給与の源泉徴収(月額・甲欄)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:源泉徴収
  • 根拠:所法185
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

毎月の給与を支払うとき、会社はあらかじめ所得税を差し引いてから支給します。これが給与の源泉徴収です。実務では国税庁が公表している「源泉徴収税額表」に、社会保険料を引いたあとの給与額と扶養親族等の数を当てはめて税額を求めるのが一般的です。このページでは、その裏側にある考え方を、年間の税額から月割りする方式で確認します。あくまで目安としての金額です。

この計算式を3行でいうと

  1. 月額給与から社会保険料を引いた金額を年換算し、各種控除を差し引いた金額に速算表を当てはめて年税額を出し、12で割って月割りにします。
  2. このページの計算は、実務で使われる「源泉徴収税額表(月額表)」の考え方を近似した目安であり、正式な税額は月額表で確認します。
  3. 「扶養控除等申告書」を提出している甲欄が対象です。未提出の乙欄はより高い税率の別表が使われます。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

給与の源泉徴収(月額・甲欄)

所法185結果コピーリンク

月給から社会保険料を引いた金額と扶養親族等の数で、毎月の源泉徴収税額の目安を計算します(年換算方式による概算)。

課税給与(年換算) − 給与所得控除 − 基礎控除 − 扶養控除 → 速算表 × 1.021 ÷ 12
月額源泉税の目安 ¥7,920
社保控除後(年換算)¥4,080,000
課税給与所得(年)¥1,864,000
月額源泉税(概算)¥7,920
実務は「源泉徴収税額表(月額表)」又は電算機特例による。乙欄(扶養控除等申告書なし)は高率の別表。
目次

こんなときに使います

  • 毎月の給与から、源泉徴収税額がどれくらいになるかおおまかに把握したいとき
  • 扶養親族が増えたときに、源泉徴収税額がどのくらい変わるか確認したいとき
  • 昇給や給与改定を検討する際に、手取り額への影響を見積もりたいとき
  • 源泉徴収税額表の計算の裏側にある考え方を理解しておきたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
月額給与(通勤費除く)基本給や諸手当を含む、その月の給与総支給額です。通勤手当など非課税のものは含めません。給与明細の総支給額から、非課税の通勤手当を除いた金額で確認します。
社会保険料(月)その月の給与から控除する、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの合計額です。給与明細の社会保険料控除欄の合計で確認します。
扶養親族等の数「給与所得者の扶養控除等申告書」に記載された、控除対象になる扶養親族と配偶者などの人数です。本人から提出された扶養控除等申告書の記載内容で確認します。

年間の課税所得を求めるときに使う主な控除

控除の種類何にもとづいて決まるか
給与所得控除年間の給与収入の金額に応じて、段階的に決まる控除です。
基礎控除合計所得金額に応じて決まる、ほとんどの給与所得者に適用される控除です。
扶養控除扶養控除等申告書に記載された、扶養親族等の人数に応じて決まる控除です。

いずれの控除額も、その年の税制によって具体的な金額が定められています。正確な金額は、国税庁が公表する最新の資料や、給与計算ソフトの設定で確認してください。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 社会保険料を引いて年換算する:月額給与から社会保険料を差し引き、12倍して年間の金額に置き換えます。
  2. 各種控除を差し引く:年換算した金額から、給与所得控除・基礎控除・扶養控除(扶養親族等の数に応じた金額)を差し引き、年間の課税所得を求めます。
  3. 速算表を当てはめて月割りにする:課税所得に所得税の速算表を当てはめて年間の税額を計算し、復興特別所得税分を含めて1.021を掛け、最後に12で割って1か月分の源泉徴収税額の目安を出します。

実務でこの年換算の計算を毎月行うことはほとんどなく、多くの会社は国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」に、社会保険料を引いたあとの給与額と扶養親族等の数を当てはめて、税額を直接読み取っています。

具体例で確かめる

例1 月額給与40万円、社会保険料6万円、扶養1人のケース

年換算の課税給与 =(400,000円-60,000円)× 12 = 4,080,000円 給与所得控除・基礎控除・扶養控除を差し引いた年間の課税所得の目安 = 1,964,000円 年税額の目安 = 1,964,000円 × 10% - 97,500円 = 98,900円

復興特別所得税を含めて12で割ると、源泉徴収税額の目安は月あたり約8,400円

例2 同じ給与・社会保険料で、扶養人数を3人に増やしたケース

給与所得控除は例1と同じで、扶養控除だけが増える 扶養控除の目安 = 1人あたりの控除額 × 3人分 年間の課税所得の目安 = 1,204,000円

源泉徴収税額の目安は月あたり約5,100円に下がる。扶養人数が増えるほど税額は軽くなる

例3 扶養控除等申告書を提出していない(乙欄該当)ケース

同じ月額給与・社会保険料であっても、乙欄は甲欄とは別の、より高い税率が定められた表を使う

乙欄に該当すると、同じ給与でも源泉徴収税額は甲欄よりかなり高くなる

甲欄と乙欄のちがい

区分甲欄乙欄
適用される人「扶養控除等申告書」を提出している人その申告書を提出していない人
典型的なケース1か所からのみ給与を受け取っている、メインの勤務先2か所目以降の勤務先、掛け持ちのアルバイトなど
税率の傾向扶養親族等の数に応じた控除を反映した表を使う扶養親族等の数にかかわらず、同じ給与でも高めの税率になる別表を使う

複数の会社から給与を受け取っている人は、扶養控除等申告書を提出している1か所だけが甲欄になり、それ以外の勤務先はすべて乙欄で計算されます。掛け持ちで働く人は、この違いをあらかじめ理解しておくとよいでしょう。

ここを間違えやすい

1|このページの金額はあくまで目安です

実務で使う正式な源泉徴収税額は、国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」で確認します。このページの年換算による計算は、その考え方を理解するための近似的な目安であり、1円単位まで一致するとは限りません。

2|甲欄と乙欄では税額がまったく違います

「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人は甲欄、提出していない人は乙欄が適用されます。乙欄は同じ給与でも大幅に高い税率が適用されるため、2か所以上から給与を受け取っている人は特に注意が必要です。

3|給与所得控除・基礎控除の金額は改正で変わることがあります

給与所得控除や基礎控除の金額は、税制改正によって見直されることがあります。この計算例で使っている金額は、あくまで考え方を示すための一般的な目安であり、実際の申告や源泉徴収では、その年の最新の金額を確認する必要があります。

4|年の途中で扶養人数が変わったら申告書を出し直します

結婚や子どもの誕生、家族の就職などで扶養親族の数が変わったら、そのつど「扶養控除等申告書」の記載内容を見直して会社に提出し直す必要があります。反映が遅れると、源泉徴収税額が実態とずれたままになります。

よくある質問

源泉徴収税額表を見ながら計算したほうが正確ですか。
はい。実務で正式な金額を確認する場合は、国税庁が公表している「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を使うのが基本です。このページの計算方法は、その表の裏側にある考え方を理解するための目安として役立ててください。
年末調整との関係はどうなりますか。
毎月の源泉徴収はあくまで概算です。1年間の給与総額が確定したあと、年末調整で正確な年税額を計算し、それまでに源泉徴収してきた合計額との過不足を精算します。多く取りすぎていれば還付され、不足していれば追加で徴収されます。
賞与の源泉徴収も同じ計算方法ですか。
いいえ、賞与は別の計算方法が使われます。前月の給与額と扶養人数から決まる算出率を、賞与額から社会保険料を引いた金額に掛けて源泉徴収税額を計算します。月々の給与とは異なる考え方なので、混同しないよう注意してください。
扶養親族等の数には配偶者も含みますか。
控除対象になる配偶者がいる場合は、その人数も含めて扶養控除等申告書に記載します。控除対象かどうかは配偶者の所得等の要件によって決まるため、申告書の記載内容にもとづいて人数を数え、要件から外れた場合は改めて確認します。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 所得税法第185条(賞与以外の給与等に係る徴収税額)、第186条
  • 国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」・「源泉徴収のあらまし」
  • 国税庁タックスアンサー No.2510「給与所得となるもの」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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