- カテゴリ:源泉徴収
- 根拠:所法186
- 入力5項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
賞与(ボーナス)を受け取るときも、毎月の給与と同じように会社があらかじめ所得税を差し引いてから支給します。これが賞与の源泉徴収です。ただし賞与の場合は、毎月の給与とは違う専用のしくみが使われます。前月の給与額と扶養親族等の数によって決まる「算出率」を、社会保険料を引いたあとの賞与額に掛けるだけで、源泉徴収税額が計算できます。
この計算式を3行でいうと
- 源泉徴収税額は「(賞与-社会保険料)×算出率」で計算します。算出率は前月の社会保険料控除後の給与額と扶養親族等の数で決まり、この計算機は令和8年分の算出率の表(甲欄0〜7人・乙欄)を内蔵しています。
- 算出率は、前月の社会保険料控除後の給与額が上がるほど段階的に高くなる仕組みです。
- 前月に給与の支払いがない場合など、特殊なケースでは算出率の求め方自体が変わります。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
賞与の源泉徴収
所法186★結果コピーリンク賞与の源泉徴収税額は、前月の社会保険料等控除後の給与と扶養親族等の数から「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(令和8年分・別表第三)で率を求め、社会保険料等控除後の賞与に掛けて計算します。甲欄(扶養控除等申告書あり)0〜7人と乙欄に対応。
| 適用する表 | 甲欄(扶養親族等1人) |
| 前月の社会保険料等控除後の給与 | ¥400,000 |
| 賞与の金額に乗ずべき率(令和8年分・別表第三) | 10.21% |
| 社会保険料等控除後の賞与 | ¥850,000 |
| 源泉徴収税額(1円未満切捨) | ¥86,785 |
| 手取り概算(賞与−社保−源泉税) | ¥763,215 |
こんなときに使います
- 夏や冬のボーナスを支給する際に、源泉徴収税額を確認したいとき
- 賞与から天引きする所得税の金額を、給与担当として正確に計算したいとき
- 扶養人数の変化が、賞与の手取り額にどのくらい影響するか知りたいとき
- 賞与の手取り額のおおまかな見込みを、支給前に本人へ説明したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 賞与額 | 会社の規程にもとづいて支給する賞与の総支給額(額面)です。 | 賞与の支給明細、賞与計算書で確認します。 |
| 社会保険料 | その賞与から控除する、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの合計額です。 | 賞与明細の社会保険料控除欄の合計で確認します。 |
| 前月の社会保険料等控除後の給与 | 賞与を支給する月の前月に支払った給与(賞与を除く)から、その給与から控除した社会保険料等を差し引いた金額です。この金額で算出率の表の行が決まります。 | 前月の給与明細の「総支給額」から「社会保険料等の控除額」を差し引いて確認します。 |
| 扶養親族等の数(0〜7) | 扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の合計人数です。本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に当たる場合や、同一生計配偶者・扶養親族に障害者がいる場合は、それぞれ1人を加えます。7人以上は7と入力します。 | 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の記載内容で確認します。 |
| 甲欄1/乙欄0 | 扶養控除等申告書を提出している人は甲欄(1)、提出していない人(2か所以上から給与を受けていて他社に申告書を出している人など)は乙欄(0)です。 | 扶養控除等申告書の提出の有無で確認します。 |
算出率の表(令和8年分・甲欄・扶養親族等の数が1人の場合)
| 前月の社会保険料等控除後の給与額 | 算出率 |
|---|---|
| 107,000円未満 | 0% |
| 107,000円以上 250,000円未満 | 2.042% |
| 250,000円以上 289,000円未満 | 4.084% |
| 289,000円以上 346,000円未満 | 6.126% |
| 346,000円以上 373,000円未満 | 8.168% |
| 373,000円以上 401,000円未満 | 10.21% |
| 401,000円以上 430,000円未満 | 12.252% |
| 430,000円以上 463,000円未満 | 14.294% |
| 463,000円以上 520,000円未満 | 16.336% |
| 520,000円以上 621,000円未満 | 18.378% |
| 621,000円以上 705,000円未満 | 20.42% |
| 705,000円以上 739,000円未満 | 22.462% |
| 739,000円以上 778,000円未満 | 24.504% |
| 778,000円以上 821,000円未満 | 26.546% |
| 821,000円以上 882,000円未満 | 28.588% |
| 882,000円以上 952,000円未満 | 30.63% |
| 952,000円以上 1,342,000円未満 | 32.672% |
| 1,342,000円以上 1,526,000円未満 | 35.735% |
| 1,526,000円以上 2,645,000円未満 | 38.798% |
| 2,645,000円以上 3,527,000円未満 | 41.861% |
| 3,527,000円以上 | 45.945% |
上の表は甲欄・扶養親族等の数が1人の列です。扶養親族等の数が0人や2人以上の場合、乙欄(扶養控除等申告書の提出がない人:前月給与224,000円未満10.21%〜1,118,000円以上45.945%)の場合は区分の金額が変わります。この計算機は0〜7人と乙欄のすべての列を内蔵しています。正式な表は国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」で確認してください。表には、この続きにさらに高い前月給与に対応する区分も設けられています。算出率の表は年分ごとに改定されることがあり、令和8年分は令和7年度改正後の表を使います。令和8年度改正を反映した新しい表は令和9年1月1日以後に支払う賞与から使い、改正分は令和8年分の年末調整で精算します。
計算のしくみ(4ステップ)
- 前月の給与額を確認する:賞与を支給する月の、前月分の給与(社会保険料控除後)の金額を確認します。
- 扶養親族等の数を確認する:扶養控除等申告書に記載された、扶養親族等の人数を確認します。
- 算出率を求める:前月の社会保険料等控除後の給与額と扶養親族等の数を、国税庁の「算出率の表」に当てはめて、該当する算出率を求めます。この計算機は令和8年分の表を内蔵しているので、2つを入力すれば自動で求まります。
- 賞与に算出率を掛ける:賞与額から今回の賞与にかかる社会保険料を差し引き、その残りに算出率を掛けて源泉徴収税額を計算します。1円未満の端数は切り捨てます。
毎月の給与のような累進的な計算をせず、あらかじめ決められた算出率を賞与額に掛けるだけで計算できるのが、この方式の特徴です。
具体例で確かめる
例1 賞与100万円、社会保険料15万円、前月の社会保険料控除後の給与40万円、扶養親族等1人(甲欄)のケース(この計算機の初期値)
前月給与400,000円は「373,000円以上401,000円未満」の行 → 算出率10.21% 源泉徴収税額 =(1,000,000円-150,000円)× 10.21% = 86,785円
源泉徴収税額は86,785円。手取りとして本人に支払う賞与額は763,215円
例2 前月給与が低く、算出率も低いケース
賞与50万円、社会保険料7万円、扶養親族等1人で前月の社会保険料控除後の給与が22万円のケース 前月給与220,000円は「107,000円以上250,000円未満」の行 → 算出率2.042% 源泉徴収税額 =(500,000円-70,000円)× 2.042% = 8,780.6円 → 1円未満切捨てで8,780円
源泉徴収税額は8,780円。前月給与が低いと、賞与の源泉徴収税額もあわせて軽くなる
例3 前月給与が高く、算出率が上がるケース
賞与100万円、社会保険料15万円、扶養親族等1人で前月の社会保険料控除後の給与が60万円のケース 前月給与600,000円は「520,000円以上621,000円未満」の行 → 算出率18.378% 源泉徴収税額 =(1,000,000円-150,000円)× 18.378% = 156,213円
源泉徴収税額は156,213円。前月の給与が高い人ほど、同じ賞与額でも税額はより重くなる
給与の源泉徴収との違い
| 比較する視点 | 賞与の源泉徴収 | 毎月の給与の源泉徴収 |
|---|---|---|
| 基準になる金額 | 前月の給与額(社会保険料控除後) | その月の給与額(社会保険料控除後) |
| 税額の求め方 | 算出率を賞与額に掛けるだけの、比較的シンプルな計算 | 扶養人数と給与額を月額表に当てはめて求める |
| 使う資料 | 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表 | 給与所得の源泉徴収税額表(月額表) |
どちらも、最終的には年末調整で1年分をまとめて精算します。月々の給与や賞与から源泉徴収する税額は、あくまで年間の税額を先取りする「概算」という位置づけであり、細かい精算はあとからまとめて行われます。
ここを間違えやすい
1|算出率は「賞与額」ではなく「前月給与」で決まります
賞与そのものの金額がいくら多くても少なくても、算出率を決めるのは前月の給与額です。賞与が高額でも、前月給与が低ければ低い算出率が適用されます。逆に、賞与額が少なくても前月給与が高ければ、算出率も高くなります。
2|前月に給与の支払いがない場合は特別な扱いになります
入社したばかりで前月の給与実績がない場合は、算出率の表は使わず、社会保険料控除後の賞与額を6で割った金額を月額表に当てはめて税額を求め、それを6倍した金額が源泉徴収税額になります(賞与の計算期間が6か月を超えるときは12で割って12倍)。新入社員に初めての賞与を支給するときなどは、特に注意して確認してください。
3|扶養人数によって同じ前月給与でも算出率が変わります
上の表は扶養親族等の数が1人の列です。扶養親族等の数が0人や2人以上になると、同じ前月給与額でも当てはまる算出率が変わります。この計算機は扶養親族等の数を入力すれば該当する列を自動で使いますが、扶養親族等の数を1人でも間違えると、源泉徴収税額が変わってしまいます。
4|賞与の金額が前月給与に比べて極端に多い場合は計算方法が異なります
社会保険料控除後の賞与額が、前月の社会保険料控除後の給与額の10倍を超える場合は、算出率の表は使いません。賞与額を6で割った金額を前月給与に加えて月額表に当てはめ、その税額から前月給与に対する税額を差し引いた金額を6倍して源泉徴収税額を求めます(計算期間が6か月超なら12で割って12倍)。役員賞与や、業績に応じて大きく変動する賞与を支給する場合は特に注意が必要です。
よくある質問
- 算出率の表はどこで確認できますか。
- 国税庁が公表している「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で確認できます。前月の社会保険料控除後の給与額と、扶養親族等の数の組み合わせで、該当する算出率が決められています。給与計算ソフトを使っている場合は、自動的に該当する算出率が適用されます。
- 賞与を年に2回以上支給する場合、それぞれ前月給与を見直しますか。
- はい。賞与を支給するたびに、その賞与の支給月の前月の給与額を基準にして算出率を求め直します。夏と冬で前月給与が違えば、算出率も変わることがあるため、そのつど確認が必要です。
- 賞与の源泉徴収税額もあとで年末調整で精算されますか。
- されます。給与と賞与をあわせた1年間の総額をもとに、年末調整で正確な年税額を計算し、それまでに源泉徴収した合計額との過不足を精算します。賞与の分だけを別扱いにすることはなく、年間の給与所得としてまとめて計算します。
- 扶養親族等の数が0人の場合はどうなりますか。
- 扶養親族等の数が0人の場合も、前月給与の金額に応じた専用の算出率が定められています。扶養1人の場合より、同じ前月給与でも算出率が高くなる傾向があるため、扶養の状況を正しく反映しておくことが大切です。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第186条(賞与に係る徴収税額)
- 国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」(平成24年財務省告示第115号別表第三・令和7年財務省告示第122号改正)・「源泉徴収のあらまし」
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