- カテゴリ:地方税・流通税
- 根拠:地法701の32
- 入力2項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
事業所税は、都市部で一定規模以上の事業を営む会社にかかる市区町村税です。床面積に応じてかかる資産割と、従業員に支払った給与総額に応じてかかる従業者割の2つを合計して税額を計算します。多くの中小事業者は床面積・従業者数のどちらも小さいため、そもそも課税されないケースが大半です。
この計算式を3行でいうと
- 税額は「床面積×600円の資産割」と「給与総額×0.25%の従業者割」を合計して求めます。
- 床面積1,000㎡以下、かつ従業者100人以下なら免税点未満となり課税されません。
- 課税対象になるのは東京23区や政令指定都市など、指定を受けた自治体にある事業所だけです。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
事業所税
地法701の32★結果コピーリンク一定規模以上の事業所に課税。床面積による資産割と給与総額による従業者割の合計です。
| 資産割(床面積×600円) | ¥900,000 |
| 従業者割(給与×0.25%) | ¥750,000 |
| 合計 | ¥1,650,000 |
こんなときに使います
- 政令指定都市などに支店や営業所を新設する予定があり、事業所税がかかるか確認したいとき
- オフィスを拡張したり、増床のための移転を検討したりして、床面積が1,000平方メートルに近づき、免税点を超えるか確かめたいとき
- 採用が進んで従業者数が100人に近づき、従業者割の対象になるかどうかをあらかじめ知りたいとき
- 決算や資金繰りの計画を立てる前に、資産割と従業者割をあわせた納税額のおおよその目安をつかんでおきたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 事業所床面積 | 事業所税の対象になる事務所・店舗・工場などの延べ床面積です。廊下、階段、倉庫など、直接の執務スペースでなくても事業の用に供している部分は広く含まれます。福利厚生施設や社員食堂なども対象に含まれるのが原則です。 | 建物の図面、賃貸借契約書の面積表示、または固定資産税の課税明細書で確認できます。複数フロアを借りている場合は、各フロアの面積を合計します。 |
| 従業者給与総額 | その事業所で働く従業者に1年間で支払った給与・賞与などの総額です。正社員だけでなく、パート・アルバイトなど雇用形態を問わず、その事業所に勤務するすべての従業者の分を含めて計算します。 | 給与台帳や源泉徴収簿の年間合計額から集計します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 免税点を確認する:床面積の合計が1,000平方メートル以下、かつ従業者数の合計が100人以下であれば、原則として事業所税はかかりません。どちらか一方でも超えると、超えたほうの税額(資産割または従業者割)が課税対象になります。
- 資産割を計算する:事業所用の床面積に600円を掛けます。
- 従業者割を計算する:従業者に支払った給与総額に0.25%を掛けます。
- 2つを合計する:資産割と従業者割を足した金額が、申告して納める事業所税額です。
事業所税は、都市部の道路整備や上下水道、防災施設といった都市環境の整備費用にあてるための目的税です。そのため対象になるのは人口や事業所が集中する指定都市等に限られており、地方の一般的な市区町村には制度自体がありません。資産割と従業者割は別々の税金ではなく、あわせて1つの事業所税として申告書にまとめて記入します。
具体例で確かめる
例1 床面積1,500平方メートル・給与総額3億円のケース
資産割 = 1,500平方メートル × 600円 = 900,000円 従業者割 = 300,000,000円 × 0.25%
従業者割750,000円 → 事業所税の合計は1,650,000円
例2 床面積950平方メートル・従業者80人の小規模オフィスのケース
床面積950平方メートルは1,000平方メートル以下 従業者80人も100人以下
資産割・従業者割ともに免税点未満のため、事業所税はかからない
例3 床面積2,000平方メートル・給与総額5億円のケース
資産割 = 2,000平方メートル × 600円 = 1,200,000円 従業者割 = 500,000,000円 × 0.25% = 1,250,000円
事業所税の合計は2,450,000円。床面積・給与総額のどちらも免税点を大きく超えているため、資産割・従業者割の両方が課税される
免税点の早見表
| 区分 | 免税点 | 免税点未満の扱い |
|---|---|---|
| 資産割(床面積) | 1,000平方メートル | 事業所床面積の合計がこの面積以下であれば、資産割は課税されません。複数の建物にまたがる場合も、同一事業所内の面積は合算して判定します。 |
| 従業者割(従業者数) | 100人 | 従業者数の合計がこの人数以下であれば、従業者割は課税されません。役員や正社員だけでなく、パート・アルバイトも人数に含めて判定します。 |
ここを間違えやすい
1|免税点を一部でも超えると全体に課税されます
免税点は「超えた部分だけ課税される」しくみではありません。床面積や従業者数が免税点を少しでも超えると、床面積・給与総額の全体に対して税額が計算されます。免税点をわずかに1平方メートル、1人でも超えるかどうかで納税額が大きく変わるため、増床や増員の計画段階から意識しておくことが大切です。
2|資産割と従業者割は別々に免税点を判定します
床面積は超えているが従業者数は免税点以下、というケースもあります。この場合は資産割だけが課税され、従業者割はかかりません。逆に従業者数だけが免税点を超えていれば、従業者割だけが課税されます。2つの免税点を混同しないよう注意してください。
3|課税対象になる自治体は限られています
事業所税がかかるのは、東京23区や政令指定都市など、あらかじめ指定を受けた市区町村(指定都市等)にある事業所だけです。それ以外の地域では、床面積や従業者数が大きくても事業所税自体がかかりません。事業所の移転や拡張を検討する際は、移転先が指定都市等に該当するかどうかも確認しておくとよいでしょう。
4|同じ市区町村内の複数事業所は合算して判定します
1つの市区町村内に複数の事業所を持っている場合、免税点の判定は事業所ごとではなく、その市区町村内の合計の床面積・従業者数で行います。個別の事業所が小さくても、合計で免税点を超えれば課税対象になる場合があります。支店を分けて登記しても、免税点を回避できるわけではない点に注意してください。判定の単位や合算のルールに迷う場合は、申告先の自治体窓口に事前相談しておくと安心です。
よくある質問
- すべての会社に事業所税がかかるのですか。
- かかりません。事業所税は、東京23区や政令指定都市などの指定都市等にあり、かつ床面積・従業者数が免税点を超える事業所だけに課税されます。地方の中小規模の事業所の多くは、そもそも指定都市等に該当しないため対象外です。
- 従業者給与総額には何を含めればよいですか。
- 基本的には給与・賞与などその事業所の従業者に支払った金額の総額です。通勤手当や住宅手当などの各種手当を含めるかどうかは細かい区分があり、個別の判断が必要になる場合があります。不明な点は申告先の自治体に確認することをおすすめします。
- 申告や納付はどこに行うのですか。
- 事業所が所在する市区町村に申告します。法人の場合、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に申告・納付します。個人事業主の場合は、暦年で区切って申告することになります。
- 免税点ぎりぎりの場合、どう判断すればよいですか。
- 期の途中で床面積を増やしたり人を採用したりして免税点に近づいている場合は、年間を通じた見込みで確認しておく必要があります。免税点をわずかに超えただけで納税額が大きく変わることもあるため、個別の状況によって判断が分かれます。早めに自治体や税理士に相談することをおすすめします。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 地方税法第701条の30から第701条の41まで(事業所税)
- 総務省「地方税制度 事業所税のしくみ」の解説
- 事業所が所在する市区町村(政令指定都市・特別区等)の事業所税申告の手引き
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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