- カテゴリ:源泉徴収
- 根拠:所法185
- 入力4項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
毎月の給与を支払うとき、会社はあらかじめ所得税を差し引いてから支給します。これが給与の源泉徴収です。実務では国税庁が公表している「源泉徴収税額表」に、社会保険料を引いたあとの給与額と扶養親族等の数を当てはめて税額を求めるのが一般的です。このページの計算機は、税額表と並ぶもう一つの正式な方法である「電子計算機等を使用して源泉徴収税額を計算する方法」(財務省告示、いわゆる電算機特例)の令和8年分の算式で、甲欄の月額の税額を計算します。月額表の読み取りとは数十円の差が出ることがあります。
この計算式を3行でいうと
- 月額給与から社会保険料等を引いた金額(A)から、月割りの給与所得控除(別表第一)・基礎控除(別表第三・48,334円)・配偶者と扶養親族等1人あたり31,667円を差し引いて、課税給与所得金額(B)を出します。
- Bに別表第四の税率(5.105%〜45.945%・復興特別所得税込み)を掛けて控除額を引き、10円未満を四捨五入した金額がその月の源泉徴収税額です。令和8年分は令和7年度改正後の表で計算し、令和8年度改正分は年末調整で精算します(新しい税額表は令和9年1月から)。
- 「扶養控除等申告書」を提出している甲欄が対象です。未提出の乙欄はより高い税率の別表が使われます。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
給与の源泉徴収(月額・甲欄)
所法185★結果コピーリンク月給から社会保険料を引いた金額と扶養親族等の数から、令和8年分の「電子計算機等を使用して源泉徴収税額を計算する方法」(財務省告示・月額表甲欄)のとおり毎月の源泉徴収税額を計算します。
| 社会保険料等控除後の給与(A) | ¥340,000 |
| 給与所得控除の額(別表第一・1円未満切上) | ¥104,667 |
| 基礎控除の額(別表第三) | ¥48,334 |
| 配偶者・扶養親族等の控除(31,667円×1人) | ¥31,667 |
| 課税給与所得金額(B) | ¥155,332 |
| 源泉徴収税額(別表第四・10円未満四捨五入) | ¥7,930 |
こんなときに使います
- 毎月の給与から、源泉徴収税額がどれくらいになるかおおまかに把握したいとき
- 扶養親族が増えたときに、源泉徴収税額がどのくらい変わるか確認したいとき
- 昇給や給与改定を検討する際に、手取り額への影響を見積もりたいとき
- 源泉徴収税額表の計算の裏側にある考え方を理解しておきたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 月額給与(通勤費除く) | 基本給や諸手当を含む、その月の給与総支給額です。通勤手当など非課税のものは含めません。 | 給与明細の総支給額から、非課税の通勤手当を除いた金額で確認します。 |
| 社会保険料(月) | その月の給与から控除する、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの合計額です。 | 給与明細の社会保険料控除欄の合計で確認します。 |
| 源泉控除対象配偶者あり(1/0) | 扶養控除等申告書に「源泉控除対象配偶者」の記載があれば1、なければ0を入れます。本人の合計所得金額の見積額が900万円以下で、配偶者の合計所得金額の見積額が95万円以下のときに該当します。 | 本人から提出された扶養控除等申告書の「源泉控除対象配偶者」欄で確認します。 |
| 源泉控除対象親族(扶養親族等)の数 | 扶養控除等申告書に記載された控除対象扶養親族の人数です。本人や家族が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に該当するときは、その分も1人として加えます(同居特別障害者は2人)。 | 扶養控除等申告書の「控除対象扶養親族」「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の各欄で確認します。 |
電算機特例で使う月割りの控除(令和8年分)
| 控除の種類 | 何にもとづいて決まるか |
|---|---|
| 給与所得控除の額(別表第一) | 社会保険料等控除後の給与(A)に応じて決まります。Aが158,333円以下なら54,167円、300,000円〜549,999円ならA×20%+36,667円、708,331円以上なら162,500円などです(1円未満切上げ)。 |
| 基礎控除の額(別表第三) | 令和8年分は月48,334円(年58万円÷12)です。Aが高額(年換算の所得が2,350万円超)になると段階的に減り、2,500万円超で0になります。 |
| 配偶者・扶養親族等の控除(別表第二) | 源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の合計人数×31,667円(年38万円÷12)です。 |
これらの月割りの控除額は、財務省告示(電子計算機等を使用して源泉徴収税額を計算する方法)で年分ごとに定められています。令和8年分は令和7年度改正後の表(給与所得控除の最低保障65万円・基礎控除58万円ベース)で、令和8年度改正で拡充された基礎控除や給与所得控除は年末調整で精算し、新しい税額表は令和9年1月1日以後に支払う給与から使います。
計算のしくみ(3ステップ)
- 社会保険料等控除後の給与(A)を出す:その月の給与(非課税の通勤手当を除く)から、その月に控除する社会保険料を差し引きます。
- 月割りの控除を差し引いて課税給与所得金額(B)を出す:Aから、Aに応じた給与所得控除の額(別表第一)、基礎控除の額(別表第三・48,334円)、配偶者と扶養親族等の合計人数×31,667円を差し引きます。
- 別表第四の速算式を当てはめる:Bが162,500円以下なら5.105%、275,000円以下なら10.21%-8,296円、579,166円以下なら20.42%-36,374円、750,000円以下なら23.483%-54,113円、1,500,000円以下なら33.693%-130,688円、3,333,333円以下なら40.84%-237,893円、それを超えると45.945%-408,061円という復興特別所得税込みの税率で税額を計算し、10円未満を四捨五入します。
手計算の場合は国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」に、社会保険料を引いたあとの給与額と扶養親族等の数を当てはめて税額を読み取ります。給与計算ソフトの多くは上記の電算機特例で計算しており、どちらも正式な方法ですが、月額表は給与の階級ごとに税額が固定されているため、両者には数十円の差が出ることがあります。差額は年末調整で精算されます。
具体例で確かめる
例1 月額給与40万円、社会保険料6万円、源泉控除対象配偶者なし・扶養親族等1人のケース(この計算機の初期値)
社会保険料等控除後の給与(A)= 400,000円 - 60,000円 = 340,000円 給与所得控除の額(別表第一)= 340,000円 × 20% + 36,667円 = 104,667円 課税給与所得金額(B)= 340,000円 - 104,667円 - 48,334円(基礎控除)- 31,667円 × 1人 = 155,332円 税額 = 155,332円 × 5.105% = 7,929.7円 → 10円未満四捨五入
源泉徴収税額は月あたり7,930円(甲欄・令和8年分の電算機特例)
例2 同じ給与・社会保険料で、源泉控除対象配偶者あり・扶養親族等2人(合計3人)のケース
給与所得控除の額・基礎控除の額は例1と同じで、配偶者・扶養親族等の控除だけが増える 配偶者・扶養親族等の控除 = 31,667円 × 3人 = 95,001円 課税給与所得金額(B)= 340,000円 - 104,667円 - 48,334円 - 95,001円 = 91,998円 税額 = 91,998円 × 5.105% = 4,696.5円 → 10円未満四捨五入
源泉徴収税額は月あたり4,700円に下がる。この給与水準では、扶養親族等が1人増えるごとに月1,600円前後軽くなる
例3 扶養控除等申告書を提出していない(乙欄該当)ケース
同じ月額給与・社会保険料であっても、乙欄は甲欄とは別の、より高い税率が定められた表を使う
乙欄に該当すると、同じ給与でも源泉徴収税額は甲欄よりかなり高くなる
甲欄と乙欄のちがい
| 区分 | 甲欄 | 乙欄 |
|---|---|---|
| 適用される人 | 「扶養控除等申告書」を提出している人 | その申告書を提出していない人 |
| 典型的なケース | 1か所からのみ給与を受け取っている、メインの勤務先 | 2か所目以降の勤務先、掛け持ちのアルバイトなど |
| 税率の傾向 | 扶養親族等の数に応じた控除を反映した表を使う | 扶養親族等の数にかかわらず、同じ給与でも高めの税率になる別表を使う |
複数の会社から給与を受け取っている人は、扶養控除等申告書を提出している1か所だけが甲欄になり、それ以外の勤務先はすべて乙欄で計算されます。掛け持ちで働く人は、この違いをあらかじめ理解しておくとよいでしょう。
ここを間違えやすい
1|月額表の読み取りとは数十円ずれることがあります
この計算機は財務省告示の電算機特例(給与計算ソフトが使う方法)で計算しています。国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」は給与の階級ごとに税額が固定されているため、同じ給与でも数十円の差が出ることがありますが、どちらも正式な方法で、差額は年末調整で精算されます。乙欄・丙欄や年金は、この計算機の対象外です。
2|甲欄と乙欄では税額がまったく違います
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人は甲欄、提出していない人は乙欄が適用されます。乙欄は同じ給与でも大幅に高い税率が適用されるため、2か所以上から給与を受け取っている人は特に注意が必要です。
3|給与所得控除・基礎控除の金額は改正で変わることがあります
令和8年分の月額表・電算機特例は、令和7年度改正後の表(給与所得控除の最低保障65万円・基礎控除58万円ベース)です。令和8年度改正で拡充された基礎控除(令和8年分は最大104万円)や給与所得控除(最低保障74万円)は毎月の源泉徴収には反映されず、令和8年分の年末調整で精算します。令和8年度改正を織り込んだ新しい税額表は、令和9年1月1日以後に支払う給与から使います。
4|年の途中で扶養人数が変わったら申告書を出し直します
結婚や子どもの誕生、家族の就職などで扶養親族の数が変わったら、そのつど「扶養控除等申告書」の記載内容を見直して会社に提出し直す必要があります。反映が遅れると、源泉徴収税額が実態とずれたままになります。
よくある質問
- 源泉徴収税額表を見ながら計算したほうが正確ですか。
- どちらも正式な方法です。手計算なら国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を使い、給与計算ソフトなどの電子計算機で計算する場合は財務省告示の算式(電算機特例)によることが認められています(所得税法第189条)。両者は数十円ずれることがありますが、年末調整で精算されます。
- 年末調整との関係はどうなりますか。
- 毎月の源泉徴収はあくまで概算です。1年間の給与総額が確定したあと、年末調整で正確な年税額を計算し、それまでに源泉徴収してきた合計額との過不足を精算します。多く取りすぎていれば還付され、不足していれば追加で徴収されます。
- 賞与の源泉徴収も同じ計算方法ですか。
- いいえ、賞与は別の計算方法が使われます。前月の給与額と扶養人数から決まる算出率を、賞与額から社会保険料を引いた金額に掛けて源泉徴収税額を計算します。月々の給与とは異なる考え方なので、混同しないよう注意してください。
- 扶養親族等の数には配偶者も含みますか。
- 月額表の「扶養親族等の数」には、源泉控除対象配偶者(本人の合計所得900万円以下・配偶者の合計所得95万円以下)も1人として含めます。この計算機では「源泉控除対象配偶者あり」を1にすると、扶養親族等と同じ1人分(月31,667円)が控除されます。要件から外れた場合は申告書を出し直して人数を改めます。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第185条(賞与以外の給与等に係る徴収税額)、第189条(電子計算機等による税額計算の特例)
- 財務省告示「電子計算機等を使用して源泉徴収税額を計算する方法を定める件」(令和8年分・別表第一〜第四)
- 国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」・「源泉徴収のあらまし」
- 国税庁タックスアンサー No.2510「給与所得となるもの」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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