青色申告と白色申告の節税効果比較|自動計算ツール

  • カテゴリ:有利判定・比較
  • 根拠:措法25の2ほか
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

同じ個人事業でも、青色申告を選ぶか白色申告のままにするかで、使える控除の金額が大きく変わります。青色申告には、最大65万円の特別控除や、家族に払った給与をそのまま経費にできる制度など、白色申告にはない優遇があります。この計算機は、その節税額をおおまかな金額で確認するものです。

この計算式を3行でいうと

  1. 青色申告特別控除は最大65万円ですが、白色申告にはこの控除自体がなく、税負担に差が生まれます。
  2. 家族に給与を払う場合、青色申告なら相当額を全額経費にできますが、白色申告では配偶者86万円などの定額控除にとどまります。
  3. 節税額は「控除額の差×(所得税の限界税率+住民税10%)」でおおまかに計算でき、税率が高い人ほど効果が大きくなります。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

青色申告の節税効果(白色との比較)

措法25の2ほか結果コピーリンク

青色申告特別控除65万円と青色事業専従者給与(白色は定額控除のみ)による節税額を比較します。

節税額 = (65万 + 専従者給与の差額) × (限界税率×1.021+住民10%)
青色で年 ¥240,318 の節税
青色申告特別控除¥650,000
専従者給与の差額(白色は860,000円上限)¥140,000
控除差の合計¥790,000
節税額(税率20%+住民10%)¥240,318
(参考)ほかのメリット純損失3年繰越・貸倒引当金・少額30万特例
65万控除は複式簿記+e-Tax(又は電子帳簿)。専従者給与は労務対価として相当額まで・届出必要。専従者は配偶者控除等の対象外になる点も考慮。
目次

こんなときに使います

  • 個人事業を始めるにあたって、青色申告と白色申告のどちらにするか迷っているとき
  • 白色申告を続けてきたが、そろそろ青色申告に切り替えるべきかどうか検討しているとき
  • 配偶者や家族に事業を手伝ってもらっていて、給与を経費にできるかどうかを確認しておきたいとき
  • 青色申告に切り替えることで、具体的にどれくらい税金が変わるのかを事前に知りたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
所得税の限界税率事業所得などに実際にかかっている所得税の税率です。所得が多い人ほど高くなります。控除額に対する節税効果の大きさを左右します。確定申告書の課税所得金額を所得税の速算表にあてはめて確認するか、前年の確定申告書の控えから確認します。
専従者給与(青色・年)青色事業専従者給与として家族に支払う、年間の給与の金額です。支払っていない場合は0円で計算します。青色事業専従者給与に関する届出書に記載した金額、または実際に支払う予定の給与総額。
専従者が配偶者かどうか給与を支払う家族が配偶者かどうかです。白色申告の事業専従者控除の上限額が、配偶者かどうかで変わるため入力に使います。家族の続柄。配偶者なら1、それ以外の親族なら0を入力します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 青色申告特別控除の差を確認する:青色申告なら要件を満たせば最大65万円の特別控除が使えます。白色申告にはこの控除はなく、控除がない分だけ課税対象の所得が大きくなります。
  2. 専従者給与の差を確認する:青色申告なら届け出た範囲内で、労務の対価として相当な金額を全額経費にできます。白色申告では、配偶者は86万円、それ以外の親族は50万円(またはこの控除前の所得を専従者の人数に1を足した数で割った金額のいずれか低いほう)までの定額しか経費にできません。この差額が大きいほど、青色申告のメリットも大きくなります。
  3. 控除額の差に税率をかける:「65万円+専従者給与の差額」に、所得税の限界税率(復興特別所得税を含む)と住民税10%を合計した割合をかけると、節税額のめやすになります。事業税や国民健康保険料の算定にも所得金額が影響するため、実際の効果はさらに大きくなることもあります。

具体例で確かめる

例1 限界税率20%、配偶者に専従者給与100万円を払うケース

専従者給与の差額 = 100万円 - 86万円(白色の配偶者控除額) = 14万円 節税額の対象 = 65万円 + 14万円 = 79万円 節税額 = 79万円 ×(20% × 1.021 + 10%)

節税額の目安は約24万円。青色申告特別控除だけでも大きな差になる

例2 専従者給与を支払っていないケース

節税額の対象 = 65万円(青色申告特別控除の差のみ) 節税額 = 65万円 ×(20% × 1.021 + 10%)

専従者給与がなくても、青色申告特別控除だけで節税額の目安は約20万円になる

例3 限界税率が高い(33%)人のケース

節税額 = 79万円 ×(33% × 1.021 + 10%)

限界税率が高いほど、同じ控除額でも節税効果は大きくなる

青色申告と白色申告のおもな違い

区分青色申告白色申告
特別控除最大65万円(要件により55万円・10万円)なし
家族への給与届け出た範囲内で相当額を全額経費にできる配偶者86万円・その他の親族50万円までの定額控除のみ
赤字の繰越翌年以降3年間繰り越せる原則としてできない
帳簿づけ複式簿記など正規の簿記が必要(65万円控除の場合)簡易な帳簿でよい

ここを間違えやすい

1|65万円控除には条件があります

青色申告特別控除は、正規の簿記(複式簿記)で記帳し、なおかつ電子帳簿保存またはe-Taxでの申告を行って初めて65万円になります。この条件を満たさない場合は55万円、簡易な記帳だけの場合は10万円にとどまります。会計ソフトを使ってe-Taxで申告する事業者が多いのは、この65万円控除の要件を満たすためでもあります。

2|専従者給与は「労務の対価として相当な金額」までです

青色事業専従者給与は、届け出た金額の範囲内であればいくらでもよいわけではなく、実際の仕事の内容や時間に見合った、相当な金額であることが必要です。過大な部分は必要経費として認められません。同業種・同規模の給与水準や、専従者の労働時間・職務内容も参考にされます。

3|専従者は配偶者控除・扶養控除の対象から外れます

青色事業専従者給与を受け取る家族、または白色申告の事業専従者控除の対象になった家族は、その年の配偶者控除・扶養控除の対象にはなれません。専従者給与の節税効果とあわせて、この点も考慮して判断する必要があります。また専従者本人にも所得税や住民税、一定額以上であれば社会保険料がかかる点も忘れずに考慮してください。

4|届出を出していないと専従者給与は経費になりません

青色事業専従者給与を必要経費にするには、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出しておく必要があります。原則としてその年の3月15日まで(新たに事業を始めた場合などは開始から2か月以内)の提出が必要です。給与の金額を変更する場合も、あらためて変更届出書の提出が求められます。

よくある質問

白色申告のままでも家族への給与は経費にできますか。
実際に支払った給与そのものを経費にすることはできませんが、事業専従者控除として、配偶者なら86万円、それ以外の親族なら50万円を上限に、定額を必要経費として差し引くことができます。実際に支払った給与額とは関係のない、あらかじめ決まった金額である点が青色申告との大きな違いです。事業所得の金額を専従者の人数に1を足した数で割った金額のほうが低い場合は、その金額が上限になります。
青色申告に切り替えるにはどうすればよいですか。
「所得税の青色申告承認申請書」を、青色申告を始めたい年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内)に税務署に提出します。あわせて複式簿記での記帳や電子申告の準備も進めておくと、65万円控除の要件をスムーズに満たせます。
専従者給与と配偶者控除、どちらが得ですか。
専従者給与を支払うと配偶者控除は使えなくなるため、専従者給与の金額が小さいと、かえって不利になる場合があります。配偶者控除の金額と、専従者給与による節税効果に加えて、専従者本人にかかる税金や社会保険料も含めて比べて判断する必要があります。
青色申告には65万円控除のほかにどんな特典がありますか。
赤字を翌年以降3年間繰り越せる純損失の繰越控除や、一定の要件のもとで30万円未満の資産を全額経費にできる少額減価償却資産の特例など、白色申告にはない特典があります。家事関連費のうち事業に使った部分を必要経費にしやすくなる面もあります。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 租税特別措置法第25条の2(青色申告特別控除)、所得税法第57条(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例)
  • 国税庁タックスアンサー No.2072「青色申告特別控除」/No.2075「青色事業専従者給与と事業専従者控除」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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