- カテゴリ:所得税
- 根拠:所法27・26
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
個人事業主や、賃貸マンション・アパートを経営している方の所得は、売上(収入)そのままの金額ではなく、必要経費を差し引き、さらに青色申告をしていれば青色申告特別控除を差し引いた金額で計算します。同じ売上でも、経費の管理や申告の仕方によって所得金額は大きく変わります。ここでは事業所得・不動産所得の基本的な計算方法を確認します。
この計算式を3行でいうと
- 所得金額は「総収入金額-必要経費-青色申告特別控除」で計算します。白色申告の場合は青色申告特別控除がありません。
- 青色申告特別控除は要件に応じて65万円・55万円・10万円の3段階です。電子申告や複式簿記の有無で金額が変わります。
- 不動産所得は、事業的規模を満たさないと、複式簿記で記帳していても控除額は10万円までです。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
事業所得・不動産所得
所法27・26★結果コピーリンク総収入金額から必要経費と青色申告特別控除を引いた金額が所得です。
| 総収入−必要経費 | ¥4,000,000 |
| 青色申告特別控除 | ¥650,000 |
| 所得金額 | ¥3,350,000 |
こんなときに使います
- 個人事業主やフリーランスとして、確定申告の前に事業所得の見込みを計算したいとき
- アパートやマンションを貸していて、家賃収入から不動産所得を計算したいとき
- 白色申告から青色申告に切り替えたら、所得金額がどれだけ変わるか比べたいとき
- 電子申告(e-Tax)や複式簿記の要件を満たしているか、控除額への影響を確認したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 総収入金額 | その年に発生した売上や家賃収入などの合計です。入金があったかどうかではなく、取引が発生した金額で計算します。 | 売上帳・家賃台帳、確定申告書の収支内訳書または青色申告決算書の「収入金額」欄。 |
| 必要経費 | 収入を得るために直接かかった費用の合計です。仕入、外注費、地代家賃、減価償却費、修繕費、租税公課などが含まれます。 | 経費帳や領収書の合計、収支内訳書・青色申告決算書の「経費」欄。 |
| 青色申告特別控除 | 青色申告をしている場合に、要件に応じて65万円・55万円・10万円のいずれかを使います。白色申告の場合は0円です。 | 青色申告承認申請の有無、複式簿記かどうか、電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存をしているかで判定します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 総収入金額を確定する:その年に発生した売上・家賃収入などをすべて合計します。
- 必要経費を差し引く:仕入や地代家賃、減価償却費など、収入を得るためにかかった費用を差し引きます。
- 青色申告特別控除を差し引く:青色申告をしていて要件を満たす場合は、最後に65万円・55万円・10万円のいずれかを差し引きます。白色申告の場合はこの控除はありません。
具体例で確かめる
例1 個人事業主で、e-Tax申告・複式簿記の要件を満たすケース
所得 = 10,000,000円 - 6,000,000円 - 650,000円
事業所得3,350,000円(65万円の青色申告特別控除が適用される)
例2 複式簿記で記帳しているが、e-Taxや電子帳簿保存の要件は満たさないケース
所得 = 10,000,000円 - 6,000,000円 - 550,000円
事業所得3,450,000円(控除額が55万円になり、例1より所得が10万円多くなる)
例3 アパート2室のみを貸している、事業的規模ではない不動産所得のケース
総収入180万円、必要経費90万円、簡易な帳簿のため青色申告特別控除10万円 所得 = 1,800,000円 - 900,000円 - 100,000円
不動産所得800,000円(部屋数が少なく事業的規模でないため、65万円の控除は使えない)
青色申告特別控除の3パターン
| 控除額 | 主な要件 |
|---|---|
| 65万円 | 複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添付したうえで、e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行っている場合。 |
| 55万円 | 複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添付しているが、e-Taxや電子帳簿保存の要件を満たさない場合。 |
| 10万円 | 簡易な帳簿(簡易簿記)で記帳している場合。不動産所得が事業的規模に達していない場合は、複式簿記であってもこの金額が上限です。 |
ここを間違えやすい
1|不動産所得は「事業的規模」かどうかで控除額の上限が変わります
複式簿記で記帳していても、貸している部屋数・棟数が少なく事業的規模と認められない場合は、青色申告特別控除は10万円までです。一般的な目安として「5棟10室基準」が使われます。
2|必要経費に生活費を混ぜてはいけません
自宅を事務所として使っている場合の家賃や光熱費など、事業と家事の両方にかかわる支出は、事業で使った割合分だけを必要経費にする「家事按分」が必要です。
3|白色申告には青色申告特別控除がありません
白色申告の場合、必要経費を引いたところまでが所得金額です。同じ収入・経費でも、青色申告に切り替えるだけで所得金額が最大65万円下がる場合があります。
4|赤字の場合は控除しきれないことがあります
青色申告特別控除は、必要経費を引いたあとの所得金額が控除額に満たない場合、その所得金額を限度に控除します。控除によって所得がマイナスになることはありません。
よくある質問
- 事業所得と不動産所得の両方がある場合、青色申告特別控除はどう配分しますか。
- 2つ以上の所得がある場合は、あらかじめ決めた順序で控除額を配分します。一般的には不動産所得から先に控除し、控除しきれない分を事業所得から差し引く扱いになります。
- 開業したばかりで収入がまだ少ない場合、控除額はどうなりますか。
- 要件を満たしていれば、収入が少ない年でも65万円・55万円・10万円の控除は通常どおり使えます。ただし所得金額を超えて控除することはできません。
- 必要経費には何が含まれますか。
- 仕入や商品原価、外注費、地代家賃、水道光熱費(事業分)、減価償却費、租税公課、消耗品費などが含まれます。事業に直接関係のない支出は経費にできません。
- 白色申告でも帳簿は必要ですか。
- 必要です。白色申告でも、収入や経費を記録した簡易な帳簿を作成し、一定期間保存することが義務づけられています。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第26条(不動産所得)、第27条(事業所得)
- 租税特別措置法第25条の2(青色申告特別控除)
- 国税庁タックスアンサー No.2072「青色申告特別控除」/No.1370「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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