受取配当等の益金不算入(関連法人)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:法人税
  • 根拠:法法23
  • 入力2項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

グループ会社など、持株比率の高い会社から受け取る配当金には、法人税がかからない仕組みがあります。益金不算入と呼ばれるこの制度により、配当を受け取った側で二重に税金がかかることを防いでいます。ただし関連法人株式等の配当では、借入金の利子の一部を差し引いた金額だけが益金不算入の対象になります。この計算式は、その益金不算入額を求めるものです。

この計算式を3行でいうと

  1. 発行済株式等の3分の1超を保有する関連法人株式等からの配当は、原則として全額が益金不算入の対象です。
  2. そこから「配当×4%」と「支払負債利子×10%」の小さい方を、控除負債利子として差し引きます。
  3. 保有割合により区分が分かれ、完全子法人100%は控除なし、その他株式等は50%、非支配目的株式等は20%が益金不算入です。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

受取配当等の益金不算入(関連法人・負債利子控除)

法法23結果コピーリンク

関連法人株式等(1/3超保有)の配当は全額益金不算入ですが、配当×4%(支払利子×10%が上限)を負債利子として控除します。

控除負債利子 = min(配当×4% , 支払負債利子×10%) 益金不算入 = 配当 − 控除負債利子
益金不算入額 ¥9,600,000
配当×4%¥400,000
支払負債利子×10%(上限)¥5,000,000
控除負債利子(小さい方)¥400,000
益金不算入額¥9,600,000
完全子法人100%は控除なし・その他50%・非支配20%。
目次

こんなときに使います

  • グループ会社や関連会社の株式を持っていて、そこから配当金を受け取ったとき
  • 持株会社として子会社から配当を受け、その配当がどこまで法人税の対象外になるか確認したいとき
  • 借入金で株式を取得しており、支払利子が益金不算入額にどう影響するか知りたいとき
  • 決算前に、受取配当を含めた所得の見込みを試算したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
関連法人株式等の配当発行済株式等の3分の1を超えて保有している会社から、その事業年度中に受け取った配当等の合計額です。受取配当金の勘定科目のうち、保有割合3分の1超の相手先からの分を集計します。
当期の支払負債利子総額その事業年度に支払った借入金の利息など、負債の利子の合計額です。総勘定元帳の支払利息勘定などから、その事業年度分を集計します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 配当の4%を計算する:関連法人株式等の配当等の額に4%を掛けます。
  2. 支払負債利子の10%と比べる:当期の支払負債利子総額に10%を掛けた金額と、手順1の金額を比べて小さい方を選びます。これが控除負債利子です。
  3. 配当から控除負債利子を引く:配当等の額から控除負債利子を差し引いた金額が、益金不算入額になります。

具体例で確かめる

例1 関連法人株式等の配当1,000万円、支払負債利子総額5,000万円のケース

配当×4% = 10,000,000円 × 4% = 400,000円 支払負債利子×10% = 50,000,000円 × 10% = 5,000,000円 小さい方を選ぶ = 400,000円(控除負債利子)

益金不算入額 = 10,000,000円 - 400,000円 = 960万円

例2 支払負債利子が少ないケース(借入がほとんどない会社)

配当1,000万円は例1と同じ、支払負債利子総額が100万円だった場合 配当×4% = 400,000円 支払負債利子×10% = 1,000,000円 × 10% = 100,000円

控除負債利子は少ない方の10万円。益金不算入額は990万円に増える

例3 支払負債利子がまったくないケース

配当1,000万円、支払負債利子総額0円の場合 支払負債利子×10% = 0円

控除負債利子は0円。配当1,000万円が全額益金不算入になる

保有割合ごとの益金不算入の扱い

株式等の区分益金不算入の割合控除負債利子
完全子法人株式等(100%保有)配当の全額なし
関連法人株式等(発行済株式等の3分の1超を保有)配当の全額(このページの対象)配当×4%と支払負債利子×10%の小さい方を控除
その他株式等配当の50%(このページの対象外)
非支配目的株式等配当の20%(このページの対象外)

ここを間違えやすい

1|保有割合の判定期間に注意が必要です

関連法人株式等に該当するには、配当等の額の計算期間の基準日以前6か月以上、継続して発行済株式等の3分の1を超える株式を保有している必要があります。期の途中で買い増して3分の1を超えた場合、要件を満たすタイミングに注意してください。

2|支払負債利子は全社共通の総額を使います

控除負債利子の計算に使う支払負債利子総額は、その配当に直接対応する借入金の利子だけでなく、当期に支払ったすべての負債利子の合計額を使う簡便的な仕組みです。個別の借入金ごとに按分計算する必要はありません。

3|株式等の区分ごとに計算方法がまったく違います

完全子法人株式等・関連法人株式等・その他株式等・非支配目的株式等は、それぞれ益金不算入の割合も控除負債利子の有無も異なります。保有割合を正しく区分してから計算してください。

4|短期で保有していた株式等は対象から除かれることがあります

配当等の基準日をまたぐ短期間だけ株式等を取得・譲渡していたようなケースでは、益金不算入の対象から除かれる場合があります。長期に安定して保有していることが制度の前提です。

よくある質問

関連法人株式等かどうかは、どの時点の保有割合で判定しますか。
配当等の額の計算の基礎となった期間の末日(基準日)の保有割合で判定します。あわせて、基準日以前6か月以上継続して保有していることも要件です。
外国法人からの配当も同じ計算方法ですか。
外国法人からの配当は、この受取配当等の益金不算入制度とは別に、外国子会社配当の益金不算入という異なる制度で扱われます。国内法人からの配当とは区別してください。
控除負債利子がマイナスになることはありますか。
配当×4%も支払負債利子×10%も金額がマイナスになることは通常ありません。支払負債利子がゼロであれば控除負債利子もゼロとなり、配当の全額が益金不算入になります。
関連法人株式等とその他株式等の両方を保有している場合はどうしますか。
それぞれの区分ごとに配当等の額を分けて、区分ごとの計算方法で益金不算入額を求め、最後に合算します。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 法人税法第23条(受取配当等の益金不算入)
  • 国税庁タックスアンサー No.5720「益金不算入となる受取配当等の範囲」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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