- カテゴリ:所得税
- 根拠:所法35・所令119の2
- 入力7項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
ビットコインなどの暗号資産を売却して利益が出ると、原則として雑所得として所得税がかかります。株式のような分離課税ではなく、給与など他の所得と合算して税率が決まる総合課税である点が大きな特徴です。同じ銘柄を何度も買い増している場合は、平均単価を計算してから所得を求めます。
この計算式を3行でいうと
- 暗号資産の売却益は原則として雑所得(総合課税)です。株式のような申告分離課税ではなく、給与所得などと合算して税率が決まります。
- 平均単価は「(年初残高の取得価額+年中の取得価額合計)÷(年初残高の数量+年中の取得数量)」の総平均法で計算します。
- 損失が出ても、他の雑所得の範囲内でしか差し引けません。給与所得や事業所得とは損益通算できません。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
暗号資産の雑所得(総平均法)
所法35・所令119の2★結果コピーリンク暗号資産の売却益は原則雑所得(総合課税)。総平均法で平均単価を出し、所得と税額の目安を計算します。
| 平均単価 | ¥2,666,667/枚 |
| 取得費(売却分) | ¥2,133,333 |
| 雑所得 | ¥2,866,667 |
| 税額の目安(所得税20%+住民10%) | ¥872,040 |
こんなときに使います
- ビットコインなどの暗号資産を売って利益が出て、確定申告が必要か確認したいとき
- 同じ銘柄を何度かに分けて購入していて、平均取得単価がいくらか分からないとき
- 暗号資産の利益にどれくらい税金がかかるのか、あらかじめ目安を知りたいとき
- 副業や投資による所得が増えて、税率が上がりそうか確認したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 年初残高の取得価額 | その年の1月1日時点で保有していた暗号資産を取得したときの金額の合計です。 | 前年までの取引履歴、または暗号資産交換業者の年間取引報告書で確認します。 |
| 年初残高の数量 | 同じく1月1日時点で保有していた数量です。 | 交換業者の残高画面や取引報告書で確認します。 |
| 年中の取得価額合計 | その年に新しく購入した金額の合計です。複数回購入していれば全部を足します。 | 交換業者の年間取引報告書の購入履歴で確認します。 |
| 年中の取得数量 | その年に新しく購入した数量の合計です。 | 同じく取引報告書で確認します。 |
| 売却収入 | その年に暗号資産を売却して受け取った金額の合計です。他の暗号資産や商品と交換した場合も、時価で売却したものとして扱います。 | 交換業者の年間取引報告書の売却・使用履歴で確認します。 |
| 売却数量 | その年に売却した数量の合計です。 | 同じく取引報告書で確認します。 |
| 限界税率(所得税) | この所得を足したときに適用される所得税の税率です。所得が多い人ほど高くなります。 | 所得税の速算表で、他の所得と合計した課税所得金額から確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 平均単価を計算する:年初残高の取得価額と年中の取得価額合計を足し、年初残高の数量と年中の取得数量を足した数量で割ります。
- 所得を計算する:売却収入から、平均単価に売却数量を掛けた金額(売却した分の取得費)を差し引きます。
- 税額の目安を出す:計算した所得に限界税率を掛けると、所得税の負担額の目安がわかります。住民税(通常10%)も別途かかる点にも注意してください。
具体例で確かめる
例1 年の途中で初めて100万円分(数量1.0)を購入し、半分を売却したケース
平均単価 = (0円+1,000,000円) ÷ (0+1.0) = 1,000,000円 所得 = 1,500,000円 - 1,000,000円 × 0.5
所得は100万円。限界税率20%なら所得税は約20万円
例2 年初から保有していた分に、年の途中でさらに買い増ししたケース
平均単価 = (500,000円+500,000円) ÷ (0.5+0.5) = 1,000,000円 所得 = 900,000円 - 1,000,000円 × 0.6
所得は30万円
例3 購入額より安く売って損失が出たケース
平均単価 = 2,000,000円 ÷ 1.0 = 2,000,000円 所得 = 1,200,000円 - 2,000,000円 × 1.0 = △800,000円
80万円の損失。ただし他の雑所得の利益とだけ相殺でき、給与所得とは通算できない
ここを間違えやすい
1|株式やFXのような申告分離課税ではありません
暗号資産の利益は総合課税の雑所得です。給与所得など他の所得と合算した金額に所得税の累進税率が適用されるため、所得が多い人ほど税率が高くなります。
2|他の暗号資産との交換や買い物での利用も課税対象です
暗号資産を円に換金していなくても、別の暗号資産と交換したり、商品の購入に使ったりした時点で、その時の時価で売却したものとして所得を計算します。
3|計算方法は総平均法と移動平均法の2種類があります
あらかじめ届出をすれば移動平均法(取得のたびに単価を計算し直す方法)を選ぶこともできます。届出をしていない場合は、この計算機と同じ総平均法(1年分をまとめて平均する方法)が適用されます。
4|損失は他の所得とは相殺できません
暗号資産の売却で損失が出ても、給与所得や事業所得と通算することはできません。他の雑所得(公的年金等を除く)がある場合に限り、その範囲内で相殺できます。
よくある質問
- 暗号資産の利益はいくらから確定申告が必要ですか。
- 給与所得者の場合、給与以外の所得(暗号資産の利益を含む)の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要になるのが一般的です。個別の状況によって判断が異なるため、詳しくは税理士や税務署に確認してください。
- 含み益(まだ売っていない利益)にも税金はかかりますか。
- かかりません。実際に売却したり、他の暗号資産と交換したり、決済に使ったりして利益が確定した時点で課税されます。保有しているだけの含み益は課税対象ではありません。
- 複数の交換業者を使っている場合はどうすればよいですか。
- すべての交換業者での取引をまとめて計算する必要があります。平均単価も、業者ごとではなく保有する暗号資産の種類ごとに全体で計算します。
- マイニングやステーキングで得た暗号資産はどう扱いますか。
- 取得した時点の時価が所得になり、その後売却したときはその時価を取得価額として計算します。所得区分は状況によって異なる場合があるため、個別の判断が必要です。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第35条(雑所得)、所得税法施行令第119条の2(暗号資産の評価方法)
- 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」
- 国税庁タックスアンサー No.1524「暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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