相次相続控除の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:相続税・贈与税
  • 根拠:相法20
  • 入力5項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

祖父が亡くなり、その後まもなく父も亡くなった、というように短い間隔で相続が続くことがあります。この場合、同じ財産に立て続けに相続税がかかって負担が重くなりすぎないよう、前回の相続で払った税額の一部を今回の相続税額から差し引く仕組みが用意されています。それが相次相続控除です。

この計算式を3行でいうと

  1. 前回の相続から10年以内に今回の相続が起きた場合だけ使える控除で、10年を過ぎると控除額はゼロです。
  2. 控除額は、前回課された税額をもとに、経過年数が短いほど大きくなるよう調整して計算します。
  3. 計算式に出てくる分数の値は、大きくても100%(1)が上限として扱われる決まりです。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

相次相続控除

相法20結果コピーリンク

10年以内に続けて相続があった場合、前回の相続税の一部を今回の相続税から控除します。

控除 = A×C/(B−A)×D/C×(10−E)/10
相次相続控除額 700万円
A×C/(B−A)〔100%上限〕2,000万円
×D/C1,000万円
×(10−E)/10700万円
目次

こんなときに使います

  • 祖父の相続からそれほど時間がたたないうちに、父(母)の相続も発生してしまったとき
  • 短期間に2回相続税を払うことになり、少しでも負担を減らせないか調べたいとき
  • 前回の相続でどれくらい相続税を払ったか記録が残っていて、今回使える控除額を試算したいとき
  • 相続人が複数いて、控除額を各自の取得割合でどう配分するのか知りたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
A:前回課された税額今回の被相続人が、前回の相続のときに実際に納めた相続税額です(単位:万円)。前回の相続税申告書の控えで確認します。
B:前回取得純資産今回の被相続人が、前回の相続で取得した財産の純資産価額(債務控除後)です(単位:万円)。前回の相続税申告書の、今回の被相続人自身の課税価格欄です。
C:今回の純資産合計今回の相続で、相続人・受遺者全員が取得した純資産価額の合計です(単位:万円)。今回の相続税申告書の、相続人全員分の課税価格の合計欄です。
D:その相続人の取得純資産控除額を計算したい、今回のその相続人1人が取得した純資産価額です(単位:万円)。今回の相続税申告書の、その相続人本人の課税価格欄です。
E:前回からの年数前回の相続開始日から、今回の相続開始日までの経過年数です。1年未満の端数は切り捨てます。前回と今回、それぞれの相続開始日(死亡日)から数えます。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 前回の税額をベースにする:今回の被相続人が前回の相続で払った税額(A)を出発点にします。前回の相続税がゼロだった場合や、前回から10年を超えている場合は、この控除自体を使えません。
  2. 財産の増減と経過年数で調整する:前回の相続で取得した純資産からその時の税額を引いた金額(B-A)に対して、今回の相続財産全体(C)がどれくらいの割合かを見ます。この割合が100%(1)を超えるときは100%として扱います。さらに、前回から今回までの経過年数が長いほど(10年に近いほど)控除額が小さくなるよう調整します。
  3. 各相続人の取得割合で配分する:ここまでで計算した金額に、今回の相続財産のうちその相続人が取得した割合(D÷C)を掛けて、その相続人が使える控除額を求めます。

具体例で確かめる

例1 前回取得した財産の割に、今回の相続財産が大きいケース

B-A = 1億円 - 2,000万円 = 8,000万円 C÷(B-A) = 1億2,000万円 ÷ 8,000万円 = 1.5 → 100%(1)を超えるため100%とする 控除額 = 2,000万円 × 100% × (6,000万円÷1億2,000万円) × (10-3)÷10

控除額は700万円。前回の相続財産より今回の方が大きい場合は、割合が100%に頭打ちされる

例2 割合が100%を超えない、通常のケース

B-A = 1億1,000万円 - 1,000万円 = 1億円 C÷(B-A) = 6,000万円 ÷ 1億円 = 0.6(100%を超えないためそのまま使う) 控除額 = 1,000万円 × 0.6 × (3,000万円÷6,000万円) × (10-5)÷10

控除額は150万円

例3 前回の相続から10年たっているケース

経過年数E = 10年 (10-E)÷10 = (10-10)÷10 = 0

控除額はゼロ。前回の相続から10年を過ぎると、他の数字にかかわらず相次相続控除は使えない

ここを間違えやすい

1|前回「相続税を払っていない」場合は使えません

前回の相続で、基礎控除以下などの理由で相続税がかからなかった場合は、控除の元になる税額(A)がゼロのため、相次相続控除も発生しません。

2|経過年数は1年未満を切り捨てます

前回の相続開始日から今回の相続開始日までの年数は、1年未満の端数を切り捨てて数えます。9年11か月であれば9年として計算します。四捨五入や切り上げではない点に注意してください。

3|控除の対象になるのは「相続人」だけです

相続を放棄した人や、相続人ではなく遺言によって財産を受け取っただけの人(相続人以外の受遺者)は、相次相続控除の対象になりません。

4|今回の被相続人が「前回の相続人」だったことが前提です

相次相続控除が使えるのは、今回亡くなった人が、前回の相続で相続税を課された本人である場合だけです。前回の相続と今回の相続で被相続人がつながっていないと、この控除の対象にはなりません。

よくある質問

前回の相続税がいくらだったか、記録が残っていません。どうすればよいですか。
前回の相続税申告書の控えがあれば税額を確認できます。手元にない場合は、申告した税務署に保管期間内であれば申告書等閲覧サービスで確認できることがあります。早めに確認することをおすすめします。
前回と今回で相続人の顔ぶれが違っても使えますか。
使えます。相次相続控除の要件は「今回の被相続人が前回の相続で相続税を課されたこと」であり、今回の相続人が前回と同じ人である必要はありません。
控除額はすべての相続人が同じ金額を受け取れますか。
いいえ。控除額は、今回の相続財産のうちその相続人が取得した割合に応じて配分されるため、多く財産を取得した相続人ほど控除額も大きくなります。
3代続けて短期間に相続が発生した場合はどうなりますか。
それぞれの相続ごとに、直前の相続との関係で相次相続控除を計算します。前々回の相続までさかのぼって通算されるわけではなく、あくまで「今回」と「その直前の相続」との関係だけで判定します。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 相続税法第20条(相次相続控除)
  • 国税庁タックスアンサー No.4168「相次相続控除」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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