土地評価(側方・二方・規模格差)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:相続税・贈与税
  • 根拠:評基通15〜20-2
  • 入力8項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

相続税で土地を評価するとき、正面の路線価だけで単純に計算できるとは限りません。2つの道路に接する角地や、面積が大きい宅地では、価格を増減させる補正がいくつも重なります。正面・側方・裏面の路線価と土地の形・面積を入力すると、これらの補正をまとめて反映した評価額の目安がわかります。

この計算式を3行でいうと

  1. 正面路線価に奥行価格補正率をかけたうえで、側方路線・裏面路線がある場合はそれぞれの影響を加算して1平方メートルあたりの単価を出します。
  2. 側方路線の加算率は普通住宅地区の側方路線影響加算率(角地3%・準角地2%)、裏面路線の加算率は二方路線影響加算率2%(普通住宅地区)で計算します。ほかの地区区分では加算率が異なります。
  3. 地積が大きい宅地は、要件を満たせば規模格差補正が自動で反映され、面積が大きいほど1平方メートルあたりの評価額が下がる仕組みです。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

土地評価の詳細計算(側方・二方・規模格差)

評基通15〜20-2結果コピーリンク

正面・側方・裏面の路線価から側方路線影響加算・二方路線影響加算を行い、間口狭小等の補正と地積規模の大きな宅地の規模格差補正(自動計算)まで反映した評価額を計算します。

単価 = 正面×奥行補正 + 側方×奥行補正×加算率 + 裏面×奥行補正×0.02 評価額 = 単価 × 各種補正 × 規模格差補正 × 地積
評価額 ¥41,080,000
1㎡単価(加算後)¥205,400
側方加算率3%
規模格差補正率適用なし
評価額¥41,080,000
(参考)貸家建付地なら×(1−借地権×借家権)貸家建付地の計算機へ
奥行価格補正率は地区・奥行距離で0.80〜1.00(普通住宅地区10〜24mは1.00)。規模格差は普通住宅地区等・要件充足が前提。市街化調整区域・大工場地区等は対象外。
目次

こんなときに使います

  • 相続する土地が2つの道路に面した角地で、評価額の出し方がわからないとき
  • 比較的広い宅地を持っていて、相続税評価額のおおまかな目安を知りたいとき
  • 旗竿地や間口が狭い土地など、形が悪い宅地を評価したいとき
  • 税理士に相談する前に、自分でおおまかな評価額を試算しておきたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
正面路線価敷地が接する道路のうち、評価の基準になるメインの道路の路線価です。国税庁の路線価図で、敷地前面の道路に書かれている数字(1平方メートルあたり千円単位)です。
正面の奥行価格補正率土地の奥行き(道路からの奥行きの長さ)に応じて価格を補正する率です。路線価図の地区区分と奥行距離を、国税庁の奥行価格補正率表にあてはめて確認します。0.80から1.00の範囲です。
側方路線価(なければ0)正面とは別に、敷地の側面が接している道路の路線価です。側面にも道路があれば路線価図で確認します。側面に道路がなければ0を入力します。
角地1/準角地0.5/なし0側方路線影響加算率の区分です。角地(1)なら3%、準角地(0.5)なら2%(いずれも普通住宅地区の率)を側方路線価に掛けて加算します。2つの道路が交わる角地なら1、屈折した道路に接する準角地なら0.5、側方路線の影響を見ないなら0を入力します。
裏面路線価(なければ0)正面の反対側(裏側)が接している道路の路線価です。裏側にも道路があれば路線価図で確認します。なければ0を入力します。
間口狭小×奥行長大×不整形等間口の狭さ、奥行きの長さ、土地の形のいびつさをまとめて反映する補正率です。それぞれの補正率表にあてはめて算出した数値を掛け合わせたものを入力します。標準的な整形地なら1.0です。
地積評価する土地の面積(平方メートル)です。登記事項証明書(登記簿謄本)や測量図に記載された面積で確認します。
三大都市圏1/それ以外0土地が東京・大阪・名古屋の三大都市圏にあるかどうかです。規模格差補正の対象になる面積の下限が、三大都市圏なら500平方メートル以上、それ以外の地域なら1,000平方メートル以上と異なるため入力します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 正面の単価を出す:正面路線価に、正面の奥行価格補正率を掛けて、正面だけを基準にした1平方メートルあたりの単価を出します。
  2. 側方・裏面の影響を加算する:側方路線価がある場合は、奥行価格補正率(この計算機では1.00)と側方路線影響加算率(普通住宅地区:角地3%・準角地2%)を掛けたものを足します。裏面路線価がある場合は、奥行価格補正率(同じく1.00)と二方路線影響加算率2%を掛けたものをさらに足します。
  3. 土地の形の補正を掛ける:間口狭小・奥行長大・不整形地などの補正率を、ここまでの単価に掛け合わせます。
  4. 規模格差補正と地積を反映する:面積が三大都市圏で500平方メートル以上、それ以外で1,000平方メートル以上などの要件を満たす場合は、規模格差補正率〔=(地積×B+C)÷地積×0.8、小数点2位未満切捨て。B・Cは地積の規模と地域区分で決まる数値〕を自動で反映し、最後に地積を掛けて評価額を出します。

この計算機は路線価方式を前提にした概算です。路線価が定められていない郊外や農村部など、倍率方式の地域には使えません。また、実際の評価では、その土地をどう利用しているか(貸宅地・貸家建付地など)によって、ここからさらに評価額が調整されます。

具体例で確かめる

例1 標準的な整形地(補正なし)のケース

正面路線価20万円、奥行価格補正率1.0、側方・裏面路線なし、形の補正1.0、地積150平方メートル 単価 = 200,000円 × 1.0 = 200,000円 評価額 = 200,000円 × 1.0 × 150平方メートル

評価額は3,000万円。補正の要素がない土地では、路線価×地積がそのまま目安になる

例2 2つの道路に面した角地のケース

正面路線価20万円、側方路線価18万円、角地(普通住宅地区の側方路線影響加算率3%)、奥行補正1.0、地積180平方メートル 単価 = 200,000円×1.0 + 180,000円×1.00×0.03 = 205,400円 評価額 = 205,400円 × 180平方メートル

評価額は3,697万2,000円。角地は正面だけの土地(3,600万円)より評価額が少し高くなる

例3 地積800平方メートル(三大都市圏)の広い更地のケース

正面路線価20万円、奥行価格補正率1.0、側方・裏面路線なし、形の補正1.0、地積800平方メートル(三大都市圏) 地積800平方メートル≧500平方メートル(三大都市圏の基準)のため、規模格差補正の対象になります 規模格差補正率 = (800×0.95+25)÷800 × 0.8 = 0.785 → 0.78(小数点2位未満切捨て) 評価額 = 200,000円 × 1.0 × 0.78 × 800平方メートル

評価額は1億2,480万円(補正なしの1億6,000万円より22%低い)。面積が大きい宅地ほど、規模格差補正によって1平方メートルあたりの評価額が下がる。ただし普通住宅地区であることなど、要件を満たしているかの確認が前提

奥行価格補正率のめやす

入力欄の「正面の奥行価格補正率」は、国税庁の奥行価格補正率表から自分で読み取って入力する数値です。地区区分と奥行距離の組み合わせで、0.80から1.00の範囲で決まります。

地区区分奥行距離の目安補正率
普通住宅地区10メートル以上24メートル未満1.00
普通住宅地区上記より極端に短い、または長い0.80〜1.00の間で低下
普通住宅地区以外の地区地区区分と距離により変動0.80〜1.00の範囲

正確な数値は、国税庁ホームページで公開されている路線価図・評価倍率表のページで、該当する地区区分の補正率表を確認してください。

ここを間違えやすい

1|側方・裏面の奥行価格補正率は1.00に固定した簡易計算です

本来は側方路線・裏面路線それぞれの奥行きに応じた奥行価格補正率を別々に使うのが原則ですが、この計算機では計算を簡単にするため、側方・裏面路線には補正率1.00を当てはめています。奥行が極端に長い・短い土地では、実際の加算額はこれより小さくなります。

2|側方路線の加算率は簡略化した目安です

本来、側方路線影響加算率は地区区分ごとに細かく定められた表を使います。この計算機では普通住宅地区の率(角地3%・準角地2%)で計算しているため、ほかの地区区分(高度商業・繁華街地区は角地10%・準角地5%、普通商業・併用住宅地区は8%・4%、ビル街地区は7%・3%、中小工場地区は3%・2%、大工場地区は2%・1%)では国税庁の加算率表の数値に置き換えて確認が必要です。

3|裏面の加算率2%も一律の簡便計算です

二方路線影響加算率は地区区分によって幅がありますが、この計算機ではもっとも一般的な普通住宅地区の2%で固定しています。高度商業・繁華街地区は7%、普通商業・併用住宅地区は5%、ビル街地区は3%と、地区区分によって実際の加算率は異なります。

4|規模格差補正には多くの前提条件があります

普通住宅地区または普通商業・併用住宅地区にあること、市街化調整区域(一定の開発行為が可能な区域を除く)でないこと、工業専用地域でないこと、指定容積率が400%(東京都特別区は300%)未満であること、大規模工場用地でないことなど、複数の要件を満たして初めて適用できます。要件を満たさない場合は、面積が大きくても規模格差補正は使えません。

よくある質問

路線価が2つの道路にまたがる場合、どちらを正面路線価にすればよいですか。
原則として、奥行価格補正率を掛けたあとの金額が高くなるほうを正面路線価とします。単純にどちらの路線価が高いかではなく、補正後の金額で比較します。
裏面や側方に道路がない場合はどう入力しますか。
該当する路線価の欄に0を入力してください。0を入力すれば、その分の加算はゼロとして計算されます。
この計算機の結果は、そのまま相続税の申告に使えますか。
目安としての試算にとどめてください。実際の申告では、奥行価格補正率・側方路線影響加算率・不整形地補正率などを国税庁の各種補正率表から正確に読み取り、規模格差補正の要件を満たすかどうかも個別に確認する必要があります。
路線価のない地域の土地には使えますか。
使えません。この計算機は路線価が定められている地域を前提にしています。路線価のない地域は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛ける倍率方式で評価します。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 財産評価基本通達13(路線価方式)、15(奥行価格補正)、16(側方路線影響加算)、17(二方路線影響加算)
  • 財産評価基本通達20(不整形地の評価)、20-2(地積規模の大きな宅地の評価)
  • 国税庁タックスアンサー No.4604「路線価方式による宅地の評価」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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