- カテゴリ:所得税
- 根拠:所法83・83の2
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
配偶者がいる方の税金を軽くする制度に、配偶者控除と配偶者特別控除の2つがあります。どちらが使えるかは、配偶者の所得だけでなく本人の所得によっても変わります。令和7年度の改正で、配偶者控除を受けられる配偶者の所得の範囲が広がりました。
この計算式を3行でいうと
- 配偶者の合計所得金額が58万円以下なら配偶者控除38万円(70歳以上の老人控除対象配偶者は48万円)を受けられます。
- 配偶者の所得が58万円を超えても133万円以下なら配偶者特別控除の対象です。所得が上がるほど控除額は段階的に少なくなります。
- 本人の合計所得金額が900万円を超えると控除額が段階的に減り、1,000万円を超えるとどちらの控除も受けられません。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
配偶者控除・配偶者特別控除
所法83・83の2★結果コピーリンク本人の所得(900万円以下/950万/1,000万/超)と配偶者の所得に応じて控除額が決まります。令和7年改正後の目安を計算します。
| 本人所得区分 | 900万以下 |
| 配偶者所得 | ¥1,000,000 |
| 控除額 | ¥380,000 |
こんなときに使います
- 結婚して配偶者ができ、年末調整の書類を書く前に控除額を確認したいとき
- 配偶者のパート収入をいくらまでに抑えれば控除を受けられるか知りたいとき
- 自分の所得が900万円を超えそうで、配偶者控除がどう変わるか気になるとき
- 配偶者が70歳以上で、老人控除対象配偶者にあたるかどうか確認したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 本人の合計所得金額 | 控除を受ける本人の、その年のすべての所得を合計した金額です。年収そのものではありません。 | 源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」や、確定申告書の所得金額の合計欄で確認します。 |
| 配偶者の合計所得金額 | 配偶者のその年の所得の合計です。パート収入だけの場合は、給与所得控除を引いたあとの金額になります。 | 配偶者の源泉徴収票、または見込みの年収から給与所得控除を引いて概算します。 |
| 配偶者が70歳以上かどうか | その年の12月31日時点で配偶者が70歳以上なら「老人控除対象配偶者」として控除額が上がります。 | 配偶者の生年月日で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 本人の所得を確認する:900万円以下・900万円超950万円以下・950万円超1,000万円以下・1,000万円超のどの区分か確認します。1,000万円を超えると、配偶者の所得にかかわらず控除は受けられません。
- 配偶者の所得を確認する:58万円以下なら配偶者控除、58万円を超えて133万円以下なら配偶者特別控除の対象です。133万円を超えると対象外です。
- 控除額を当てはめる:本人の所得が900万円以下で配偶者の所得が58万円以下なら、控除額は38万円(配偶者が70歳以上なら48万円)です。本人の所得が900万円を超える場合や、配偶者の所得が58万円を超える場合は、それぞれ段階的に少なくなります。
具体例で確かめる
例1 本人の所得600万円、配偶者はパート収入で所得20万円のケース
本人の所得600万円は900万円以下の区分 配偶者の所得20万円は58万円以下の区分
配偶者控除38万円を満額で受けられる
例2 本人の所得500万円、70歳以上の配偶者で所得0円のケース
配偶者が70歳以上のため「老人控除対象配偶者」にあたる 配偶者の所得0円は58万円以下の区分
配偶者控除48万円(老人控除対象配偶者の金額)を受けられる
例3 本人の所得700万円、配偶者のパート収入が増えて所得140万円になったケース
配偶者の所得140万円は133万円を超えている
配偶者控除・配偶者特別控除とも対象外(控除額0円)
所得の区分と控除の関係
| 本人の合計所得金額 | 配偶者の所得58万円以下 | 配偶者の所得58万円超133万円以下 |
|---|---|---|
| 900万円以下 | 配偶者控除38万円(老人48万円) | 配偶者特別控除(段階的に減少) |
| 900万円超950万円以下 | 配偶者控除(900万円以下より少ない金額) | 配偶者特別控除(さらに少ない金額) |
| 950万円超1,000万円以下 | 配偶者控除(さらに少ない金額) | 配偶者特別控除(さらに少ない金額) |
| 1,000万円超 | 対象外 | 対象外 |
本人の所得が900万円を超えると、配偶者の所得が58万円以下でも控除額は段階的に少なくなります。正確な金額は所得税の速算表で確認してください。
ここを間違えやすい
1|以前の所得基準のイメージのままだと誤解します
令和7年度の改正で、配偶者控除の対象となる配偶者の所得の上限は58万円に変わりました。給与収入だけの配偶者の場合、給与所得控除を引く前の年収ベースで考えると金額感が変わるため、所得ベースの数字で確認してください。
2|社会保険の扶養の基準とは別の制度です
ここで計算しているのは所得税の配偶者控除です。健康保険や厚生年金の扶養に入れるかどうかの基準額とは仕組みが異なるため、それぞれ別々に確認する必要があります。
3|本人の所得が1,000万円を超えると、配偶者の所得に関係なく対象外です
配偶者控除も配偶者特別控除も、控除を受ける本人の合計所得金額が1,000万円を超えると一切適用できません。副業や賞与で所得が想定より増えた年は特に注意してください。
4|配偶者の所得が133万円を超えると控除はゼロになります
配偶者特別控除は所得が上がるほど段階的に少なくなり、133万円を超えた時点で控除額はゼロです。パート収入の年間見込みは早めに確認しておくと安心です。
よくある質問
- 配偶者控除と配偶者特別控除はどちらが得ですか。
- 配偶者の所得が58万円以下なら配偶者控除、58万円を超えて133万円以下なら配偶者特別控除が適用され、両方を同時に受けることはできません。所得の金額によってどちらが適用されるかが自動的に決まる仕組みです。
- 配偶者に給与収入以外の所得があってもよいですか。
- 年金や不動産所得など、給与以外の所得もすべて合計して判定します。給与収入だけでなく、その他の所得も忘れずに合算してください。
- 年の途中で配偶者の所得の見込みが変わったらどうすればよいですか。
- 年末調整で一度申告したあとでも、年の所得が確定した時点で見込みと差があれば、年末調整のやり直しや確定申告で修正することができます。
- 内縁関係(事実婚)の相手にも使えますか。
- 使えません。配偶者控除・配偶者特別控除は、法律上の婚姻関係にある配偶者に限られます。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第83条(配偶者控除)、第83条の2(配偶者特別控除)
- 令和7年度税制改正の関連法令・国税庁発表資料
- 国税庁タックスアンサー No.1191「配偶者控除」/No.1195「配偶者特別控除」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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