- カテゴリ:住民税・事業税
- 根拠:地法
- 入力2項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
法人住民税は、法人の所得に応じて変動する法人税割と、赤字でも一定額がかかる均等割の2つから成り立っています。このうち法人税割は、法人税の申告で計算した法人税額に、都道府県と市区町村それぞれの税率(標準で合計7.0%)を掛けて計算します。法人税額がベースになるため、法人税の計算が先に必要です。
この計算式を3行でいうと
- 法人税割は「法人税額×税率」で計算し、標準税率は合計7.0%(道府県1.0%+市町村6.0%)です。
- 自治体によっては標準税率より高い超過税率を採用している場合があり、本店・支店ごとに確認が必要です。
- 法人税割とは別に、資本金等の額や従業者数で決まる定額の均等割が必ず加算されます。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
法人住民税(法人税割)
地法★結果コピーリンク法人住民税の法人税割は、法人税額に税率(標準7.0%=道府県1.0%+市町村6.0%)を掛けます。別途、均等割(定額)があります。
| 法人税額×税率7% | ¥560,000 |
こんなときに使います
- 決算で法人税額が確定し、法人住民税(法人税割)がいくらになるかを概算したいとき
- 本社や支店がある自治体の税率が標準税率か超過税率か、事前に影響を確認したいとき
- 中間申告や納税資金の準備のために、法人住民税のおおまかな金額を早めに知りたいとき
- 増資や人員増加を検討していて、均等割にどう影響するか整理したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 法人税額 | 法人税の確定申告(または中間申告)で計算した法人税額で、租税特別措置法の特別控除(賃上げ促進税制など)を差し引いた後、所得税額控除・外国税額控除を差し引く前の金額です。千円未満を切り捨てて課税標準にします。法人税割の計算の土台になるため、この金額を先に確定させる必要があります。 | 法人税申告書別表一の「法人税額計」の欄で確認します(所得税額控除後の「差引所得に対する法人税額」ではありません)。決算書ではなく、法人税の申告書を参照します。 |
| 法人税割の税率 | 都道府県分と市区町村分をあわせた税率です。標準税率は7.0%(道府県1.0%+市町村6.0%)ですが、自治体によってはこれより高い超過税率が適用される場合があります。 | 本店・支店が所在する都道府県・市区町村の税率表、または納税通知書で確認します。 |
標準税率7.0%の内訳
| 区分 | 標準税率 | 課税主体 |
|---|---|---|
| 道府県民税 法人税割 | 1.0% | 都道府県 |
| 市町村民税 法人税割 | 6.0% | 市区町村 |
| 合計 | 7.0% | 道府県と市区町村の合計 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 法人税額を確定させる:法人税の申告で計算した、税額控除後の法人税額を確認します。
- 税率を確認する:本店・支店の所在地ごとに、標準税率7.0%が適用されるのか、自治体独自の超過税率が適用されるのかを確認します。複数の自治体に事務所がある場合は、従業者数などで法人税額を分割して計算します。
- 法人税割を計算する:法人税額(千円未満切捨て)に税率を掛け、百円未満を切り捨てます。これに、資本金等の額や従業者数で決まる均等割を別途加えたものが、法人住民税の年税額です。
ここでの法人税額は、賃上げ促進税制などの特別控除を適用したあと、所得税額控除・外国税額控除を差し引く前の金額です。特別控除の内容によって法人税額そのものが変わるため、法人税の申告内容が固まってから法人税割を計算する流れになります。決算のたびに、法人税・法人住民税・法人事業税をセットで見積もっておくと、資金繰りの計画が立てやすくなります。
具体例で確かめる
例1 法人税額800万円、標準税率7.0%のケース(既定値)
法人税割 = 8,000,000円 × 7.0%
法人税割は560,000円です。このほかに均等割が別途加算されます。
例2 法人税額1,200万円、標準税率7.0%のケース
法人税割 = 12,000,000円 × 7.0%
法人税割は840,000円です。法人税額が大きいほど、法人税割の金額も比例して大きくなります。同じ税率であれば、法人税額と法人税割は常に比例関係にあります。
例3 同じ法人税額800万円で、税率が異なる場合を比べるケース(仮に9.0%だった場合)
標準税率7.0%の場合 = 8,000,000円 × 7.0% = 560,000円 仮に超過税率9.0%が適用される場合 = 8,000,000円 × 9.0% = 720,000円
同じ法人税額でも、適用される税率次第で法人税割は16万円変わります。決算前の資金繰り予測では、余裕を持って高めの税率で見積もっておくと安心です。実際の税率は本店・支店が所在する自治体で確認してください。
均等割を左右する2つの要素
| 要素 | 何を見るか | ポイント |
|---|---|---|
| 資本金等の額 | 法人税法上の資本金等の額(資本金と資本準備金の合計額を下回るときはその合計額)を、事業年度末日現在で区分します。 | 1,000万円以下・1億円以下・10億円以下・50億円以下・50億円超の5区分で、上がるほど均等割の金額も高くなります。 |
| 従業者数 | その自治体内にある事務所・事業所で働く従業者の合計数(事業年度末日現在)です。市区町村分の均等割にだけ影響します。 | 50人以下か50人超かで区分が分かれ、50人超のほうが高くなります。 |
均等割の標準税率(年額)
| 資本金等の額 | 道府県民税 | 市町村民税(従業者50人以下) | 市町村民税(従業者50人超) |
|---|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 2万円 | 5万円 | 12万円 |
| 1,000万円超1億円以下 | 5万円 | 13万円 | 15万円 |
| 1億円超10億円以下 | 13万円 | 16万円 | 40万円 |
| 10億円超50億円以下 | 54万円 | 41万円 | 175万円 |
| 50億円超 | 80万円 | 41万円 | 300万円 |
たとえば札幌市に本店のある資本金1,000万円以下・従業者50人以下の会社なら、道民税2万円+市民税5万円=年7万円が均等割の最低ラインです(北海道・札幌市とも均等割は標準税率)。
均等割は、この2つの要素の組み合わせで区分が決まり、都道府県分と市区町村分がそれぞれ定額で計算されます。法人税割のように所得や法人税額に連動する部分ではないため、赤字の会社であっても、資本金や従業者数が同じであれば同じ金額の均等割がかかります。均等割の区分は事業年度末日現在の資本金等の額・従業者数で判定し、事業年度が1年未満の場合や年の途中で事務所を新設・廃止した場合は、事務所があった月数で月割りにします。超過税率を採用している自治体もあるため、具体的な金額は自治体ごとの案内で確認する必要があります。
ここを間違えやすい
1|均等割を忘れると納税額を過小に見積もります
法人税割がゼロ(赤字で法人税額が発生しない年)でも、均等割は資本金等の額や従業者数に応じて必ず発生します。法人税割だけを計算して「今期は税金がかからない」と考えてしまうと、実際の納税額とずれが生じます。休眠中の会社であっても、原則として均等割は発生し続けます。
2|超過税率は自治体によって異なります
標準税率7.0%はあくまで基準であり、財政状況などにより、より高い税率を条例で定めている都道府県・市区町村があります(上限となる制限税率は道府県2.0%・市町村8.4%の合計10.4%で、資本金1億円超や法人税額が一定額超の法人にだけ超過税率を適用する自治体が多くあります)。本店所在地だけでなく、支店がある自治体もそれぞれ確認が必要です。同じグループ会社でも、本店の所在地が違えば適用される税率も変わります。
3|複数の自治体に事業所がある場合は分割計算が必要です
従業者数などの基準で法人税額を関係する自治体ごとに配分してから、それぞれの税率を掛けて計算します。単純に1つの税率だけで全体を計算すると、実際の申告額とずれることがあります。事業所を新設・廃止した年は、分割計算の基準日にも注意が必要です。
4|中間申告の法人税割は前年実績等をもとに計算される場合があります
決算が確定する前の中間申告では、前年度の実績などをもとにした金額で申告・納付する場合があります。確定申告の時点で、実際の法人税額にもとづいた金額との差額を精算するため、中間納付額をそのまま年間の負担額と勘違いしないよう注意しましょう。
よくある質問
- 均等割はどうやって決まりますか。
- 資本金等の額と、その自治体内の従業者数の区分に応じて、都道府県分・市区町村分それぞれ定額で決まります。資本金を増やすと均等割の区分が上がることがあるため、増資を検討する際はあわせて確認しておくと安心です。具体的な金額は自治体ごとの案内で確認してください。休眠会社であっても届出をしていなければ均等割の対象になり続ける点も、あわせて押さえておきたいポイントです。
- 赤字の年でも法人住民税はかかりますか。
- 法人税額がゼロであれば法人税割もゼロになりますが、均等割は所得の有無にかかわらず発生します。赤字が続いている会社でも、均等割分の納税は毎年必要になる点は資金繰りの面で覚えておく必要があります。
- 法人税割の税率はどこで確認できますか。
- 本店・支店が所在する都道府県税事務所や市区町村の税務担当窓口、各自治体のホームページで確認できます。標準税率か超過税率かは自治体によって異なるため、申告のたびに最新の税率を確認しておくと安心です。
- 法人事業税とは何が違いますか。
- 法人事業税は、所得に応じて別の税率で計算される税金です。法人住民税(法人税割・均等割)とは別の制度で、あわせて申告しますが、それぞれ計算方法が異なります。法人事業税は都道府県だけに納める税金である点も、市区町村分をあわせて納める法人住民税との違いです。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 地方税法第51条・第314条の4(法人税割の標準税率・制限税率)、第23条・第292条(課税標準となる法人税額の定義)
- 地方税法第52条・第312条(法人住民税・均等割の税率)
- 総務省「地方税制度・法人住民税」の解説、各都道府県・市区町村「法人住民税」の案内
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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