配偶者の税額軽減の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:相続税・贈与税
  • 根拠:相法19の2
  • 入力4項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

配偶者が相続財産を受け取る場合、通常よりも大きな税金の優遇があります。配偶者が取得した財産が1億6,000万円までか、あるいは法定相続分までであれば、そのどちらか多い金額まで相続税がかかりません。この仕組みを配偶者の税額軽減といい、実際にいくら軽減されるかを試算します。

この計算式を3行でいうと

  1. 配偶者は「1億6,000万円」と「配偶者の法定相続分」の多い方までは相続税がかかりません。
  2. 軽減額は、相続税の総額のうち配偶者の取得割合に対応する部分をもとに計算し、上限で頭打ちにします。
  3. 配偶者の取得額がこの上限を超えた場合は、超えた部分にだけ配偶者にも相続税がかかります。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

配偶者の税額軽減

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配偶者は「法定相続分」か「1億6,000万円」の多い方まで相続税がかかりません。軽減額を試算します。

軽減額 = 相続税総額 × min(配偶者取得, max(法定相続分, 1.6億)) / 課税価格合計
配偶者の税額軽減 1,500万円
法定相続分相当額12,000万円
軽減対象上限(法定分と1.6億の大)16,000万円
軽減額1,500万円
目次

こんなときに使います

  • 相続で配偶者がどのくらいの財産を受け取れば、相続税がかからずに済むか知りたいとき
  • 配偶者に多めに財産を残す遺産分割を考えていて、実際の軽減額を試算したいとき
  • 遺産総額が大きく、配偶者の法定相続分が1億6,000万円を超えるかどうか確認したいとき
  • 配偶者の税額軽減を使ったときに、家族全体の相続税がどれだけ減るか把握したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
相続税の総額相続人全員分をまとめて計算した相続税の合計額です(単位:万円)。「相続税の総額(配偶者+子)」の計算結果を使います。
課税価格の合計相続人全員が取得した財産を合計した金額です(基礎控除を引く前の金額。単位:万円)。相続税申告書の第1表・第2表で確認できる、相続人全員の課税価格の合計欄です。
配偶者の取得額配偶者が実際に取得した財産の金額です(単位:万円)。遺産分割協議で決まった金額を入れます。遺産分割協議書、または相続税申告書の配偶者の課税価格欄です。
配偶者の法定相続分配偶者が民法上持っている相続分を百分率で入力します。配偶者と子の場合は50、配偶者と父母の場合は67程度、配偶者と兄弟姉妹の場合は75程度が目安です。相続人の構成から判断します。迷う場合は税理士に確認してください。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 軽減の上限額を決める:課税価格の合計に配偶者の法定相続分を掛けた金額と、1億6,000万円を比べて、多い方を上限にします。
  2. 配偶者の取得額と上限を比べる:配偶者の取得額が上限以下ならその取得額全体、上限を超えるなら上限の金額までを軽減の対象にします。
  3. 相続税の総額のうち、軽減対象分を計算する:相続税の総額に「軽減対象額 ÷ 課税価格の合計」を掛けたものが軽減額です。配偶者が実際に納める税額は、按分後の税額からこの軽減額を引いた残りになります。

具体例で確かめる

例1 配偶者の取得額が上限以下で、全額軽減されるケース

法定相続分相当額 = 2億4,000万円 × 50% = 1億2,000万円 上限 = 多い方(1億2,000万円と1億6,000万円)= 1億6,000万円 配偶者の取得額1億2,000万円は上限以下なので、対象額はそのまま1億2,000万円 軽減額 = 3,000万円 × 1億2,000万円 ÷ 2億4,000万円

軽減額は1,500万円。配偶者に対応する相続税は全額軽減され、配偶者の納税額はゼロになる

例2 配偶者の取得額が上限を超え、一部だけ課税されるケース

法定相続分相当額 = 4億円 × 50% = 2億円、上限 = 多い方(2億円と1億6,000万円)= 2億円 配偶者の取得額は2億5,000万円で上限を超えるため、対象額は上限の2億円まで 軽減額 = 8,000万円 × 2億円 ÷ 4億円 = 4,000万円 配偶者に対応する相続税(軽減前) = 8,000万円 × 2億5,000万円 ÷ 4億円 = 5,000万円

配偶者の納税額 = 5,000万円 - 4,000万円 = 1,000万円。上限を超えた分にだけ課税される

例3 遺産が大きく、法定相続分の方が1億6,000万円より多いケース

法定相続分相当額 = 10億円 × 50% = 5億円 上限 = 多い方(5億円と1億6,000万円)= 5億円(法定相続分の方が多いのでこちらが上限) 配偶者の取得額4億円は上限以下なので、対象額はそのまま4億円 軽減額 = 1億5,000万円 × 4億円 ÷ 10億円

軽減額は6,000万円。配偶者に対応する相続税は全額軽減され、納税額はゼロになる

ここを間違えやすい

1|軽減を受けるには相続税の申告が必要です

軽減の結果、配偶者の納税額がゼロになる場合でも、申告書の提出が特例を受けるための条件です。「税額がゼロだから申告しなくてよい」と考えて放置すると、軽減そのものが認められません。

2|対象になるのは、原則として遺産分割が確定した財産です

申告期限までに遺産分割がまとまっていない財産は、原則としてこの軽減の対象にできません。分割がまとまらない場合は「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出し、後日改めて軽減を受ける手続きがあります。

3|内縁関係の配偶者には適用できません

この軽減は法律上の婚姻関係にある配偶者だけが対象です。事実婚や内縁関係のパートナーは、たとえ長年連れ添っていても対象になりません。

4|配偶者に多く相続させすぎると、二次相続で不利になることがあります

一次相続で配偶者にすべて相続させると、その相続税は軽減されますが、配偶者が亡くなったときの二次相続では、配偶者の税額軽減が使えず、かえって相続税の総額が増えることがあります。長期的な視点での判断が必要です。

よくある質問

配偶者の税額軽減を使えば、配偶者は必ず相続税がゼロになりますか。
必ずではありません。配偶者の取得額が「1億6,000万円」と「法定相続分相当額」のどちらか多い方を超えている場合は、超えた部分に対応する相続税がかかります。
配偶者の法定相続分は、どんなときに50%以外になりますか。
相続人が配偶者と父母のときは配偶者が3分の2、配偶者と兄弟姉妹のときは配偶者が4分の3になります。相続人が配偶者と子のときだけ、配偶者の法定相続分は2分の1(50%)です。
結婚して1年未満でも、この軽減は使えますか。
婚姻期間の長さは要件になっていません。法律上の婚姻関係にあれば、婚姻期間が短くても軽減の対象になります。
相続放棄をした配偶者にも軽減は使えますか。
相続放棄をすると相続人ではなくなるため、原則としてこの軽減の対象になる相続財産はありません。ただし生命保険金など、相続放棄をしても受け取れる財産については、別の規定で扱いが決まります。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 相続税法第19条の2(配偶者に対する相続税額の軽減)
  • 国税庁タックスアンサー No.4158「配偶者の税額の軽減」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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