法人税等の総合計算(実効負担)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:法人税
  • 根拠:法法66・地法ほか
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

決算で利益が出たとき、最終的に手元からいくら税金が出ていくのかは、法人税だけを見てもわかりません。実際には法人税・地方法人税・住民税・事業税・特別法人事業税に加え、令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは防衛特別法人税も同時にかかります。この計算機は、それらを課税所得から一気通貫で概算し、所得に対する実効負担率を示します。

この計算式を3行でいうと

  1. 法人税は所得800万円以下15%・800万円超23.2%の2段階。ここに地方法人税10.3%・住民税7%が上乗せされ、令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは防衛特別法人税(法人税額から基礎控除500万円を引いた額の4%)も加わります。
  2. 事業税は所得の3段階(3.5%/5.3%/7%)で計算し、その税額にさらに特別法人事業税37%がかかります。
  3. これらの税金を合計すると、実効負担率はおおむね所得の4分の1から3分の1程度になります。所得が増えるほど比率も上がります。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

法人税等の総合計算(実効負担)

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課税所得から、法人税・地方法人税・防衛特別法人税(令和8年4月1日以後開始事業年度)・住民税(法人税割+均等割)・事業税・特別法人事業税までを、それぞれの端数処理どおりに一気通貫で計算し、実効税率を表示します(中小法人・標準税率)。

法人税(年800万円以下15%・超23.2%)+地方法人税10.3%+防衛特別法人税(法人税−500万円)×4% +住民税法人税割7.0%+均等割+事業税(3.5/5.3/7.0%)+特別法人事業税37%
税負担合計 ¥2,695,700(実効26.957%)
課税所得(千円未満切捨)¥10,000,000
法人税(年800万円以下15%・超23.2%)¥1,664,000
地方法人税(法人税×10.3%)¥171,300
防衛特別法人税((法人税−基礎控除500万円)×4%)¥0
住民税・法人税割(法人税×7.0%)¥116,400
住民税・均等割¥70,000
事業税・所得割(3.5/5.3/7.0%)¥492,000
特別法人事業税(事業税×37%)¥182,000
合計/実効税率¥2,695,700 / 26.957%
標準税率・外形標準課税対象外。防衛特別法人税の基礎控除500万円は年換算。事業税の損金算入(翌期)は未反映のため実効税率はやや高めに出ます。
目次

こんなときに使います

  • 決算で利益が出そうなとき、最終的に税金がいくらくらい出ていくのか、ざっくり把握したいとき
  • 法人税だけでなく、住民税・事業税まで含めた合計の税負担を知りたいとき
  • 役員報酬や設備投資の意思決定の前に、利益に対する実質的な税負担率を確認したいとき
  • 個人事業と法人成りを比較するときの、法人側の税負担の目安をつかみたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
課税所得益金から損金を差し引いたあとの、法人税の計算のもとになる所得金額です。決算書の利益とは一致しないことがあります。法人税申告書別表四の「所得金額又は欠損金額」欄で確認します。決算前の見込みであれば、税引前当期純利益に加算・減算の見込みを反映させて概算します。
住民税均等割所得の有無にかかわらず定額でかかる住民税です。資本金の額や従業員数によって金額が変わります。都道府県・市区町村から届く均等割の通知、または前期の納税額で確認できます。初期値の7万円は、資本金や従業員数が小さい会社の目安です。
事業年度の月数当期の事業年度の月数です。通常は12です。設立初年度や決算期変更で1年未満の事業年度になるときは、その月数を入れます(1か月未満の端数は切り上げ)。定款の事業年度、または設立日・決算期変更日から数えます。軽減税率の「800万円」、事業税の区分「400万円・800万円」、防衛特別法人税の基礎控除「500万円」はいずれも年額なので、月数÷12で按分して計算します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 法人税を計算する:課税所得(千円未満切捨て)のうち800万円以下の部分に15%、800万円を超える部分に23.2%を掛けて合計します(百円未満切捨て)。事業年度が1年未満のときは、800万円を「800万円×月数÷12」に読み替えます。
  2. 法人税を土台に上乗せ税を計算する:地方法人税は法人税額の10.3%、住民税の法人税割は法人税額(千円未満切捨て)の7%です(いずれも百円未満切捨て)。ここに均等割(入力値)を足すと住民税の合計になります。令和8年4月1日以後に開始する事業年度は、さらに防衛特別法人税として「(法人税額−基礎控除500万円)×4%」がかかります(法人税額が500万円以下なら0円。基礎控除も事業年度が1年未満なら月割)。
  3. 事業税と特別法人事業税を計算する:課税所得を400万円以下・400万円超800万円以下・800万円超の3段階に分け、それぞれ3.5%・5.3%・7%を掛けて事業税を出します(百円未満切捨て)。その事業税額に37%を掛けたものが特別法人事業税です(百円未満切捨て)。最後にすべてを合計し、課税所得で割ると実効負担率が出ます。

具体例で確かめる

例1 課税所得1,000万円・均等割7万円のケース

法人税 = 800万円×15% + 200万円×23.2% = 1,664,000円 地方法人税 = 1,664,000円×10.3% = 171,392円 → 百円未満切捨てで171,300円 防衛特別法人税 = 法人税額1,664,000円が基礎控除500万円以下のため0円 住民税 = 1,664,000円×7% = 116,480円 → 116,400円、+均等割70,000円 = 186,400円 事業税 = 400万円×3.5%+400万円×5.3%+200万円×7% = 492,000円 特別法人事業税 = 492,000円×37% = 182,040円 → 182,000円

合計2,695,700円(約269.6万円) → 実効負担率は26.957%(約27.0%)

例2 課税所得500万円のケース(軽減税率だけが適用される範囲)

法人税 = 500万円×15% = 750,000円 同様に計算すると、地方法人税77,200円(77,250円→百円未満切捨て)・防衛特別法人税0円・住民税122,500円(法人税割52,500円+均等割70,000円)・事業税193,000円・特別法人事業税71,400円(71,410円→百円未満切捨て)

合計1,214,100円(約121.4万円) → 実効負担率は約24.3%

例3 課税所得3,000万円のケース(軽減税率の対象は所得の一部だけ)

法人税 = 800万円×15% + 2,200万円×23.2% = 6,304,000円 同様に、地方法人税649,300円・防衛特別法人税(6,304,000円−500万円)×4%=52,160円→52,100円・住民税441,200円+均等割70,000円=511,200円・事業税1,892,000円・特別法人事業税700,000円

合計10,108,600円(約1,010.9万円) → 実効負担率は約33.7%

内訳と税率の早見表

税目税率計算のもとになる金額
法人税800万円以下の部分15%/800万円超の部分23.2%課税所得
地方法人税10.3%法人税額
防衛特別法人税4%(令和8年4月1日以後に開始する事業年度から)法人税額−基礎控除500万円(年額・1年未満は月割)
住民税(法人税割)7%(標準税率)法人税額
住民税(均等割)定額(入力値)資本金の額・従業員数などで決まる
事業税(所得割)400万円以下3.5%/400万円超800万円以下5.3%/800万円超7%課税所得
特別法人事業税37%事業税(所得割・標準税率相当額)

ここを間違えやすい

1|「決算書の利益」と「課税所得」はイコールではありません

交際費の一部や役員退職金の否認額など、会計上は費用でも税務上は損金にできない項目があります。逆に、圧縮記帳のように会計と税務でずれる項目もあります。正確な金額は申告書の別表四で確認します。

2|この計算機は標準税率・外形標準課税の対象外を前提にしています

自治体が独自に定める超過税率を採用している地域や、資本金1億円を超えて外形標準課税の対象になる法人(令和7年4月1日以後に開始する事業年度からは、減資して資本金1億円以下になっても前事業年度に外形標準課税の対象で資本金と資本剰余金の合計が10億円を超える法人なども対象です)は、住民税・事業税の計算方法が異なります。実際の税額とは差が出る場合があります。

3|表示される実効負担率は、翌期の損金算入前の概算です

本来、当期に納めた事業税・特別法人事業税は翌期の法人税等の計算上、損金に算入されます。この計算機はその効果を反映していないため、教科書などで見る「実効税率」の数値よりやや高めに出ます。

4|均等割は所得がゼロでもかかります

赤字の年であっても、住民税の均等割だけは必ず発生します。この計算機でも、課税所得を0円にして計算すると、均等割の金額だけが残ることを確認できます。

よくある質問

「実効税率」と「表面税率」はどう違うのですか。
表面税率は法人税・住民税・事業税それぞれの税率を単純に足したものです。実効税率は、事業税が翌期に損金算入される効果を織り込んで調整した、実質的な負担率を指します。この計算機はその調整前の概算値を表示します。
800万円という金額の区切りは、法人税と事業税で共通ですか。
どちらも中小法人向けの軽減措置として800万円が区切りになっていますが、根拠になる制度は別々です。法人税は軽減税率、事業税は所得を3段階に分ける仕組みという違いがあります。
資本金1億円を超える会社でも使えますか。
この計算機は中小法人・標準税率を前提にしています。資本金1億円超の法人は法人税の軽減税率が使えないほか、事業税に外形標準課税(付加価値割・資本割)が加わるため、別の計算が必要です。
都道府県や市区町村によって税額は変わりますか。
変わることがあります。多くの自治体は標準税率を採用していますが、一部の自治体は財政状況に応じて標準税率より高い超過税率を設定している場合があります。
防衛特別法人税はいつから、どのくらいかかりますか。
令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、法人税額(所得税額控除などを差し引く前の額)から基礎控除500万円を引いた額の4%がかかります。3月決算なら令和9年3月期、12月決算なら令和9年12月期が最初の対象です。法人税額が500万円以下(課税所得がおおむね2,400万円程度まで)の会社では0円になります。法人税の申告書とあわせて申告・納付します。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 法人税法第66条(各事業年度の所得に対する法人税の税率)
  • 地方法人税法(地方法人税の税率)、地方税法(法人住民税・法人事業税の税率)、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律(特別法人事業税の税率)
  • 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法(防衛特別法人税・令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用)
  • 国税庁ホームページ「法人税の税率」「中小企業者等の法人税率の特例」関連情報

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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