- カテゴリ:住民税・事業税
- 根拠:地法
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
個人住民税は、前年の所得をもとに翌年度に課税される税金で、大きく分けて「所得割」と「均等割」の2つから成り立っています。所得割は課税総所得金額に10%(市町村6%+道府県4%)を掛けて計算し、そこから所得税とは異なる住民税独自の調整控除を差し引きます。最後に定額の均等割を加えたものが、実際に納める年税額です。
この計算式を3行でいうと
- 所得割は課税総所得金額×10%(市町村6%+道府県4%)から調整控除を差し引いて計算します。
- 調整控除は人的控除の差額をもとに計算し、課税所得が200万円を超えると段階的に小さくなります。
- 均等割は森林環境税を含めておおむね5,000円の定額で、所得の多さにかかわらず一律にかかります。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
個人住民税の年税額
地法★結果コピーリンク個人住民税は、課税総所得に所得割10%(市町村6%+道府県4%)を掛け、均等割を加えます(調整控除で微調整)。
| 調整控除 | ¥2,500 |
| 所得割(課税所得×10%−調整控除) | ¥357,500 |
| 均等割 | ¥5,000 |
| 年税額 | ¥362,500 |
こんなときに使います
- 会社から届いた住民税決定通知書の金額が正しいか、大まかに検算したいとき
- 転職や退職で住民税の納め方(特別徴収から普通徴収など)が変わり、年間の負担額を確認したいとき
- ふるさと納税や住宅ローン控除など、住民税に影響する制度を検討する前に基準額を知りたいとき
- 副業や資産運用で所得が増えそうで、翌年度の住民税がどれくらい増えるか見積もりたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 課税総所得金額(住民税) | 所得金額から、住民税独自の所得控除(基礎控除など)を差し引いたあとの金額です。所得税の課税所得金額とは、控除額が違うため一致しません。 | 住民税の課税明細書、または前年の確定申告書・源泉徴収票をもとに市区町村が計算した金額です。住民税決定通知書の「課税標準額」欄で確認できます。 |
| 人的控除差の合計(基礎5万+扶養等) | 所得税と住民税とで、基礎控除や配偶者控除・扶養控除などの控除額に差があるために生じる「差額」の合計です。調整控除の計算に使います。 | 基礎控除の差額(5万円)に、配偶者控除・扶養控除などの差額を足した金額です。正確な額は住民税決定通知書や市区町村の案内で確認します。 |
| 均等割 | 所得の金額にかかわらず定額で課税される部分です。道府県民税と市町村民税をあわせた金額です。 | お住まいの市区町村の均等割額(森林環境税1,000円を含みおおむね5,000円)を確認します。自治体独自の上乗せがある場合もあります。 |
所得割10%の内訳
| 区分 | 税率 |
|---|---|
| 市町村民税(所得割) | 6% |
| 道府県民税(所得割) | 4% |
| 合計 | 10% |
計算のしくみ(3ステップ)
- 所得割のもとになる金額を計算する:課税総所得金額に10%(市町村6%+道府県4%)を掛けます。
- 調整控除を差し引く:課税総所得金額が200万円以下なら人的控除差の合計×5%、200万円を超える場合は{人的控除差の合計-(課税総所得金額-200万円)}×5%(最低2,500円)を差し引きます。
- 均等割を加える:所得割から調整控除を引いた金額に、定額の均等割を足すと年税額になります。
ここでの「課税総所得金額」は、給与所得や事業所得などを合計し、住民税独自の所得控除を差し引いたあとの金額です。所得税の確定申告をしていれば、その情報をもとに市区町村が住民税額を計算し、あらためて住民税用の申告書を提出する必要は基本的にありません。
具体例で確かめる
例1 課税総所得金額360万円、人的控除差5万円のケース(既定値)
所得割 = 3,600,000円 × 10% = 360,000円 課税所得が200万円を超えるため、調整控除 ={50,000円-(3,600,000円-2,000,000円)}× 5% 計算するとマイナスになるため、最低額の2,500円を適用
年税額 = 360,000円-2,500円+5,000円 = 362,500円
例2 課税総所得金額150万円(200万円以下)、人的控除差8万円のケース
所得割 = 1,500,000円 × 10% = 150,000円 課税所得が200万円以下のため、調整控除 = 80,000円 × 5% = 4,000円
年税額 = 150,000円-4,000円+5,000円 = 151,000円
例3 課税総所得金額195万円、人的控除差38万円(配偶者控除等を含む)のケース
所得割 = 1,950,000円 × 10% = 195,000円 課税所得が200万円以下のため、調整控除 = 380,000円 × 5% = 19,000円
年税額 = 195,000円-19,000円+5,000円 = 181,000円(課税所得が200万円に近づくほど、調整控除は小さくなります)
住民税の納め方の違い
| 区分 | 対象になる人の例 | 納め方 |
|---|---|---|
| 特別徴収 | 主に会社員・公務員 | 毎月の給与から天引きされ、6月から翌年5月まで12回に分けて納めます。 |
| 普通徴収 | 個人事業主・年金受給者・退職して間もない方など | 自宅に届く納税通知書にもとづき、年4回程度に分けて自分で納めます。 |
会社員でも、副業の所得分だけを普通徴収にして、給与とは別に自分で納めることを選べる場合があります。会社に副業を知られたくない場合の対応として使われることがありますが、市区町村への申告方法を誤ると特別徴収に含まれてしまうことがあるため注意が必要です。
ここを間違えやすい
1|所得税の課税所得金額をそのまま使ってしまう
住民税の所得控除は、所得税の控除額と金額が異なるものがあります(基礎控除など)。所得税の確定申告書に書いた「課税される所得金額」をそのまま住民税の計算に使うと、実際の住民税額とずれることがあります。
2|調整控除は課税所得が増えるほど小さくなります
調整控除は、課税総所得金額が200万円を超えると段階的に縮小し、最終的には最低額の2,500円まで下がります。所得が多い方ほど、調整控除が年税額に与える影響は小さくなり、実質的な税負担率は10%に近づいていきます。
3|均等割は所得がゼロでもかかることがあります
均等割は定額のため、所得割がかからない低所得の年でも、一定の所得を超えていれば均等割だけは課税される場合があります。非課税になる基準は自治体や世帯状況(扶養親族の人数など)によって異なるため、一律の金額で判断できません。
4|前年の所得に対して翌年度に課税されます
住民税は、その年の所得にすぐ課税される所得税と異なり、前年1年間の所得をもとに翌年度に課税されます。退職して収入が減った年に、前年分の高い住民税の負担が重く感じられることがあるため、退職を予定している方は納税資金をあらかじめ見込んでおくと安心です。
よくある質問
- 住民税はいつ、どうやって納めますか。
- 会社員の方は毎月の給与から天引きされる特別徴収が一般的で、6月から翌年5月まで12回に分けて納めます。個人事業主の方などは、年4回に分けて自分で納める普通徴収が基本です。転職のタイミングによっては、特別徴収と普通徴収が年の途中で切り替わることもあります。
- ふるさと納税をすると住民税はどう変わりますか。
- ふるさと納税の寄附金のうち、自己負担2,000円を除いた部分が、翌年度の住民税の所得割額などから控除されます。ワンストップ特例を使うか確定申告をするかによって、所得税から控除される分と住民税から控除される分の内訳が変わりますが、自己負担額そのものは基本的に変わりません。
- 所得税がかからない年でも住民税はかかりますか。
- 所得税と住民税とでは、非課税になる所得の基準や控除額が異なります。所得税がかからない年でも、住民税(均等割や所得割)がかかる場合があります。反対に、住民税は非課税でも所得税は課税される、というケースが生じることもあるため、それぞれ別に確認が必要です。
- 引っ越した場合、住民税はどこに納めますか。
- その年の1月1日時点で住民票がある市区町村に、その年度分の住民税を納めます。年の途中で引っ越しても、その年度分の納付先が途中で変わることはありません。翌年度分からは、新しい住所地の市区町村が課税団体になります。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 地方税法第23条・第292条ほか(個人住民税の所得割・均等割に関する規定)
- 地方税法第37条の2・第314条の6ほか(調整控除に関する規定)
- 総務省「個人住民税」の解説、各市区町村「住民税のしくみ」の案内
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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