- カテゴリ:住民税・事業税
- 根拠:地法72の49の12
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
個人事業税は、個人事業主やフリーランスの一部の方に、都道府県から課される税金です。所得税や住民税とは別に、事業所得や不動産所得のうち事業的規模のものから事業主控除290万円を引いた金額に、営む業種ごとに決められた税率を掛けて計算します。すべての個人事業主にかかるわけではなく、法律で定められた業種(法定業種)を営む方だけが対象です。
この計算式を3行でいうと
- 税額は「事業所得+不動産所得-事業主控除290万円」に、業種別の税率(第1種5%など)を掛けて計算します。
- 事業主控除290万円は1年分の金額で、年の途中で開業・廃業した場合は営業月数に応じて按分します。
- 税率は業種により第1種5%、第2種4%、第3種5%または3%に分かれ、業種の分類が金額を左右します。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
個人事業税の年税額
地法72の49の12★結果コピーリンク個人事業税は、事業所得・不動産所得から事業主控除290万円を引いた額に業種別税率(第1種5%等)を掛けます。
| 所得−事業主控除290万 | ¥3,100,000 |
| ×税率5% | ¥155,000 |
こんなときに使います
- 個人事業主として開業し、事業税がいくらかかるのか初めて確認したいとき
- 事業所得が伸びてきて、来年の事業税の負担を見積もっておきたいとき
- 年の途中で開業・廃業する予定があり、事業主控除がどう按分されるか知りたいとき
- 自分の業種が事業税の対象になるのか、税率は何%なのかを確認したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 事業所得+不動産所得 | 確定申告書に記載する事業所得の金額と、事業的規模の不動産所得を合計した金額です。青色申告特別控除を差し引く前の金額を使う点に注意します。損益通算後の金額で考えます。 | 確定申告書第一表の「事業」「不動産」の所得金額欄で確認します。複数の事業を営んでいる場合は、それぞれの所得を合計します。 |
| 事業主控除 | 1年間営業した場合に一律で差し引ける金額です。年の途中で開業・廃業した場合は、営業した月数に応じて按分した金額になります。青色申告特別控除とは別の、事業税だけの控除です。 | 通年営業なら290万円をそのまま使います。開業・廃業した年は、290万円を12で割り、営業月数を掛けて計算します。 |
| 税率 | 営んでいる業種の区分によって決まる税率です。第1種事業(物品販売業・製造業など)は5%、第2種事業(畜産業など)は4%、第3種事業(医業・税理士業などの自由業)は5%または3%です。 | 自分の業種がどの区分にあたるかは、確定申告書の記載内容や都道府県税事務所の業種一覧で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 事業税の対象になる所得を確認する:事業所得と、事業的規模の不動産所得を合計します。青色申告特別控除は事業税の計算では差し引かれません。
- 事業主控除を引く:1年間営業していれば290万円を差し引きます。年の途中で開業・廃業した場合は、営業月数に応じて按分した金額を使います。
- 業種別の税率を掛ける:控除後の所得に、業種に応じた税率(第1種5%・第2種4%・第3種5%または3%)を掛けると年税額になります。
複数の業種を営んでいる場合は、それぞれの所得を業種ごとに区分し、業種ごとの税率を掛けたうえで合計します。1つの事業のなかでも、卸売と製造など性質の異なる部分がある場合は、区分の仕方によって税額が変わることがあるため注意が必要です。
具体例で確かめる
例1 事業所得600万円、第1種事業(税率5%)のケース(既定値)
課税される所得 = 6,000,000円 - 2,900,000円 = 3,100,000円 税額 = 3,100,000円 × 5%
事業税額は155,000円です。所得税や住民税とは別に、この金額を納める必要があります。
例2 事業所得250万円で事業主控除290万円を下回るケース
課税される所得 = 2,500,000円 - 2,900,000円 = マイナスのため0円
事業税額は0円です。所得が事業主控除の範囲内であれば課税されません。
例3 7月に開業し、その年の営業月数が6か月のケース(事業所得400万円、税率5%)
按分後の事業主控除 = 2,900,000円 ÷ 12か月 × 6か月 = 1,450,000円 課税される所得 = 4,000,000円 - 1,450,000円 = 2,550,000円 税額 = 2,550,000円 × 5%
事業税額は127,500円です。開業年は控除額が満額の半分程度になる点に注意が必要です。通年営業していれば控除額は290万円のままなので、同じ所得400万円でも税額は変わります。
業種ごとの税率早見表
| 区分 | 税率 | 主な業種の例 |
|---|---|---|
| 第1種事業 | 5% | 物品販売業、製造業、飲食店業、不動産貸付業など |
| 第2種事業 | 4% | 畜産業、水産業など |
| 第3種事業 | 5%または3% | 医業、税理士業などの自由業、あんま・マッサージ業など |
どの区分にもあてはまらない業種(文筆業やスポーツ選手など)は、法定業種に該当しないため事業税がかからないとされています。同じ「コンサルタント」と名乗っていても、実際の業務内容によって法定業種にあたるかどうかの判断が分かれることもあるため、自分の業種がどの区分になるかわからない場合は、都道府県税事務所に確認するのが確実です。
ここを間違えやすい
1|青色申告特別控除は事業税の計算には関係ありません
所得税の計算で使った青色申告特別控除後の金額をそのまま使うと、事業税額を少なく見積もってしまいます。事業税は、青色申告特別控除を差し引く前の所得金額をもとに計算するため、確定申告書の所得金額の欄をそのまま当てはめると、実際より低い税額をイメージしてしまいがちです。
2|事業主控除は自動的に按分されます
年の途中で開業・廃業すると、事業主控除290万円は営業月数に応じて減ります。1か月に満たない端数の扱いなど細かいルールもあるため、開業・廃業した年は、通年営業の年と同じ感覚で290万円を丸ごと差し引かないよう特に注意が必要です。
3|すべての業種にかかるわけではありません
法律で定められた法定業種を営む場合だけが対象です。同じような仕事に見えても、法定業種に該当するかどうかで事業税の有無が変わることがあるため、自分の業種の区分を確認しておくことが大切です。開業時に提出する届出の業種欄の書き方によって、判断が左右されることもあります。
4|青色事業専従者給与は所得の計算に影響します
事業税の所得計算では、青色事業専従者給与などについて所得税の計算と異なる調整が入る場合があります。正確な金額は、確定申告書の記載内容にもとづいて都道府県が計算します。自分で細かく計算しきれない場合は、届いた納税通知書の内訳を確認するのが確実です。
よくある質問
- 個人事業税はいつ納めますか。
- 毎年8月ごろに都道府県から届く納税通知書にもとづき、通常は8月と11月の年2回に分けて納めます。所得税の確定申告とは別のタイミングで届くため、存在を忘れていて資金繰りに慌てないよう、事前に金額の目安を把握し、納税資金を準備しておくと安心です。
- 確定申告をすれば事業税の申告は別途不要ですか。
- 所得税の確定申告をしていれば、原則として事業税の申告書を別途提出する必要はありません。申告内容が税務署から都道府県に共有され、そこから納税通知書が届く仕組みです。確定申告をしていない場合は、事業税の申告が別途必要になることがあるため、申告漏れがないか確認しておきましょう。
- 不動産所得だけの場合も対象になりますか。
- 建物の貸付けなどが一定の規模(戸数・棟数の基準)を超える場合は、不動産所得も事業税の対象になることがあります。アパート1棟や複数の駐車場を貸しているようなケースが該当しやすく、規模が小さい場合は対象外です。
- 赤字の年でも事業税はかかりますか。
- その年の所得が事業主控除290万円以下であれば、事業税額はゼロになります。赤字であれば通常は課税されませんが、翌年以降に黒字化したときのために、事業税の計算のしくみは把握しておくとよいでしょう。損失の繰越しなど細かい取り扱いは、確定申告の内容とあわせて個別に確認することをおすすめします。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 地方税法第72条の2・第72条の17・第72条の49の12ほか(個人の事業税に関する規定)
- 総務省「地方税制度・個人事業税」の解説
- 各都道府県税事務所「個人事業税のしおり」等の案内
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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