- カテゴリ:住民税・事業税
- 根拠:地法72の24の7
- 入力1項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
法人事業税は、法人の所得に応じて都道府県に納める税金です。資本金1億円以下の中小法人など、外形標準課税の対象外となる法人は、所得金額に応じて3.5%・5.3%・7.0%と段階的に高くなる税率(所得割)で計算します。さらに、この所得割額をもとに、国税である特別法人事業税(所得割額の37%)もあわせて計算する必要があります。
この計算式を3行でいうと
- 所得割は所得400万円以下3.5%、800万円以下5.3%、800万円超7.0%の3段階の累進税率です。
- 特別法人事業税は、所得割額に37%を掛けて計算する国税で、法人事業税とあわせて都道府県に申告・納付します。
- この税率は外形標準課税の対象外となる中小法人向けの標準税率で、対象法人や自治体によって扱いが異なります。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
法人事業税(所得割)+特別法人事業税
地法72の24の7★結果コピーリンク外形対象外の中小法人の事業税所得割(標準3.5/5.3/7.0%の累進)と、その所得割額に課される特別法人事業税(国税37%)を合算します。
| 所得割(3.5/5.3/7.0%) | ¥492,000 |
| 特別法人事業税(所得割×37%) | ¥182,040 |
| 合計 | ¥674,040 |
こんなときに使います
- 決算で所得金額が確定し、法人事業税と特別法人事業税がいくらになるか概算したいとき
- 利益が増えてきて、所得割の税率が3.5%から5.3%、7.0%に上がる境目を確認したいとき
- 資本金1億円以下の中小法人として、外形標準課税の対象外であることを前提に納税額を見積もりたいとき
- 中間申告や納税資金の準備のために、事業税のおおまかな金額を早めに把握したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 所得金額 | 法人税の所得金額をもとにした、事業税の課税標準となる所得の金額です。法人税の所得金額とおおむね一致しますが、一部の調整が入る場合があります。 | 法人税申告書別表一の「所得金額又は欠損金額」の欄をもとに確認します。 |
所得割の税率は3段階
| 所得金額の区分 | 税率 | ひとこと解説 |
|---|---|---|
| 400万円以下の部分 | 3.5% | 最初の400万円に適用されます。 |
| 400万円超800万円以下の部分 | 5.3% | 400万円を超えた部分に適用されます。 |
| 800万円超の部分 | 7.0% | 800万円を超えた部分に適用されます。 |
所得税の累進課税と同じように、区分ごとに税率を掛けて合計する方式です。所得全体にいちばん高い税率を掛けるわけではない点が、勘違いしやすいポイントです。
計算のしくみ(3ステップ)
- 所得金額を3段階に区分する:所得金額を、400万円以下の部分・400万円超800万円以下の部分・800万円超の部分に分けます。
- 区分ごとに税率を掛けて所得割を合計する:それぞれの区分に3.5%・5.3%・7.0%を掛けて、合計したものが所得割額です。
- 特別法人事業税を計算する:所得割額に37%を掛けます。これが特別法人事業税額です。所得割額と特別法人事業税額の両方を都道府県に申告・納付します。
所得割と特別法人事業税は、申告書のうえでは別々の欄に記載しますが、納付先はどちらも都道府県です。2つの税金を別々に振り込む必要はありません。
具体例で確かめる
例1 所得金額1,000万円のケース(既定値)
400万円以下の部分 = 4,000,000円 × 3.5% = 140,000円 400万円超800万円以下の部分 = 4,000,000円 × 5.3% = 212,000円 800万円超の部分 = 2,000,000円 × 7.0% = 140,000円 所得割合計 = 140,000円+212,000円+140,000円 = 492,000円 特別法人事業税 = 492,000円 × 37%
所得割492,000円、特別法人事業税182,040円、合計674,040円です。この2つをあわせた金額が、都道府県に納める事業税関連の年税額の目安になります。
例2 所得金額300万円のケース(400万円以下のみ)
400万円以下の部分のみに該当 = 3,000,000円 × 3.5% = 105,000円 特別法人事業税 = 105,000円 × 37%
所得割105,000円、特別法人事業税38,850円、合計143,850円です。所得が低い区分だけなら、計算はシンプルです。
例3 所得金額600万円のケース(400万円超800万円以下まで)
400万円以下の部分 = 4,000,000円 × 3.5% = 140,000円 400万円超の部分(200万円) = 2,000,000円 × 5.3% = 106,000円 所得割合計 = 140,000円+106,000円 = 246,000円 特別法人事業税 = 246,000円 × 37%
所得割246,000円、特別法人事業税91,020円、合計337,020円です。
外形標準課税の対象内・対象外の違い
| 区分 | 対象になる法人の例 | 所得割の考え方 |
|---|---|---|
| 対象外(本ページの内容) | 資本金1億円以下の中小法人など | 所得金額に3.5%・5.3%・7.0%の3段階の税率を掛けて計算します。 |
| 対象(外形標準課税) | 資本金1億円超の法人など | 所得割に加えて、給与や資本金などの規模に応じた付加価値割・資本割が別途課税されます。税率の考え方も本ページとは異なります。 |
資本金1億円という基準は、事業年度末時点の金額で判定されるのが基本です。決算期末が近づいたタイミングで増資を検討している場合は、外形標準課税の対象に切り替わるかどうかも含めて確認しておくとよいでしょう。対象が切り替わると、所得割の税率だけでなく申告書の様式や必要な計算項目そのものが変わります。
ここを間違えやすい
1|全額に一番高い税率を掛けてしまう誤り
所得800万円超であっても、800万円までの部分にはそれぞれ3.5%・5.3%が適用されます。全額に7.0%を掛けると、税額を大きく見積もりすぎてしまいます。所得税の累進課税と同じ考え方だとイメージすると理解しやすくなります。
2|外形標準課税の対象法人は税率が異なります
この税率は、資本金1億円以下など外形標準課税の対象外となる中小法人向けの標準税率です。資本金1億円超の法人などは、所得割の税率や計算方法自体が異なります。増資を予定している場合は、この点もあわせて確認しておく必要があります。
3|都道府県によって超過税率が採用されている場合があります
ここで示した3.5%・5.3%・7.0%は標準税率です。財政状況によって、これより高い税率を条例で定めている都道府県もあります。本店の所在地によって、実際の税負担が変わることがあります。
4|特別法人事業税は法人事業税とは別の税目です
特別法人事業税は国税ですが、法人事業税とあわせて都道府県に申告・納付します。所得割の計算を誤ると、特別法人事業税の金額も連動してずれてしまうため、まずは所得割の区分計算を正確に行うことが大切です。
よくある質問
- 赤字の場合はどうなりますか。
- 所得金額がマイナス(欠損)の場合、所得割も特別法人事業税もかかりません。ただし、資本金の額などによっては別途、外形標準課税の対象になり、所得の有無にかかわらず課税される部分が生じる場合があります。自社が外形標準課税の対象かどうかは、資本金の額から確認できます。
- 特別法人事業税はなぜ法人事業税とセットなのですか。
- 地域間の税収格差を調整するために創設された国税で、法人事業税の所得割額を基準に計算し、法人事業税とあわせて都道府県に申告・納付する仕組みになっているためです。申告書の様式上も、法人事業税と隣接する欄に記載します。
- 超過税率かどうかはどこで確認できますか。
- 本店や事業所が所在する都道府県税事務所、または都道府県のホームページで確認できます。標準税率と異なる場合があるため、申告前に確認することをおすすめします。複数の都道府県に事業所がある場合は、それぞれの税率を個別に確認し、所得を分割してから計算する必要があります。
- 外形標準課税とは何ですか。
- 資本金1億円超の法人などを対象に、所得だけでなく、給与や資本金などの規模に応じても課税する仕組みです。対象になる法人は、ここで説明した所得割とは異なる税率・計算方法が適用されるため、資本金が基準に近い会社は増資の前に影響を確認しておくことをおすすめします。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 地方税法第72条の24の7ほか(法人事業税の税率に関する規定)
- 地方法人税法・特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律(特別法人事業税)
- 総務省「地方税制度・法人事業税」の解説
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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