれば還付されることもあります。特に、その年に株式の売却損が出ている場合は、確定申告をして配当と損益通算したほうが有利になりやすい傾向があります。
4|複数の証券口座がある場合は取り扱いを確認します
特定口座(源泉徴収あり)で受け取る配当は自動的に源泉徴収されますが、口座の種類や証券会社によって計算のタイミングや損益通算の扱いが異なることがあります。複数の証券会社に口座を持っている場合、それぞれの口座で源泉徴収が完結しているため、合算して確定申告をするかどうかは自分で判断する必要があります。
よくある質問
- 配当控除とはなんですか。
- 総合課税を選んで確定申告をした場合に使える税額控除です。配当は会社の利益から法人税を払ったあとのお金から支払われるため、個人の所得税でも課税すると二重に税負担がかかることを調整するしくみです。配当所得の金額に応じた一定の率を、所得税額から差し引くことができます。
- NISA口座で受け取る配当も源泉徴収されますか。
- NISA口座内で受け取る配当は非課税のため、源泉徴収されません。ただし、配当金の受取方法を証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」にしていないと、非課税の適用を受けられない場合があります。配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式を選んでいると、思わぬ課税につながることがあるため、証券会社での設定をあらかじめ確認してください。
- 申告不要制度を選んだら、あとから確定申告に変更できますか。
- その年分の確定申告をしていなければ、期限内であれば申告分離課税や総合課税を選んで確定申告をすることもできます。ただし、一度確定申告をして提出した内容を、あとから申告不要に戻すことは基本的にできません。年間の配当や譲渡損益を見渡してから、申告するかどうかを判断することをおすすめします。
- 非上場の同族会社の配当を受け取った場合、確定申告は必須ですか。
- 少額配当に該当する場合を除き、原則として総合課税での確定申告が必要です。少額かどうかの判定には金額の基準があるため、個別に確認することをおすすめします。同族会社の役員が自社から配当を受け取るケースでは、あわせて役員報酬とのバランスも検討されることが多くあります。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 租税特別措置法第9条の3(上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例)、所得税法第182条
- 国税庁タックスアンサー No.1330「配当金を受け取ったとき(配当所得)」
- 国税庁タックスアンサー No.1250「配当所得があるとき(配当控除)」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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