- カテゴリ:相続税・贈与税
- 根拠:相法19の3・4
- 入力2項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
相続人の中に未成年者や障害者がいる場合、その人が成人したり生活していくうえでの負担を考えて、相続税額から一定の金額を直接差し引ける税額控除が用意されています。所得控除のように税率を掛けて計算するのではなく、税額そのものから引けるため、軽減の効果が大きいのが特徴です。
この計算式を3行でいうと
- 未成年者控除は「10万円×(18歳-相続開始時の年齢)」で計算し、税額から直接差し引けます。
- 障害者控除は「10万円(特別障害者は20万円)×(85歳-相続開始時の年齢)」で計算します。
- どちらも相続税額から直接差し引ける控除で、未成年でかつ障害者の場合は両方を合計して使えます。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
未成年者控除・障害者控除
相法19の3・4★結果コピーリンク未成年者は18歳まで、障害者は85歳までの年数×一定額を相続税額から控除します。
| 対象年数 | 3年 |
| 控除額 | 30万円 |
こんなときに使います
- 相続人の中に18歳未満の子や孫がいて、控除額がいくらになるか知りたいとき
- 相続人が障害者手帳を持っていて、障害者控除の金額を確認したいとき
- 未成年でかつ障害がある相続人がいて、控除を両方使えるか確かめたいとき
- 控除額が本人の相続税額より大きく、控除しきれるか心配なとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 相続開始時の年齢 | 亡くなった日(相続開始日)時点での、その相続人の満年齢です。1年未満の端数は切り上げて数えます。 | 相続人本人の生年月日と、被相続人の死亡日から数えます。 |
| 区分(未成年・一般障害・特別障害) | その相続人が未成年者か、障害者に該当するか、該当する場合は一般障害者と特別障害者のどちらかを選びます。 | 障害者手帳の等級で判定します(身体障害者手帳1級・2級や、精神障害者保健福祉手帳1級などが特別障害者に該当することが多いです)。判定に迷う場合は手帳交付元や税理士に確認してください。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 相続開始時の年齢を確認する:亡くなった日時点での満年齢を数えます。1年に満たない端数の月は切り上げて1年と数えます。
- 控除額を計算する:未成年者は「10万円×(18歳-年齢)」、一般障害者は「10万円×(85歳-年齢)」、特別障害者は「20万円×(85歳-年齢)」で計算します。
- 本人の相続税額から差し引く:計算した控除額を、その相続人本人の相続税額から直接差し引きます。未成年でかつ障害者に該当する場合は、両方の控除額を合計して差し引けます。
具体例で確かめる
例1 相続開始時に15歳の未成年者のケース
未成年者控除 = 10万円 ×(18歳 - 15歳)= 10万円 × 3年
控除額は30万円。この相続人の相続税額から30万円を直接差し引ける
例2 相続開始時に10歳で特別障害者に該当するケース
障害者控除(特別障害者) = 20万円 ×(85歳 - 10歳)= 20万円 × 75年
控除額は1,500万円。年齢が低いほど、障害者控除の金額は大きくなる
例3 15歳で特別障害者にも該当する(未成年かつ障害者)ケース
未成年者控除 = 10万円 ×(18歳 - 15歳)= 30万円 障害者控除(特別障害者) = 20万円 ×(85歳 - 15歳)= 1,400万円
合計の控除額 = 30万円 + 1,400万円 = 1,430万円。両方の要件を満たす場合は合計して使える
ここを間違えやすい
1|年齢の端数は切り上げます
相続開始時の年齢に1年未満の端数(月・日)がある場合、その端数は切り上げて1年として数えます。このツールは簡略化のため整数年で試算しているので、誕生日が近い場合は自分で切り上げて計算し直してください。
2|控除しきれない分は他の扶養義務者の税額から引けます
控除額がその相続人本人の相続税額より大きく、引ききれない場合は、余った分をその人の扶養義務者(親などの他の相続人)の相続税額から差し引けます。控除を無駄にしないためのルールです。
3|対象になるのは相続人であることが前提です
未成年者控除・障害者控除は、相続や遺贈によって財産を取得した法定相続人が対象です。相続を放棄した人は、たとえ未成年や障害者であっても、これらの控除を受けられません。
4|過去の相続で同じ控除を使っていると、控除額が制限されます
同じ人が以前の相続でもすでに未成年者控除・障害者控除を受けている場合、今回使える控除額は制限されることがあります。複数回相続を経験している相続人がいる場合は個別の確認が必要です。
よくある質問
- 一般障害者と特別障害者は何が違いますか。
- 身体障害者手帳の等級や精神障害者保健福祉手帳の等級などによって区分されます。重度の障害と認定される場合に特別障害者となり、控除額は一般障害者の2倍(20万円×年数)になります。判定は手帳の記載や医師の診断書にもとづきます。
- 未成年者控除だけ、障害者控除だけを受けることもできますか。
- できます。未成年者に該当し障害者ではない場合は未成年者控除だけ、成人した障害者の場合は障害者控除だけを、それぞれの計算式で求めます。両方に該当する場合は合計して差し引けます。
- 控除額が相続税額を上回った場合、差額の還付は受けられますか。
- 本人の税額を超えて余った分は還付されるわけではなく、扶養義務者の相続税額から差し引く形で調整します。扶養義務者にも引ききれる税額がない場合は、その分は使いきれずに終わります。
- 年齢はどの時点で数えるのですか。
- 被相続人が亡くなった日(相続開始日)時点の満年齢で数えます。誕生日を迎える前か後かで年数が変わるため、正確な生年月日と死亡日で確認してください。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 相続税法第19条の3(未成年者控除)、第19条の4(障害者控除)
- 国税庁タックスアンサー No.4164「未成年者の税額控除」/No.4167「障害者の税額控除」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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