法定相続人・法定相続分・遺留分の判定の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:相続税・贈与税
  • 根拠:民法900・1042
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

相続が起きたとき、誰が相続人になり、どれだけの取り分があるのかは民法で決まっています。これが法定相続人と法定相続分です。遺言があっても最低限確保される取り分である遺留分も、相続人の顔ぶれによって割合が変わります。家族構成を入力するだけで、この3つを一度に確認できます。

この計算式を3行でいうと

  1. 法定相続人は配偶者と血族相続人(子、次に親、次に兄弟姉妹の順)で決まり、先の順位の人がいれば後の順位は相続人になりません。
  2. 法定相続分は、配偶者と子なら2分の1ずつ、配偶者と親なら3分の2・3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら4分の3・4分の1です。
  3. 遺留分は直系尊属だけが相続人のときは3分の1、それ以外は2分の1。ただし兄弟姉妹には遺留分がありません。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

法定相続人・法定相続分・遺留分の判定

民法900・1042結果コピーリンク

家族構成を入れると、法定相続人・各人の法定相続分・遺留分割合を判定します(子→親→兄弟姉妹の順位)。

配偶者+子: 1/2・1/2 / 配偶者+親: 2/3・1/3 / 配偶者+兄弟: 3/4・1/4(兄弟に遺留分なし)
相続人3人/配偶者1/2・子各1/4
法定相続人の数3人
配偶者の相続分1/2
子1人あたり1/4
配偶者の遺留分1/4
子1人の遺留分1/8
基礎控除の目安4,800万円
代襲相続(孫・甥姪)・相続放棄・養子の数の制限(実子あり1人/なし2人=税法上)は個別判断。遺留分は直系尊属のみ1/3、その他1/2。
目次

こんなときに使います

  • 相続が始まり、まず誰が相続人になるのかを確認したいとき
  • 遺産分割協議の前に、それぞれの法定相続分の目安を知りたいとき
  • 遺言書を作る前に、家族にどれだけの遺留分があるかを確認したいとき
  • 「兄弟姉妹には遺留分がない」など、遺留分の対象になる人を確認したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
配偶者の有無亡くなった方(被相続人)に、法律上の配偶者がいるかどうかです。1(あり)か0(なし)で入力します。婚姻期間の長さは関係ありません。戸籍謄本で確認します。離婚した元配偶者や、内縁関係にある人(事実婚のパートナー)は含みません。
血族相続人の順位配偶者以外の相続人が、子・親・兄弟姉妹のどの順位にあたるかです。0は子、1は親などの直系尊属、2は兄弟姉妹を表します。先の順位の人がいれば後の順位は対象外です。子がいれば0を選びます。子がおらず親(または祖父母)が健在なら1、子も親もいなければ2を選びます。
その人数入力した順位にあてはまる人が何人いるかです。同じ順位の人数で、その順位の取り分をさらに均等に分けます。子の人数、親の人数、または兄弟姉妹の人数を戸籍で確認します。代襲相続人(孫・甥姪)を含めるかどうかは個別の判断が必要です。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 相続人の順位を確認する:配偶者は常に相続人になります。血族相続人は子(第1順位)→親などの直系尊属(第2順位)→兄弟姉妹(第3順位)の順で決まり、先の順位に1人でも該当者がいれば、後の順位の人は相続人になりません。
  2. 配偶者と血族側で法定相続分を分ける:配偶者と子なら2分の1ずつ、配偶者と親なら配偶者3分の2・親側3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら配偶者4分の3・兄弟姉妹側4分の1に分けます。配偶者がいなければ、血族相続人がすべてを引き継ぎます。
  3. 同じ順位の人数で均等に割る:血族側の取り分を、その順位に該当する人数で均等に分けます。たとえば子が3人であれば、子の取り分をさらに3等分します。
  4. 遺留分の割合を確認する:相続人が直系尊属だけの場合は遺産全体の3分の1、それ以外の場合は2分の1が遺留分全体の枠になります。兄弟姉妹には遺留分がないため、配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースでは、配偶者だけに遺留分があります。

ここで出た割合は、あくまで民法上の基準です。実際の遺産分割は相続人全員の話し合いで自由に決められ、相続税の申告では別途、財産の評価額にもとづいた按分計算を行います。両者を混同しないようにしてください。相続税の計算では、いったん法定相続分で分けたものとして税額の総額を出し、そのあとで実際の取得割合に応じて割り振るという手順を踏みます。

具体例で確かめる

例1 配偶者と子2人が相続人のケース

配偶者の法定相続分 = 2分の1 子の法定相続分 = 2分の1 を2人で分けるので、1人あたり4分の1

配偶者2分の1、子は1人あたり4分の1。遺留分は全体で2分の1のため、配偶者4分の1、子は1人あたり8分の1

例2 配偶者と母1人が相続人のケース(子はなし)

配偶者の法定相続分 = 3分の2 母の法定相続分 = 3分の1

配偶者3分の2、母3分の1。遺留分は全体で2分の1のため、配偶者3分の1、母6分の1

例3 配偶者と兄弟姉妹2人が相続人のケース(子も親もなし)

配偶者の法定相続分 = 4分の3 兄弟姉妹の法定相続分 = 4分の1 を2人で分けるので、1人あたり8分の1

配偶者4分の3、兄弟姉妹は1人あたり8分の1。遺留分は配偶者だけに2分の1あり、兄弟姉妹の遺留分はゼロ

相続人のパターン別 早見表

配偶者の有無と血族相続人の順位の組み合わせによって、法定相続分と遺留分は次のように変わります。

相続人の組み合わせ法定相続分遺留分(全体)
配偶者のみ配偶者がすべて2分の1
配偶者と子配偶者2分の1・子2分の12分の1
配偶者と親配偶者3分の2・親3分の12分の1
配偶者と兄弟姉妹配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の12分の1(配偶者分のみ。兄弟姉妹に遺留分なし)
子のみ子がすべて2分の1
親のみ親がすべて3分の1
兄弟姉妹のみ兄弟姉妹がすべて遺留分なし

ここを間違えやすい

1|「必ずこの割合で分けなければいけない」わけではありません

法定相続分は話し合いの基準であり、相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる割合で自由に遺産を分けることができます(遺産分割協議)。法定相続分どおりに分けないと無効になる、ということはありません。特定の相続人がすべて相続する、という分け方も合意さえあれば可能です。

2|代襲相続・相続放棄・養子の数え方は個別の判断が必要です

亡くなった子にすでに子(孫)がいる場合はその孫が代わりに相続人になる代襲相続、相続を放棄した人がいる場合の人数の数え方、養子を迎えている場合の人数の制限などは、戸籍を確認したうえでの個別の判断が必要です。この計算機では、配偶者と各順位の血族相続人という基本パターンのみを扱っています。

3|遺留分は「全体に対する割合」で、各人の取り分にはもう一段階の計算が必要です

ここで示す遺留分は遺産全体に対する割合です。各相続人が実際に主張できる金額(遺留分侵害額)を具体的に出すには、この割合にさらに各人の法定相続分を掛け合わせ、生前贈与の扱いなども踏まえて計算する必要があります。

4|内縁の配偶者や事実婚の相手には相続分も遺留分もありません

法律上の婚姻関係がないと、どれだけ長く一緒に生活していても配偶者としての法定相続分・遺留分は発生しません。財産を残したい場合は、遺言や生命保険金の受取人指定、生前贈与など、別の方法であらかじめ備えておく必要があります。

よくある質問

法定相続分どおりに分けなければいけませんか。
いいえ。相続人全員の合意があれば自由に分けられます(遺産分割協議)。法定相続分は、話し合いがまとまらないときの基準や、相続税を計算するときの基準として使われます。
遺言があれば法定相続分は関係なくなりますか。
遺言の内容が優先されます。ただし配偶者・子・直系尊属には遺留分があるため、遺言の内容が遺留分を侵害している場合は、遺留分侵害額請求という形で最低限の取り分を金銭で取り戻すことができます。兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言ですべての財産を他の人に渡すと書かれていても、この請求はできません。
子どもがすでに亡くなっている場合はどうなりますか。
亡くなった子に子(孫)がいれば、その孫が代わりに相続人になります(代襲相続)。この計算機では代襲相続を自動では判定していないため、該当する場合は個別に確認してください。
相続放棄をした人は人数に入りますか。
この判定では、相続放棄をした人は最初から相続人でなかったものとして扱われ、次の順位の人が繰り上がることがあります。相続税の基礎控除額を計算するときは、放棄がなかったものとして人数に含める扱いになっており、ここでの数え方とは異なる点に注意してください。目的によって人数の数え方が変わることを覚えておくと混乱しません。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 民法第900条(法定相続分)、第887条・第889条(相続人の順位)
  • 民法第939条(相続放棄の効力)、第901条(代襲相続人の相続分)、第1042条(遺留分の帰属及びその割合)
  • 民法第1043条・第1044条(遺留分を算定するための財産の価額)
  • 国税庁タックスアンサー No.4132「相続人の範囲と法定相続分」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

関連する計算ツール

← 税務計算ツール集(全168式)の一覧にもどる

この計算、実際の数字で確かめませんか

札幌のジェイスタート会計事務所(公認会計士・税理士)が、御社の実額をもとに試算し、次に打つ手までご提案します。初回のご相談は無料です。

初回相談(無料)を申し込む料金・契約の流れを見る
0
目次