- カテゴリ:所得税
- 根拠:所法34
- 入力2項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
生命保険の満期保険金や、懸賞・福引きの賞金など、働いた対価ではなく、たまたま受け取った利益にかかるのが一時所得です。50万円の特別控除があり、さらに税金がかかるのはその2分の1だけという、比較的やさしい所得です。この記事では、計算のしくみと、対象になる代表的なケースをやさしく解説します。
この計算式を3行でいうと
- 一時所得は「総収入-支出した金額-50万円」。税金がかかるのはその2分の1だけです。
- 特別控除50万円があるため、収入と支出の差額が50万円以下であれば課税されません。
- 生命保険の満期金・解約返戻金、懸賞金、競馬の払戻金などが代表的な一時所得にあたります。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
一時所得
所法34★結果コピーリンク満期保険金や懸賞金など。特別控除50万円を引き、総所得へは2分の1を算入します。
| 総収入−支出−特別控除50万 | ¥1,500,000 |
| ×1/2 | ¥750,000 |
こんなときに使います
- 加入していた生命保険が満期を迎え、満期保険金を受け取ったとき
- 懸賞やクイズ、福引きなどで高額な賞金・賞品を受け取ったとき
- 解約した生命保険から、払い込んだ保険料より多い解約返戻金を受け取ったとき
- ふるさと納税以外の何らかの一時金・還付金の課税関係を確認したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 総収入金額 | 満期保険金や賞金など、受け取った金額そのものです。源泉徴収されている場合は、天引き前の金額を使います。 | 保険会社からの支払通知書、賞金の支払明細などで確認します。 |
| 支出した金額 | その収入を得るために直接支払った金額です。生命保険であれば、それまでに払い込んだ保険料の合計が該当します。 | 保険会社が発行する払込証明書、保険証券に記載の払込保険料累計額で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 総収入金額を確認する:満期保険金や懸賞金など、その年に受け取った金額を確認します。
- 支出した金額と特別控除50万円を差し引く:収入を得るために直接かかった支出(払込保険料の合計など)と、特別控除50万円を差し引きます。マイナスになる場合は一時所得はゼロです。
- 2分の1にして総所得に合算する:2で求めた金額の2分の1が、実際に総所得金額に算入される額です。給与所得など他の所得と合算して税額を計算します。
具体例で確かめる
例1 生命保険の満期保険金300万円、払込保険料100万円のケース
一時所得 = 3,000,000円 - 1,000,000円 - 500,000円 総所得への算入額 = 1,500,000円 × 1/2
総所得に加算されるのは75万円。300万円受け取っても、課税対象はその4分の1程度
例2 懸賞で60万円が当たり、支出がなかったケース
一時所得 = 600,000円 - 0円 - 500,000円 総所得への算入額 = 100,000円 × 1/2
総所得に加算されるのは5万円。特別控除50万円のおかげで課税対象は小さくなる
例3 収入と支出の差額が特別控除の範囲内におさまるケース
解約返戻金40万円、払込保険料済30万円の場合 一時所得 = 400,000円 - 300,000円 - 500,000円 = マイナス
差額が50万円に届かないため一時所得はゼロ。課税されない
一時所得にあたる代表的な例
| 区分 | 一時所得になるもの | 一時所得にならないもの |
|---|---|---|
| 保険 | 生命保険の満期保険金、解約返戻金(払込保険料より多い部分) | 年金形式で受け取る個人年金保険(雑所得)、死亡保険金(相続税・贈与税の対象) |
| 賞金・賞品 | 懸賞、クイズ番組の賞金、福引きの賞品、競馬・競輪の払戻金 | 事業として継続的に行う場合の利益(事業所得・雑所得) |
| その他 | 法人からの贈与を受けた金品、遺失物拾得や埋蔵物発見の報労金 | 個人から個人への贈与(贈与税の対象)、継続的な副業収入(雑所得・事業所得) |
ここを間違えやすい
1|「2分の1課税」を最初の計算から掛けてしまわない
2分の1を掛けるのは、特別控除50万円を引いたあとです。先に収入全体を2分の1にしてから50万円を引くと、金額が変わってしまいます。順番を間違えないようにしてください。
2|特別控除50万円は、一時所得の中で1年に1回しか使えません
同じ年に複数の一時所得(保険の満期金と懸賞金など)があった場合でも、50万円の特別控除はまとめて1回しか使えません。それぞれの収入ごとに50万円を引けるわけではないので注意してください。
3|死亡保険金や年金形式の受け取りと混同しない
被保険者の死亡によって受け取る死亡保険金は、一時所得ではなく相続税や贈与税の対象になります。また年金形式で少しずつ受け取る個人年金は、一時所得ではなく雑所得として毎年計算します。
4|確定申告が必要かどうかは他の所得と合わせて判断する
給与所得者の場合、一時所得を含む給与以外の所得の合計が一定額を超えると、原則として確定申告が必要になります。2分の1にする前の金額ではなく、総所得に加算される後の金額で判断する点に注意してください。
よくある質問
- ふるさと納税の返礼品も一時所得になりますか。
- 理論上は一時所得に含まれますが、返礼品の経済的価値と、他の一時所得の合計が特別控除50万円の範囲内であれば、実務上課税されないケースがほとんどです。高額な返礼品を頻繁に受け取っている場合は注意してください。
- 保険会社が源泉徴収してくれているので申告不要ですか。
- 生命保険の満期保険金などは源泉徴収の対象外であることが一般的です。一時所得として自分で総所得に算入し、他の所得と合わせて確定申告が必要かどうかを判断する必要があります。
- マイナスになった場合、他の所得と損益通算できますか。
- 一時所得がマイナス(赤字)になっても、その赤字を給与所得など他の所得から差し引くことはできません。一時所得の中でゼロとして扱われるだけです。
- 競馬の払戻金の「支出した金額」には何が含まれますか。
- 的中した馬券の購入費用が該当します。ただし外れ馬券の購入費用を支出に含められるかどうかは、購入方法や規模によって判断が分かれた裁判例があり、慎重な確認が必要です。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第34条(一時所得)
- 国税庁タックスアンサー No.1490「一時所得」
- 国税庁タックスアンサー No.1755「生命保険契約に基づく一時金を受け取ったとき」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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