- カテゴリ:相続税・贈与税
- 根拠:評基通
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
相続税や贈与税の申告では、土地の値段を実際の売買価格ではなく、国税庁が定めるルールで評価額として計算し直します。道路に面する宅地の多くは「路線価方式」で評価します。道路ごとに公表されている路線価に、土地の形の特徴を反映した補正率と面積を掛けて評価額を求めます。
この計算式を3行でいうと
- 評価額は「路線価×補正率×地積」で計算します。路線価は道路ごとに公表される1平方メートルあたりの価格です。
- 奥行が長すぎる、間口が狭いなど形が良くない土地は補正率が1未満になり、評価額が下がります。
- 角地など2つの道路に面する土地は補正率が1を超え、評価額が上がることがあります。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
路線価方式(宅地の評価)
評基通★結果コピーリンク路線価に奥行・不整形などの補正率と地積を掛けて宅地を評価します(補正率はまとめて入力)。
| 路線価×補正×地積 | ¥40,000,000 |
こんなときに使います
- 相続した実家や土地が、相続税の計算でいくらと評価されるのか知りたいとき
- 路線価は分かったが、土地の形が長方形ではなく評価額の出し方に迷っているとき
- 角地や2つの道路に面した土地で、評価額がどう変わるのか確かめたいとき
- 生前に土地の評価額の目安をつかみ、相続対策を検討したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 路線価 | その土地が面する道路につけられた、1平方メートルあたりの価格です(単位:円)。 | 国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で、該当する道路の数字を確認します(地図上は千円単位で表示されているため、1,000を掛けて円に直します)。 |
| 各種補正率(合成) | 土地の形や道路との位置関係による補正を、1つにまとめた数字です。標準的な形の土地なら1.0です。 | 奥行価格補正率・不整形地補正率・間口狭小補正率・側方路線影響加算率などを個別に調べ、掛け合わせた数字を入力します。 |
| 地積 | 評価する宅地の面積です(単位:平方メートル)。 | 登記事項証明書(登記簿謄本)の地積欄、または測量図で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 路線価を確認する:評価したい土地が面する道路の路線価を、国税庁の路線価図で調べます。1つの土地が2つ以上の道路に面している場合は、原則として価格の高い方の道路を正面路線とします。
- 補正率を掛け合わせる:土地の奥行や間口の広さ、形が正方形・長方形からどれだけずれているかなどに応じた補正率を掛け合わせます。形が良くない土地は評価額が下がる方向(1未満)に、角地など2つの道路に面する土地は評価額が上がる方向(1超)に補正されます。
- 地積を掛けて評価額を求める:路線価×補正率に、土地の面積(地積)を掛けたものが、その宅地の相続税評価額(自用地としての評価額)です。
具体例で確かめる
例1 標準的な形の土地(補正なし)のケース
評価額 = 200,000円 × 1.0 × 200平方メートル
評価額は4,000万円
例2 間口が狭く、やや不整形な土地のケース
各種補正率(合成) = 0.92(間口狭小補正率などを掛け合わせた数字) 評価額 = 150,000円 × 0.92 × 180平方メートル
評価額は2,484万円。形が良くない分、補正なしの場合(2,700万円)より評価額が下がる
例3 2つの道路に面する角地のケース
各種補正率(合成) = 1.03(側方路線影響加算率を織り込んだ数字) 評価額 = 250,000円 × 1.03 × 150平方メートル
評価額は3,862万5,000円。角地は利便性が高いため、評価額が上がる方向に補正される
路線価方式が使えない土地
| ケース | 使う評価方法 | ひとこと解説 |
|---|---|---|
| 路線価が定められている地域の宅地 | 路線価方式 | このページで解説している方法です。多くの市街地がこれにあたります。 |
| 路線価が定められていない地域の宅地 | 倍率方式 | 固定資産税評価額に、地域ごとに定められた倍率を掛けて評価します。郊外や農村部に多い方式です。 |
| 私道 | 原則として評価しない、または大きく減額 | 不特定多数が通行する私道は、原則として評価額をゼロとします。 |
ここを間違えやすい
1|路線価図の数字は「千円単位」です
路線価図に表示されている数字は千円単位です。たとえば「200D」と表示されていれば、1平方メートルあたり200,000円という意味です(アルファベットは借地権割合を示す記号です)。
2|正面路線をどちらにするかで補正の方向が変わります
2つ以上の道路に面する土地では、原則として路線価に奥行価格補正率を掛けた金額が高い方を正面路線とします。単純に路線価の数字が高い方を選べばよいわけではありません。
3|補正率は複数の要素を掛け合わせて決まります
奥行、間口、不整形の度合いなど、該当する補正率をすべて個別に調べて掛け合わせる必要があります。1つの補正率だけを見て判断すると、評価額を誤ることがあります。
4|このページの評価額は「自用地」としての金額です
ここで計算した評価額は、土地を自分で使っている場合(自用地)の金額です。貸家が建っている土地(貸家建付地)や、賃貸中の土地(貸宅地)は、さらに別の補正を行うため、この評価額をそのまま使うことはできません。
よくある質問
- 路線価はどこで調べられますか。
- 国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のサイトで、都道府県・年分を選んで無料で閲覧できます。毎年7月ごろにその年の路線価が公表されます。
- 補正率の計算が複雑で自分では自信がありません。どうすればよいですか。
- 奥行・間口・不整形地など複数の補正率を正しく組み合わせる作業は専門的な判断が必要になることが多く、税理士に確認することをおすすめします。評価額を誤ると申告額全体に影響します。
- 路線価が付いていない道路に面した土地はどうすればよいですか。
- 路線価が定められていない地域では、路線価方式ではなく倍率方式を使います。固定資産税評価額に、その地域に定められた倍率を掛けて評価額を求めます。
- 去年と今年で路線価は変わりますか。
- 変わることがあります。路線価は毎年7月に国税庁から公表され、地価の変動に応じて改定されます。評価するときは、相続や贈与があった年分の路線価を使います。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 財産評価基本通達15(路線価方式)、16(奥行価格補正)、20(不整形地の評価)
- 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」
- 国税庁タックスアンサー No.4602「土地家屋の評価」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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